JP6924427B2 - 回折光学素子、照明装置、投射装置および投射型表示装置 - Google Patents

回折光学素子、照明装置、投射装置および投射型表示装置 Download PDF

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Description

本開示は、回折光学素子、照明装置、投射装置、投射型表示装置および要素回折光学素子の製造方法に関する。
例えば、特許文献1(JP2015−132707A)に開示されているように、光源および回折光学素子を含んだ照明装置が知られている。特許文献1に開示された照明装置では、回折光学素子が光源からの光を回折することで、投影面上に位置する被照明領域を所望のパターンで照明することができる。
回折光学素子として、計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)が知られている。計算機合成ホログラムは、任意の回折特性を持つ構造をコンピュータ上での計算によって設計することで作製される。一具体例として、被照明領域として照明すべき所望のパターンを点像の集合体と考え、各点像からの発散光と回折光学素子への入射を予定された光とによる干渉パターンを計算し、干渉パターンに対応した構造を作製することで、回折光学素子が得られる。
このようにして作製された回折光学素子によって再生される像は、厳密には、各点像を再生する再生像の集合である。回折光学素子は、入射光の位相または振幅を変調する単位ピクセルを多数有している。そして、回折光学素子に含まれる単位ピクセルの配列を微細化し且つ単位ピクセルの数を増やすと、点像を高密度で近接して再生することができる。しかしながら、計算機での計算量等の制約から、点像を高密度で近接して配置することには限界がある。この結果、被照明領域内には点像の配列に対応した明暗が生じてしまい、被照明領域を均一な明るさで照明することができない。
本開示は、以上の点を考慮してなされたものであり、被照明領域内における明るさのむらを目立たなくさせることを目的とする。
本開示による第1の回折光学素子は、
被照明領域に向けて入射光を回折する第1要素回折光学素子と、
前記被照明領域に向けて入射光を回折する第2要素回折光学素子と、を備え、
前記第2要素回折光学素子は、前記第1要素回折光学素子に含まれる二以上の区域の配置を変更してなる構造を有する。
本開示による第1の回折光学素子において、前記第2要素回折光学素子は、前記第1要素回折光学素子を直交する二つの方向において分割することでいくつかの区域に区分けし、前記二以上の区域の配置を変更してなる構造を有するようにしてもよい。
本開示による第1の回折光学素子において、入れ替えられる前記二以上の区域は、互いに同一の外輪郭を有するようにしてもよい。
本開示による第1の回折光学素子において、入れ替えられる前記二以上の区域は、互いに同一となる正方形形状の外輪郭を有するようにしてもよい。
本開示による第1の第1の回折光学素子において、
前記第1要素回折光学素子及び前記第2要素回折光学素子の少なくとも一方が、その周縁の内側に、前記回折構造が不連続となる境界を含むようにしてもよい。
本開示による第1の第1の回折光学素子において、前記二以上の区域の周縁に前記境界が位置していてもよい。
本開示による第1の第1の回折光学素子において、
前記二以上の区域の各々と同一の構成を有する複数の区域を前記回折光学素子内に含み、
同一の構成を有する前記複数の区域のうちの一部の区域は、一定のピッチで配置され、
同一の構成を有する前記複数の区域のうちの他の少なくとも一部の区域は、前記一部の区域に対して前記一定のピッチとは異なるピッチで配置されていてもよい。
本開示による第2の回折光学素子は、
被照明領域に向けて入射光を回折する回折構造を備え、
前記回折構造は、その周縁の内側に、前記回折構造が不連続となる境界を含む。
本開示による第2の回折光学素子において、前記回折構造は、前記境界によって全周縁を区画された区域を含むようにしてもよい。
本開示による第2の回折光学素子において、
前記回折構造は、同一の構成を有した複数の区域を含み、
前記境界は、前記複数の区域のうちの一部の区域の周縁に位置するようにしてもよい。
本開示による第2の回折光学素子において、
前記回折構造は、同一の構成を有した複数の区域を含み、
前記境界は、前記複数の区域の周縁に位置し、
前記複数の区域のうちの一部の区域の周縁における前記境界の配置は、前記複数の区域のうちの他の少なくとも一部の区域の周縁における前記境界の配置と異なるようにしてもよい。
本開示による第3の回折光学素子は、
被照明領域に向けて入射光を回折する回折光学素子であって、
同一の構成を有する複数の区域を含み、
前記複数の区域のうちの一部の区域は、一定のピッチで配置され、
前記複数の区域のうちの他の少なくとも一部の区域は、前記一部の区域に対して前記一定のピッチとは異なるピッチで配置されている。
本開示による第3の回折光学素子において、
前記同一の構成とは異なる同一の構成を有する複数の別の区域を含み、
前記複数の別の区域は、一定のピッチで配列されていてもよい。
本開示による第3の回折光学素子において、前記複数の別の区域のうちの一部の区域の周縁の一部上に、回折構造が不連続となる境界が、位置していてもよい。
本開示による第1又は第3の回折光学素子において、前記他の少なくとも一部の区域の周縁に、回折構造が不連続となる境界が、位置していてもよい。
本開示による第1又は第3の回折光学素子において、前記他の少なくとも一部の区域の全周縁に、回折構造が不連続となる境界が、位置していてもよい。
本開示による照明装置は、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系と、
上述した本開示による第1〜第3の回折光学素子のいずれかと、を備える。
本開示による投射装置は、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系と、
上述した本開示による第1〜第3の回折光学素子のいずれかであって、整形光学系で整形されたコヒーレント光を回折する回折光学素子と、
前記被照明領域に重ねて配置され、前記回折光学素子で回折された前記コヒーレント光によって照明される空間光変調器と、を備える。
本開示による投射型表示装置は、
上述した本開示による投射装置のいずれかであって、整形光学系で整形されたコヒーレント光を回折する回折光学素子と、
前記空間光変調器上に得られる変調画像を投射されるスクリーンと、を備える。
本開示による素回折光学素子の製造方法は、
所望の回折特性を実現するホログラム構造を設計する工程と、
設計された前記ホログラム構造をいくつかの区域に分割し、複数の区域の配置を変更して要素回折光学素子の構造を決定する工程と、を備える。
本開示によれば、被照明領域内における明るさのむらを効果的に目立たなくさせることができる。
図1は、一実施の形態を説明するための図であって、照明装置、投射装置および投射型表示装置を示す平面図である。 図2は、図1の照明装置に含まれる回折光学素子の一例を示す平面図である。 図3は、図2の回折光学素子に含まれる要素回折光学素子の一例を示す平面図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、反復フーリエ変換法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6Aは、第1要素回折光学素子の一例を示す平面図である。 図6Bは、図6Aに示された第1要素回折光学素子とともに用いられる第2要素回折光学素子の一例を示す平面図である。 図7Aは、第1要素回折光学素子の他の例を示す平面図である。 図7Bは、図7Aに示された第1要素回折光学素子とともに用いられる第2要素回折光学素子の一例を示す平面図である。 図8Aは、第1要素回折光学素子の更に他の例を示す平面図である。 図8Bは、図8Aに示された第1要素回折光学素子とともに用いられる第2要素回折光学素子の一例を示す平面図である。 図9は、図8Aに示された第1要素回折光学素子と図8Bに示された第2要素回折光学素子とを含む回折光学素子を示す平面図である。 図10Aは、第1要素回折光学素子によって照明された被照明領域を示す平面図である。 図10Bは、第2要素回折光学素子によって照明された被照明領域を示す平面図である。 図11は、第1要素回折光学素子及び第2要素回折光学素子を含む回折光学素子によって照明された被照明領域を示す平面図である。 図12は、照明装置の一変形例を示す斜視図である。 図13は、照明装置の他の変形例を示す斜視図である。 図14は、照明装置の更に他の変形例を示す斜視図である。 図15Aは、実際に作製した回折光学素子の複数の区域の分布を説明するための平面図である。 図15Bは、実際に作製された図15Aの構成を有する回折光学素子の領域Aaを撮像した画像データである。 図15Cは、実際に作製された図15Aの構成を有する回折光学素子の領域Abを撮像した画像データである。 図15Dは、実際に作製された図15Aの構成を有する回折光学素子の領域Acを撮像した画像データである。 図15Eは、実際に作製された図15Aの構成を有する回折光学素子の領域Adを撮像した画像データである。 図15Fは、実際に作製された図15Aの構成を有する回折光学素子の領域Aeを撮像した画像データである。 図15Gは、図15Aに対応する図であって、回折光学素子を示す平面図である。 図15Hは、図15Aに対応する図であって、回折光学素子を示す平面図である。 図16は、図13に対応する図であって、照明装置の更に他の変形例を説明するための図である。 図17Aは、図3に対応する図であって、要素回折光学素子の外輪郭および区域の区分け方法の変形例を説明するための図である。 図17Bは、図3に対応する図であって、要素回折光学素子の外輪郭および区域の区分け方法の変形例を説明するための図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や、長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1〜図17Bは、一実施の形態およびその変形例を説明するための図である。このうち、図1は照明装置を示す平面図である。また、図2〜図9は照明装置に組み込まれる回折光学素子を説明するための図である。さらに、図10A〜図11は、照明装置を用いて、被照射面IP上の被照明領域LZを照明している状態を示している。
本実施の形態による照明装置20は、コヒーレント光源25と、コヒーレント光源25から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系30と、整形光学系30で整形されたコヒーレント光を回折する回折光学素子40と、を有している。回折光学素子40は、被照明領域LZに向けて入射光を回折する回折構造DSを有している。この照明装置20は、回折光学素子40の回折構造DSでコヒーレント光を回折して複数の単位像UIを被照射面IPに照射することで、被照射面IP上の被照明領域LZを照明する。とりわけ本実施の形態による照明装置20では、被照明領域LZを一様な明るさで照明するための工夫が成されている。以下、図示された具体例を参照しながら、一実施の形態による照明装置20について説明していく。
図1に示された例において、照明装置20は、投射型表示装置10及び投射装置15に適用されている。照明装置20は、空間光変調器50とともに投射装置15を構成している。また、投射装置15は、スクリーン12とともに投射型表示装置10を構成する。すなわち、図示された例において、照明装置20は、空間光変調器50の入射面を被照明領域LZとして照明する。この例において、被照明領域LZは例えば矩形形状とすることができる。
空間光変調器50は、被照明領域LZに配置される。そして、空間光変調器50は、照明装置20によって照明され、変調画像を形成する。好ましくは、照明装置20からの光は、被照明領域LZの全域のみを照明する。そして、空間光変調器50の入射面は、照明装置20によって光を照射される被照明領域LZと同一の形状および大きさであることが好ましい。この場合、照明装置20からの光を、変調画像の生成に高い利用効率で利用することができるからである。
空間光変調器50は、特に制限されることなく、種々の公知の空間光変調器を利用することができる。例えば、デジタルミラーデバイス(DMD)、透過型の液晶マイクロディスプレイや反射型のLCoS(Liquid Crystal On Silicon(登録商標))を、空間光変調器50として用いることができる。
図1に示された例のように、空間光変調器50が、透過型の液晶マイクロディスプレイである場合、照明装置20によって面状に照明される空間光変調器50が、画素毎にコヒーレント光を選択して透過させることにより、空間光変調器50をなすディスプレイの画面上に変調画像が形成されるようになる。こうして得られた変調画像は、最終的には、投射光学系13によって、等倍で或いは変倍されてスクリーン12へ投射される。これにより、変調画像がスクリーン12上に等倍で或いは変倍されて表示され、観察者は当該画像を観察することができる。スクリーン12は、透過型スクリーンとして構成されていてもよいし、反射型スクリーンとして構成されていてもよい。
次に、照明装置20について説明する。上述したように、照明装置20は、コヒーレント光源25、整形光学系30および回折光学素子40を有している。また、照明装置20は、コヒーレント光源25、整形光学系30および回折光学素子40を収容するケーシングを、更に有していてもよい。
コヒーレント光源25は、波長及び位相が揃ったコヒーレント光を射出することができる。コヒーレント光源25として、種々の型式の光源を用いることができる。典型的には、コヒーレント光源25として、レーザー光を発振するレーザー光源を用いることができる。一具体例として、図示されたコヒーレント光源25は、半導体レーザー光源として構成され、例えば回路基板によって支持される。図1に示された例において、コヒーレント光源25は、単一の光源を含んでいる。したがって、図示された例では、コヒーレント光源25から発振されるコヒーレント光の波長域に対応した色で、被照明領域LZ照明する。
ただし、コヒーレント光源25が複数のコヒーレント光源25を含み、各コヒーレント光源25から射出した光が重ね合わされた後、整形光学系30及び回折光学素子40に向かうようにしてもよい。また、図12に示された変形例のように、各コヒーレント光源25から射出したコヒーレント光が、当該コヒーレント光源25に対応して設けられた整形光学系30A,30B,30C及び回折光学素子40A,40B,40Cを経て、その後に被照明領域LZ上で重ね合わされるようにしてもよい。このような例において、照明装置20に含まれる複数のコヒーレント光源25は、同一の波長域のコヒーレント光を射出するようにしてもよいし、互いに異なる波長域のコヒーレント光を射出するようにしてもよい。照明装置20が同一の波長域の光を射出する複数のコヒーレント光源25を含むことで、被照射領域IAを明るく照明することが可能となる。
一方、図12に示す例において、コヒーレント光源25は、互いに異なる波長域のコヒーレント光を射出する第1コヒーレント光源25A、第2コヒーレント光源25B及び第3コヒーレント光源25Cを有している。各コヒーレント光源25A〜25Cからのコヒーレント光の射出、より具体的には射出の発停および射出出力を調節することで、被照明領域LZの照明色や明るさを制御するようにしてもよい。
整形光学系30は、コヒーレント光源25から射出したコヒーレント光を整形する。言い換えると、整形光学系30は、コヒーレント光の光軸に直交する断面での形状や、コヒーレント光の光束の立体的な形状を整形する。典型的には、整形光学系30は、コヒーレント光の光軸に直交する断面でのコヒーレント光の光束断面積を拡大させる。
図示された例において、整形光学系30は、コヒーレント光源25から射出したコヒーレント光を拡幅した平行光束に整形する。すなわち、整形光学系30は、コリメート光学系として機能する。図1に示すように、整形光学系30は、コヒーレント光の光路に沿った順で、第1レンズ31及び第2レンズ32を有している。第1レンズ31は、コヒーレント光源25から射出したコヒーレント光を発散光束に整形する。第2レンズ32は、第1レンズ31で生成された発散光束を、平行光束に整形し直す。すなわち、第2レンズ32は、コリメートレンズとして機能する。
整形光学系30による整形精度を向上させる観点において、整形光学系30が、少なくとも一つの凹レンズと少なくとも一つの凸レンズとを含んでいることが好ましい。図1に示された例では、第1レンズ31及び第2レンズ32の両方が凸レンズとして構成されているが、第1レンズ31及び第2レンズ32のいずれか一方を凹レンズとしてもよい。凹レンズ及び凸レンズは、正負が逆のパワーを有していることから、お互いの収差の影響を緩和するようになる。すなわち、凹レンズと凸レンズとを組み合わせることで、レンズで生じる収差の影響を緩和することができる。これにより、被投射領域に対してさらに高精度に光を投射することができる。また、図示された例において、整形光学系30は、二つのレンズを含んでいるが、この例に限られず、三以上のレンズを含むようにしてもよい。
また、整形光学系30が凹レンズ及び凸レンズを含むことに代えて、整形光学系30は、非球面レンズを含むようにしてもよい。正パワーを有した部分および負パワーを有した部分の両方を含む非球面レンズを用いることで、レンズで生じる収差の影響を緩和することができる。これにより、被照射面IP上の所望の領域に対してさらに高精度に光を投射することが可能となる。
なお、整形光学系30に含まれるレンズは、当該レンズの光軸方向からの観察において、矩形形状となっていることが好ましい。レンズの不要部分をトリミングすることで、照明装置20を小型軽量化することができる。
次に、回折光学素子40について説明する。回折光学素子40は、コヒーレント光源25から射出した光に対して回折作用を及ぼす素子である。回折光学素子40の回折特性は、コヒーレント光源25からのコヒーレント光を回折して被照射面IP上の被照明領域LZに向けるように設計されている。したがって、図1に示すように、被照明領域LZは、回折光学素子40の回折光によって、照明されることになる。
図2に示すように、回折光学素子40は複数の要素回折光学素子41を有している。複数の要素回折光学素子41は、例えば同一平面上に配置される。図示された例においては、各要素回折光学素子41は、回折光学素子40を平面分割した一部分をなしている。そして、複数の要素回折光学素子41は、隙間をあけることなく隣接して配置されている。各要素回折光学素子41が、コヒーレント光源25から射出したコヒーレント光に対して回折作用を及ぼすことができる。各要素回折光学素子41は、コヒーレント光源25からのコヒーレント光を回折して被照明領域LZに向ける。
本実施の形態において、回折光学素子40は、複数の要素回折光学素子41の各々として、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを含んでいる。第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、互いに異なる回折構造を有している。より具体的には、第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aをいくつかの区域に平面分割して複数の区域の配置を、当該区域の向きを変えることなく、入れ替えてなる構造を有する。ただし、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、コヒーレント光源25からのコヒーレント光を回折して同一の被照明領域LZに向ける。そして、第1要素回折光学素子41Aで回折されたコヒーレント光と、第2要素回折光学素子41Bで回折されたコヒーレント光は、被照明領域LZにおいて重なる。
図示された例において、第1要素回折光学素子41Aは回折光を被照明領域LZ内であって被照明領域LZの全域に照射する。第2要素回折光学素子41Bも、主として、回折光を被照明領域LZの全域を照射するようになる。好ましくは、第2要素回折光学素子41Bも同様に回折光を被照明領域LZ内のみに均一に照射する。また、図2に示された例において、回折光学素子40は、複数の第1要素回折光学素子41A及び複数の第2要素回折光学素子41Bを含んでいる。複数の第1要素回折光学素子41Aは千鳥配列され、複数の第2要素回折光学素子41Bは千鳥配列されている。第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、回折光学素子40が画成する面に沿った第1方向d1及び第2方向d2のそれぞれに沿って、交互に配列されている。
なお、図面間での方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、第1方向d1、第2方向d2及び第3方向d3を図面間で共通する方向として示している。第1方向d1及び第2方向d2は、互いに直交している。第3方向d3は、第1方向d1に直交し且つ第2方向d2に直交している。すなわち、第3方向d3は、回折光学素子40が画成する面に直交している。
要素回折光学素子41は、典型的には、ホログラム素子である。要素回折光学素子41としてホログラム素子を用いることで、ホログラム素子の回折特性を設計しやすくなる。予め定めた位置、サイズおよび形状の被照明領域LZの全域のみにコヒーレント光を投射し得るホログラム素子の設計は、比較的容易に行うことができる。
被照明領域LZは、要素回折光学素子41に対して予め定めた位置に、予め定めたサイズおよび形状を有するよう、例えば角度空間に設定される。被照明領域LZの位置、サイズおよび形状は、要素回折光学素子41の回折特性に依存しており、要素回折光学素子41の回折特性を調整することで、被照明領域LZの位置、サイズおよび形状を任意に調整することができる。従って、要素回折光学素子41を設計する際には、まず被照明領域LZの位置、サイズおよび形状を決定して、決定した被照明領域LZの全域にコヒーレント光を投射できるように、要素回折光学素子41の回折特性を調整すればよい。
要素回折光学素子41は、計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)として、或いは計算機合成ホログラムを利用して、作製され得る。計算機合成ホログラムは、任意の回折特性を持つ構造をコンピュータ上で計算することによって作製される。したがって、計算機合成ホログラムを利用して要素回折光学素子41を作製することで、コヒーレント光源や光学系を用いた物体光及び参照光の生成や、露光によるホログラム記録材料への干渉縞の記録を不要とすることができる。照明装置20は、例えば図1に示すように、要素回折光学素子41に対して予め定めた位置に、予め定めたサイズおよび形状の被照明領域LZを照明することを想定されている。被照明領域LZに関する情報をパラメータとしてコンピュータに入力することで、この被照明領域LZを照明可能な回折特性を実現するための構造、例えば凹凸面を、コンピュータでの演算によって特定することができる。特定された構造を、例えば樹脂賦型により形成することで、計算機合成ホログラムとしての要素回折光学素子41を、簡易な手順にて低コストで作製することができる。
回折光学素子40の要素回折光学素子41は、図10A〜図11に示すように、整形光学系30からのコヒーレント光を回折して、複数の単位像UIを被照射面IP上に再生する。被照射面IP上の被照明領域LZは、複数の単位像UIの集合体によって、照明されることになる。この要素回折光学素子41は、次のようにして設計される。まず、図10Aに示すように、要素回折光学素子41によってコヒーレント光を照射可能な点像PIを被照射面IP上に配列してなる点像パターンを設定する。次に、被照射面IP上に被照明領域LZの形状を設定する。その後、実際にコヒーレント光を照射すべき位置として、被照明領域LZに位置する点像PIを選択する。コヒーレント光を照射されるべき点像は、被照射面IP上の被照明領域LZ内に敷き詰められている、或いは、分散されている。コヒーレント光を照射されるべき点像の配列パターンの外輪郭が、被照明領域LZの外輪郭に概ね一致するようになる。
次に、要素回折光学素子41への入射光と、各コヒーレント光を照射されるべき点像から要素回折光学素子41に向かう発散光と、を設定する。ここで、「要素回折光学素子41への入射光」は、要素回折光学素子41が照明装置20に組み込まれた状態において整形光学系30から当該要素回折光学素子41へ入射するようになる光と同一の光路を進む光とする。「各点像から要素回折光学素子41に向かう発散光」は、照明装置20の実際の使用時に、要素回折光学素子41の各位置で回折されて各点像の位置に向かうようになる回折光の光路を逆向きに進んで、点像の位置から要素回折光学素子41内の各位置へ入射する光とする。その後、要素回折光学素子41への入射光と各点像から要素回折光学素子41に向かう発散光とによって形成される要素回折光学素子41上での干渉パターンを特定し、この干渉パターンに対応した微細構造を作製する。干渉パターンの計算は、「要素回折光学素子41への入射光」や「各点像から要素回折光学素子41に向かう発散光」のモデル設計を含め、計算機によって実行され得る。
要素回折光学素子41は、位相型の回折光学素子であってもよいし、振幅型の回折光学素子であってもよい。更に、要素回折光学素子41は、図1に示された例において透過型として構成されているが、反射型として構成されてもよい。要素回折光学素子41が位相型の回折光学素子として構成される場合、要素回折光学素子41をなす微細構造は、コヒーレント光の入射位置に応じて光路長が変化する凹凸パターン構造や、コヒーレント光の入射位置に応じて屈折率が異なるパターン構造を採用することができる。凹凸パターンからなる微細構造は、フォトリソグラフィー技術を利用した樹脂成形により、量産することができる点において好ましい。また、要素回折光学素子41が振幅型の回折光学素子として構成される場合、要素回折光学素子41をなす微細構造は、コヒーレント光の入射位置に応じて透過率が異なる構造を採用することができる。
ここで、図3及び図4を参照して、要素回折光学素子41の具体例について更に説明する。図3及び図4に示された要素回折光学素子41は、位相変調型のフーリエ変換ホログラムとして構成されている。位相変調型のフーリエ変換ホログラムは、フーリエ変換像の位相情報を多値化した深さとして媒体、すなわち表面層に記録することで作製される凹凸面を有するホログラムであり、媒体の光路長差に基づく回折現象を利用して再生光から原画像の光像を再生する。すなわち、この要素回折光学素子41の回折現象を生じさせるための回折構造DSは、凹凸面となっている。
図3は、一つの要素回折光学素子41を示す平面図である。要素回折光学素子41は、複数の単位ピクセル45を有している。単位ピクセル45は、入射光に及ぼす変調量を調節する最小単位である。図示された位相型の要素回折光学素子41では、単位ピクセル45毎に異なる量で入射光の位相を変調させることができる。つまり、図4に示された例では、高さの異なる単位ピクセル45によって回折構造DSが形成されている。
図4に示された要素回折光学素子41では、単位ピクセル45が、第3方向d3に沿って8段階の高さのいずれかに設定されている。したがって、図示された要素回折光学素子41では、入射光に与える位相変調量を8段階で制御することができる。ただし、単位ピクセル45の段数は特に限定されるものではない。
多数の単位ピクセル45に分割された要素回折光学素子41では、多数の単位ピクセル45に周期的な構造を付与することで、当該要素回折光学素子41への入射光を回折することができる。単位ピクセル45の配列方向に沿った周期構造のピッチをP〔nm〕とし入射光の波長をλ〔nm〕とすると、要素回折光学素子41は、次の式で表される回折角度θ〔rad〕だけ、入射光の進行方向を曲げて、回折光が進む位置が単位ピクセル45の配列方向にそってずれるようにすることができる。
Sinθ=λ/P
この要素回折光学素子41での最小の回折角度θminは、周期構造のピッチが要素回折光学素子41の一辺の長さA〔nm〕と等しくなる場合であり、具体的には、Sin−1(λ/A)〔rad〕となる。一方、要素回折光学素子41を連続的に並列配置することを考慮すると、要素回折光学素子41での周期構造のピッチは、自然数kを用いて、A/k〔nm〕となる。周期構造のピッチがA/k〔nm〕の場合、回折角度θは、Sin−1(k×λ/A)〔rad〕となる。ここで、「λ/A」が十分に小さい場合、回折角度θは、最小の回折角度θminのk倍となる。したがって、要素回折光学素子41が一方向に配列された十分な数の単位ピクセル45を有する場合、回折角度を一方向に沿って同一角度間隔で量子的に変化させることが可能となる。
ここで、図3に示された要素回折光学素子41の例において、単位ピクセル45は、第1方向d1に配列され、また第2方向d2にも配列されている。この要素回折光学素子41での回折作用により、入射光の進行方向が0次光の進行方向に対して曲げられ、回折光の入射位置を、0次光が入射するべき位置から、第1方向d1及び第2方向d2のそれぞれにずらすことができる。図10Aは、例えば角度空間において、図3に示された要素回折光学素子41によって照射可能な点像の配列パターンを示す平面図である。図10Aに示された例において、第1方向d1及び第2方向d2に配列された点像PIのうち、被照明領域LZ内に位置する点像PIの位置に単位像UIが再生されている。
なお、要素回折光学素子41の一辺の長さWAは、数μm〜数mmとすることができる。例えば、要素回折光学素子41の平面形状を2mm四方の正方形とすることができる。単位ピクセル45の一辺の長さWBは、10nm以上10μm以下の範囲にあることが好ましく、50nm以上5μm以下の範囲にあることがより好ましく、100nm以上2μm以下の範囲にあることが更に好ましい。また、要素回折光学素子41をなす凹凸構造の凹凸深さ、すなわち第3方向d3における最大高低差HBは、50nm以上20μm以下の範囲にあることが好ましく、80nm以上15μm以下の範囲にあることがより好ましく、100nm以上10μm以下の範囲にあることが更に好ましい。
要素回折光学素子41の設計には、例えば反復フーリエ変換法が用いられる。図5は反復フーリエ変換法の処理手順の一例を示すフローチャートである。図5の処理手順は、被照射面IP上に得られる回折像をフラウンホーファ回折像として、実施される。
まず、要素回折光学素子41への入射光の放射強度分布を設定するとともに、ランダムな位相分布を準備する(ステップST1)。次に、ステップST1で設定した放射強度分布とランダムな位相分布とを組み合わせた複素振幅分布を生成する(ステップST2)。その後、得られた複素振幅分布に対して逆フーリエ変換(IFT)を施して、被照射面IP上での複素振幅分布を生成する(ステップST3)。
得られた複素振幅分布は、ランダムな位相分布を用いて計算されたものであり、当該ランダムな位相分布を反映している。次に、要素回折光学素子41での回折によって得られるべき放射強度分布に基づき、ステップST3で得られた被照射面IP上での複素振幅分布の実部を修正する(ステップST4)。その後、ステップST4で実部を修正された複素振幅分布に対してフーリエ変換を施して、要素回折光学素子41上での複素振幅分布を計算する(ステップST5)。次に、ステップST1で設定した要素回折光学素子41への入射光の放射強度分布に基づき、ステップST5で得られた要素回折光学素子41上での複素振幅分布の実部を修正する(ステップST6)。
その後、ステップST6で生成した複素振幅分布を用いて、ステップST3以降の処理を繰り返す。ステップST3〜ST6の処理を繰り返すうちに、要素回折光学素子41上での複素振幅分布の実部が、ステップST1で設定した放射強度分布に近づいていく。
以上のようにして、所望の回折特性を実現するための要素回折光学素子41の構造を設計することができる。なお、回折光学素子40には複数の要素回折光学素子41が含まれる。複数の要素回折光学素子41の間での僅かな配置の相違を無視して、複数の要素回折光学素子41を同一に設計してもよいし、或いは、回折光学素子40内における複数の要素回折光学素子41の間での僅かな配置の相違を考慮して、複数の要素回折光学素子41を別々に設計してもよい。
上述したように、本実施の形態における要素回折光学素子41は、複数の要素回折光学素子41の各々として、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを含んでいる。第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、互いに異なる回折構造を有している。より具体的には、第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aをいくつかの区域に平面分割して複数の区域の配置を、当該区域の向きを変えることなく、入れ替えてなる構造を有する。結果として、回折光学素子40は、一定の構成を有する複数の区域であって、第2要素回折光学素子41Bの配置に応じて配置ピッチが変化する複数の区域を含むようになる。言い換えると、この複数の区域に含まれる一部の区域は、一定の配列ピッチ規則的に配列され、複数の区域に含まれる残りの区域は、前記一部の区域に対して前記一定の配列ピッチとは異なるピッチで配置されている。
ここで、図6A及び図6Bは、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの組み合わせの一例を示している。このうち、図6Aは第1要素回折光学素子41Aを示す平面図であり、図6Bは第2要素回折光学素子41Bを示す平面図である。図6A及び図6Bに示された例において、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、第1方向d1に平面分割され且つ第2方向d2にも平面分割されることで、複数の区域SA〜SDに区分けされている。図示された例において、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、第1方向d1に二分割され且つ第2方向d2に二分割されている。とりわけ図示された例では、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、第1方向d1に二等分に分割され且つ第2方向d2に二等分に分割されている。結果として、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、同一の平面形状を有する四つの区域SA,SB,SC,SDに区分けされている。そして、第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aにおける区域SB及び区域SCの位置を変更してなる構造を有している。
図6A及び図6Bに示された例において、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの間で配置が変更されていない区域SA,SDは、図2に示された回折光学素子40内において、同一のピッチで規則的に配列されるようになる。一方、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの間で、区域SBの配置は変更されている。第1要素回折光学素子41Aに含まれる各区域SBは、第2要素回折光学素子41Bに含まれる規則的に配列された複数の区域SBに対して異なるピッチで規則性に従うことなく配置され、第2要素回折光学素子41Bに含まれる各区域SBは、第1要素回折光学素子41Aに含まれる規則的に配列された複数の区域SBに対して異なるピッチで規則性に従うことなく配置されている。同様に、第1要素回折光学素子41Aに含まれる各区域SCは、第2要素回折光学素子41Bに含まれる規則的に配列された複数の区域SCに対して異なるピッチで規則性に従うことなく配置され、第2要素回折光学素子41Bに含まれる各区域SCは、第1要素回折光学素子41Aに含まれる規則的に配列された複数の区域SCに対して異なるピッチで規則性に従うことなく配置されている。
また、図7A及び図7Bは、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの組み合わせの他の例を示している。このうち、図7Aは第1要素回折光学素子41Aを示す平面図であり、図7Bは第2要素回折光学素子41Bを示す平面図である。図7A及び図7Bに示された例において、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、第1方向d1に三分割され且つ第2方向d2にも二分割されることで、六つの区域SE〜SJに区分けされている。このうち、区域SE,SG,SH,SJは同一形状を有している。そして、第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aと、区域SE,SG,SH,SJの配置位置を異にしている。また、区域SF,SIは同一形状を有している。そして、第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aと、区域SF,SIの配置位置を逆にしている。
第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの一方を、上述してきた通常の回折光学素子として、すなわち計算機合成ホログラムとして設計されたホログラム構造をそのまま有する回折光学素子として、構成することができる。この場合、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの他方を、計算機合成ホログラムとして設計されたホログラム構造を利用して、作製することができる。すなわち、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの他方は、所望の回折特性を実現するホログラム構造を設計する工程と、設計されたホログラム構造をいくつかの区域に分割し、このうちの少なく一部の区域の配置を変更して要素回折光学素子の構造を決定する工程と、を経て製造される。或いは、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの両方を、計算機合成ホログラムとして設計されたホログラム構造を平面分割して且つ少なくとも一部分の区域の配置を変更することで作製してもよい。また、区域に区分けする際、要素回折光学素子41を第1方向d1への分割数及び第2方向d2bへの分割数は、特に限定されない。また、第1方向d1及び第2方向d2のいずれか一方には複数の区域に区分けされていなくてもよい。
以上のような構成からなる照明装置20では、コヒーレント光源25から射出したコヒーレント光が、整形光学系30で整形される。図示された具体例において、コヒーレント光は、光束断面積を拡大された平行光束に整形される。整形光学系30で整形されたコヒーレント光は、回折光学素子40に入射する。コヒーレント光は、入射位置に応じて、回折光学素子40の第1要素回折光学素子41Aまたは第2要素回折光学素子41Bによって回折される。
第1要素回折光学素子41Aで回折されたコヒーレント光は、被照射面IP上の被照明領域LZ内に向かう。第1要素回折光学素子41Aで回折されたコヒーレント光は、被照射面IP上の被照明領域LZ内に想定された点像PIの位置に投射され、単位像UIを再生する。同様に、第2要素回折光学素子41Bで回折されたコヒーレント光は、被照射面IP上の被照明領域LZ内に向かう。第2要素回折光学素子41Bで回折されたコヒーレント光は、被照射面IP上の被照明領域LZ内に想定された点像PIの位置に投射され、単位像UIを再生する。すなわち、本実施の形態による照明装置20では、単位像UIの集合体として、被照射面IP上の被照明領域LZが所定のパターンにて照明される。
図1に示された例では、被照明領域LZが、空間光変調器50の入射面によって形成されている。照明装置20によってコヒーレント光を照射された空間光変調器50は、変調画像を形成する。変調画像は、投射光学系13を経てスクリーン12上に投射される。スクリーン12上には、観察者によって観察される画像が表示される。
ところで、回折光学素子は、入射光の位相または振幅を変調する複数の単位ピクセルを有している。そして、要素回折光学素子41の一辺の長さWAを大きくすることで、単位像UIの原像となる点像PIを高密度で近接して配置することができる。すなわち、単位像UIを高密度で近接して再生することが可能となる。しかしながら、計算機での計算量、装置サイズ等の制約から、単位ピクセル45で照明され得る点像PIを高密度で近接して配置することには限界がある。この結果、従来の照明装置では、被照明領域内に単位像の配列に応じた明暗が視認されることがあった。
このような不具合に対処するため、本実施の形態の照明装置20に含まれる回折光学素子40は、その一部分として、計算機合成ホログラムとして設計された回折光学素子をいくつかの区域に平面分割し且つ複数の区域の配置を変更してなる構造を有する要素回折光学素子41を含んでいる。とりわけ回折光学素子40は、第1要素回折光学素子41Aと第2要素回折光学素子41Bを含んでおり、第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aをいくつかの区域に分割し且つ少なくとも一部の区域の配置を変更してなる構造を有している。このような第2要素回折光学素子41Bによれば、回折特性の設計時にコヒーレント光を照射することを意図された点像PI上だけでなく、当該点像PIの周囲となる領域にもコヒーレント光を分散して照射することができる。
具体的には、図6A及び図7Aに示された通常の計算機合成ホログラムとして構成された第1要素回折光学素子41Aは、精度良く作製されているとの前提において、図10Aに示すように、設計時にコヒーレント光を照射することを意図された点像PI上に単位像UIを再生することができる。点像PIが第1方向d1及び第2方向d2に大きく離間している場合には、単位像UIも第1方向d1及び第2方向d2に大きく離間して再生されるようになる。この結果、第1方向d1及び第2方向d2に明暗のむらが視認されてしまう可能性がある。
一方、図6B及び図7Bに示された通常の計算機合成ホログラムの平面構造の一部の配置を変更してなる第2要素回折光学素子41Bは、設計時にコヒーレント光を照射することを意図された点像PI上だけでなく、当該点像PI以外の位置又は領域にも、例えば図10Bに示すように当該点像PIの周囲にも光を分散させることができる。したがって、原画像としての点像PIが第1方向d1及び第2方向d2に沿って離間していたとしても、第1方向d1及び第2方向d2に隣り合う単位像UIの隙間を小さくすることができ、更には、第1方向d1及び第2方向d2に隣り合う単位像UIを部分的に重ねることができる。
結果として、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを含む回折光学素子40での再生像は、第1要素回折光学素子41Aによる再生像と第2要素回折光学素子41Bによる再生像を足し合わせたものとなる。この結果、図11に示すように、被照射面IP上の被照明領域LZを十分に明るく且つ十分均一な明るさで照明することが可能となる。
なお、単位像UIの分散の程度は、要素回折光学素子41をより多くの区域に区分けし、区分けされたより多数の区域の配置を変更すると、大きくなる傾向にある。すなわち、要素回折光学素子41を第1方向d1に多く区分けすると、単位像UIは第1方向d1に広がりやすくなる。同様に、要素回折光学素子41を第2方向d2に多く区分けすると、単位像UIは第2方向d2に広がりやすくなる。また、コヒーレント光を照射されるべき点像PIの位置に応じて、単位像UIの分散の程度が変化する傾向がある。回折角度が小さくなる位置に再生される単位像UI、すなわち、0次光の光路に近接する位置に再生される単位像UIは、分散して広がりやすくなる。その一方で、回折角度が大きくなる位置に再生される単位像UIは、分散の程度が小さくなる傾向がある。
このような作用効果が得られるメカニズムについて、図8A〜図9に示された回折光学素子40を参照して、より詳しく説明する。要素回折光学素子41は、角度空間において所定の方向へ入射光を回折するため、当該回折方向に対応した周期構造を付与されている。この周期構造は、回折光が向けられるべき一つの点像PIに対応して、一つ設けられる。そして、要素回折光学素子41には、当該要素回折光学素子41によって再生されるべき単位像UIの強度と関連する数の周期構造を付与されている。結果として、各要素回折光学素子41は極めて複雑な構造を有するようになる。
ここで図8Aは、一つの単位像UIのみを再生することを意図された第1要素回折光学素子41Aを示している。図8Aに示された第1要素回折光学素子41Aにおいて、直線は周期構造の繰り返しを示している。例えば周期構造が凹凸として実現される場合、一例として線の位置に、図4に示された凹凸の頂部46が位置する。図8AにおけるZ−Z線に沿った断面は、例えば図4に示された断面を有するようになる。
図8Aに示された例において、第1方向d1に沿った周期構造のピッチP1は、第1要素回折光学素子41Aの第1方向d1に沿った長さWAの1/8となっている。したがって、図8Aに示された第1要素回折光学素子41Aによる第1方向d1への回折角度は、第1方向d1に沿った最小の回折角度、すなわちsin−1(λ/WA)〔rad〕の8倍の回折角度となる。また、図8Aに示された例において、第2方向d2に沿った周期構造のピッチP2は、第1要素回折光学素子41Aの第2方向d2に沿った長さWAの1/4となっている。したがって、図8Aに示された第1要素回折光学素子41Aによる第2方向d2への回折角度は、第1方向d1に沿った最小の回折角度、すなわちsin−1(λ/WA)〔rad〕の4倍の回折角度となる。結果として、図8Aに示された第1要素回折光学素子41Aの周期構造によれば、0次光が向かう点像PIから、第1方向d1に8個ずれ且つ第2方向d2に4個ずれた位置にある点像PI上に単位像UIを再生することができる。
次に、図8Bは、図8Aに示された第1要素回折光学素子41Aを利用して、作製された第2要素回折光学素子41Bを示している。図8Bに示された第2要素回折光学素子41Bは、図8Aに示された第1要素回折光学素子41Aを第1方向d1及び第2方向d2のそれぞれに三分割して九つの区域S1〜S9に区分けし且つ複数の区域の配置を変更することで形成されている。具体的には、区域S2,S8の配置を入れ替え、且つ、区域S4,S6の配置を入れ替えている。一方、区域S1,S3,S5,S7,S9の位置は変更されていない。
このようにして得られた第2要素回折光学素子41Bでは、配置を変更された区域S2,S4,S6,S8の縁部領域EAを跨ぐ周期構造の長さP1X,P2Xが、その他の部分での周期構造のピッチP1,P2と異なるようになる。したがって、この部分に入射したコヒーレント光の回折角度は、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの他の部分に入射したコヒーレント光の回折角度と異なるようになる。そして、周期構造の長さP1X,P2Xが元々の周期構造のピッチP1,P2よりも長くなっている領域に入射したコヒーレント光の回折角度は、予定した回折角度よりも小さくなる。また、周期構造の長さP1X,P2Xが元々の周期構造のピッチP1,P2よりも短くなっている領域に入射したコヒーレント光の回折角度は、予定した回折角度よりも大きくなる。つまり、この第2要素回折光学素子41Bで再生される単位像UIは被照射面IP上において分散して広がることになる。
また、通常、複数の要素回折光学素子を含む回折光学素子では、複数の要素回折光学素子を隣接して配置するとともに、隣り合う二つの要素回折光学素子の間を周期構造が連続的に接続するようになる。
一方、図9に示された回折光学素子40では、第2要素回折光学素子41Bが第1要素回折光学素子41Aと隣接するようにして配置される。第2要素回折光学素子41Bの外周縁の一部は、配置を変更された区域S2,S4,S6,S8によって形成されている。したがって、第2要素回折光学素子41Bの配置を変更された区域S2,S4,S6,S8の縁部領域EAが、当該第2要素回折光学素子41Bと第1要素回折光学素子41Aとの接続領域CAをなすようになる。この回折光学素子40では、接続領域CAを跨ぐ周期構造の長さP1Y,P2Yが、その他の部分での周期構造のピッチP1,P2と異なるようになる。したがって、この部分に入射したコヒーレント光の回折角度は、回折光学素子40の他の部分に入射したコヒーレント光の回折角度と異なるようになる。
以上のようにして、計算機合成ホログラムとして設計された構造の一部区域の配置を変更した構造を有する第2要素回折光学素子41Bを含む回折光学素子40によれば、計算機合成ホログラムの設計時に予定された点像PIの位置からずれた位置にコヒーレント光を照射することができる。すなわち、被照明領域LZ内に再生される単位像UIを広げることができ、これにより、隣り合う二つの単位像UIの隙間を小さくして、被照明領域LZ内における明るさのばらつきを効果的に目立たなくさせることができる。
ところで、上述してきた回折構造DS(図4参照)の回折を生じさせる構成が凹凸面等の形状である回折光学素子40については、第2要素回折光学素子41Bが、要素回折光学素子41をいくつかの区域に分割して複数の区域の配置を変更してなる構造を有するのか否かを、回折構造DSの回折を生じさせる構成に関するマッピングデータ、一例として回折光学素子40を撮像した画像データを用いて判断することができる。また、振幅変調型の回折光学素子40についても、同様に、回折構造DSの回折を生じさせる構成に関するマッピングデータ、一例として回折光学素子40を撮像した画像データを用いて、第2要素回折光学素子41Bが、要素回折光学素子41をいくつかの区域に分割して複数の区域の配置を変更してなる構造を有するのか否かの判断を行うことができる。
ここで、図15Aに示された回折光学素子40を実際に作製した。そして、実際に作製された回折光学素子40を撮像することで得られた画像データを図15B〜図15Fに示す。図15B〜図15Fは、それぞれ、光学顕微鏡を用いて図15Aの領域Aa〜領域Aeを撮影した画像データである。図15Aに示された回折光学素子40は、第1方向d1に二つ並べられ且つ第2方向d2に複数並べられた複数の第1要素回折光学素子41Aと、第1方向d1に二つ並べられ且つ第2方向d2に複数並べられた複数の第2要素回折光学素子41Bと、を有している。複数の第1要素回折光学素子41Aは、隣接して隙間なく配列されている。複数の第2要素回折光学素子41Bは、隣接して隙間なく配列されている。第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、同一の平面視形状を有している。第1方向d1に、二つの第1要素回折光学素子41A及び二つの第2要素回折光学素子41Bが並べられている。第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、第1方向d1に隣接して隙間無く配列されている。
図15Aでは、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、第1方向d1において二つに等分割され、且つ、第2方向d2において二つに等分割されている。結果として、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bは、それぞれ、四つの区域Sa,Sb,Sc,Sdを含んでいる。第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aと、第1区域Saの配置において同一となっているが、第2区域Sb、第3区域Sc及び第4区域Sdの配置において異なっている。
隙間無く配列された複数の要素回折光学素子41を含む回折光学素子40において、各単位像UIを再生するための周期構造を重ね合わせるようにして形成された回折構造DSは、要素回折光学素子41の内部で連続的に形成される。また、隣り合う要素回折光学素子41の間となる境目においても、回折特性の乱れを防止するため、回折構造は連続的となっている。これにより、隣り合う要素回折光学素子41の境目で回折された光が、意図しない方向に進むことを効果的に防止している。要素回折光学素子41の回折構造は、形状や材料を種々選択することで回折を生じさせるための構成を有している。回折構造の回折を生じさせるための構成の一例として、図4に示された凹凸面を例示することができる。そして、回折構造の連続性は、この回折を生じさせるための構成の変化が漸次変化していくことを意味している。
その一方で、一つの要素回折光学素子41が、計算機合成ホログラムとして設計された回折構造をいくつかの区域に分割して複数の区域の配置をこの回折構造から変更してなる構成を有する場合、この要素回折光学素子41は、その周縁の内側に、すなわちその内部に、回折構造が不連続となる境界BDを含むことになる。第2要素回折光学素子41Bが第1要素回折光学素子41Aをいくつかの区域に分割して複数の区域の配置を変更してなる回折構造を有する場合、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの少なくとも一方が、その周縁の内側に、回折構造が不連続となる境界BDを含むことになる。上述した例のように、第1要素回折光学素子41Aが計算機合成ホログラムとして設計されている場合には、第2要素回折光学素子41Bが、その周縁の内側に、回折構造が不連続となる境界BDを含むことになる。
回折構造が不連続となる境界BDは、位置を変更された区域の周縁の少なくとも一部分上に位置する。回折構造が不連続となる境界BDは、回折構造の変化の連続性を断ち切る線状部をなす。実際上、回折構造が不連続となる境界BDは、後述するように回折構造を拡大観察した際に、回折構造のパターンを断ち切る線状部として特定され得る。以下において、この回折構造が不連続となっている回折構造の境界BDを、単に、「不連続な回折構造の境界」とも呼ぶ。
要素回折光学素子41内に位置する不連続な回折構造の境界BDは、上述した区域間に位置する縁部領域EAである。したがって、この縁部領域EAとしての境界BDを跨ぐ方向に、単位像UIを広げること或いは単位像UIを形成する回折光を拡散させることができる。
また、位置を変えられた区域の周縁の一部が、当該区域を含む要素回折光学素子41と他の要素回折光学素子41との境界をなす場合には、回折光学素子40は、その周縁の内側に、隣り合う二つの要素回折光学素子41の境目として、不連続な回折構造の境界BDを含むようになる。この不連続な回折構造の境界BDは、上述した要素回折光学素子間に位置する接続領域CAである。この接続領域CAとしての境界BDを跨ぐ方向に、単位像UIを広げること或いは単位像UIを形成する回折光を拡散させることができる。
すなわち、回折光学素子40又は要素回折光学素子41が、その周縁の内側に、不連続な回折構造の境界BDを含む場合、その境界BDを跨ぐ方向に、単位像UIを広げること或いは単位像UIを形成する回折光を拡散させることができる。このような回折光学素子40又は要素回折光学素子41によれば、隣り合う二つの単位像UIの隙間に起因した被照明領域LZ内における明るさのばらつきを、効果的に目立たなくさせることができる。
そして、図15Aでは、計算機合成ホログラムとして設計された第1要素回折光学素子41Aから、区域Sb、区域Sc及び区域Sdの位置を変更することで第2要素回折光学素子41Bが構成されている。したがって、第2要素回折光学素子41Bは、区域Sb、区域Sc及び区域Sdの周縁となる位置に不連続な回折構造の境界BDを有し得る。一方、第1要素回折光学素子41Aの区域Sbと、この第1要素回折光学素子41Aに隣接する第2要素回折光学素子41Bの区域Saとの相対位置関係は、隣接する二つの第1要素回折光学素子41Aの間における区域Sbと区域Saとの相対位置関係と同一であることから、不連続な回折構造の境界BDは存在しない。したがって、区域Saの周縁ついては、配置を変更された第2要素回折光学素子41Bの区域Sb,Sc,Sdとの境界となる位置のみに、不連続な回折構造の境界BDが形成される。結果として、図15Aに示された回折光学素子40では、長くて太い破線として示された部分に、不連続な回折構造の境界BDが存在するようになる。
不連続な回折構造の境界BDは、顕微鏡等を用いた拡大観察により視認され得る。不連続な回折構造の境界BDは、回折構造の入射光を回折するための構成の変化の不連続箇所であり、計算機合成ホログラムとして設計されたホログラム素子から位置を変更された区域の周縁に位置する。したがって、回折構造の回折を生じさせる構成の変化が視認される程度まで拡大して回折光学素子40又は要素回折光学素子41を観察することで、回折構造の回折を生じさせるための構成の変化を示すパターンの不連続部分として視認される。また、回折光学素子40又は要素回折光学素子41を撮像することで得られた画像データを画像処理することで、回折構造の回折を生じさせるための構成の変化を示すパターンから区別して不連続な回折構造の境界BDを特定することも可能である。
とりわけ、計算機合成ホログラムとして設計された回折構造に含まれる二以上の区域の配置を変更して一つの要素回折光学素子41を作製する際、配置変更の前後において、要素回折光学素子41の形状を一定に維持することが好ましい。要素回折光学素子41の外輪郭を一定に維持することで、要素回折光学素子41を含む回折光学素子40を、要素回折光学素子41を隙間無く敷き詰めることで作製することができる。このような回折光学素子40は、コンパクトで入射光の利用効率に優れる。そして、要素回折光学素子41の平面視形状を一定に保つには、各区域の周縁を直線によって構成することが有効であり、区域の分断および配置替えの作業性においても優れる。このような例においては、一般に曲線によって表わされる回折構造の変化を示すパターンから、直線状に延びる不連続な回折構造の境界BDを明確に区別することが可能となる。
すなわち、上述したように、回折構造の連続性は、この回折を生じさせるための構成の変化が漸次変化していくことを意味している。その一方で、回折構造が不連続となる境界BDとは、回折構造の連続性を断ち切る線状部を意味している。そして、この不連続な回折構造の境界BDは、回折構造の拡大観察において、回折構造の連続性を示すパターンを断ち切る線状部として特定される。
図15Aにおける領域Aa及び領域Abは、計算機合成ホログラムとして設計された隣接する二つの第1要素回折光学素子41Aの境界部分を含んでいる。第1要素回折光学素子41Aは計算機合成ホログラムとして設計されているので、領域Aa及び領域Abには、不連続な回折構造の境界BDが存在しないことになる。図15Bの写真及び図15Cは、図15Aにおける領域Aa及び領域Abをそれぞれ撮影した画像データである。撮影対象となった図15Aの構成を有する回折光学素子40は、図3及び図4に示された凹凸面を回折構造として有している。そして、図15Bの写真及び図15Cの画像、並びに、後述する図15D〜図15Fの画像には、単位ピクセル45は視認されないものの、単位ピクセル45の高さ勾配が濃淡によって示されている。つまり、単位ピクセル45の高さが急に変化する部分と単位ピクセル45の高さが緩やかに変化する部分とが画像における濃淡として示されている。そして、図15Bに示された区域Sa及び区域Sbの境界になると想定される位置には、単位ピクセル45の高さ勾配を示す濃淡パターンを断ち切る線状部、すなわち不連続な回折構造の境界BDは視認されない。同様に、図15Cの画像においても、隣接する二つの区域の境界になると想定される位置に、単位ピクセル45の高さ勾配を示す濃淡パターンを断ち切る不連続な回折構造の境界BDは視認されない。
一方、図15Dは、図15Aの領域Acを示している。図15Aに示すように、領域Acでは、第2要素回折光学素子41Bの区域Sdの周囲に不連続な回折構造の境界BDが存在する。実際に、図15Dに示された画像には、単位ピクセル45の高さ勾配を示す濃淡パターンが、区域Sdの周囲となる直線状の位置において断ち切られて、不連続となっている。つまり、図15Dに示された写真から、第1要素回折光学素子41Aの区域Sdと第2要素回折光学素子41Bの区域Sdとの間に相当する位置、及び、第2要素回折光学素子41Aの区域Sa及び区域Sdの間に相当する位置で、回折構造のパターンが分断されていることが確認される。その一方で、図15Dに示された写真には、第1要素回折光学素子41Aの区域Sb及び区域Sdの間に相当する位置、及び、第1要素回折光学素子41Aの区域Sbと第2要素回折光学素子41Bの区域Saとの間に相当する位置には、図15Aと同様に、不連続な回折構造の境界BDは視認されない。
さらに、図15E及び図15Fは、それぞれ、図15Aの領域Ad及び領域Aeを示している。図15Aに示すように、領域Ad及び領域Aeでは、第2要素回折光学素子41Bの隣接する二つの区域の間となる位置に、不連続な回折構造の境界BDが存在する。そして、この不連続な回折構造の境界BDは、図15Eに示された画像及び図15Fに示された画像において、存在を確認することができる。
このように、区域の位置変更に応じて不連続な回折構造の境界BDが回折光学素子40内に生じる。更に、画像データによって、上位概念化すると回折構造の回折を生じさせる構成のマッピングデータによって、不連続な回折構造の境界BDを特定することができる。次に、この特定された不連続な回折構造の境界BDに基づき、第2要素回折光学素子41Bが、要素回折光学素子41をいくつかの区域に分割し且つ複数の区域の配置を変更してなる構造を有するのか否かを、判断することができる。以下、画像データ等のマッピングデータを用いた判断手法について説明する。
まず、回折光学素子40の回折構造の回折を生じさせる構成のマッピングデータを取得する。上述したように、マッピングデータとして、回折光学素子40を撮像した画像データを用いることができる。図15B〜図15Fには、マッピングデータの具体例としての画像データが示されている。マッピングデータは、回折光学素子40の回折構造が有する回折を生じさせるための構成の分布を情報として含んでいる。そしてマッピングデータから、回折を生じさせるための構成の変化勾配の不連続性としての、不連続な回折構造の境界BDの有無を確認する。
次に、不連続な回折構造の境界BDによって少なくとも一部分を区画される小区域と、同様の回折構造を有する小区域を探す。この処理は、コンピュータによるデータ処理によって実行されることが好ましい。同様の回折構造を有するか否かについての判断は、コンピュータを用いてデータの相関の有無を確認することで、行うことができる。
コンピュータを用いてデータの相関の有無を確認する場合、少なくとも部分的に不連続な回折構造の境界BDで区画される小区域と、データ上100%同一となる回折構造を有する小区域のみを同一と判断する必要はない。マッピングデータ等に応じて相関度合が50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上の場合に、少なくとも部分的に不連続な回折構造の境界BDで区画される小区域と同様の回折構造を有すると判断するようにしてもよい。またマッピングデータを扱う際には、フィルタ処理等のノイズを削除する処理等を事前に行うようにしてもよい。さらには、製造誤差や取り扱い中における付着物等による誤差等の影響を排除するため、同一構造として作製された多数のサンプルに対する処理を事前に行うこと等によって、計算機等の処理装置を学習させておくことが好ましい。
このようにして、目視やデータ処理等により検出された不連続な回折構造の境界BDによって少なくとも部分的に区画される小区域と同一な回折構造を有すると判断される小区域の有無が確認される。
一例として図15A〜図15Fに示された回折光学素子40では、第2要素回折光学素子41B内における区域Sb、区域Sc及び区域Sdが、全周を不連続な回折構造の境界BDによって区画された区域として、回折光学素子40内のどこに位置しているかが特定される。
一方、第2要素回折光学素子41B内における区域Saは、その周縁の一部分のみを不連続な回折構造の境界BDによって区画されている。上述したように、不連続な回折構造の境界BDは、計算機合成ホログラムとして設計された回折構造の一部区域の配置を変更することによって、当該変更された区域の周縁に生じる。したがって、不連続な回折構造の境界BDの形状を考慮しながら、当該境界BDによって区画される小区域を小さ目の範囲に設定しておくことで、計算機合成ホログラム内の一部であって配置を変更された区域を、探し出し易くなる。そして、同様の構造を有する区域が確認された場合には、当該小領域の不連続な回折構造の境界BDで区画されていない側に広がる領域における構造の同一性について確認する。このような確認を進めていくことで、同一の構造を有し且つ回折光学素子40内に分散配置された複数の区域Saを特定することができる。
以上のようにして、少なくとも部分的に不連続な回折構造の境界BDで区画される区域と同一の回折構造を有する区域の分布を特定していく。一例として、不連続な回折構造の境界BDによって部分的に区画された区域Saと同一の構造を有する区域の特定が最初に行われた場合、図15Gに示すように、回折光学素子40内における区域Saの大きさと分布がまず特定される。別の例として不連続な回折構造の境界BDによって全周縁を区画された区域Sdと同一の構造を有する区域の特定が最初に行われた場合、図15Hに示すように、回折光学素子40内における区域Sdの分布がまず特定される。処理装置による計算量や目視等による作業量を低減する観点からは、全周を不連続な回折構造の境界BDによって区画された区域、図15Aの例では区域Sb,Sc,Sdと同一な区域の特定から開始し、その後に確認すべき領域が狭くなったところで、一部を不連続な回折構造の境界BDによって区画された区域、図15Aの例では区域Saと同一な区域の特定を行うことが好ましい。
少なくとも部分的に不連続な回折構造の境界BDで区画される区域として、区域Sa、区域Sb、区域Sc及び区域Sdの分布を特定しくことで、図15Aに示すような各区域Sa,Sb,Sc,Sdの回折光学素子40内における分布が特定される。その後、各区域Sa,Sb,Sc,Sdの分布から、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの分布を把握することができる。
以上のようにして、画像データを用いて、第2要素回折光学素子41Bが、要素回折光学素子41をいくつかの区域に分割し且つ複数の区域の配置を変更してなる構造を有していることを確認することができる。このようにしてマッピングデータを用いて同一と判断される構造を有した区域を異なる配置にて含む二種類の要素回折光学素子41を有した回折光学素子40によれば、上述した作用効果、すなわち、被照明領域LZ内における明るさのむらを目立たなくさせることができ、被照明領域LZ内をより均一な明るさで照明することができる。
なお、以上において回折光学素子40内における不連続な回折構造の境界BDの有無や区域の特定に、マッピングデータが用いられ得ることを説明した。マッピングデータの具体例として、光学顕微鏡を介して回折光学素子40を撮像した画像データを例示し、この画像データを画像処理により解析することを説明した。しかしながら、この例に限られず、光学顕微鏡に限られず、レーザー顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等を用いて、回折光学素子40の画像データを取得するようにしてもよい。また、マッピングデータとしては、画像データに限られることなく、図4に示された回折構造DSにおける各単位ピクセル45の頂部46の位置を示すマッピングデータ、言い換えると各位置での凹部の深さを表すデータ等を用い、このデータをコンピュータで処理することもできる。
ところで、図15A,図15G及び図15Hに示された回折光学素子40は、被照明領域LZに向けて入射光を回折する回折構造を有し、その周縁の内側に不連続な回折構造の境界BDを含んでいる。このように内部に不連続な回折構造の境界BDを設けられた回折光学素子40では、不連続な回折構造の境界BDを横切る方向に単位像UIを広げること或いは単位像UIを形成する回折光を拡散させることができる。したがって、内部に不連続な回折構造の境界BDを設けられた回折光学素子40によれば、隣り合う二つの単位像UIの隙間に起因した被照明領域LZ内における明るさのばらつきを、効果的に目立たなくさせることができる。例えば、内部に不連続な回折構造の境界BDを設けられた回折光学素子として、例えば図示された具体例における第2要素回折光学素子41Bのみによって構成された回折光学素子40、或いは、第2要素回折光学素子41Bを含むが第1要素回折光学素子41Aを含まない回折光学素子40によっても、被照明領域LZ内を均一な明るさで照明することができる。
また、図15Gに示された回折光学素子40は、同一の構成を有した複数の区域Saを含み、不連続な回折構造の境界BDは、複数の区域Saのうちの一部の区域Saの周縁に位置している。同様に、図15Hに示された回折光学素子40は、同一の構成を有した複数の区域Sdを含み、不連続な回折構造の境界BDは、複数の区域Sdのうちの一部の区域Sdの周縁に位置している。このような回折光学素子40は、例えば、上述してきた第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを含むことによって、或いは、計算機合成ホログラムとして設計されたホログラムを複数の区域に分割し且つ複数の区域の一部の配置を変更することで得られた要素回折光学素子を用いることによって、作製され得る。このような回折光学素子40によれば、不連続な回折構造の境界BDの長さを変化させることで、単位像UIを広げる程度或いは単位像UIを形成する回折光の拡散の程度を調節することができる。したがって、被照明領域LZ内における明るさのむらを目立たなくさせることができ、被照明領域LZをより均一な明るさで照明することができる。
さらに、図15Hに示された回折光学素子40は、不連続な回折構造の境界BDによって全周縁を区画された区域を含んでいる。したがって、回折光学素子40では、不連続な回折構造の境界BDの長さを十分に確保することができる。これにより、単位像UIを十分に広げること或いは単位像UIを形成する回折光を十分に拡散させることができる。また、不連続な回折構造の境界BDが種々の方向に延びることになる。結果として、単位像UIを種々の方向に広げること或いは単位像UIを形成する回折光を種々の方向に拡散させることができる。これらにより、被照明領域LZ内における明るさのむらを目立たなくさせることができ、被照明領域LZをより均一な明るさで照明することができる。
さらに、図15Gに示された回折光学素子40は、同一の構成を有した複数の区域Saを含んでいる。そして、複数の区域Saのうちの一部の区域の周縁における不連続な回折構造の境界BDの配置は、複数の区域Saのうちの他の少なくとも一部の区域Saの周縁における不連続な回折構造の境界BDの配置と異なっている。このような回折光学素子40によれば、被照明領域LZをより均一な明るさで照明することができる。
具体的には、図15Gにおいて、他の第2要素回折光学素子41Bと第1方向d1に隣接する第2要素回折光学素子41Bの区域Saについては、言い換えると第1要素回折光学素子41Aと隣接しない第2要素回折光学素子41Bの区域Saについては、その全周縁上に不連続な回折構造の境界BDが位置している。一方、第1要素回折光学素子41Aと第1方向d1に隣接する第2要素回折光学素子41Bの区域Saについては、その周縁の一部分上のみに不連続な回折構造の境界BDが位置している。また、他の第1要素回折光学素子41Aと第1方向d1に隣接する第1要素回折光学素子41Aの区域Saについては、言い換えると第2要素回折光学素子41Bと隣接しない第1要素回折光学素子41Aの区域Saについては、その周縁上に不連続な回折構造の境界BDは位置していない。このような回折光学素子40によれば、区域Saによって回折された回折光を適切に拡散させることができ、結果として、被照明領域LZをより均一な明るさで照明することができる。
加えて、上述した第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを含む回折光学素子40は、一定の構成を有する複数の区域を含んでいる。そして、複数の区域のうちの一部の区域は、一定のピッチで配置され、複数の区域のうちの他の少なくとも一部の区域は、前記一部の区域に対して前記一定のピッチとは異なるピッチで配置され得る。そして、このような回折光学素子40は、上述した第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを含む回折光学素子40と同様に、不連続な回折構造の境界BDを含むようになり、結果として、被照明領域LZをより均一な明るさで照明することができる。
より具体的には、図15A及び図15Hに示された回折光学素子40は、互いに異なる回折構造を含んだ区域Sa〜Sdを含んでいる。とりわけ回折光学素子40は、区域Sa〜Sdを隙間なく敷き詰めることで構成されている。図15Hによく示されているように、回折光学素子40は、一定の構成を有する複数の第4区域Sdを含んでいる。回折光学素子40に含まれる一部の第4区域Sdは、一定のピッチで配置されている。図示された例において、第1要素回折光学素子41Aに含まれる第4区域Sdは、第1方向d1に一定のピッチで配列され且つ第2方向d2に一定のピッチで配列されている。回折光学素子40に含まれる他の一部の第4区域Sdの各々は、具体的には第2要素回折光学素子41Bに含まれる第4区域Sdの各々は、第1要素回折光学素子41Aに含まれる第4区域Sdに対して、第1要素回折光学素子41Aに含まれる第4区域Sdの第1方向d1への配置ピッチとは異なるピッチで配置されている。この回折光学素子40では、第4区域Sdの周囲に不連続な回折構造の境界BDが含まれるようになり、結果として、被照明領域LZをより均一な明るさで照明することができる。
また、図15A及び図15Gに示すように、回折光学素子40は、第4区域Sdの構成とは異なる構成を有する複数の第1区域Saを更に含み、この複数の第1区域Saは、一定のピッチで配列されている。より具体的には、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bのいずれかに含まれた複数の第1区域Saは、第1方向d1に一定のピッチで配置され且つ第2方向d2に一定のピッチで配置されている。さらに厳密には、回折光学素子40に含まれたすべての第1区域Saは、第1方向d1に一定のピッチで配置され且つ第2方向d2に一定のピッチで配置されている。このような第1区域Ssによれば、第4区域Sdとの組み合わせにおいて、第1区域Ssの周縁の一部のみに不連続な回折構造の境界BDを設けることや、第1区域Ssの周縁における不連続な回折構造の境界BDの位置を変化させることが可能となる。これにより、第1区域Saでの回折によって再生される単位像UIを広げる方向や単位像UIを広げる程度、或いは、第1区域Saでの回折光を拡散させる方向および程度を、適宜調節することが可能となる。
以上に説明してきたように、本実施の形態における回折光学素子40は、被照明領域LZに向けて入射光を回折する第1要素回折光学素子41Aと、被照明領域LZに向けて入射光を回折する第2要素回折光学素子41Bと、を有している。第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aをいくつかの区域に分割して複数の区域の配置を変更してなる構造を有している。このような本実施の形態によれば、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの少なくとも一方で回折されて被照明領域LZ内に再生される単位像UIを広げることができる。具体的には、要素回折光学素子41のうちの入れ替えられた区域の周縁となる領域EA、言い換えると、入れ替えられた区域が他の区域と接続する領域EAへの入射光が回折されて進む方向は、要素回折光学素子41のそれ以外の領域への入射光が回折される方向からずれる。したがって、被照明領域LZ内に再生される個々の単位像UIを広げることができ、隣り合う単位像UIの間の隙間を小さくすること、更には隣り合う単位像UIを重ねることができる。これにより、被照明領域LZ内における明るさのむらを目立たなくさせることができ、被照明領域LZをより均一な明るさで照明することができる。
なお、レーザー光などのコヒーレント光源を用いた照明装置では、スペックルの発生という問題が生じる。スペックル(speckle)は、レーザー光などのコヒーレント光を散乱面に照射したときに現れる斑点状の模様であり、斑点状の輝度ムラ(明るさのムラ)として観察され、観察者に対して生理的な悪影響を及ぼす要因になる。本実施の形態によれば、第1要素回折光学素子41Aで回折されたコヒーレント光と第2要素回折光学素子41Bで回折されたコヒーレント光とが被照明領域LZで重なり合うことで、スペックルを目立たなくさせることが可能となる。
上述した一実施の形態の一具体例において、第2要素回折光学素子41Bは、第1要素回折光学素子41Aを直交する二つの方向d1,d2に分割することでいくつかの区域に区分けし、複数の区域の配置を二つの方向d1,d2において変更してなる構造を有している。このような具体例によれば、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bの少なくとも一方で回折されて被照明領域LZ内に再生される単位像UIを、二つの方向に沿って広げることができる。したがって、被照明領域LZ内の明るさを二方向のそれぞれにおいて均一化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、入れ替えられる複数の区域は、互いに同一の外輪郭を有している。とりわけ上述した具体例において、入れ替えられる複数の区域は、同一の形状を有している。このような例によれば、第1要素回折光学素子41Aの外輪郭、すなわち外形状と、第2要素回折光学素子41Bの外輪郭を一致させることができる。したがって、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを近接または隣接して配置すること、更には隙間無く敷き詰めることも可能となる。これにより、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを含む回折光学素子40を小型化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、入れ替えられる複数の区域は、互いに同一となる正方形形状の外輪郭を有している。このような例によれば、第1要素回折光学素子41Aの外輪郭、すなわち外形状と、第2要素回折光学素子41Bの外輪郭を一致させることができる。したがって、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを近接または隣接して配置すること、更には隙間無く敷き詰めることも可能となる。これにより、第1要素回折光学素子41A及び第2要素回折光学素子41Bを含む回折光学素子40を小型化することができる。
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
まず、上述した一具体例において、第1要素回折光学素子41Aを、計算機合成ホログラムとして設計された通常のホログラムとする例を示した。この例において、第2要素回折光学素子41Bは、計算機合成ホログラムとして設計された通常のホログラムを平面分割し且つ平面分割により得られた複数の区域を入れ替えてなる構造を有するようにした。しかしながら、この例に限られず、第1要素回折光学素子41Aも、計算機合成ホログラムとして設計された通常のホログラムを平面分割し且つ平面分割により得られた複数の区域を入れ替えてなる構造を有するようにしてもよい。さらに、回折光学素子40が第3要素回折光学素子を有し、第3要素回折光学素子が、第1要素回折光学素子41Aをいくつかの区域に分割して複数の区域の配置を変更してなる構造であり、且つ、第2要素回折光学素子41Bをいくつかの区域に分割して複数の区域の配置を変更してなる構造を有するようにしてもよい。
また、上述した一具体例として、被照明領域LZが矩形形状からなる例を示したが、この例に限られない。被照明領域LZが、文字、絵柄、色模様、記号、マーク、イラスト、キャラクター、ピクトグラムのいずれか一以上を表すパターンを含むようにしてもよい。要素回折光学素子41を用いることで被照明領域LZの形状を高い自由度で変更することができる。これにより、多様な演出効果を実現することができる。
さらに、空間光変調器50が被照明領域LZに重ねて配置される例を示したがこの例に限られない。照明装置20が、直接または投射光学系を介し、スクリーン12上に単位像UIを再生するようにしてもよい。すなわち、この例では、スクリーン12が被照射面IP上に設けられる。また、別の例として、図13に示すように、路面を被照射面IPとして、整形光学系30が路面上の被照明領域LZを照明するようにしてもよい。或いは、路面以外の地面や、ビル等の構造物、湖面や海面等の水面等を被照射面IPとして、照明装置20がこれらの被照射面IP上の被照明領域LZを照明するようにしてもよい。
なお、図13に示された例において、照明装置20の回折光学素子40は被照射面IPに対して大きく傾斜している。このような適用において、被照射面IP上における隣り合う単位像UIの間隔が大きくなってしまい、被照明領域LZ内における明るさのむらが目立ち易くなる。とりわけ、被照射面IPへの法線方向と回折光学素子40への法線方向との両方に平行な面が、すなわち図示された例では鉛直面が、被照射面IPを横切る線に沿った方向に大きくひらく。したがって、隣り合う単位像UIの間隔が大きくなってしまう方向に、各単位像UIを広げるようにして照射することが有効である。言い換えると、被照射面IPへの法線方向と回折光学素子40への法線方向との両方に平行な面内において、回折光学素子40での回折光をより拡散することが有効である。具体的には、被照射面IPへの法線方向と回折光学素子40への法線方向との両方に平行な面が回折光学素子40を横切る方向における異なる位置にある複数の区域の配置を変更することが有効である。このような回折光学素子40では、上述した不連続な回折構造の境界BDが、被照射面IPへの法線方向と回折光学素子40への法線方向との両方に平行な面内において回折光を効果的に広げることができる。
さらに、図14に示すように、照明装置20は携帯型の装置として構成されてもよい。図14に示された照明装置20は、円柱状の外形状を有し、片手で把持できるようになっている。この照明装置20はケーシング21を有している。コヒーレント光源25、整形光学系30及び回折光学素子40は、ケーシング21によって保持されている。回折光学素子40は、コヒーレント光の出射面をなし、ケーシング21の端面に保持されている。コヒーレント光源25及び整形光学系30は、図示しない電源等とともに、ケーシング21内に収容されている。ケーシング21の外面には、照明装置20を制御するためのスイッチ22が設けられている。
さらに、図16に示すように、照明装置20が、二つの回折光学素子40A,40Bを有するようにしてもよい。図16に示された例において、照明装置20は、第1回折光学素子40A及び第2回折光学素子40Bを有している。第1回折光学素子40Aで回折された回折光は第1被照明領域LZAに向けられ、第2回折光学素子40Bで回折された回折光は第1被照明領域LZAとは異なる第2被照明領域LZBに向けられている。図示された例において、第1被照明領域LZAは矢印のパターンを有し、第2被照明領域LZBは線のパターンを有している。
図16に示された例において、第1被照明領域LZA及び第2被照明領域LZBへのコヒーレント光の照射を互いから独立して制御することができるようにしてもよい。例えば、第1回折光学素子40Aでの回折光および第2回折光学素子40Bでの回折光を互いにから独立して遮断することができるシャッター装置を用いることができる。また、図16に示された例において、二つの回折光学素子40A,40Bに対して、単一のコヒーレント光源25から射出したコヒーレント光が入射するようになっている。走査装置やシャッター装置やコヒーレント光源25からのコヒーレント光の進行方向を調節する走査装置等を用いることで、第1回折光学素子40Aおよび第2回折光学素子40Bへのコヒーレント光の入射を互いから独立して制御するようにしてもよい。他の例として、第1回折光学素子40Aに入射するコヒーレント光を射出するコヒーレント光源と、第2回折光学素子40Bに入射するコヒーレント光を射出するコヒーレント光源とが、別個に設けられ、二つのコヒーレント光源からのコヒーレント光の射出を互いから独立して制御することができるようにしてもよい。
さらに、上述した例において、要素回折光学素子41の区域が、四角形状、とりわけ正方形形状または長方形形状である例を示したが、この例に限られない。例えば、要素回折光学素子41が、図17Aに示すように平行四辺形形状の区域を含むようにしてもよいし、菱形形状の区域を含むようにしてもよい。さらに、要素回折光学素子41が、図17Bに示すように三角形形状の区域を含むようにしてもよい。さらに、上述した例において、回折光学素子40が四角形形状の要素回折光学素子41を含む例を示したが、この例に限られず、回折光学素子40が、図17Bに示すように三角形形状の要素回折光学素子41を含むようにしてもよいし、六角形形状の要素回折光学素子41を含むようにしてもよい。さらに、回折光学素子40が、異なる形状を有した二種類の要素回折光学素子41を含むようにしてもよい。例えば、回折光学素子40が、五角形形状の複数の要素回折光学素子41と、六角形形状の複数の要素回折光学素子41と、を敷き詰めるようにして含むようしてもよい。

Claims (17)

  1. 被照明領域に向けて入射光を回折する複数の第1要素回折光学素子と、
    前記被照明領域に向けて入射光を回折する複数の第2要素回折光学素子と、を備える回折光学素子であって
    複数の第1要素回折光学素子は一定のパターンで規則的に配列され、
    複数の第2要素回折光学素子は一定のパターンで規則的に配列され、
    前記第2要素回折光学素子は、前記第1要素回折光学素子に含まれる二以上の区域の配置を変更してなる構造を有し、
    前記二以上の区域の各々と同一の構成を有する複数の区域を前記回折光学素子内に含み、
    同一の構成を有する前記複数の区域のうちの一部の区域は、一定の配置間隔で配置され、
    同一の構成を有する前記複数の区域のうちの他の少なくとも一部の区域は、前記一部の区域に対して前記一定の配置間隔とは異なる配置間隔で配置されている、回折光学素子。
  2. 前記第2要素回折光学素子は、前記第1要素回折光学素子を直交する二つの方向において分割することでいくつかの区域に区分けし、前記二以上の区域の配置を変更してなる構造を有する、請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 入れ替えられる前記二以上の区域は、互いに同一の外輪郭を有する、請求項1又は2に記載の回折光学素子。
  4. 入れ替えられる前記二以上の区域は、互いに同一となる正方形形状の外輪郭を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  5. 前記第1要素回折光学素子及び前記第2要素回折光学素子の少なくとも一方が、その周縁の内側に、回折構造が不連続となる境界を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  6. 前記二以上の区域の周縁に前記境界が位置する、請求項5に記載の回折光学素子。
  7. 被照明領域に向けて入射光を回折する回折構造を備え、
    前記回折構造は、その周縁の内側に、前記回折構造が不連続となる境界を含み、
    前記回折構造は、同一の構成を有した複数の区域を含み、
    前記境界は、前記複数の区域のうちの一部の区域の周縁に位置し、前記複数の区域のうちの他の少なくとも一部の区域の周縁に位置していない、回折光学素子。
  8. 前記回折構造は、前記境界によって全周縁を区画された区域を含む、請求項に記載の回折光学素子。
  9. 前記回折構造は、同一の構成を有した複数の区域を含み、
    前記境界は、前記複数の区域の周縁に位置し、
    前記複数の区域のうちの一部の区域の周縁における前記境界の配置は、前記複数の区域のうちの他の少なくとも一部の区域の周縁における前記境界の配置と異なる、請求項7又は8に記載の回折光学素子。
  10. コヒーレント光源と、
    前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系と、
    前記整形光学系で整形されたコヒーレント光を、被照明領域に向けて回折する回折光学素子と、
    前記被照明領域に重ねて配置され、前記回折光学素子で回折された前記コヒーレント光によって照明される空間光変調器と、を備え、
    前記回折光学素子は、同一の構成を有する複数の区域を含み、
    前記複数の区域のうちの一部の区域は、一定の配置間隔で配置され、
    前記複数の区域のうちの他の少なくとも一部の区域は、前記一部の区域に対して前記一定の配置間隔とは異なる配置間隔で配置されている、投射装置
  11. 前記同一の構成とは異なる同一の構成を有する複数の別の区域を含み、
    前記複数の別の区域は、一定のピッチで配列されている、請求項10に記載の投射装置
  12. 前記複数の別の区域のうちの一部の区域の周縁の一部上に、回折構造が不連続となる境界が、位置している、請求項11に記載の投射装置
  13. 前記他の少なくとも一部の区域の全周縁に、回折構造が不連続となる境界が、位置している、請求項10〜12のいずれか一項に記載の投射装置
  14. コヒーレント光源と、
    前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系と、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載された回折光学素子であって、整形光学系で整形されたコヒーレント光を回折する回折光学素子と、を備える、照明装置。
  15. コヒーレント光源と、
    前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系と、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載された回折光学素子であって、整形光学系で整形されたコヒーレント光を回折する回折光学素子と、
    前記被照明領域に重ねて配置され、前記回折光学素子で回折された前記コヒーレント光によって照明される空間光変調器と、を備える、投射装置。
  16. コヒーレント光源と、
    前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系と、
    前記整形光学系で整形されたコヒーレント光を被照明領域に向けて回折する回折光学素子と、
    前記被照明領域に重ねて配置され、前記回折光学素子で回折された前記コヒーレント光によって照明される空間光変調器と、を備え、
    前記回折光学素子は、前記被照明領域に向けて入射光を回折する複数の第1要素回折光学素子と、前記被照明領域に向けて入射光を回折する複数の第2要素回折光学素子と、を備え、
    複数の第1要素回折光学素子は一定のパターンで規則的に配列され、
    複数の第2要素回折光学素子は一定のパターンで規則的に配列され、
    前記第2要素回折光学素子は、前記第1要素回折光学素子に含まれる二以上の区域の配置を変更してなる構造を有する、投射装置。
  17. 請求項10〜13、15及び16のいずれか一項に記載の投射装置と、
    前記空間光変調器上に得られる変調画像を投射されるスクリーンと、を備える、投射型表示装置。
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