JP6915964B2 - リチウムイオン二次電池用非水電解液 - Google Patents
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Description
一方、非水電解液の電解質としては、前記LiBF4、LiPF6が溶解された非水電解液は、リチウムイオンの移送を表す導電率が高く、かつLiBF4、LiPF6の酸化分解電圧が高いために高電圧において安定であることが知られており、リチウムイオン二次電池の有する高電圧、高エネルギー密度という特性を引き出すことに寄与している。
かかる目的を達成するため、非水電解液について、従来から、電解質であるリチウム塩の構造を特定化することや、特定の化合物を添加することが種々提案されている。例えば、特許文献3には、非水電解液中に、特定構造を有するビニルスルホン誘導体を添加することや、特許文献4には、特定の構造を有する二官能酸リチウム塩以外のリチウム塩であって、ホウ素原子を有さないリチウム塩を添加することが知られている。
しかし、従来の非水電解液は、コストの点も含めて必ずしも十分に満足できものではなく、蓄電デバイス用の非水電解液には、そのためのさらなる改良が求められている。
(1)正極活物質がリチウム含有遷移金属複合酸化物を含み、かつ負極活物質が炭素材料を含む(ケイ素、スズを含まない)リチウムイオン二次電池用非水電解液であって、
非水溶媒に電解質を溶解してなり、前記電解質が前記非水溶媒に溶解するリチウム塩であり、かつ、四ホウ酸若しくはその塩、又はメタホウ酸若しくはその塩からなるホウ酸化合物と、下記の式(1)で表される2つのスルホン酸基を有する環状若しくは鎖状のジスルホン酸塩若しくはエステルからなるスルホン酸化合物と、を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用非水電解液。
M 1 −O−(O=) 2 S−C(R 1 R 2 )−S(=O) 2 −O−M 2 (1)
(式(1)中、R 1 及びR 2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜6を有するアルキル基、炭素数が2〜6を有するアルケニル基、又は炭素数が1〜6を有するアルコキシ基である。M 1 及びM 2 はアルカリ金属又は炭素数が1〜6を有するアルキル基である。)
(3)上記(1)又は(2)に記載の非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池。
Li(NixCoyMnz)O2 (2)
(式中、xは0.2≦x≦0.9であって、yは0≦y≦0.5であり、zは0≦z≦0.9である。)
(5)前記式(2)において、xが0.5より大きく、かつyが0.3より小さい上記(4)に記載のリチウムイオン二次電池。
<非水溶媒>
本発明の非水電解液で使用する非水溶媒は、種々のものを用いることができる。例えば、非プロトン性極性溶媒が好ましい。その具体例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート及び4,5−ジフルオロエチレンカーボネートになどの環状カーボネート;γープチロラクトン及びγーバレロラクトンなどのラクトン;スルホランなどの環状スルホン;テトラヒドロフラン及びジオキサンなどの環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロビルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート及びメチルトリフルオロエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルエーテルなどの鎖状エーテル;プロピオン酸メチルなどの鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタンなどの鎖状グリコールエーテル;1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(CF2HCF2CH2OCF2CF2H)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル(CF3CF2CH2OCF2CF2H)、エトキシ−2,2,2−トリフルオロエトキシ−エタン(CF3CH2OCH2CH2OCH2CH3)等のフッ素置換エーテルが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、不飽和環状炭酸エステルが0.01質量%よりも小さい場合には、負極表面に良好な被膜が形成されなくなるためサイクル特性が低下し、逆に5質量%より大きい場合には、例えば、高温保存時に電解液がガス発生しやすい状態となり、電池内の圧力が上昇するなど実用上好ましくない状態になる。
また、本発明で使用される別の不飽和環状炭酸エステルとしては、下記の一般式(II)で表されるアルケニルエチレンカーボネートが挙げられる。
本発明の非水電解液の溶質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩については、上記非水溶媒に溶解しうるものであれば特に限定はされない。その具体例として例えば、以下の通りである。
(A)無機リチウム塩:
LiPF6、LiAsF6、LiBF4等の無機フッ化物塩、LiClO4、LiBrO4、LiIO4、等の過ハロゲン酸塩など。
(B)有機リチウム塩:
LiCF3SO3等の有機スルホン酸塩、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のパーフルオロアルキルスルホン酸イミド塩、LiC(CF3SO2)3等のパーフルオロアルキルスルホン酸メチド塩、LiPF(CF3)5、LiPF2(CF3)4、LiPF3(CF3)3、LiPF2(C2F5)4、LiPF3(C2F5)3、LiPF(n−C3F7)5、LiPF2(n−C3F7)4、LiPF3(n−C3F7)3、LiPF(iso−C3F7)5、LiPF2(iso−C3F7)4、LiPF3(iso−C3F7)3、LiB(CF3)4、LiBF(CF3)3、LiBF2(CF3)2、LiBF3(CF3)、LiB(C2F5)4、LiBF(C2F5)3、LiBF2(C2F5)2、LiBF3(C2F5)、LiB(n−C3F7)4、LiBF(n−C3F7)3、LiBF2(n−C3F7)2、LiBF3(n−C3F7)、LiB(iso−C3F7)4、LiBF(iso−C3F7)3、LiBF2(iso−C3F7)2、LiBF3(iso−C3F7)等の一部のフッ素をパーフルオロアルキル基で置換した無機フッ化物塩フルオロホスフェート、パーフルオロアルキルの含フッ素有機リチウム塩が挙げられる。
本発明の非水電解液には、四ホウ酸若しくはその塩、又はメタホウ酸若しくはその塩からなるホウ酸化合物とスルホン酸塩若しくはエステル又はスルホン酸無水物とが添加される。
<ホウ酸化合物>
ホウ酸化合物としては、四ホウ酸(H2B4O6)若しくはその塩、又はメタホウ酸(HBO2)若しくはその塩からなるホウ酸化合物が被覆されている。四ホウ酸及びメタホウ酸は、無水物でも無水和物から多水和物でもよく、それらの結晶形も斜方晶、単斜晶、立方晶のいずれでもよい。まtが、メタホウ酸の三量体などホウ酸分子が会合した多量体項を有していてもよい。
本発明における、スルホン酸塩若しくはエステル又はスルホン酸無水物は、鎖状又は環状のいずれでもよく、以下のものが例示される。
スルホン酸塩としては、本発明の非水電解液で使用される非水溶媒に溶解な化合物が好ましい。溶解性がある限り、その塩の種類は問われない。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄等の多価金属塩;テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のアンモニウム塩;ジメチルイミダゾリウム、ジメチルイミダゾリウム、エチルメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩;メチルピリジウム、エチルピリジウム等のピリジウム塩などが使用できる。なかでも、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩が好ましい。
なかでも、メタンジスルホン酸ジメチル、メタンジスルホン酸ジエチル、メタンジスルホン酸ビス(トリメチルシリル)、メチレンメタンジスルホン酸、メタンジスルホン酸エチレン、エチレンジスルホン酸メチレン、エタンジスルホン酸ビス(トリメチルシリル)、プロパンジスルホン酸メチレン、エタンジスルホン酸ジメチル、エタンジスルホン酸ジエチル、又はブタンジスルホン酸ジメチルが好ましい。
なかでも、1,2−エタンジスルホン酸無水物、1,3−プロパンジスルホン酸無水物、1,4−ブタンジスルホン酸無水物、テトラフルオロ−1,2−エタンジスルホン酸無水物、ヘキサフルオロ−1,3−プロパンジスルホン酸無水物、又はオクタフルオロ−1,4−ブタンジスルホン酸無水物が好ましい。
M1−O−(O=)2S−C(R1R2)−S(=O)2−O−M2 (1)
上記式(1)中、R1及びR2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜6、好ましくは1〜4を有する、アルキル基、アルケニル基若しくはアルコキシ基である。R1及びR2は、一緒になって環を形成していてもよい。M1及びM2は、アルカリ金属、又は炭素数が1〜6、好ましくは1〜4を有するアルキル基である。アルキル基、アルケニル基、及びアルコキシ基は直鎖状でも分岐状でもよい。アルカリ金属は、リチウムが好ましい。M1及びM2は、一緒になって環を形成していてもよい。
なかでも、1,1−メタンジスルホン酸ジリチウム、1,2−エタンジスルホン酸ジリチウム、1,3−プロパンジスルホン酸ジリチウム、1,4−ブタンジスルホン酸ジリチウム、メトキシメタンジスルホン酸ジリチウム、エトキシメタンジスルホン酸ジリチウム、1,1−プロペ−2−イルジスルホン酸ジリチウム等のスルホン酸塩類、メタンジスルホン酸ジメチル、メタンジスルホン酸ジエチル、メタンジスルホン酸ビス(トリメチルシリル)、メチレンメタンジスルホン酸、メタンジスルホン酸エチレン、エチレンジスルホン酸メチレン、エタンジスルホン酸ビス(トリメチルシリル)、プロパンジスルホン酸メチレン、エタンジスルホン酸ジメチル、エタンジスルホン酸ジエチル、ブタンジスルホン酸ジメチル等のスルホン酸エステル類、1,2−エタンジスルホン酸無水物、1,3−プロパンジスルホン酸無水物、1,4−ブタンジスルホン酸無水物、テトラフルオロ−1,2−エタンジスルホン酸無水物、ヘキサフルオロ−1,3−プロパンジスルホン酸無水物、オクタフルオロ−1,4−ブタンジスルホン酸無水物等のスルホン酸無水物類が好ましい。
一方、スルホン酸塩若しくはエステル又はスルホン酸無水物の含有量は、好ましくは0.0001〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜3質量%、特に好ましくは0.01〜2質量%である。含有量が0.0001質量%未満では、抵抗低減効果が少なくなってしまう。10質量%を超えた場合では、被膜抵抗が高くなり、寿命性能が悪くなり、好ましくない。
本発明の非水電解液中には、蓄電デバイスの寿命性能や抵抗性能を改善する目的で、上記特定の添加物質以外に更なる添加物質が含有されていてもよい。更なる添加物質としては、含硫黄化合物(前記スルホン酸塩若しくはエステル又はスルホン酸無水物を除く)、カルボン酸化合物、及び含ホウ素化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が使用できる。
上記含硫黄化合物としては、エチレンサルファイト、ヘキサヒドロベンゾ[1,3,2]ジオキサチオラン−2−オキシド(1,2−シクロヘキサンジオールサイクリックサルファイトともいう)、5−ビニル−ヘキサヒドロ1,3,2−ベンゾジオキサチオール−2−オキシド、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、1,3−ブタンジオールジメタンスルホネート、メチレンメタンジスルホン酸、エチレンメタンジスルホン酸、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド、ジビニルスルホン、1,2−ビス(ビニルスルホ二ル)メタンが挙げられる。
上記の更なる添加物質は、それぞれの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、非水電解液が上記の更なる添加物質を含有する場合、添加物質によっても異なるが、非水電解液における上記の更なる添加物質の含有量は、0.01〜5質量%が好ましくは、0.1〜2質量%がより好ましい。
本発明の非水電解液は、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、正極又は負極の一方が電池で他方が二重層であるハイブリッド型電池などの種々の蓄電デバイスにて使用できる。以下は、その代表例のリチウムイオン二次電池について説明する。
負極を構成する負極活物質としては、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な炭素材料、金属リチウム、リチウム含有合金、又はリチウムとの合金化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な酸化スズ、酸化シリコン、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属酸化物、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属窒素化合物、あるいはこれらの混合物のいずれをも用いることができる。なお、負極は、銅製の箔やエキスパンドメタルなどの集電体上に、負極活物質が形成された構成が一般的である。負極活物質の集電体への接着性を向上させるために例えば、ポリフッ化ビニリデン系バインダー、ラテックス系のバインダーなどを含有してもよく、導電助剤としてカーボンブラック、アモルファスウイスカーカーボンなどを加えて使用してもよい。
また、リチウムとの合金化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金、リチウムイオンのド−プ・脱ドープが可能な酸化スズ、酸化シリコン、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属酸化物を用いた場合は、いずれも上述の炭素質材料よりも重量あたりの理論容量が高く、好適な材料である。
本発明において、正極活物質としては、下記式(2)で表される層状岩塩構造型のリチウム複合化合物が好まししい。
Li(NixCoyMnz)O2 (2)
但し、式(2)において、xは0.2≦x≦0.9であり、yは0≦y≦0.5であり、zは0≦x≦0.9である。
なかでも、正極活物質のNi含有量である、x(Ni/Ni(Ni+Co+Mn))は、モル比で、0.2〜0.8が好ましく、0.3〜0.7がより好ましい。また、正極活物質のCo含有量である、y(Co/(Ni+Co+Mn))は、モル比で、0.1〜0.5が好ましく、0.2〜0.4がより好ましい。また、正極活物質のMn含有量である、z(、Mn/(Ni+Co+Mn))は、モル比で、0.1〜0.5が好ましく、0.2〜0.4がより好ましい。
かかる正極活物質の好ましい例としては、LiNi6/10Mn4/10O2、LiNi7/10Mn3/10O2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi5/10Co2/10Mn3/10O2、LiNi6/10Co2/10Mn2/10O2、LiNi7/10Co1/10Mn2/10O2、LiNi8/10Co1/10Mn1/10O2が挙げられる。
LixMPO4 (3)
但し、式(1)において、Mは、Co、Ni、Mn及びFeからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素であり、0<x≦2であり、好ましくは0.05≦x≦1.20が好ましい。
かかるオリビン型リチウム複合化合物の好ましい例としては、LiFePO4、LiNiPO4、LiMnPO4等が挙げられる。
また、正極は、アルミニウム、チタン、若しくはステンレス製の箔、又はエキスパンドメタルなどの集電体上に、正極活物質が形成された構成が一般的である。正極活物質の集電体への接着性を向上させるために、例えば、ポリフッ化ビニリデン系バインダー、正極内の電子伝導性を向上させるためにカーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどを含有してもよい。
本発明の非水電解液は、該非水電解液により高分子物質を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよく、また、多孔性ポリオレフィンフィルムと高分子電解質を併用した形のセパレータに非水電解液をしみこませてもよい。
本発明の非水電解液を使用したリチウムイオン二次電池の形状については特に限定されることはなく、円筒型、角型、アルミラミネート型、コイン型、ボタン型などの種々の形状にすることができる。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)の混合溶媒(体積混合比が30:68:2)に、リチウム塩としてLiPF6を1mol/リットルの濃度になるように加え、溶解させて非水電解液1-1を調製した。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)の混合溶媒(体積混合比が30:68:2)に、リチウム塩としてLiPF6を1mol/リットルの濃度になるように加え、四ホウ酸リチウムを0.1質量%加え溶解させた。
上記溶液に対して、それぞれ、プロペンスルトン、エチレンメタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸無水物、をいずれも1.0質量%加えて溶解させることにより非水電解液1-2、1−3、1−4を調製した。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)の混合溶媒(体積混合比が30:68:2)に、リチウム塩としてLiPF6を1mol/リットルの濃度になるように加え、四ホウ酸リチウムを0.1質量%、1,3−プロパンジスルホン酸無水物を0.5質量%加えて溶解させた。
上記溶液に対して、それぞれ、1,2−エタンジスルホン酸ジリチウム、1,3−プロパンジスルホン酸ジリチウム、1,4−ブタンジスルホン酸ジリチウムをいずれも0.5質量%加えて溶解させることにより非水電解液2-1、2−2、2−3を調製した。
<正極の作製>
正極活物質として、Ni:Mn:Coの比率が5:3:2であるリチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物粉末91質量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン5質量%と、導電剤であるアセチレンブラック4質量%とを混合してなる正極合材に、N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製し、これを厚さ18μmのアルミニウム箔集電体両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延することによって正極を作製した。
人造黒鉛化性炭素粉末95.8質量%、バインダーであるスチレンブタジエンゴム(SBR)2.0質量%及びカルボキシメチルセルロース2.2質量%水溶液を混合し、分散媒に水を用いてスラリーを調製し、このスラリーを厚さ12μmの銅箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延することによって負極を作製した。
上記で作製した正極と、上記で作製した負極とがセパレータ(東レバッテリセパレータフィルム燃化学社製、F23DHA)を介して巻回された扁平巻状電極群をケースに収納して、縦30mm×横30mm×厚さ2.0mmの直方体形状を有する電池セルを作製した。
上記で作製した電池セルを用いて以下のような手順でラミネート電池を作製した。
a.各種電解液を0.6g量り採り、電池セルの注液口に注液し、減圧したのち注液口を封口した。
b.封口した電池セルを45℃雰囲気下に保った状態で、4.4Vまで12mAで充電した後、3.0Vまで12mAで放電した。
c.3.0Vまで放電した電池セルの内部ガスを減圧除去し電池を作製した。
上記で作製した電池について、以下のように充放電特性を測定した。
a.容量維持率
45℃雰囲気下にて1Cレートで4.35V充電した後、同雰囲気下で1Cレートで3.0V放電し、その放電容量値を初期容量値とした。次いで、同条件で、300回を繰り返し、300回目の放電容量値をサイクル後容量値とした。この初期容量値及びサイクル後容量値より下記式を用いて容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(サイクル後容量値/初期容量値)×100
次に、45℃の雰囲気中、1Cレートで4.35Vまでの充電と3.0Vまでの放電を300回繰り返し、初期容量値と300回後のサイクル後放電容量値を測定し、容量維持率を求め、その結果を表1に示す。
<正極の作製>
正極活物質として、Ni:Mn:Coの比率が6:2:2であるリチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物粉末90質量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン6質量%と、導電剤であるアセチレンブラック4質量%とを混合してなる正極合材に、N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製し、これを厚さ18μmのアルミニウム箔集電体両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延することによって正極を作製した。
人造黒鉛化性炭素粉末94.8質量%、バインダーであるスチレンブタジエンゴム(SBR)3.0質量%及びカルボキシメチルセルロース2.2質量%水溶液を混合し、分散媒に水を用いてスラリーを調製した。このスラリーを厚さ12μmの銅箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延することによって負極を作製した。
アルミニウム集電体に正極合材を塗布してなる正極と、銅集電体に負極合材を塗布してなる負極とがセパレータを介して巻回された扁平巻状電極群をケースに収納して、幅30mm×高さ30mm×厚さ2.0mmの形状を有する電池セルを作製した。
上記で作製した電池セルを用いて以下のような手順でラミネート電池を作製した。
a.各種電解液を0.6g量り採り、電池セルの注液口に注液し、減圧したのち注液口を封口した。
b.封口した電池セルを45℃雰囲気下に保った状態で、4.3Vまで9mAで充電した後、3.0Vまで9mAで放電した。
c.3.0Vまで放電した電池セルの内部ガスを減圧除去し電池を作製した。
上記で作製した電池について、以下のように充放電特性を測定した。
a.容量維持率
45℃雰囲気下にて1Cレートで4.2V充電した後、同雰囲気下で1Cレートで3.0V放電し、その放電容量値を初期容量値とした。次いで、同条件で、300回を繰り返し、300回目の放電容量値をサイクル後容量値とした。この初期容量値及びサイクル後容量値より下記式を用いて容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(サイクル後容量値/初期容量値)×100
b.体積変化率
25℃雰囲気下で電池を液体中に沈む電池の初期体積値を測定した。次いで、45℃雰囲気中、1Cレートで4.2Vまで充電した後、同雰囲気下で1Cレートで3.0Vまで放電し、1サイクルとした。同条件で、300回を繰り返した。300回を繰り返したのち、電池を前記初期体積値と同様の方法でサイクル後体積値を測定した。この初期体積値及びサイクル後体積値より下記式を用いて体積変化率を求めた。
体積変化率(%)=(サイクル後体積値/初期体積値)×100
次に、45℃の雰囲気で1Cレートで4.2Vまでの充電と3.0Vまでの放電を300回繰り返し、初期容量値および初期体積値と300回後のサイクル後放電容量値およびサイクル後体積値を測定し、容量維持率および体積変化率を求め、その結果を表2に示す。
Claims (5)
- 正極活物質がリチウム含有遷移金属複合酸化物を含み、かつ負極活物質が炭素材料を含む(ケイ素、スズを含まない)リチウムイオン二次電池用非水電解液であって、
非水溶媒に電解質を溶解してなり、前記電解質が前記非水溶媒に溶解するリチウム塩であり、かつ、四ホウ酸若しくはその塩、又はメタホウ酸若しくはその塩からなるホウ酸化合物と、下記の式(1)で表される2つのスルホン酸基を有する環状若しくは鎖状のジスルホン酸塩若しくはエステルからなるスルホン酸化合物と、を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用非水電解液。
M1−O−(O=)2S−C(R1R2)−S(=O)2−O−M2 (1)
(式(1)中、R1及びR2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜6を有するアルキル基、炭素数が2〜6を有するアルケニル基、又は炭素数が1〜6を有するアルコキシ基である。M1及びM2はアルカリ金属又は炭素数が1〜6を有するアルキル基である。) - 前記非水電解液中、前記ホウ酸化合物を0.01〜1質量%含有し、かつ、前記スルホン酸化合物を0.01〜3質量%含有する請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
- 請求項1又は2に記載の非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池。
- 下記式(2)で表される層状岩塩構造型のリチウム含有遷移金属複合化合物を正極活物質とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
Li(NixCoyMnz)O2 (2)
(式中、xは0.2≦x≦0.9であって、yは0≦y≦0.5であり、zは0≦z≦0.9である。) - 前記式(2)において、xが0.5より大きく、かつyが0.3より小さい請求項4に記載のリチウムイオン二次電池。
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JP2016037600A JP6915964B2 (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | リチウムイオン二次電池用非水電解液 |
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