JP6911466B2 - 細胞の代謝を測定するためのマイクロチップ、細胞の代謝を測定するための装置、細胞の代謝を測定する方法及び細胞の代謝を測定するためのシステム - Google Patents
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Description
例えば、細胞の酸素消費や代謝フラックスを、蛍光プレートリーダーを使って測定するアッセイキットが市販されている。
しかし、市販のアッセイキットは、測定対象が細胞のバルク(数万個の細胞)であり、単一細胞の代謝を測定することができなかった。そこで、単一細胞の代謝を測定できる技術が求められていた。
しかし、単一細胞が測定対象の場合は、ウェルが非常に小さいため、酸素の拡散やウェル間での酸素の糖化等の影響が大きく、単一細胞を十分に隔離しなければ正確な酸素消費データが得られない。
非特許文献1には、マイクロウェルアレイに単一の生細胞を入れ、シアノアクリレート系接着剤、シリコーンゴム及びホウケイ酸ガラスを用いて封止し、単一の生細胞の酸素消費を測定したことが開示されている。
非特許文献2には、ガラスをエッチングしたマイクロウェルアレイに単一の生細胞を入れ、ピストンを用いて金で作られた酸素バリアでマイクロウェルを封止したことが開示されている。
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、
前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路と
を有し、
前記流体は、細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである、
細胞の代謝を測定するためのマイクロチップを提供する。
前記流体は鉱物油から1種類又は複数種類を選択することができる。
前記細胞捕獲部は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さない材質で形成されていてもよい。
また、前記細胞捕獲部の表面は親水性であり得る。
一方、前記封止用流路の表面は疎水性であり得る。
また、前記封止用流路は、前記細胞捕獲部外の上部、下部及び側部からなる群から選択される面を直接的又は間接的に封止するように形成されていてもよい。
更に、前記細胞捕獲部は細胞引き込み用通路を有してもよい。
また更に、試料流入部、試料流出部、流体流入部及び流体流出部を有してもよい。
なお、前記細胞は単一細胞又は細胞塊でもよい。
細胞の代謝を測定するための装置であって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路とを有し、前記流体は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップ、
前記マイクロチップの封止用流路に前記流体を導入する流体導入部、及び
前記マイクロチップの細胞捕獲部に捕獲された細胞の代謝を測定する測定部
を有する装置を提供する。
細胞の代謝を測定する方法であって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路とを有し、前記流体は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップを用い、以下の工程(A)〜(C):
(A)前記細胞を細胞捕獲部に捕獲する工程、
(B)前記封止用流路に流体を導入し、前記細胞捕獲部を封止する工程、及び
(C)前記細胞の代謝を測定する工程
を含む方法を提供する。
ここで、前記工程(C)は、酸素及び/又は水素イオンの濃度を測定することにより行うことができる。
また、前記工程(A)で捕獲された細胞に細胞刺激物質を適用する工程を更に含んでもよい。
細胞の代謝を測定するためのシステムであって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路とを有し、前記流体は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップ、前記マイクロチップの封止用流路に前記流体を導入する流体導入部、並びに前記マイクロチップの細胞捕獲部に捕獲された細胞の代謝を測定する測定部を有する、細胞の代謝を測定するための装置部と、
前記流体の流れの制御及び前記測定を前記装置部に実行させるためのプログラムを有する装置制御部と、
前記装置部により得られた測定データを解析する解析部と、
前記測定部により得られた測定データ及び/又は前記解析部により得られた解析結果を表示する表示部と、
を有するシステムを提供する。
1.細胞代謝測定用マイクロチップ
1−1.マイクロチップの構造
1−2.実施態様1
1−3.実施態様2
1−4.マイクロチップの製造方法
2.細胞代謝測定装置
3.細胞代謝測定方法
4.細胞代謝測定システム
本技術の細胞の代謝を測定するためのマイクロチップは、樹脂、ガラス、シリコン、金属等の材質で形成される。該材質は、オキソニウムイオン、水素イオン等のイオン透過性、酸素分子や水素分子等の気体透過性、液体透過性、細胞から排出・分泌される物質や細胞に取り込まれる物質等の細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さない材質であることが好ましい。具体的には、加熱により硬化する液状フッ素エラストマー、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、アクリル系樹脂等が挙げられる。
あるいは、「実質的に」とは、ウェルのサイズにもよるが、例えば50μm径のウェルが、該ウェル以外の部分であって細胞代謝関連物質が満たされている部分に接しているときに、該ウェルが前記細胞代謝関連物質で満たされるまでの時間が、好ましくは10分以上、より好ましくは60分以上かかることをいう。
本技術のマイクロチップの基本構造を図1に示す。
該マイクロチップは、試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部101(斜線部分)と、該細胞捕獲部101を封止する流体が導入される封止用流路103とを有する。図1では、試料等は右上から左下に矢印方向に流れる例を示す。細胞捕獲部101は、側壁102で囲まれており、内部に細胞201が入る。なお、図1では、細胞捕獲部101を、正方形を例として表しているが、円形、楕円形、長方形、六角形、八角形、その他の多角形等、種々の形を取り得る。
例えば、白血球、赤血球、マクロファージ、樹上細胞、好中球、好酸球、好塩基球、巨画球、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラー細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、肥満細胞、Th2細胞、制御性T細胞等の血液及び免疫系細胞、外分泌上皮細胞、ホルモン分泌細胞、上皮細胞、神経細胞、感覚器官の細胞、幹細胞、脂肪細胞、収縮性細胞、胚細胞、ナース細胞、間質細胞等が挙げられる。
本技術のマイクロチップの実施態様1を図2に示す。
図2は、波形構造を有するマイクロチップの例を示しており、山部の頂部に凹部を形成し、該凹部は側壁402で囲まれて細胞捕獲部101(斜線部分)となる。このような波形構造にすることにより、波形頂部の凹部の細胞捕獲部101に捕捉された細胞201に、他の細胞が接着することを防ぎ、かつ細胞捕獲部101近辺に堆積していくことを防ぐ。
図2は、試料等が封止用流路103を左から右へ矢印方向に流れる例を示す。なお、流れは逆方向でもかまわない。
図2は、バッファーやシース液等が左から右へ矢印方向に流れる例を示す。なお、流れは逆方向でもかまわない。
図3に、細胞捕獲部101及び細胞引き込み用通路104のサイズの例を示す。
マイクロチップは、前述した波形構造を有する。天板を有する封止用流路内では、試料の液流が層流となっており、常に封止用流路の中央の流速が流路側面付近より早いという特性がある。そのため、波形頂部の流速が早くなる。よって、波形頂部に細胞捕獲部を設けたことにより、細胞が細胞捕獲部に2個以上入ろうとするダブレットを防ぐことができる。つまり、ダブレットになろうとして2個目の細胞が付着しても波形構造の波形頂部の流速が早いため、中央層流に流されて2個目以降が入りにくくなる。
また、アレイ型マイクロチップの上面の写真を図5及び図6に示す。図6は図5の一部を拡大したものである。ダブレットになっているウェルがわずかにあるものの、ほとんどのウェルには単一細胞が捕獲されている。
センサとして、例えば酸素消費量測定用センサ、pHセンサ等が挙げられる。具体的には、燐光の時定数の変化による酸素濃度測定用センサ、水素イオン濃度の変化に従い燐光の時定数が変化するセンサ、酸素濃度及び水素イオン濃度を独立した波長帯(励起又は蛍光波長)で燐光を示すセンサ、又はこれらを組み合わせたものが挙げられる。
封止用流体は、オキソニウムイオン、水素イオン等のイオン、酸素分子、水素分子等の気体、液体、例えば、細胞から排出・分泌される物質や、細胞に取り込まれる物質等の細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである。
あるいは、「実質的に」とは、ウェルや封止用流路、外部流路等のサイズにもよるが、例えば50μm径のウェルが、封止用流体が介在しかつ該ウェル以外の部分であって細胞代謝関連物質が満たされている部分に接しているときに、該ウェルが前記細胞代謝関連物質で満たされるまでの時間が、好ましくは10分以上、より好ましくは60分以上かかることをいう。
例えば、鉱物油(パラフィン系、ケロシン、炭化水素又は鎖式飽和炭化水素系等)が挙げられる。また、粘度の高い流体では拡散定数が低くなるので、炭化水素又は鎖式飽和炭化水素系の場合、炭化水素が長い方が好ましい。
酸素透過性が低い流体としては、グリセリン、ジエチレングリコール、PEG 400、エチレングリコール、ポリイソブチレン、ポリイソブチレンとポリスチレンとの混合物等が挙げられる。
水素イオンの封止可能な流体としては、極性の無い液体が挙げられ、例えばパラフィン、ポリイソブチレン等である。
封止用流体は、1種類選択して用いてもよいし、又は複数種類を選択してもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
例えば、封止用流体が鉱物油の場合、鉱物油を封止用流路103に流したときにマイクロチップ表面が親油性であることが好ましい。
一方、細胞捕獲部101には細胞含有試料やシース液を保持しておくので、親水性であることが好ましい。
一方で、細胞捕獲部101の表面には、親水基があることが好ましい。また、細胞引き込み用通路の104の表面にも親水基があることが好ましい。
細胞捕獲部101の表面を親水性にするには、フッ素ガスと酸素を表面に当てることによるカルボキシル基の導入、フッ素ガスと二酸化硫黄を表面に当てることによるスルホン酸基の導入等で行うことができる。
本技術のマイクロチップの実施態様2を図7に示す。
マイクロチップ1は、その内部に、試料流入部501、流体流入部502、試料流出部503、流体流出部504を有してもよい。
試料流入部501と流体流入部502は分けずに兼用してもよいし、試料流出部503と流体流出部504も分けずに兼用してもよい。
試料は、試料流入部から導入し、封止用流路103に流れ、細胞捕獲部101の上部及び細胞捕獲部101内にも流れて、細胞捕獲部101に試料中の細胞が捕獲される。
細胞捕獲後、バッファーやシース液、洗浄液等で残余の試料を試料流出部503に流してもよい。
このような操作で、細胞を傷付けることなく細胞に影響を与えることなく、封止及び封止の解除を繰り返し行うことができる。
本技術の酸素消費量測定用マイクロチップは、例えば以下のように製造できる。
ジメチルポリシロキサン(PDMS)の基板の全体に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)のフィルムを積層する。その上に、細胞の酸素代謝を測定できるシート型センサを積層する。基板への積層はスピンコーティング等の技術で行うことができる。
本技術の細胞代謝測定装置の例を図8に示す。
細胞代謝測定装置11は、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路とを有し、前記流体は細胞代謝関連物質の透過性、特に酸素透過性及び/又は水素透過性を実質的に有さないものである、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップ1、
前記マイクロチップの封止用流路に前記流体を導入する流体導入部2、及び
前記マイクロチップの細胞捕獲部に捕獲された細胞の代謝を測定する測定部3
を有する。
また、マイクロチップ1を設置する装置部分には、生細胞が活動する温度、例えばヒト由来の細胞であれば細胞捕獲部が35〜40℃になるようなヒーターを設置することができる。
そして、流体導入部2は、例えばポンプ等の送液装置を有しており、例えば加圧により封止用流体をマイクロチップ1内に送り込むことができる。
なお、流体導入部2は試料導入部(図示せず)や細胞刺激試薬導入部(図示せず)と兼用としてもよい。
測定部3の具体例としては、蛍光強度を測定する測定部、個々の細胞捕獲部101における燐光の時定数の経時変化を測定する測定部、高速イメージング等を使って一括で複数の細胞捕獲部101における燐光の時定数の変化を測定する測定部等が挙げられる。
また、細胞代謝能測定前に、どの細胞捕獲部101に細胞が捕獲されたかを画像データを取得する装置(CMOS、CCD等)を含めてもよい。画像データで各々の細胞捕獲部101に細胞が捕獲されたことを確認後、細胞代謝能を測定してもよい。
または、特定の細胞を認識できるように試薬でマーキングしておき、細胞を全部回収した後、マーキングした細胞のみを選択することもできる。
本技術の細胞代謝測定方法は、本技術のマイクロチップを用い、
以下の工程(A)〜(C):
(A)前記細胞を細胞捕獲部に捕獲する工程、
(B)前記封止用流路に流体を導入し、前記細胞捕獲部を封止する工程、及び
(C)前記細胞の代謝を測定する工程
を含んで行う。
まず、マイクロチップに細胞を含有する試料を導入する。細胞をマイクロチップ内で運ぶためにシース液等を用いてもよい。運ばれた細胞はマイクロチップの細胞捕獲部にて、例えば1個ずつ捕獲される(S101)。捕獲されなかった細胞や余剰の試料は、シース液や洗浄液で洗い流しても、封止用流体で押出してもよい。
測定項目として、例えば酸素透過性、水素イオンの濃度、pHが挙げられるが、特に限定されない。
本技術の細胞代謝測定システムの例を図10に示す。
細胞代謝測定システム1000は、
細胞代謝測定装置11と、
流体の流れの制御及び測定を、細胞代謝測定装置11の装置部に実行させるためのプログラムを有する装置制御部12と、
装置11にある測定部により得られた測定データを解析する解析部と、
測定部により得られた測定データ及び/又は前記解析部により得られた解析結果を表示する表示部と、
を有する。
装置制御部12はプログラムを搭載しており、プログラムには予め測定条件や装置動作が設定され、該条件に応じて細胞代謝測定装置11を制御する。
また、解析結果を装置制御部12にフィードバックし、自動的に測定条件や装置動作を変えることもできる。
〔1〕 試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、
前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路と
を有し、
前記流体は、細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである、
細胞の代謝を測定するためのマイクロチップ。
〔2〕 前記流体は鉱物油から1種類又は複数種類が選択されたものである、〔1〕のマイクロチップ。
〔3〕 前記細胞捕獲部は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さない材質で形成された、〔1〕又は〔2〕のマイクロチップ。
〔4〕 前記細胞捕獲部の表面は親水性である、〔1〕〜〔3〕のいずれかのマイクロチップ。
〔5〕 前記封止用流路の表面は疎水性である、〔1〕〜〔4〕のいずれかのマイクロチップ。
〔6〕 前記封止用流路は、前記細胞捕獲部外の上部、下部及び側部からなる群から選択される面を直接的又は間接的に封止するように形成された、〔1〕〜〔5〕のいずれかのマイクロチップ。
〔7〕 前記細胞捕獲部は細胞引き込み用通路を有する、〔1〕〜〔6〕のいずれかのマイクロチップ。
〔8〕 更に、試料流入部、試料流出部、流体流入部及び流体流出部を有する、〔1〕〜〔7〕のいずれかのマイクロチップ。
〔9〕 前記細胞は単一細胞又は細胞塊である、〔1〕〜〔8〕のいずれかのマイクロチップ。
〔10〕 細胞の代謝を測定するための装置であって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路とを有し、前記流体は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップ、
前記マイクロチップの封止用流路に前記流体を導入する流体導入部、及び
前記マイクロチップの細胞捕獲部に捕獲された細胞の代謝を測定する測定部
を有する、前記装置。
〔11〕 細胞の代謝を測定する方法であって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路とを有し、前記流体は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップを用い、以下の工程(A)〜(C):
(A)前記細胞を細胞捕獲部に捕獲する工程、
(B)前記封止用流路に流体を導入し、前記細胞捕獲部を封止する工程、及び
(C)前記細胞の代謝を測定する工程
を含む、前記方法。
〔12〕 前記工程(C)は、酸素透過性及び/又は水素イオンの濃度を測定することにより行う、〔11〕に記載の方法。
〔13〕 前記工程(A)で捕獲された細胞に細胞刺激物質を適用する工程を更に含む、〔11〕又は〔12〕に記載の方法。
〔14〕 細胞の代謝を測定するためのシステムであって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路とを有し、前記流体は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものである、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップ、前記マイクロチップの封止用流路に前記流体を導入する流体導入部、並びに前記マイクロチップの細胞捕獲部に捕獲された細胞の代謝を測定する測定部を有する、細胞の代謝を測定するための装置部と、
前記流体の流れの制御及び前記測定を前記装置部に実行させるためのプログラムを有する装置制御部と、
前記装置部により得られた測定データを解析する解析部と、
前記測定部により得られた測定データ及び/又は前記解析部により得られた解析結果を表示する表示部と、
を有する前記システム。
2 流体導入部
3 測定部
11 細胞代謝測定装置
12 装置制御部
13 解析部
14 表示部
15 細胞含有試料
101 細胞捕獲部
102 側壁
103 封止用流路
104 細胞引き込み用通路
105 外部流路
201 細胞
401 天板
402 側壁
403 底板
501 試料流入部
502 流体流入部
503 試料流出部
504 流体流出部
601 基板
602 フィルム
603 シート型センサ
604 押し型
1000 細胞代謝測定システム
Claims (14)
- 試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、
前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路と、
を有する、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップであって、
前記流体は、細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものであり、
前記マイクロチップは、波形構造を有し、
前記細胞捕獲部は、前記波形構造における山部の頂部に形成され、且つ、側壁で囲まれた凹部である、マイクロチップ。 - 前記流体は鉱物油から1種類又は複数種類が選択されたものである、請求項1に記載のマイクロチップ。
- 前記細胞捕獲部は細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さない材質で形成された、請求項1又は2に記載のマイクロチップ。
- 前記細胞捕獲部の表面は親水性である、請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロチップ。
- 前記封止用流路の表面は疎水性である、請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロチップ。
- 前記封止用流路は、前記細胞捕獲部外の上部、下部及び側部からなる群から選択される面を直接的又は間接的に封止するように形成された、請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロチップ。
- 前記細胞捕獲部は細胞引き込み用通路を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロチップ。
- 更に、試料流入部、試料流出部、流体流入部及び流体流出部を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロチップ。
- 前記細胞は単一細胞又は細胞塊である、請求項1から8のいずれか一項に記載のマイクロチップ。
- 細胞の代謝を測定するための装置であって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路と、を有する、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップであって、前記流体は、細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものであり、前記マイクロチップは、波形構造を有し、前記細胞捕獲部は、前記波形構造における山部の頂部に形成され、且つ、側壁で囲まれた凹部である、マイクロチップ、
前記マイクロチップの封止用流路に前記流体を導入する流体導入部、及び
前記マイクロチップの細胞捕獲部に捕獲された細胞の代謝を測定する測定部
を有する、前記装置。 - 細胞の代謝を測定する方法であって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路と、を有する、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップであって、前記流体は、細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものであり、前記マイクロチップは、波形構造を有し、前記細胞捕獲部は、前記波形構造における山部の頂部に形成され、且つ、側壁で囲まれた凹部である、マイクロチップを用い、以下の工程(A)〜(C):
(A)前記細胞を細胞捕獲部に捕獲する工程、
(B)前記封止用流路に流体を導入し、前記細胞捕獲部を封止する工程、及び
(C)前記細胞の代謝を測定する工程
を含む、前記方法。 - 前記工程(C)は、酸素透過性及び/又は水素イオンの濃度を測定することにより行う、請求項11に記載の方法。
- 前記工程(A)で捕獲された細胞に細胞刺激物質を適用する工程を更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
- 細胞の代謝を測定するためのシステムであって、
試料に含有される細胞を捕獲する細胞捕獲部と、前記細胞捕獲部を封止する流体が導入される封止用流路と、を有する、細胞の代謝を測定するためのマイクロチップであって、前記流体は、細胞代謝関連物質の透過性を実質的に有さないものであり、前記マイクロチップは、波形構造を有し、前記細胞捕獲部は、前記波形構造における山部の頂部に形成され、且つ、側壁で囲まれた凹部である、マイクロチップ、前記マイクロチップの封止用流路に前記流体を導入する流体導入部、並びに前記マイクロチップの細胞捕獲部に捕獲された細胞の代謝を測定する測定部を有する、細胞の代謝を測定するための装置部と、
前記流体の流れの制御及び前記測定を前記装置部に実行させるためのプログラムを有する装置制御部と、
前記装置部により得られた測定データを解析する解析部と、
前記測定部により得られた測定データ及び/又は前記解析部により得られた解析結果を表示する表示部と、
を有する前記システム。
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