JP6925286B2 - 超音波システム及び超音波パルス送信方法 - Google Patents

超音波システム及び超音波パルス送信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6925286B2
JP6925286B2 JP2017567416A JP2017567416A JP6925286B2 JP 6925286 B2 JP6925286 B2 JP 6925286B2 JP 2017567416 A JP2017567416 A JP 2017567416A JP 2017567416 A JP2017567416 A JP 2017567416A JP 6925286 B2 JP6925286 B2 JP 6925286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
cmut
flexible membrane
component
ultrasonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017567416A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018519085A (ja
Inventor
ホア パム
ホア パム
ルーディガー マウクゾク
ルーディガー マウクゾク
ワイルド ニコ マリス アドリアーン デ
ワイルド ニコ マリス アドリアーン デ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koninklijke Philips NV
Original Assignee
Koninklijke Philips NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koninklijke Philips NV filed Critical Koninklijke Philips NV
Publication of JP2018519085A publication Critical patent/JP2018519085A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6925286B2 publication Critical patent/JP6925286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B06GENERATING OR TRANSMITTING MECHANICAL VIBRATIONS IN GENERAL
    • B06BMETHODS OR APPARATUS FOR GENERATING OR TRANSMITTING MECHANICAL VIBRATIONS OF INFRASONIC, SONIC, OR ULTRASONIC FREQUENCY, e.g. FOR PERFORMING MECHANICAL WORK IN GENERAL
    • B06B1/00Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency
    • B06B1/02Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency making use of electrical energy
    • B06B1/0207Driving circuits
    • B06B1/0215Driving circuits for generating pulses, e.g. bursts of oscillations, envelopes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/06Measuring blood flow
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/44Constructional features of the ultrasonic, sonic or infrasonic diagnostic device
    • A61B8/4483Constructional features of the ultrasonic, sonic or infrasonic diagnostic device characterised by features of the ultrasound transducer
    • A61B8/4494Constructional features of the ultrasonic, sonic or infrasonic diagnostic device characterised by features of the ultrasound transducer characterised by the arrangement of the transducer elements
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/48Diagnostic techniques
    • A61B8/483Diagnostic techniques involving the acquisition of a 3D volume of data
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/48Diagnostic techniques
    • A61B8/488Diagnostic techniques involving Doppler signals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N7/00Ultrasound therapy
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B06GENERATING OR TRANSMITTING MECHANICAL VIBRATIONS IN GENERAL
    • B06BMETHODS OR APPARATUS FOR GENERATING OR TRANSMITTING MECHANICAL VIBRATIONS OF INFRASONIC, SONIC, OR ULTRASONIC FREQUENCY, e.g. FOR PERFORMING MECHANICAL WORK IN GENERAL
    • B06B1/00Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency
    • B06B1/02Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency making use of electrical energy
    • B06B1/0292Electrostatic transducers, e.g. electret-type
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B06GENERATING OR TRANSMITTING MECHANICAL VIBRATIONS IN GENERAL
    • B06BMETHODS OR APPARATUS FOR GENERATING OR TRANSMITTING MECHANICAL VIBRATIONS OF INFRASONIC, SONIC, OR ULTRASONIC FREQUENCY, e.g. FOR PERFORMING MECHANICAL WORK IN GENERAL
    • B06B2201/00Indexing scheme associated with B06B1/0207 for details covered by B06B1/0207 but not provided for in any of its subgroups
    • B06B2201/70Specific application
    • B06B2201/76Medical, dental

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Gynecology & Obstetrics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

本発明は、CMUT(容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(capacitive micromachined ultrasound transducer))セルのアレイを含むプローブであって、各セルは電極構成部の第1の電極を担持する基板を備え、基板は、前記電極構成部の第2の電極を含む柔軟メンブレンからギャップによって空間的に離間された、プローブと、前記電極構成部に結合された電圧源と、を備える、超音波診断イメージングシステム又は超音波治療システムなどの超音波システムに関する。
本発明は更に、そのような超音波システムのプローブを使用した超音波パルス送信の方法に関する。
医療イメージングに使用される超音波トランスデューサは、高品質の診断画像の生成につながる多くの特性を有する。これらの中には、解像度及び高感度に影響する広帯域幅があり、これらは、圧力出力と組み合わさって、超音波周波数における音響信号の被写界深度に影響する。従来、これらの特性を有する圧電材料はPZT及びPVDF材料で作られており、特にPZTが選ばれる材料として一般的である。しかしながら、PZTはいくつかの顕著な欠点がある。先ず、セラミックPZT材料は、ダイシング、整合層ボンディング、フィラー、電気めっき及び相互接続を含む製造プロセスを必要とし、これらは明確に異なり、複雑で、大量の処理を必要とし、これらの全てによって、トランスデューサスタックユニットの歩留まりが所望されるものよりも低くなってしまうことがある。この製造の複雑さは、最終的なトランスデューサプローブのコストを増加させるとともに、要素間の最小間隔及び個々の要素の大きさに関して設計に制限を課す。更には、PZT材料は、水又は生物組織に対して整合性の低いインピーダンスを有するので、関心対象媒体と整合の取れた所望の音響インピーダンスを得るために整合層がPZT材料に追加される必要がある。
超音波システムメインフレームは、より小型になり、信号処理機能性の多くに関してフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及びソフトウェアによって占められているので、システムメインフレームのコストは、システムのサイズとともに低下している。超音波システムは、現在、例えば、超音波診断イメージングシステム、又は高エネルギー超音波パルスを使用して特定の(組織)異常を切除する超音波治療システムとしての使用のために、安価なポータブル、デスクトップ及びハンドヘルド形態で入手可能である。その結果、トランスデューサプローブのコストがシステムの総コストのうちに占める割合は増加し続け、この増加は、超音波診断イメージングシステムの場合に、3Dイメージングに使用される要素の数の多いアレイの出現により加速している。
電子的な方向制御を伴う超音波3Dイメージングに使用されるプローブは、トランスデューサ要素の2次元(2D)アレイのためのマイクロビーム形成を実施する特殊化された半導体デバイスの特定用途向け集積回路(ASIC)に依存する。それ故、低コストの超音波システムの必要性を促進するために、好ましくは半導体生産に適合した製造プロセスによって、向上した歩留まりで、より低コストでトランスデューサアレイを製造可能であることが望ましい。
最近の開発は、医療超音波トランスデューサが半導体プロセスによって一括製造され得るという予想につながっている。望ましくは、これらのプロセスは、例えばCMOSプロセスなど、超音波プローブによって必要とされるASIC回路を生産するために使用されるものと同一のものであるべきである。これらの開発によって、マイクロマシン超音波トランスデューサ又はMUTが生産されてきたが、その好適な形態は、容量性MUT(CMUT)である。CMUTトランスデューサは、受信される超音波信号の音波振動を変調キャパシタンスに変換する電極を有する微小なダイヤフラム状のデバイスである。送信のために、電極に供給される容量性電荷は、デバイスのダイヤフラムを振動/移動させ、それによって超音波を送信するように変調される。これらのダイヤフラムは半導体プロセスによって製造されるので、デバイスは概して、10〜500マイクロメートルの範囲の寸法を有し得、ダイヤフラムの直径は、例えば、ダイヤフラム直径をダイヤフラムの所望の共鳴周波数(範囲)に整合させるとともに、個々のダイヤフラムの間の間隔が数マイクロメートルよりも小さくなるように選択される。多くのこのような個々のCMUTセルが、互いに接続され得、単一のトランスデューサ要素として調和して動作し得る。例えば、4〜16個のCMUTセルが、単一のトランスデューサ要素として調和して機能するように互いに結合され得る。例としては、典型的な2Dトランスデューサアレイは、2000〜10000個のCMUTトランスデューサ要素又はセルを有し得る。
従って、CMUTトランスデューサをベースにした超音波システムの製造は、PZTをベースにしたシステムと比較して、よりコスト効果が高い。更には、そのような半導体プロセスにおいて使用される材料によって、CMUTトランスデューサは、水及び生物組織に対して整合する一層向上させた音響インピーダンスを呈するので、(複数の)整合層の必要性をなくし、向上させた有効帯域幅を生む。
CMUTセルによって生成される音響パワー(出力圧力)を最適化するために、CMUTセルは、ギャップを横断するダイヤフラム又は柔軟メンブレンの中央部を対向する基板上に駆動するバイアス電圧によってCMUTセルが駆動されるいわゆるつぶれモードにおいて動作し、設定周波数を有する刺激であって、ダイヤフラム又は柔軟メンブレンをその設定周波数で共鳴させる刺激を提供される。これは、例えば、K.K.Parkらによって「Comparison of conventional and collapse−mode CMUT in 1−D array configuration」、Ultrasonics Symposium(IUS)、2011年、IEEE International、1000〜1003ページにおいて実証されている。しかしながら、CMUTセルをつぶれモードにおいて動作させることの欠点は、それがCMUTセルの寿命に悪影響を与えることである。この理由は十分に分かっていない。
本発明は、向上させた寿命特性を有する、冒頭のパラグラフによる超音波システムを提供しようとするものである。
本発明は更に、そのような超音波システムのプローブを使用した超音波パルス送信の方法を提供しようとするものである。
一態様によると、超音波システムが提供され、超音波システムは、CMUT(容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ)セルのアレイを含むプローブであって、各セルは電極構成部の第1の電極を担持する基板を備え、基板は、前記電極構成部の第2の電極を含む柔軟メンブレンからギャップによって空間的に離間され、柔軟メンブレンは中央領域に質量要素(重み要素)を備える、プローブと、前記プローブに結合され、超音波システムの送信モードにおいて、CMUTセルのうちの少なくともいくつかを柔軟メンブレンの中央部が基板に接触するつぶれた状態へと駆動するバイアス電圧成分であって、前記中央部は中央領域を含む、バイアス電圧成分と、前記つぶれた状態にあるCMUTセルのうちの少なくともいくつかのそれぞれの柔軟メンブレンを共鳴させるための設定周波数を有する刺激成分とを含む電圧を、CMUTセルのうちの少なくともいくつかのそれぞれの電極構成部に提供するように適合された電圧源と、を備え、少なくともいくつかのCMUTセルの各々の質量要素は、前記共鳴中に、前記セルの柔軟メンブレンの少なくとも中央領域を強制的に基板と接触したままにする。
本発明者は、驚くべきことに、送信中につぶれモードで動作するCMUTセルの寿命の問題が、印加される刺激成分によって、柔軟メンブレンのつぶれた中央部が対向する基板から一時的に解放されることによって引き起こされることを見出した。これは、中央部の応力を増加させ、柔軟メンブレンの中央部の亀裂又は他の損傷につながり、従って、CMUTセルの寿命を損なう。本発明者は更に、この問題が、柔軟メンブレンの中央部分に質量要素を設置し、刺激の印加中に質量要素によって少なくとも中央部分が強制的につぶれた状態に保持されるようにすることによって解決され得ることを見出した。このことは、柔軟メンブレンの中央部に誘起される応力を減少させ、従って、その寿命を延長させる。
この点において、米国特許出願公開第2007/0215964(A1)号が、CMUTセルの質量分布を変えるためにメンブレンの中央領域に肉厚部分を含んだ不均一なメンブレンを有するCMUTセルを開示していることに留意されたい。しかしながら、この不均一性は、CMUTセルの性能、すなわち出力圧力を増加させるために適用されたものである。この引用においては、このような肉厚部分がCMUTセルの寿命、特には、超音波パルスの送信中につぶれモードで動作するCMUTセルの寿命に何らかの関係を持つことについての示唆はない。
一実施形態において、各電極構成部は、基板によって担持される第3の電極を更に備え、第3の電極は第1の電極と第2の電極との間に位置し、誘電体層によって第1の電極から電気的に絶縁され、電圧源は、それぞれの第1及び第2の電極間に刺激を印加し、少なくともいくつかのCMUTセルのそれぞれの第3の電極にバイアス電圧を印加するように適合される。これによって、電荷蓄積がCMUTセルの出力性能に影響しないことが確実なものになる。というのは、この電荷蓄積は、刺激が供給される電極上では行われないからである。
電圧源は更に、前記プローブの受信モード中に少なくともいくつかのCMUTセルを強制的につぶれた状態にする更なる電圧を、CMUTセルのうちの少なくともいくつかのそれぞれの電極構成部に提供するように適合されてよい。これは、例えば、最適な感度での、すなわち、CMUTセルを、その対応する共鳴周波数が予期されるエコー信号の周波数と整合する程度までつぶすことによるパルスエコーの検知を、容易にする。
バイアス電圧源は、有利には、前記送信モード中に前記電圧のバイアス電圧成分を生成するように適合された第1の段であって、バイアス電圧成分は、少なくともいくつかのCMUTセルを強制的につぶれた状態にするのに十分である第1の段と、前記電圧の刺激成分を生成するように適合された第2の段とを備える。このことは、電圧の大部分が、大型の平滑キャパシタを含む電圧生成器を使用して生成され得るように刺激の比較的急速な変調に従う必要がなく、それにより電圧信号全体のノイズの量を減少させるという利点を有する。
一実施形態において、柔軟メンブレンは第1の材料を有し、質量要素は第2の材料を有し、柔軟メンブレンの中央領域内又は柔軟メンブレンの中央領域上の質量を最大化するために、第2の材料は第1の材料よりも高い密度を有する。例えば、第2の材料は、金属若しくは金属合金、又は重い非金属材料である。
質量要素は柔軟メンブレン上に配置され、このことは、製造の容易さのために特に有利である。代替的に、質量要素は柔軟メンブレン内に一体化されてもよい。
質量要素は、特には、柔軟メンブレンが円形状のメンブレンである場合には円筒状又は環状の形状を有し得る。概して、質量要素の形状は、好ましくは、質量が柔軟メンブレンの中央領域に均等に分布するように、柔軟メンブレンの形状と合致する。
超音波システムは、超音波診断イメージングシステム又は超音波治療システムである。
別の態様によると、超音波パルス送信の方法が提供され、方法は、CMUT(容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ)セルのアレイを含むプローブを提供するステップであって、各セルは電極構成部の第1の電極を担持する基板を備え、基板は、前記電極構成部の第2の電極を含む柔軟メンブレンからギャップによって空間的に離間され、柔軟メンブレンは中央領域に質量要素を備える、プローブを提供するステップと、CMUTセルのうちの少なくともいくつかを柔軟メンブレンの中央部が基板に接触するつぶれた状態へと駆動するバイアス電圧成分であって、前記中央部は中央領域を含む、バイアス電圧成分と、前記つぶれた状態にある少なくともいくつかのCMUTセルのそれぞれの柔軟メンブレンを共鳴させるための設定周波数を有する刺激成分と、を含む電圧を、CMUTセルのうちの少なくともいくつかのそれぞれの電極構成部に提供するステップと、を有し、少なくともいくつかのCMUTセルの各々の質量要素は、前記共鳴中に、前記セルの柔軟メンブレンの少なくとも中央領域を強制的に基板と接触したままにする。
このように超音波パルスを送信することによって、プローブのCMUTセルの柔軟メンブレンは、つぶれモードにおけるパルス生成中のセル床からの一時的な解放によって引き起こされる損傷から保護され、それにより、CMUTセルの寿命が延長される。
各電極構成部は、基板によって担持される第3の電極を更に備え得、第3の電極は第1の電極と第2の電極との間に位置し、誘電体層によって第1の電極から電気的に絶縁され、方法は、それぞれの第1及び第2の電極間に刺激成分を印加し、少なくともいくつかのCMUTセルのそれぞれの第3の電極にバイアス電圧成分を印加するステップを更に有する。これにより、任意の電荷蓄積がCMUTセルの出力性能に影響しないことが確実なものになる。というのは、この電荷蓄積は、刺激が供給される電極上では行われないからである。
方法は、異なる周波数の送信パルスが生成されるように、少なくともいくつかのCMUTセルの共鳴周波数を周期的に変えるために設定周波数を周期的に変えるステップを更に有し得る。
方法は、少なくともいくつかのCMUTセルの中央部のそれぞれの面積を変えるために、CMUTセルのうちの少なくともいくつかをつぶれた状態へと駆動するバイアス電圧成分を周期的に変えるステップを更に有し得る。これは、例えば、各送信パルスが最大化された出力圧力で生成されるように異なる周波数の送信パルスが生成されるように、少なくともいくつかのCMUTセルの共鳴周波数を周期的に変えるために設定周波数を周期的に変えるステップと連動してなされる。というのは、所与の周波数において送信するCMUTセルの出力圧力は、柔軟メンブレンのつぶれた面積の関数であるからである。
一実施形態において、方法は、特定の周波数のパルスエコーに対する受信CMUTセルの感度を最適化するために、受信モード中に、少なくともいくつかのCMUTセルを強制的につぶれた状態にする更なる電圧を、CMUTセルのうちの少なくともいくつかのそれぞれの電極構成部に提供するステップを更に有する。
添付の図面を参照して、本発明の実施形態が、より詳細に、非限定的な例として説明される。
一実施形態によるつぶれモードで動作可能な超音波システムのCMUTセルを概略的に示す図である。 CMUTセルの動作原理を示す図である。 CMUTセルの動作原理を示す図である。 CMUTセルの音響性能の等高線図である。 異なる周波数において刺激されたときのつぶれモードにあるCMUTセルメンブレンの挙動の振動計画像を示す図である。 一実施形態によるCMUTセルを概略的に示す図である。 図6のCMUTセルの例示的な製造方法を概略的に示す図である。 別の実施形態によるCMUTセルを概略的に示す図である。 更に別の実施形態によるCMUTセルを概略的に示す図である。 超音波診断イメージングシステムの例示的な実施形態を概略的に示す図である。 一実施形態によるパルス送信方法のフローチャートを示す図である。
図は単に概略的なものであり、一定の縮尺で描かれていないことは理解されるべきである。図面全体を通して、同一の参照番号が同一の又は類似の部品を示すために使用されることも理解されるべきである。
図1は、本発明の実施形態による超音波システムの一態様を図示し、そこでは、システムは、CMUTセル100を備えるトランスデューサアレイを有する超音波プローブを含む。本発明の実施形態によるCMUTセル100は、図6〜図9を用いてより詳細に説明される。以下に更に詳細に説明されるように、このような超音波システムは、超音波診断イメージングシステムであってよく、又は超音波治療システムであってよい。このようなCMUTセル100は、典型的には、ギャップ又はキャビティ118を挟んでシリコン基板112の上に懸架された柔軟メンブレン又はダイヤフラム114を備える。上部電極120は、ダイヤフラム114上に位置し、ダイヤフラムとともに運動する。この例においては、底部電極は、基板112の上側面上のセルの床の上に位置する。電極120がメンブレン114に埋め込まれたり、メンブレン114の上に追加的な層として蒸着されたりなど、電極120の設計が他のやり方で現実化されることも考えられ得る。この例においては、非限定的な例として、底部電極122は円形状に構成され、基板層112に埋め込まれる。他の適切な構成部としては、例えば、底部電極122は、他の電極形状を有し、例えば基板層112上などの他の場所に位置して底部電極122はギャップ118に直接的に晒され、又は上部電極120と底部電極122との間の短絡を防ぐために電気的絶縁層又はフィルムによってギャップ118から離間される。加えて、メンブレン層114は、基板層112の上面に対して固定され、メンブレン層114と基板層112との間に球状又は円筒状のキャビティ118を画定するような構成及び寸法を有する。疑義を避けるために、図1においては、非限定的な例として、底部電極122は接地されていることに留意されたい。他の構成部、例えば上部電極120が接地されたり、又は上部電極120及び底部電極122の両方が浮遊していたりすることも、もちろん同様に可能である。
セル100及びそのキャビティ118は、代替的な幾何学的形状を呈してよい。例えば、キャビティ118は、長方形又は正方形の断面、六角形の断面、楕円形の断面、又は不規則な形状の断面を呈してよい。本明細書において、CMUTセル100の径についての言及は、セルの最も大きな横方向寸法として理解されたい。
底部電極122は、そのキャビティに対向する面において、追加的な層(図示せず)によって絶縁される。好ましい電気的絶縁層は、基板電極122の上方であってメンブレン電極120の下方に形成される酸化物−窒化物−酸化物(ONO:oxide−nitride−oxide)誘電体層であるが、任意の電気的絶縁材料がこの層として考えられることを理解されたい。ONO誘電体層は、デバイスの不安定性及びドリフト、並びに音響出力圧力の低下につながる電極上の電荷蓄積を有利に減少させる。
CMUT上のONO誘電体層の例示的な作製は、「Capacitive micromachined ultrasound transducer」と題された、2008年9月16日出願のKlootwijkらによる欧州特許出願EP2,326,432A2において詳細に論じられている。ONO誘電体層の使用は、メンブレンが懸架された状態で動作しているCMUTよりも電荷保持の影響を受けやすいつぶれる前のCMUTとともになされることが望ましい。開示されるコンポーネントは、CMOS適合材料、例えば、Al,Ti、窒化物(例えば、シリコン窒化物)、酸化物(様々なグレード)、テトラエチルオキシシラン(TEOS)、ポリシリコンなどから作製される。CMOS作製において、例えば、酸化物及び窒化物層は、化学蒸着法によって形成され、金属化(電極)層はスパッタリングプロセスによって配される。
適切なCMOSプロセスは、LPCVD及びPECVDであり、後者は、400℃未満の比較的低い動作温度を有する。開示されるキャビティ118を生み出す例示的な技術は、メンブレン層114の上面を追加する前に、メンブレン層114の初期部分にキャビティを画定することを伴う。他の作製の詳細は、米国特許第6,328,697号(Fraser)に示されている。
図1において、円筒状のキャビティ118の直径は、円形状に構成された電極板122の直径よりも大きい。電極120は、円形状に構成された電極板122と同一の外径を有してよいが、そのような一致は、必須ではない。従って、メンブレン電極120は、下方の電極板122と整列するように、メンブレン層114の上面に対して固定される。CMUTセル100の電極は、デバイスの容量性プレートを提供し、ギャップ118は、キャパシタのプレート間の誘電体である。ダイヤフラムが振動すると、プレート間の誘電ギャップの寸法の変化が、受信される音響エコーに対するCMUTセル100の応答として感知されるキャパシタンスの変化を提供する。
電極間の間隔は、電圧源45によって、電極に静電圧、例えば、DCバイアス電圧を印加することによって制御される。電圧源45は、例えば送信モードにおいて、CMUTセル100の駆動電圧のDC成分及びAC成分又は刺激成分をそれぞれ提供するために別個の段102、104を任意選択的に備える。第1の段102は、静(DC)電圧成分を生成するように適合され、第2の段104は、設定交流周波数を有する交流の可変電圧成分又は刺激を生成するように適合され、その信号は、典型的には、全体的な駆動電圧と前述のその静的成分との間の差である。印加される駆動電圧の静的成分又はバイアス成分は、好ましくは、CMUTセル100を強制的につぶれた状態にする閾値電圧に一致するか又はそれを超える。このことは、第1の段102が、全体的な電圧の殊に低ノイズの静的成分を生成するために比較的大きなキャパシタ、例えば平滑キャパシタを含み、この静的成分が、典型的には、全体的な電圧信号のノイズ特性がこの静的成分のノイズ特性によって占められるように、全体的な電圧を占める、という利点を有する。電圧源45の他の適切な実施形態は、例えば、電圧源45が、CMUT駆動電圧の静的DC成分を生成するための第1の段と、駆動電圧の可変DC成分を生成するための第2の段と、信号の周波数変調成分又は刺激成分を生成するための第3の段とを含む3つの別個の段を含む実施形態、例えばパルス回路など、明らかである。要するに、電圧源45は、任意の適切なやり方で実現されてよい。
本質的に分かるように、ある閾値よりも大きい静電圧を印加することによって、CMUTセル100は強制的に、メンブレン114が基板112上につぶれるつぶれた状態となる。この閾値は、CMUTセル100の正確な設計に依存し、バイアス電圧の印加中にファンデルワールス力によってメンブレン114がセル床にくっつく(接触する)DCバイアス電圧として規定される。メンブレン114と基板112との間の接触の量(面積)は、印加されるバイアス電圧に依存する。図2a及び図3aを用いてより詳細に説明されるように、メンブレン114と基板112との間の接触面積が増えると、メンブレン114の共鳴周波数は増加する。
つぶれモードのCMUTセル100の周波数応答は、つぶれた後にCMUT電極に印加されるDCバイアス電圧を調整することによって変化する。その結果、より高いDCバイアス電圧が電極に印加されるにつれて、CMUTセルの共鳴周波数は増加する。この現象の背後にある原理は図2a、図2b、図3a及び図3bに示される。図2a及び図3aの断面図は、各図において、メンブレン114の外側支持体とメンブレンがキャビティ118の床に触れ始めるポイントとの間の距離D1及び距離D2によって、これを1次元的に示す。比較的低いバイアス電圧が印加されたときの図2aにおける距離D1は比較的長い距離であり、その一方、より高いバイアス電圧が印加されているため、図3aにおける距離D2はより一層短い距離であることが分かる。これらの距離は、その両端を保持され、かき鳴らされる長短の弦に喩えることができる。長く、緩い弦は、かき鳴らされたときに、より短く、よりきつい弦よりも一層低い周波数で振動する。同じように、図2aのCMUTセルの共鳴周波数は、より高いプルダウンバイアス電圧を受ける図3aのCMUTセルの共鳴周波数よりも低くなる。
この現象は、図2b及び図3bの2次元図からも理解され得、それは実際のところ、CMUTメンブレンの有効動作面積の関数である。図2aに図示されるように、メンブレン114がちょうどCMUTセルの床に触れたときには、セルメンブレン114の非接触(自由振動)部分の有効振動エリアA1は、図2bに図示されるように大きい。中央部17の小さな穴はメンブレンの中央接触領域を表す。大面積のメンブレンは、比較的低い周波数で振動する。このエリア17は、CMUTセルの床につぶれたメンブレン114のエリアである。しかし、図3aのように、より高いバイアス電圧によってメンブレンが引っ張られより深くつぶれると、図3bに図示されるように、より大きな中央接触エリア17’によって、自由振動エリアA2はより小さくなる。このより小さなエリアA2は、より大きなA1エリアよりも高い周波数で振動する。従って、DCバイアス電圧が減少すると、つぶれたCMUTセルの周波数応答は減少し、DCバイアス電圧が増加すると、つぶれたCMUTセルの周波数応答は増加する。
図4は、送信中の、一定周波数のAC変調又は周波数変調の形態の刺激を含む印加されたDCバイアス電圧の関数としてのつぶれモードにある典型的なCMUTセル100の音響圧力出力の等高線図を図示する。対応するパルス長は、印加された周波数の半分である。この等高線図から分かるように、CMUTセル100が固定的な電圧又は静電圧、例えば静的な値のDCバイアス電圧で動作するとき、最適な音響性能は小さな周波数範囲でしか得られない。しかしながら、等高線図において破線で示されるように、バイアス電圧及びバイアス電圧信号上の周波数変調を相関的に変化させると、CMUTセル100の最適な音響性能は、より一層広い周波数範囲にわたって達成され、それによって、CMUTセル100を含む超音波プローブの送信モードにおいて生成される超音波パルス(又はパルス列)の有効帯域幅が増加する。
このことは、再び図2a及び図3aを参照すると理解され得、これらは、つぶれた状態にあるCMUTセル100の共鳴周波数が、印加される(DC)バイアス電圧の関数であることを説明していた。適切な設定周波数を有する刺激を印加することによって特定の設定周波数の超音波パルスを生成するときに印加されるバイアス電圧を調整することによって、各パルス周波数についてCMUTセル100の(ほぼ)最適な音響性能を発揮する異なる周波数のパルスが生成され得る。従って、これにより、イメージングスペクトルの広い帯域幅にわたって、(ほぼ)最適なイメージング解像度が確保される。
発明者は、このようにして送信パルスとともに、すなわち、CMUTセル100のつぶれモードにある柔軟メンブレン114とともに起こる問題は、CMUTセル100の床に接触している柔軟メンブレン114の中央部17、17’が、周波数変調された刺激によって誘起されると、つぶれモードにある柔軟メンブレン114を共鳴させる間に一時的に床から解放されることにあることを見出した。このことは図5に図示され、図5は、低RF刺激(左ペイン)及び高RF刺激(右ペイン)によって刺激されたときのつぶれモードにある柔軟メンブレン114の振動計画像をそれぞれ示す。これらの画像の盛り上がった部分は、柔軟メンブレン114の共鳴しているエリアを示す。分かるように、印加された刺激が臨界周波数に達すると、図5の右側ペインの矢印によって示されるように、柔軟メンブレン114の中央領域が共鳴を開始する。つぶれモードからのこの一時的な解放によって、柔軟メンブレン114の中央部17、17’が受ける応力レベルが増加し、時間とともに中央部17、17’に損傷、例えば亀裂を生じさせ、結果として柔軟メンブレン114及びCMUTセル100の障害につながる。
発明者は、CMUTセル100へのそのような損傷は、柔軟メンブレン114の中央領域内又は中央領域上に質量要素を含むことによって防止され得、又は少なくとも遅延され得ることに気付いた。そのようなCMUTセル100の例示的な実施形態が、図6に概略的に示される。例えば、CMUTセル100は、図1において説明されたものと同様であるが、柔軟メンブレン114の中央部分に質量要素140を含み、この質量要素140が中央部分をその重みで押し下げ、上述のようなつぶれモードにあるCMUTセル100による超音波パルスの送信中に、柔軟メンブレン114への刺激によって提供されるエネルギーが、特には刺激スペクトルの高エネルギー部又は高周波数部において、柔軟メンブレン114の中央領域をCMUTセル100の床から一時的に解放するのに不十分になり、従って、この中央領域が一時的な解放に典型的に関連するレベルの機械的な応力に晒されることを防止する。質量要素140がキャビティ118の床に恒久的に装着されるものではないという事実によって、バイアス電圧が減少又は除去された際に柔軟メンブレン114はキャビティの床から解放される。更に、これにより、キャビティの床との柔軟メンブレン114の接触面積が、上述のようにバイアス電圧の大きさによって調節されることを可能にする。質量要素140の存在によって、つぶれモードにあるときに、超音波パルス送信中に柔軟メンブレン114が晒される応力レベルが低下し、従って、柔軟メンブレン114及びCMUTセル100の寿命は向上する。
CMUTセル100は、基板110に担持される底部電極122を備え、これは、キャビティ118から底部電極122を離間させる絶縁層125によってそのキャビティ対向面上で絶縁される。底部電極122は、任意の適切なやり方で構成され、例えば、円形状に構成され、CMUTセル100のセル床に埋め込まれる。絶縁層125は、好ましくは、PECVDプロセスなどのTEOSベースの蒸着プロセスによって蒸着された二酸化ケイ素(SiO)誘電体層である。絶縁層125のための代替的な材料は、酸化物−窒化物−酸化物(ONO)、high−k誘電体、及び酸化物(酸化アルミニウム、シランを含む様々なグレード、SiH系PECVD SiOなど)である。
キャビティ118は、上部電極120を含む柔軟メンブレン114によって覆われ、上部電極120はキャビティ118に露出しているか、又は、例えば露出した上部及び下部の電極120、122の間の短絡を防止するために、電気的絶縁層、例えば柔軟メンブレンの一部によって、キャビティから離間される。柔軟メンブレン114上の質量要素140は、好ましくは、柔軟メンブレン114の中央領域が質量要素140の重みによって均衡が取れた状態で押し下げられるように、柔軟メンブレン114の外形と合致する外形を有する。例えば、円形状の柔軟メンブレン114に対しては、質量要素140は、好ましくは、円形状の外形を有する。このような円形状の外形は、例えば、環状、円筒状又は円形状の外形を有する任意の他の3次元的形状を有する質量要素140によって達成される。
質量要素140は、好ましくは、超音波システムの送信モードにおいて電圧源45によって提供される刺激によって刺激されたときに柔軟メンブレン114の中央領域がつぶれたままになることを確実にするような重い質量要素である。これは、質量要素140の寸法を調整することによって達成されるが、質量要素140の高さを調整することが好ましく、というのは質量要素140の幅又は直径を増加させるとCMUTセル100の出力特性を損なうことがあるからである。好ましくは、質量要素140は、高密度、好ましくは柔軟メンブレン114の1つ又は複数の材料よりも高い密度を有する材料から構成され又は成り、というのは、これにより所望の臨界質量を有する質量要素140を設計する際に質量要素140の寸法の最小化が容易になるからである。この目的のために、任意の適切な高密度材料、例えば、重金属又は1つ若しくは複数の重金属を含む金属合金が使用される。特に好ましいものは、W、TiWなどのCMOSプロセス技術に適合する金属又は金属合金であり、というのは、これによりCMOSプロセスにおける質量要素140の直截的な製造が容易になり、最小限のCMOSプロセスの調整しか要しないからである。
そのような製造プロセスの非限定的な例が、図7を用いてより詳細に説明される。図7は、CMUTセル100の柔軟メンブレン114上に質量要素140を含むための鍵となるCMOS処理ステップを概略的に示す。ステップ(a)において、任意選択的なバリア層を有する底部電極層が、任意の適切なやり方、例えばスパッタリング法によって、シリコンウェハ112上に形成され、その後、この層は、任意選択的にバリア層111に覆われた底部電極122を形成するためにエッチング、例えばドライエッチングされる。シリコンウェハ112は、例えば、熱酸化シリコン上部層、ASIC基板などを有するシリコンウェハなどの、任意の適切なシリコンウェハでよい。適切なバリア層材料には、TiN、TiWなどの高仕事関数材料があるが、これらに限定されない。
任意選択的なステップ(b)において、第1の誘電体層125が、底部電極122を覆って、例えばPECVDなどの蒸着プロセスによって形成される。第1の誘電体層125のために適した材料には、好ましくはTEOS蒸着プロセスによって形成されたSiO、酸化物−窒化物−酸化物(ONO)、high−k誘電体、及び酸化アルミニウム、シランを含む様々なグレード、SiH系PECVD SiOなどの酸化物があるが、これらに限定されない。TEOSのPECVD蒸着プロセスによって形成されたSiOが特に好ましい。
次に、ステップ(c)に示されるように、犠牲材料113が、結果的な構造の上に蒸着され、続いて、形成されるべきキャビティ118の外形を画定するためにパターンが刻まれ、その後、任意選択的なステップ(d)において、更なる誘電体層115が結果的な構造を覆って、例えばPECVDなどの蒸着によって形成される。適切な犠牲材料113には、金属、金属合金、キャッピング層を有した金属層を含む層スタック、非晶質シリコンなどがあるが、これらに限定されない。Al/Nd及びAl/Moなどのアルミニウム合金が特に適している。更なる誘電体層115のために適した材料には、好ましくはTEOS蒸着プロセスによって形成されたSiO、酸化物−窒化物−酸化物(ONO)、high−k誘電体、及び酸化アルミニウム、シランを含む様々なグレード、SiH系PECVD SiOなどの酸化物があるが、これらに限定されない。TEOSのPECVD蒸着プロセスによって形成されたSiOが特に好ましい。
ステップ(e)において、更なるバリア層及び更なる電極層が、任意の適切なやり方、例えばスパッタリング法によって、形成され又は蒸着され、その後、この層は、更なるバリア層117によって下にある構造から任意選択的に離間された上部電極120を形成するためにエッチング、例えばドライエッチングされる。次に、柔軟メンブレン114、例えば、シリコン窒化物又は任意の他の適切な材料などの1つ又は複数の高破壊材料で形成されたメンブレンが、例えば、任意の適切な蒸着技術によって、上部電極120及び下にある構造を覆って形成され、その後、通気穴又は排気筒(図示せず)が柔軟メンブレン114を貫通して形成され、そこを通って犠牲材料113が除去され、それによってキャビティ118が形成され、その後、通気穴又は排気筒は、それ自体で知られる任意の適切なやり方で封止される。例えば、封止プロセスは、PECVD蒸着又はスパッタリング法を使用して真空状態において行われ、封止材料、例えばSiN、TEOS、酸化物−窒化物−酸化物材料スタック、金属などが、通気穴内にそれを封止するために蒸着される。当業者には容易に理解されるように、キャビティ118の内部の圧力と外部の圧力との間の圧力差が、空中の柔軟メンブレン114の形状を決定する。
最後に、ステップ(g)に図示されるように、質量要素140が、柔軟メンブレン114上で、柔軟メンブレン114の中央領域に形成される。質量要素140は、質量要素140を形成する材料の層、例えば、TiW及び/又はW層を蒸着し、質量要素140を形成するためにこの層(又はこれらの層)に、例えばエッチングによって、パターンを刻むことによって、形成される。質量要素140は、柔軟メンブレン114上に柱状体、例えば、円形状の柔軟メンブレン114の場合は環状又は円筒状の柱状体を形成するように示されるが、これは、つぶれモードにあるセルによる送信パルスの生成中に柔軟メンブレン114の中央部分をCMUTセル100の床に保持するという前述の目的のために、この中央部分を押し下げるためである。
この製造プロセスは、単一の追加的マスク、すなわち、質量要素140にパターンを刻むためのマスクしか必要とせず、従って、CMUTセル100に質量要素140を含むためにCMOS製造プロセスの最小限の調整しか必要としない。しかしながら、CMUTセル100にそのような質量要素140を含むために多くの他の適切な製造手段、例えば、米国特許出願公開第2007/0215964(A1)号で開示された手段、が容易に使用できること、及び任意の適切な製造プロセスが想定され得ることは、容易に理解されるであろう。
一実施形態において、質量要素140は、例えば、冷却によって質量要素140内に熱的応力が誘起されるように質量要素を高温度で形成することによって、又は任意の他の適切なやり方によって、固有の内部応力を含んで形成され、この応力の緩和は、柔軟メンブレン114を強制的に所定の形状、例えば、柔軟メンブレン114の中央領域がCMUTセル100の床に向かうように強制されるつぶれる前の形状にするために使用され得る。
図8は、CMUTセル100の代替的な実施形態を概略的に示し、ここでは質量要素140は柔軟メンブレン114内に一体化されている。このことは、CMUTセル100の全体的な高さが減じられるという利点を有する。質量要素140は、任意の適切なやり方によって柔軟メンブレン114内に一体化され、例えば、図7のステップ(f)において柔軟メンブレン114の一部を第1の厚さまで蒸着し、続いて、図7のステップ(g)に従って、部分的に形成された柔軟メンブレン114上に質量要素140を形成し、続いて、柔軟メンブレン114の残りを結果的な構造を覆って形成、例えば蒸着することによって柔軟メンブレン114の形成を完了し、任意選択的に、平坦化ステップを、質量要素140の上側面を平坦化ステップのストッパとして使用して行うことによって、柔軟メンブレン114内に一体化される。
図9は、上述のように柔軟メンブレン114上に質量要素140を含むCMUTセル100の別の実施形態を概略的に示す。この実施形態において、CMUTセル100は3電極式のCMUTセル100である。このCMUTセル100は、基板112の上側面を構成するセル100の床に埋め込まれた第3の電極124を含む。底部電極122は、任意の適切なやり方で構成され、例えば、円形状に構成され、セル床130に埋め込まれる。
第3の電極124は、典型的には、上側絶縁層125によってそのキャビティ対向面上で絶縁され、底部絶縁層123によってその底部電極対向面上で絶縁される。絶縁層123及び125は、好ましくは、PECVDプロセスなどのTEOSベースの蒸着プロセスによって蒸着された二酸化ケイ素(SiO)誘電体層である。絶縁層123、125のための代替的な材料は、酸化物−窒化物−酸化物(ONO)、high−k誘電体、及び酸化物(酸化アルミニウム、シランを含む様々なグレード、SiH系PECVD SiOなど)である。
この実施形態において、CMUTセル100の第1の電極120及び第3の電極124は、CMUTデバイスの容量性プレートを提供し、その一方で、底部誘電体層123を介した第3の電極124と第2の電極122との間の容量性結合が、例えばRCフィルタのためのキャパシタを規定し、これはCMUTセル100内に一体化される。第1の電極120は、設定周波数を有するAC刺激を第2の電極122及び第1の電極120に印加するように適合された電圧源45によって振動状態にされ、その結果、音響ビーム、例えば特定の周波数帯域幅の音響パルスが生成され、その一方で、第3の電極124には、駆動電圧のDC成分が供給される。このことは、DC成分に関連する蓄積電荷が、ユーザ又は患者から隔離されるという利点を有する。既に述べたように、この実施形態において質量要素130は柔軟メンブレン114上に図示されているが、質量要素130が柔軟メンブレン内に一体化されることも同様に可能であることは理解されよう。
図10において、本発明の例示的な実施形態によるアレイトランスデューサプローブを備える超音波診断イメージングシステムがブロック図の形態で示されている。図10においては、超音波を送信し、エコー情報を受信するために、CMUTトランスデューサアレイ110は、超音波プローブ10内に備えられる。トランスデューサアレイ110は、2D面で又は3Dイメージングでは3次元でスキャンすることが可能なトランスデューサ要素の1次元アレイ又は2次元アレイである。
トランスデューサアレイ110は、CMUTアレイセルによる信号の送信及び受信を制御するプローブ10内のマイクロビーム形成器12に結合される。マイクロビーム形成器は、例えば、米国特許第5,997,479号(Savordら)、米国特許第6,013,032号(Savord)、及び米国特許第6,623,432号(Powersら)において説明されるように、トランスデューサ要素のグループ又は「パッチ」によって受信される信号の少なくとも部分的ビーム形成が可能である。
マイクロビーム形成器12は、プローブケーブル、例えば同軸ワイヤによって、送信/受信(T/R)スイッチ16に結合され、送信/受信(T/R)スイッチ16は、送信モードと受信モードとを切り換え、マイクロビーム形成器が存在しない又は使用されず、トランスデューサアレイ110を主要システムビーム形成器20によって直接的に動作させるときに、主要ビーム形成器20を高エネルギー送信信号から保護する。マイクロビーム形成器12の制御の下でのトランスデューサアレイ110からの超音波ビームの送信は、T/Rスイッチ16によってマイクロビーム形成器に結合されたトランスデューサ制御器18、及びユーザインターフェース又は制御パネル38におけるユーザ操作から入力を受信する主要システムビーム形成器20によって指示される。トランスデューサ制御器18によって制御される機能のうちの1つは、ビームが方向制御され、集束される方向である。ビームは、トランスデューサアレイ110からまっすぐ前方に(トランスデューサアレイ110に直交して)方向制御され、又は広い視野のために異なる角度で方向制御される。トランスデューサ制御器18は、CMUTアレイのための前述の電圧源45を制御するために結合されてもよい。例えば、電圧源45は、例えば、上述の送信モードにおいてチャープパルスを生成するために、CMUTアレイ110のCMUTセル100に印加されるDCバイアス電圧及びACバイアス電圧を設定する。
マイクロビーム形成器12によって形成された、部分的にビーム形成された信号は、主要ビーム形成器20に転送され、そこで、トランスデューサ要素の個々のパッチからの部分的にビーム形成された信号は、完全にビーム形成された信号へと組み合わせられる。例えば、主要ビーム形成器20は、128個のチャンネルを有し、その各々が数ダース又は数百個のCMUTトランスデューサセル100のパッチから、部分的にビーム形成された信号を受信する。このようにして、トランスデューサアレイ110の数千個のトランスデューサ要素によって受信された信号は、単一のビーム形成された信号に効率的に寄与し得る。
ビーム形成された信号は、信号プロセッサ22に結合される。信号プロセッサ22は、受信されたエコー信号を、帯域フィルタリング、デシメーション、I成分及びQ成分の分離、組織及び微小気泡から戻った非線形(基本周波数の高調波)エコー信号の同定を可能にするように線形信号及び非線形信号を分離するように作用する高調波信号分離など、様々な手法で処理し得る。
信号プロセッサ22は、任意選択的に、スペックル低減、信号合成及びノイズ除去などの追加的な信号増強を実施する。信号プロセッサ22の帯域フィルタは、追跡フィルタであってよく、その通過帯域は、エコー信号がより深い深度から受信されるにつれて、より高い周波数帯域からより低い周波数帯域にスライドし、それによって、解剖学的情報を欠いている、より深い深度からのより高い周波数のノイズを除去する。
処理された信号は、Bモードプロセッサ26、及び任意選択的に、ドップラープロセッサ28に結合される。Bモードプロセッサ26は、身体内の臓器及び血管の組織などの身体内の構造のイメージングのために受信された超音波信号の振幅の検知を用いる。身体の構造のBモード画像は、例えば米国特許第6,283,919号(Roundhillら)及び米国特許第6,458,083号(Jagoら)において説明されるように、高調波画像モード、基本画像モード又はこの両者の組み合わせにおいて形成される。
ドップラープロセッサ28は、存在するなら、画像フィールド内の血球の流れなどの物質の動きの検知のために、組織の運動及び血流からの時間的に異なる信号を処理する。ドップラープロセッサは、典型的には、身体内の選択された種類の物質から戻ってきたエコーを通過させる及び/又は除去するように設定されるパラメータを有するウォールフィルタを含む。例えば、ウォールフィルタは、より速度の高い物質からの比較的低い振幅の信号を通過させる一方、より低い又はゼロ速度の物質からの比較的強い信号を除去する通過帯域特性を有するように設定され得る。
この通過帯域特性は、流動する血液からの信号を通過させる一方、心壁などのような近傍の静止した又は低速で運動している物体からの信号を除去する。組織ドップラーイメージングと呼ばれるものについては、逆の特性により、心臓の運動している組織からの信号を通過させる一方、血流の信号を除去して、組織の運動を検知し、示す。ドップラープロセッサは、画像フィールド内の異なるポイントからの一連の時間的に孤立したエコー信号を受信し、処理する。特定のポイントからのこの一連のエコーは、アンサンブルと呼ばれる。比較的短期間に続けざまに受信されたエコーのアンサンブルは、流動する血液のドップラーシフト周波数を推定するために使用され得、ドップラー周波数は、血流の速度を示す速度に対応する。より長い期間にわたって受信されたエコーのアンサンブルは、より低速で流動する血液又は低速で運動する組織の速度を推定するために使用される。
Bモード(及びドップラー)プロセッサによって生成された構造信号及び運動信号は、スキャンコンバータ32及び多平面リフォーマッタ44に結合される。スキャンコンバータ32は、エコー信号を、エコー信号がそこから受信された空間的関係で、所望の画像フォーマットにおいて構成部する。例えば、スキャンコンバータは、エコー信号を、2次元(2D)の扇形状のフォーマット、又はピラミッド形状の3次元(3D)画像へと構成部する。
スキャンコンバータは、Bモード構造画像に、画像フィールド内のポイントにおける運動にそれらのドップラー推定された速度に基づいて対応する色をオーバーレイして、画像フィールド内の組織及び血流の運動を示すカラードップラー画像を生成し得る。例えば米国特許第6,443,896号(Detmer)において説明されるように、多平面リフォーマッタ44は、身体のボリューム領域内の共通の平面におけるポイントから受信されたエコーを、その平面の超音波画像に変換する。米国特許第6,530,885号(Entrekinら)において説明されるように、ボリュームレンダラ42は、3Dデータセットのエコー信号を、所与の参照ポイントから見た投影3D画像に変換する。
2D画像又は3D画像は、画像ディスプレイ40上での表示のための更なる強調、バッファリング、及び一時的記憶のために、スキャンコンバータ32、多平面リフォーマッタ44、及びボリュームレンダラ42から、画像プロセッサ30に結合される。イメージングのために使用されることに加えて、ドップラープロセッサ28によって生成された血流値及びBモードプロセッサ26によって生成された組織構造情報は、定量化プロセッサ34に結合される。定量化プロセッサは、血流の容積流量などの異なる流動条件の測定値、並びに臓器の大きさ及び在胎期間などの構造的測定値を生成する。定量化プロセッサは、ユーザ制御パネル38から、測定が行われるべき画像の解剖学的構造内のポイントなどの入力を受信する。
定量化プロセッサからの出力データは、測定によるグラフィック及び値をディスプレイ40上の画像で再現するためにグラフィックプロセッサ36に結合される。グラフィックプロセッサ36は、超音波画像での表示のためのグラフィックオーバーレイも生成し得る。これらのグラフィックオーバーレイは、患者の名前、画像の日時、イメージングパラメータなどの標準的な識別情報を含み得る。これらの目的のために、グラフィックプロセッサは、ユーザインターフェース38から、患者の名前などの入力を受信する。
ユーザインターフェースは、トランスデューサアレイ110からの超音波信号の生成を制御し、従ってトランスデューサアレイ及び超音波システムによって生成される画像を制御するために、送信制御器18にも結合される。ユーザインターフェースは、多平面リフォーマットされた(MPR:multiplanar reformatted)画像の画像フィールドにおいて定量化された測定を実施するために使用される複数のMPR画像の平面の選択及び制御のために多平面リフォーマッタ44にも結合される。
当業者には理解されるように、超音波診断イメージングシステムの上記の実施形態は、このような超音波診断イメージングシステムの非限定的な例を与えるものと意図される。当業者は、本発明の教示から逸脱することなく、超音波診断イメージングシステムの構造におけるいくつかの変形が可能であることを、即座に認識するであろう。例えば、上記の実施形態においても示されるように、マイクロビーム形成器12及び/又はドップラープロセッサ28は省略されてよく、超音波プローブ10は、3Dイメージング機能などを有しなくてよい。他の変形は、当業者には明らかであろう。
更には、本発明は、超音波診断イメージングシステムに限定されるものではないことが理解されよう。パルスエコーを受信する必要がないため、プローブ10のCMUTセル100が送信モードのみで動作可能である超音波治療システムにも、本発明の教示は同様に適用可能である。当業者には即座に明らかとなるように、このような治療システムにおいては、図10を用いて説明された、パルスエコーを受信、処理、及び表示するために必要とされるシステムコンポーネントは、本出願の教示から逸脱することなく省略され得る。
図11は、例えば上述の超音波診断イメージングシステム又は超音波治療システムの実施形態を使用した超音波パルス送信の方法200のフローチャートを概略的に示す。方法200は、ステップ201において、本発明の一実施形態によるプローブ10、すなわち、CMUTセル100のアレイ110を含むプローブ10であって、各セルは電極構成部の第1の電極122を担持する基板112を備え、基板は、前記電極構成部の第2の電極120を含む柔軟メンブレン114からギャップ118によって空間的に離間され、柔軟メンブレン114はその中央領域17、17’に質量要素140を備える、プローブ10を提供することによって開始する。
送信モードにおいて、方法200はステップ203へと進み、そこでは、送信のために選択されたCMUTセル100の電極は、選択されたCMUTセルのそれぞれの電極構成部により、選択されたCMUTセル100を柔軟メンブレン114の中央部17、17’が基板112に接触するつぶれた状態へと駆動するバイアス電圧成分と、つぶれた状態にある選択されたCMUTセル100のそれぞれの柔軟メンブレン114を共鳴させるための設定周波数を有する刺激成分とを含む電圧を供給される。選択されたCMUTセル100の各々の質量要素140は、前記共鳴中に、選択されたCMUTセル100の柔軟メンブレン114の中央領域17、17’を強制的に基板と接触したままにする。一実施形態において、バイアス電圧成分は、図4を用いて説明された原理によって設定され、そこでは、選択されたCMUTセル100のつぶれた面積は、選択されたCMUTセル100への刺激の印加によって生成されるパルスのための選択されたCMUTセル100の出力圧力が最大化されるように、適切なバイアス電圧を印加することによって制御される。1つの送信サイクルにおいて、任意の適切な数のCMUTセル100が選択されてよく、例えば、アレイ110の全てのCMUTセル100、アレイ110の全てのCMUTセル100の部分集合、例えばアレイ110のCMUTセル100のクラスタを形成する複数のCMUTセル100、又は単一のCMUTセル100が、選択されてよい。
送信サイクルが完了すると、ステップ205において、アレイ110が受信モードに切り換えられるべきかが決定される。ステップ211で決定されるように更なる送信サイクルが実施されるべき場合、及び/又は上述の超音波治療システムの文脈においてパルスが送信される場合には、切り換えられるべきではない。受信モードが起動されるべきでない場合は、ステップ211において、別の送信サイクルが起動されるべきかがチェックされる。起動されるべき場合は、方法200はステップ203に戻り、アレイ110の選択されたCMUTセル100にバイアス電圧及び刺激を印加する。この選択は同一のCMUTセル100の選択でも、又は異なるCMUTセル100の選択でもよい。
印加されるバイアス電圧は、以前の送信サイクルにおいて印加されたものと同一のバイアス電圧でよく、又は異なるバイアス電圧でもよく、すなわち、バイアス電圧は周期的に変えられてよく、各周期は1つの送信サイクルに対応する。同様に、刺激は、以前の送信サイクルにおいて印加されたものと同一の刺激でよく、又は異なる刺激、すなわち異なる設定周波数の刺激でもよく、すなわち、刺激は周期的に変えられてよく、各周期は1つの送信サイクルに対応する。例えば、超音波システムが、患者の組織内に周波数の異なる一連のパルスを送信するなら、異なる設定周波数の刺激が印加される。一実施形態において、バイアス電圧成分は、図4を用いて説明された原理によって設定され、そこでは、選択されたCMUTセル100のつぶれた面積は、選択されたCMUTセル100への刺激の印加によって生成されるパルスのための選択されたCMUTセル100の出力圧力が最大化されるように、適切なバイアス電圧を印加することによって制御される。
一方、ステップ205において、超音波システムが受信モードに切り換えられるべきであると決定された場合は、方法はステップ207に進み、そこでは、アレイ110の選択されたCMUTセル100は、バイアス電圧、好ましくは選択されたCMUTセル100をつぶれた状態へと駆動するバイアス電圧を供給される。好ましくは、選択されたCMUTセル100の柔軟メンブレン114のつぶれた面積は、選択されたCMUTセル100が、予期されるパルスエコーの周波数に対して最適な感度を有するようにバイアス電圧の強さを選択することによって調節される。その後、ステップ209においてパルスエコーが受信され、任意の適切なやり方で更に処理される。送信サイクル及び任意選択的な受信サイクルが完了すると、ステップ213において、方法200は終了する。
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替的な実施形態を設計可能になることに留意されたい。特許請求の範囲において、括弧の間に置かれる任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。「備える(comprising)」という語は、特許請求の範囲に列挙されたもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する「a」又は「an」という語は、複数のそのような要素の存在を排除するものではない。本発明は、いくかの異なる要素を備えるハードウェアによって実施され得る。いくつかの手段を列挙するデバイス請求項において、これら手段のいくつかは、ハードウェアの1つの同一のアイテムによって具現化され得る。特定の手段が互いに異なる従属請求項において記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。

Claims (15)

  1. CMUTセルのアレイを含むプローブであって、各CMUTセルは電極構成部の第1の電極を担持する基板を備え、前記基板は、前記電極構成部の第2の電極を含む柔軟メンブレンからギャップによって空間的に離間され、前記柔軟メンブレンは中央領域に質量要素を備える、前記プローブと、
    前記プローブに結合され、超音波システムの送信モードにおいて、
    前記CMUTセルのうちの少なくともいくつかを前記柔軟メンブレンの中央部が前記基板に接触するつぶれた状態へと駆動するバイアス電圧成分であって、前記中央部は前記中央領域を含む、前記バイアス電圧成分と、
    前記つぶれた状態にある前記CMUTセルのうちの前記少なくともいくつかのそれぞれの前記柔軟メンブレンを共鳴させるための設定周波数を有する刺激成分とを含む電圧を、
    前記CMUTセルのうちの少なくともいくつかの前記それぞれの電極構成部に提供する電圧源と、を備え、
    前記少なくともいくつかのCMUTセルの各々の前記質量要素は、前記共鳴中に、前記CMUTセルの前記柔軟メンブレンの少なくとも前記中央領域を強制的に前記基板と接触したままにする、
    超音波システム。
  2. 各電極構成部は、前記基板によって担持される第3の電極を更に備え、前記第3の電極は前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置し、誘電体層によって前記第1の電極から電気的に絶縁され、前記電圧源は、それぞれの前記第1及び前記第2の電極間に刺激を印加し、前記少なくともいくつかのCMUTセルの前記それぞれの第3の電極に前記バイアス電圧成分を印加する、請求項1に記載の超音波システム。
  3. 前記電圧源は更に、前記プローブの受信モード中に前記少なくともいくつかのCMUTセルを強制的に前記つぶれた状態にする更なる電圧を、前記CMUTセルのうちの少なくともいくつかの前記それぞれの電極構成部に提供する、請求項1又は2に記載の超音波システム。
  4. 記電圧源は、
    前記送信モード中に前記電圧の前記バイアス電圧成分を生成する第1の段であって、前記バイアス電圧成分は、前記少なくともいくつかのCMUTセルを強制的に前記つぶれた状態にするのに十分である第1の段と、
    前記電圧の前記刺激成分を生成する第2の段とを備える、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超音波システム。
  5. 前記柔軟メンブレンは第1の材料を有し、前記質量要素は第2の材料を有し、前記第2の材料は前記第1の材料よりも高い密度を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の超音波システム。
  6. 前記第2の材料は、金属若しくは金属合金、又は重い非金属材料である、請求項5に記載の超音波システム。
  7. 前記質量要素は前記柔軟メンブレン上に配置される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の超音波システム。
  8. 前記質量要素は前記柔軟メンブレン内に一体化される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の超音波システム。
  9. 前記質量要素は、円筒状又は環状の形状を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の超音波システム。
  10. 前記超音波システムは、超音波診断イメージングシステム又は超音波治療システムである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の超音波システム。
  11. CMUTセルのアレイを含むプローブを提供するステップであって、各CMUTセルは電極構成部の第1の電極を担持する基板を備え、前記基板は、前記電極構成部の第2の電極を含む柔軟メンブレンからギャップによって空間的に離間され、前記柔軟メンブレンは中央領域に質量要素を備える、前記プローブを提供するステップと、
    前記CMUTセルのうちの少なくともいくつかを前記柔軟メンブレンの中央部が前記基板に接触するつぶれた状態へと駆動するバイアス電圧成分であって、前記中央部は前記中央領域を含む、前記バイアス電圧成分と、
    前記つぶれた状態にある前記少なくともいくつかのCMUTセルの前記それぞれの柔軟メンブレンを共鳴させるための設定周波数を有する刺激成分と、を含む電圧を、
    前記CMUTセルのうちの少なくともいくつかの前記それぞれの電極構成部に提供するステップと、を有し、
    前記少なくともいくつかのCMUTセルの各々の前記質量要素は、前記共鳴中に、前記CMUTセルの前記柔軟メンブレンの少なくとも前記中央領域を強制的に前記基板と接触したままにする、超音波パルス送信の方法。
  12. 各電極構成部は、前記基板によって担持される第3の電極を更に備え、前記第3の電極は前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置し、誘電体層によって前記第1の電極から電気的に絶縁され、前記方法は、それぞれの前記第1及び前記第2の電極間に前記刺激成分を印加し、前記少なくともいくつかのCMUTセルのそれぞれの前記第3の電極に前記バイアス電圧成分を印加するステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記少なくともいくつかのCMUTセルの共鳴周波数を周期的に変えるために前記設定周波数を周期的に変えるステップを更に有する、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記少なくともいくつかのCMUTセルの前記中央部のそれぞれの面積を変えるために、前記CMUTセルのうちの少なくともいくつかを前記つぶれた状態へと駆動する前記バイアス電圧成分を周期的に変えるステップを更に有する、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 受信モード中に、前記少なくともいくつかのCMUTセルを強制的に前記つぶれた状態にする更なる電圧を、前記CMUTセルのうちの少なくともいくつかの前記それぞれの電極構成部に提供するステップを更に有する、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の方法。
JP2017567416A 2015-06-30 2016-06-30 超音波システム及び超音波パルス送信方法 Active JP6925286B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP15174414.1 2015-06-30
EP15174414 2015-06-30
PCT/EP2016/065440 WO2017001636A1 (en) 2015-06-30 2016-06-30 Ultrasound system and ultrasonic pulse transmission method

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018519085A JP2018519085A (ja) 2018-07-19
JP6925286B2 true JP6925286B2 (ja) 2021-08-25

Family

ID=53496530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017567416A Active JP6925286B2 (ja) 2015-06-30 2016-06-30 超音波システム及び超音波パルス送信方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11241715B2 (ja)
EP (1) EP3317026B1 (ja)
JP (1) JP6925286B2 (ja)
CN (1) CN108025331B (ja)
WO (1) WO2017001636A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3558549B1 (en) * 2016-12-22 2024-02-14 Koninklijke Philips N.V. Systems and methods of operation of capacitive radio frequency micro-electromechanical switches
US11738369B2 (en) * 2020-02-17 2023-08-29 GE Precision Healthcare LLC Capactive micromachined transducer having a high contact resistance part
WO2023041081A1 (zh) * 2021-09-20 2023-03-23 单保祥 包括柔性屈曲构件的换能器

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6283919B1 (en) 1996-11-26 2001-09-04 Atl Ultrasound Ultrasonic diagnostic imaging with blended tissue harmonic signals
US6458083B1 (en) 1996-11-26 2002-10-01 Koninklijke Philips Electronics N.V. Ultrasonic harmonic imaging with adaptive image formation
US6013032A (en) 1998-03-13 2000-01-11 Hewlett-Packard Company Beamforming methods and apparatus for three-dimensional ultrasound imaging using two-dimensional transducer array
US5997479A (en) 1998-05-28 1999-12-07 Hewlett-Packard Company Phased array acoustic systems with intra-group processors
US6530885B1 (en) 2000-03-17 2003-03-11 Atl Ultrasound, Inc. Spatially compounded three dimensional ultrasonic images
US6443901B1 (en) 2000-06-15 2002-09-03 Koninklijke Philips Electronics N.V. Capacitive micromachined ultrasonic transducers
US6443896B1 (en) 2000-08-17 2002-09-03 Koninklijke Philips Electronics N.V. Method for creating multiplanar ultrasonic images of a three dimensional object
US6468216B1 (en) 2000-08-24 2002-10-22 Kininklijke Philips Electronics N.V. Ultrasonic diagnostic imaging of the coronary arteries
US6958255B2 (en) * 2002-08-08 2005-10-25 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Micromachined ultrasonic transducers and method of fabrication
EP1713399A4 (en) 2004-02-06 2010-08-11 Georgia Tech Res Inst CMUT DEVICES AND MANUFACTURING METHOD
JP2008510324A (ja) 2004-03-11 2008-04-03 ジョージア テック リサーチ コーポレイション 非対称薄膜cMUT素子及び製作方法
WO2006080089A1 (ja) 2005-01-31 2006-08-03 Sugimoto, Mieko 植物繊維の乾燥粉末を含む、化石燃料の燃焼時の二酸化炭素吸着剤
EP1950997B1 (en) 2005-10-18 2019-10-09 Hitachi, Ltd. Ultrasonic probe
US7615834B2 (en) * 2006-02-28 2009-11-10 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Capacitive micromachined ultrasonic transducer(CMUT) with varying thickness membrane
WO2009016606A2 (en) * 2007-07-31 2009-02-05 Koninklijke Philips Electronics, N.V. Cmuts with a high-k dielectric
EP2207484B1 (en) * 2007-09-17 2016-11-09 Koninklijke Philips N.V. Production of pre-collapsed capacitive micro-machined ultrasonic transducers and applications thereof
JP5408935B2 (ja) * 2007-09-25 2014-02-05 キヤノン株式会社 電気機械変換素子及びその製造方法
RU2511671C2 (ru) 2008-09-16 2014-04-10 Конинклейке Филипс Электроникс Н.В. Емкостной микрообработанный ультразвуковой преобразователь
JP5559818B2 (ja) * 2009-02-27 2014-07-23 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 機械的な圧壊保持機能を備える事前圧壊cmut
US9344805B2 (en) * 2009-11-24 2016-05-17 Nxp B.V. Micro-electromechanical system microphone
WO2012014010A1 (en) 2010-07-26 2012-02-02 Selim Olcum System and method for operating capacitive micromachined ultrasonic transducers
US20130331705A1 (en) * 2011-03-22 2013-12-12 Koninklijke Philips Electronics N.V. Ultrasonic cmut with suppressed acoustic coupling to the substrate
US9310485B2 (en) * 2011-05-12 2016-04-12 Georgia Tech Research Corporation Compact, energy-efficient ultrasound imaging probes using CMUT arrays with integrated electronics
BR112014009698A2 (pt) * 2011-10-28 2017-05-09 Koninklijke Philips Nv célula transdutora micromanufaturada capacitiva que sofreu colapso previamente e método de fabricação da mesma
US9762148B2 (en) 2011-11-17 2017-09-12 Koninklijke Philips N.V. Pre-collapsed capacitive micro-machined transducer cell with annular-shaped collapsed region
CA2905040C (en) * 2013-03-15 2021-10-19 Butterfly Network, Inc. Complementary metal oxide semiconductor (cmos) ultrasonic transducers and methods for forming the same
US20160199030A1 (en) * 2013-08-27 2016-07-14 Koninklijke Philips N.V. Dual mode cmut transducer
US10743840B2 (en) 2013-09-27 2020-08-18 Koninklijke Philips N.V. Ultrasound transducer assembly and method for transmitting and receiving ultrasound waves
EP3079837B1 (en) 2013-12-12 2023-02-08 Koninklijke Philips N.V. Monolithically integrated three electrode cmut device
CN103976743A (zh) 2014-05-27 2014-08-13 江西科技师范大学 基于cMUT环形阵列的微型光声传感器

Also Published As

Publication number Publication date
EP3317026B1 (en) 2023-12-20
JP2018519085A (ja) 2018-07-19
CN108025331B (zh) 2019-11-05
US11241715B2 (en) 2022-02-08
US20180178250A1 (en) 2018-06-28
CN108025331A (zh) 2018-05-11
WO2017001636A1 (en) 2017-01-05
EP3317026A1 (en) 2018-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7216550B2 (ja) 広帯域超音波トランスジューサ
JP6513674B2 (ja) デュアルモードcmutトランスデューサ
JP6831330B2 (ja) 超音波システムおよび方法
JP6684817B2 (ja) 超音波システム及び方法
JP6357275B2 (ja) ピッチ均一性を有したタイル状cmutダイ
CN102333485A (zh) 具有机械塌陷保持的预塌陷cmut
JP6925286B2 (ja) 超音波システム及び超音波パルス送信方法
WO2015028945A2 (en) Variable frequency control of collapsed mode cmut transducer
EP2977113A1 (en) CMUT ultrasound focusing by means of partially removed curved substrate
US20230002213A1 (en) Micro-machined ultrasound transducers with insulation layer and methods of manufacture
JP2024528548A (ja) 絶縁層を伴う微小機械加工超音波トランスデューサ、および、製造の方法
WO2023277914A1 (en) Micro-machined ultrasound transducers with insulation layer and methods of manufacture
Greenleaf Medical Transducers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200804

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201029

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6925286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150