JP6912866B2 - 毛髪変形用第1剤、毛髪変形用剤及び毛髪変形方法 - Google Patents
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Description
(6)の毛髪変形方法は、(5)の毛髪変形用剤を用いることを特徴とする。
本実施形態の毛髪変形用第1剤は、チオグリコール酸及び塩化ナトリウムが配合され、pHが7.0以下であることを特徴とする。これにより、高い毛髪変形効果が得られる。
本実施形態の毛髪変形用第1剤にはチオグリコール酸が配合される。チオグリコール酸は、チオール基を有する還元剤であり、下記式(I)により表される。毛髪変形用第1剤に配合されるチオグリコール酸は、毛髪形状に変形を与えることができる。なお、チオグリコール酸の代わりにチオグリコール酸塩(例えば、チオグリコール酸アンモニウムなど)を配合した場合、pHが7.0以下の毛髪変形用第1剤を使用する際には、チオグリコール酸に比べて使用後の毛髪の手触り(ドライ後の指通りなど)が劣る。
本実施形態の毛髪変形用第1剤に塩化ナトリウムが配合される。塩化ナトリウムは、ナトリウムの塩化物であり、下記式(II)により表される。チオグリコール酸が配合されたpHが7.0以下の毛髪変形用第1剤に塩化ナトリウムを配合すれば、高い毛髪変形効果が得られる。
本実施形態の毛髪変形用第1剤のpHは7.0以下である。pHが高くなると毛髪損傷の抑制効果が小さくなる虞があるから、pHは、6.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましい。pHが低すぎると皮膚への刺激が生ずる虞があるから、pHは、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、4.5以上がさらに好ましい。pHは、25℃における測定値が採用される。
本実施形態の毛髪変形用第1剤には、上記以外の成分のうち、毛髪変形用剤に用いられる公知の成分を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。その公知の成分としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、低級アルコール、多価アルコール、糖類、油脂、エステル油、脂肪酸、炭化水素、ロウ、シリコーン、合成高分子化合物、半合成高分子化合物、天然高分子化合物、蛋白、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、pH調整剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、反応調整剤(ジチオジグリコール酸など)、色素、酸化防止剤、染料、顔料、噴射剤などが挙げられる。
本実施形態の毛髪変形用第1剤の剤型は、例えば、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状(泡状)が挙げられる。
本実施形態の毛髪変形用剤は、毛髪変形用第1剤と毛髪変形用第2剤とを備えるものである。
前記毛髪変形用剤に係る毛髪変形用第2剤は、酸化剤が配合されたものである。酸化剤としては、例えば、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウムなどの臭素酸塩が挙げられる。
前記毛髪変形用第2剤の剤型は、例えば、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状(泡状)が挙げられる。
本実施形態の毛髪変形用剤を用いた毛髪変形方法は、パーマネントウェーブ、縮毛矯正に用いることができる。
パーマネントウェーブは、毛髪をウェーブ状に変形させる毛髪変形方法である。
本実施形態の毛髪変形用第1剤をパーマネントウェーブに用いる場合は、パーマネントウェーブにおいて通常行われる施術工程に準じるとよい。施術工程としては、例えば、下記(1)〜(3)の工程が挙げられる。
(1)毛髪を所望の大きさのウェーブロッドに巻きつけて、毛髪に毛髪変形用第1剤を所定の時間で適用する。
(2)毛髪に、酸化剤が配合された毛髪変形用第2剤を所定の時間で適用する。
(3)毛髪変形用第2剤を適用した後、ウェーブロッドを毛髪から取り除き、毛髪を水洗したのち、乾燥させる。
なお、毛髪変形効果をより高める観点から、上記(1)の工程において、ウェーブロッドに巻き付けた毛髪を加温しても良い。また、毛髪中の還元剤をすすぎ落として毛髪損傷を抑制する観点から、上記(2)の工程の前に毛髪を中間水洗しても良い。
縮毛矯正は、くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛などの毛髪に対して、毛髪形状を伸ばし変形させる毛髪変形方法である。
本実施形態の毛髪変形用第1剤を縮毛矯正に用いる場合は、縮毛矯正において通常行われ得る施術工程に準じると良い。施術工程としては、例えば、下記[1]〜[3]の工程が挙げられる。
[1]毛髪に毛髪変形用第1剤を適用し、所定の時間で適用する。
[2]毛髪を直線状に伸ばし整える。
[3]毛髪に酸化剤が配合された毛髪変形用第2剤を所定の時間で適用した後、毛髪を水洗し、乾燥させる。
なお、毛髪中の還元剤をすすぎ落として毛髪損傷を防止する観点から、上記[1]の工程の後、毛髪を水洗しても良い。また、毛髪変形効果をより高める観点から、上記[2]の工程において、毛髪を乾燥させた後、高温整髪用アイロンを使用して、直線状の形状に伸ばしても良い。
チオグリコール酸、塩化ナトリウム及び適量の水を混合し、25%アンモニア水を加えて所定のpH値に調整した後、全量が100質量%となるようにさらに水を加え、実施例1a、実施例2a〜2d、比較例2a、実施例3a〜3cの毛髪変形用第1剤を製造した。また、上記で製造した毛髪変形用第1剤と同様の製造方法で、上記塩化ナトリウムの代わりに水を配合したもの(比較例1a、比較例2b、比較例3a)、及び、塩化ナトリウムの代わりにそれぞれ、リン酸一水素二ナトリウム・12水和物と塩化アンモニウムを配合したもの(比較例1b)、リン酸一水素二ナトリウム・12水和物と10%HClを配合したもの(比較例1c)、塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムを配合したもの(比較例1d)を製造した(下記表1〜3)。
この場合の各毛髪変形用第1剤の製造において、各成分の配合量は表1〜3に記載の通りとした。なお、下記表1〜3における配合量の数値は質量%である。
製造した各毛髪変形用第1剤をパーマネントウェーブに用いて、毛髪変形効果及びドライ後の指通りの評価を行った。
毛髪変形効果の評価は、次に示す評価方法及び評価基準に従って、パーマネントウェーブ処理した毛束のセット率の算出とウェーブのかかりを評価した。
同一人物の日本人黒髪毛髪を50本集めて、長さ23cmにそろえた評価用毛束を準備した。つづいて、評価用毛束に対してブリーチ処理を行った。ブリーチ処理は、処理剤A1(アンモニア 2質量%、炭酸水素アンモニウム 2%、及び水酸化カリウム 0.5質量%の水溶液)1質量部と処理剤A2(過酸化水素6質量%水溶液)2質量部の混合液を、毛束に塗布し、室温で30分放置させて行った。ブリーチ処理後の評価用毛束に対して水洗を行い、さらにミルボン社製のディーセス ノイ ドゥーエ ウィローリュクスシャンプーにより洗髪を2度行った後、タオルドライを行った。そして、直径12mmのパーマネントウェーブロッドに評価用毛束を巻き付けた。その後、実施例または比較例の各毛髪変形用第1剤を評価用毛束に1mL塗布して、38℃の恒温槽で15分放置した。つづいて、中間水洗を行い、毛髪変形用第2剤(臭素酸ナトリウム 8質量%、リン酸一水素2ナトリウム・12水和物 1質量%、リン酸にてpHを6.5に調整、精製水 残余)を評価用毛束に1mL塗布し、室温で10分放置した。放置後、水洗を行い、パーマネントウェーブロッドを外した評価用毛束を水に浸漬し、以下の評価基準に基づいてセット率を算出した。セット率の算出後、濡れた毛束を固定して風乾を行った。風乾後の毛束を以下の評価基準に基づいて、ウェーブのかかりを評価した。
なお、実施例及び比較例の各毛髪変形用第1剤について、評価を2回行った。
前記セット率は、水に浸漬して水中でほぼ同心円の形状となった評価用毛束を用いて、毛束の根元を起点として毛先を終点としたときの回転数を測定した。得られた回転数から次の式により各毛束のセット率を算出し、各実施例及び各比較例の毛束のセット率の平均値を求めた。
セット率(%)=回転数×ロッド径(cm)×π/毛束全長(cm)×100
なお、セット率の数値が大きいと、毛髪変形効果が大きい傾向にあることを示す。当該セット率は、Wortmannの報告(Wortmann F. -J., Kure N., J.Soc. Cosmet. Chem., 41, 123(1990))による曲げセットにおけるセット率(精製水に浮かべた際の毛束直径÷ロッド径×100)の算出に準拠したものであるが、ここでは、形式的に上記報告の算出式を僅かに変更して用いている。
ウェーブのかかりは、目視により風乾後の毛束におけるウェーブのかかりの強さ(毛束の平均的なウェーブの大きさ及び毛束の上端から下端までの鉛直方向の直線距離の平均)を、下記評価基準により評価した。
◎:基準に比べて、ウェーブのかかりが強い。
○:基準に比べて、ウェーブのかかりがやや強い。
−:基準と比べて、ウェーブのかかりがほぼ同等。
△:基準に比べて、ウェーブのかかりがやや弱い。
×:基準に比べて、ウェーブのかかりが弱い。
ドライ後の指通りの評価は、次に示す評価方法及び評価基準に従って行った。
評価用毛束が異なる以外は、上記の毛髪変形効果の評価と同様の方法でパーマネントウェーブ処理を行い、処理後の乾燥させた評価用毛束に対して、ドライ後の指通りの評価を行った。なお、この場合の評価用毛束は、ヘアカラー処理履歴のある同一人物の日本人毛髪を重量2gとなるように集めたものを用いた。
ドライ後の評価用毛束に対して、中間部分から毛先部分にかけての指通りを基準と比較し、パネラー5名で官能評価による評点付けを行った。
◎:基準に比べて、ドライ後の指通りが良いと5名中5名が回答。
○:基準に比べて、ドライ後の指通りが良いと5名中4名が回答。
−:基準に比べてドライ後の指通りが良いと5名中3名以下が回答、
又は、ドライ後の指通りが悪いと5名中3名以下が回答。
△:基準に比べて、ドライ後の指通りが悪いと5名中4名が回答。
×:基準に比べて、ドライ後の指通りが悪いと5名中5名が回答。
Claims (6)
- チオグリコール酸及び塩化ナトリウムが配合され、
pHが7.0以下であることを特徴とする毛髪変形用第1剤。 - 前記pHが6.0以下である請求項1に記載の毛髪変形用第1剤。
- 前記チオグリコール酸の配合量が0.5質量%以上である請求項1又は2に記載の毛髪変形用第1剤。
- 前記塩化ナトリウムの配合量が0.02質量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪変形用第1剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪変形用第1剤と、酸化剤が配合された毛髪変形用第2剤と、を備える毛髪変形用剤。
- 請求項5に記載の毛髪変形用剤を用いた毛髪変形方法。
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