JP6923971B1 - 低濃度エタノール含有酸性起泡組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明は、泡立ち(例えば、泡の微細性、泡の均質性、泡量、及び泡持続時間から選択される少なくとも1種)が改善された低濃度エタノール含有酸性組成物を提供することを目的とする。泡立ちの確認時点は、例えば、調製直後又は調製して任意の時間経過後であってよく、好ましくは50℃で4週間以上、さらに好ましくは8週間以上保存後である。
本発明は、好ましくは、保存安定性に優れ、どのような手動式又は自動式でも起泡させる容器又は機器による泡が安定して作られ、手や指に塗り広げても泡が消毒部位の隅々まで塗り広げることができ、泡による消毒部位の視認性や消毒剤の使用感が整えられた消毒剤組成物を提供することを課題とする。
[1]以下の成分a)〜d):
a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
b)組成物全体に対して20%(v/v)以上55%(v/v)未満のエタノール、
c)第4級アンモニウム塩、
d)水
を含む酸性で起泡性の組成物。
[2]成分a)が、R−O−(CH2−CH2−O)m−H(Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数12〜22のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数12〜22のアルケニル基を示し、mは2〜50の整数を示す。)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルである、[1]に記載の組成物。
[3]成分a)が、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びポリオキシエチレンベヘニルエーテルから選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]成分c)が、ベンザルコニウム塩化物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]有機酸及び/又は無機酸を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]有機酸がクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、フィチン酸、アジピン酸、グルコン酸及びコハク酸から選択される少なくとも1種及び/又は無機酸が塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、アミド硫酸、臭化水素酸又はリン酸から選択される少なくとも1種である、[5]に記載の酸性の泡消毒剤又は除菌剤用組成物。
[7]有機酸がクエン酸である、[5]又は[6]に記載の酸性の組成物。
[8]亜鉛化合物を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]亜鉛化合物が硫酸亜鉛である、[8]に記載の組成物。
[10]0.1〜5%(w/v)のポリオキシエチレンアルキルエーテル、0.1〜5%(w/v)のベンザルコニウム塩化物、及び0.1〜5%(w/v)の有機酸を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]pHが2以上6以下である[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]pHが2以上5以下である[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]pHが2以上4以下である[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]手動により泡を形成する容器、又は自動散布式により泡を形成する機器により使用することができる、[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
本発明は、好ましくは、低濃度エタノール組成で消毒効果(例えば、細菌、ノロウイルス等を殺滅する効果)を有する消毒剤組成物を提供することができる。本発明は、より好ましくは、保存安定性に優れ、どのような手動式又は自動式でも起泡させる容器又は機器による泡が安定して作られ、手や指に塗り広げても泡が消毒部位の隅々まで塗り広げることができ、塗り広げることによって泡は消失していくもので、泡による消毒部位の視認性や消毒剤の使用感が整えられた消毒剤組成物を提供することができる。なお、本発明は、除菌剤としても使用することができる。
a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
b)組成物全体に対して20%(v/v)以上55%(v/v)未満のエタノール、
c)第4級アンモニウム塩、
d)水
を含む酸性で起泡性の組成物を提供する。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、次の式
R−O−(CH2−CH2−O)m−H
(式中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を示し、mは2以上の整数を示す。)で表される。
Rの炭素数は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されないが、例えば、12〜22であることが好ましい。Rとしては、例えば、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等が挙げられる。mは2〜50の整数であることが好ましく、4〜40の整数であることがより好ましく、6〜30の整数であることがさらに好ましい。
成分a)として、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル又はポリオキシエチレンベヘニルエーテル等が挙げられ、これらから選択される2種以上であってもよい。
a)の含有量の上限値は、例えば、2%(w/v)、1.5%(w/v)、1.4%(w/v)、1.0%(w/v)、0.9%(w/v)、0.5%(w/v)又は0.4%(w/v)であってもよい。
a)の含有量の下限値は、例えば、0.01%(w/v)、0.05%(w/v)、0.06%(w/v)、0.1%(w/v)、0.2%(w/v)又は0.3%(w/v)であってもよい。
上記上限値と上記下限値のあらゆる組み合わせが、本発明に包含される。
具体的には、成分a)の含有量は、本発明の組成物全体に対して0.01〜1%(w/v)であってもよい。
成分b)の含有量は、本発明の組成物全体に対して通常20〜55%(v/v)含有する。成分b)の含有量が、20%(v/v)を著しく下回ると、消毒効果が減弱する。成分b)の含有量が、55%(v/v)を著しく上回ると、泡立ち又は保存安定性が減弱する。
b)の含有量の上限値は、例えば、55%(v/v)、54%(v/v)、53%(v/v)、52%(v/v)、51%(v/v)、50%(v/v)、49%(v/v)、48%(v/v)、46%(v/v)、43%(v/v)、40%(v/v)、37%(v/v)、34%(v/v)、32%(v/v)、28%(v/v)、24%(v/v)であってもよい。
b)の含有量の下限値は、例えば、20%(v/v)、23%(v/v)、25%(v/v)、27%(v/v)、29%(v/v)、30%(v/v)、33%(v/v)、35%(v/v)、38%(v/v)、41%(v/v)、44%(v/v)、47%(v/v)、50%(v/v)又は53%(v/v)であってもよい。
上記上限値と上記下限値の大小関係にあるあらゆる組み合わせが、本発明に包含される。
具体的には、成分b)の含有量は、本発明の組成物全体に対して23〜53%(v/v)であってもよく、25〜52%(v/v)であってもよく、27〜51%(v/v)であってもよく、30〜50%(v/v)であってもよく、33〜49%(v/v)であってもよく、35〜48%(v/v)であってもよい。
成分b)は公知の方法で製造することができ、また市販品を入手することも可能である。
成分c)として、例えば、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムメトサルフェート、トリアルキル(3−トリアルコキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ジアルキルメチルポリオキシエチルアンモニウムプロピオネート、テトラアルキルアンモニウムカーボネート、ジメチルジオクチルアンモニウムクロライド、アルキルヒドロキシエチルアンモニウムクロライド又はテトラアルキルアンモニウムアジペート等が挙げられ、これらから選択される2種以上であってもよい。成分c)として、ベンザルコニウム塩化物が、泡立ち及び/又は消毒剤としての有効性の観点から、特に好ましい。
本発明の組成物は、成分c)を組成物全体に対して通常0.01〜0.5%(w/v)含有する。
成分c)の含有量の上限値は、例えば、0.5%(w/v)、0.4%(w/v)、0.3%(w/v)又は0.2%(w/v)であってもよい。
成分c)の含有量の下限値は、例えば、0.01%(w/v)、0.02%(w/v)、0.03%(w/v)、0.04%(w/v)又は0.05%(w/v)であってもよい。
上記上限値と上記下限値のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。
c)の含有量は、0.01〜0.44%(w/v)であってもよく、0.01〜0.4%(w/v)であってもよく、0.01〜0.34%(w/v)であってもよい。
成分c)は公知の方法で製造することができ、また市販品を入手することも可能である。
成分d)は、本発明の組成物中の成分a)〜c)の濃度調整のため、適量が含まれ得る。成分d)の含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、組成物全体に対して通常10〜60%(w/v)未満であり、10〜50%(w/v)であってもよく、10〜40%(w/v)であってもよく、20〜40%(w/v)であってもよく、25〜35%(w/v)であってもよい。
成分d)は、水道水、精製水、イオン交換水等いずれであってもよく、特に限定されない。
本発明の組成物は酸性(pH7未満)である。
本発明の組成物のpHの上限は6であってもよく、6未満であってもよく、5以下であってもよく、4以下であってもよく、3.8以下であってもよく、3.6以下であってもよく、3.4以下であってもよく、3.2以下であってもよい。
本発明の組成物のpHの下限が2以上であってもよく、2.2以上であってもよく、2.4以上であってもよく、2.6以上であってもよい。
上記の上限値と下限値のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。たとえば、pHの範囲は、消毒効果、刺激等の安全性又は組成物の保存安定性の観点からは、2以上4以下であることが好ましく、2以上3.5以下であることがより好ましく、2以上3以下であることがさらに好ましく、約3であることがさらに好ましい。ここで「約」とは、例えば±0.2の誤差を包含することをいう。
本発明の組成物には、有機酸及び/又は無機酸を配合することができる。有機酸を配合することで、pHを酸性に調整することができ、泡立ちが改善され、さらに消毒剤としての有効性が向上する。無機酸を配合することによっても、pHを酸性に調整することができ、泡立ちが改善される。
有機酸として、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、フィチン酸、アジピン酸、グルコン酸又はコハク酸等が挙げられ、クエン酸が特に好ましい。有機酸として、これらから選択される2種以上を使用してもよい。
無機酸として、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、アミド硫酸、臭化水素酸又はリン酸等が挙げられる。無機酸として、これらから選択される2種以上を使用してもよい。
有機酸及び/又は無機酸の含有量の上限値は2%(w/v)であってもよく、1.8〜2%(w/v)であってもよく、1.5〜1.7%(w/v)であってもよく、1.2〜1.4%(w/v)であってもよく、0.9〜1.1%(w/v)であってもよく、0.7〜0.8%(w/v)であってもよい。
有機酸及び/又は無機酸の含有量の下限値は、0.1%(w/v)であってもよく、0.1〜0.2%(w/v)であってもよく、0.2〜0.3%(w/v)であってもよく、0.3〜0.4%(w/v)であってもよい。上記上限値と下限値のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。
有機酸及び/又は無機酸は公知の方法で製造することができ、また市販品を入手することも可能である。
本発明の組成物において、例えば、0.1〜5%(w/v)のポリオキシエチレンアルキルエーテル、20%(v/v)以上55%(v/v)未満のエタノール、0.1〜5%(w/v)のベンザルコニウム塩化物、及び0.1〜5%(w/v)の有機酸を含み、残りが水である組成が好ましい。
本発明は、使用感やその他保湿効果を付与するなどのあらゆる製品性を向上させるために添加剤を加えることができるが、その際、必要に応じて緩衝能を有する塩類を加えて、pHを安定化させることもできる。このような緩衝剤として、例えば、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、フィチン酸塩、アジピン酸塩、グルコン酸塩及びコハク酸塩などを適宜加えて、pHのブレを緩衝できる最適濃度を加えることができる。
本発明の組成物は、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基及び/又は緩衝剤を種々選択して加えて所望のpHに設定することもできる。pH調整剤として、酸、塩基等を用いることができる。pH調整剤は、単独でもよく、又は2種以上の組み合わせでもよい。
本発明の組成物には、さらに消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤等)を配合することができる。消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤等)として、特に限定されないが、オラネキシジン、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、クロルヘキシジン塩酸塩、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物、アルキルリン酸ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸、ヨウ素剤、次亜塩素酸ナトリウム、クロル石灰、クロルヘキシジングルコン酸塩、アクリノール、アルコール類、過酸化水素水、フェノール類等を配合することができる。このような消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤等)は、天然由来であってもよい。本発明の組成物は、成分a)〜d)に加えて、このような消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤等)を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
また、本発明の組成物には、さらに亜鉛を配合することができる。
また、本発明の組成物は、ジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(LPG)、窒素ガス、炭酸ガス、代替フロンガス等の通常のエアゾール剤に噴射剤として用いられる噴射剤を含まないことが好ましい。本発明の組成物は、噴射剤を含まなくても起泡する点で優れている。
本発明の組成物は、成分a)〜d)、さらには必要に応じて他の成分を所望の割合で混合し、公知の方法で、好ましくは均一あるいは溶解するまで、攪拌することで製造され得る。例えば、成分a)からd)を所望の割合で混合し、通常の攪拌機を用いる等の公知の方法で、好ましくは均一あるいは完全に溶解するまで攪拌する。特に上記成分では、いずれも溶解性が良好である。
例えば、pH調製剤等を添加する場合であっても、上記成分を溶解した後であっても、エタノール濃度が55%(v/v)未満であれば、容易に溶解することができるので、特殊な撹拌装置なども必要なく、製造効率も良い。
本発明の組成物は、起泡性を有する。本発明の組成物は、フォーム消毒剤用組成物として好適に使用できる。
本発明は、泡生成機能を有する容器又は機器(例えば、手動により泡を形成する容器、又は自動散布式により泡を形成する機器)に収容されている本発明の組成物を包含する。泡生成機能を有する容器又は機器は、組成物収容部と噴出器(トリガー、ポンプフォーマー、ディスペンサー等)とを有していてもよい。本発明において噴出器は、泡生成孔を有することが好ましい。例えば、自動散布式により泡を形成する機器に、本発明の組成物を充填し、当該機器に手を近づけることにより、当該機器のセンサー等が反応して、本発明の組成物は泡状になって手の上に出てくる。
本発明は、本発明の組成物を含有する起泡物を包含する。
本発明の組成物は、起泡性を有するので、対象に塗布した際に塗布した場所が目視で分かる。本発明の組成物は、ジェル、クリーム類等と剤型的特性も異なるので、使用感は極めて良い。
泡の微細性
例えば、泡の大きさ(微細性:キメ細かさ)を「目視で判断」し、図1のように非常に微細であれば、泡の微細性は極めて優れていると判断することができる。図2のように微細であれば、泡の微細性は優れていると判断することができる。
例えば、泡の大きさのばらつきについて、図3又は図4のような大小様々な泡がなければ、泡の均質性は優れていると判断することができる。
例えば、組成物を、ポンプフォーマー(例えば、株式会社吉野工業所製、約1.5mL/プッシュ)を5回プッシュすることにより、メートルグラス/メスシリンダー(メモリ付プラスチック製の器具)に押し出したときの泡の体積(mL)を測定し(図5参照)、本発明の組成物以外の低濃度(20%(v/v)以上55%(v/v)未満)のエタノール含有酸性組成物と比較して、本発明の組成物の泡の体積(mL)が大きければ、泡量が改善していると判断することができる。
例えば、組成物を、ポンプフォーマー(例えば、株式会社吉野工業所製、1.5mL/プッシュ)を受け皿に1回プッシュし、泡が徐々に消えて行き、液面が見え始めるまで(例えば、図6のように液面が中心から見えはじめた頃の状態、図7のように細かい泡の周りから液面が見えはじめた頃、図8のように大きな泡の周りから液面が見え始めた頃)のような状態までの時間を計測し、本発明の組成物以外の低濃度(20%(v/v)以上55%(v/v)未満)のエタノール含有酸性組成物と比較して、本発明の組成物の泡の持続時間が長ければ、泡の持続時間が改善していると判断することができる。
泡持続時間は、例えば、1分以上であることが好ましく、1分30秒以上であることがより好ましく、3分以上であることがより好ましく、5分以上であることがより好ましく、7分以上であればより好ましく、10分以上であることがより好ましく、15分以上であることがさらに好ましい。
本発明の組成物は、消毒剤、抗菌剤、除菌剤、殺菌剤、殺ウイルス(ノンエンベロープウイルス等を含む)剤、起泡剤、医薬品、洗剤(台所用、衣料用、住居用等)等として使用され得る。本発明の組成物は、好ましくは洗剤(台所用、衣料用、住居用等)以外の用途で使用される。本発明の組成物は、泡として塗布部位の隅々まで塗り広げることができ、塗り広げることによって泡は消失していくもので、塗布部位の視認性又は使用感が整えられているという特性を有する。そのため、本発明の組成物は、より好ましくは、皮膚塗布用として、さらにより好ましくは、手指塗布用として使用される。本発明の組成物は、擦式手指消毒剤又は擦式手指除菌剤として好適に使用され得る。本発明の組成物の使用量は目的に応じて、適宜設定され、特に制限するものではないが、手指消毒の場合、ポンプ機構や吐出量にもよるが、例えば、1回当りの使用量が0.5mL〜10mL、0.5mL〜7mL、0,5〜5mL、0.5〜3mLの範囲であってもよい。
株式会社堀場製作所製(F−24)を用いて、校正標準液で校正後に製剤のpHを測定した。
界面活性剤について、広範囲(多数)の簡易な選別試験法として、15mLの試験管に界面活性剤2%(w/v)を試験液5mL(30%(v/v)エタノールと0.9%(w/v)クエン酸水和物を含む液)に溶解して、約3秒間激しく振盪した時の泡量(体積)をメモリから読み取り測定した。
簡易法で選択した界面活性剤について、界面活性剤2%(w/v)を含む試験液(30%(v/v)エタノールと0.9%(w/v)クエン酸水和物を含む)をポンプフォーマー(株式会社吉野工業所製、約1.5mL/プッシュ)を用いて、メートルグラス/メスシリンダー(メモリ付プラスチック製の器具)に5プッシュ吐出させ、泡の体積をメモリから読み取り測定した。
泡量の評価に関し、下記表中の表記と、その意味の対応関係を以下に示す。
泡量評価:体積(mL)
>60:60mL以上
<60:40mL以上〜60mL以下
<40:20mL以上〜40mL以下
<20:20mL以下
組成物を、ポンプフォーマー(株式会社吉野工業所製、1.5mL/プッシュ)を1回プッシュすることにより、受け皿(例えば、ガラス製で直径が約4〜6cmで、深さが2〜3cmの皿や、他の皿でも泡がこぼれなければ特に制限はない)に押し出したときの泡の状態を観察して評価した。泡質の評価基準を以下に示す。
泡質の評価基準
◎:非常にキメが細かく均質な泡である(図1)
〇:ややキメが細い均質な泡である(図2)
△:キメ細い泡に大小の泡が少し混じる(図3)
×:大小の不均質な泡である(図4)
ポンプフォーマー(株式会社吉野工業所製、1.5mL/プッシュ)を1回プッシュすることにより、組成物を受け皿(例えば、ガラス製で直径が約4〜6cm、深さが2〜3cmや、他の皿でも泡がこぼれなければ特に制限はない)に押し出してから、泡が消えて減少し、液面が見え始めるまで(図5参照)の時間を、組成物の泡の持続時間として、タイマーで計測した。
泡持続時間の評価に関し、下記表中の表記(表中では「泡時間」と略す)とその意味の対応関係を以下に示す。
>15:15分以上
>10:10分以上15分未満
>7:7分以上10分未満
>5:5分以上7分未満
>3:3分以上5分未満
>1:1分以上3分未満
<1:1分未満
短期間に安定性を予測するために、通常、医薬品で実施される加速試験条件40℃75%RHよりも、更に過酷な条件である50℃で1〜2ヶ月間保存して、保存安定性の確認試験(以降、50℃保存試験ともいう)を実施した。
以下の表1に示した各界面活性剤は、広範囲(多数)から選択した中で起泡性を認めたものである。各試験組成物の50℃保存試験を実施した。
具体的には、クエン酸水和物0.9%(w/v)を含むエタノール30%(v/v)溶液(pH2.7)に各界面活性剤を2%(w/v)濃度になるように溶解して各試験組成物を調製した。この組成物を50℃に保存して、上記(2)の振盪法で試験して、泡量を評価した。また、表1は品名:メーカー品名、HLB:界面活性剤の親水親油のバランス、含有界面活性剤名、メーカー名を一覧にした。なお、試薬は(クエン酸水和物:和光純薬株式会社製)、(エタノール:丸石製薬株式会社製)を用いた。
結果を表2に示す。なお、表2中のinitialは、調製直後を、1d、3d、6d、20dは、それぞれ調製後1日目、3日目、6日目、20日目を、1M、2Mは、それぞれ調製後1ヶ月目、2ヶ月目を意味する。また、表中の泡の体積量は数値単位(mL)で示す。
表2の結果から、30%(v/v)の低濃度アルコールを含有する酸性組成物のうち、数多くの界面活性剤の中でも、特に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル又はポリオキシエチレンセチルエーテルを含有する組成物が、調製直後の泡立ちと保存安定性(泡量)の点で優れていた。上記保存期間中の泡質はいずれもキメ細い泡に大小の泡が少し混じるレベルであった。
(実施例1、比較例11〜14)
泡の微細性や泡持続時間について鋭意研究した結果を表4に示す。表4中、エタノール濃度はいずれも30%(v/v)であり、ポリオキシエチレンセチルエーテル、クエン酸及びBAC(ベンザルコニウム塩化物)の欄の数値は濃度(単位%(w/v))を示し、−は、無添加を意味する。30%(v/v)の低濃度アルコールを含有する酸性組成物にポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び第4級アンモニウム塩の代表としてBAC(ベンザルコニウム塩化物)を配合することで、実施例1は泡持続時間が15分以上を優に超えて、泡質は図1のように非常に微細であった。一方、比較例11〜14は、泡持続時間や泡質に優れたものはなかった。なお、表中のポリオキシエチレンセチルエーテルは表3の識別番号C3のBC−15を用い、泡はポンプフォーマー起泡法を採用し、BACは日本薬局方ベンザルコニウム塩化物液(丸石製薬株式会社製;表中にはBACの濃度を記載した)を用いた。
実施例2〜17、比較例15〜20を表5に示す。表5中、エタノールの欄の数値は濃度(単位%(v/v))を示し、クエン酸、硫酸亜鉛、界面活性剤、濃グリセリン、トコフェロール酢酸エステル及びBACの欄の数値は濃度(単位%(w/v))を示し、−は、無添加を意味する。実施例2〜17はエタノールを30%(v/v)から50%(v/v)まで含有し、泡の微細性、泡持続時間、及び泡量はいずれも良好であった。一方、エタノール含有量が55%(v/v)以上の比較例15〜20では、泡質、泡持続時間、泡量及び保存安定性の点で劣っていた。これらより、エタノール含有量は、55%(v/v)未満であることが、泡立ち(泡持続時間、泡質及び泡量)又は保存安定性の点で、好ましいことが明らかになった。
なお、この試験では上述の試料に加え、硫酸亜鉛は和光純薬株式会社製、濃グリセリンは坂本薬品工業株式会社製、トコフェロール酢酸エステルはBASF社製を用いた。
有機酸と無機酸の種類や、pHの設定による試験を実施した結果を表6に示す。実施例18〜25は有機酸で、表中の酸類はa:クエン酸水和物、b:乳酸、c:リンゴ酸、d:コハク酸である。実施例26〜31は無機酸で、表中の酸類はe:塩酸、f:リン酸である。45%(v/v)エタノールに界面活性剤(C3)とBAC(表に示した分量の単位はいずれも%(w/v))を加えて溶解し、酸の種類を適宜加えてpHを表に示す値に調整した。試験結果より、酸やpHの違いでも、泡の持続時間は>7又は>15で、泡質(微細性、均質性)は良好であった。
Claims (10)
- 以下の成分a)〜d):
a)R−O−(CH 2 −CH 2 −O)m−H(Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数12〜22のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数12〜22のアルケニル基を示し、mは2〜50の整数を示す。)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、
b)組成物全体に対して20%(v/v)以上50%(v/v)以下のエタノール、
c)第4級アンモニウム塩、
d)水
を含み、pHが2以上4以下であり、手動により泡を形成する容器、又は自動散布式により泡を形成する機器により、当該容器又は機器から泡状になって出てくる性質を有する、起泡性の組成物。 - 成分a)が、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びポリオキシエチレンベヘニルエーテルから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の組成物。
- 成分c)が、ベンザルコニウム塩化物である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 有機酸又は無機酸を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 有機酸がクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、フィチン酸、アジピン酸、グルコン酸及びコハク酸から選択される少なくとも1種及び/又は無機酸が塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、アミド硫酸、臭化水素酸又はリン酸から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の組成物。
- 有機酸がクエン酸である、請求項4又は5に記載の酸性の組成物。
- 亜鉛化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
- 亜鉛化合物が硫酸亜鉛である、請求項7に記載の組成物。
- 0.1〜5%(w/v)のポリオキシエチレンアルキルエーテル、0.1〜5%(w/v)のベンザルコニウム塩化物、及び0.1〜5%(w/v)の有機酸を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
- 泡消毒剤又は除菌剤用である、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
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