JP6910933B2 - 電子時計 - Google Patents

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Description

本発明は、電子時計に関する。
特許文献1には、GPS(Global Positioning System)衛星等からの信号を受信し、受信した信号に基づいて時刻修正を行う時計であって、受信のモードに応じて、受信動作の処理速度を可変にする技術が開示されている。特許文献1においては、手動受信モードにおいては高速クロックとし、自動受信モードにおいては低速クロックとしている。受信動作等のクロック信号に基づく処理は、時計に内蔵される内蔵電池から電力を供給されることにより行われるものであり、クロック周波数の高い処理においては、クロック周波数の低い処理と比較して受信成功の確度の向上が期待できる一方で、電池電圧の降下量が大きくなる。電子時計において、内蔵電池の電池電圧が過度に低下してしまうと、現在時刻を保持する等の枢要な動作を担う内蔵プロセッサが動作不能となる、システムダウンのおそれがある。
特許第4488066号公報
ここで、内蔵電池の電圧降下量は、時計の内部温度に大きく依存する。内部温度が低い場合に、クロック周波数の高い処理を行うと、電池電圧が過度に低下してしまうおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、内部温度に応じて適切な動作制限を行うことができる電子時計を提供することにある。
(1)内蔵電池と、クロック信号を生成するクロック生成回路と、前記内蔵電池から電力供給を受け、前記クロック信号に基づいて処理を実行する処理回路と、前記処理回路を制御する制御回路と、を含む電子時計であって、前記電子時計の内部温度を検出する温度センサを有し、前記制御回路は、前記内部温度に基づいて、前記クロック信号の周波数を設定する、電子時計。
(2)(1)において、前記制御回路は、前記内部温度が第1閾値より高い場合、前記周波数を第1周波数に設定し、前記内部温度が前記第1閾値以下の場合、前記周波数を前記第1周波数より低い第2周波数に設定する、電子時計。
(3)(2)において、前記制御回路は、前記内部温度が前記第1閾値より高い第2閾値より高い場合は、前記周波数を前記第1周波数よりも低い第3周波数に設定する、電子時計。
(4)(3)において、前記制御回路は、前記第2閾値より高い第3閾値より高い場合、又は前記内部温度が前記第1閾値より低い第4閾値以下の場合、前記処理の実行を禁止する、電子時計。
(5)(2)〜(4)のいずれかにおいて、前記内蔵電池の電池電圧を検出する電圧センサをさらに有し、前記制御回路は、前記電池電圧に応じて前記第1閾値を設定する、電子時計。
(6)(5)において、前記内部温度の範囲及び前記電池電圧の範囲の組み合わせにそれぞれ関連づけて、前記前記周波数の候補を記憶するメモリを含む、電子時計。
(7)(6)において、前記周波数の候補のそれぞれに関連づけられる前記内部温度の範囲の幅は、該範囲が低温に係るものであるほど狭い、電子時計。
(8)(5)において、前記電池電圧が高いほど小さくなる前記第1閾値を記憶するメモリを含む、電子時計。
(9)(8)において、前記メモリは、前記電池電圧が高いほど大きくなる前記第2閾値を記憶する、電子時計。
(10)(9)において、前記第1閾値及び前記第2閾値は一次式で表され、前記第1閾値を表す一次式の傾きの絶対値は、前記第2閾値を表す一次式の傾きの絶対値より大きい、電子時計。
(11)(2)〜(10)のいずれかにおいて、前記処理回路は、外部からの信号を受信する受信動作を行う回路であり、前記処理は前記受信動作である、電子時計。
(12)(11)において、前記受信動作は、前記信号の捕捉を行う捕捉動作と、前記捕捉の成功後に行われる追尾動作を含み、前記制御回路は、前記内部温度に基づいて、前記捕捉動作及び前記追尾動作のそれぞれについて前記周波数を設定する、電子時計。
(13)(12)において、前記捕捉に失敗し、前記捕捉動作を再度行う場合における前記第1閾値が、前記捕捉の失敗前の前記第1閾値より高い、電子時計。
(14)(1)〜(10)のいずれかにおいて、外部からの操作を受け付ける操作部を有し、前記処理回路は、前記操作部が受け付けた操作に応じて前記処理を実行する、電子時計。
(15)(1)〜(10)のいずれかにおいて、外部からの信号を受信する受信回路を有し、前記処理回路は、前記受信回路が受信した前記信号に含まれる時刻情報に応じて前記処理を実行し、前記処理は前記電子時計の内部時刻の修正動作である、電子時計。
(16)(1)〜(15)のいずれかにおいて、前記温度センサ及び前記内蔵電池は、いずれも前記電子時計の中心を通る二分線の片側の領域に配置される、電子時計。
(17)(1)〜(16)のいずれかにおいて、前記制御回路は、前記処理の開始時に前記温度センサが検出した前記内部温度に基づいて、前記周波数を設定する、電子時計。
(18)(1)〜(16)のいずれかにおいて、前記制御回路は、前記処理の開始時の所定時間前に前記温度センサが検出した前記内部温度に基づいて、前記周波数を設定する、電子時計。
(19)(17)又は(18)において、前記制御回路は、前記処理中に前記温度センサが検出した前記内部温度に基づいて、前記周波数を切り替える、電子時計。
本発明の第1実施形態に係る衛星電波腕時計の外観の一例を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る衛星電波腕時計の内部構成を示すブロック図である。 受信回路が受信動作を連続して実行した場合における二次電池の電圧推移の概要を、二次電池の温度毎にそれぞれ示す図である。 第1実施形態における周波数テーブルの一例を示す図である。 第1実施形態における受信制御回路の動作を説明するフローチャートである。 第2実施形態における周波数テーブルを示す図である。 第2実施形態における受信制御回路の動作を説明するフローチャートである。 第2実施形態の変形例における第1閾値及び第2閾値を説明する図である。 第3実施形態における周波数テーブルを示す図である。 第3実施形態における受信制御回路の動作を説明するフローチャートである。 位置情報を取得するための受信動作における周波数テーブルを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1実施形態に係る衛星電波腕時計1は、時刻情報を含んだ衛星信号を受信し、当該受信した衛星信号に含まれる時刻情報を用いて自身が計時している内部時刻の修正を行う。なお、第1実施形態においては、衛星電波腕時計を例にあげて説明するが、これに限られるものではなく、外部からの信号を受信可能な受信回路を有する電子時計であればよい。
図1は、第1実施形態に係る衛星電波腕時計の外観の一例を示す平面図であり、図2は、衛星電波腕時計の内部構成を示す構成ブロック図である。これらの図に示されるように、衛星電波腕時計1は、アンテナ10と、受信回路20と、DCDCコンバータ23と、時計回路30と、振動子38と、電力供給部40と、駆動機構50と、時刻表示部51と、指針52と、文字板53と、操作部60と、を含んで構成される。
アンテナ10は、時刻情報を含んだ電波として、衛星から送信される衛星信号を受信する。特に第1実施形態では、アンテナ10は、GPS衛星から送信される周波数約1.6GHzの電波を受信するパッチアンテナである。GPSは、衛星測位システムの一種であって、地球の周囲を周回する複数のGPS衛星によって実現されている。これらのGPS衛星は、それぞれ高精度の原子時計を搭載しており、原子時計によって計時された時刻情報を含んだ衛星信号を周期的に送信している。
受信回路20は、高周波回路(RF回路)21、デコード回路22、受信制御回路24、クロック生成回路25を含んで構成されており、アンテナ10によって受信された衛星信号を復号して、復号の結果得られる衛星信号の内容を示すビット列(受信データ)を出力する。受信回路20には、DCDCコンバータ23により所定の電圧に変換された二次電池42の出力電圧が電源電圧として供給される。
高周波回路21は、TCXO(温度補償型水晶振動子)26の発振に応じた信号に基づいて動作する集積回路であって、アンテナ10が受信したアナログ信号に対して増幅、検波を行って、ベースバンド信号に変換する。デコード回路22は、高周波回路21が出力するベースバンド信号を復号してGPS衛星から受信したデータの内容を示すビット列を生成する。生成されたビット列(受信データ)は、受信制御回路24から送信され、時計回路30に含まれるRAM33内のバッファ領域に順次書き込まれる。
デコード回路22は、衛星の捕捉を行う際に衛星信号との相関をとる相関器22aと、衛星の追尾を行うためのトラッキング回路22bを含む。相関器22aにより衛星信号の衛星番号と相関がとれた後、トラッキング回路22bに衛星番号とタイミングに関する相関データが送られる。目的の衛星の捕捉が完了した時点で、相関器22aの動作は停止する。そして、トラッキング回路22bが、相関器22aから送られた衛星番号とタイミングに基づいて衛星の追尾を行う。
ここで、捕捉動作とは、CDMA(Code Division Multiple Access)により多重化された信号の一つを取り出すことであり、具体的には、一つの信号に対応するC/A(Coarse/Acquisition)コードを受信信号に乗ずることにより、相関のある信号を取り出す動作である。また、追尾動作とは、受信信号のキャリア波の位相及び受信信号に含まれるC/Aコードの位相と、選択したC/Aコードのキャリア波の位相及びコードの位相とを合致させてデコードすることにより、継続的にデータを取り出す動作である。
クロック生成回路25は、TCXO26の発振に応じた信号に基づいて周波数の異なる複数種類のクロック信号を生成可能に構成される。第1実施形態においては、クロック生成回路25は、64MHz(高周波)のクロック信号と、16MHz(低周波)のクロック信号を生成する。そして、上述のデコード回路22は、クロック生成回路25が生成したクロック周波数に基づいて、捕捉動作及び追尾動作を含む受信動作を実行する。
衛星電波腕時計1の文字板53には、例えば「OK」、「NG」、「RX」の文字による、受信回路20の状態を示す受信状態表示61が設けられており、受信回路20による衛星信号の受信中には秒針52cが「RX」の文字を指示し、その後、受信回路20により衛星信号の受信に成功すれば秒針52cが「OK」の文字を指示した後、通常の運針を再開する。また、衛星信号の受信に失敗すれば、秒針52cが「NG」の文字を指示した後、通常の運針を再開する。
時計回路30は、時計制御回路31と、モータ駆動回路35と、クロック生成回路36と、温度センサ37と、を含んで、一つの集積回路により構成される。時計制御回路31は、衛星電波腕時計1に含まれる各種回路や機構を制御する回路であり、演算部32と、RAM(Random Access Memory)33と、ROM(Read Only Memory)34と、を含む。
演算部32は、ROM34に格納されたプログラムに従って各種の情報処理を行う。RAM33は、演算部32のワークメモリとして機能し、演算部32の処理対象となるデータが書き込まれる。特に第1実施形態では、受信回路20によって受信された衛星信号の内容を表すビット列(受信データ)が、RAM33内のバッファ領域に順次書き込まれるほか、制御用の各種変数の値が保持される。
クロック生成回路36は、衛星電波腕時計1の内部での計時に使用されるクロック信号を生成し、演算部32に供給する。演算部32は、クロック生成回路36より供給されるクロック信号に基づいて内部時刻を取得し、時刻表示部51に表示すべき時刻(表示時刻)を決定する。クロック生成回路36は、外部の振動子38に電気的に接続されている。第1実施形態においては、振動子38は、水晶振動子であり、二次電池42を電源として衛星電波腕時計1の内部時刻の基準となる周波数で発振する。例えば、水晶振動子の発振周波数は32.768kHzであり、時計回路30に含まれる16ビットのカウンタがオーバーフローするタイミングを読み取ることで1秒をカウントする。そして、時計制御回路31が、カウンタによりカウントされたカウント数に応じて、駆動信号をモータ駆動回路35に出力する。モータ駆動回路35は、駆動信号に基づいてステッピングモータ等を含む駆動機構50を駆動させる。それにより、時刻表示部51は、上述した時針52a、分針52b、及び秒針52cにより時刻を表示する。
振動子38の発振周波数には温度依存性があるため、クロック生成回路36は、自身が生成するクロック信号の周波数を一定にするよう、温度補償動作を行う。具体的には、温度センサ37により検出される衛星電波腕時計1の内部温度に関する温度データを時計制御回路31が取得すると、該時計制御回路31はクロック信号の周波数を一定にするように補償信号をクロック生成回路36に送信する。クロック生成回路36は、補償信号に応じて振動子38の発振周波数を変化させ、これにより振動子38の発振周波数やクロック生成回路36から出力されるクロック信号の周波数を温度によらず一定にしている。
温度センサ37は、感温デバイスの状態を計測することにより、温度データを取得するものである。例えば、温度センサ37はCR発振器を含んで構成されてよく、該CR発振器の発振周波数を計測し、そうして得られる発振周波数から温度データを取得することができる。
ここで、温度センサ37は、図1に示すように、集積回路である時計回路30の角部に内蔵されている。衛星電波腕時計1のケース内においては、平面視で円形の二次電池42の隣に振動子38が配置されており、二次電池42と振動子38とによりできる隅部に、温度センサ37が設けられた時計回路30の角部が配置され、これにより温度センサ37は振動子38のみならず、二次電池42にも近接するようになっている。二次電池42と振動子38と温度センサ37は、いずれも時計の中心(指針52の回転軸の位置)を通る二分線αの一方側の領域(図1では上側)に配置されている。なお、図1では、二分線αは3時及び9時の位置を通るが、二分線αは時計の中心を通り、平面視で文字板53を二分する任意の直線であってよい。また、二次電池42が大型の場合には、二次電池42の中心42aが二分線αの上記一方側の領域に位置していればよく、その周縁部の一部が他方側にあってもよい。その他の要素、例えば時計回路30の温度センサ37以外の部分、アンテナ10、受信回路20、DCDCコンバータ23などは、二分線αのどちらの側に配置されてもよく、図1は、時計回路30、アンテナ10、受信回路20、DCDCコンバータ23の配置の一例である。以上の二次電池42、振動子38及び温度センサ37の配置により、温度センサ37の出力する温度データは、振動子38の温度を示すものとしてのみならず、二次電池42の温度を示すものとしても利用することができる。なお温度センサ37は、時計回路30に内蔵される必要はなく、独立したデバイスであってよい。あるいは、温度センサ37は他のデバイスに内蔵されてもよい。いずれの場合も、温度センサ37は二次電池42及び振動子38の近傍に配置されるとよい。なお、振動子38の温度と二次電池42の温度とを別々のセンサにより検出してもよい。
モータ駆動回路35は、演算部32により決定された表示時刻に応じて、駆動機構50に含まれるモータを駆動する駆動信号を出力する。これにより、時計制御回路31によって生成された表示時刻が時刻表示部51に表示される。
また、第1実施形態に係る衛星電波腕時計1では、演算部32が、クロック生成回路36から供給されるクロック信号に基づいて計時された内部時刻を、受信回路20が受信した衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて修正する。
電力供給部40は、受信回路20や時計回路30、駆動機構50など、衛星電波腕時計1内の各部に対して、その動作に必要な電力を供給する。電力供給部40は太陽電池41と、二次電池42と、スイッチSw1とを含む。
太陽電池41は、例えば透光性の薄板である文字板53の下に配置されており、衛星電波腕時計1に対して照射される太陽光などの外光によって発電し、発電した電力を二次電池42に供給する。
二次電池42は、リチウムイオン電池等の充電可能な電池と、そのリチウムイオン電池等の電池の充電および放電を管理するバッテリマネジメント回路とを含み、太陽電池41によって発電された電力を蓄積する。そして、蓄積された電力を、受信回路20、時計回路30、駆動機構50など、電力を必要とする各部に対して供給する。また、上記のバッテリマネジメント回路は二次電池42本体の電圧を検出する電圧センサを含んでおり、この電圧センサが検出した電圧は時計制御回路31に通知される。
二次電池42は、直列接続されたスイッチSw1を介して太陽電池41と並列接続されている。具体的には、太陽電池41の正極と二次電池42の正極とはスイッチSw1を介して接続されている。太陽電池41は、スイッチSw1がオンになっている間、二次電池42へ電力供給を行う。
ここで、受信回路20による衛星信号の受信は比較的大きな電力を消費することから、DCDCコンバータ23から受信回路20への電力供給は、時計回路30から出力されるスイッチSw2により制御されている。時計制御回路31は、必要時のみスイッチSw2をオン状態として受信回路20に給電することにより、電力の節減を図っている。例えば、時計制御回路31は、毎日決められた時刻に受信回路20に給電したり、操作部60により受信操作が行われた場合に受信回路20に給電したりする。また、時計制御回路31は、太陽電池41の発電量が大きく、文字板53の下に配置されたアンテナ10が衛星方向を向いている可能性が高いと推測される場合に、受信回路20に給電してよい。
ここで、受信回路20が受信動作を実行した場合であっても、受信環境等によっては所定の上限時間内に受信に成功しない場合があり、そのような場合は、受信動作が繰り返し実行される。受信動作を複数回繰り返し実行された場合、二次電池42の電圧が過度に降下し、時計回路30に供給される電圧が過度に降下するおそれがある。それにより、現在時刻を保持する等の枢要な動作が実行不能となる、システムダウンを起こしてしまうおそれがある。
また、二次電池42の電圧降下量(降下スピード)は、二次電池42の温度に大きく依存する。ここで、図3を参照して、二次電池42の電圧と、二次電池42の温度との関係について説明する。図3は、受信回路が捕捉動作を連続して実行した場合における二次電池の電圧推移の概要を、二次電池の温度毎にそれぞれ示す図である。具体的には、二次電池の温度が高温(約60℃)の場合を実線で示し、常温(約24℃)の場合を破線で示し、低温(約−10℃)の場合を二点鎖線で示す。図に示すように、温度が低いほど、二次電池42の電圧降下量は大きい。なお、図3は電圧の推移の概要を示すものであり、実際の波形は、受信動作に応じて降下と回復を繰り返しながら、全体として大きく降下する形状となっている。
上述のように、受信回路20における受信動作は、クロック生成回路25が生成するクロック信号に基づいて行われる。高周波のクロック信号に基づいて受信動作が実行された場合、受信回路20における処理速度が速くなることにより捕捉感度及び追尾感度が向上するため、衛星信号の受信成功の確度が向上するが、二次電池42にかかる負荷が大きい。一方、低周波のクロック信号に基づいて受信動作が実行された場合、二次電池42にかかる負荷が小さいが、衛星信号を受信成功の確度は低くなってしまう。
そこで、第1実施形態においては、受信制御回路24が、衛星電波腕時計1の内部温度に基づいて、受信動作におけるクロック信号の周波数を設定する構成とした。具体的には、温度センサ37により検出された衛星電波腕時計1の内部温度が、電圧センサにより検出された二次電池42の電池電圧に応じて予め設定される第1閾値Tth1より高い場合、高周波のクロック信号に基づいて受信動作を実行し、第1閾値Tth1以下の場合、低周波のクロック信号に基づいて受信動作を実行することとした。
ここで、内部温度は衛星電波腕時計1の内部の温度を意味し、第1実施形態においては、温度センサ37により内部温度を検出することにより、二次電池42の電池温度や、時計回路30の温度を間接的に検出している。
図4は、第1実施形態における周波数テーブルの一例を示す図である。図4に示す周波数テーブルは、ROM27に保持されるものであり、受信制御回路24が取得する電圧データ及び温度データの各組み合わせに関連づけてクロック周波数の候補を記憶するものである。なお、以下、温度センサ37が検出して受信制御回路24に通知される温度データを単に内部温度ともいい、電圧センサが検出して受信制御回路24に通知される電圧データを単に電池電圧ともいう。
図4中において、「高」は受信動作におけるクロック信号のクロック周波数が高周波であることを示し、「低」は受信動作におけるクロック信号のクロック周波数が低周波であることを示し、「禁止」は受信動作を実行しないことを示す。また、第1実施形態においては、「高」においてはクロック周波数を64MHzとし、「低」においてはクロック周波数を16MHzとした。なお、ここでの周波数の数値は一例であり、これに限られるものではない。また、第1実施形態においては、高周波及び低周波の2種類の周波数のいずれかに設定する例について説明するが、これに限られるものではなく、3種類以上の周波数のいずれかに設定する構成であっても構わない。例えば、電池電圧及び内部温度に応じて、クロック周波数が64MHz、32MHz、16MHz、8MHz、4MHzのいずれかに設定されるような周波数テーブルをROM27に保持してもよい。
第1実施形態では、二次電池42のバッテリマネジメント回路は、受信動作の開始時の二次電池42の電池電圧が、2.4V以下(電圧範囲1)、2.4Vより高く2.65V以下(電圧範囲2)、2.65Vより高く2.7V以下(電圧範囲3)、2.7Vより高く2.8V以下(電圧範囲4)、2.8Vより高く2.9V以下(電圧範囲5)、2.9Vより高く3.1V以下(電圧範囲6)、3.1Vより高く3.2V以下(電圧範囲7)、3.2Vより高く3.3V以下(電圧範囲8)のいずれかであるかを検出する。そして、受信制御回路24が電圧センサにより検出された電圧データを取得する。なお、以下、3.3Vをフル充電電圧といい、2.4Vを充電警告電圧とする。フル充電電圧は、二次電池42の充電が最大の状態の電圧である。充電警告電圧は、二次電池42の電圧がそれ以上降下すると受信動作の実行が禁止される電圧である。
また、温度センサ37は、受信動作の開始時の内部温度が、−10℃以下(温度範囲1)、−10℃より高く−5℃以下(温度範囲2)、−5℃より高く0℃以下(温度範囲3)、0℃より高く5℃以下(温度範囲4)、5℃より高く10℃以下(温度範囲5)、10℃より高く25℃以下(温度範囲6)、25℃より高く40℃以下(温度範囲7)、40℃より高く70℃以下(温度範囲8)、70℃より高い(温度範囲9)のいずれかであるかを検出する。そして、受信制御回路24が温度センサ37により検出された温度データを取得する。なお、温度範囲は、低温のものほど範囲の幅は狭くなるように設定されている。これにより、低温ほど緻密な周波数制御を行うことができる。
なお、第1実施形態においては、温度データ及び電圧データが各センサから受信制御回路24に直接通知される例について説明するが、温度データ及び電圧データは演算部32に通知され、演算部32から受信制御回路24に通知される構成であっても構わない。
第1実施形態においては、電池電圧によって定められる第1閾値Tth1より内部温度が高い場合、クロック周波数を高周波とし、内部温度が第1閾値Tth1以下の場合、クロック周波数を低周波とする。具体的には、図4に示すように、電池電圧が2.9Vより高く3.3V以下の場合において、内部温度が0℃(第1閾値Tth1)より高い場合、クロック周波数を高周波とし、0℃以下の場合、クロック周波数を低周波とした。同様に、電池電圧が2.65Vより高く2.9V以下の場合において、内部温度が5℃(第1閾値Tth1)より高い場合、クロック周波数を高周波とし、内部温度が5℃以下の場合、クロック周波数を低周波とした。同様に、電池電圧が2.4Vより高く2.65V以下の場合において、内部温度が10℃より高い場合、クロック周波数を高周波とし、10℃以下の場合、クロック周波数を低周波とした。
また、電池電圧が2.4V(充電警告電圧Vth)以下の場合は、内部温度に関わらず、受信動作を禁止することとした。二次電池42の電池電圧が低い状態で消費電力の大きい受信動作を行うと、システムダウンが生じるおそれがあるためである。
また、内部温度が−5℃(第4閾値Tth4)以下の場合は、電池電圧に関わらず、受信動作を禁止することとした。内部温度が低い状態で受信動作を行うと、二次電池42の電圧降下量が過度に大きくなり、システムダウンが生じるおそれがあるためである。また、内部温度が70℃(第3閾値Tth3)より高い場合は、電池電圧に関わらず、受信動作を禁止することとした。内部温度が過度に高い状態で受信動作を行うと、衛星電波腕時計1に含まれる各種回路等に故障等の不具合が発生するおそれがあるためである。第3閾値Tth3及び第4閾値Tth4は、電池電圧に関わらず、予め設定されているとよい。なお、受信回路20による受信動作が禁止される温度データ及び電圧データの組み合わせに対しては「禁止」の旨のフラグが周波数テーブルに記憶されているとよい。
また、時計制御回路31は電圧センサにより検出された電圧を表示するようにしてよい。たとえば、文字板53に低電圧レベルを示す「L0」の文字、中電圧レベルを示す「L1」の文字、高電圧レベルを示す「L2」の文字を表示しておき、操作部60に対して所定操作があった場合に、秒針52c等の指針52により、電圧センサから送られる電圧データに対応する文字を指し示すようにしてよい。ここでは、例えば、電圧範囲1の場合は「L0」が指示され、電圧範囲2〜5の場合は「L1」が指示され、電圧範囲6〜8の場合は「L2」が指示されるとよい。
また、時計制御回路31は、温度センサ37により検出された温度を表示するようにしてもよい。ここで、特に腕時計装着時などは、時計内部の温度と外気の温度とが異なる値になる可能性があるが、表示する温度は時計内部の温度とするとよい。
なお、上述のように、衛星電波腕時計1の文字板53には、受信状態表示61が設けられている。例えば、受信動作が禁止される状態にある場合、指針52により「NG」の文字を指示するとよい。また、受信動作が禁止される原因が、電池電圧であるか内部温度であるか分かるようにユーザに知らせる構成としてもよい。具体的には、例えば、電池電圧が2.4V以下であることにより受信動作が禁止された状態においては、秒針52cにより上述の「L0」の文字を指示し、かつ、分針52bにより「NG」の文字を指示するとよい。また、内部温度が−5℃以下であることにより受信動作が禁止された状態においては、秒針52cにより温度が−5℃以下であることを表示する文字を指示し、かつ、分針52bにより「NG」の文字を指示するとよい。また、例えば、電池電圧が2.4V以下であることにより受信動作が禁止された状態においては、秒針52cにより「NG」を指示し、内部温度が−5℃以下であることにより受信動作が禁止された状態においては、分針52bにより「NG」を指示してもよい。なお、ここで示した指針は一例であり、「NG」を指示する指針を時針52aとしてもよいし、サブダイアルに設けられる機能針としてもよい。以上説明したような構成にすることにより、ユーザは、受信動作を可能とするために、二次電池42が充電される環境下(例えば、太陽電池41が太陽光などの外光により発電される屋外)に衛星電波腕時計1を移動すべきか、温度の高い環境下(例えば、温度の高い室内)に衛星電波腕時計1を移動すべきか、を判断することができる。
なお、第1実施形態においては、内部温度が第1閾値Tth1以下であって第4閾値Tth4より高い場合、クロック周波数を低周波(16MHz)とする例について説明したが、低周波のクロック周波数をさらに細分化して設定してもよい。例えば、第1閾値Tth1より低い第5閾値を設定し、内部温度が第1閾値Tth1以下であり第5閾値より高い場合、クロック周波数を第1低周波(例えば、16MHz)とし、第5閾値以下であって第4閾値Tth4より高い場合、クロック周波数を第2低周波(例えば、8MHz)としてもよい。また、高周波についても同様に別途閾値を設けて細分化して設定してもよい。
次に、図5を参照して、受信制御回路24の動作について説明する。図5は、第1実施形態における受信制御回路の動作を説明するフローチャートである。
まず、受信制御回路24は、電圧センサから通知される電池電圧Vを取得する(ステップS101)。電池電圧Vが充電警告電圧Vth以下の場合(ステップS102のNO)、受信動作を禁止する。電池電圧Vが充電警告電圧Vthより高い場合、周波数テーブルに基づいて第1閾値Tth1を取得し(ステップS103)、さらに、温度センサ37から通知される内部温度Tを取得する(ステップS104)。
内部温度Tが、予め設定される第3閾値Tth3より高い場合、又は予め設定される第4閾値Tth4以下の場合、受信動作の実行を禁止させる(ステップS105のYES)。内部温度Tが受信動作の実行が禁止とならない範囲であって、第1閾値Tth1より高い場合(ステップS106のYES)、クロック周波数を高周波に設定する(ステップS107)。一方、内部温度Tが受信動作の実行が禁止とならない範囲であって、第1閾値Tth1以下の場合(ステップS106のNO)、クロック周波数を低周波に設定する(ステップS8)。そして、受信動作の上限時間の経過前に(ステップS110)、受信回路20が衛星信号の受信に成功した場合(ステップS109のYES)、受信した衛星信号から得られた時刻に関する情報を、時計回路30に送信する(ステップS111)。なお、その後、時計回路30が、受信制御回路24から送信された時刻に関する情報に基づいて、衛星電波腕時計1の内部時刻を修正する。
なお、受信動作の上限時間内において、受信に成功するまで複数回受信動作を実行してもよい。その場合、受信制御回路24は、再度受信動作を開始する時点における電池電圧及び内部温度を取得し、その時点における電池電圧及び内部温度に基づいて改めてクロック周波数を設定してもよい。
なお、第1実施形態においては、二次電池42の電池電圧に応じて第1閾値Tth1を設定する例について説明したが、二次電池42の電池電圧に関わらず、第1閾値Tth1を設定しても構わない。例えば、二次電池42の電池電圧に関わらず、衛星電波腕時計1の内部温度が、5℃より高い場合はクロック周波数を高周波とし、5℃以下の場合はクロック周波数を低周波とするような周波数テーブルをROM27に保持させていてもよい。
なお、第1実施形態においては、受信動作の開始時の内部温度に基づいて、クロック周波数を設定する例について説明したが、これに限られるものでなく、時計内部の比熱の時定数を考慮して、受信動作の開始時の所定時間前に検出した内部温度に基づいてクロック周波数を設定しても構わない。また、受信動作中に温度検出を継続し、受信動作中に内部温度が第1閾値Tth1より高くなった場合又は第1閾値Tth1以下となった場合、その時点でクロック周波数を切り替えてもよい。
また、受信制御回路24が二次電池42の電池電圧の変化の推移を取得し、取得した変化の推移に基づいて、クロック周波数を設定する構成であってもよい。例えば、二次電池42が放電中であれば、電池電圧は降下傾向であって、受信動作中に、受信動作開始時の電池電圧よりも低くなる可能性が高い。そのため、二次電池42が放電中であれば、受信動作開始時の内部温度Tが第1閾値Tth1より数℃程度高い場合であっても、クロック周波数を低周波に設定するとよい。また、二次電池42が充電中であれば、電池電圧は上昇傾向であて、受信動作中に、受信動作開始時の電池電圧よりも高くなる可能性が高い。そのため、二次電池42が充電中であれば、受信動作開始時の内部温度Tが第1閾値Tth1より数℃程度低い場合であっても、クロック周波数を高周波に設定するとよい。
また、同様に、太陽電池41の発電量の推移に基づいてクロック周波数を設定する構成としてもよい。太陽電池41の発電量の推移が、上昇傾向にある場合、受信動作中に、受信動作開始時の電池電圧よりも高くなる可能性が高い。そのため、太陽電池41の発電量の推移が、受信動作開始時の内部温度Tが第1閾値Tth1より数℃程度低い場合(例えば、2〜3℃低い場合)であっても、クロック周波数を高周波に設定するとよい。また、太陽電池41の発電量は、太陽光などの外光により発電する場合と、屋内の照明による光により発電する場合とでは、その上昇量が大きく異なる。太陽電池41の発電量の推移が、太陽光などの外光により発電する際の傾向にあると判定される場合、受信動作開始時の内部温度Tが第1閾値Tth1より大きく低い場合(例えば、5℃低い場合)であっても、クロック周波数を高周波に設定するとよい。
なお、第1閾値Tth1は、受信動作を実行した際の電圧降下量を予め推定することにより設定されている。受信動作を行い、受信動作の実行前後における電池電圧を取得し、予め推定していた電圧降下量よりも、実際の電圧降下量が大きかった場合又は小さかった場合は、それに応じて第1閾値を変更するよう周波数テーブルを更新し、更新した周波数テーブルをROM27に保持させるとよい。
また、受信制御回路24が衛星電波腕時計1の内部温度の変化の推移を取得し、取得した変化の推移に基づいて、クロック周波数を設定する構成であってもよい。例えば、内部温度が、低下傾向にある場合は、受信動作中に、受信動作開始時の内部温度より低くなる可能性が高い。そのため、内部温度が低下傾向である場合は、受信動作開始時の内部温度が第1閾値Tth1より数℃程度高い場合であっても、クロック周波数を低周波に設定するとよい。また、内部温度が、上昇傾向にある場合は、受信動作中に、受信動作開始時の内部温度より高くなる可能性が高い。そのため、内部温度が上昇傾向である場合は、受信動作開始時の内部温度が第1閾値Tth1より数℃程度低い場合であっても、クロック周波数を高周波に設定するとよい。
また、第1実施形態においては、受信回路20による衛星信号の受信中に秒針52cが「RX」の文字を指し示す例について説明したが、これに限られるものではなく、高周波のクロック信号に基づいて受信中である場合と、低周波のクロック信号に基づいて受信中である場合のいずれかの状態かをユーザが視覚的に区別して認識できるよう指針52が所定の文字を指し示す構成としてもよい。また、受信動作を開始した場合、高周波のクロック信号で受信動作を実行可能な状態か否かをユーザが認識できるように指針52が所定の文字を指し示す構成としてもよい。
以上説明した第1実施形態の構成においては、システムダウンが発生してしまうことを抑制しつつ、受信動作による受信成功の確度を向上することができる。第1実施形態の構成は、電池容量の小さい小型の二次電池42を採用した場合に特に有効である。
次に、図6、図7を参照して、第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態における周波数テーブルを示す図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用いてその説明は省略する。
上記第1実施形態においては、内部温度が第1閾値Tth1より高いか否かによってクロック周波数を高周波にするか低周波にするかを設定する例について説明した。第2実施形態においては、さらに、内部温度が第1閾値Tth1より高い第2閾値Tth2より高いか否かによって、クロック周波数を高周波にするか低周波にするかを設定する例について説明する。
第2実施形態においては、図6の周波数テーブルに示すように、第1実施形態と同様に、内部温度が第1閾値Tth1より高いか否かによってクロック周波数を高周波にするか低周波にするかを設定する。ここでは、電池電圧が2.9Vより高く3.3V以下の場合、第1閾値Tth1を0℃とし、電池電圧が2.65Vより高く2.9V以下の場合、第1閾値Tth1を5℃とし、電池電圧が2.4Vより高く2.65V以下の場合、第1閾値Tth1を10℃としている。また、第1実施形態と同様に、電池電圧が2.4V以下の場合、内部温度に関わらず受信動作を禁止し、内部温度が−5℃以下の場合、電池電圧に関わらず受信動作を禁止する。
さらに、第2実施形態においては、電池電圧によって定められる第2閾値Tth2より内部温度が高い場合、クロック周波数を低周波とし、内部温度が第2閾値Tth2以下の場合、クロック周波数を高周波とした。具体的には、図6に示すように、電池電圧が2.4Vより高く2.7V以下の場合において、内部温度が45℃(第2閾値Tth2)より高い場合、クロック周波数を低周波とし、45℃以下の場合、高周波とした。
このように、内部温度が第2閾値Tth2より高い場合、クロック周波数を低周波とした理由は、衛星電波腕時計1に含まれる各種回路等に熱による負荷がかかっており、かつ二次電池42の電池電圧が低い状態で電力消費の大きい受信動作を行うと、衛星電波腕時計1に含まれる各種回路が正常に動作しなくなるおそれがあるためである。
なお、図6の周波数テーブルにおいて、第1閾値Tth1以下である低温側の「低」の周波数(第2周波数)と、第2閾値Tth2より高い高温側の「低」の周波数(第3周波数)とを異なる周波数としてもよい。すなわち、例えば、低温側の「低」の周波数を8MHzとし、高温側の「低」の周波数を16MHzとしてもよい。
さらに、図7を参照して、第2実施形態における受信制御回路24の動作について説明する。図7は、第2実施形態における受信制御回路の動作を説明するフローチャートである。
まず、受信制御回路24は、電圧センサから通知される電池電圧Vを取得する(ステップS201)。電池電圧Vが充電警告電圧Vth以下の場合(ステップS202のNO)、受信動作を禁止する。電池電圧Vが充電警告電圧Vthより高い場合、第1閾値Tth1及び第2閾値Tth2を取得し(ステップS203)、さらに、温度センサ37から通知される内部温度Tを取得する(ステップS204)。
内部温度Tが、予め設定される第3閾値Tth3より高い場合、又は予め設定される第4閾値Tth4以下の場合、受信動作の実行を禁止させる(ステップS205のYES)。内部温度Tが受信動作の実行が禁止とならない範囲であって、第1閾値Tth1より高く、かつ第2閾値Tth2以下の場合(ステップS206のYES)、クロック周波数を高周波に設定する(ステップS207)。内部温度Tが受信動作の実行が禁止とならない範囲であって、第1閾値Tth1以下の場合、又は第2閾値Tth2より高い場合(ステップS206のNO)、クロック周波数を低周波に設定する(ステップS208)。なお、電池電圧Vが、第2閾値Tth2が設定されない範囲である場合(電池電圧が2.7Vより高く3.3V以下の場合(図6参照))、ステップS206において、内部温度が第2閾値Tth2より高いとの条件に当てはまらないため、クロック周波数を高周波に設定するとよい(ステップS207)。
そして、受信動作の上限時間の経過前に(ステップS210)、受信回路20が衛星信号の受信に成功した場合(ステップS209のYES)、受信した衛星信号から得られた時刻に関する情報を、時計回路30に送信する(ステップS211)。なお、その後、時計回路30が、受信制御回路24から送信された時刻に関する情報に基づいて、衛星電波腕時計1の内部時刻を修正する。
次に、図8を参照して、第2実施形態の変形例について説明する。上記第2実施形態においては、図6に示すように、第1閾値Tth1及び第2閾値Tth2を、ROM27に保持されるテーブルに基づいて設定する例について説明した。本変形例においては、図8に示すように、第1閾値Tth1及び第2閾値Tth2を、それぞれ電池電圧(V)と内部温度(℃)の一次式としてROM27に保持する例について説明する。図8に示す「禁止」は受信動作が禁止される領域(以下、禁止領域ともいう)を表し、「高周波」は高周波のクロック信号による受信動作が実行される領域(以下、高周波領域ともいう)を表し、「低周波」は低周波のクロック信号による受信動作が実行される領域(以下、低周波領域ともいう)を表す。図8に示すように、第2実施形態の変形例においては、第1閾値Tth1及び第2閾値Tth2はそれぞれ一次式で表される。より具体的には、第1閾値Tth1は、内部温度Tの下限値及び電池電圧Vの上限値である点(−5,3.3)と、内部温度Tの上限値及び電池電圧Vの下限値である点(0,2.4)とを結んだ直線で表される。また、第2閾値Tth2は、内部温度Tの下限値及び電池電圧Vの下限値である点(45,2.4)と、内部温度Tの上限値及び電池電圧の上限値である点(70,3.3)を結んだ直線で表される。また、内部温度Tに基づく低周波領域と禁止領域との境界が定数(T=−5又は70)で表され、電池電圧Vに基づく高周波領域又は低周波領域と禁止領域との境界が定数(V=2.4)で表される。
図8においては、内部温度が−5℃(第4閾値Tth4)以下の場合もしくは70℃(第3閾値Tth3)より高い場合、又は電池電圧が2.4V(充電警告電圧Vth)以下の場合、受信動作を禁止することを示している。
また、図8において、内部温度が−5℃より高く0℃以下の範囲における傾斜した破線が第1閾値Tth1を示す一次式である。すなわち、この傾斜した破線よりも内部温度が低ければクロック周波数を低周波とし、この傾斜した破線よりも内部温度が高ければクロック周波数を高周波とすることを示している。この一次式が示すように、第1閾値Tth1は、電池電圧が高くなるほど、線形的に小さい値となる。
また、図8において、内部温度が45℃より高く70℃以下の範囲における傾斜した破線が第2閾値Tth2を示す一次式である。すなわち、この傾斜した破線よりも内部温度が高ければクロック周波数を低周波とし、この傾斜した破線よりも内部温度が低ければクロック周波数を高周波とすることを示している。この一次式が示すように、第2閾値Tth2は、電池電圧が大きくなるほど線形的に大きい値となる。
本変形例においては、第1閾値Tth1を示す一次式の傾きの絶対値を、第2閾値Tth2を示す一次式の傾きの絶対値よりも大きくした。すなわち、電池電圧に応じて変わる第1閾値Tth1の変化量を、電池電圧に応じて変わる第2閾値Tth2の変化量よりも大きくした。これは、内部温度が第1閾値Tth1より高いか否かによりクロック周波数を設定する場合の方が、内部温度が第2閾値Tth2より高いか否かによりクロック周波数を設定する場合よりも、より緻密な周波数制御を要求されるためである。
なお、図8においては、第1閾値Tth1及び第2閾値Tth2が、一次式で示される例、すなわち電池電圧に応じて線形的に変わる例について示したが、これに限られるものではなく、電池電圧に応じて段階的に変わるものであっても構わない。また、第1閾値Tth1及び第2閾値Tth2は一次式で表される直線に限られるものではなく、二次以上の関数で表される曲線であってもよい。また、高周波領域又は低周波領域と、禁止領域との境界は定数に限られるものではなく、一次又は二次以上の関数で表せるものであってもよい。また、第1閾値Tth1及び第2閾値Tth2は、関数で表されるものに限られず、電池電圧に応じて不規則に変わるものであってもよい。
次に、図9、図10を参照して、第3実施形態について説明する。上記第1実施形態においては、内部温度に基づいて、受信動作におけるクロック周波数を設定する例について説明したが、第3実施形態においては、受信動作のうち捕捉動作と追尾動作のそれぞれにおいてクロック周波数を設定する例について説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用いてその説明は省略する。
ここで、捕捉動作は、追尾動作と比較して電力消費量が大きい。すなわち、捕捉動作を実行した際の二次電池42の電圧降下量は、追尾動作を実行した際の二次電池42の電圧降下量よりも大きい。そのため、衛星電波腕時計1の内部温度が低い状態で高周波のクロック信号で捕捉動作を実行するとシステムダウンを生じる可能性が高い。一方、追尾動作に関しては高周波のクロック信号で動作させてもそのような問題が生じる可能性は低い。そこで、第3実施形態においては、捕捉動作用の周波数テーブルと、追尾動作用の周波数テーブルをそれぞれROM27に保持することとした。図9は、第3実施形態における周波数テーブルの一例を示す図である。図9において、上段は捕捉動作用の周波数テーブルを示しており、下段は追尾動作用の周波数テーブルを示している。
ここで、二次電池42の電池電圧が同じ場合における、捕捉動作用の周波数テーブルにおける内部温度の第1閾値をTth1aとし、追尾動作用の周波数テーブルにおける内部温度の第1閾値をTth1b(<Tth1a)とする。具体的には、図9に示すように、例えば、二次電池42の電池電圧が2.9Vより高く3.3V以下の場合において、第1閾値Tth1aを5℃とし、第1閾値Tth1bを0℃とした。また、第1実施形態と同様に、内部温度が第3閾値Tth3(70℃)より高い場合、二次電池42の電池電圧に関わらず、捕捉動作及び追尾動作は実行しないこととした。また、内部温度が第4閾値Tth4(−5℃)以下の場合、二次電池42の電池電圧に関わらず、捕捉動作及び追尾動作は実行しないこととした。また、二次電池42の電池電圧が2.4V以下の場合、内部温度に関わらず、捕捉動作及び追尾動作は実行しないこととした。
さらに、図9を参照して、二次電池42の電池電圧が2.9Vより高く3.3V以下の場合において設定される捕捉動作及び追尾動作を実行する際のクロック周波数について具体的に説明する。衛星電波腕時計1の内部温度が第1閾値Tth1a(5℃)より高く、第3閾値Tth3以下(70℃)であれば、捕捉動作及び追尾動作を高周波のクロック信号で実行する。衛星電波腕時計1の内部温度が第1閾値Tth1a(5℃)以下であって、第1閾値Tth1b(0℃)より高ければ、捕捉動作を低周波のクロック信号で実行し、捕捉成功後、追尾動作を高周波のクロック信号で実行する。衛星電波腕時計1の内部温度が第1閾値Tth1b(0℃)以下であって、第4閾値Tth4(−5℃)より高い場合、捕捉動作及び追尾動作を低周波のクロック信号で実行する。
なお、捕捉動作と追尾動作とで、高周波のクロック周波数及び低周波のクロック周波数を異ならせてもよい。例えば、捕捉動作においては高周波のクロック周波数を64MHz、低周波のクロック周波数を16MHzとし、追尾動作においては高周波のクロック周波数を16MHzとし、低周波のクロック周波数を4MHzとするとよい。追尾動作の方が捕捉動作よりもクロック周波数を低くしたのは、衛星信号との相関がとれた後、すなわち捕捉に成功した後は、衛星を見失わない程度の感度で受信動作を行えば足りるためである。また、クロック周波数は2種類に限られるものではなく、例えば、追尾動作において、内部温度に基づいて、クロック周波数を16MHz、8MHz、4MHzのいずれかに設定する構成であってもよい。
また、捕捉に失敗し再度捕捉動作を行う場合における第1閾値Tth1を、失敗前の第1閾値Tth1よりも高くするように周波数テーブルを更新してもよい。これにより、高周波のクロック信号に基づいた捕捉動作を連続的に実行することにより、過度に電池電圧が降下し、システムダウンが生じてしまうことを抑制できる。
図10は、第3実施形態における受信制御回路の動作を示すフローチャートである。
まず、受信制御回路24は、電圧センサから通知される電池電圧Vを取得する(ステップS301)。電池電圧Vが所定の充電警告電圧Vth以下の場合、受信動作の実行を禁止させる(ステップS302のNO)。電池電圧Vが所定の充電警告電圧Vthより高い場合(ステップS302のYES)、電池電圧Vに基づいて第1閾値Tth1a及び第1閾値Tth1bを取得する(ステップS303)。さらに、温度センサ37から通知される内部温度Tを取得する(ステップS304)。
内部温度Tが、予め設定される第3閾値Tth3より高い場合、又は予め設定される第4閾値Tth4以下の場合、受信動作の実行を禁止させる(ステップS305のYES)。内部温度Tが受信動作の実行が禁止とならない範囲であって、第1閾値Tth1aより高い場合(ステップS306のYES)、クロック周波数を高周波に設定する(ステップS307)。一方、内部温度Tが受信動作の実行が禁止とならない範囲であって、第1閾値Tth1a以下の場合(ステップS306のNO)、クロック周波数を低周波に設定する(ステップS308)。そして、捕捉動作の上限時間の経過前に(ステップS310)、受信回路20が捕捉に成功した場合(ステップS309のYES)、トラッキング回路22bに衛星番号とタイミングに関する相関データを送信する(ステップS311)。
さらに、内部温度Tが第1閾値Tth1bより高い場合(ステップS312のYES)、クロック周波数を高周波数に設定する(ステップS313)。一方、内部温度Tが第1閾値Tth1b以下の場合(ステップS312のNO)、クロック周波数を低周波に設定する(ステップS314)。そして、追尾動作の上限時間の経過前に(ステップS316)、受信回路20がデータの復調に成功した場合(ステップS315のYES)、復調された時刻に関する情報を、時計回路30に送信する(ステップS317)。なお、その後、時計回路30が、受信制御回路24から送信された時刻に関する情報に基づいて、衛星電波腕時計1の内部時刻を修正する。
なお、第3実施形態においては、受信動作の開始時における、内部温度T及び電池電圧Vに基づいて、クロック周波数を設定する例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、捕捉動作と追尾動作の開始時のそれぞれについて、内部温度T及び電池電圧Vを取得し、捕捉動作開始時の内部温度T及び電池電圧Vに基づいて捕捉動作におけるクロック周波数を設定し、追尾動作開始時の内部温度T及び電池電圧Vに基づいて追尾動作におけるクロック周波数を設定してもよい。また、時計内部の比熱の時定数を考慮して、捕捉動作の開始時の所定時間前に検出した内部温度T及び電池電圧V、又は追尾動作の開始時の所定時間前に検出した内部温度T及び電池電圧Vに基づいてクロック周波数を設定しても構わない。さらに、捕捉動作及び追尾動作の実行中に内部温度T及び電池電圧Vを継続して取得し続け、取得した内部温度T及び電池電圧Vに基づいて捕捉動作の実行中又は追尾動作の実行中にクロック周波数を切り替える構成としてもよい。
なお、上記第1〜第3実施形態においては、時刻情報を取得するための受信動作を行う場合の例について説明したが、これに限られるものではなく、位置情報を取得するための受信動作におけるクロック周波数を内部温度に基づいて設定してもよい。図11は、位置情報を取得するための受信動作における周波数テーブルを示す図である。ROM27は、例えば図6に示す周波数テーブルと、図11に示す周波数テーブルとを保持しており、受信動作の種類によって、いずれのテーブルを用いるかを受信制御回路24が選択するとよい。なお、位置情報を取得するための受信動作においては、時刻情報を取得するための受信動作と比較して、電力消費量が大きい。すなわち、二次電池42の電圧降下量が大きい。そのため、図11に示す周波数テーブルにおいては、図6に示す周波数テーブルと比較して、高周波のクロック信号に基づいて受信動作を行う電池電圧及び内部温度の範囲を小さくした。
また、衛星信号に含まれる閏秒に関する情報を取得するための受信動作におけるクロック周波数を内部温度に基づいて設定する周波数テーブルを別途ROM27に保持させてもよい。閏秒とは、内部時刻を修正するものであり、GPS衛星の原子時計の出力する時刻とUTC(Universal Time, Coordinated)とのずれを調整するものである。閏秒に関する情報は、衛星信号のサブフレーム4が25回(ページ1〜25)送信されるうち1回のみに含まれている。具体的には、閏秒に関する情報は、ページ18のサブフレームSF4のみに含まれている。サブフレーム1〜5はそれぞれ6秒かけて送信されるので、閏秒に関する情報は12.5分に1回送信されることになる。このように12.5分に1回しか送信されない閏秒に関する情報をより精度高く取得するためには、時刻情報を受信するための受信動作よりも、動作時間を長く行う必要がある。そのため、閏秒に関する情報を取得するための受信動作を行うと、二次電池42の電池電圧が大きく降下することとなる。したがって、閏秒に関する情報を取得するための受信動作を行う際に用いる周波数テーブルにおいては、図4、図6で示した例よりも、第1閾値Tth1を高く設定するとよい。また、図6で示した例よりも、第2閾値Tth2を低く設定するとよい。これにより、内部温度が高い場合又は低い場合において、低周波のクロック信号に基づいて閏秒に関する情報を取得するための受信動作を行うこととなり、二次電池42の電池電圧が過度に低下することによるシステムダウンの発生を抑制することができる。
なお、時刻情報、位置情報、及び閏秒に関する情報を取得するための受信動作のそれぞれに関して、捕捉動作と追尾動作のそれぞれにおいてクロック周波数を設定する構成としてもよい。すなわち、時刻情報を取得するための受信動作に関する捕捉動作用の周波数テーブル及び追尾動作用の周波数テーブル、位置情報を取得するための受信動作に関する捕捉動作用の周波数テーブル及び追尾動作用の周波数テーブル、及び閏秒に関する情報を取得するための受信動作に関する捕捉動作用の周波数テーブル及び追尾動作用の周波数テーブルを、それぞれROM27に保持させてもよい。
なお、上記実施形態においては、GPSからの衛星信号を受信する例について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)やGLONASS(Global Navigation Satellite System)からの衛星信号を受信するようにしてもよい。これにより、GPSが建物の陰になる位置にある場合でも、他の衛星を受信可能にすることで衛星信号の受信成功率が向上する。また、捕捉に失敗した場合において、再捕捉する場合に、受信成功率を向上するため、衛星の種類を切り替えてもよい。
さらに、図2を参照して、第4実施形態について説明する。上記各実施形態においては、衛星電波腕時計1の内部温度に基づいて、受信回路20による受信動作におけるクロック周波数を設定する例について説明したが、第4実施形態においては、衛星電波腕時計1の内部温度に基づいて、時計回路30による処理におけるクロック周波数を設定する例について説明する。
時計回路30においては、演算部32を含む時計制御回路31が、衛星電波腕時計1に含まれる各種回路や機構を制御している。時計回路30における各種処理は、時計制御回路31によって設定された周波数のクロック信号に基づいて実行される。なお、時計制御回路31により制御される処理の実行の際に用いられるクロック信号は、図2で示すクロック生成回路36で生成されてもよいし、クロック生成回路25で生成されてもよい。この場合、例えば、クロック生成回路25又はクロック生成回路36が、逓倍回路を含む構成とすることにより、周波数の異なるクロック信号(例えば、32kHzのクロック信号と64kHzのクロック信号)を生成可能に構成されるとよい。又は、時計制御回路31により制御される処理の実行の際に用いられるクロック信号を生成する回路を別途設けてもよい。
第4実施形態においては、図4等で示した周波数テーブルと同様の周波数テーブルをROM34に保持するとよい。ただし、時計回路30における処理は、第1実施形態等で説明した受信動作と比較して、二次電池42の消費電力は小さいため、図4等で示した例よりも第1閾値を低く設定し、過度に電池電圧や内部温度が低い場合を除いて、基本的には高周波のクロック周波数で処理が実行できるようにするとよい。
時計回路30は、例えば、受信回路20が取得した時刻に関する情報を受け取り、その情報に基づいて内部時刻を修正する処理を行う。内部時刻の修正処理において、クロック周波数が高周波の場合、受信回路20から時刻に関する情報が送信されてから、その情報を内部時刻に反映させるまでの処理速度が向上する。一方、内部時刻の修正処理において、クロック周波数が低周波の場合、時計回路30における消費電力が少なくなり、二次電池42の電池電圧が過度に低下することを抑制することができる。
また、時計回路30は、例えば、操作部60である竜頭やボタンが受け付けた外部からの操作に応じて、各種処理を行う。例えば、ユーザがボタンを所定秒の間長押しした場合、時計回路30は、通常の運針を行うモード、アラームの設定を行うためのモード、クロノグラフを使用するためのモード等、各種モードに切り替える処理を行う。この場合において、当該処理を行う際のクロック周波数が高周波であれば、各モード間の切り替わり速度が早くなり、ユーザにとっての利便性が向上する。一方、クロック周波数が低周波であれば、各モード間の切り替わり速度が遅くなるものの、二次電池42の電池電圧が過度に低下することを抑制することができる。
なお、上記各実施形態においては、周波数テーブルを衛星電波腕時計1に設けられるROMに予め保持させておく例について説明したが、衛星電波腕時計1に記憶できる情報量は限られている。そこで、PC(パーソナルコンピュータ)や、スマートフォンなどの外部の電子端末に、周波数テーブルを保持させてもよい。それにより、衛星電波腕時計1に記憶する情報量を低減させることができる。この場合、電子端末と衛星電波腕時計1を近距離無線通信により接続可能とするとよい。なお、近距離無線通信の規格として、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)を用いるとよい。外部の電子端末は、衛星電波腕時計1から内部温度及び電池電圧に関する情報を近距離無線通信により受信し、それら情報及び自らが保持する周波数テーブルに基づいて、衛星電波腕時計1の受信動作におけるクロック周波数を決定するとよい。そして、外部の電子端末は、近距離無線通信により、いずれのクロック周波数で受信動作を実行するかについての命令信号を、衛星電波腕時計1に送信するとよい。そして、衛星電波腕時計1は、外部の電子端末から命令信号を受け取り、該命令信号に基づいて、受信動作におけるクロック周波数を設定するとよい。なお、外部の電子端末が上記のような処理を行っている間、受信回路20は、アイドリング状態にさせておくとよい。これにより、外部の電子端末が処理を行っている間において二次電池42等に余計な負荷がかかることを抑制できる。
なお、外部の電子端末は、二次電池42の電池電圧の傾向や、衛星電波腕時計1の内部温度の傾向に関する情報を、衛星電波腕時計1から受け取り、それら情報に基づいて、衛星電波腕時計1のおかれる環境に適した周波数テーブルを作成又は更新してもよい。例えば、衛星電波腕時計1が、温度の低い環境にあり、常に低周波又は受信動作が禁止されるような状況である場合は、第1閾値Tth1を図4で示した値よりも低くするように周波数テーブルに更新するとよい。これにより、温度の低い環境においても、高周波のクロック信号に基づく受信動作を実行させる余地を持たせることができる。なお、上記のような電子端末に限られるものではなく、衛星電波腕時計1とクラウドサーバーとを通信接続可能とし、クラウドサーバーにおいて周波数テーブルの作成や更新を行う構成としてもよい。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
1 衛星電波腕時計、10 アンテナ、20 受信回路、21 高周波回路、22 デコード回路、22a 相関器、22b トラッキング回路、23 DCDCコンバータ、24 受信制御回路、25 クロック生成回路、26 TCXO、27 ROM、30 時計回路、31 時計制御回路、32 演算部、33 RAM、34 ROM、35 モータ駆動回路、36 クロック生成回路、37 温度センサ、38 振動子、40 電力供給部、41 太陽電池、42 二次電池、50 駆動機構、51 時刻表示部、52 指針、52a 時針、52b 分針、52c 秒針、53 文字板、60 操作部、61 受信状態表示。

Claims (19)

  1. 内蔵電池と、
    クロック信号を生成するクロック生成回路と、
    前記内蔵電池から電力供給を受け、前記クロック信号に基づいて処理を実行する処理回路と、
    前記処理回路を制御する制御回路と、
    を含む電子時計であって、
    前記電子時計の内部温度を検出する温度センサを有し、
    前記制御回路は、前記内部温度に基づいて、前記クロック信号の周波数を設定する、
    電子時計。
  2. 前記制御回路は、前記内部温度が第1閾値より高い場合、前記周波数を第1周波数に設定し、前記内部温度が前記第1閾値以下の場合、前記周波数を前記第1周波数より低い第2周波数に設定する、
    請求項1に記載の電子時計。
  3. 前記制御回路は、前記内部温度が前記第1閾値より高い第2閾値より高い場合は、前記周波数を前記第1周波数より低い第3周波数に設定する、
    請求項2に記載の電子時計。
  4. 前記制御回路は、前記内部温度が前記第2閾値より高い第3閾値より高い場合、又は前記内部温度が前記第1閾値より低い第4閾値以下の場合、前記処理の実行を禁止する、
    請求項3に記載の電子時計。
  5. 前記内蔵電池の電池電圧を検出する電圧センサをさらに有し、
    前記制御回路は、前記電池電圧に応じて前記第1閾値を設定する、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の電子時計。
  6. 前記内部温度の範囲及び前記電池電圧の範囲の組み合わせにそれぞれ関連づけて、前記周波数の候補を記憶するメモリを含む、
    請求項5に記載の電子時計。
  7. 前記周波数の候補のそれぞれに関連づけられる前記内部温度の範囲の幅は、該範囲が低温に係るものであるほど狭い、
    請求項6に記載の電子時計。
  8. 前記電池電圧が高いほど小さくなる前記第1閾値を記憶するメモリを含む、
    請求項5に記載の電子時計。
  9. 前記内蔵電池の電池電圧を検出する電圧センサと、メモリと、をさらに有し、
    前記メモリは、前記電池電圧が高いほど大きくなる前記第2閾値を記憶する、
    請求項3又は4に記載の電子時計。
  10. 前記第1閾値及び前記第2閾値は一次式で表され、
    前記第1閾値を表す一次式の傾きの絶対値は、前記第2閾値を表す一次式の傾きの絶対値より大きい、
    請求項9に記載の電子時計。
  11. 前記処理回路は、外部からの信号を受信する受信動作を行う回路であり、
    前記処理は前記受信動作である、
    請求項2〜10のいずれか1項に記載の電子時計。
  12. 前記受信動作は、前記信号の捕捉を行う捕捉動作と、前記捕捉の成功後に行われる追尾動作を含み、
    前記制御回路は、前記内部温度に基づいて、前記捕捉動作及び前記追尾動作のそれぞれについて前記周波数を設定する、
    請求項11に記載の電子時計。
  13. 前記捕捉に失敗し、前記捕捉動作を再度行う場合における前記第1閾値が、前記捕捉の失敗前の前記第1閾値より高い、
    請求項12に記載の電子時計。
  14. 外部からの操作を受け付ける操作部を有し、
    前記処理回路は、前記操作部が受け付けた操作に応じて前記処理を実行する、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子時計。
  15. 外部からの信号を受信する受信回路を有し、
    前記処理回路は、前記受信回路が受信した前記信号に含まれる時刻情報に応じて前記処理を実行し、
    前記処理は前記電子時計の内部時刻の修正動作である、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子時計。
  16. 前記温度センサ及び前記内蔵電池は、いずれも前記電子時計の中心を通る二分線の片側の領域に配置される、
    請求項1〜15のいずれか1項に記載の電子時計。
  17. 前記制御回路は、前記処理の開始時に前記温度センサが検出した前記内部温度に基づいて、前記周波数を設定する、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の電子時計。
  18. 前記制御回路は、前記処理の開始時の所定時間前に前記温度センサが検出した前記内部温度に基づいて、前記周波数を設定する、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の電子時計。
  19. 前記制御回路は、前記処理中に前記温度センサが検出した前記内部温度に基づいて、前記周波数を切り替える、
    請求項17又は18に記載の電子時計。
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