JP6922634B2 - 診断装置、診断方法、及び診断プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、診断装置、診断方法、及び診断プログラムに関する。
特許文献1では、歯付きベルトの寿命を理論式に従って予測する方法が提案されている。具体的には、特許文献1で提案されている方法では、まず、曲げストレス、圧縮ストレス、及びせん断ストレスに関連したパラメータをそれぞれ算出する。次に、算出した各パラメータを用いて等価寿命サイクル数を算出する。そして、算出した各等価寿命サイクル数をマイナー則に従って結合することで、歯付きベルトの走行可能サイクル数を算出する。この方法によれば、複数種類のストレスが複合的に作用して歯付きベルトが寿命に至る場合であっても、当該歯付きベルトの寿命を予測することができる。
一般的に、何らかの作業を行う作業装置の構成要素(例えば、歯付きベルト)を、特許文献1のような方法で故障の発生が予測される時期に交換するメンテナンス方式は、TBM(Time Based Maintenance)方式と呼ばれている。このTBM方式で定期的にメンテナンスを行う場合には、次のような問題が生じ得る。
すなわち、メンテナンスの対象物を利用する現場では、環境の変化、予測不能な事態の発生等に起因して、理論通りに対象物の摩耗が生じるとは限らない。そのため、理論式で算出した寿命直前で対象物を交換するのではなく、このような予測不能な現象の発生を考慮して、理論式で算出した寿命よりも早めに対象物を交換することが行われる。したがって、余地を確保する分だけ対象物を過剰に交換することになり、メンテナンスのコストが増大してしまうという問題点がある。
また、確保した余地を超えて寿命が低減してしまい、メンテナンスよりも前に対象物が故障してしまった場合には、故障してから交換を行うまでの間、対象物を含む作業装置は、動作不良の状態で稼働することになる。これにより、作業装置が、製品の生産に関する装置であるケースでは、大量の不良品が発生してしまう可能性があり、不経済であるという問題点がある。
このようなTBM方式のメンテナンスの欠点を解消する方法として、作業装置の状態を検査し、所定の基準に達した構成要素を交換するCBM(Condition Based Maintenance)方式のメンテナンス方法がある。例えば、特許文献2では、第1の時系列データと第2の時系列データとを取得し、取得した第2の時系列データに基づいて第1の時系列データから第1のデータを抽出し、抽出した第1のデータに基づいてロボットの異常診断を行う方法が提案されている。
特開2002−071521号公報 特開2016−179527号公報
CBM方式のメンテナンス方法によれば、その時点で対象物に故障が発生しているか否かを診断することができるため、対象物の過剰な交換を抑制することができ、メンテナンスのコストを低減することができる。また、対象物の状態に基づいて故障の発生を検知することができるようになるため、動作不良の状態で作業装置が稼動する時間を低減することができる。しかしながら、本件発明者らは、例えば、歯付きベルト等で構成される駆動源により駆動される駆動対象物であって、可動範囲が制限されている駆動対象物を備える作業装置についてCBM方式でメンテナンスを行う場合には、次のような問題が生じ得ることを見出した。
すなわち、作業装置の駆動源の診断には、当該駆動源の動作を計測することで得られる計測データが用いられる。例えば、周波数解析等の手法で当該計測データを解析することにより、駆動源に故障が生じているか否かを診断することができる。しかしながら、駆動対象物の可動範囲が制限されている場合には、故障の診断に十分な量の計測データが得られる前に、駆動対象物が可動範囲のリミットに到達してしまい、駆動源をそれ以上動作させられない可能性がある。これによって、故障の診断に十分な量の計測データが取得できず、当該計測データの解析が不適切になってしまい、駆動源の故障の推定精度が低下してしまうという問題が生じ得ることを本件発明者らは見出した。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、作業装置の駆動源に対する故障診断の精度を高める技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る診断装置は、駆動対象物、前記駆動対象物を第1方向に移動させるように構成された第1駆動源、及び前記第1方向への移動を打ち消す第2方向に前記駆動対象物を移動させるように構成された第2駆動源を備える作業装置に対して、前記第1駆動源により前記第1方向に前記駆動対象物を移動させるように指示している間に、前記第2駆動源により前記第2方向に前記駆動対象物を移動させるように指示する動作指示部と、前記駆動対象物を移動させようと前記第1駆動源を動作させている間に、前記第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集するデータ収集部と、収集された前記計測データを利用して、前記第1駆動源の状態を診断する診断部と、を備える。
当該構成に係る作業装置は、2つの駆動源を備えている。第1駆動源は、駆動対象物を第1方向に移動させるように構成される。第2駆動源は、第1方向への移動を打ち消すような方向である第2方向に駆動対象物を移動させるように構成される。当該構成に係る診断装置は、このような作業装置に対して、第1駆動源により第1方向に駆動対象物を移動させるように指示している間に、第2駆動源により第2方向に駆動対象物を移動させるように指示する。これにより、第2駆動源により駆動対象物を第2方向に移動させる分だけ、第1駆動源による駆動対象物の第1方向への移動を打ち消し、当該第1駆動源の動作時間(駆動量)を増やすことができる。
すなわち、例えば、駆動対象物を第1方向にある一定量の距離だけ相対的に移動させる場合に、第1駆動源単体で駆動対象物を移動させるケースと比べて、第2駆動源により駆動対象物を第2方向に移動させる分だけ、駆動対象物を第1方向に移動させることのできる量が多くなり、第1駆動源の動作時間(駆動量)を増やすことができる。つまり、駆動対象物の第1方向への移動量に対して、第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データの量を増大させることができる。したがって、当該構成によれば、作業装置の駆動源の状態を診断するのに十分な量の計測データを取得することができるようになるため、当該駆動源に対する故障診断の精度を高めることができる。
なお、「作業装置」は、第1方向及び第2方向それぞれに駆動対象物を駆動するように構成された各駆動源を有し、何らかの作業を行うように構成されたものであれば特に限定されなくてもよい。作業装置は、例えば、マウンタ、スカラロボット、多関節ロボット等であってよい。「駆動対象物」は、駆動源により移動させられるものであれば特に限定されなくてもよく、例えば、ロボットのリンク部材等であってよい。「駆動源」は、駆動対象物を駆動可能であれば特に限定されなくてもよい。この駆動源は、駆動対象物の種類に応じて適宜選択されてよく、例えば、歯付きベルトを含む駆動源、ハーモニックドライブ(登録商標)等であってよい。「計測データ」は、駆動源の故障の診断に利用可能な何らかのデータであればよい。この計測データは、駆動源の種類に応じて適宜選択されてよく、例えば、速度データ、トルクデータ、位置データ、角速度データ等であってよい。
また、第1方向及び第2方向はそれぞれ、直線方向、回転方向、又はこれらの方向の組み合わせで構成されてよい。ここで、第2方向は、第1方向とは反対方向に駆動対象物を移動させる成分を含んでいるのであれば、当該第1方向に対して完全な反対方向になっていなくてもよい。例えば、直線軸の正の方向を第1方向とした場合に、第2方向は、直線軸の負の方向であるのが好ましい。しかしながら、第2方向は、この直線軸の負の方向に限定されなくてもよく、直線軸の負の方向の成分を有しているのであれば、当該直線軸から外れる方向であってもよい。更に、第1方向及び第2方向が回転方向で構成される場合に、第1方向の回転軸と第2方向の回転軸とは、同軸であってもよいし、同軸でなくてもよい。更に、第2方向が第1方向の反対方向である場合に、駆動対象物は、第1駆動源及び第2駆動源の両方により駆動される際には、見かけ上、第1方向に移動するように構成されてもよいし、第2方向に移動するように構成されてもよいし、停止するように構成されてもよい。
上記一側面に係る診断装置において、前記第1駆動源は、モータと、モータにより駆動されるように構成されたプーリと、プーリにより駆動されるように構成された歯付きベルトと、を備え、前記歯付きベルトの回転により前記駆動対象物を移動させるように構成されてよく、前記診断部は、前記第1駆動源の前記歯付きベルトに異常が発生したか否かを診断してもよい。当該構成によれば、歯付きベルトの異常診断の精度を向上させることができる。なお、駆動対象物の移動量に対する歯付きベルトの回転量は小さいため、駆動源の歯付きベルトを診断対象とした場合には、異常発生の診断に十分な量の計測データが取得できない可能性が高くなる。そのため、本発明により、駆動対象物の移動量に対して得られる計測データの量を増大させることは、このような歯付きベルトを利用するケースで特に有益である。
上記一側面に係る診断装置において、前記計測データは、前記モータの速度を示す速度データ及び前記モータのトルクを示すトルクデータにより構成されてよい。当該構成によれば、速度データ及びトルクデータを用いて、歯付きベルトの異常診断を適切に行うことができる。
上記一側面に係る診断装置において、前記第1駆動源及び前記第2駆動源は、前記駆動対象物を上下方向に移動させるように構成されてもよく、前記動作指示部は、前記第1駆動源により前記第1方向として上方向に前記駆動対象部を移動させるように指示する場合、前記第2駆動源により前記第2方向として下方向に前記駆動対象物を移動させるように指示し、前記第1駆動源により前記第1方向として下方向に前記駆動対象部を移動させるように指示する場合、前記第2駆動源により前記第2方向として上方向に前記駆動対象物を移動させるように指示してもよい。当該構成によれば、上下方向に駆動するように構成された駆動対象物を備える作業装置(例えば、マウンタ)において、駆動源に対する故障診断の精度を高めることができる。
上記一側面に係る診断装置において、前記駆動対象物は、第1リンク部材であってよく、前記作業装置は、前記第1リンク部材の端部に設けられた第1軸と、第1端部及び第2端部を有する第2リンク部材であって、当該第1端部において前記第1軸を介して前記第1リンク部材に連結された第2リンク部材と、前記第2リンク部材の前記第2端部に設けられた第2軸と、を更に備えてよく、前記第1駆動源は、前記第1軸を中心に前記第1リンク部材を左回り及び右回りに回転させるように構成されてよく、前記第2駆動源は、前記第2軸を中心に前記第2リンク部材を介して前記第1リンク部材を左回り及び右回りに回転させるように構成されてよく、前記動作指示部は、前記第1駆動源により前記第1方向として左回り方向に前記第1リンク部材を回転させるように指示する場合、前記第2駆動源により前記第2方向として右回り方向に前記第1リンク部材を回転させるように指示し、前記第1駆動源により前記第1方向として右回り方向に前記第1リンク部材を回転させるように指示する場合、前記第2駆動源により前記第2方向として左回り方向に前記第1リンク部材を回転させるように指示してもよい。当該構成によれば、複数のリンク部材で構成される作業装置(例えば、ロボット装置)において、駆動源に対する故障診断の精度を高めることができる。
なお、上記各形態に係る診断装置の別の態様として、以上の各構成を実現する情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータその他装置、機械等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積する媒体である。
例えば、本発明の一側面に係る診断方法は、コンピュータが、駆動対象物、前記駆動対象物を第1方向に移動させるように構成された第1駆動源、及び前記第1方向への移動を打ち消す第2方向に前記駆動対象物を移動させるように構成された第2駆動源を備える作業装置に対して、前記第1駆動源により前記第1方向に前記駆動対象物を移動させるように指示している間に、前記第2駆動源により前記第2方向に前記駆動対象物を移動させるように指示するステップと、前記駆動対象物を移動させようと前記第1駆動源を動作させている間に、前記第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集するステップと、収集された前記計測データを利用して、前記第1駆動源の状態を診断するステップと、を実行する、情報処理方法である。
また、例えば、本発明の一側面に係る診断プログラムは、コンピュータに、駆動対象物、前記駆動対象物を第1方向に移動させるように構成された第1駆動源、及び前記第1方向への移動を打ち消す第2方向に前記駆動対象物を移動させるように構成された第2駆動源を備える作業装置に対して、前記第1駆動源により前記第1方向に前記駆動対象物を移動させるように指示している間に、前記第2駆動源により前記第2方向に前記駆動対象物を移動させるように指示するステップと、前記駆動対象物を移動させようと前記第1駆動源を動作させている間に、前記第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集するステップと、収集された前記計測データを利用して、前記第1駆動源の状態を診断するステップと、を実行させるための、プログラムである。
また、本発明の一側面に係るデータ収集装置は、駆動対象物、前記駆動対象物を第1方向に移動させるように構成された第1駆動源、及び前記第1方向への移動を打ち消す第2方向に前記駆動対象物を移動させるように構成された第2駆動源を備える作業装置に対して、前記第1駆動源により前記第1方向に前記駆動対象物を移動させるように指示している間に、前記第2駆動源により前記第2方向に前記駆動対象物を移動させるように指示する動作指示部と、前記駆動対象物を移動させようと前記第1駆動源を動作させている間に、前記第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集するデータ収集部と、を備える。
本発明によれば、作業装置の駆動源に対する故障診断の精度を高める技術を提供することができる。
図1は、本発明が適用される場面の一例を模式的に例示する。 図2Aは、取得される計測データの一例を模式的に例示する。 図2Bは、取得される計測データの一例を模式的に例示する。 図3は、実施の形態に係るコントローラのハードウェア構成の一例を模式的に例示する。 図4は、実施の形態に係る作業装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。 図5は、歯付きベルトとプーリとの噛み合いを説明するための図である。 図6は、実施の形態に係るコントローラのソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。 図7は、実施の形態に係るコントローラの診断時の処理手順の一例を例示する。 図8は、歯付きベルトの故障の一例を説明するための図である。 図9は、駆動対象物の動作制御の変形例を模式的に例示する。 図10Aは、診断対象の変形例を模式的に例示する。 図10Bは、診断対象の変形例を模式的に例示する。 図11は、変形例に係るコントローラのソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語等で指定される。
§1 適用例
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、本発明の適用場面の一例を模式的に例示する。図1に例示されるとおり、本実施形態では、作業装置の動作を制御するように構成されたコントローラ1に本発明を適用した例を示す。すなわち、本実施形態に係るコントローラ1は、本発明の「診断装置」の一例である。
具体的に、本実施形態に係るコントローラ1により制御対象となる作業装置は、駆動対象物、第1駆動源、及び第2駆動源を備えるように構成される。第1駆動源は、駆動対象物を第1方向に移動させるように構成され、第2駆動源は、第1方向への移動を打ち消す第2方向に駆動対象物を移動させるように構成される。
本実施形態に係るコントローラ1は、このような作業装置に対して、第1駆動源により第1方向に駆動対象物を移動させるように指示している間に、第2駆動源により第2方向に駆動対象物を移動させるように指示する。そして、コントローラ1は、駆動対象物を移動させようと第1駆動源を動作させている間に、第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集し、収集された計測データを利用して、第1駆動源の状態を診断する。
作業装置は、第1方向及び第2方向それぞれに駆動対象物を駆動するように構成された各駆動源を有し、何らかの作業を行うように構成されたものであれば特に限定されなくてもよい。作業装置は、例えば、マウンタ、スカラロボット、多関節ロボット等であってよい。また、駆動対象物は、駆動源により移動させられるものであれば特に限定されなくてもよく、例えば、ロボットのリンク部材等であってよい。
本実施形態では、作業装置の一例としてスカラロボット2を採用した例を説明する。図1に示されるとおり、本実施形態に係るスカラロボット2は、駆動対象物として作業ユニット20を備えている。作業ユニット20は、シャフト201及びシャフト201の先端に取り付けられたエンドエフェクタ204を備えており、スカラロボット2は、第1駆動源及び第2駆動源として、このような作業ユニット20を上下方向に移動させるための2つの駆動源(後述する第1昇降駆動部26及び第2昇降駆動部27)を更に備えている。
そこで、コントローラ1は、スカラロボット2に対して、第1駆動源により第1方向として上方向に作業ユニット20を移動させるように指示する場合、第2駆動源により第2方向として下方向に作業ユニット20を移動させるように指示する。また反対に、コントローラ1は、スカラロボット2に対して、第1駆動源により第1方向として下方向に作業ユニット20を移動させるように指示する場合には、第2駆動源により第2方向として上方向に作業ユニット20を移動させるように指示する。
これにより、第2駆動源により作業ユニット20を第2方向に移動させる分だけ、第1駆動源による作業ユニット20の第1方向への移動を打ち消し、当該第1駆動源の動作時間(駆動量)を増やすことができる。すなわち、例えば、作業ユニット20を第1方向にある一定量の距離だけ相対的に移動させる場合に、第1駆動源単体で作業ユニット20を移動させるケースと比べて、第2駆動源により作業ユニット20を第2方向に移動させる分だけ、作業ユニット20を第1方向に移動させることのできる量が多くなり、第1駆動源の駆動量を増やすことができる。つまり、作業ユニット20の第1方向への移動量に対して、第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データの量を増大させることができる。
ここで、図2A及び図2Bを用いて、この計測データの量を増大させることができる点について詳細に説明する。図2Aは、第1駆動源単体で作業ユニット20を移動させたケース(1)で得られる計測データの一例を示す。図2Bは、第1駆動源及び第2駆動源を上記のように動作させたケース(2)で得られる計測データの一例を示す。
本実施形態では、第1駆動源の状態を診断するため、第1駆動源(後述するモータ261)の速度データ及びトルクデータが計測データとして収集される。第1駆動源に故障が発生している場合には、その故障に関する挙動が計測データ内に周期的に表れ得る。本実施形態では、定速で動作している際のトルクデータに故障に関する挙動が周期的に表れ得る。そのため、周波数解析等の手法を用いて、計測データ内にそのような挙動が存在するか否かを解析することにより、第1駆動源の状態を診断することができる。
ただし、作業ユニット20の上下方向の可動範囲は、シャフト201の長さ、各駆動源によりシャフト201を駆動する方法等により制限されている。そのため、第1駆動源単体により作業ユニット20を第1方向に移動させた場合には、故障の診断に十分な量の計測データが得られる前に、作業ユニット20が可動範囲のリミットに到達してしまう可能性がある。
この場合には、図2Aに例示されるとおり、第1駆動源を定速で動作させることのできる時間が短くなってしまい、第1駆動源を定速で動作させながら得られるトルクデータの量が少なくなってしまう。これにより、故障に関する挙動がトルクデータに周期的に表れているか否かを適切に解析することができなくなってしまう。図2Aの例では、トルクデータに表れている挙動D1が故障に関するものであるかそれ以外(例えば、ノイズ)に関するものであるかを適切に判定することができなくなってしまう。したがって、このような十分な量のトルクデータが得られないケース(1)では、第1駆動源の故障の推定精度が低下してしまう。
これに対して、本実施形態では、第1駆動源によって作業ユニット20を第1方向に駆動している間に、第2駆動源を更に稼働させることによって、第1方向への移動を打ち消す方向である第2方向に作業ユニット20を駆動する。これにより、第1駆動源単体で作業ユニット20を駆動する上記のケース(1)と比べて、第2駆動源により第2方向に作業ユニット20を移動させる分だけ、第1駆動源により作業ユニット20を第1方向に移動させることのできる量を増やすことができる。すなわち、上記のケース(1)と本ケース(2)とで作業ユニット20を第1方向に同じ距離だけ移動させるとした場合に、上記のケース(1)と比べて、本ケース(2)では、第2駆動源が動作する分だけ、第1駆動源の動作時間を長くすることができる。
そのため、本実施形態では、図2Bに例示されるように、第1駆動源を定速で動作させることのできる時間を長くすることができ、これによって、第1駆動源を定速で動作させながら得られるトルクデータの量を増大させることができる。例えば、図2Bの例では、第1駆動源を定速で動作させながら得られるトルクデータの量を、故障に関する挙動D2が当該トルクデータに周期的に3回表れる程度に増大させることができる。したがって、本実施形態によれば、スカラロボット2の駆動源の状態を診断するのに十分な量の計測データを取得することができるようになるため、当該駆動源に対する故障診断の精度を高めることができる。
§2 構成例
[ハードウェア構成]
<コントローラ>
次に、図3を用いて、本実施形態に係るコントローラ1のハードウェア構成の一例について説明する。図3は、本実施形態に係るコントローラ1のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
図3に示されるとおり、本実施形態に係るコントローラ1は、制御部11、記憶部12、及び外部インタフェース13が電気的に接続されたコンピュータである。なお、図3では、外部インタフェースを「外部I/F」と記載している。
制御部11は、ハードウェアプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素を制御する。記憶部12は、例えば、RAM、ROM等で構成され、制御部11で利用される各種情報を保持する。記憶部12は、「メモリ」の一例である。
本実施形態では、記憶部12には、診断プログラム121が記憶されている。診断プログラム121は、スカラロボット2の駆動源の状態を診断する後述の情報処理(図7)をコントローラ1に実行させるためのプログラムである。詳細は後述する。
外部インタフェース13は、外部装置と接続するためのインタフェースであり、接続する外部装置に応じて適宜構成される。本実施形態では、コントローラ1は、この外部インタフェース13を介してスカラロボット2に接続される。
なお、コントローラ1の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)等で構成されてよい。記憶部12は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置で構成されてもよい。コントローラ1は、ネットワークを介して他の装置とデータ通信を行うための通信モジュールを更に備えてもよい。コントローラ1は、複数台の情報処理装置で構成されてもよい。また、コントローラ1は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のデスクトップPC(Personal Computer)、タブレットPC等であってもよい。
また、コントローラ1は、記憶媒体に記憶されたデータを読み込むためのドライブ装置等に接続されてもよい。この場合、上記診断プログラム121は、記憶媒体を介して提供されてもよい。また、コントローラ1にドライブ装置が接続される場合、上記診断プログラム121は、記憶媒体に記憶されていてもよい。記憶媒体は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。記憶媒体は、例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等である。
<スカラロボット>
次に、図4を用いて、本実施形態に係るスカラロボット2のハードウェア構成の一例について説明する。図4は、本実施形態に係るスカラロボット2のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
本実施形態に係るスカラロボット2は、いわゆる水平多関節型であり、作業ユニット20、基台21、第1アーム部22、第2アーム部23、第1回転駆動部24、第2回転駆動部25、第1昇降駆動部26、及び第2昇降駆動部27を備えている。図4に示されるとおり、本実施形態では、作業ユニット20は第2アーム部23に取り付けられており、第2アーム部23は第1アーム部22に連結されており、第1アーム部22は基台21に連結されている。以下では、説明の便宜のため、作業ユニット20を取り付けられている側を先端側と称し、それとは反対の基台21側を後端側と称する。
第1アーム部22は、後端側から先端側に延びており、互いに対向する先端部221及び後端部222を有している。同様に、第2アーム部23は、後端側から先端側に延びており、互いに対向する先端部231及び後端部232を有している。第1アーム部22は、後端部222において基台21に連結されており、先端部221において第2アーム部23に連結されている。
第1アーム部22の後端部222側には、第1回転駆動部24が設けられている。第1回転駆動部24は、上下方向に延びる回転軸242を介して互いに連結されたモータ241及び減速機243を備えている。減速機243は、例えば、ハーモニックドライブ(登録商標)である。本実施形態では、モータ241は基台21に収容され、減速機243は第1アーム部22の後端部222側に収容されている。第1アーム部22の後端部222は基台21の上方に配置され、第1アーム部22の後端部222と基台21とは回転軸242を介して連結されている。そして、モータ241の回転軸242は減速機243の入力軸に取り付けられており、減速機243の回転は第1アーム部22に伝達されるように構成されている。これによって、第1回転駆動部24は、回転軸242周りに第1アーム部22を駆動可能に構成されている。すなわち、第1回転駆動部24は、回転軸242を中心に第1アーム部22を介して第2アーム部23を左回り及び右回りに回転させるように構成されている。
また、第2アーム部23の後端部232側には、第2回転駆動部25が設けられている。第2回転駆動部25は、第1回転駆動部24と同様に、回転軸252を介して互いに連結されたモータ251及び減速機253を備えている。減速機253は、例えば、ハーモニックドライブ(登録商標)である。本実施形態では、モータ251は第1アーム部22の先端部221側に収容され、減速機253は第2アーム部23の後端部232側に収容されている。第2アーム部23の後端部232は第1アーム部22の先端部221の上方に配置され、第2アーム部23の後端部232と第1アーム部22の先端部221とは回転軸252を介して連結されている。そして、モータ251の回転軸252は減速機253の入力軸に取り付けられており、減速機253の回転は第2アーム部23に伝達されるように構成されている。これによって、第2回転駆動部25は、回転軸252周りに第2アーム部23を駆動可能に構成されている。すなわち、第2回転駆動部25は、回転軸252を中心に第2アーム部23を左回り及び右回りに回転させるように構成されている。
作業ユニット20は、第2アーム部23の先端部231側に取り付けられている。この作業ユニット20は、上下方向に延びるシャフト201、及びシャフト201の下端に取り付けられるエンドエフェクタ204を備えている。エンドエフェクタ204の種類は、スカラロボット2の作業内容に応じて適宜選択されてよい。シャフト201の上端側の外周面にはボールねじ溝が設けられており、このボールねじ溝が設けられた領域にはボールねじナット202が取り付けられている。また、シャフト201の下端側の外周面にはボールスプライン溝が設けられており、このボールスプライン溝が設けられた領域にはボールスプラインナット203が取り付けられている。このシャフト201には、例えば、ケーエスエス株式会社製のミニチュアボールねじスプライン(BSSP)を利用することができる。第2アーム部23には、各ナット(202、203)を介してこのような作業ユニット20を駆動するための第1昇降駆動部26及び第2昇降駆動部27が更に収容されている。
第1昇降駆動部26は、回転軸262を有するモータ261、モータ261により駆動されるように構成されるプーリ263、及びプーリ263により駆動されるように構成される歯付きベルト264を備えている。これによって、第1昇降駆動部26は、歯付きベルト264の回転により作業ユニット20のシャフト201を上下方向に移動させるように構成されている。
具体的には、プーリ263は、モータ261の上方に配置されており、モータ261の回転軸262に連結されている。また、プーリ263は、シャフト201に取り付けられたボールねじナット202と水平方向に並列に配置されており、プーリ263及びボールねじナット202には歯付きベルト264が架け渡されている。
このような構成により、モータ261の回転が回転軸262を介してプーリ263に伝達されることで、プーリ263は回転軸262を中心に回転する。また、このプーリ263の回転が歯付きベルト264に伝達されることで、歯付きベルト264は、回転軸262及びシャフト201の軸の間で回転する。そして、歯付きベルト264の回転がボールねじナット202に伝達されることで、ボールねじナット202がシャフト201の軸周りに回転し、これによって、シャフト201は上下方向に移動する。すなわち、本実施形態に係る第1昇降駆動部26は、モータ261の回転により、作業ユニット20のシャフト201を昇降させることができるように構成されている。
ここで、図5を更に用いて、歯付きベルト264とプーリ263との噛合について説明する。図5は、歯付きベルト264とプーリ263との噛合状態の一例を模式的に例示する。図5に示されるとおり、歯付きベルト264の内周面には複数の歯2641が一定のピッチで設けられており、これに対応して、プーリ263の外周面に複数の歯2631が一定のピッチで設けられている。このプーリ263の歯2631と歯付きベルト264の歯2641とが噛み合っていることによって、プーリ263の回転を歯付きベルト264に伝達することができる。同様に、ボールねじナット202の外周面にも複数の歯が設けられており、ボールねじナット202の歯と歯付きベルト264の歯2641とが噛み合っていることで、歯付きベルト264の回転をボールねじナット202に伝達することができる。
なお、本実施形態では、ボールスプラインナット203が軸周りの回り止めとなる。すなわち、第1昇降駆動部26のみを駆動した場合には、ボールねじナット202からシャフト201に伝達された軸周りの回転力はボールスプラインナット203により打ち消される。これにより、第1昇降駆動部26は、作業ユニット20のシャフト201を、軸周りには回転させずに、上下方向に移動させるように構成される。
第2昇降駆動部27も、第1昇降駆動部26と同様に、モータ、プーリ、及び歯付きベルトを用いて、作業ユニット20のシャフト201を上下方向に移動させるように構成される。具体的には、第2昇降駆動部27は、モータ271、第1回転軸272、第1プーリ273、第1歯付きベルト274、第2プーリ275、第2回転軸276、第3プーリ277、及び第2歯付きベルト278を備えている。第1プーリ273は、モータ271の上方に配置されており、モータ271の第1回転軸272に連結されている。第1プーリ273は、第2プーリ275と水平方向に並列に配列されており、第1プーリ273及び第2プーリ275には第1歯付きベルト274が架け渡されている。第2プーリ275の下方には第3プーリ277が配置されており、第2プーリ275と第3プーリ277とは第2回転軸276により連結されている。第3プーリ277は、ボールスプラインナット203と水平方向に並列に配置されており、第3プーリ277及びボールスプラインナット203には第2歯付きベルト278が架け渡されている。各歯付きベルト(274、278)と各プーリ(273、275、277)及びボールスプラインナット203とは、上記歯付きベルト264とプーリ263との噛み合いと同様に噛み合っている。
このような構成により、モータ271の回転が第1回転軸272を介して第1プーリ273に伝達されることで、第1プーリ273は、第1回転軸272を中心に回転する。この第1プーリ273の回転が第1歯付きベルト274に伝達されることで、第1歯付きベルト274は、第1回転軸272及び第2回転軸276の間で回転する。この第1歯付きベルト274の回転が第2プーリ275に伝達されることで、第2プーリ275は、第2回転軸276を中心に回転する。この第2プーリ275の回転が第2歯付きベルト278に伝達されることで、第2歯付きベルト278は、第2回転軸276及びシャフト201の軸の間で回転する。そして、第2歯付きベルト278の回転がボールスプラインナット203に伝達されることで、ボールスプラインナット203がシャフト201の軸回りに回転し、これによって、シャフト201は、軸周りに回転しながら、上下方向に移動する。すなわち、本実施形態に係る第2昇降駆動部27は、モータ271の回転により、作業ユニット20を軸回りに回転させながら昇降させることができるように構成されている。
なお、各モータ(241、251、261、271)は、エンコーダ(不図示)等を備えることで、回転速度を計測可能に構成されている。また、各モータ(241、251、261、271)に作用するトルクの大きさは、各モータ(241、251、261、271)に供給される指令電流値によって定まる。そのため、各モータ(241、251、261、271)のトルクは、各モータ(241、251、261、271)に供給される指令電流値を監視することで計測することができる。
以上により、スカラロボット2は、各アーム部(22、23)を各回転軸(242、252)周りに回転可能に、かつ第2アーム部23において作業ユニット20のシャフト201を上下方向に移動可能に構成される。なお、スカラロボット2の構成は、このような例に限定されなくてもよく、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が行われてよい。
[ソフトウェア構成]
次に、図6を用いて、本実施形態に係るコントローラ1のソフトウェア構成の一例を説明する。図6は、本実施形態に係るコントローラ1のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
コントローラ1の制御部11は、記憶部12に記憶された診断プログラム121をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開された診断プログラム121をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、図6に示されるとおり、本実施形態に係るコントローラ1は、ソフトウェアモジュールとして、動作指示部111、データ収集部112、及び診断部113を備えるように構成される。
動作指示部111は、スカラロボット2に対して、第1駆動源により駆動対象物を第1方向に移動させるように指示している間に、第2駆動源により駆動対象物を第2方向に移動させるように指示する。データ収集部112は、駆動対象物を移動させようと第1駆動源を動作させている間に、当該第1駆動源の動作を計測し、これにより得られる計測データ122を収集する。そして、診断部113は、収集された計測データ122を利用して、第1駆動源の状態を診断する。
本実施形態では、作業ユニット20を駆動対象物として取り扱い、第1昇降駆動部26を第1駆動源として取り扱い、第2昇降駆動部27を第2駆動源として取り扱う例を示す。すなわち、動作指示部111は、第1昇降駆動部26により第1方向として上方向に作業ユニット20を移動させるように指示する場合、第2昇降駆動部27により第2方向として下方向に作業ユニット20を移動させるように指示する。また、動作指示部111は、第1昇降駆動部26により第1方向として下方向に作業ユニット20を移動させるように指示する場合、第2昇降駆動部27により第2方向として上方向に作業ユニット20を移動させるように指示する。
データ収集部112は、第1昇降駆動部26により作業ユニット20を駆動している間のモータ261の動作を監視し、モータ261の速度を示す速度データ1221及びモータ261のトルクを示すトルクデータ1222を計測データ122として収集する。診断部113は、速度データ1221及びトルクデータ1222により構成される計測データ122を利用して、第1昇降駆動部26の歯付きベルト264に異常が発生したか否かを診断する。
コントローラ1の各ソフトウェアモジュールに関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、コントローラ1の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のCPUによって実現される例について説明している。しかしながら、以上のソフトウェアモジュールの一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、コントローラ1のソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、ソフトウェアモジュールの省略、置換、及び追加が行われてよい。
§3 動作例
次に、図7を用いて、コントローラ1の動作例を説明する。図7は、スカラロボット2の状態を診断する際のコントローラ1の処理手順の一例を例示する。以下で説明する診断の処理手順は、本発明の「診断方法」の一例である。ただし、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
(ステップS101)
まず、ステップS101では、制御部11は、動作指示部111として動作し、スカラロボット2に対して、第1駆動源により第1方向に駆動対象物を移動させるように指示する。更に、制御部11は、スカラロボット2に対して、第1駆動源により第1方向に駆動対象物を移動させるように指示している間、第2駆動源により第2方向に駆動対象物を移動させるように指示する。
具体的に、本実施形態では、制御部11は、スカラロボット2に対して、第1昇降駆動部26により上方向又は下方向に作業ユニット20のシャフト201を移動させるように指示する。第1昇降駆動部26によりシャフト201を上方向に移動させるように指示した場合、制御部11は、スカラロボット2に対して、第2昇降駆動部27によりシャフト201を下方向に移動させるように更に指示する。一方、第1昇降駆動部26によりシャフト201を下方向に移動させるように指示した場合、制御部11は、スカラロボット2に対して、第2昇降駆動部27によりシャフト201を上方向に移動させるように更に指示する。
このとき、第2昇降駆動部27の稼働時間は、第1昇降駆動部26の稼働時間と少なくとも一部で重複するように適宜設定される。第2昇降駆動部27の稼働時間は、第1昇降駆動部26の稼働時間と一致させてもよいし、一致させなくてもよい。すなわち、シャフト201を第1方向に移動させるように第1昇降駆動部26を稼働させている期間内の少なくとも一部の期間で、シャフト201を第2方向に移動させるように第2昇降駆動部27を稼働させる、という指示を制御部11はスカラロボット2に対して出力すればよい。
また、第1昇降駆動部26及び第2昇降駆動部27それぞれの単位時間当たりの駆動量は実施の形態に応じて適宜設定されてよい。第2昇降駆動部27の駆動量は、第1昇降駆動部26の駆動量よりも小さくなるように設定されてもよいし、第1昇降駆動部26の駆動量と一致するように設定されてもよいし、第1昇降駆動部26の駆動量よりも大きくなるように設定されてもよい。なお、本実施形態では、制御部11は、第1昇降駆動部26を稼働させている間、モータ261を定速で動作させるようにスカラロボット2を制御する。
両昇降駆動部(26、27)を共に稼働している期間、作業ユニット20のシャフト201は、両昇降駆動部(26、27)から互いに反する方向に駆動されることになる。そのため、シャフト201の移動方向は、両昇降駆動部(26、27)の駆動量に応じて制御される。例えば、第2昇降駆動部27の駆動量を第1昇降駆動部26の駆動量よりも小さくなるように設定した場合には、シャフト201は、第1昇降駆動部26のみで駆動されるときよりも遅い速度で、当該第1昇降駆動部26の駆動方向である第1方向に移動するように制御される。第2昇降駆動部27の駆動量を第1昇降駆動部26の駆動量と一致するように設定した場合には、シャフト201は、その場で停止するように制御される。また、第2昇降駆動部27の駆動量を第1昇降駆動部26の駆動量よりも大きくなるように設定した場合には、シャフト201は、第2昇降駆動部27の駆動方向である第2方向に移動するように制御される。
本ステップS101を開始する際のシャフト201の配置は、このようなシャフト201の移動制御に応じて、当該シャフト201が移動する範囲を確保可能なように適宜設定されてよい。例えば、上方向を第1方向とし、下方向を第2方向とし、第2昇降駆動部27の駆動量を第1昇降駆動部26の駆動量よりも小さくなるように設定した場合には、本ステップS101において、シャフト201は、上方向に移動するように制御される。そのため、第1昇降駆動部26を稼働する前に、制御部11は、シャフト201を可動範囲の下端に配置するようにスカラロボット2に指示してもよい。
(ステップS102)
次のステップS102では、制御部11は、データ収集部112として動作し、駆動対象物を移動させようと第1駆動源を動作させている間に、第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データ122を収集する。
本実施形態では、制御部11は、上記ステップS101において第1昇降駆動部26を稼働させている間に、当該第1昇降駆動部26のモータ261の動作を計測する。これにより、制御部11は、当該モータ261の速度データ1221及びトルクデータ1222を計測データ122として収集する。速度データ1221は、例えば、モータ261に設けられたエンコーダから収集可能である。また、トルクデータ1222は、例えば、モータ261に与えられる指令電流値に基づいて収集可能である。制御部11は、収集した計測データ122をRAM又は記憶部12に保存する。
(ステップS103)
次のステップS103では、制御部11は、収集した計測データ122から、後述するステップS104の診断処理に利用する部分を抽出する。後述するステップS104では、第1昇降駆動部26の歯付きベルト264の故障を診断する。そのため、本ステップS103では、制御部11は、歯付きベルト264の診断に利用する部分を計測データ122から抽出する。
ここで、図8を用いて、歯付きベルト264の故障について説明する。図8は、歯付きベルト264の故障の一例として、プーリ263と噛み合う範囲内の領域2642において歯2641が欠けた場面を例示する。
上記図5に説明したとおり、歯付きベルト264の歯2641とプーリ263の歯2631とが噛み合っていることで、プーリ263の回転が歯付きベルト264に伝達される。同様に、歯付きベルト264の歯2641とボールねじナット202の歯とが噛み合っていることで、歯付きベルト264の回転がボールねじナット202に伝達される。
歯付きベルト264に歯2641の欠けが存在しない場合には、歯付きベルト264とプーリ263との噛み合い及び歯付きベルト264とボールねじナット202との噛み合いの関係がそれぞれ固定される。そのため、正常な状態では、モータ261の一定の回転に対してシャフト201の上下方向の移動量は一定であるため、モータ261の回転量に基づいて、シャフト201の上下方向の位置を正確に制御することができる。
これに対して、例えば、図8で例示されるように、プーリ263と噛み合う範囲で歯2641が欠けてしまった場合、この歯2641の欠けた領域2642において、歯付きベルト264とプーリ263との噛み合いがない状態となる。このような事態が生じると、シャフト201の上下方向の移動量に変化が生じてしまう。したがって、歯付きベルト264に歯の欠けが発生した場合には、モータ261の制御に基づいて、シャフト201を規定の位置に正確に配置するのが困難になってしまい、これによって、エンドエフェクタ204により行う作業に不具合が生じてしまう。そのため、歯付きベルト264の歯2641の欠けは、スカラロボット2の検知すべき故障の一つである。
この歯付きベルト264の歯2641の欠けに関する挙動は、図2Bに例示されるとおり、トルクデータ1222において、比較的に振幅の大きな振動として表れ得る。すなわち、モータ261を定速で動作させると、歯2641の欠けが発生している領域2642は、プーリ263と噛み合う範囲に一定のタイミングで差し掛かる。この領域2642がプーリ263と噛み合う範囲を通過する際に、上記のような噛み合いのずれ、歯(2641、2631)同士の接触不良等の噛み合いの異常が生じると、この噛み合いの異常に対応したトルクの変動がモータ261において発生する。このトルクの変動が、トルクデータ1222において、比較的に振幅の大きな振動として表れる。つまり、歯付きベルト264に歯2641の欠けが生じている場合に、モータ261を定速で動作させている間、トルクデータ1222には、図2Bの挙動D2のような比較的に振幅の大きな振動が周期的に表れる。
そこで、本ステップS103では、制御部11は、モータ261が定速で動作している際に得られたトルクデータ1222に図2Bの挙動D2のような振動が存在するか否かを判定するために、例えば、次のような方法でデータ抽出を行う。すなわち、制御部11は、まず、速度データ1221を参照して、モータ261が定速で動作していた時間を特定する。次に、制御部11は、トルクデータ1222を読み出し、特定した時間に対応する部分をトルクデータ1222から抽出する。これにより、本実施形態では、制御部11は、本ステップS103において、診断処理に利用する部分として、モータ261が定速で動作している時間帯の部分(以下、「抽出データ」とも記載する)をトルクデータ1222から抽出する。
(ステップS104)
次のステップS104では、制御部11は、診断部113として動作し、計測データ122を利用して、第1駆動源の状態を診断する。具体的に、本実施形態では、制御部11は、トルクデータ1222から抽出した抽出データを解析することで、第1昇降駆動部26の歯付きベルト264に、上記歯2641の欠けのような異常が発生しているか否かを診断する。
この診断処理には、公知のデータ解析手法が用いられてよい。例えば、制御部11は、抽出データに対して公知の周波数解析を行うことで、抽出データ内に上記のような周期的な挙動D2が存在するか否かを判定してもよい。
この場合、記憶部12には、歯付きベルト264が正常であるときに得られたトルクデータを周波数解析した結果が保存されていてもよい。制御部11は、ステップS103で得た抽出データに対する周波数解析の結果と記憶部12に保存された正常時の周波数解析の結果との差分が閾値を超えるか否かにより、抽出データ内に上記のような周期的な挙動D2が存在するか否かを判定することができる。
抽出データ内に周期的な挙動D2が存在すると判定される場合、制御部11は、歯付きベルト264に異常が発生していると診断する。一方、抽出データ内に周期的な挙動D2が存在していないと判定される場合、制御部11は、歯付きベルト264に異常は発生していないと診断する。ただし、診断処理の方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
これにより、制御部11は、本動作例に係るスカラロボット2の診断処理を終了する。なお、制御部11は、上記ステップS104の診断処理の結果を所定の方法で通知してもよい。例えば、上記ステップS104において歯付きベルト264に異常が発生していると診断した場合に、制御部11は、ディスプレイによる画面出力、スピーカによる音声出力、電子メールの送信等の通知方法で当該診断結果を通知してもよい。
[作用・効果]
以上のとおり、本実施形態に係るコントローラ1は、上記ステップS101において、スカラロボット2に対して、第1昇降駆動部26により作業ユニット20のシャフト201を第1方向に移動させるように指示している間に、第2昇降駆動部27によりシャフト201を、第1方向への移動を打ち消す方向である第2方向に移動させるように指示する。
具体的に、コントローラ1は、第1昇降駆動部26によりシャフト201を上方向に移動させようと指示している場合には、第2昇降駆動部27により当該シャフト201を下方向に移動させようと指示する。一方、コントローラ1は、第1昇降駆動部26によりシャフト201を下方向に移動させようと指示している場合には、第2昇降駆動部27により当該シャフト201を上方向に移動させようと指示する。
これにより、ステップS101では、第1昇降駆動部26のみでシャフト201を移動させるケースに比べて、第2昇降駆動部27によりシャフト201を第2方向に移動させる分だけ、第1昇降駆動部26の駆動量を増やすことができる。すなわち、第1昇降駆動部26のモータ261を定速で動作させることのできる時間を長くすることができる。
そのため、ステップS102では、モータ261の動作を計測することで得られる計測データ122(速度データ1221及びトルクデータ1222)の量を増大させることができる。より詳細には、図2Bに示されるとおり、トルクデータ1222における、モータ261が定速で動作している時間帯の部分(抽出データ)を増大させることができる。したがって、本実施形態によれば、ステップS104で行う診断処理に十分な量の計測データ122を取得することができるようになるため、歯付きベルト264の異常診断の精度を高めることができる。
また、本実施形態に係るコントローラ1は、第1昇降駆動部26の歯付きベルト264をステップS104における診断の対象としている。モータの回転量及びシャフトの移動量に対して、歯付きベルトの回転量は少なくなる。本実施形態では、プーリ263とボールねじナット202との間の距離が長くなればなるほど、モータ261を1回転させたときの歯付きベルト264の回転量は少なくなる。そのため、歯付きベルトを診断対象とした場合には、異常発生の診断に十分な量の計測データを収集できない可能性が高くなる。これに対して、本実施形態では、第2昇降駆動部27を稼働させる分だけ、モータ261の回転量及びシャフト201の移動量を増やすことができるため、歯付きベルト264の回転量を増やすことができる。よって、本実施形態によれば、歯付きベルト264を利用していても、上記ステップS102において、この歯付きベルト264の異常診断に十分な量の計測データ122を収集することができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<4.1>
例えば、コントローラ1は、スカラロボット2の作業ユニット20の可動範囲を監視するためのカメラ等のセンサを更に備えてもよい。これにより、上記ステップS101において、制御部11は、センサの監視結果に基づいて、シャフト201の移動範囲を決定してもよい。そして、制御部11は、決定したシャフト201の移動範囲に基づいて、第1昇降駆動部26及び第2昇降駆動部27の駆動量を決定してもよい。
図9は、本変形例の一例を模式的に例示する。図9に例示されるコントローラ1Aは、作業ユニット20のシャフト201の可動範囲を監視するためのカメラ5に接続される点を除き、上記実施形態に係るコントローラ1と同様に構成される。この場合、コントローラ1Aの制御部11は、上記ステップS101の前にカメラ5から撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいてシャフト201の可動範囲の状態を特定する。そして、制御部11は、特定した可動範囲の状態に基づいて、ステップS101でシャフト201を移動させる範囲を決定する。
図9の例では、シャフト201の可動範囲R1を妨げるように障害物3が配置されている。障害物3は、例えば、作業ユニット20により作業を行う対象物(ワーク)を搬送するためのコンベア等である。この場合、制御部11は、シャフト201と障害物3との間の範囲R2内でシャフト201の移動範囲を設定してもよい。また、範囲R2ではシャフト201の移動量が不十分である場合には、制御部11は、第1回転駆動部24及び第2回転駆動部25の少なくとも一方を駆動して、障害物3に干渉しない位置に作業ユニット20を配置した上で、シャフト201の移動範囲を設定してもよい。
シャフト201の移動範囲を設定した後、制御部11は、ステップS101〜ステップS104の処理を実行することで、歯付きベルト264の診断を行う。これにより、本変形例によれば、障害物3が存在する環境で利用されるスカラロボット2であっても、当該障害物3に干渉せずに作業ユニット20を駆動することができ、これによって、歯付きベルト264の異常診断を正確に行うことができる。
<4.2>
上記実施形態では、作業ユニット20が駆動対象物であり、第1昇降駆動部26及び第2昇降駆動部27がそれぞれ第1駆動源及び第2駆動源である。しかしながら、駆動対象物及び駆動源は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。駆動源は、駆動対象物を駆動可能であれば特に限定されなくてもよい。
また、上記実施形態では、第1昇降駆動部26の歯付きベルト264がステップS104における診断処理の対象となっている。しかしながら、ステップS104における診断処理の対象は、歯付きベルト264に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
また、上記実施形態では、上方向を第1方向とした場合、第2方向は下方向であり、下方向を第1方向とした場合、第2方向は上方向である。しかしながら、第1方向及び第2方向は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。第1方向及び第2方向はそれぞれ、直線方向、回転方向、又はこれらの方向の組み合わせで構成されてよい。
また、上記実施形態では、第1方向及び第2方向それぞれは上下方向のいずれかの方向であるため、第2方向は、第1方向に対して完全な反対方向になっている。しかしながら、第2方向は、このような例に限定されなくてもよく、第1方向とは反対方向に駆動対象物を移動させる成分を含んでいるのであれば、当該第1方向に対して完全な反対方向になっていなくてもよい。
例えば、上記実施形態では、スカラロボット2は、第1昇降駆動部26及び第2昇降駆動部27の他に、第1回転駆動部24及び第2回転駆動部25を備えている。そこで、第2回転駆動部25を第1駆動源として取り扱い、第1回転駆動部24を第2駆動源として取り扱ってもよい。この場合、第2アーム部23が駆動対象物として取り扱われる。すなわち、第2アーム部23が、本発明の「第1リンク部材」の一例であり、第1アーム部22が本発明の「第2リンク部材」の一例である。第1アーム部22の先端部221が本発明の「第1端部」の一例であり、後端部222が本発明の「第2端部」の一例である。また、第2回転駆動部25の回転軸252が本発明の「第1軸」の一例であり、第1回転駆動部24の回転軸242が本発明の「第2軸」の一例である。
この場合、上記ステップS101では、制御部11は、第2回転駆動部25により回転軸252を中心に左回り方向に第2アーム部23を回転させるように指示する場合、第1回転駆動部24により回転軸242を中心に右回り方向に第2アーム部23を回転させるように指示する。または、制御部11は、第2回転駆動部25により回転軸252を中心に右回り方向に第2アーム部23を回転させるように指示する場合、第1回転駆動部24により回転軸242を中心に左回り方向に第2アーム部23を回転させるように指示する。すなわち、各回転駆動部(24、25)は、各回転軸(242、252)を中心に第2アーム部23を右回り(時計回り)方向及び左回り(反時計回り)方向に回転させることができるため、左回り方向を第1方向として採用した場合、右回り方向を第2方向として採用することができる。また、右回り方向を第2方向として採用した場合、左回り方向を第2方向として採用することができる。
図10Aは、第2回転駆動部25のみで第2アーム部23を左回り方向に駆動した場面の一例を模式的に例示する。図10Bは、第2回転駆動部25により第2アーム部23を左回り方向に駆動し、かつ第1回転駆動部24により第2アーム部23(及び第1アーム部22)を右回り方向に駆動した場面の一例を模式的に例示する。図10A及び図10Bそれぞれのケースで第2回転駆動部25の駆動量、すなわち、第2アーム部23の回転角度を同じであるとする。
この場合、図10Bのケースにおける第2アーム部23の移動範囲Bは、第1回転駆動部24により第2アーム部23を右回り方向に駆動している分だけ、図10Aのケースにおける第2アーム部23の移動範囲Aよりも小さくなる。よって、第2回転駆動部25単体で第2アーム部23を移動させるケースと比べて、第1回転駆動部24により第2アーム部23を第2方向に移動させる分だけ、同一スペース内で第2アーム部23を移動させることができる距離を伸ばすことができる。
したがって、上記実施形態と同様に、本変形例でも、第2回転駆動部25の動作を計測することで得られる計測データの量を増大させることができ、当該第2回転駆動部25の故障診断の精度を高めることができる。なお、本変形例では、制御部11は、ステップS102において、モータ251の速度データ及びトルクデータを計測データとして収集してもよい。そして、制御部11は、ステップS104において、収集した計測データに基づいて、減速機253に故障が発生しているか否かを診断してもよい。
また、例えば、上記実施形態において、第1昇降駆動部26を第2駆動源として取り扱い、第2昇降駆動部27を第1駆動源として取り扱ってもよい。この場合、制御部11は、ステップS102において、モータ271の動作を計測することで、当該モータ271の速度データ及びトルクデータを計測データとして収集してもよい。そして、ステップS104において、制御部11は、取得した計測データに基づいて、各歯付きベルト(274、278)に異常が発生しているか否かを判定してもよい。
<4.3>
また、例えば、上記実施形態では、制御部11は、上記ステップS102において、モータ261の速度データ1221及びトルクデータ1222を計測データ122として収集している。しかしながら、計測データの種類は、このような例に限定されなくてもよく、診断の対象及び内容に応じて適宜選択されてよい。計測データは、駆動源の故障の診断に利用可能な何らかのデータであればよく、例えば、位置データ、角速度データ等であってよい。
<4.4>
また、例えば、上記実施形態では、制御部11は、ステップS103の処理により、ステップS102で収集した計測データから、ステップS104の診断処理で利用する部分を抽出している。しかしながら、このようなデータ抽出が不要である場合、制御部11は、本ステップS103の処理を省略してもよい。
<4.5>
また、例えば、図11に示されるとおり、コントローラ1から診断部113を省略し、当該コントローラ1をデータ収集装置として動作させてもよい。図11は、データ収集装置として動作可能なコントローラ1Aのソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。このコントローラ1Aは、診断部113を備えない点を除き、上記コントローラ1と同様に構成されてよい。また、コントローラ1Aは、上記コントローラ1と同様のハードウェア構成を有してよい。
本変形例では、コントローラ1Aは、上記ステップS101及びS102の各処理を実行することで、計測データ122を収集することができる。そして、コントローラ1Aは、他の情報処理装置に上記ステップS103及びS104の処理を実行させるために、当該他の情報処理装置に収集した計測データ122を送信してもよい。
1…コントローラ、
11…制御部、12…記憶部、13…外部インタフェース、
111…動作指示部、112…データ収集部、113…診断部、
121…診断プログラム、
122…計測データ、
1221…速度データ、1222…トルクデータ、
2…スカラロボット、
20…作業ユニット、
201…シャフト、202…ボールねじナット、
203…ボールスプラインナット、204…エンドエフェクタ、
21…基台、
22…第1アーム部、
221…先端部、222…後端部、
23…第2アーム部、
231…先端部、232…後端部、
24…第1回転駆動部、
241…モータ、242…回転軸、
243…減速機、
25…第2回転駆動部、
251…モータ、252…回転軸、
253…減速機、
26…第1昇降駆動部、
261…モータ、262…回転軸、
263…プーリ、2631…歯、
264…歯付きベルト、2641…歯、
27…第2昇降駆動部、
271…モータ、272…第1回転軸、273…第1プーリ、
274…第1歯付きベルト、
275…第2プーリ、276…第2回転軸、
277…第3プーリ、278…第2歯付きベルト、
3…障害物、5…カメラ

Claims (8)

  1. 駆動対象物、前記駆動対象物を第1方向に移動させるように構成された第1駆動源、及び前記第1方向への移動を打ち消す第2方向に前記駆動対象物を移動させるように構成された第2駆動源を備える作業装置に対して、前記第1駆動源により前記第1方向に前記駆動対象物を移動させるように指示している間に、前記第2駆動源により前記第2方向に前記駆動対象物を移動させるように指示する動作指示部と、
    前記駆動対象物を前記第1方向に移動させようと前記第1駆動源を動作させると共に、前記駆動対象物を前記第2方向に移動させようと前記第2駆動源を動作させている間に、前記第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集するデータ収集部と、
    収集された前記計測データを利用して、前記第1駆動源の状態を診断する診断部と、
    を備える、
    診断装置。
  2. 前記第1駆動源は、モータと、モータにより駆動されるように構成されたプーリと、プーリにより駆動されるように構成された歯付きベルトと、を備え、前記歯付きベルトの回転により前記駆動対象物を移動させるように構成され、
    前記診断部は、前記第1駆動源の前記歯付きベルトに異常が発生したか否かを診断する、
    請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記計測データは、前記モータの速度を示す速度データ及び前記モータのトルクを示すトルクデータにより構成される、
    請求項2に記載の診断装置。
  4. 前記第1駆動源及び前記第2駆動源は、前記駆動対象物を上下方向に移動させるように構成され、
    前記動作指示部は、
    前記第1駆動源により前記第1方向として上方向に前記駆動対象部を移動させるように指示する場合、前記第2駆動源により前記第2方向として下方向に前記駆動対象物を移動させるように指示し、
    前記第1駆動源により前記第1方向として下方向に前記駆動対象部を移動させるように指示する場合、前記第2駆動源により前記第2方向として上方向に前記駆動対象物を移動させるように指示する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の診断装置。
  5. 前記駆動対象物は、第1リンク部材であり、
    前記作業装置は、前記第1リンク部材の端部に設けられた第1軸と、第1端部及び第2端部を有する第2リンク部材であって、当該第1端部において前記第1軸を介して前記第1リンク部材に連結された第2リンク部材と、前記第2リンク部材の前記第2端部に設けられた第2軸と、を更に備え、
    前記第1駆動源は、前記第1軸を中心に前記第1リンク部材を左回り及び右回りに回転させるように構成され、
    前記第2駆動源は、前記第2軸を中心に前記第2リンク部材を介して前記第1リンク部材を左回り及び右回りに回転させるように構成され、
    前記動作指示部は、
    前記第1駆動源により前記第1方向として左回り方向に前記第1リンク部材を回転させるように指示する場合、前記第2駆動源により前記第2方向として右回り方向に前記第1リンク部材を回転させるように指示し、
    前記第1駆動源により前記第1方向として右回り方向に前記第1リンク部材を回転させるように指示する場合、前記第2駆動源により前記第2方向として左回り方向に前記第1リンク部材を回転させるように指示する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の診断装置。
  6. コンピュータが、
    駆動対象物、前記駆動対象物を第1方向に移動させるように構成された第1駆動源、及び前記第1方向への移動を打ち消す第2方向に前記駆動対象物を移動させるように構成された第2駆動源を備える作業装置に対して、前記第1駆動源により前記第1方向に前記駆動対象物を移動させるように指示している間に、前記第2駆動源により前記第2方向に前記駆動対象物を移動させるように指示するステップと、
    前記駆動対象物を前記第1方向に移動させようと前記第1駆動源を動作させると共に、前記駆動対象物を前記第2方向に移動させようと前記第2駆動源を動作させている間に、前記第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集するステップと、
    収集された前記計測データを利用して、前記第1駆動源の状態を診断するステップと、
    を実行する、
    診断方法。
  7. コンピュータに、
    駆動対象物、前記駆動対象物を第1方向に移動させるように構成された第1駆動源、及び前記第1方向への移動を打ち消す第2方向に前記駆動対象物を移動させるように構成された第2駆動源を備える作業装置に対して、前記第1駆動源により前記第1方向に前記駆動対象物を移動させるように指示している間に、前記第2駆動源により前記第2方向に前記駆動対象物を移動させるように指示するステップと、
    前記駆動対象物を前記第1方向に移動させようと前記第1駆動源を動作させると共に、前記駆動対象物を前記第2方向に移動させようと前記第2駆動源を動作させている間に、前記第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集するステップと、
    収集された前記計測データを利用して、前記第1駆動源の状態を診断するステップと、
    を実行させるための、
    診断プログラム。
  8. 駆動対象物、前記駆動対象物を第1方向に移動させるように構成された第1駆動源、及び前記第1方向への移動を打ち消す第2方向に前記駆動対象物を移動させるように構成された第2駆動源を備える作業装置に対して、前記第1駆動源により前記第1方向に前記駆動対象物を移動させるように指示している間に、前記第2駆動源により前記第2方向に前記駆動対象物を移動させるように指示する動作指示部と、
    前記駆動対象物を前記第1方向に移動させようと前記第1駆動源を動作させると共に、前記駆動対象物を前記第2方向に移動させようと前記第2駆動源を動作させている間に、前記第1駆動源の動作を計測することで得られる計測データを収集するデータ収集部と、
    を備える、
    データ収集装置。

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