JP6913346B2 - ポリアミドイミド前駆体溶液 - Google Patents

ポリアミドイミド前駆体溶液 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミドイミド前駆体溶液に関するものである。
ポリアミドイミドは、耐熱性や耐薬品性が高いことから、フィルム、電線被覆材、成形材、接着材等の用途に広く用いられている。一般に、ポリアミドイミドは、有機溶媒に溶解した原料を加熱反応させてポリアミド−アミド酸と呼ばれる前駆体を経て、前記有機溶媒を留去させ、重合体を得ている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、ポリアミド−アミド酸の製造に用いられる原料は、酸クロライドやイソシアネートのように、環境への負荷が大きく、取扱い性が悪いものが多い。さらに、酸クロライドは非常に高価である上に、製造中に塩化水素が副生するため後処理工程が必要でありコストが高くなるという問題がある。また、ポリアミド−アミド酸は、一般に溶媒として溶解力の高い高価な有機溶媒に溶解して用いるが、そのような有機溶媒は環境への負荷が大きいものが多い。さらに、ポリアミド−アミド酸をポリアミドイミドとする場合、高温で熱処理するイミド化工程が必要であるため、経済的に不利であるという問題がある。
特表2002−538278号公報
本発明は、上記課題を解決するものであって、酸クロライドやイソシアネートを用いずに、水等の環境への負荷の小さい溶媒を用いて製造することが可能であって、イミド化工程を必要としないポリアミドイミド前駆体の溶液を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、上記問題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記のとおりである。
(1)構造中に、カルボキシル基と、アミド結合および/またはイミド結合を含有する化合物(A)と、アミノ基を含有する化合物(B)からなる塩と、溶媒から構成され化合物(A)が、一般式(1)〜(3)で表される化合物のうち1種以上であること特徴とするポリアミドイミド前駆体溶液。
Figure 0006913346
[式中、R、ポリオキシアルキレン基を除く2価の基を示し、R、Rは、独立して、3価の基を示す。]
)溶媒が、水であることを特徴とする(1)に記載のポリアミドイミド前駆体溶液。
)さらに、分散安定剤を添加することを特徴とする(1)または(2)に記載のポリアミドイミド前駆体溶液。
本発明によれば、酸クロライドやイソシアネートを用いずに、水等の環境への負荷の小さい溶媒を用いて製造することが可能であって、イミド化工程を必要としないポリアミドイミド前駆体の溶液を提供することができる。
本発明のポリアミドイミド前駆体溶液は、構造中に、カルボキシル基と、アミド結合および/またはイミド結合を含有する化合物(A)と、アミノ基を含有する化合物(B)からなる塩と、溶媒から構成される。
本発明に用いる化合物(A)としては、構造中に、カルボキシル基と、アミド結合および/またはイミド結合を有し、ポリアミドイミドの前駆体となりえるものであれば特に限定されないが、例えば、一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられ、中でも一般式(1)で表される化合物を主成分とするものが好ましく、一般式(1)で表される化合物を35質量%以上含むものがより好ましく、一般式(1)で表される化合物を50質量%以上含むものがさらに好ましく、一般式(1)で表される化合物を60質量%以上含むものが特に好ましい。化合物(A)は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 0006913346
一般式(1)〜(3)において、Rは、2価の基であり、例えば、ジアミンの残基が挙げられる。ジアミン残基を与えるジアミンとしては、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミンいずれであってもよい。前記ジアミンは、構造中に−O−、−S−が含まれてもよいし、水素原子の1つ以上がハロゲンに置換されていてもよいし、側鎖を有していてもよい。前記ジアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、α,ω−ビスアミノポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス(10−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、ビス(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリメチルフェニルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリ(ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン)コポリマー、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンゾグアナミンが挙げられる。中でも、化合物(A)と化合物(B)からなる塩の水溶性が高くなることから、m−キシリレンジアミンが好ましい。前記ジアミンは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
一般式(1)〜(3)において、R、Rは、3価の基であり、例えば、トリカルボン酸の残基が挙げられる。トリカルボン酸の残基を与えるトリカルボン酸としては、芳香族トリカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸、脂環式トリカルボン酸いずれであってもよい。前記トリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−アントラセントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物等が挙げられ、中でも、反応性が高いことから、トリメリット酸無水物が好ましい。前記トリカルボン酸は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いる化合物(B)としては、アミノ基を有し、ポリアミドイミドの前駆体となりえるものであれば特に限定されないが、例えば、一般式(1)〜(3)の化合物のRを与えるジアミンと同一のジアミンや、3価以上のアミン化合物が挙げられる。化合物(B)がジアミンの場合、一般式(1)〜(3)の化合物のRを与えるジアミンと同一であっても、異なっていてもよい。3価以上のアミノ化合物としては、例えば、プロパントリアミン、ブタントリアミン、ウンデカントリアミン、ピリミジントリアミン、ベンゼントリアミン、トリ(アミノフェニル)メタン、トリ(アミノフェニル)エタン、トリ(アミノフェニル)プロパン、トリ(アミノフェニル)トリフルオロエタン、テトラ(アミノフェニル)メタン、ベンゼンテトラアミン、ピリミジンテトラアミン、ベンゼンペンタアミン、ベンゼンヘキサアミンが挙げられる。化合物(B)としては、化合物(A)と化合物(B)からなる塩の水溶性が高くなることから、m−キシリレンジアミンが好ましい。化合物(B)は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いる溶媒としては、有機溶媒、水いずれであってもよいが、取扱い性や環境に対する影響が小さいことから、水が好ましい。有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートが挙げられる。
本発明のポリアミドイミド前駆体溶液は、溶媒中で、化合物(A)と、化合物(B)を反応させることにより得ることができる。反応温度は、用いる化合物(A)や化合物(B)に応じて適宜設定されるが、5〜230℃とすることが好ましく、20〜150℃とすることがより好ましく、20〜85℃とすることがさらに好ましい。化合物(A)と化合物(B)の反応方法としては特に限定されないが、溶媒に化合物(A)を懸濁させたのち化合物(B)を添加して反応させてもよいし、溶媒に化合物(B)を溶解させたのち化合物(A)を添加して反応させてもよいし、溶媒に化合物(A)と化合物(B)を同時に添加して反応させてもよいし、溶媒に化合物(A)と化合物(B)を分割して添加して反応させてもよいし、化合物(A)や化合物(B)をそれぞれ溶媒に溶解または懸濁したのち混合して反応させてもよい。化合物(A)は、溶媒に溶解しにくく、懸濁しかできない場合が多いが、化合物(A)と化合物(B)が反応し塩が形成されれば、反応液は均一なものとなる。ポリアミドイミド前駆体溶液の作製は、窒素等の不活性ガス気流中でおこなってもよく、加圧下でおこなってもよい。
ポリアミドイミド前駆体溶液を作製する際の化合物(A)と化合物(B)のモル比率[
(A)/(B)]は、80/20〜40/60とすることが好ましく、52/48〜48
/52とすることがより好ましい。化合物(A)と化合物(B)のモル比率[(A)/(
B)]が80/20〜40/60の範囲外である場合、目的とする前駆体が得られない場
合がある。
ポリアミドイミド前駆体溶液には、化合物(A)および化合物(B)の溶解性や保存安定性を向上させる観点から、分散安定剤を添加することが好ましい。分散安定剤は、化合物(A)と化合物(B)とを混合させる前に添加してもよいし、混合後添加してもよい。分散安定剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン・両性イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤や、原料の溶解性向上、塩生成の促進、pH調整の観点から、化合物(B)以外のアミン化合物等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、ニューコール2303、ニューコールNT−3、ニューコールNT−5、ニューコールNT−7、ニューコール1525、ニューコール704、ニューコール706、ニューコール707、ニューコール708、ニューコール709、ニューコール707−F、ニューコール25、ニューコール82(日本乳化剤社製)が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、例えば、ニューコール210、ニューコール240、ニューコールB4−SN、ニューコール1020−SN(日本乳化剤社製)が挙げられる。陽イオン・両性イオン界面活性剤としては、例えば、テクスノールR2、テクスノールIL55、テクスノールRS−811(日本乳化剤社製)が挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF−114、メガファックF−410、メガファックF−444、メガファックF−477、メガファックF−551、メガファックF−554、メガファックF−559、メガファックF−569、メガファックR−43、メガファックR−94(DIC社製)が挙げられる。化合物(B)以外のアミン化合物としては、芳香族アミンや脂肪族アミンが挙げられる。芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ピリジン、オキサゾール、チアゾールが挙げられる。脂肪族アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等の第1級アミンや、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピロール等の第2級アミンや、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミンが挙げられ、中でも、加熱した際にカルボン酸とアミド結合を形成しないという観点から、第3級アミンが好ましい。
なお、化合物(A)は、対応するトリカルボン酸無水物および対応するジアミンを用いて、両者を溶媒中で加熱撹拌したり、高温下での溶融押出したりすることにより製造することができるが、これらの方法に限定されない。前者の方法としては、例えば、トリカルボン酸無水物とジアミンとを溶媒(脂肪族カルボン酸類、脂肪族カルボン酸類、N,N−ジアルキルカルボキシルアミド類、アルコール類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類等)中で加熱し反応させて、反応終了後に、反応液から分離精製することにより得ることができる。対応するトリカルボン酸無水物とジアミンのモル比率は、2:1であることが好ましい。
本発明のポリアミドイミド前駆体の固形分濃度は、1〜80質量%とすることが好ましく、1〜60質量%とすることがより好ましく、5〜50質量%とすることがさらに好ましい。固形分濃度を1〜80質量%とすることにより、塗布するのに適した溶液粘度とすることができる。なお、固形分濃度とは、溶液中に占める化合物(A)と化合物(B)の合計量の質量割合を百分率で表した数値である。
本発明のポリアミドイミド前駆体溶液の作製においては、原料を反応容器に供給する際に、本発明の効果を損なわない範囲において、分子量制御の観点から、末端封鎖剤、重合触媒を加えてもよい。さらに、必要に応じて他の添加剤を加えてもよい。
末端封鎖剤は、高分子の末端官能基を封止するものである。末端封鎖剤としては、例えば、酢酸、ラウリン酸、安息香酸、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが挙げられる。末端封鎖剤の含有量は、ポリアミドイミド前駆体の総モル数に対して5モル%以下であることが好ましい。
重合触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸およびそれらの塩が挙げられる。重合触媒の含有量は、製品の性能や加工性低下の原因となるため、ポリアミドイミド前駆体の総モル数に対して2モル%以下であることが好ましい。
他の添加剤としては、例えば、架橋剤、硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、密着付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、消泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、イオン捕捉剤、難燃剤、顔染料、有機粒子、希釈剤、無機充填剤、フィラー、安定剤が挙げられる。添加剤の含有量は、ポリアミドイミド前駆体の反応性の観点から、ポリアミドイミド前駆体の総質量に対して30質量%以下が好ましい。
本発明のポリアミドイミド前駆体溶液は、流延法、スピンコート法、スプレイコート法等により基材上に塗布し、加熱して重合することによって、ポリアミドイミドの被膜や、ポリアミドイミドの被膜を基材上に有する積層体を得ることができる。加熱温度としては、160〜350℃とすることが好ましい。基材から被膜を剥離することにより、ポリアミドイミドのフィルムを得ることができる。なお、被膜や積層体やフィルムには、加熱条件によって、一部イミド環が開いてカルボキシル基が存在する場合がある。
本発明で得られるポリアミドイミド前駆体溶液は、電気・電子分野、接着・塗料分野、自動車分野等、広範な用途に用いることができる。電気・電子分野としては、例えば、高密度磁気記録ベース、コンデンサー、FPC用のフィルム、パワートランジスターの絶縁スペーサ、磁気ヘッドスペーサ、パワーリレーのスペーサ、トランスのスペーサ等積層材、電線・ケーブル絶縁被膜用、端末絶縁用チューブ、太陽電池、集積回路、スロットライナー等のエナメルコーティング材、蓄電素子用セパレータが挙げられる。接着・塗料分野としては、例えば、耐熱絶縁テープ、耐熱粘着テープ、低温貯蔵タンク、宇宙断熱材、限外ろ過膜、逆浸透膜、ガス分離膜の製造が挙げられる。自動車分野としては、例えば、フッ素樹脂やグラファイト等を充填した摺動部材、ガラス繊維や炭素繊維で強化した構造部材、プリプレグのマトリックスが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(1)化合物(A)の同定
以下の条件により、赤外分光分析(IR)、核磁気共鳴分析(NMR)および質量分析(LC/MS)をおこない同定した。
なお、IRでは、1775cm−1付近、1715cm−1付近に検出されるイミド結合の有無を確認した。
(1a)IR
装置:Perkin Elmer社製 System 2000 赤外分光装置
方法:KBr法
積算回数:64スキャン(分解能4cm−1
(1b)NMR
装置:日本電子社製JNM−ECA500
測定核種:プロトン
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
温度:25℃
積算回数:128回
(1c)LC/MS
試料:ビスイミドジカルボン酸/DMSO溶液(200μg/mL)
装置:ブルカー・ダルトニクス社製microTOF2−kp
カラム:Cadenza CD−C18 3μm 2mm×150mm
移動相:(移動相A)0.1% ギ酸水溶液、(移動相B)メタノール
グラジエント(B Conc.):0min(50%)−5,7min(60%)−14.2min(60%)−17min(100%)−21.6min(100%)−27.2min(50%)−34min(50%)
イオン化法:ESI
検出条件:Negativeモード
(2)化合物(A)の純度
(1c)の質量分析(LC/MS)により、得られる質量スペクトル中に検出された一般式(1)〜(3)で表される化合物のイオン強度比のうち、一般式(1)で表される化合物が占めるイオン強度比の割合を求めた。
(3)化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定
溶媒を留去させるか、貧溶媒により析出させるかして、塩を分離した。
得られた塩は以下の条件により、IRおよび示差走査熱量分析(DSC)をおこない同定した。
なお、IRでは、164cm−1、1559cm−1、1374cm−1付近に検出されるカルボン酸とアミンの塩に由来する吸収の増加の有無を確認し、DSCでは、化合物(B)の融点に由来するピークの消失の有無を確認した。
(3a)IR
装置:Perkin Elmer社製 System 2000 赤外分光装置
方法:KBr法
積算回数:64スキャン(分解能4cm−1
(3b)DSC
装置:Perkin Elmer社製 DSC8500
方法:窒素雰囲気下で25℃から350℃まで20℃/分で昇温し、観測される結晶融解ピークのピークトップ温度を融点とした。
(4)ポリアミドイミドの同定
以下の条件により、IR分析およびDSCをおこない同定した。
なお、IRでは、1531cm−1、1663cm−1付近に検出されるアミド結合に由来する吸収の増加の有無で確認し、DSCでは、ポリアミドイミドのガラス転移温度(Tg)の有無で確認した。
(4a)IR
装置:Perkin Elmer社製 System 2000 赤外分光装置
方法:KBr法
積算回数:64スキャン(分解能4cm−1
(4b)DSC
装置:Perkin Elmer社製 DSC8500
方法:窒素雰囲気下で25℃から350℃まで20℃/分で昇温し、1st scanにおいて120℃以上で観測される2つの屈曲点の中間点をガラス転移温度(Tg)とした。
(4)溶液粘度
トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、30℃における値を測定した。
実施例1
トリメリット酸無水物38.426g(0.200mol)とm−キシリレンジアミン13.619g(0.100mol)をN,N−ジメチルアセトアミド500mLに溶解させ、窒素ガスを通じながら80℃に加熱して1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒を留去させて300℃で2時間焼成をおこない、化合物(A−1)を得た。
得られた化合物は分析方法の化合物(A)の同定により、下記に示す化合物(A−1)であることが確認でき、純度は99.1%であった。
化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、90℃に加熱した水33.31gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、284.2Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例2
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水17.01gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、250.3Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例3
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン33.31gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、241.7Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例4
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン17.01gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、203.6Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例5
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN,N−ジメチルアセトアミド17.01gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、210.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例6
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水8.51gとN−メチル−2−ピロリドン8.51gの混合溶液に懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、232.1Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例7
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水9.29gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエタノールアミン24.020g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、325.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例8
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水20.57gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とピリジン12.735g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、74.0Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例9
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水33.06gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とフッ素系界面活性剤0.250gを加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。なお、フッ素系活性剤としては、メガファックF−477(DIC社製)を用いた。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、268.3Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例10
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水16.81gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.419g(0.0765mol)と1,2,3−プロパントリアミン0.241g(0.0027mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、348.7Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例11
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水17.01gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、p−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、23.7Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とp−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例12
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン36.74gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.119g(0.0805mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、118.5Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例13
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン20.45gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.119g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、105.7Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例14
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水10.22gとN−メチル−2−ピロリドン10.22gの混合溶液に懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.119g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、137.3Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例15
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン32.23gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、ヘキサメチレンジアミン9.354g(0.0805mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、89.3Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とヘキサメチレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例16
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン15.94gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、ヘキサメチレンジアミン9.354g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、83.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とヘキサメチレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例17
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水7.97gとN−メチル−2−ピロリドン7.97gの混合溶液に懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、ヘキサメチレンジアミン9.354g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、121.2Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とヘキサメチレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例18
トリメリット酸無水物38.426g(0.200mol)とp−キシリレンジアミン13.619g(0.100mol)をN,N−ジメチルアセトアミド500mLに溶解させ、窒素ガスを通じながら80℃に加熱して1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒を留去させて300℃で2時間焼成をおこない、化合物(A−2)を得た。得られた化合物は分析方法の化合物(A)の同定により、下記に示す化合物(A−2)であることが確認でき、純度は98.5%であった。
得られた化合物(A−2)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水17.01gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、155.6Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−2)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例19
実施例18と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−2)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン17.01gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、143.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−2)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例20
トリメリット酸無水物38.426g(0.200mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.024g(0.100mol)をN,N−ジメチルアセトアミド500mLに溶解させ、窒素ガスを通じながら80℃に加熱して1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒を留去させて300℃で2時間焼成をおこない、化合物(A−3)を得た。得られた化合物は分析方法の化合物(A)の同定により、下記に示す化合物(A−3)であることが確認でき、純度は98.9%であった。
得られた化合物(A−3)44.151g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水20.45gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、191.5Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−3)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例21
実施例20と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−3)44.151g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン20.45gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、182.5Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−3)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例22
1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物39.634g(0.200mol)とm−キシリレンジアミン13.619g(0.100mol)をN,N−ジメチルアセトアミド500mLに溶解させ、窒素ガスを通じながら80℃に加熱して1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒を留去させて300℃で2時間焼成をおこない、化合物(A−4)を得た。得られた化合物は分析方法の化合物(A)の同定により、下記に示す化合物(A−4)であることが確認でき、純度は95.7%であった。
得られた化合物(A−4)39.967g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水17.66gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、128.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−4)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例23
実施例22と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−4)39.967g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン17.66gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、111.9Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−4)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
実施例24
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水16.37gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加えた。さらに、安息香酸0.590g(4.83mmol)と無水次亜リン酸ナトリウム0.048g(0.547mmol)を加えて撹拌し、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、258.9Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
[ポリアミドイミドの確認]
実施例1〜24で得られたポリアミドイミド前駆体溶液を、ベーカー式アプリケーターを用いて、金属板上に被膜を形成した。300℃で2時間加熱して、厚さ100μmの被膜を有した積層体を作製し、その後、被膜を剥離してフィルムを得た。
得られたフィルムは分析方法のポリアミドイミドの同定によりポリアミドイミドが生成していることが確認できた。
得られた化合物(A−1)〜(A−4)の化合物を表1に示す。なお、R、R、Rは、一般式(1)〜(3)の基である。
Figure 0006913346
表2に、実施例1〜24で得られたポリアミドイミド前駆体溶液の原料と溶液粘度を示す。
Figure 0006913346

Claims (3)

  1. 構造中に、カルボキシル基と、アミド結合および/またはイミド結合を含有する化合物(A)と、アミノ基を含有する化合物(B)からなる塩と、溶媒から構成され、化合物(A)が、一般式(1)〜(3)で表される化合物のうち1種以上であること特徴とするポリアミドイミド前駆体溶液。
    Figure 0006913346
    [式中、R は、ポリオキシアルキレン基を除く2価の基を示し、R 、R は、独立して、3価の基を示す。]
  2. 溶媒が、水であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミドイミド前駆体溶液。
  3. さらに、分散安定剤を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミドイミド前駆体溶液。
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