JP6921072B2 - コーヒー豆の焙煎方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工業的規模において、コーヒー豆を同じ焙煎室内で均一に焙煎する方法に関する。
本明細書全体における従来技術のいかなる検討も、そのような従来技術が、当該技術分野において周知である又は一般知識の一部を成すと認めるものと決してみなされるべきではない。
焙煎は、風味豊かで味も良い飲料を植物原料(コーヒー、チコリ、穀物など)から調製するために一般的に使用される処理であり、この処理によって、色が発現し、アロマ及び風味が生み出されるが、望ましくない化合物も形成される。コーヒー豆の焙煎によって、コーヒー生豆中に存在する前駆体からアロマ及び風味が引き出される。
使用する焙煎方法にかかわらず、焙煎処理は、吸熱段階及び発熱段階、すなわち、熱の吸収及び生成、及びその後の急速冷却を通じた焙煎処理の停止からなる。
コーヒー豆は、加熱された空気(焙煎ガス、高温燃焼ガス、又は熱風)を使用して、最大約400℃の温度で焙煎される。焙煎空気温度は、焙煎空気温度プロファイルを定義する時間の関数である、又は、一定の設定値を有する。基本的に熱は、焙煎室からの熱の伝達によって、又は、加熱された焙煎ガスからコーヒー豆への対流によって、ロースター内のコーヒー豆に伝達される。豆は焙煎中に動かされ、これは機械的攪拌によることもあれば、焙煎空気による流動化によることもある。焙煎処理は、冷気若しくは添加された水、又は冷気及び水の組み合わせによって急速に冷却することによって停止される。この冷却工程(クエンチング工程とも呼ばれる)は、焙煎室内又は別個のクエンチング室内で実行することができる。ロースターは、典型的にはバッチモード又は連続モードで動作し、その種類はドラムロースター、パドルロースター、及び流動床ロースターの3つのうちのいずれかである。工業的規模で使用される、典型的なバッチサイズが30kg〜600kgの大規模なロースター、又は小売店若しくは家庭で使用される小規模なロースターが存在する。
焙煎パラメータは、焙煎されたコーヒー豆に発現するアロマ及び味に強く影響を与え、かつ望ましくない化合物の発現にも影響を与えるため、コーヒー豆の原産地及びグレードに注意深く適合させる必要があることが知られている。特に、焙煎温度プロファイル及び焙煎の均一性などのパラメータは、焙煎の結果に影響を与える。
ドラムロースター又はパドルロースターを使用する工業的規模の焙煎には欠点がある。例えば、そのようなロースターでは、焙煎温度プロファイル及び焙煎の均一性の測定及び制御がより困難である。
米国特許第5,681,607号には、ドラムロースターにおいて、コーヒー生豆を蒸気で50〜300秒間、251〜400℃の蒸気温度及び6.5〜20.0バールの圧力で焙煎するステップと、その後、コーヒー豆を蒸気で60〜800秒間、251〜400℃の蒸気温度及び実質的な大気圧で焙煎するステップとを含む、焙煎されたコーヒー豆の品質を改善する方法が記載されている。この焙煎方法はコーヒーのアロマを改善することを目的としているが、第1の段階で高い圧力、及び第2の段階で大気圧を必要とするために、技術的に複雑であるという大きな欠点を有する。
工業的規模では、回転流動床(RFB)ロースターによって、パドルロースター及びドラムロースターと比較した場合に、改善された焙煎温度の測定及び制御、並びに改善された焙煎の均一性が提供される。制御された方法での加熱速度の変更は現在、それぞれ異なる温度で加熱される2つの焙煎室を有するRFBロースターで実現することができる。ただし、この解決策は、設備費が高く、かつ複雑なライン設計が必要になるという大きな欠点を有する。更に、焙煎温度プロファイルの柔軟性及び制御は、依然として各焙煎室内に限定される。
特に、どの焙煎室内の焙煎空気温度も、バーナーからの出力を低下させ、それによって焙煎室内を循環する燃焼ガス流の温度を低下させるだけでは、急速に低下させることが難しい。これは、工業的規模でバーナーによるエネルギーの供給速度を低下させることには限界があるためである。
米国特許第3,964,175号には、空気からコーヒー豆へと効率的に熱を伝達し、それによって焙煎の均一性を改善するための焙煎方法が記載されている。開示されている流動床ロースターは少なくとも1つの焙煎室を備え、この焙煎室では、加熱された空気が、再循環しているコーヒー豆群の流動床に向かって上方向に吹き込まれる。これによって、コーヒー豆への効率的な熱の伝達が可能になり、焙煎が均一化される。焙煎サイクルの所望の時点で、焙煎されたコーヒー豆は冷却室内へと移送されて、焙煎が停止される。この構成は、工業的規模において、最大450kgのバッチ負荷で使用される。このようなロースターの欠点は、工業的規模で実現可能な焙煎温度プロファイルの種類が限定されることである。具体的には、既存の構成では、アクリルアミドなどの望ましくない化合物を最大限に低減する温度プロファイルを使用することができない。
アクリルアミドは、熱処理中にアスパラギン及び還元糖などの前駆体から形成される、メイラード反応の産物である。焙煎中、コーヒー豆は高温(典型的には、220℃〜250℃の範囲)にさらされる。アクリルアミドは焙煎中に形成されることが知られている。コーヒー生豆中の遊離アスパラギンの濃度は、典型的には30〜90mg/100gの範囲内である。実験によって、アクリルアミドが焙煎中に劣化することも証明されている。例えば、穀物(例えば大麦)では、アクリルアミドが120℃を超える温度(最大150℃)で形成されることが証明されている。150℃を超えると、アクリルアミドのレベルは焙煎の継続によって低下する(Acrylamide Toolbox 2013、FoodDrink Europe、49ページ)。コーヒーでは、アクリルアミドは焙煎サイクルの初期に形成され、7mg/kgを超える量に達し、その後焙煎サイクル中に、アスパラギナーゼの劣化に伴い減少する(Processing and Impact on active components in food、V.R.Preedy、Academic Press、2014、577ページ)。焙煎温度が狭い範囲で注意深く固定された場合、アクリルアミドはより深い焙煎によって減少する傾向があるが、深い焙煎は産物の官能特性に重大な悪影響を及ぼす。したがって現在、アクリルアミドを低減するのに有効な多様な焙煎温度プロファイルを使用することによってアクリルアミドのレベルを低減するための、満足のいく解決策は業界内に存在しない。代替として、前駆体のレベルが低減されたコーヒー生豆、典型的には、例えばアスパラギナーゼで前処理することによってアスパラギンのレベルが低減されたコーヒー生豆を焙煎することによって、アクリルアミドのレベルは低下し得る。ただし、この解決策は、費用の増加、製造上の複雑さ、又は官能プロファイル(すなわち色、味、及びアロマ)への影響といった大きな欠点を有する。
このため、工業的規模でアクリルアミドのレベルを低減しながらコーヒーの特性(すなわち味、アロマ、及び色)を維持することを可能にする、多様な焙煎温度プロファイルを使用した、コーヒー豆の焙煎方法が必要とされている。すなわち、コーヒー豆中の熱活性化合物の反応速度に影響を与え、かつ、特に、コーヒー豆の焙煎中にアクリルアミドなどの望ましくない化合物の形成を低減しながらコーヒーの品質を維持する、コーヒー豆の焙煎方法が必要とされている。
したがって、本発明の目的は、同じ焙煎室内での少なくとも2つの焙煎ステップを含むコーヒー豆の焙煎方法を提供し、その結果、現在工業的規模で実現可能になっていない、均一性が強化された、より多様な焙煎温度プロファイルを実現し、その結果、焙煎中に形成されるアクリルアミドなどの望ましくない化合物のレベルを、アロマ、味、及び色に影響を与えることなく低減できるようにすることである。
発明者は、2つの加熱ステップを含むコーヒー豆の焙煎方法であって、焙煎温度プロファイルがこれら2つのステップにおいて加熱速度の急速かつ急激な変化を示す、方法によって、制御された均一な焙煎が提供され、焙煎されたコーヒー豆中のアクリルアミドなどの望ましくない化合物のレベルが大幅に低下し、更に、色、味、及びアロマなどのコーヒーの特性が維持されることを発見した。
したがって、本発明は、コーヒー豆の焙煎方法であって、
a)コーヒー豆を20℃/分〜40℃/分の加熱速度でコーヒー豆の温度が160℃〜220℃になるまで加熱するステップと、
b)コーヒー豆を1℃/分〜10℃/分の加熱速度で加熱するステップと、を含み、
上記加熱ステップは同じ焙煎室内で実行される、方法を提供する。
本発明の別の態様は、2つのステップa)及びb)を含むコーヒー豆の焙煎方法であって、ステップb)の後に実行され、コーヒー豆を15℃/分〜40℃/分の加熱速度で最大3分間加熱するステップを含むステップc)を更に含む、方法を提供する。
本発明の第3の態様は、焙煎温度プロファイルの、ステップa)の加熱速度とステップb)の加熱速度との比率は3〜15である、コーヒー豆の焙煎方法を提供する。
本発明の第4の態様では、コーヒー豆の焙煎方法は回転流動床ロースター内で実行される。
以下、本発明について、添付図面に示されたそのいくつかの実施形態を参照して更に説明する。
ドラムロースターで周囲空気を導入せずに得られた焙煎温度プロファイルと比較された、本発明による焙煎温度プロファイルを示す。 ドラムロースターで周囲空気を導入せずに得られた焙煎温度プロファイルと比較された、本発明による焙煎温度プロファイルを示す。 パドルロースターで周囲空気を導入せずに得られた焙煎温度プロファイルと比較された、本発明による焙煎温度プロファイルを示す。 ステップa)、b)、及びc)を含む、本発明による焙煎温度プロファイルを示す。
本明細書では、説明部分、実施例、及び特許請求の範囲を読んで理解する時に考慮する必要がある、以下の用語又は表現を定義する。
「焙煎」という用語は、コーヒー豆の乾燥(又はほぼ乾燥)熱処理を意味する。焙煎中には、コーヒー豆の乾燥が行われる。コーヒー豆の水含有率は、典型的には、約12〜16%の水分から約2%の水分へと減少する。焙煎の目的は主に、焙煎されたコーヒーから風味及びアロマ特性を発現させることである。これらの風味は、メイラード反応及び熱分解反応などの過程から発生する。
「焙煎されたコーヒー豆」という表現は、本発明の文脈では、味及びアロマを発現させるために、メイラード反応及び熱分解反応を引き起こす苛酷な熱処理が施された、すなわち、140℃を超える焙煎温度にさらされたコーヒー豆を指す。
「CTn」という用語は、Nehaus NeotecのColorTest II(登録商標)などの分光光度計で測定された時に、サンプルによって後方散乱される赤外(Infrared、IR)光(904nm)の強度を特徴付ける、0〜200の実験単位を指す。分光光度計は、挽かれたサンプルの表面を、半導体光源からの波長904nmの単色IR光で照射する。較正された受光器が、サンプルによって反射された光の量を測定する。測定の平均値系列が計算され、電子回路によって表示される。コーヒー豆の色は、その焙煎レベルに直接関連する。例えば、コーヒー生豆は、典型的には200を超えるCTnを有し、極浅煎りのコーヒー豆は、典型的には約150のCTnを有し、浅煎りのコーヒー豆は、典型的には約100のCTnを有し、中深煎りのコーヒー豆は、典型的には約70のCTnを有する。極深煎りのコーヒー豆は、典型的には約45のCTnを有する。
「焙煎温度プロファイル」という表現は、焙煎中の温度の変化を指す。コーヒー豆の温度は、焙煎中にコーヒー豆と接触してコーヒー豆の温度を測定するセンサ(単数又は複数)などの、焙煎室内に配置された温度センサ(単数又は複数)を使用して測定される。焙煎温度プロファイルは、焙煎中に使用される一連の異なる加熱ステップの結果である。各ステップは、例えば、焙煎空気温度及び/又は空気流量の変更を含んでもよい。
「加熱速度」という表現は、経時的なコーヒー豆の温度の変化を指す。この変化は、焙煎温度の上昇(正の加熱速度)、一定のレベルでの温度の維持(一定加熱速度)、又は温度の低下(負の加熱速度)のいずれかであり得る。
「終点温度」という表現は、本発明の方法によるステップa)、b)、又はc)の終了時に実現される最高温度を指す。終点温度に達したら、焙煎温度をこの最高温度で一定時間維持し、例えば、色などの所望の焙煎済みコーヒー豆の特性が実現されるまで焙煎を継続することができる。
「高温燃焼ガス」という表現は、燃焼中に焙煎室内を循環する、加熱された空気又は熱風を指す。熱風には、燃焼中に生成されるガス成分、例えば一酸化炭素及び/又は二酸化炭素も含まれる。
「周囲温度」という表現は、人々が通常慣れている典型的な室内温度として理解されたい。科学的及び技術的な文脈では、一般的に認知されている周囲温度は20℃である。
全てのパーセントは、特に明記しない限り、重量を基準とする。「重量%」及び「wt%」という表現は同義である。これらは乾燥重量に基づくパーセントで表現された量を指す。
本願に記載される種々の態様、特徴、実施例及び実施形態は、互換性があること、及び/又はともに組み合わせることができることに留意されたい。
本明細書中で使用する場合、「含む」、「含んでいる」という語は、限定的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは「含むが、これらに限定されない」ことを意味することを目的としている。
発明者は、特定の焙煎温度プロファイルを使用するコーヒー豆の焙煎方法が、特にコーヒー豆の制御された均一な焙煎を得るために有効であり、この方法によって、アロマ及び味などの所望のコーヒーの特性を発現させることができるだけでなく、熱処理中に生成される、アクリルアミドなどの望ましくない化合物のレベルを大幅に低減できることを発見した。
コーヒーの焙煎は、味、アロマ、色、及び望ましくない化合物の量に影響を与える方法で、揮発性及び不揮発性成分が生成又は調整される化学過程である。従来、コーヒー豆の焙煎はいくつかの段階で説明することができる。第1の段階では、コーヒー豆が乾燥され、黄色に発色し、豆からトースト又はポップコーンのような香りがし始める。この第1の段階は吸熱を伴う。第2の段階は、しばしば1ハゼと呼ばれ、通常は約205℃で発生する。この段階では、豆が2倍の大きさになり、薄茶色に発色し、重量が約5%減少する。次の段階では、温度が通常は205℃を超えて約220℃まで上昇し、豆がより濃い色になり、重量が約13%減少する。この結果発生する化学過程は熱分解と呼ばれ、豆の化学成分の変化及びCOの放出を特徴とする。熱分解中、225℃〜230℃で、しばしば2ハゼと呼ばれる段階が発生し、その焙煎色はミディアムダークブラウンと定義される。この段階で、豆は典型的には、コーヒーの油がコーヒー豆の表面に移動したことで、油による艶を帯びる。
通常は、170℃〜200℃で、コーヒー豆の糖分がカラメル化し始める。コーヒー豆の色は、コーヒーのショ糖のカラメル化及びメイラード反応に直接関連する。
焙煎温度プロファイルのパラメータのより多様かつより均一な制御は、焙煎されたコーヒーの最終品質、すなわちその色、味、アロマ、及びアクリルアミドなどの望ましくない化合物のレベルに直接影響を与える。
したがって、本発明の最も重要な目的は、
a)コーヒー豆を20℃/分〜40℃/分の加熱速度でコーヒー豆の温度が160℃〜220℃になるまで加熱するステップと、
b)コーヒー豆を1℃/分〜10℃/分の加熱速度で加熱するステップと、を含み、
上記加熱ステップは同じ焙煎室内で実行される、コーヒー豆の焙煎方法を提供することである。
発明者は、本発明の特定の焙煎温度プロファイルをコーヒー豆の焙煎に使用することで、豆の均一な焙煎が得られ、それによって所望の色、味、及びアロマプロファイルが実現され、更にアクリルアミドのレベルを、既知の工業的規模の焙煎方法を使用して得られるアクリルアミドのレベルと比較して大幅に低減できることを発見した。
本発明では、焙煎温度プロファイルは2つのステップを含む。
典型的には、コーヒー豆の開始温度、すなわち豆が焙煎室に入れられる時のコーヒー豆の温度の範囲は、貯蔵温度(例えば、4℃又は周囲温度であり得る)から焙煎温度、典型的には最大140℃までの間である。
第1のステップa)では、コーヒー豆は、20℃/分〜40℃/分の加熱速度で、コーヒー豆の温度が160℃〜220℃になるまで加熱される。ステップa)における焙煎プロファイルの利点は、コーヒー豆が乾燥されて焙煎が開始されるが、アクリルアミドの劣化開始温度に急速に達するため、アクリルアミドの形成が減少することである。
一実施形態では、コーヒー豆はステップa)において、コーヒー豆の温度が180℃〜220℃になるまで加熱される。別の実施形態では、コーヒー豆はステップa)において、コーヒー豆の温度が180°〜210℃、例えば180℃〜200℃になるまで加熱される。更に別の実施形態では、コーヒー豆はステップa)において、コーヒー豆の温度が190℃〜220℃、例えば200℃〜220℃又は210℃〜220℃になるまで加熱される。
160℃〜220℃の温度を実現するために、ステップa)における加熱速度は20℃/分〜40℃/分とする。本発明の別の実施形態では、ステップa)における加熱速度は25℃/分〜40℃/分、例えば30℃/分〜40℃/分である。更に別の実施形態では、ステップa)における加熱速度は20℃/分〜38℃/分、例えば20℃/分〜36℃/分又は20℃/分〜35℃/分である。
別の実施形態では、コーヒー豆は、30℃/分〜40℃/分の加熱速度で、コーヒー豆の温度が160℃〜220℃になるまで加熱される。
本発明の更に別の実施形態では、コーヒー豆は、20℃/分〜40℃/分の加熱速度で、コーヒー豆の温度が180℃〜220℃になるまで加熱される。
本発明の更なる実施形態では、コーヒー豆は、20℃/分〜40℃/分の加熱速度で、コーヒー豆の温度が180℃〜210℃になるまで加熱される。
本発明の一態様では、コーヒー豆はステップa)において6分間以下、例えば5.5分間、5分間、4.5分間、4分間、3.5分間、3分間、2.5分間、又は2分間加熱される。
別の実施形態では、コーヒー豆はステップa)において2〜6分間、例えば2〜5分間、2〜4分間、又は3〜4分間加熱される。150℃を超える温度(すなわち、160℃〜220℃)に達するまでの時間を最小化することで、前駆体からのアクリルアミドの形成を最小化しながら、コーヒー豆の効率的な乾燥を実現し、焙煎を開始できるという利点が得られる。
第2のステップb)では、コーヒー豆は、加熱速度1℃/分〜10℃/分で加熱される。ステップb)の焙煎温度プロファイルは、焙煎温度を、アクリルアミドが劣化し、かつカラメル化及びメイラード反応が発生し得る温度範囲内に保ち、それによって、焙煎されたコーヒー豆の所望の色、味、及びアロマの発現を可能にする。したがって、焙煎温度をこの範囲内で長く維持するほど、アロマ、色、及び味がより強く発現し、アクリルアミドがより多く劣化する。
本発明の一実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、1℃/分〜9℃/分、例えば1℃/分〜8℃/分、1℃/分〜7℃/分、1℃/分〜6℃/分、又は1℃/分〜5℃/分の加熱速度で加熱される。
別の実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、2℃/分〜10℃/分、例えば3℃/分〜10℃/分、4℃/分〜10℃/分、又は5℃/分〜10℃/分の加熱速度で加熱される。
更に別の実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、2℃/分〜8℃/分、例えば3℃/分〜7℃/分又は4℃〜6℃/分の加熱速度で加熱される。
好適な実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、1℃/分〜3℃/分の加熱速度で加熱される。
一実施形態では、本発明による方法のステップb)は、最高温度が235℃に達するまで実行される。この利点は、第2の熱分解が発生し、アクリルアミドが劣化し得る前にコーヒー豆の色、味、及びアロマがより急速に発現することを回避できることである。好適な実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、最高温度が230℃に達するまで加熱される。
本発明の一実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、1℃/分〜10℃/分の加熱速度で最高温度が235℃に達するまで加熱される。
別の実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、1℃/分〜10℃/分の加熱速度で最高温度が230℃に達するまで加熱される。
好適な実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、1℃/分〜3℃/分の加熱速度で最高温度が235℃に達するまで加熱される。
最も好適な実施形態では、コーヒー豆はステップb)において、1℃/分〜3℃/分の加熱速度で最高温度が230℃に達するまで加熱される。
本発明の一態様では、コーヒー豆はステップb)において、所望の焙煎色に達するまで、均一な制御された方法で加熱され、これにより、望ましくない苦味の発現も回避される。
本発明による焙煎温度プロファイルの加熱ステップは、同じ焙煎室内で実行される。これにより、多様な焙煎温度プロファイルをより均一な焙煎と組み合わせることができ、その結果、味、アロマ、及び色の特性をより強めながら、アクリルアミドなどの望ましくない化合物を低減することができる。
本発明の一態様では、本発明の方法は、ステップb)の後に実行され、コーヒー豆を15℃/分〜40℃/分の加熱速度で最大3分間加熱するステップを含む、ステップc)を更に含む。別の実施形態では、加熱速度は20℃/分〜40℃/分、例えば25℃/分〜40℃/分又は30〜40℃である。更に別の実施形態では、加熱速度は15℃/分〜35℃/分、例えば15℃/分〜30℃/分、15℃/分〜25℃/分、又は15℃/分〜20℃/分である。このステップにより、所望の色を実現しながら、コーヒー豆の焙煎不足、及び焙煎不足のコーヒー豆に典型的な、ポップコーンのようなアロマの発現を防止することができる。
本発明の特定の実施形態では、ステップc)における加熱速度は15℃/分〜40℃であり、最大3分間加熱が行われる。
好適な実施形態では、ステップc)における加熱速度は15℃/分〜40℃であり、3分間未満加熱が行われる。
別の実施形態では、ステップc)における加熱は、3分間未満、例えば2.5分間未満、2分間未満、1.5分間未満、1分間未満、又は30秒間未満行われる。
本発明の特定の実施形態では、ステップb)はステップa)の直後に実行される。
別の特定の実施形態では、焙煎温度プロファイルは、ステップa)の直後に実行されるステップb)、及びステップb)の直後に実行されるステップc)を含む。
特定の実施形態では、ステップb)又はc)で達した終点温度(すなわち、最高温度)は、焙煎したコーヒーが所望の色及び/又は味になるまで維持することができる。この利点は、色及び/又はアロマを更に強く発現させながら、アクリルアミドのレベルを低減できることである。
本発明の1つの特定の実施形態では、ステップa)の加熱速度とステップb)の加熱速度との比率は3〜15である。この利点は、メイラード反応が発生する160℃〜220℃の温度範囲内で経過する時間を最大化しながら、損失及び望ましくない異味(苦味、焦げた風味など)の発現につながるコーヒー豆の焦げを回避できることである。別の実施形態では、ステップa)の加熱速度とステップb)の加熱速度との比率は、4〜15、例えば5〜15、6〜15、7〜15、8〜15、9〜15、又は10〜15に含まれる。更に別の実施形態では、ステップa)の加熱速度とステップb)の加熱速度との比率は、3〜14、例えば3〜13、3〜12、3〜11、又は3〜10に含まれる。
本発明で使用されるコーヒー豆は、苛酷な熱処理が施されていないコーヒー生豆である。ただし、コーヒー生豆には、熱処理(予熱)又は化学前処理若しくは酵素前処理を含むがこれらに限られない前処理が、焙煎前に施されていてもよい。したがって、本発明の一実施形態では、コーヒー豆は、コーヒー生豆、水蒸気処理が施されたコーヒー生豆、酵素処理が施されたコーヒー生豆、カフェインが除去されたコーヒー生豆、30℃〜140℃まで予熱されたコーヒー生豆、及びCTnが120を超えるまで焙煎されたコーヒー豆を含むグループから選択される。
焙煎色及び焙煎時間は、所与のコーヒー原産地について、味、アロマ、及び望ましくない化合物のレベルを示す有用な指標である。一実施形態では、コーヒー豆は、コーヒー豆の色がCTn60未満、CTn50未満、又はCTn40未満になるまで焙煎される。
一実施形態では、コーヒー豆は熱風焙煎室内で焙煎される。好適な実施形態では、コーヒー豆は回転流動床(RFB)ロースター内で焙煎される。最も好適な実施形態では、空気流又は冷却ガス流を燃焼ガス流内に導入することによって、ステップa)とステップb)との間の加熱速度が変更される。通常、導入される空気の温度は周囲温度である。高温燃焼ガス流内に周囲温度の空気又は冷却ガスを導入すると、加熱速度が低下し、それによって本発明の焙煎温度プロファイルを得ることができる。空気流又は冷却ガス流は、RFB焙煎室に空気又は冷却ガスを供給し送り込むための装置内に配置された電気制御弁を使用して導入される。この電気制御は、コーヒー豆の焙煎中、加熱速度及び/又は焙煎温度を上昇又は低下させるために、弁の開閉を制御するよう設計されている。
本発明は以下の実施例を参照に、更に記載される。特許請求される本発明は、決してこれらの実施例によって限定されるものではないことが理解される。
実施例1
・焙煎されたコーヒー豆のCTnを測定する方法
焙煎されたコーヒー豆の焙煎度を、Neuhaus Neotec ColorTest II(登録商標)(Neuhaus Neotec(商標))を使用した色測定によって判定した。コーヒー豆の焙煎度はCTn値に反比例する。100gの焙煎されたコーヒー豆のサンプルをロースターから採取し、室内温度に到達させた。Dittingのグラインダーを使用して、サンプルを平均粒径800〜1000μmになるように粉砕した。挽きたてのコーヒーをかき混ぜて均質化し、40gの挽かれたコーヒーを、測定するサンプルカップ内に注ぎ、その表面を注意深く平坦化した。次に、サンプルカップを測定器ColourTest II(登録商標)のトレイ内に配置し、CTn値を測定した。CTn値の結果は、2回の測定の平均値に最も近い最大CTn単位として表現した。CTn値が低いほど、コーヒーの色は暗くなった。
・焙煎されたコーヒー豆のアクリルアミドのレベルを測定する方法
100gの焙煎されたコーヒー豆を、Retsch(登録商標)の回転式ミルで0.5mmのふるいを使用して挽いた。40μg/mLの標識付けされたアイソトポマーアクリルアミド溶液(内標準)を、2グラムの挽かれたサンプルに添加し、そのサンプルを20mLの水の中に抽出した。この抽出の後、5mLの2,2,4−トリメチルペンタンを添加し、室温で60分間攪拌することによって、非極性干渉産物を除去した。遠心分離(20分、10℃、4500rpm)の後、3mLの水性抽出物を採取し、3mLの水で希釈した。次に、アクリルアミドを含む水性画分を、Multimode(登録商標)カートリッジ(Biotage(商標))での固相抽出、それに続くENV+(登録商標)カートリッジ(Biotage(商標))での抽出によって更に精製した。抽出物に含まれたアクリルアミドを、その後濃縮させ、LC−MS/MSによって分析した。5μLのサンプルを、LCカラムShodex RSpak DE−413(Shodex(商標))の移動相A:0.01%蟻酸水溶液及び移動相B:LC−MSグレード100%メタノールに、流量0.6mL/分で注入した。次に、MS/MS Applied Biosystems Sciex 5500qQq(AB Sciex(商標))に化合物を通過させた。アクリルアミドの検出を、ソフトウェアAnalyst(登録商標)(AB Sciex(商標))を使用して、アクリルアミドに固有の保持時間に基づき行った。次の式を使用して、未知サンプル中のアクリルアミドの濃度の計算値を得た。
SAA=CSd3−AA ((AAA/Ad3−AA)−I)/S)
式中、CSAA=未知サンプル中のアクリルアミドの濃度
Sd3−AA=実サンプル中のd−AA(内標準)の濃度(μg/kg)
I=較正曲線の切片
S=較正曲線の傾き
AA=クロマトグラム上のアクリルアミドの面積
d3−AA=クロマトグラム上のd−アクリルアミドの面積
アクリルアミドの結果は小数点以下を含まずμg/kgで表現され、1ppb=1μg/kgである。
測定方法の不確定性は、13%〜15%と推定された。
実施例1は、ドラムロースターで(周囲空気を導入せずに)得られた温度プロファイルと比較された場合の、本発明の方法によって得られた焙煎温度プロファイルを示している。また、本発明の方法を使用してコーヒー豆を焙煎した場合、望ましくない化合物、すなわち、アクリルアミドのレベルが、ドラムロースターでの焙煎と比較して大幅に低下することも示している。
本発明による方法を使用して、同じ焙煎室内でコーヒー豆を焙煎した。ステップa)では、ロバスタ及びアラビカコーヒー豆が混合された35kgのバッチを、Neotec(商標)の回転流動床(RFB)ロースター内で、高温燃焼ガス流に接触させて流動化し、その結果、20.7℃/分の加熱速度で5分間の加熱が行われた。ステップb)では、周囲温度の空気を燃焼ガス流内に導入し、その結果、6.1℃/分の加熱速度で4.1分間の加熱が行われた。
本発明による方法を使用して実現され、Neuhaus Neotec ColorTest II(登録商標)分光光度計を使用する上述の方法に従って測定された焼き色は、CTn74であった。
本発明による方法によって焙煎され、上述の方法に従って測定されたサンプル中のアクリルアミドのレベルは298ppbであった。
本発明による焙煎温度プロファイルが、図1に示されている(RFB、実線の曲線)。
比較を目的として、1ステップの焙煎方法をドラムロースターで採用した。ロバスタ及びアラビカコーヒー豆が混合された410kgのバッチ(上記で使用したものと同じ仕様)を高温燃焼ガス流と接触させ、その結果、加熱速度9℃/分で10分間の加熱が行われた。
ドラムロースターを使用して実現され、Neuhaus Neotec ColorTest II(登録商標)分光光度計を使用する上述の方法に従って測定された焼き色はCTn75であった。
ドラムロースターで焙煎されたサンプル中のアクリルアミドのレベルは369ppbであった。
ドラムロースターで得られた焙煎温度プロファイルが、図1に示されている(ドラム、点線の曲線)。
結論としては、これらの結果は、本発明の焙煎温度プロファイルを使用すると、より短い焙煎時間で驚くほど低いアクリルアミドのレベルが実現されることを示している。実際、典型的には焙煎時間が長い方がアクリルアミドのレベルを低減できると理解されているが、ドラムロースターで実行された1段階の焙煎は、より長い時間実行されたにもかかわらず、発生したアクリルアミドのレベルが、本発明の方法を使用して得られたレベルと比較して明らかに高かった。
実施例2
実施例2では、ドラムロースターで(周囲空気を導入せずに)得られた温度プロファイルと比較された場合の、本発明の方法によって得られた焙煎温度プロファイルを示す。また、本発明の方法を使用してコーヒー豆を焙煎した場合、望ましくない化合物、すなわち、アクリルアミドのレベルが、より短い焙煎時間にもかかわらず、ドラムロースターでの焙煎と比較して大幅に低下したことも示す。
本発明による方法を使用して、同じ焙煎室内でコーヒー豆を焙煎した。ステップa)では、400kgの乾燥処理されたアラビカコーヒー豆のバッチを、Neotec(商標)RFBロースター内で高温燃焼ガス流と接触させて流動化し、その結果、32.5℃/分の加熱速度で2分間の加熱が行われた。本方法のステップb)では、周囲温度の空気を高温燃焼ガス流内に導入し、その結果、6.9℃/分の加熱速度で5.5分間の加熱が行われた。
本発明による方法を使用して実現され、Neuhaus Neotec ColorTest II(登録商標)分光光度計を使用する上述の方法に従って測定された焼き色は、CTn141であった。
本発明による方法によって焙煎され、上述の方法に従って測定されたサンプル中のアクリルアミドのレベルは377ppbであった。
本発明による焙煎温度プロファイルが、図2に示されている(RFB、実線の曲線)。
比較を目的として、1ステップの焙煎方法をドラムロースターで採用した。262kgの乾燥処理されたアラビカコーヒー豆のバッチ(上記と同じ仕様)を高温燃焼ガス流と接触させ、その結果、加熱速度7.9℃/分で7.5分間の加熱が行われた。
ドラムロースターを使用して実現され、Neuhaus Neotec ColorTest II(登録商標)分光光度計を使用する上述の方法に従って測定された焼き色はCTn154であった。
ドラムロースターで焙煎されたサンプル中のアクリルアミドのレベルは518ppbであった。
ドラムロースターで得られた焙煎温度プロファイルが、図2に示されている(ドラム、点線の曲線)。
実施例3
この実施例では、パドルロースターで(周囲空気を導入せずに)得られた温度プロファイルと比較された場合の、本発明の方法によって得られた焙煎温度プロファイルを示す。
本発明による方法を使用して、単一の焙煎室内でコーヒー豆を焙煎した。ステップa)では、アラビカ及びロバスタコーヒー豆が混合された330kgのバッチをNeotec(商標)RFBロースター内で高温燃焼ガス流と接触させて流動化し、その結果、35.6℃/分の加熱速度で2.3分間の加熱が行われた。ステップb)では、周囲温度の空気を高温燃焼ガス流内に導入し、その結果、6.3℃/分の加熱速度で3.5分間加熱が行われた。
本発明による方法を使用して実現され、Neuhaus Neotec ColorTest II(登録商標)分光光度計を使用する上述の方法に従って測定された焼き色は、CTn95であった。
本発明による方法によって焙煎され、上述の方法に従って測定されたサンプル中のアクリルアミドのレベルは337ppbであった。
本発明による焙煎温度プロファイルが、図3に示されている(RFB、実線の曲線)。
比較を目的として、2ステップの焙煎方法をパドルロースターで採用した。アラビカ及びロバスタコーヒー豆が混合された330kgのバッチ(上記と同じ仕様)を高温燃焼ガス流と接触させ、その結果、加熱速度14.5℃/分で3.7分間の加熱が行われ、それに続く段階では、6.4℃/分で2.2分間の加熱が行われた。
パドルロースターを使用して実現され、Neuhaus Neotec ColorTest II(登録商標)分光光度計を使用する上述の方法に従って測定された焼き色はCTn95であった。
パドルロースターで焙煎されたサンプル中のアクリルアミドのレベルは466ppbであった。
パドルロースターで得られた焙煎温度プロファイルが、図3に示されている(パドル、点線の曲線)。
図3から、本発明によるステップa)の加熱速度とステップb)の加熱速度との比率はパドルロースターでは実現できず、異なる温度プロファイルが得られることがわかる。実際、パドルロースターにおける加熱速度は大幅に低下したが、加熱速度の傾き(図3の点線)はほぼ一定である。本発明の温度プロファイルを使用して得られたアクリルアミドのレベルによって、アクリルアミドのレベルを、パドルロースターで得られたアクリルアミドのレベルと比較して大幅に低減することができた。
実施例4
この実施例では、加熱ステップa)、b)、及びc)を含む本発明による焙煎温度プロファイルを示す。
本発明による方法を使用して、同じ焙煎室内でコーヒー豆を焙煎した。ステップa)では、35kgの乾燥処理されたアラビカコーヒー豆のバッチを、Neotec(商標)の回転流動床(RFB)ロースター内で、高温燃焼ガス流に接触させて流動化し、その結果、21.2℃/分の加熱速度で3分間の加熱が行われた。ステップb)では、周囲温度の空気を燃焼ガス流内に導入し、その結果、2.4℃/分の加熱速度で8.7分間の加熱が行われた。ステップc)では、周囲空気の導入を中断し、その結果、15.3℃/分の加熱速度で2.9分間の加熱が行われた。
本発明による方法を使用して実現され、Neuhaus Neotec ColorTest II(登録商標)分光光度計を使用する上述の方法に従って測定された焼き色は、CTn74であった。
本発明による方法によって焙煎され、上述の方法に従って測定されたサンプル中のアクリルアミドのレベルは298ppbであった。
本発明による焙煎温度プロファイルが、図4に示されている(RFB、実線の曲線)。
本発明を例示により記載してきたものの、特許請求の範囲に記載の通りの本発明の範囲から逸脱せずに、変更及び改変をなすことができることは認識されたい。更には、特定の特徴に対して、既知の均等物が存在する場合、そのような均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのごとく組み込まれる。

Claims (10)

  1. コーヒー豆の焙煎方法であって、
    a)前記コーヒー豆を20℃/分〜40℃/分の加熱速度で前記コーヒー豆の温度が160℃〜220℃になるまで加熱するステップと、
    b)前記コーヒー豆を1℃/分〜10℃/分の加熱速度で加熱するステップと、を含み、
    ステップb)は最高温度が235℃に達するまで実行され、
    前記加熱ステップは同じ焙煎室内で実行される、方法。
  2. ステップb)の後に実行され、前記コーヒー豆を15℃/分〜40℃/分の加熱速度で最大3分間加熱するステップを含む、ステップc)を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. ステップa)は6分間以下実行される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記コーヒー豆は、ステップb)において1℃/分〜3℃/分の加熱速度で加熱される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップc)における前記加熱速度は、最大30秒間20℃/分を超える、請求項に記載の方法。
  6. ステップb)はステップa)の直後に実行される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップb)はステップa)の後に実行され、ステップc)はステップb)の後に実行される、請求項に記載の方法。
  8. 焙煎温度プロファイルの、前記ステップa)の加熱速度と前記ステップb)の加熱速度との比率は3〜15である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記コーヒー豆は、コーヒー生豆、水蒸気処理が施されたコーヒー生豆、酵素処理が施されたコーヒー生豆、カフェインが除去されたコーヒー生豆、30℃〜140℃まで予熱されたコーヒー生豆、及びCTnが120を超えるまで焙煎されたコーヒー豆を含むグループから選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記コーヒー豆は回転流動床ロースター内で焙煎される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
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