JP6919508B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
(C)成分は、粒径分布の変動係数が30%以下であり、平均粒径が0.01μm以上5μm以下である、樹脂組成物。
[2] (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以上である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] (C)成分の平均粒径が、0.1μm以上3μm以下である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] プリント配線板の絶縁層形成用である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 回路幅(L(μm))と回路間の幅(S(μm))の比(L/S)が、10μm/10μm以下の回路形成用である、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 算術平均粗さ(Ra)が150nm以下である表面を有する絶縁層を形成するための樹脂組成物である、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] レーザー照射によるビア形成用の樹脂組成物である、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] 樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物表面上の任意の10箇所を選び、その箇所での硬化物表面に垂直な断面像のうち、任意に選んだ幅100μm、深さ5μmの範囲を観察した場合に、
(C)成分の最大粒径をR1(μm)とし、(C)成分の平均粒径をR2(μm)としたとき、
R1<1.4×R2の関係を満たす、[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物表面上の任意の10箇所を選び、その箇所での硬化物表面に垂直な断面像のうち、任意に選んだ幅100μm、深さ5μmの範囲を観察した場合に、
(C)成分の平均粒径をR2(μm)としたとき、
粒径が(1.2×R2)μm以上である粒子の個数が4個以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 支持体と、該支持体上に設けられた、[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層とを含む、樹脂シート。
[11] 樹脂組成物層の厚みが、15μm以下である、[10]に記載の樹脂シート。
[12] 支持体と、該支持体上に設けられた、(C)無機充填材を含む樹脂組成物を含む樹脂組成物層とを備え、
樹脂組成物は、(C)無機充填材を、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以上含み、
樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物表面上の任意の10箇所を選び、その箇所での硬化物表面に垂直な断面像のうち、任意に選んだ幅100μm、深さ5μmの範囲を観察した場合に、
(C)無機充填材の最大粒径をR1(μm)とし、(C)無機充填材の平均粒径をR2(μm)としたとき、
R1<1.4×R2の関係を満たす、樹脂シート。
[13] 支持体と、該支持体上に設けられた、(C)無機充填材を含む樹脂組成物を含む樹脂組成物層とを備え、
樹脂組成物は、(C)無機充填材を、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以上含み、
樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物表面上の任意の10箇所を選び、その箇所での硬化物表面に垂直な断面像のうち、任意に選んだ幅100μm、深さ5μmの範囲を観察した場合に、
(C)無機充填材の平均粒径をR2(μm)としたとき、
粒径が(1.2×R2)μm以上である粒子の個数が4個以下である、樹脂シート。
[14] 第1の導体層、第2の導体層、及び、第1の導体層と第2の導体層との間に形成された絶縁層を含むプリント配線板であって、
該絶縁層は、[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物である、プリント配線板。
[15] [14]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物であって、(C)成分は、粒径分布の変動係数が30%以下であり、平均粒径が0.01μm以上5μm以下である。前記の(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、及び(C)所定の無機充填材を組み合わせて含むことにより、絶縁層が薄膜であっても絶縁性能とレーザー加工性とを両立させることが可能になるという、本発明の所望の効果を得ることができる。通常よりもシビアな条件によりこの樹脂組成物の硬化物の表面の粗化処理を行っても、粗化面の(C)無機充填材の脱離跡は均一で小さく、その結果、絶縁層が薄くとも絶縁信頼性を向上させることができる。したがって、この樹脂組成物の硬化物は、その優れた特性を活かして、プリント配線板の絶縁層として好ましく用いることができる。
樹脂組成物は、(A)成分として(A)エポキシ樹脂を含有する。(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
樹脂組成物は、(B)成分として(B)活性エステル化合物を含有する。活性エステル化合物を使用すると、通常スミア除去性が劣る。しかし、本発明の樹脂組成物は、後述する(C)無機充填材を含有するので、粗化処理を通常よりもシビアな条件で行っても、高い絶縁性能を達成できる。よって、粗化処理を通常よりもシビアな条件で行うことができるので、高いレーザー加工性を達成できる。
樹脂組成物は、(C)成分として(C)無機充填材を含有する。通常、(C)無機充填材は、粒子の状態で樹脂組成物に含まれる。(C)無機充填材の平均粒径は、0.01μm以上であり、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、0.3以上である。上限は、5μm以下であり、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下又は0.5μm以下である。(C)無機充填材の平均粒径がこの上限以下であることにより、絶縁層が薄くとも絶縁信頼性を向上させることができる。また、下限以上であることにより、樹脂組成物中の(C)無機充填材の充填性がより高まり、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。
R1<1.4×R2 (1)
R1<1.3×R2 (2)
R1<1.2×R2 (3)
樹脂組成物は、任意の成分として、(D)硬化剤を含んでいてもよい。但し、(B)活性エステル化合物は(D)硬化剤に含めない。(D)硬化剤としては、(A)エポキシ樹脂を硬化する機能を有するものであれば、特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。中でも、絶縁信頼性を向上させる観点から、(D)硬化剤は、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤のいずれか1種以上であることが好ましく、フェノール系硬化剤を含むことがより好ましい。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物は、任意の成分として、(E)硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤を用いることにより、樹脂組成物を硬化させる際に硬化を促進できる。
樹脂組成物は、任意の成分として、(F)熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。(F)熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、フェノキシ樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、任意の成分として、(G)難燃剤を含んでいてもよい。(G)難燃剤としては、例えば、ホスファゼン化合物、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられ、ホスファゼン化合物が好ましい。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更に任意の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物;増粘剤;消泡剤;レベリング剤;密着性付与剤;着色剤等の樹脂添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
上述した樹脂組成物の硬化物は、シビアな条件下で粗化処理を行うことができるので、スミア除去性に優れるという特性を示す。よって、この硬化物はレーザー加工性も優れる。したがって、本発明の樹脂組成物を用いることにより、レーザー加工性に優れる絶縁層を得ることができる。例えば、上述した樹脂組成物を用いて絶縁層を形成し、レーザーを用いてビアホールを形成した後に粗化処理を行う。この場合、ビアホール底部の壁面からの最大スミア長を、通常3μm未満にできる。
本発明の樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた樹脂組成物層と、を有する。樹脂組成物層は、本発明の樹脂組成物を含む層であり、通常は、樹脂組成物で形成されている。上述した樹脂組成物によれば、硬化物の厚みが薄くても絶縁性能に優れるので、樹脂組成物層の厚さを薄くすることが可能である。
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層、第1の導体層、及び第2の導体層を含む。絶縁層は、第1の導体層と第2の導体層との間に設けられていて、第1の導体層と第2の導体層とを絶縁している(導体層は配線層ということがある)。
(I)内層基板上に、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。
無機充填材の平均粒径R2、及び変動係数の測定は、上記した方法により行った。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828US」、エポキシ当量約180)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX4000H」、エポキシ当量約190)20部、及びビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YL7760」、エポキシ当量約238)10部、ホスファゼン樹脂(大塚化学社製「SPS−100」)3部、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部をMEK60部に撹拌しながら加熱溶解させた。
実施例1において、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)6部を、硬化促進剤(4−ピロリジノピリジン(PPY)、固形分5質量%の1−メトキシ2−プロパノール溶液)6部に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物2を作製した。
実施例1において、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ粒子(日本触媒社製「シーホスターKE−S20」、粒径分布の変動係数5.0%、平均粒径0.2μm)170部を、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ粒子(日本触媒社製「シーホスターKE−S30」、粒径分布の変動係数3.1%、平均粒径0.3μm)170部に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物3を作製した。
実施例3において、活性エステル化合物(DIC社製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)40部を、活性エステル化合物(DIC社製「EXB9416−70BK」、活性基当量約274、固形分70質量%のMIBK(メチルイソブチルケトン)溶液)37部に変更した。以上の事項以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物4を作製した。
実施例3において、さらにカルボジイミド系硬化剤(日清紡ケミカル社製「V−03」、活性基当量約216、固形分50質量%のトルエン溶液)10部を加えた。以上の事項以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物5を作製した。
実施例1において、
1)活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)40部を、ナフトール系硬化剤(新日鉄住金化学社製「SN−485」、活性基当量約215)7.2部に変更し、
2)フェノール系硬化剤(DIC社製「LA−3018−50P」、活性基当量約151、固形分50%の2−メトキシプロパノール溶液)16部を、フェノール系硬化剤(DIC社製「LA−7054」、活性基当量性約124、固形分60%のMEK溶液)12部に変更し、
3)アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ粒子(日本触媒社製「シーホスターKE−S20」、粒径分布の変動係数5.0%、平均粒径0.2μm)170部を110部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、比較用樹脂組成物1を作製した。
比較例1において、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ粒子(日本触媒社製「シーホスターKE−S20」、粒径分布の変動係数5.0%、平均粒径0.2μm)110部を、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ粒子(日本触媒社製「シーホスターKE−S30」、粒径分布の変動係数3.1%、平均粒径0.3μm)110部に変更した。以上の事項以外は比較例1と同様にして、比較用樹脂組成物2を作製した。
実施例1において、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ粒子(日本触媒社製「シーホスターKE−S20」、粒径分布の変動係数5.0%、平均粒径0.2μm)170部を、アミン系シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO−C1」、粒径分布の変動係数41%、平均粒径0.3μm、)170部に変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、比較用樹脂組成物3を作製した。
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL−5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、以下「離型PET」ということがある。)を用意した。
作製した樹脂シートAの保護フィルムを剥離し、200℃にて90分間加熱して樹脂組成物層を熱硬化させた後、支持体を剥離した。得られた硬化物を「評価用硬化物B」と称する。評価用硬化物Bについて、日本工業規格(JIS K7127)に準拠して、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製「RTC−1250A」)により引っ張り試験を行い、破断点伸度を測定した。
評価用硬化物B表面に垂直な断面像のうち、任意に選んだ幅100μm、深さ5μmの範囲をFIB−SEM複合装置(SIIナノテクノロジー社製「SMI3050SE」)を用いて断面観察を行った。各FIB−SEM画像において、幅100μm、深さ5μmの範囲での無機充填材の最大粒径R1(μm)、及び粒径が(1.2×R2)μm以上の粒子の個数を測定した。粒径は直径となる2点をプロットし、上記装置を用いて計算することで算出した。この操作を無作為に選んだ任意の10箇所にて行い、それぞれの平均値を表に示した。
(1)内層回路基板の下地処理
内層回路基板として、L/S(ライン/スペース)=2μm/2μmの配線パターンにて形成された回路導体(銅)を両面に有するガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ3μm、基板厚み0.15mm、三菱ガス化学社製「HL832NSF LCA」、255×340mmサイズ)を用意した。該内層回路基板の両面を、表面処理液(メック社製「FlatBOND−FT」)にて銅表面の有機被膜処理を行った。
作製した各樹脂シートAから保護フィルムを剥がし、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、2ステージビルドアップラミネーター、CVP700)を用いて、樹脂組成物層が内層回路基板と接するように、内層回路基板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、130℃、圧力0.74MPaにて45秒間圧着させることにより実施した。次いで、120℃、圧力0.5MPaにて75秒間熱プレスを行った。
樹脂シートがラミネートされた内層回路基板を、100℃のオーブンに投入後30分間、次いで180℃のオーブンに移し替えた後30分間、熱硬化して厚みが5μmの絶縁層を形成した。これを基板Cとする。
基板Cの離型PETを剥離し、絶縁層に粗化処理としてのデスミア処理を行った。なお、デスミア処理としては、下記の湿式デスミア処理を実施した。
膨潤液(アトテックジャパン社製「スウェリングディップ・セキュリガントP」、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び水酸化ナトリウムの水溶液)に60℃で5分間、次いで酸化剤溶液(アトテックジャパン社製「コンセントレート・コンパクトCP」、過マンガン酸カリウム濃度約6%、水酸化ナトリウム濃度約4%の水溶液)に80℃で20分間、最後に中和液(アトテックジャパン社製「リダクションソリューション・セキュリガントP」、硫酸水溶液)に40℃で5分間、浸漬した後、80℃で15分間乾燥した。これを粗化基板Dとする。
(5−1)無電解めっき工程
上記粗化基板Dの絶縁層の表面に導体層を形成するため、下記1〜6の工程を含むめっき工程(アトテックジャパン社製の薬液を使用した銅めっき工程)を行って導体層を形成した。
粗化基板Dの表面を、Cleaning Cleaner Securiganth 902(商品名)を用いて60℃で5分間洗浄した。
2.ソフトエッチング(ビアホール内の洗浄)
粗化基板Dの表面を、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で1分間処理した。
3.プレディップ(Pd付与のための絶縁層の表面の電荷の調整)
粗化基板Dの表面を、Pre. Dip Neoganth B(商品名)を用い、室温で1分間処理した。
4.アクティヴェーター付与(絶縁層の表面へのPdの付与)
粗化基板Dの表面を、Activator Neoganth 834(商品名)を用い、35℃で5分間処理した。
5.還元(絶縁層に付与されたPdを還元)
粗化基板Dの表面を、Reducer Neoganth WA(商品名)とReducer Acceralator 810 mod.(商品名)との混合液を用い、30℃で5分間処理した。
6.無電解銅めっき工程(Cuを絶縁層の表面(Pd表面)に析出)
粗化基板Dの表面を、Basic Solution Printganth MSK−DK(商品名)と、Copper solution Printganth MSK(商品名)と、Stabilizer Printganth MSK−DK(商品名)と、Reducer Cu(商品名)との混合液を用いて、35℃で20分間処理した。形成された無電解銅めっき層の厚さは0.8μmであった。
次いで、アトテックジャパン社製の薬液を使用して、ビアホール内に銅が充填される条件で電解銅めっき工程を行った。その後に、エッチングによるパターニングのためのレジストパターンとして、ビアホールに導通された直径1mmのランドパターン、及び下層導体とは接続されていない直径10mmの円形導体パターンを用いて絶縁層の表面に10μmの厚さでランド及び導体パターンを有する導体層を形成した。次に、アニール処理を200℃にて90分間行った。この基板を「絶縁性評価用基板E」とした。
粗化基板Dを、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値によりRa値、Rz値を求めた。それぞれ、無作為に選んだ10点の平均値を求めることにより測定した。
絶縁性評価用基板EをFIB−SEM複合装置(SIIナノテクノロジー社製「SMI3050SE」)を用いて、断面観察を行った。詳細には、導体層の表面に垂直な方向における断面をFIB(集束イオンビーム)により削り出し、断面SEM画像から、導体層間の絶縁層厚を測定した。各サンプルにつき、無作為に選んだ5箇所の断面SEM画像を観察し、その平均値を導体層間の絶縁層の厚み(μm)とし、下記表に示した。
上記において得られた絶縁性評価用基板Eの直径10mmの円形導体側を+電極とし、直径1mmのランドと接続された内層回路基板の格子導体(銅)側を−電極として、高度加速寿命試験装置(ETAC社製「PM422」)を使用し、130℃、85%相対湿度、3.3V直流電圧印加の条件で200時間経過させた際の絶縁抵抗値を、エレクトロケミカルマイグレーションテスター(J−RAS社製「ECM−100」)にて測定した。この測定を6回行い、6点の試験ピース全てにおいてその抵抗値が107Ω以上の場合を「○」とし、1つでも107Ω未満の場合は「×」とし、評価結果と絶縁抵抗値とともに下記表に示した。下記表に記載の絶縁抵抗値は、6点の試験ピースの絶縁抵抗値の最低値である。
(1)ビアホール形成
基板Cに対し、松下溶接システム社製CO2レーザー加工機(YB−HCS03T04)を使用し、周波数2000Hzでパルス幅8μ秒、ショット数3の条件で絶縁層を穴あけ加工して、絶縁層表面におけるビアホールのトップ径(直径)が25μm、絶縁層底面におけるビアホール底部の直径が20μmのビアホールを形成した。
離型PETを剥離し、絶縁層に粗化処理としてのデスミア処理を行った。なお、デスミア処理としては、下記の湿式デスミア処理を実施した。
膨潤液(アトテックジャパン社製「スウェリングディップ・セキュリガントP」、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び水酸化ナトリウムの水溶液)に60℃で5分間、次いで酸化剤溶液(アトテックジャパン社製「コンセントレート・コンパクトCP」、過マンガン酸カリウム濃度約6%、水酸化ナトリウム濃度約4%の水溶液)に80℃で20分間、最後に中和液(アトテックジャパン社製「リダクションソリューション・セキュリガントP」、硫酸水溶液)に40℃で5分間、浸漬した後、80℃で15分間乾燥した。
ビアホールの底部の周囲を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、得られた画像からビアホール底部の壁面からの最大スミア長を測定した。最大スミア長が3μm未満であった場合を「○」とし、最大スミア長が3μm以上であった場合を「×」と評価した。
Claims (13)
- (A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物であって、
(C)成分は、粒径分布の変動係数が20%以下であり、平均粒径が0.01μm以上5μm以下である、樹脂組成物。 - (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- (C)成分の平均粒径が、0.1μm以上3μm以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- プリント配線板の絶縁層形成用である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 回路幅(L(μm))と回路間の幅(S(μm))の比(L/S)が、10μm/10μm以下の回路形成用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 算術平均粗さ(Ra)が150nm以下である表面を有する絶縁層を形成するための樹脂組成物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- レーザー照射によるビア形成用の樹脂組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物表面上の任意の10箇所を選び、その箇所での硬化物表面に垂直な断面像のうち、任意に選んだ幅100μm、深さ5μmの範囲を観察した場合に、
(C)成分の最大粒径をR1(μm)とし、(C)成分の平均粒径をR2(μm)としたとき、
R1<1.4×R2の関係を満たす、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物表面の任意の10箇所を選び、その箇所での硬化物表面に垂直な断面像のうち、任意に選んだ幅100μm、深さ5μmの範囲を観察した場合に、
(C)成分の平均粒径をR2(μm)としたとき、
粒径が(1.2×R2)μm以上である粒子の個数が4個以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 支持体と、該支持体上に設けられた、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層とを含む、樹脂シート。
- 樹脂組成物層の厚みが、15μm以下である、請求項10に記載の樹脂シート。
- 第1の導体層、第2の導体層、及び、第1の導体層と第2の導体層との間に形成された絶縁層を含むプリント配線板であって、
該絶縁層は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物である、プリント配線板。 - 請求項12に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
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