JP6909551B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、被覆材料、例えば、リジッド基板やフレキシブル基板に形成された銅箔等の導体回路パターンを備えたプリント配線板の該導体回路パターンを被覆するための絶縁被覆材料に用いる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有するドライフィルム及び該感光性樹脂組成物を光硬化させた硬化物を被覆したプリント配線板に関するものである。
基板上には導体(例えば、銅箔)の回路パターンが形成され、該回路パターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載し、はんだ付けランドを除く回路部分は保護膜としての絶縁被膜で被覆される。絶縁被膜として、カルボキシル基含有感光性樹脂と、エポキシ化合物と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物の硬化膜が使用されることがある。また、近年、電子機器の高性能化により、プリント配線板には電子部品が、ますます高密度に搭載されている。従って、絶縁被膜には、優れた解像性が要求されることがある。絶縁被膜に優れた解像性を付与するために、絶縁被膜にアンダーカットが発生するのを抑制することが要求されることがある。
硬化膜のアンダーカットを抑制するための感光性樹脂組成物として、例えば、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)エポキシ樹脂、(D)(メタ)アクリルモノマーを含有するアルカリ現像型感光性樹脂組成物であって、(B)光重合開始剤として、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有し、かつ、(C)エポキシ樹脂として、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂を含有するアルカリ現像型感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
一方で、導体回路パターンの高さが通常よりも高く(例えば、40μm程度の高さ)設計されているプリント配線板が用いられることがあり、このようなプリンタ配線板にも絶縁被覆を被覆する必要がある。この場合、プリント配線板に絶縁被覆の厚さを厚く(例えば、40μm以上の厚さ)塗工する必要がある。
しかし、絶縁被覆の厚さを厚く(例えば、40μm以上の厚さ)塗工すると、活性エネルギー線(例えば、紫外線)が、感光性樹脂組成物の塗膜の下部まで透過しにくくなってしまう。活性エネルギー線が塗膜の下部まで透過しにくくなると、塗膜の下部における光硬化が十分ではなくなり、硬化塗膜にアンダーカットが生じてしまう。特に、生産効率向上等のために活性エネルギー線の露光量を低減すると、硬化塗膜にアンダーカットが生じ易くなってしまう。特許文献1では、厚く塗工された塗膜の下部における光硬化性を向上させてアンダーカットを抑制することに改善の余地があった。
特開2015―064546号公報
上記事情に鑑み、本発明は、基板上に厚く(例えば、40μm以上の厚さ)塗膜を形成しても、硬化塗膜のアンダーカットを抑制できる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有するドライフィルム、該感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1](A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)反応性希釈剤と、(D)光重合開始剤と、を含有し、
前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.050以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物。
[2]前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.500以上であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有する[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(B)エポキシ化合物が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が3.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.070以下であるエポキシ化合物を含有する[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が3.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.070以下であるエポキシ化合物が、ナフタレン型エポキシ樹脂である[3]に記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(D)光重合開始剤が、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有する[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(D)光重合開始剤が、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤とオキシムエステル系光重合開始剤とを含有する[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[7][1]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有するドライフィルム。
[8][1]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.050以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有することにより、基板上に厚く(例えば、40μm以上の厚さ)硬化塗膜を形成しても、硬化塗膜のアンダーカットを抑制できる。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.500以上であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有することにより、基板上に厚く硬化塗膜を形成しても、硬化塗膜のアンダーカットを確実に抑制できる。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(B)エポキシ化合物が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が3.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.070以下であるエポキシ化合物を含有することにより、基板上に厚く硬化塗膜を形成しても、硬化塗膜のアンダーカットをより確実に抑制でき、より優れたライン形状を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(D)光重合開始剤が、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤とオキシムエステル系光重合開始剤とを含有することにより、基板上に厚く硬化塗膜を形成しても、硬化塗膜のアンダーカットをより確実に抑制できる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について、以下に詳細を説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)反応性希釈剤と、(D)光重合開始剤と、を含有し、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.050以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂は、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.050以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有する。(A)カルボキシル基含有感光性樹脂として、上記吸光度を有するカルボキシル基含有感光性樹脂が用いられることにより、紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させて基板上に厚い(例えば、40μm以上の厚さ)光硬化膜を形成する際に、感光性樹脂組成物の感光性が向上して、アンダーカットを抑制することに寄与する。
カルボキシル基含有感光性樹脂は、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.000以上であれば、特に限定されないが、紫外線に対する感光性がより向上してアンダーカットをより抑制する点から、1.200以上がより好ましく、1.400以上がさらに好ましく、1.500以上が特に好ましい。一方で、カルボキシル基含有感光性樹脂の0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値の上限は、特に限定されないが、例えば、3.000が挙げられる。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂は、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された360nm以上の吸光度の最大値が0.050以下であれば、特に限定されないが、感光性樹脂組成物の紫外線に対する感光性をより向上させる点から、0.040以下がより好ましく、0.035以下がさらに好ましく、0.020以下が特に好ましい。一方で、カルボキシル基含有感光性樹脂の0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された360nm以上の吸光度の最大値の下限は、特に限定されないが、例えば、0.001が挙げられる。
カルボキシル基含有感光性樹脂の化学構造は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上と遊離のカルボキシル基を有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成したラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に、多塩基酸又はその無水物を反応させることで得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂などを挙げることができる。
前記多官能エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であれば、化学構造は、特に限定されない。また、多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されず、例えば、その上限値は、3000g/eqが好ましく、2000g/eqがより好ましく、1000g/eqがさらに好ましく、500g/eqが特に好ましい。一方で、その下限値は、100g/eqが好ましく、200g/eqが特に好ましい。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂に、さらにBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものを使用してもよい。これらの多官能エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸などを挙げることができる。このうち、入手と取り扱いが容易である点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを反応させる方法は、特に限定されず、例えば、多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な希釈剤中で溶解させて加熱する方法が挙げられる。
多塩基酸または多塩基酸無水物が、前記多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基に付加反応することで、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に遊離のカルボキシル基が導入される。多塩基酸または多塩基酸無水物は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸類、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸等のヘキサヒドロフタル酸類、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸類、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられる。多塩基酸無水物としては、上記した多塩基酸の無水物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と多塩基酸または多塩基酸無水物とを反応させる方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と多塩基酸または多塩基酸無水物とを適当な希釈剤中で溶解させて加熱する方法が挙げられる。
上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、上記のようにして得られた多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基の一部に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物を付加反応させて得られる、ラジカル重合性不飽和基をさらに付加した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を使用してもよい。ラジカル重合性不飽和基をさらに付加した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂は、多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂にラジカル重合性不飽和基がさらに導入されているので、多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂よりも、感光性がさらに向上したカルボキシル基含有感光性樹脂である。
1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシジル化合物を挙げることができる。グリシジル化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物と、を反応させる方法は、特に限定されず、例えば、多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を有する化合物とを、適当な希釈剤中で溶解させて加熱する方法が挙げられる。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂として、酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂等の酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を使用してもよい。酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂は、例えば、上記のようにしてラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、生成した水酸基に、上記した多塩基酸又は多塩基酸無水物と1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させることで得られる化学構造を有している。
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記した酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記した酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂として、a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂とb)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種のカルボン酸とc)ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和カルボン酸化エポキシ樹脂に、d)多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を付加させて得られる長鎖炭化水素構造含有樹脂が挙げられる。長鎖炭化水素構造含有樹脂は、長鎖炭化水素構造を有することから、その硬化物に優れた柔軟性と絶縁信頼性を付与することができる。
a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂としては、上記した各種多官能性エポキシ樹脂が挙げられる。これらのうち、感光性樹脂組成物の硬化物の感光性、柔軟性及び絶縁信頼性の点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。
b)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種のカルボン酸
カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上であるカルボン酸は、多官能エポキシ樹脂のエポキシ基に反応して、エポキシ樹脂に上記カルボン酸由来の長鎖炭化水素構造が導入されることで、感光性樹脂を含む感光性樹脂組成物の硬化物の柔軟性、絶縁信頼性を向上させることができる。カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上であるカルボン酸は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能であり、直鎖状、分岐状のいずれも使用可能である。上記カルボン酸には、例えば、炭素数が10以上の一塩基酸、炭素数20以上の二塩基酸が挙げられ、柔軟性と指触乾燥性の両立の点から、上記一塩基酸及び二塩基酸は、直鎖状または炭素数2以下の側鎖を2本以下有する分岐状が好ましい。
また、長鎖カルボン酸由来の長鎖炭化水素構造をエポキシ樹脂に導入しつつ、上記エポキシ樹脂の異なるエポキシ基が長鎖炭化水素構造を有するカルボン酸を介して相互に結合することで、エポキシ樹脂が有する比較的剛直な骨格が、長鎖カルボン酸由来の柔軟性の高い長鎖炭化水素骨格にて共有結合により架橋された構成とすることができる。結果として、硬化物の柔軟性、耐熱性及び耐薬品性に優れた構造をエポキシ樹脂に付与する点から、長鎖カルボン酸は少なくとも1種の二塩基酸を含有させてもよい。さらに、本発明では、長鎖カルボン酸に由来する柔軟性の高い長鎖炭化水素骨格を多く導入することで硬化物の柔軟性を向上させることができるところ、上記したカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である二塩基酸に加えて、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である一塩基酸を併用することにより、長鎖カルボン酸と多官能エポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応生成物の分子量を、長鎖カルボン酸に由来する成分の組成比率を向上させながら適度に制御することができる。このように、分子量を適度に調整することで、乾燥後の塗膜の指触乾燥性と弱アルカリ現像液への溶解性(すなわちアルカリ現像性)と硬化物の柔軟性との両立が可能となる。
カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上であるカルボン酸の具体例には、一塩基酸としては、カプリン酸(デカン酸:C10)、ウンデシル酸(C11)、ラウリン酸(ドデカン酸:C12)、トリデシル酸(C13)、ミリスチン酸(C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸:C16)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸:C17)、ステアリン酸(C18)、ツベルクロスステアリン酸(C19)、アラキジン酸(C20)、ベヘニン酸(C22),トリコシル酸(C23)、テトラコサン酸(C24)、ヘキサコサン酸(C26)、オクタコサン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が挙げられる。
二塩基酸としては、例えば、エイコサン二酸(C20)、エチルオクタデカン二酸(C20)、エイコサジエン二酸(C20)、ビニルオクタデカエン二酸(C20)、ジメチルエイコサジエン二酸(C22)、ジメチルエイコサン二酸(C22)、ジフェニルヘキサデカン二酸(C28)、オレイン酸(C18)等の不飽和脂肪酸の二量体化反応によるC36ダイマー酸等を挙げることができる。上記したカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上であるカルボン酸は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種のカルボン酸と、カルボキシル基1つあたりの炭素数が9以下である少なくとも1種の一塩基酸及び/または二塩基酸と、を併用してもよい。
感光性樹脂中における、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上であるカルボン酸の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、その下限値は、柔軟性と絶縁信頼性をより向上させ、また、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物の導入量を調整して固形分酸価を調整する点から15質量%が好ましく、18質量%が特に好ましい。一方で、その上限値は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸の導入量(すなわち、感光性)を維持し、また、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物の導入量を調整して固形分酸価を調整する点から25質量%が好ましく、20質量%が特に好ましい。
c)ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、上記した各種ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を挙げることができる。感光性樹脂中における、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、その下限値は、感度をより向上させ、また、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物の導入量と固形分酸価を調整する点から2.0質量%が好ましく、3.0質量%が特に好ましい。一方で、その上限値は、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上であるカルボン酸の導入量を維持し、また、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物の導入量を調整して固形分酸価を調整する点から10質量%が好ましく、5.0質量%が特に好ましい。
d)多塩基酸及び/または多塩基酸無水物
多塩基酸、多塩基酸無水物としては、上記した各種多塩基酸と多塩基酸無水物を挙げることができる。感光性樹脂中における、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、その下限値は、良好なアルカリ現像性と固形分酸価を調整する点から7.0質量%が好ましく、9.0質量%が特に好ましい。一方で、その上限値は、絶縁信頼性の低下を確実に防止し、固形分酸価を調整する点から16質量%が好ましく、14質量%が特に好ましい。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されず、例えば、その下限値は、確実にアルカリ現像性を得る点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方で、酸価の上限値は、例えば、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、光硬化物の耐湿性と電気特性の劣化を防止する点から150mgKOH/gが特に好ましい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されず、例えば、その下限値は、光硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から6000が好ましく、7000がより好ましく、8000が特に好ましい。一方で、質量平均分子量の上限値は、例えば、円滑なアルカリ現像性の点から200000が好ましく、100000がより好ましく、50000が特に好ましい。なお、「質量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、常温で測定し、ポリスチレン換算にて算出される質量平均分子量を意味する。
カルボキシル基含有感光性樹脂は、上記各原材料を用いて上記反応工程にて合成してもよく、上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂を使用してもよい。上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、「KAYARAD ZCR−1569H」(日本化薬株式会社)を挙げることができる。
A成分のカルボキシル基含有感光性樹脂としては、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.050以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有していればよく、従って、上記吸光度を有するカルボキシル基含有感光性樹脂と上記吸光度を有さないカルボキシル基含有感光性樹脂とを併用してもよい。
(B)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものである。エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、ダイマー酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させて基板上に厚い(例えば、40μm以上の厚さ)光硬化膜を形成する際に、感光性樹脂組成物の感光性が向上してアンダーカットの抑制に寄与する点から、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が2.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.100以下であるエポキシ化合物が好ましく、前記300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が2.500以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.080以下であるエポキシ化合物がより好ましく、前記300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が3.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.070以下であるエポキシ化合物が特に好ましい。また、前記300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が3.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.070以下であるエポキシ化合物としては、アンダーカットをより確実に抑制する点から、ナフタレン型エポキシ樹脂が特に好ましい。
なお、エポキシ化合物について、前記300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値の上限は、特に限定されないが、例えば、5.000が挙げられる。また、エポキシ化合物の前記360nm以上の吸光度の最大値の下限は、特に限定されないが、例えば、0.001が挙げられる。
エポキシ化合物の配合量は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、より確実に光硬化膜の強度を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂(固形分)100質量部に対して、15質量部が好ましく、18質量部がより好ましく、20質量部が特に好ましい。一方で、エポキシ化合物の配合量の上限値は、優れた現像性を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、100質量部が好ましく、50質量部がより好ましく、30質量部が特に好ましい。
(C)反応性希釈剤
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり2つ以上の重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を補強して、十分な解像性、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために寄与する。
反応性希釈剤としては、例えば、単官能の(メタ)アクリレート化合物、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート等の単官能(メタ)アクリレート化合物、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。また、単官能または2官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。反応性希釈剤の含有量は、特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5.0質量部〜100質量部が好ましく、10質量部〜50質量部が特に好ましい。
(D)光重合開始剤
光重合開始剤の化学構造は、特に限定されず、いずれも使用可能であるが、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤及び/またはオキシムエステル系光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としてα−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤及び/またはオキシムエステル系光重合開始剤を配合することにより、基板上に厚い(例えば、40μm以上の厚さ)光硬化膜を形成する際に、本発明の感光性樹脂組成物の紫外線に対する感光性がさらに向上して、光硬化物のライン幅の増大抑制とより確実なアンダーカットの抑制に寄与する。これは、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤及びオキシムエステル系光重合開始剤は、いずれも、主に、380nm以上の波長にてその機能が発揮されることに関係すると考えられる。このうち、少なくともα−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有することがより好ましく、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤とオキシムエステル系光重合開始剤を含有することが特に好ましい。
α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を挙げることができる。これらのα−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
オキシムエステル系光重合開始剤は、分子中にオキシムエステル基を有する光重合開始剤である。オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、1,8−オクタンジオン,1,8−ビス[9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル]−,1,8−ビス(O−アセチルオキシム)、1,8−オクタンジオン,1,8−ビス[9−(2−エチルヘキシル)−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル]−,1,8−ビス(O−アセチルオキシム)、(Z) −(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ) −2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシム等を挙げることができる。これらのオキシムエステル系光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤とオキシムエステル系光重合開始剤を含有する場合、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤/オキシムエステル系光重合開始剤の質量比は、特に限定されないが、10〜50の範囲が好ましく、20〜40の範囲がより好ましく、25〜35の範囲が特に好ましい。
また、本発明では、光重合開始剤として、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤及びオキシムエステル系光重合開始剤以外の光重合開始剤(他の光重合開始剤)を配合してもよい。また、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤及び/またはオキシムエステル系光重合開始剤に加えて、さらに他の光重合開始を配合してもよい。他の光重合開始剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの他の光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、アンダーカットをより抑制する点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して0.7質量部が好ましく、1.0質量部が特に好ましい。一方で、光重合開始剤の配合量の上限値は、例えば、硬化塗膜のライン幅が増大して寸法精度が低下してしまうことを確実に防止する点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して10質量部が好ましく、6.0質量部が特に好ましい。
本発明では、上記(A)成分〜(D)成分の他に、必要に応じて、他の成分、例えば、体質顔料、難燃剤、硬化促進剤、添加剤、着色剤、非反応性希釈剤等を、適宜、配合してもよい。
体質顔料としては、例えば、タルク、硫酸バリウム、疎水性シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、マイカ等を挙げることができる。
難燃剤としては、例えば、リン系の難燃剤を挙げることができる。リン系の難燃剤としては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
硬化促進剤としては、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等が挙げられる。
添加剤には、シリコーン系、炭化水素系及びアクリル系等の消泡剤、チキソトロピー剤、酸化防止剤などを挙げることができる。
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されない。また、着色剤の色彩は、白色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、黒色着色剤、赤色着色剤等、いずれの色彩も使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である酸化チタン、黒色着色剤であるカーボンブラック、アセチレンブラック等の無機系着色剤を挙げることができる。また、緑色着色剤であるフタロシアニングリーン、青色着色剤であるフタロシアニンブルーやリオノールブルー等のフタロシアニン系等の有機系着色剤を挙げることができる。
非反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の粘度、乾燥性、塗工性等を調節するためのものである。非反応性希釈剤として、例えば、有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤には、例えば、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート等のエステル類等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記した本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、常温(例えば、25℃)にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
次に、上記した本発明の感光性樹脂組成物の使用方法例について説明する。ここでは、まず、銅箔等の導体箔をエッチングして形成した高さ方向の寸法が大きい回路パターン(例えば、40μm程度の高さの回路パターン)を有するプリント配線板上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗工して、絶縁被膜(例えば、ソルダーレジスト膜)を形成する方法を例にとって説明する。
導体箔の回路パターンを有するプリント配線板上に、上記感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ、グラビアコータ等の公知の方法を用いて所望の厚さ(例えば、40μm以上の厚さ)に塗布する。塗布後、必要に応じて、感光性樹脂組成物中の非反応性希釈剤(有機溶剤)を揮散させるために60〜100℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行い、感光性樹脂組成物から非反応性希釈剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。塗布した感光性樹脂組成物上に、前記回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させて、前記ランド以外の塗膜部分を光硬化させる。次に、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュア(熱硬化処理)を行うことにより、プリント配線板上に、目的とする回路パターンを有する硬化塗膜であるソルダーレジスト膜を形成させることができる。なお、ネガフィルムの上から紫外線を照射させることに代えて、ネガフィルムを用いずに、直描露光装置を用いて紫外線を照射してもよい。
次に、導体箔をエッチングして形成した高さ方向の寸法が大きい回路パターン(例えば、40μm程度の高さの回路パターン)を有するプリント配線板上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗工したドライフィルムを用いて、絶縁被膜(例えば、ソルダーレジスト膜)を形成する方法を説明する。
ドライフィルムは、支持フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルム)と、支持フィルムに塗工された絶縁被膜(例えば、ソルダーレジスト層)と、絶縁被膜を保護するカバーフィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム)と、を有する積層構造となっている。支持フィルム上に感光性樹脂組成物を、ローラコート法等の公知の方法で所望の厚さ(例えば、40μm以上の厚さ)に塗工後、塗膜を乾燥処理して支持フィルム上に絶縁被膜を形成する。その後、絶縁被膜上にカバーフィルムを積層することでドライフィルムを作製できる。上記ドライフィルムのカバーフィルムを剥がしながら絶縁被膜とプリント配線板をはり合わせることで、プリント配線板上に絶縁被膜を形成する。その後、上記と同様に、露光、現像、ポストキュアの各工程を行なうことで、プリント配線板上に目的とする回路パターンを有するソルダーレジスト膜を形成させることができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜9、比較例1〜4
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜9、比較例1〜4にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。また、下記表2に、カルボキシル基含有感光性樹脂の0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された所定波長の吸光度、エポキシ化合物の0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された所定波長の吸光度を記載した。紫外可視分光光度計は、株式会社日立製作所のU−3310型分光光度計を使用した。分光光度計の設定パラメータは、測定波長範囲230nm〜400nm、サンプリング間隔1.0nm、スリット2nm、セル長10mmとした。
Figure 0006909551
Figure 0006909551
なお、表1中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・KAYARAD ZCR−1569H:固形分率68質量%、エチルジグリコールアセテート32質量%、日本化薬株式会社
・合成樹脂A−1
撹拌翼、温度計、還流管と窒素導入管を備えた300mlの4つ口セパラブルフラスコに、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂NC−3000(エポキシ基:0.383mol、日本化薬株式会社)を106.1g、ドデカン酸(カルボン酸:0.123mol、キシダ化学株式会社)を24.6g、アジピン酸(カルボン酸:0.115mol、キシダ化学株式会社)を8.4g、エチルジグリコールアセテート(三洋化成品株式会社)を66.1g、それぞれ加え、窒素・酸素混合気体雰囲気下110℃で30分間撹拌し、混合溶解させた。次いで、反応液の液温を115℃に昇温したのちに、4-メトキシフェノール(キシダ化学株式会社)0.3g、アクリル酸(カルボン酸:0.145mol、大阪有機化学工業株式会社)10.4g、トリフェニルホスフィン(キシダ化学株式会社)0.9gを投入した。115℃で8時間撹拌し、酸価測定を行いカルボン酸が完全に消失していることを確認した。次いで、大気雰囲気下、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物(H−TMAn−S)(カルボン酸無水物:0.125mol、三菱ガス化学株式会社)24.8g、ジエチルジグリコール(日本乳化剤株式会社)16.5gを加え、100℃で2時間撹拌したのちに、FT−IR(赤外分光光度計)で反応終了を確認し、実施例で配合する感光性樹脂A−1を258.0g得た。質量平均分子量(Mw)は9100、固形分率は68質量%であった。
(B)エポキシ化合物
・EPICRON 850−S、HP−4032:DIC株式会社
・YX−4000K、jER871:三菱ケミカル株式会社
・NC−3000:日本化薬株式会社
(C)反応性希釈剤
・EBERCRYL8405:ダイセル・オルネクス株式会社
(D)光重合開始剤
・NCI−831:オキシムエステル系光重合開始剤、株式会社ADEKA
・OXE−02:オキシムエステル系光重合開始剤、BASFジャパン株式会社
・Irgacure 369:α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、BASFジャパン株式会社
体質顔料
・ハイジライト H42M:昭和電工株式会社
難燃剤
・エクソリット OP−935:クラリアントジャパン株式会社
硬化促進剤
・メラミン:日産化学工業株式会社
・DICY−7:三菱ケミカル株式会社
添加剤
・X−50−1095C:消泡剤、信越化学工業株式会社
着色剤
・デンカブラック:デンカ株式会社
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品株式会社
(A)成分以外のカルボキシル基含有感光性樹脂
・ZAR−2000、FLX−2089:日本化薬株式会社
・RC−301:DIC株式会社
試験体作製工程
基板:ポリイミドフィルム(新日鉄住金化学株式会社の「ESPANEX」、銅箔(導体)の厚さ12μm、ポリイミドフィルムの厚さ25μm)
表面処理:3質量%硫酸処理
印刷法:スクリーン印刷
DRY膜厚:20μm及び40μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:塗膜上に100mJ/cm、株式会社オーク製作所 DI紫外線露光装置 「Mms60」(光源は高圧水銀灯)
現像:1質量%炭酸ナトリウム水溶液 温度30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア:150℃、60分
評価項目
(1)感度
感光性樹脂組成物を塗工した基板を80℃、20分予備乾燥した後に、感度測定用ステップタブレット(コダック14段)を塗膜上に設置し、感度測定用ステップタブレットを通して、波長のメインピ−クが365nmである紫外線を、100mJ/cm照射したものをテストピ−ス(DRY膜厚は20μm)とした。上記照射光量は、株式会社オ−ク製作所の積算光量計を用いて測定した。紫外線を露光後、上記試験体作製工程に準じて、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(温度30℃)を用い、0.2MPaのスプレー圧で、60秒間、現像を行い、露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。
(2)アンダーカット
ライン間隔200μmのフォトマスクを介して形成した露光部の残存ラインの断面(DRY膜厚40μm)について、金属顕微鏡(オリンパス株式会社、STM6)を用いて、その最大幅(a)と最小幅(b)を測定し、その差((a)−(b))を算出することで、アンダーカットを測定した。
評価結果を、上記表1に示す。
上記表1、2に示すように、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.050以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有する実施例1〜9では、感度が6段〜9段と良好であり、アンダーカットを15μm以下に抑制できた。特に、300nm以上360nm以下の範囲の前記吸光度の最大値が1.591である実施例1、3は、300nm以上360nm以下の範囲の前記吸光度の最大値が1.489である実施例2、4と比較して、アンダーカットをさらに抑制することができた。
また、300nm以上360nm以下の範囲の前記吸光度の最大値が2.547、360nm以上の前記吸光度の最大値が0.018であるエポキシ化合物に加えて、300nm以上360nm以下の範囲の前記吸光度の最大値が3.460、360nm以上の前記吸光度の最大値が0.050であるエポキシ化合物を併用した実施例7は、300nm以上360nm以下の範囲の前記吸光度の最大値が0.029であるエポキシ化合物を併用した実施例1、300nm以上360nm以下の範囲の前記吸光度の最大値が2.206であるエポキシ化合物を併用した実施例8、300nm以上360nm以下の範囲の前記吸光度の最大値が0.184であるエポキシ化合物を併用した実施例9と比較して、アンダーカットをさらに抑制することができた。
一方で、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が0.038以下、360nm以上の吸光度の最大値が0.004であるカルボキシル基含有感光性樹脂を使用した比較例1〜4では、アンダーカットが30μm以上となり、アンダーカットを抑制できなかった。
本発明の感光性樹脂組成物は、基板上に厚く(例えば、40μm以上の厚さ)硬化塗膜を形成しても、硬化塗膜のアンダーカットを抑制できるので、例えば、プリント配線板に形成するソルダーレジスト等の保護膜の分野、特に、銅箔の厚みが通常よりも厚いプリント配線板に感光性樹脂組成物を塗工して保護膜を形成する分野や、感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有するドライフィルムを銅箔の厚みが通常よりも厚い基板に施与する分野で利用価値が高い。

Claims (6)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)反応性希釈剤と、(D)光重合開始剤と、を含有し、
    前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.050以下であり
    前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、1分子中にエポキシ基を2個以上有するビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させてラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成したラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に、多塩基酸若しくはその無水物を反応させることで得られる多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂、並びに/またはa)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂とb)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種のカルボン酸とc)ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和カルボン酸化エポキシ樹脂に、d)多塩基酸及び/若しくは多塩基酸無水物を付加させて得られる長鎖炭化水素構造含有樹脂であり、
    前記(B)エポキシ化合物が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が3.000以上、360nm以上の吸光度の最大値が0.070以下であるナフタレン型エポキシ樹脂を含有する感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、0.1質量%エチルジグリコールアセテート溶液を用いて紫外可視分光光度計で測定された300nm以上360nm以下の範囲の吸光度の最大値が1.500以上であるカルボキシル基含有感光性樹脂を含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(D)光重合開始剤が、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有する請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(D)光重合開始剤が、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤とオキシムエステル系光重合開始剤とを含有する請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有するドライフィルム。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板。
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