JP6923680B2 - センサ装置 - Google Patents

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Description

本開示は、静電容量などの物理量を検出するセンサ装置に関する。
静電容量の変化を検出する静電容量センサは、スマートフォンなどの情報機器の入力インターフェースの他、機器の操作に用いるスイッチや、微小変位を検出するセンサ(気圧センサ、振動センサ)など、様々な分野で広く利用されている。一般的な静電容量センサは、静電容量の変化を生じるキャパシタを形成するための電極(導体)と、電極に駆動電圧を与えてキャパシタを充放電させ、その充放電による電荷の変化(電流)を検出するチャージアンプなどの静電容量検出回路とを有する。電極に与える駆動電圧を正弦波の交流電圧にした場合、静電容量検出回路から検出結果として出力される信号も駆動電圧と同一周波数の正弦波成分を持ち、この正弦波成分の振幅はキャパシタの静電容量に比例して変化する。従って、静電容量検出回路の出力信号に含まれる駆動電圧と同一周波数の正弦波成分に基づいて、静電容量の変化を検出することができる。
このような静電容量センサでは、駆動電圧と同じ周波数を持つ外来ノイズが静電容量検出回路の出力信号に混入すると、そのままでは静電容量に応じた正弦波成分と外来ノイズとを区別できない。そこで、下記の特許文献1に記載される静電容量センサでは、センサシステムに与える正弦波信号を出力した期間のセンサシステムの応答(検出対象の信号成分+外来ノイズ)と、当該正弦波信号の出力を停止した期間のセンサシステムの応答(外来ノイズのみ)とを用いて、外来ノイズを除去している。
国際公開第2013/030966号
静電容量検出回路を正弦波で駆動する場合、駆動に用いる正弦波とほぼ位相(周波数)が等しい正弦波を静電容量検出回路の出力信号に乗算する復調処理を行うことによって、静電容量の検出値が得られる。静電容量検出回路の出力信号に正弦波を乗算すると、その乗算結果には、正弦波と同一周波数の交流成分の振幅に比例した直流成分と、正弦波に対して整数倍の周波数を持つ高調波成分とが含まれる。乗算結果にローパスフィルタを適用し、高調波成分を除去することで、直流成分が抽出される。この直流成分は、静電容量に比例した値を持つ。
上述した復調処理では、静電容量センサの駆動に用いられる正弦波(駆動用正弦波)と、復調処理の乗算に用いられる正弦波(復調用正弦波)との相対的な位相が一致する場合に、復調処理の結果として得られる検出値(上述した直流成分)が最大となる。従って、駆動用正弦波と復調用正弦波との相対的な位相は、検出値が最大(すなわち検出感度が最大)となるように調整される。
しかしながら、駆動用正弦波と復調用正弦波との相対的な位相は、時間の経過とともに変動する場合がある。このような位相の変動は、例えば、正弦波の生成に使用されるデジタル回路のクロック信号の位相が変動すること(ジッターとも呼ばれる)により引き起こされる。駆動用正弦波と復調用正弦波との相対的な位相が変動すると、検出値が変動する。
上述した復調処理がデジタル回路(離散時間系)で行われる場合、復調用正弦波はクロック信号に同期して生成されるため、クロック信号の位相が変動しても、クロック信号を基準とした復調用正弦波の相対的な位相は概ね一定に保たれる。一方、静電容量検出回路はアナログ回路(連続時間系)であり、駆動用正弦波はアナログ信号として静電容量検出回路に入力される。そのため、クロック信号の位相が変動した場合、クロック信号を基準としたアナログ信号の相対的な位相は、アナログ回路における位相の周波数特性に応じて変動する。静電容量センサは、静電容量検出回路の他にも、静電容量検出回路の出力信号の高域成分を除去するローパスフィルタや、駆動用正弦波の生成に用いられるローパスフィルタなど含むため、これらの回路における位相の周波数特性がアナログ信号の位相に影響を与える。
上述した特許文献1に記載される静電容量センサによれば、外来ノイズを除去することはできるが、デジタル回路におけるクロック信号の位相の変動に起因した検出値の変動を抑えることはできない。
そこで本開示は、デジタル回路のクロック信号の位相が変動することに起因する検出値の変動を抑えることができるセンサ装置を提供することを目的とする。
本開示の第1の側面に係るセンサ装置は、入力される正弦波のアナログ信号に応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、アナログ信号と同じ検出周波数を持った検出信号を生成するセンサ部と、入力されるアナログ信号に応じて、検出周波数を持った参照信号を生成する参照信号生成部と、クロック信号に同期して、検出信号をデジタル信号に変換する第1アナログ−デジタル変換部と、クロック信号に同期して、参照信号をデジタル信号に変換する第2アナログ−デジタル変換部と、検出周波数を持ち、かつ、互いの位相が4分の1周期ずれた2つの正弦波の同期信号と、デジタル信号に変換された検出信号とをそれぞれ乗算し、当該乗算の結果からそれぞれ高調波成分を除去した2つの復調信号を生成する復調部と、クロック信号の位相の変動に起因した復調信号の変動が抑制されるように、デジタル信号に変換された参照信号に基づいて復調信号を補正する補正部とを有する。アナログ信号に対する検出信号の位相と、アナログ信号に対する参照信号の位相とが相関性を有している。補正部は、同期信号に対する参照信号の相対的な位相の変化に基づいて、同期信号に対する検出信号の相対的な位相の変化を算出し、2つの復調信号が表す検出信号の相対的な位相が、算出した位相の変化が相殺される位相へ近づくように、2つの復調信号の少なくとも一方を補正する。
本開示によれば、デジタル回路のクロック信号の位相が変動することに起因する検出値の変動を抑えることができるセンサ装置を提供できる。
第1の実施形態に係るセンサ装置の構成の一例を示す図である。 センサ部、参照信号生成部及び正弦波発生部の構成の一例を示す図である。 復調部の構成の一例を示す図である。 乗算部及びローパスフィルタの構成の一例を示す図である。 乗算部及びローパスフィルタの他の構成例を示す図である。 第1参照復調部及び第2参照復調部の構成の一例を示す図である。 位相変化算出部及び位相補正部の構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係るセンサ装置の構成の一例を示す図である。 復調部の構成の一例を示す図である。
<概要>
はじめに、本開示に係るセンサ装置の概要を説明する。
本開示の第1の側面に係るセンサ装置は、入力される正弦波のアナログ信号に応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、アナログ信号と同じ検出周波数を持った検出信号を生成するセンサ部と、入力されるアナログ信号に応じて、検出周波数を持った参照信号を生成する参照信号生成部と、クロック信号に同期して、検出信号をデジタル信号に変換する第1アナログ−デジタル変換部と、クロック信号に同期して、参照信号をデジタル信号に変換する第2アナログ−デジタル変換部と、検出周波数を持ち、かつ、互いの位相が4分の1周期ずれた2つの正弦波の同期信号と、デジタル信号に変換された検出信号とをそれぞれ乗算し、当該乗算の結果からそれぞれ高調波成分を除去した2つの復調信号を生成する復調部と、クロック信号の位相の変動に起因した復調信号の変動が抑制されるように、デジタル信号に変換された参照信号に基づいて復調信号を補正する補正部とを有する。アナログ信号に対する検出信号の位相と、アナログ信号に対する参照信号の位相とが相関性を有している。補正部は、同期信号に対する参照信号の相対的な位相の変化に基づいて、同期信号に対する検出信号の相対的な位相の変化を算出し、2つの復調信号が表す検出信号の相対的な位相が、算出した位相の変化が相殺される位相へ近づくように、2つの復調信号の少なくとも一方を補正する。
上記第1の側面に係るセンサ装置では、センサ部において、入力される正弦波のアナログ信号に応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、アナログ信号と同じ検出周波数を持った検出信号が生成される。また、参照信号生成部では、入力されるアナログ信号に応じて、検出周波数を持った参照信号が生成される。アナログ信号に対する検出信号の位相と、アナログ信号に対する参照信号の位相とは、相関性を有している。検出信号及び参照信号は、それぞれクロック信号に同期したデジタル信号に変換される。
クロック信号に同期したデジタル信号である検出信号は、検出周波数を持ち、かつ、互いの位相が4分の1周期ずれた2つの正弦波の同期信号とそれぞれ乗算され、その乗算結果からそれぞれ高調波成分を除去した2つの復調信号が生成される。2つの正弦波の同期信号は直交関係にあるため、2つの復調信号は、同期信号に対する検出信号の相対的な位相を表す。
クロック信号の位相が変動すると、センサ部において生成される検出信号の位相がクロック信号に対して相対的に変動し、デジタル信号に変換された検出信号の位相もクロック信号に対して相対的に変動する。一方、クロック信号に同期した2つの同期信号は、クロック信号に対して位相が相対的に変動しない。従って、クロック信号の位相が変動すると、検出信号と2つの同期信号との相対的な位相が変動し、検出信号と2つの同期信号との乗算結果からそれぞれ高調波成分を除去した信号である2つの復調信号も変動する。
そこで、上記センサ装置では、クロック信号に同期するデジタル信号に変換された参照信号に基づいて、復調信号が補正される。すなわち、アナログ信号に対する検出信号の位相と、アナログ信号に対する参照信号の位相とが相関性を有していることから、同期信号に対する参照信号の相対的な位相の変化に基づいて、同期信号に対する検出信号の相対的な位相の変化が算出される。また、2つの復調信号が表す同期信号に対する検出信号の相対的な位相が、この算出された位相の変化が相殺される位相へ近づくように、2つの復調信号の少なくとも一方が補正される。これにより、クロック信号の位相の変動に伴って同期信号と検出信号との相対的な位相が変動しても、この位相の変動が相殺されるように復調信号が補正されるため、クロック信号の位相の変動に起因した復調信号の変動が抑制される。
好適に、2つの同期信号は、第1同期信号及び第2同期信号を含み、2つの復調信号は、第1復調信号及び第2復調信号を含んでよい。復調部は、第1同期信号と検出信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した第1復調信号を生成する第1復調部と、第2同期信号と検出信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した第2復調信号を生成する第2復調部とを含んでよい。補正部は、第1同期信号と参照信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した第1参照復調信号を生成する第1参照復調部と、第2同期信号と参照信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した第2参照復調信号を生成する第2参照復調部と、第1復調信号を実部とし、第2復調信号を虚部とする検出用複素数の位相の変化を、第1参照復調信号を実部とし、第2参照復調信号を虚部とする参照用複素数の位相の変化に基づいて算出する位相変化算出部と、位相変化算出部において算出された位相の変化が相殺されるように検出用複素数の位相を補正して得られる複素数の実部及び虚部の少なくとも一方に応じた信号を、補正された復調信号として算出する位相補正部とを含んでよい。
この構成によれば、第1復調信号を実部とし、第2復調信号を虚部とする検出用複素数の位相は、同期信号に対する検出信号の相対的な位相を表す。第1参照復調信号を実部とし、第2参照復調信号を虚部とする参照用複素数の位相は、同期信号に対する参照信号の相対的な位相を表す。アナログ信号に対する検出信号の位相と、アナログ信号に対する参照信号の位相とが相関性を有していることから、参照用複素数の位相の変化に基づいて、検出用複素数の位相の変化が算出される。この算出された位相の変化が相殺されるように検出用複素数の位相を補正して得られる複素数の実部及び虚部の少なくとも一方に応じた信号が、補正された復調信号として算出される。
好適に、位相変化算出部は、参照用複素数の初期値の位相に対する参照用複素数の位相の変化に応じた位相を持つ補正用複素数を算出してよい。位相補正部は、検出用複素数と補正用複素数との積における実部及び虚部の少なくとも一方に応じた信号を、補正された復調信号として算出してよい。
この構成によれば、補正用複素数は、参照用複素数の初期値の位相に対する参照用複素数の位相の変化に応じた位相を持つ。この補正用複素数と検出用複素数との積における実部及び虚部の少なくとも一方に応じた信号が、補正された復調信号として算出される。
好適に、位相変化算出部は、初期値と位相が等しく絶対値が1の第1複素数を算出し、新たな参照用複素数が生成される度に、当該生成された参照用複素数と位相が等しく絶対値が1の第2複素数を算出し、新たな第2複素数を算出する度に、第2複素数により第1複素数を除して得られる複素数を補正用複素数として算出してよい。
この構成によれば、第1複素数は、初期値と位相が等しく絶対値が1であり、初期値に基づいて算出される。第2複素数は、参照用複素数と位相が等しく絶対値が1であり、新たな参照用複素数が生成される度に算出される。補正用複素数は、第2複素数によって第1複素数を除して得られる複素数であり、新たな第2複素数が算出される度に算出される。
本開示の第2の側面に係るセンサ装置は、クロック信号に同期した正弦波のアナログ信号を生成する正弦波生成部と、正弦波生成部において生成されたアナログ信号に応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、アナログ信号と同じ検出周波数を持った検出信号を生成するセンサ部と、当該アナログ信号に応じて、検出周波数を持った参照信号を生成する参照信号生成部と、クロック信号に対する位相が補正された補正クロック信号に同期して検出信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と、検出周波数を持ち、補正クロック信号に同期した正弦波の同期信号と、デジタル信号に変換された検出信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した復調信号を生成する復調部と、クロック信号の位相の変動に起因した復調信号の変動が抑制されるように、クロック信号に対する補正クロック信号の位相を補正する補正部とを有する。アナログ信号に対する検出信号の位相と、アナログ信号に対する参照信号の位相とが相関性を有しており、補正部は、補正クロック信号を基準とした参照信号の相対的な位相の変化を検出し、当該検出結果に応じて、参照信号の相対的な位相が一定に保たれるように、クロック信号に対する補正クロック信号の位相を補正する。
上記第2の側面に係るセンサ装置では、正弦波生成部において、クロック信号に同期した正弦波のアナログ信号が生成される。センサ部では、正弦波生成部において生成されたアナログ信号に応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、アナログ信号と同じ検出周波数を持った検出信号が生成される。また、参照信号生成部では、このアナログ信号に応じて、検出周波数を持った参照信号が生成される。アナログ信号に対する検出信号の位相と、アナログ信号に対する参照信号の位相とは相関性を有している。検出信号は、クロック信号に対する位相が補正された補正クロック信号に同期したデジタル信号に変換される。補正クロック信号に同期したデジタル信号である検出信号は、検出周波数を持ち、補正クロック信号に同期した正弦波の同期信号と乗算され、その乗算結果から高調波成分を除去した復調信号が生成される。
クロック信号の位相が変動すると、クロック信号に同期したアナログ信号の位相が変動し、センサ部において生成される検出信号の位相や、参照信号生成部において生成される参照信号の位相も変動する。検出信号や参照信号の位相の変動は、クロック信号に同期したアナログ信号の位相の変動により生じるが、センサ部や参照信号生成部には位相の周波数特性を持つアナログ回路が含まれていることから、アナログ回路を介して出力される検出信号や参照信号の位相の変動と、クロック信号の位相の変動との間にはずれが生じる。すなわち、クロック信号の位相が変動すると、検出信号や参照信号の位相がクロック信号に対して相対的に変動する。仮に、クロック信号に対する補正クロック信号の位相が固定されているものとすると、クロック信号の位相が変動した場合に、補正クロック信号に同期した正弦波の同期信号の位相はクロック信号に対して相対的に変動しない一方、デジタル信号に変換された検出信号の位相はクロック信号に対して相対的に変動する。従って、クロック信号の位相が変動すると、検出信号と同期信号との相対的な位相が変動し、検出信号と同期信号との乗算結果から高調波成分を除去した信号である復調信号が変動する。
そこで、上記センサ装置では、クロック信号に対する補正クロック信号の位相が補正される。すなわち、補正クロック信号を基準とした参照信号の相対的な位相の変化が検出され、この検出結果に応じて、補正クロック信号を基準とした参照信号の相対的な位相が一定に保たれるように、クロック信号に対する補正クロック信号の位相が補正される。アナログ信号に対する検出信号の位相と、アナログ信号に対する参照信号の位相とが相関性を有しているため、補正クロック信号を基準とした参照信号の相対的な位相が一定に保たれると、補正クロック信号を基準とした検出信号の相対的な位相も概ね一定に保たれる。これにより、補正クロック信号に同期した同期信号と検出信号との相対的な位相は、クロック信号の位相が変動しても概ね一定に保たれる。同期信号と検出信号との相対的な位相の変動が抑制されることにより、検出信号と同期信号との乗算結果から得られる復調信号の変動も抑制される。
好適に、補正部は、入力される制御信号に応じてクロック信号に対する補正クロック信号の遅延を制御する遅延制御部と、補正クロック信号又は補正クロック信号を分周した信号と参照信号との位相を比較する位相比較部と、位相比較部の比較結果に応じた制御信号を遅延制御部に帰還する帰還部とを含んでよい。
好適に、センサ部は、物体の近接に伴って静電容量が変化する検出用キャパシタを形成する電極と、アナログ信号に応じた正弦波電圧を電極に印加し、正弦波電圧に応じて検出用キャパシタに流れる正弦波の電流に応じた成分を含む検出信号を生成する静電容量検出回路とを含んでよい。
好適に、参照信号生成部は、検出用キャパシタの代わりに所定の静電容量を持つ内蔵キャパシタが設けられたセンサ部と同等の構成を有しており、静電容量検出回路において検出信号の代わりに参照信号を生成してよい。
この構成によれば、物体の近接の有無に関わらず、参照信号生成部において所定の静電容量が検出された場合の検出信号と概ね等しい参照信号が安定的に生成されるため、補正部における参照信号に基づいた補正動作が安定的に行われ易くなる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係るセンサ装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係るセンサ装置の構成の一例を示す図である。図1に示すセンサ装置は、クロック生成器5と、正弦波生成部10と、n個のセンサ部20−1〜20−nと、参照信号生成部30と、n個の第1アナログ−デジタル変換部41−1〜41−nと、第2アナログ−デジタル変換部42と、n個の復調部50−1〜50−nと、補正部60と、処理部80とを有する。
なお、以下の説明では、説明を簡易にするため、「アナログ−デジタル変換」を「AD変換」と略記する場合がある。また、センサ部20−1〜20−nの各々を区別せずに「センサ部20」と記し、第1AD変換部41−1〜41−nの各々を区別せずに「第1AD変換部41」と記し、復調部50−1〜50−nの各々を区別せずに「復調部50」と記す場合がある。
クロック生成器5は、センサ装置のデジタル回路6に供給するクロック信号CKを生成する。デジタル回路6は、図1に示すように、正弦波生成部10の一部と、第1AD変換部41−1〜41−nと、第2AD変換部42と、復調部50−1〜50−nと、補正部60と、処理部80とを含む。
正弦波生成部10は、クロック信号CKに同期した正弦波のアナログ信号Wを生成する回路である。正弦波生成部10は、例えば図2に示すように、正弦波信号生成部101と、デジタル−アナログ変換器(DA変換器)102と、ローパスフィルタ103と、アンプ104を含む。正弦波信号生成部101は、クロック信号CKに同期した所定の周期で正弦波のデジタル信号(正弦波の数値データ)を生成し、DA変換器102に入力する。DA変換器102は、所定の周期で入力される正弦波の信号値に応じたアナログ信号を出力する。ローパスフィルタ103は、DA変換器102から出力されるアナログ信号に含まれる不要な高域成分を除去し、所定の周波数の正弦波を出力する。アンプ104はバッファアンプであり、ローパスフィルタ103から出力される正弦波をアナログ信号Wとしてセンサ部20や参照信号生成部30に入力する。
センサ部20−i(iは、1からnまでの任意の整数を示す。)は、入力される正弦波のアナログ信号Wに応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、アナログ信号Wと同じ周波数(以下、「検出周波数」と記す。)を持った検出信号Si(以下、区別せずに「検出信号S」と記す場合がある。)を生成する。本実施形態において、センサ部20が検出する物理量は任意であるが、ここでは一例として、静電容量を検出するものとする。図2の上段は、静電容量を検出するセンサ部20の構成の一例を示す。
図2に示すセンサ部20は、静電容量検出回路201と、電極202を含む。電極202は、指などの物体1の近接に伴って静電容量が変化する検出用キャパシタCsを形成する。図2の例では、交流的に接地とみなせる物体1と電極202との間に検出用キャパシタCsが形成される。
静電容量検出回路201は、アナログ信号Wに応じた正弦波電圧が電極202に印加されるように静電容量検出回路201を駆動し、この正弦波電圧に応じて検出用キャパシタCsに流れる正弦波の電流に応じた成分を含む検出信号Sを生成する。図2の例において、静電容量検出回路201は、演算増幅器OP1と、キャパシタCf1と、抵抗Rf1と、ローパスフィルタ211とを含む。演算増幅器OP1の反転入力は電極202に接続され、演算増幅器OP1の反転入力と出力との間にキャパシタCf1及び抵抗Rf1が並列接続され、演算増幅器OP1の非反転入力にアナログ信号Wが入力される。検出用キャパシタCsには、アナログ信号Wとほぼ同じ正弦波の電圧が発生し、検出用キャパシタCsに流れる電流とほぼ同じ電流がキャパシタCf1及び抵抗Rf1の並列回路に流れる。演算増幅器OP1の出力電圧Vo1は、検出用キャパシタCsに流れる電流によってキャパシタCf1及び抵抗Rf1の並列回路に生じる電圧とアナログ信号Wの電圧との和にほぼ等しくなる。
ローパスフィルタ211は、入力側に差動アンプを備えており、演算増幅器OP1の出力電圧Vo1とアナログ信号Wとの差を差動アンプで増幅するとともに、後段のAD変換におけるエイリアシングが防止されるように高域の周波数成分を減衰させる。ローパスフィルタ211から出力される検出信号Sは、検出用キャパシタCsの静電容量に応じた振幅を持ち、アナログ信号Wと同じ検出周波数を持ったほぼ正弦波の信号である。
参照信号生成部30は、入力されるアナログ信号Wに応じて、アナログ信号Wと同じ検出周波数を持った参照信号Rを生成する。アナログ信号Wに対する検出信号Sの位相と、アナログ信号Wに対する参照信号Rの位相との間には相関性があり、例えば、アナログ信号Wの位相の変化に対する検出信号Sと参照信号Rの位相の変化はほぼ同じである。
参照信号生成部30は、例えば図2の中段において示すように、静電容量検出回路301と内蔵キャパシタCrを含む。静電容量検出回路301の回路構成は、センサ部20の静電容量検出回路201とほぼ同じである。静電容量検出回路301に含まれる演算増幅器OP2、キャパシタCf2、抵抗Rf2及びローパスフィルタ311は、静電容量検出回路201に含まれる演算増幅器OP1、キャパシタCf1、抵抗Rf1及びローパスフィルタ211にそれぞれ対応する。内蔵キャパシタCrは、電極202と物体1との間に形成される検出用キャパシタCsの代わりに設けられたものであり、所定の静電容量を持つ。内蔵キャパシタCrは、演算増幅器OP2の反転入力端子とグランドとの間に接続される。静電容量検出回路301は、内蔵キャパシタCrの一定の静電容量を検出し、この静電容量に応じたほぼ一定の振幅を持つ参照信号Rを生成する。
クロック生成器5のクロック信号CKに変動(ジッター)を生じる場合、図2に示す正弦波生成部10の正弦波信号生成部101においてクロック信号CKに同期する正弦波の生成のタイミングが変動するため、アナログ信号Wの位相もこれに応じて変動する。アナログ信号Wの位相が変動すると、これに応じてセンサ部20の検出信号Sの位相や参照信号生成部30の参照信号Rの位相も変動する。図2に示すようセンサ部20と参照信号生成部30がほぼ同じ構成を有する場合、クロック信号CKの位相の変動に伴う検出信号Sの位相の変動と参照信号Rの位相の変動とは概ね等しくなる。
第1AD変換部41−iは、クロック信号CKに同期して、センサ部20−iから入力した検出信号Siをデジタル信号に変換し、検出信号SDi(以下、区別せずに「検出信号SD」と記す場合がある。)として出力する。また、第2AD変換部42は、クロック信号CKに同期して、参照信号生成部30の参照信号Rをデジタル信号に変換し、参照信号RDとして出力する。第1AD変換部41と第2AD変換部42は、例えば同じ方式のAD変換回路(デルタシグマ型AD変換回路など)を含む。
復調部50−iは、アナログ信号Wと同じ検出周波数を持ち、かつ、互いの位相が4分の1周期ずれた2つの正弦波の同期信号(第1同期信号U1及び第2同期信号U2)と、デジタル信号に変換された検出信号SDiとをそれぞれ乗算し、この乗算の結果からそれぞれ高調波成分(検出周波数に対して整数倍の周波数の成分)を除去した2つの復調信号(第1復調信号Ai、第2復調信号Bi)を生成する。以下の説明では、第1復調信号Aiを区別せずに「第1復調信号A」と記し、第2復調信号Biを区別せずに「第2復調信号B」と記す場合がある。
復調部50は、例えば図1に示すように、第1復調部501及び第2復調部502を含む。第1復調部501は、第1同期信号生成部71(図3)において生成される正弦波の第1同期信号U1と検出信号SDとを乗算し、この乗算の結果から高調波成分を除去した第1復調信号Aを生成する。図3の例において、第1復調部501は、検出信号SDと第1同期信号U1を乗算する乗算部511と、乗算部511の乗算結果の高調波成分を除去するローパスフィルタ512とを含む。
第2復調部502は、第2同期信号生成部72(図3)において生成される正弦波の第2同期信号U2と検出信号SDとを乗算し、この乗算の結果から高調波成分を除去した第2復調信号Bを生成する。図3の例において、第2復調部502は、検出信号SDと第2同期信号U2を乗算する乗算部521と、乗算部521の乗算結果の高調波成分を除去するローパスフィルタ522とを含む。
デジタル回路6は、図3にされている、第1同期信号U1を生成する第1同期信号生成部71と、第2同期信号U2を生成する第2同期信号生成部72とを含む。第1同期信号U1及び第2同期信号U2は、正弦波のデジタル信号(正弦波の数値データ)である。第1同期信号生成部71及び第2同期信号生成部72は、クロック信号CKに同期した所定の周期で、互いに位相が4分の1周期ずれた第1同期信号U1及び第2同期信号U2を生成する。
ここでは一例として、第1同期信号U1の位相と参照信号Rの位相とが、微小な位相の誤差や変動を無視した場合に概ね近似しているものとする。また、第1同期信号U1をSIN波とし、第2同期信号U2を第1同期信号U1に対して位相が4分の1周期だけ進んだCOS波とする。ただし、参照信号Rに対する第1同期信号U1及び第2同期信号U2の位相の関係や、第1同期信号U1と第2同期信号U2との位相の関係はこの例に限定されるものではない。
2つの正弦波の同期信号(U1、U2)は位相が4分の1周期ずれた直交関係にあるため(SIN波、COS波)、検出信号SDと2つの同期信号(U1、U2)とをそれぞれ乗算して高調波成分を除去した2つの復調信号(A、B)は、同期信号(U1、U2)に対する検出信号SDの相対的な位相を表す。例えば、SIN波である第1同期信号U1を検出信号SDに乗じて高調波成分を除去した第1復調信号Aを実部とし、COS波である第2同期信号U2を検出信号SDに乗じて高調波成分を除去した第2復調信号Bを虚部とする複素数(以下、「検出用複素数Qs」と記す。)の位相は、同期信号(U1、U2)に対する検出信号SDの相対的な位相を表す。
図4は、乗算部511及びローパスフィルタ512の構成の一例を示す図である。図4の例において、ローパスフィルタ512は5タップのFIR型フィルタであり、縦続接続された4つの遅延段(レジスタ)551〜554と、5つの乗算部525〜529と、加算部540とを含む。4つの遅延段551〜554における初段(遅延段551)には、乗算部511から出力される検出信号SDと第1同期信号U1との積(SD×U1)が入力される。この積は、クロック信号CKに同期したタイミングで順次に後段へシフトされる。初段(遅延段551)に入力される積は、乗算部525において係数h0を乗算される。4つの遅延段に保持される4つの積は、乗算部526〜529においてそれぞれ係数h1〜h4を乗算される。5つの係数h0〜h4は、ローパスフィルタ特性を規定する所定の伝達関数(例えばSinc関数)のインパルス応答に相当する値を持つ。加算部540は、5つの乗算部525〜529の積を加算し、第1復調信号Aとして出力する。
なお、検出信号SDと第1同期信号U1との乗算は、図4に示すようにローパスフィルタ512の前段で行われてもよいし、例えば図5に示すように、ローパスフィルタ512での係数h0〜h4の乗算と一緒に行ってもよい。図5の例において、ローパスフィルタ512の遅延段551〜554における初段(遅延段551)には、検出信号SDがそのまま入力される。その代わりに、5つの係数h0〜h4には、乗算部511Aの5つの乗算部530〜534によって、それぞれ第1同期信号U1が乗算される。そして、ローパスフィルタ512の乗算部525〜529には、係数h0〜h4の代わりに、係数h0〜h4と第1同期信号U1との積がそれぞれ入力され、検出信号SDに乗ぜられる。
補正部60は、クロック信号CKの位相の変動に起因した復調信号(A、B)の変動が抑制されるように、デジタル信号に変換された参照信号RDに基づいて、復調信号(A、B)を補正する。
まず補正部60は、同期信号(U1、U2)に対する参照信号RDの相対的な位相の変化に基づいて、同期信号(U1、U2)に対する検出信号SDの相対的な位相の変化を算出する。例えば、補正部60は、参照信号RDと2つの同期信号(U1、U2)とをそれぞれ乗算して高調波成分を除去した2つの参照復調信号(C,D)を生成し、この2つの参照復調信号(C,D)が表す位相の変化を、検出信号SDの相対的な位相の変化とみなす。具体的には、補正部60は、SIN波である第1同期信号U1を参照信号RDに乗じて高調波成分を除去した第1参照復調信号Cを実部とし、COS波である第2同期信号U2を参照信号RDに乗じて高調波成分を除去した第2参照復調信号Dを虚部とする複素数(以下、「参照用複素数Qr」と記す。)の位相の変化を算出する。
補正部60は、2つの復調信号(A、B)が表す検出信号SDの相対的な位相(検出用複素数Qsの位相)が、上述のようにして算出した位相の変化が相殺される位相へ近づくように、2つの復調信号(A、B)の少なくとも一方を補正する。例えば補正部60は、2つの復調信号(A、B)のうち、検出信号SD及び参照信号RDに位相が近似している第1復調信号Aのみを補正する。これにより、クロック信号CKの位相の変動に伴って同期信号(U1、U2)と検出信号SDとの相対的な位相が変動しても、この位相の変動が相殺されるように復調信号(A、B)が補正されるため、クロック信号SKの位相の変動に起因した復調信号(A、B)の変動が抑制される。
補正部60は、例えば図1に示すように、第1参照復調部601と、第2参照復調部602と、位相変化算出部603と、位相補正部604とを含む。
第1参照復調部601は、第1同期信号U1と参照信号RDとを乗算し、この乗算の結果から高調波成分を除去した第1参照復調信号Cを生成する。図6の例において、第1参照復調部601は、参照信号RDと第1同期信号U1を乗算する乗算部611と、乗算部611の乗算結果の高調波成分を除去するローパスフィルタ612とを含む。
第2参照復調部602は、第2同期信号U2と参照信号RDとを乗算し、この乗算の結果から高調波成分を除去した第2参照復調信号Dを生成する。図6の例において、第2参照復調部602は、参照信号RDと第2同期信号U2を乗算する乗算部621と、乗算部621の乗算結果の高調波成分を除去するローパスフィルタ622とを含む。
位相変化算出部603は、第1復調信号Aを実部とし、第2復調信号Bを虚部とする検出用複素数Qs(=A+jB)の位相の変化を、第1参照復調信号Cを実部とし、第2参照復調信号Dを虚部とする参照用複素数Qr(=C+jD)の位相の変化に基づいて算出する。例えば、位相変化算出部603は、参照用複素数Qr(=C+jD)の位相の変化を算出し、これを検出用複素数Qs(=A+jB)の位相の変化とみなす。なお、jは虚数単位を表す。
位相変化算出部603は、例えば検出動作の開始時などにおいて、参照用複素数Qrの初期値Qr0を取得し、初期値Qr0の位相に対する参照用複素数Qrの位相の変化に応じた位相を持つ補正用複素数Qcを算出する。具体的には、位相変化算出部603は、初期値Qr0と位相が等しく絶対値が1の第1複素数Q1を算出し、新たな参照用複素数Qrが生成される度に、この生成された参照用複素数Qrと位相が等しく絶対値が1の第2複素数Q2を算出する。そして位相変化算出部603は、新たな第2複素数Q2を算出する度に、第2複素数Q2により第1複素数Q1を除して得られる複素数を補正用複素数Qc(=Q1/Q2)として算出する。
初期値Qr0の位相を「α」、参照用複素数Qrの位相を「β」とした場合、第1複素数Q1と第2複素数Q2はそれぞれ次の式で表される。
Q1=COS(α)+j・SIN(α) ・・・(1)
Q2=COS(β)+j・SIN(β) ・・・(2)
初期値Qr0の実部を「CA」、虚部を「DA」とすると(Qr0=CA+j・DA)、式(1)の実部「COS(α)」及び虚部「SIN(α)」はそれぞれ次の式で表される。
COS(α)=CA/{√(CA+DA)} ・・・(3)
SIN(α)=DA/{√(CA+DA)} ・・・(4)
式(2)の実部「COS(β)」及び虚部「SIN(β)」はそれぞれ次の式で表される。
COS(β)=C/{√(C+D)} ・・・(5)
SIN(β)=D/{√(C+D)} ・・・(6)
補正用複素数Qc(=Q1/Q2)の実部を「第1補正用信号E」とし、虚部を「第2補正用信号F」とすると(Qc=E−j・F)、第1補正用信号E及び第2補正用信号Fはそれぞれ次の式で表される。
E=COS(α−β)
=SIN(α)SIN(β)+COS(α)COS(β) ・・・(7)
F=−SIN(α−β)
=−SIN(α)COS(β)+COS(α)SIN(β) ・・・(8)
位相補正部604は、位相変化算出部603において算出された検出用複素数Qsの位相の変化(β−α)が相殺されるように検出用複素数Qsの位相を補正して得られる複素数の実部及び虚部の少なくとも一方に応じた信号を、補正された復調信号Mcとして算出する。具体的には、位相補正部604は、検出用複素数Qsと補正用複素数Qcとの積(=Qs・Qc)における実部及び虚部の少なくとも一方に応じた信号を、補正された復調信号Mcとして算出する。
検出用複素数Qsと補正用複素数Qcとの積(=Qs・Qc)は、検出用複素数Qsの位相βに補正用複素数Qcの位相(α−β)を加算した複素数である。この位相の加算を行うことによって、初期値の位相αから検出用複素数Qsの位相βが変化した分(β−α)を、現在の検出用複素数Qsの位相βから相殺することができる。ここでは、検出用複素数Qsと補正用複素数Qcとの積(=Qs・Qc)の実部のみを算出し、検出用複素数Qsの第1復調信号Aの補正された復調信号Mcとすると、復調信号Mcは次の式で表される。
Mc=F・B+E・A
=−SIN(α−β)・B+COS(α−β)・A ・・・(9)
図7は、位相変化算出部603及び位相補正部604の構成の一例を示す図である。図7の例において、位相変化算出部603は、乗算部661〜666と、加算部671及び672と、減算部674と、平方根演算部625と、割り算部626及び627と、レジスタ631〜638とを含む。また図7の例において、位相補正部604は、乗算部667及び668と、加算部673と、マルチプレクサ641及び642とを含む。
第1参照復調信号Cは、乗算部661において2乗されるとともに、レジスタ631に保持される。第2参照復調信号Dは、乗算部662において2乗されるとともに、レジスタ632に保持される。乗算部661で2乗された第1参照復調信号Cと乗算部662で2乗された第2参照復調信号Dとが、加算部671で加算され、その加算結果が平方根演算部625に入力されて、平方根が演算される。平方根の演算結果は、レジスタ633及び634にそれぞれ保持される。割り算部626では、レジスタ633に保持された平方根によって第1参照復調信号Cが割り算され、その割り算の結果であるCOS(α)又はCOS(β)がレジスタ635に保持される。また割り算部627では、レジスタ634に保持された平方根によって第2参照復調信号Dが割り算され、その割り算の結果であるSIN(α)又はSIN(β)がレジスタ636に保持される。
初期値Qr0を取得するタイミングにおいて制御信号DSTがアクティブ状態になると、レジスタ635に保持された初期値Qr0の実部であるCOS(α)がレジスタ637に取り込まれ、次に制御信号がアクティブ状態になるまでCOS(α)がレジスタ637に保持される。初期値Qr0を取得するタイミングにおいて制御信号DSTがアクティブ状態になると、レジスタ636に保持された初期値Qr0の虚部であるSIN(α)がレジスタ638に取り込まれ、次に制御信号がアクティブ状態になるまでSIN(α)がレジスタ638に保持される。
レジスタ635に保持されたCOS(β)とレジスタ637に保持されたCOS(α)との積が乗算部664で算出され、レジスタ636に保持されたSIN(β)とレジスタ638に保持されたSIN(α)との積が乗算部665で算出され、これらの積の和が加算部672で算出され、この加算結果が第1補正用信号E(式(7))として位相補正部604に出力される。また、レジスタ635に保持されたCOS(β)とレジスタ638に保持されたSIN(α)との積が乗算部666で算出され、レジスタ636に保持されたSIN(β)とレジスタ637に保持されたCOS(α)との積が乗算部663で算出され、乗算部663の積から乗算部666の積を減算部674において減算した結果が、第2補正用信号F(式(8))として位相補正部604に出力される。
位相補正部604では、マルチプレクサ641において、n個の第1復調信号A1〜Anから順番に1つの第1復調信号Aiが選択されて乗算部667に入力されるとともに、n個の第2復調信号B1〜Bnから順番に1つの第2復調信号Biが選択されて乗算部668に入力される。選択された1つの第1復調信号Aiと第1補正用信号Eとの積が乗算部667で算出されるとともに、選択された1つの第2復調信号Biと第2補正用信号Fとの積が乗算部668で算出され、これらの積が加算部673において加算される。加算部673において加算された積の和は、補正された復調信号Mc(式(9))として、順番に処理部80へ出力される。
処理部80は、センサ装置の全体的な動作を制御する回路であり、例えばプログラムの命令コードに従って処理を行うCPUや、特定の機能を実現するように構成された専用のロジック回路を含んで構成される。処理部80の処理は、全てCPUにおいてプログラムに基づいて実現してもよいし、その一部若しくは全部をロジック回路で実現してもよい。
処理部80は、n個の復調部50において復調され、位相補正部604においてそれぞれ補正されたn個の補正された復調信号Mcを位相補正部604から順番に入力し、n個のセンサ部20の検出結果として処理する。例えば処理部80は、n個のセンサ部20の検出結果に基づいて、物体1(ユーザの指など)が接触した位置の算出や、接触した物体1の個数、物体1の接触状態の判定などを行う。処理部80は、例えば図示しない上位のホストコントローラなどと通信を行い、センサ部20の検出結果に関する情報を通知する処理などを行う。
上述したセンサ装置では、クロック信号CKの位相の変動(ジッター)が生じた場合に、センサ部20で生成される検出信号Sの位相がクロック信号CKに対して相対的に変動し、デジタル信号に変換された検出信号SDの位相もクロック信号CKに対して相対的に変動する。一方、クロック信号CKに同期した第1同期信号U1及び第2同期信号U2の位相は、基本的に、クロック信号CKに対して位相が相対的に変動しない。従って、クロック信号CKの位相が変動すると、検出信号Sと第1同期信号U1及び第2同期信号U2との相対的な位相が変動し、検出信号Sと第1同期信号U1及び第2同期信号U2との乗算結果からそれぞれ高調波成分を除去した信号である第1復調信号A及び第2復調信号Bも変動してしまう。
そこで、上述したセンサ装置では、クロック信号CKに同期するデジタル信号に変換された参照信号RDに基づいて、復調信号(A,B)の補正が行われる。まず、アナログ信号Wに対する検出信号Sの位相と、アナログ信号Wに対する参照信号Rの位相とが相関性を有していることから、第1同期信号U1及び第2同期信号U2に対する参照信号RDの相対的な位相の変化が算出される。そして、この算出された位相の変化から、第1同期信号U1及び第2同期信号U2に対する検出信号SDの相対的な位相の変化が推定される(例えば、算出された参照信号RDの位相の変化が検出信号SDの位相の変化に等しいと推定される)。
ここで、クロック信号CKに同期したデジタル信号である検出信号SDは、アナログ信号Wと同じ検出周波数を持ち、かつ、互いの位相が4分の1周期ずれた正弦波の第1同期信号U1及び第2同期信号U2とそれぞれ乗算され、その乗算結果からそれぞれ高調波成分を除去した2つの復調信号が生成される。第1同期信号U1及び第2同期信号U2は直交関係にあるため、第1復調信号A及び第2復調信号Bは、第1同期信号U1及び第2同期信号U2に対する検出信号SDの相対的な位相を表すようになっている。具体的には、第1復調信号A及び第2復調信号Bを実部及び虚部とする検出用複素数Qsの位相が、検出信号SDの位相を表す。
そして、第1復調信号A及び第2復調信号Bが表す第1同期信号U1及び第2同期信号U2に対する検出信号SDの相対的な位相が、この算出された位相の変化の分だけ相殺された位相へ近づくように、復調信号(A,B)の補正が行われる。これにより、クロック信号CKの位相の変動に伴って第1同期信号U1及び第2同期信号U2と検出信号SDとの相対的な位相が変動しても、この位相の変動が相殺されるように復調信号(A,B)が補正されるため、クロック信号CKの位相の変動に起因した復調信号(A,B)の変動を効果的に抑制できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態に係るセンサ装置の構成の一例を示す図である。図8に示すセンサ装置は、クロック生成器5と、正弦波生成部10と、n個のセンサ部20−1〜20−nと、参照信号生成部30と、n個のAD変換部43−1〜43−n(以下、区別せずに「AD変換部43」と記す場合がある。)と、n個の復調部51−1〜51−n(以下、区別せずに「復調部50」と記す場合がある。)と、補正部61と、処理部80とを有する。ここで、先に説明した図1に示すセンサ装置と概ね同一の構成要素については、同一の参照符号を付しており、詳細な説明は割愛する。
図8に示すセンサ装置において、n個のAD変換部43とn個の復調部51と処理部80は、共通の補正クロック信号CKdに同期して動作するデジタル回路7に含まれる。補正クロック信号CKdは、クロック信号CKに対する位相が補正部61によって補正された信号である。
AD変換部43は、補正クロック信号CKdに同期して、センサ部20−iから入力した検出信号Siをデジタル信号に変換し、検出信号SDiとして出力する。n個のAD変換部43は、例えば同じ方式のAD変換回路(デルタシグマ型AD変換回路など)を含む。
復調部51−iは、アナログ信号Wと同じ検出周波数を持ち、補正クロック信号CKdに同期した正弦波の同期信号Uと、デジタル信号に変換された検出信号SDiとをそれぞれ乗算し、この乗算の結果から高調波成分を除去した復調信号Mi(以下、区別せずに「復調信号M」と記す場合がある。)を生成する。
復調部51は、例えば図9に示すように、同期信号生成部73において生成された同期信号Uと検出信号SDとを乗算する乗算部535と、乗算部535の乗算結果の高調波成分を除去するローパスフィルタ541とを含む。
デジタル回路7は、図9に示した、同期信号Uを生成する同期信号生成部73を含む。同期信号Uは、正弦波のデジタル信号(正弦波の数値データ)である。同期信号生成部73は、補正クロック信号CKdに同期した所定の周期で同期信号Uを生成する。
補正部61は、クロック信号CKの位相の変動に起因した復調信号Mの変動が抑制されるように、クロック信号CKに対する補正クロック信号CKdの位相を補正する。補正部61は、補正クロック信号CKdを基準とした参照信号Rの相対的な位相の変化を検出し、この検出結果に応じて、参照信号Rの相対的な位相が一定に保たれるように、クロック信号CKに対する補正クロック信号CKdの位相を補正する。
例えば補正部61は、図8に示すように、入力される制御信号CNTに応じてクロック信号CKに対する補正クロック信号CKdの遅延を制御する遅延制御部651と、補正クロック信号Ckdを分周し、クロック信号CKxとして出力する分周部652と、参照信号Rの位相を検出できるように参照信号Rの波形を矩形波状のパルスRxに整形する波形整形部653と、参照信号Rから波形整形されたパルスRxとクロック信号Ckxとの位相を比較する位相比較部654と、位相比較部654の位相比較結果に応じた制御信号CNTを遅延制御部651に帰還する帰還部655とを含む。
上述した構成を有するセンサ装置では、正弦波生成部10において、クロック信号CKに同期した正弦波のアナログ信号Wが生成される。センサ部20では、このアナログ信号Wに応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、アナログ信号Wと同じ検出周波数を持った検出信号Sが生成される。また、参照信号生成部30では、このアナログ信号Wに応じて、検出周波数を持った参照信号Rが生成される。アナログ信号Wに対する検出信号の位相と、アナログ信号Wに対する参照信号Rの位相とは相関性を有している。検出信号Sは、クロック信号CKに対する位相が補正された補正クロック信号Ckdに同期したデジタル信号に変換される。補正クロック信号Ckdに同期したデジタル信号である検出信号SDは、検出周波数を持つ正弦波の同期信号とそれぞれ乗算され、その乗算結果から高調波成分を除去した復調信号Mが生成される。
クロック信号CKの位相が変動すると、クロック信号CKに同期したアナログ信号Wの位相が変動し、センサ部20において生成される検出信号Sの位相や、参照信号生成部30において生成される参照信号Rの位相も変動する。検出信号Sや参照信号Rの位相の変動は、クロック信号CKに同期したアナログ信号Wの位相の変動により生じるが、正弦波生成部10やセンサ部20、参照信号生成部30には位相の周波数特性を持つアナログ回路(ローパスフィルタ103,211,311など)が含まれていることから、アナログ回路を介して出力される検出信号Sや参照信号Rの位相の変動と、クロック信号CKの位相の変動との間にはずれが生じる。すなわち、クロック信号CKの位相が変動すると、検出信号Sや参照信号Rの位相がクロック信号CKに対して相対的に変動する。仮に、クロック信号CKに対する補正クロック信号CKdの位相が固定されているものとすると、クロック信号CKの位相が変動した場合に、補正クロック信号CKdに同期した正弦波の同期信号Uの位相はクロック信号に対して相対的に変動しない一方、検出信号Sの位相はクロック信号CKに対して相対的に変動し、デジタル信号に変換された検出信号SDの位相もクロック信号CKに対して相対的に変動する。従って、クロック信号CKの位相が変動すると、検出信号SDと同期信号Uとの相対的な位相が変動し、検出信号SDと同期信号Uとの乗算結果から高調波成分を除去した信号である復調信号Mが変動する。
そこで、このセンサ装置では、クロック信号CKに対する補正クロック信号CKdの位相が補正される。すなわち、補正部61では、補正クロック信号CKdを基準とした参照信号Rの相対的な位相の変化が検出され、この検出結果に応じて、補正クロック信号CKdを基準とした参照信号Rの相対的な位相が一定に保たれるように、クロック信号CKに対する補正クロック信号CKdの位相が補正される。アナログ信号Wに対する検出信号Sの位相と、アナログ信号Wに対する参照信号Rの位相とが相関性を有しているため、補正クロック信号Ckdを基準とした参照信号Rの相対的な位相が一定に保たれると、補正クロック信号Ckdを基準とした検出信号Sの相対的な位相も概ね一定に保たれる。これにより、補正クロック信号Ckdに同期した同期信号Uと検出信号SDとの相対的な位相は、クロック信号CKの位相が変動しても概ね一定に保たれる。同期信号Uと検出信号SDとの相対的な位相の変動が抑制されることにより、検出信号SDと同期信号Uとの乗算結果から得られる復調信号Mの変動も抑制できる。従って、クロック信号CKの位相の変動に起因した復調信号Mの変動を効果的に抑制できる。
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
本願は、日本特許庁に2018年1月25日に出願された特願2018−10531号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
1…物体、5…クロック生成器、6…デジタル回路、7…デジタル回路、10…正弦波生成部、101…正弦波信号生成部、102…DA変換器、103…ローパスフィルタ、104…アンプ、20…センサ部、201…静電容量検出回路、202…電極、211…ローパスフィルタ、30…参照信号生成部、301…静電容量検出回路、311…ローパスフィルタ、41…第1AD変換部、42…第2AD変換部、43…AD変換部、50…復調部、501…第1復調部、502…第2復調部、51…復調部、535…乗算部、60…補正部、601…第1参照復調部、611…乗算部、612…ローパスフィルタ、621…乗算部、622…ローパスフィルタ、602…第2参照復調部、603…位相変化算出部、604…位相補正部、61…補正部、651…遅延制御部、652…分周部、653…波形整形部、654…位相比較部、655…帰還部、71…第1同期信号生成部、72…第2同期信号生成部、73…同期信号生成部、80…処理部、Cs…検出用キャパシタ、Cr…内蔵キャパシタ、CK…クロック信号、CKd…補正クロック信号、S,SD…検出信号、R,RD…参照信号、W…アナログ信号、U…同期信号、U1…第1同期信号、U2…第2同期信号、A…第1復調信号、B…第2復調信号、C…第1参照復調信号、D…第2参照復調信号、E…第1補正用信号、F…第2補正用信号

Claims (8)

  1. 入力される正弦波のアナログ信号に応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、前記アナログ信号と同じ検出周波数を持った検出信号を生成するセンサ部と、
    入力される前記アナログ信号に応じて、前記検出周波数を持った参照信号を生成する参照信号生成部と、
    クロック信号に同期して、前記検出信号をデジタル信号に変換する第1アナログ−デジタル変換部と、
    前記クロック信号に同期して、前記参照信号をデジタル信号に変換する第2アナログ−デジタル変換部と、
    前記検出周波数を持ち、かつ、互いの位相が4分の1周期ずれた2つの正弦波の同期信号と、デジタル信号に変換された前記検出信号とをそれぞれ乗算し、当該乗算の結果からそれぞれ高調波成分を除去した2つの復調信号を生成する復調部と、
    前記クロック信号の位相の変動に起因した前記復調信号の変動が抑制されるように、デジタル信号に変換された前記参照信号に基づいて前記復調信号を補正する補正部とを有し、
    前記アナログ信号に対する前記検出信号の位相と、前記アナログ信号に対する前記参照信号の位相とが相関性を有しており、
    前記補正部は、
    前記同期信号に対する前記参照信号の相対的な位相の変化に基づいて、前記同期信号に対する前記検出信号の相対的な位相の変化を算出し、
    前記2つの復調信号が表す前記検出信号の前記相対的な位相が、前記算出した位相の変化が相殺される位相へ近づくように、前記2つの復調信号の少なくとも一方を補正する、
    センサ装置。
  2. 前記2つの同期信号は、第1同期信号及び第2同期信号を含み、
    前記2つの復調信号は、第1復調信号及び第2復調信号を含み、
    前記復調部は、
    前記第1同期信号と前記検出信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した前記第1復調信号を生成する第1復調部と、
    前記第2同期信号と前記検出信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した前記第2復調信号を生成する第2復調部とを含み、
    前記補正部は、
    前記第1同期信号と前記参照信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した第1参照復調信号を生成する第1参照復調部と、
    前記第2同期信号と前記参照信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した第2参照復調信号を生成する第2参照復調部と、
    前記第1復調信号を実部とし、前記第2復調信号を虚部とする検出用複素数の位相の変化を、前記第1参照復調信号を実部とし、前記第2参照復調信号を虚部とする参照用複素数の位相の変化に基づいて算出する位相変化算出部と、
    前記位相変化算出部において算出された位相の変化が相殺されるように前記検出用複素数の位相を補正して得られる複素数の実部及び虚部の少なくとも一方に応じた信号を、補正された復調信号として算出する位相補正部とを含む、
    請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記位相変化算出部は、前記参照用複素数の初期値の位相に対する前記参照用複素数の位相の変化に応じた位相を持つ補正用複素数を算出し、
    前記位相補正部は、前記検出用複素数と前記補正用複素数との積における実部及び虚部の少なくとも一方に応じた信号を、前記補正された復調信号として算出する、
    請求項2に記載のセンサ装置。
  4. 前記位相変化算出部は、
    前記初期値と位相が等しく絶対値が1の第1複素数を算出し、
    新たな前記参照用複素数が生成される度に、当該生成された参照用複素数と位相が等しく絶対値が1の第2複素数を算出し、
    新たな前記第2複素数を算出する度に、前記第2複素数により前記第1複素数を除して得られる複素数を前記補正用複素数として算出する、
    請求項3に記載のセンサ装置。
  5. クロック信号に同期した正弦波のアナログ信号を生成する正弦波生成部と、
    前記正弦波生成部において生成される前記アナログ信号に応じて、検出対象の物理量に応じた振幅を持ち、かつ、前記アナログ信号と同じ検出周波数を持った検出信号を生成するセンサ部と、
    前記アナログ信号に応じて、前記検出周波数を持った参照信号を生成する参照信号生成部と、
    前記クロック信号に対する位相が補正された補正クロック信号に同期して前記検出信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と、
    前記検出周波数を持ち、前記補正クロック信号に同期した正弦波の同期信号と、デジタル信号に変換された前記検出信号とを乗算し、当該乗算の結果から高調波成分を除去した復調信号を生成する復調部と、
    前記クロック信号の位相の変動に起因した前記復調信号の変動が抑制されるように、前記クロック信号に対する前記補正クロック信号の位相を補正する補正部とを有し、
    前記アナログ信号に対する前記検出信号の位相と、前記アナログ信号に対する前記参照信号の位相とが相関性を有しており、
    前記補正部は、前記補正クロック信号を基準とした前記参照信号の相対的な位相の変化を検出し検出結果に応じて、前記参照信号の前記相対的な位相が一定に保たれるように、前記クロック信号に対する前記補正クロック信号の位相を補正する、
    センサ装置。
  6. 前記補正部は、
    入力される制御信号に応じて前記クロック信号に対する前記補正クロック信号の遅延を制御する遅延制御部と、
    前記補正クロック信号又は前記補正クロック信号を分周した信号と前記参照信号との位相を比較する位相比較部と、
    前記位相比較部の比較結果に応じた前記制御信号を前記遅延制御部に帰還する帰還部とを含む、
    請求項5に記載のセンサ装置。
  7. 前記センサ部は、
    物体の近接に伴って静電容量が変化する検出用キャパシタを形成する電極と、
    前記アナログ信号に応じた正弦波電圧を前記電極に印加し、前記正弦波電圧に応じて前記検出用キャパシタに流れる正弦波の電流に応じた成分を含む前記検出信号を生成する静電容量検出回路とを含む、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  8. 前記参照信号生成部は、前記検出用キャパシタの代わりに所定の静電容量を持つ内蔵キャパシタが設けられた前記センサ部と同等の構成を有しており、前記静電容量検出回路において前記検出信号の代わりに前記参照信号を生成する、
    請求項7に記載のセンサ装置。
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