以下、本発明の実施の形態1について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は車両のテールゲートを示す正面図を、図2は図1のテールゲートを側方から見た側面図を、図3はタッチセンサユニットの詳細を示す斜視図を、図4(a)はセンサの先端側かつ表側を拡大した斜視図、(b)はセンサの先端側かつ裏側を拡大した斜視図を、図5は図4(a)のB−B線に沿う断面図を、図6は図3の破線円A部を拡大しかつ分解した斜視図を、図7(a)は図3の破線円A部の拡大図、(b)は図7(a)のC−C線に沿う断面図をそれぞれ示している。
図1および図2に示される車両10は、所謂ハッチバックタイプの車両であり、当該車両10の後方側には、大きな荷物を車室内に出し入れし得る開口部11が形成されている。開口部11は、車両10の天井部の後方側に設けられたヒンジ(図示せず)を中心に回動される開閉体としてのテールゲート12により、図2の実線矢印および破線矢印のように開閉される。
また、本実施の形態に係る車両10には、パワーテールゲート装置13が搭載されている。パワーテールゲート装置13は、テールゲート12を開閉させる減速機付きのアクチュエータ(ACT)13aと、操作スイッチ(図示せず)の操作信号に基づいてアクチュエータ13aを制御するコントローラ(ECU)13bと、障害物BLの接触を検出する一対のタッチセンサユニット20と、を備えている。
図1に示されるように、タッチセンサユニット20は、固定対象物であるテールゲート12の車幅方向両側(図中左右側)にそれぞれ設けられている。より具体的には、一対のタッチセンサユニット20は、テールゲート12の車幅方向両側のドア枠の湾曲形状に沿わせて配置されている。つまり、一対のタッチセンサユニット20は、ドア枠の湾曲形状に倣って湾曲状態とされ、当該湾曲状態のもとで、テールゲート12にそれぞれ固定されている。
これにより、開口部11とテールゲート12との間において、障害物BLがタッチセンサユニット20に接触されると、当該タッチセンサユニット20を形成するセンサ30(図3参照)が直ぐに弾性変形される。
そして、一対のタッチセンサユニット20は、それぞれコントローラ13bに電気的に接続され、センサ30の弾性変形時に発生する検出信号は、コントローラ13bに入力される。コントローラ13bは、タッチセンサユニット20からの検出信号の入力に基づき、操作スイッチの操作に依らず閉駆動されているテールゲート12を開駆動させるか、または閉駆動されているテールゲート12をその場で停止させる。これにより、障害物BLの挟み込みが未然に防止される。
ここで、図4(a)に示されるように、センサ30には一対の電極31b,31cが設けられ、その先端側(図中右側)には抵抗Rが電気的に接続されている。これにより、センサ30が弾性変形されていない状態では、一対の電極31b,31cは互いに接触されず、コントローラ13bには、抵抗Rの抵抗値が入力される。つまり、コントローラ13bは、抵抗Rの抵抗値が入力されている場合には、障害物BLの挟み込みが無いと判断して、テールゲート12の閉駆動を継続して実行する。
これに対し、タッチセンサユニット20に障害物BLが接触して、センサ30が弾性変形されると、一対の電極31b,31cが互いに接触されて短絡される。すると、コントローラ13bには、抵抗Rを介さない抵抗値(無限大)が入力されるようになる。これにより、コントローラ13bは抵抗値の変化を検出して、当該抵抗値の変化をトリガにテールゲート12を開駆動させるか、またはテールゲート12をその場で停止させる制御を実行する。
図3ないし図7に示されるように、タッチセンサユニット20は、長尺の紐状に形成され、かつ障害物BL(図2参照)の接触により弾性変形されるセンサ30と、当該センサ30をテールゲート12(図1参照)に固定するためのセンサブラケット40と、を備えている。
図5に示されるように、センサ30は、センサ本体31と、当該センサ本体31を保持するセンサホルダ32と、を備えている。ここで、センサ本体31およびセンサホルダ32は、本発明におけるセンサ部を構成している。
また、図3に示されるように、センサ30の基端側には、一対の電極31b,31cの基端側が配置され、これらの電極31b,31cの基端部分には、コントローラ13b(図1および図2参照)のメス型コネクタ(図示せず)に装着されるオス型コネクタ30aが設けられている。
図5に示されるように、センサ本体31は、可撓性を有する絶縁ゴム材等よりなる絶縁チューブ31aを備えている。絶縁チューブ31aは外力の付加により弾性変形され、絶縁チューブ31aの径方向内側(内部)には一対の電極31b,31cが螺旋状に固定されている。これらの電極31b,31cは、可撓性を有する導電ゴム等よりなる導電チューブ31dを備え、その内部には複数の銅線を束ねてなる導電線31eが設けられている。
そして、図5に示されるように、絶縁チューブ31aの内径寸法は、一対の電極31b,31cの直径寸法の約3倍の大きさとなっている。言い換えれば、絶縁チューブ31aの軸心を中心に互いに対向する一対の電極31b,31cの間には、電極が約1本入る程度の微小な隙間Sが形成されている。
このように、絶縁チューブ31aの内部には、一対の電極31b,31cが径方向に対向配置されるとともに長手方向に螺旋状に固定され、かつ一対の電極31b,31c間には、電極が約1本入る程度の微小な隙間Sが確保されている。これにより、センサ本体31の周方向に沿うどの位置に障害物BL(図1参照)が接触しても、略同じ条件(押圧力)で一対の電極31b,31cは互いに接触して短絡される。
なお、テールゲート12に用いられるタッチセンサユニット20では、絶縁チューブ31aの直径寸法は約5mm程度となっている。したがって、タッチセンサユニット20のテールゲート12に対する取り廻しや、検出感度を考慮すると、直径寸法が1mm程度の一対の電極31b,31cを、絶縁チューブ31aの内部に螺旋状に設けるのが望ましい。
例えば、本実施の形態では、センサ本体31を半径が4mmの小径の支柱に巻き掛けた場合でも、一対の電極31b,31cは互いに短絡されなかった。これに対し、比較例として、例えば同じ絶縁チューブの内部に4本の同じ電極を平行に設けたものでは、センサ本体を半径が7.5mmの大径の支柱に巻き掛けた場合でも各電極が短絡された。
このように、本実施の形態、つまり、絶縁チューブ31aの内部に一対の電極31b,31cを螺旋状に設けたものにおいては、鋭角から鈍角までの比較的広い角度範囲で湾曲されたドア枠を有するテールゲート12に対して、対応可能となっている。
図4および図5に示されるように、センサホルダ32は、可撓性を有する絶縁ゴム材を押し出し成形等することで長尺に形成され、内部にセンサ本体31が収容された中空のセンサ保持筒32aと、センサブラケット40のブラケット本体41(図6参照)に固定される土台部32bと、を備えている。なお、図5における二点鎖線は、センサ保持筒32aと土台部32bとの境界を示している。
センサホルダ32の長手方向と交差する方向、つまりセンサホルダ32の短手方向に沿うセンサ保持筒32aの断面形状は、略円形形状に形成されている。また、センサ保持筒32aの肉厚は、絶縁チューブ31aの肉厚よりも薄くなっている。つまり、センサ保持筒32aは、外力の付加により容易に弾性変形可能となっている。
したがって、絶縁チューブ31aに保持された一対の電極31b,31cは、センサ保持筒32aおよび絶縁チューブ31aの弾性変形により互いに容易に接触され、よって、センサ本体31の十分な検出性能が確保されている。
土台部32bは、センサ保持筒32aに対して、その長手方向に沿うように一体に設けられている。土台部32bは、センサ保持筒32aをブラケット本体41に固定する機能を有しており、センサ保持筒32aおよび絶縁チューブ31aは、土台部32bを介してブラケット本体41に装着されている。
また、土台部32bは、センサホルダ32の短手方向に沿う断面形状が、略台形形状に形成され、土台部32bの底面32cには、センサホルダ32をブラケット本体41に固定するための両面テープ(粘着テープ)32dが貼り付けられている。つまり、両面テープ32dは、センサホルダ32の長手方向と交差する方向(短手方向)に沿うセンサホルダ32とブラケット本体41との間に配置されている。これにより、センサホルダ32およびブラケット本体41の両者は、両面テープ32dにより互いに強固に接着されている。
さらに、センサ保持筒32aおよび土台部32bは、一対の傾斜面TPにより互いに滑らかに連結されている。このように、センサ保持筒32aと土台部32bとの間に傾斜面TPを設けることで、センサ保持筒32aと土台部32bとの間に応力が集中して亀裂等が生じるのを抑えている。これにより、センサホルダ32の耐久性を向上させている。
このように、センサホルダ32は、その長手方向と交差する方向(短手方向)に沿う断面形状を非円形形状としている。これにより、センサ保持筒32aおよび絶縁チューブ31aを弾性変形し易くしつつ、土台部32bの剛性を十分に高めて両面テープ32dによるブラケット本体41への固定強度を向上させている。
図4に示されるように、センサホルダ32の端末(センサ30の先端側)には、端末部としてのモールド樹脂部32eが一体に設けられている。モールド樹脂部32eは、センサホルダ32の一部を構成しており、絶縁チューブ31a(図5参照)の端部および一対の電極31b,31cの端部を覆っている。さらには、モールド樹脂部32eの内部には、絶縁体よりなるセパレータSPと、1つの抵抗Rと、2つのかしめ部材SWと、がインサート成形により埋設されている。
このように、モールド樹脂部32eは、絶縁チューブ31aの端部,一対の電極31b,31cの端部,セパレータSP,抵抗R,一対のかしめ部材SWが、それぞれ外部に露出されるのを防止して、これらの構成部品を保護する機能を備えている。
そして、抵抗Rの両端部には、長尺接続部P1と短尺接続部P2とが設けられている。そして、長尺接続部P1を短尺接続部P2に対して180度折り返すことで、長尺接続部P1および短尺接続部P2は、一対の電極31b,31cの導電線31eに対して、一対のかしめ部材SWによりそれぞれ電気的に接続されている。このように、一対の電極31b,31cの端部は、抵抗Rを介して互いに電気的に接続されている。
なお、一対のかしめ部材SWは、電工ペンチ等のかしめ治具(図示せず)によりかしめられるもので、これにより抵抗Rは、一対の電極31b,31cのそれぞれの導電線31eに強固に電気的に接続される。また、一対のかしめ部材SWは、セパレータSPを中心にその両側に対称となるようにそれぞれ配置され、当該セパレータSPの部分において互いに短絡されることが防止されている。
モールド樹脂部32eは、セパレータSPや抵抗R等が組み付けられたセンサホルダ32の端部を金型(図示せず)にセットして、当該金型内に溶融されたゴム材料等を射出することで形成される。すなわち、セパレータSPや抵抗R等の構成部品は、モールド樹脂部32eの内部にインサート成形により埋設されている。
ここで、モールド樹脂部32eは、センサホルダ32と同じゴム材料により形成され、十分な柔軟性を有している。ただし、例えば、モールド樹脂部32eの内部に埋設されたセパレータSPや抵抗R等をより確実に保護すべく、センサホルダ32よりも高い硬度のゴム材料で形成することもできる。
モールド樹脂部32eは、より具体的には、図4に示されるように、センサホルダ32の延在方向に長く、かつセンサホルダ32の延在方向と交差する方向に短くなっており、断面が略半楕円形の柱状に形成されている。そして、モールド樹脂部32eの基端側は、センサホルダ32の端部に一体化されている。
モールド樹脂部32eの長手方向に沿うセンサホルダ32側とは反対側(先端側)には、係合部としての凸部33が一体に設けられている。凸部33は、モールド樹脂部32eを射出成形する際に一緒に形成されるもので、センサホルダ32の長手方向に突出されている。より具体的には、凸部33は、モールド樹脂部32eの先端面32fから所定の突出高さで突出されている。言い換えれば、凸部33は、センサホルダ32の長手方向端部から、センサホルダ32の長手方向に延在されている。
また、凸部33は、図4に示されるように、モールド樹脂部32eの長手方向に向けて先細り形状とされ、その断面は略台形形状に形成されている。そして、モールド樹脂部32eの先端面32fと凸部33の先端面33aとの間で、かつ凸部33の両面テープ32d側とは反対側には、引っ掛け面33bが設けられている。そして、それぞれの先端面32f,33aはセンサホルダ32の長手方向に向けられているのに対して、引っ掛け面33bはセンサホルダ32の短手方向に向けられている。
図3,図6および図7に示されるように、センサブラケット40は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することで、複数の屈曲部分を備えた略板状に形成されている。つまり、センサブラケット40の硬度の方が、センサ30の硬度よりも高くなっている。
センサブラケット40は、ブラケット本体41および車体固定部42を備えている。車体固定部42は、テールゲート12(図1参照)に固定される部分であって、図3に示されるように、センサブラケット40をテールゲート12に固定するためのボルト(図示せず)が挿通される3つのボルト挿通孔42aが設けられている。
一方、ブラケット本体41は、センサ30が固定される部分であって、ブラケット本体41の表面には、センサ30に設けられた両面テープ32d(図4(b)参照)が貼り付けられる貼付面41aが設けられている。貼付面41aは、両面テープ32dの接着強度を高めるために、ブラケット本体41の他の部分に比して、その表面が平滑化されている。これにより、センサ30をセンサブラケット40に対して十分な強度で固定することができる。
ブラケット本体41の長手方向両側には、センサ30の長手方向両側を支持する第1突出部41bおよび第2突出部41cが設けられている。これらの第1,第2突出部41b,41cは、ブラケット本体41からセンサ30(センサホルダ32)の長手方向と交差する方向に突出されており、センサ30の長手方向両側が、センサ30の長手方向からそれぞれ突き当てられるようになっている。
第1突出部41bには、ブラケット本体41の表面側(貼付面41a側)と裏面側とを連通する貫通孔(図示せず)が設けられている。貫通孔は、図3の破線部分に示されるように、センサ30の基端側をブラケット本体41の表面側から裏面側へ引き出している。
一方、第2突出部41cには、図6に示されるように、センサ30の凸部33が差し込まれて係合される凹部(被係合部)43が設けられている。凹部43は、第2突出部41cを形成する対向壁部41dに設けられた貫通孔により構成され、センサ30(センサホルダ32)の長手方向に窪んで設けられている。そして、第2突出部41cの対向壁部41dには、センサ30をセンサブラケット40に装着した状態(図7(b)参照)で、モールド樹脂部32eの先端面32fが当接するようになっている。
また、図7(b)に示されるように、凹部43の貼付面41a側(図中下側)とは反対側(図中上側)には、天井面43aが設けられている。天井面43aには、凸部33の引っ掛け面33bが引っ掛けられるようになっている。これにより、センサ30の端部が、センサブラケット40に対して長手方向および短手方向にがたつくこと無く固定される。
ここで、センサブラケット40の第2突出部41cは、本発明における突出部を構成している。そして、センサホルダ32の長手方向と交差する方向に沿うモールド樹脂部32eの高さは、センサホルダ32の長手方向と交差する方向に沿う第2突出部41cの高さと略同じ高さの寸法Hに設定されている。ここで、寸法Hの基準位置は、図7(b)に示されるように貼付面41aとなっている。
これにより、第2突出部41cは、タッチセンサユニット20全体の見栄えを良好にしつつ、モールド樹脂部32eに大きな負荷が掛かるのを抑制する。すなわち、第2突出部41cは、センサ30(センサホルダ32)の長手方向端部のがたつきを抑える機能に加えて、モールド樹脂部32eの内部に設けられた抵抗R等の構成部品(図4参照)を保護する機能を備えている。
なお、図7(b)においては、モールド樹脂部32eの凸部33と、第2突出部41cの凹部43との係合状態を見やすくするために、センサ30の内部に設けられる構成部品(一対の電極31b,31cや抵抗R等)の記載を省略している。
凸部33は、図7(b)に示されるように、第2突出部41cの凹部43に差し込まれるが、凸部33は、センサホルダ32の長手方向のみに突出するように設けられ、センサホルダ32の短手方向には突出されていない。よって、センサ30の端部がその厚み方向に無用に太くなることが防止されている。
したがって、図6の破線矢印Mに示されるように、センサ30をセンサブラケット40に対して、センサ30の長手方向から容易に装着可能となっている。すなわち、センサ30をセンサブラケット40に装着する際に、センサ30をその短手方向に殆ど移動させずに装着可能となっている。
これにより、凸部33の引っ掛け面33bが、凹部43の天井面43aに引っ掛けられて、センサ30(センサホルダ32)のセンサブラケット40に対する長手方向と交差する方向への移動が規制される。このとき、モールド樹脂部32eの先端面32fを第2突出部41cの対向壁部41dに突き当てるようにして、さらには両面テープ32dをブラケット本体41の貼付面41aに、ずれないように貼り付ける。
ここで、凸部33を、センサホルダ32の長手方向のみに突出するように設けることで、図7(b)に示されるように、モールド樹脂部32eにも両面テープ32dを貼り付け可能としている。言い換えれば、本実施の形態では、センサ30の長手方向に沿う殆どの部分に両面テープ32dが貼り付けられている。よって、センサ30のセンサブラケット40に対する固定強度が、センサ30の長手方向に沿う略全ての部分で十分に確保されている。
したがって、モールド樹脂部32eのセンサブラケット40に対するがたつきが効果的に抑えられて、その内部の構成部品(抵抗R等)のがたつきに起因した損傷も効果的に抑えられる。さらには、センサ30のセンサブラケット40に対する固定強度を、センサ30の長手方向に沿う略全ての部分で十分に確保可能として、より複雑な湾曲形状のドア枠を備えたテールゲートにも対応可能となる。
以上詳述したように、実施の形態1によれば、センサホルダ32の長手方向端部に、センサホルダ32の長手方向端部からセンサホルダ32の長手方向に延在された凸部33が設けられ、センサブラケット40に、凸部33が係合され、センサホルダ32のセンサブラケット40に対する長手方向と交差する方向への移動を規制する凹部43が設けられている。
これにより、センサホルダ32の端末の厚み方向への寸法増大が抑えられ、センサホルダ32の端末形状を簡素化することができる。よって、センサホルダ32の端末に無理な曲げ力を掛けずに、センサホルダ32をブラケット本体41に容易に装着することができる。
また、センサホルダ32の端末のモールド樹脂部32eにまで両面テープ32dを設けることができるので、センサホルダ32の端末の固定強度を十分に高めることができる。したがって、センサホルダ32の端末のモールド樹脂部32eのがたつきが抑えられて、モールド樹脂部32eの内部に設けられる抵抗R等の構成部品を保護することができる。
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8はセンサを円弧面に装着した実施の形態2の側面図を示している。
図8に示されるように、実施の形態2では、上述した実施の形態1と同じセンサ30を、所定の大きさの半径rに設定された貼付面50を備えたセンサブラケット51に装着した点が異なっている。つまり、実施の形態2のタッチセンサユニット52では、実施の形態1のタッチセンサユニット20に比して、センサブラケット51の形状のみが異なっている。
センサブラケット51は、半径rの円弧形状に形成されたブラケット本体53を備えている。ブラケット本体53の長手方向端部で、かつセンサ30のモールド樹脂部32eに対応する部分(先端側)には、第2突出部(突出部)53aが一体に設けられている。第2突出部53aには、実施の形態1の第2突出部41c(図7(b)参照)と同様に、対向壁部41d,凹部43,天井面43aを備えている。
ただし、センサホルダ32の長手方向と交差する方向に沿うモールド樹脂部32eの高さ寸法Hは、センサホルダ32の長手方向と交差する方向に沿う第2突出部53aの高さ寸法Tよりも低くなっている(H<T)。これにより、モールド樹脂部32eと第2突出部53aとの間に段差部DSが形成され、当該段差部DSにより、モールド樹脂部32eをより確実に保護可能としている。
このように形成された実施の形態2においても、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態2では、モールド樹脂部32eの高さ寸法Hを第2突出部53aの高さ寸法Tよりも低くしたので、モールド樹脂部32eをより確実に保護することができる。
そして、図8に示されるように、柔軟なモールド樹脂部32eを有するとともに、モールド樹脂部32eにまで両面テープ32dが貼り付けられているため、所定の大きさの半径rのブラケット本体53に設けられた凹部43にも、センサ30の端部をがたつかないように容易に配置可能となっている。
次に、本発明の実施の形態3について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は実施の形態3の図7(b)に対応した断面図を示している。
図9に示されるように、実施の形態3では、実施の形態1(図7(b)参照)に比して、モールド樹脂部32eに一体に設けられる係合部としての凸部60の形状、およびブラケット本体41に設けられる被係合部としての凹部61の形状が異なっている。
具体的には、図9に示されるように、モールド樹脂部32eの短手方向(図中上下方向)に沿う両面テープ32d側に、モールド樹脂部32eの先端面32fから所定の突出高さで突出された凸部60が設けられている。すなわち、凸部60は、モールド樹脂部32eの両面テープ32d寄りの部分において、センサホルダ32の長手方向端部から、センサホルダ32の長手方向に延在されている。
そして、モールド樹脂部32eの凸部60が設けられる位置に対応させて、ブラケット本体41の第2突出部41cに、凹部61が設けられている。つまり、第2突出部41cの基端側(両面テープ32d側)寄りの部分に凹部61が設けられ、当該凹部61に凸部60が係合可能となっている。
このように形成された実施の形態3においても、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態3では、モールド樹脂部32eの引っ掛け面33bと、第2突出部41cの天井面43aとが、モールド樹脂部32eの短手方向に沿う両面テープ32d側に寄せて設けられるため、モールド樹脂部32eの先端面32fと、第2突出部41cの対向壁部41dとを、実施の形態1よりも大きい接触面積で互いに突き当てることができる。これにより、センサ30のセンサブラケット40に対する位置精度をより向上させることができる。
次に、本発明の実施の形態4について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10は実施の形態4の図7(b)に対応した断面図を示している。
図10に示されるように、実施の形態4では、実施の形態1(図7(b)参照)に比して、モールド樹脂部32eに係合部としてのセンサ側凹部70を設け、ブラケット本体41に被係合部としてのブラケット側凸部71を設けた点が異なっている。つまり、モールド樹脂部32eおよびブラケット本体41に設けられる凹部および凸部の関係が、実施の形態1と逆の関係になっている。
具体的には、センサホルダ32の長手方向端部に設けられるセンサ側凹部70は、センサホルダ32の長手方向端部から、センサホルダ32の長手方向に延在されている。また、モールド樹脂部32eのセンサ側凹部70が設けられる位置に対応させて、ブラケット本体41の第2突出部41cにブラケット側凸部71が形成されている。
そして、モールド樹脂部32eの先端面32fを、第2突出部41cの対向壁部41dに突き当てつつ、センサ側凹部70の内部にブラケット側凸部71を差し込むようにして係合させる。ここで、モールド樹脂部32eおよびブラケット本体41の引っ掛け構造についても、実施の形態1に比して逆の関係となっている。すなわち、ブラケット側凸部71に引っ掛け面71aが設けられ、センサ側凹部70に天井面70aが設けられている。
このように形成された実施の形態4においても、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態1〜3では、被係合部としての凹部43,61を、ブラケット本体41に分離不能に一体化された第2突出部41cに設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、図7(a)の太い破線部分を境界に、凹部43,61を形成する第2突出部41cを、ブラケット本体41に対して別体としても構わない。この場合、ブラケット本体41に対する両面テープ32dの貼付作業を、さらに正確かつ容易に行うことが可能となる。そして、両面テープ32dの貼付作業の後で、別体とされた第2突出部41cを、蓋をするようにブラケット本体41に装着すれば良い。なお、第2突出部41cとブラケット本体41との装着構造には、例えば、簡単かつ強固に固定し得るスナップフィット構造を採用すれば良い。また、両面テープ32dの貼付作業と第2突出部41cの装着作業とを、ブラケット本体41に対して同じ方向(図7中上方)から行えるので、自動組立装置等により容易に組み立て可能となる。
また、上記各実施の形態では、絶縁チューブ31aの内部に一対の電極31b,31cを螺旋状に固定したものを示したが、本発明はこれに限らず、電極の太さや必要とされる検出性能等に応じて、4本や6本等の電極を螺旋状に設けたり平行に設けたりしても良い。
さらに、上記各実施の形態においては、タッチセンサユニット20を、車両10のテールゲート12に固定した場合を示したが、本発明はこれに限らず、車両のサンルーフや車両の側方にあるスライドドアに固定しても良いし、車両の車体側に固定することもできる。さらには、車両10への適用に限らず、建物の出入り口を開閉するための自動ドア装置等にも適用することができる。
その他、上記各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記各実施の形態に限定されない。