<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る営業支援システム100について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る営業支援システム100の構成を示す図である。図1に示すように営業支援システム100は営業支援装置10と端末装置20とを備える。第1実施形態の営業支援装置10は、経営計画書などの経営情報に不動産取引に関連性のある特定のキーワードが含まれる企業を営業先企業候補として選定し、選定された企業情報を表示させる表示データを端末装置20に出力する。ここでの営業支援装置10は、端末装置20をクライアントとするサーバコンピュータで構成する場合を例示する。
営業支援装置10は、複数台で分散処理するように構成してもよく、また1台のサーバ装置に設けられた複数の仮想マシンによって構成してもよい。また、営業支援装置10は、パーソナルコンピュータで構成してもよく、クラウドサーバで構成してもよい。営業支援装置10と端末装置20とはインターネットなどのネットワークNを介して互いに通信可能に構成されている。
営業支援装置10は、ネットワークNを介して外部の経営情報提供サーバ30と通信可能に構成されている。経営情報提供サーバ30は、経営計画書や有価証券報告書などの企業の経営情報を提供するサーバである。経営情報提供サーバ30は、企業のホームページなどで経営情報を提供するサーバでもよく、複数の企業の経営情報を提供する経営情報サイトなどを運営する事業者のサーバであってもよい。なお、ネットワークNは、営業支援装置10と端末装置20とを接続する企業内のイントラネットと、営業支援装置10と経営情報提供サーバ30とを接続するインターネットとで構成してもよい。
端末装置20は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置20は、例えばスマートフォン、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末や、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータなどである。ネットワークNには複数の端末装置20が接続されていてもよい。
図2は、第1実施形態に係る営業支援システム100の具体的構成例を示すブロック図である。図2に示す営業支援装置10は、通信部11と制御部12と記憶部14とを備える。通信部11と制御部12と記憶部14とは、それぞれバスライン10Lに接続され、相互に情報(データ)のやり取りが可能である。
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置20との間や経営情報提供サーバ30との間で情報(データ)の送受信を行う。通信部11は、インターネットやイントラネットの通信インターフェースとして機能し、例えばTCP/IPを用いた通信などが可能である。
制御部12は、営業支援装置10全体を統括的に制御する。制御部12は、MPU(Micro Processing Unit)などの集積回路で構成される。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備える。制御部12は、必要なプログラムをROMにロードし、RAMを作業領域としてそのプログラムを実行することで、各種の処理(後述する経営情報解析処理など)を行う。
記憶部14は、制御部12で実行される各種プログラムやこれらのプログラムによって使用されるデータ(特定キーワードや重み係数など)を記憶する。記憶部14は、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置で構成される。記憶部14の構成はこれらに限られず、記憶部14をRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリで構成してもよい。例えば記憶部14をSSD(Solid State Drive)で構成することもできる。
記憶部14は、プログラム記憶部141、企業情報データベース142(企業情報DB)、経営情報データベース143(経営情報DB)、キーワードデータベース144(キーワードDB)、スコアデータベース145(スコアDB)などを備える。
プログラム記憶部141は、制御部12で実行される各種プログラムを記憶する。制御部12は、プログラム記憶部141から必要なプログラムを読み出して、後述する経営情報解析処理など各種の処理を実行する。
企業情報データベース142は、上場企業の会社名、証券コード(銘柄コード)、上場市場(東京証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所など)などの企業情報を記憶する。その他、企業情報データベース142には、各企業への不動産取引の営業に役立つ情報を記憶できる。例えば資本金、業種、業態、従業員数、決算日、所在地などの企業基本情報を企業情報データベース142に記憶してもよい。
経営情報データベース143は、営業支援装置10で不動産取引の営業先企業候補を選定するための解析処理を行う経営情報を企業毎に記憶する。経営情報としては、経営計画書(中期経営計画書など)、有価証券報告書、四半期報告書、決算説明会報告書など投資家向けのIR(Investor Relations)情報が挙げられる。なお、経営情報としては、IR情報に限られず、例えば企業のホームページなどで公開されている経営に関する情報も含まれる。
キーワードデータベース144は、経営情報の解析に用いる特定キーワードや重み係数を記憶する。特定キーワードは、不動産取引に関連性のあるキーワードである。キーワードデータベース144には、解析する経営情報の種類に応じて1つ以上の特定キーワードが予め設定される。
特定キーワードは、不動産取引の可能性を予測可能なキーワードであることが好ましい。例えば特定キーワードは、不動産取引需要(例えば不動産の売買や賃貸などの需要やその潜在需要も含む)のある企業の経営情報に含まれる可能性のあるキーワードを設定することで、営業成功率の高い企業を選定できる。このような特定キーワードとしては、例えば企業の不動産取引の動向を予測するための「動向予測キーワード」、不動産流動化の必要性を理解してもらいやすい役員などがいる企業を探し出すための「キーマンキーワード」、不動産取引需要のありそうな不動産や不動産設備を所有する企業を探し出すための「設備状況キーワード」などが挙げられる。
これらのどの特定キーワードがどのくらい経営情報に含まれるかを解析することで、営業成功の可能性の高い営業先企業を効率的に選定できる。経営情報にこれらの特定キーワードが含まれる企業は不動産取引需要を掘り起こしやすいので、営業先企業候補として選定する価値が高い。例えば「動向予測キーワード」としては「資産効率化」「有利子負債削減」などが挙げられる。不動産を売却して整理することは資産の効率化や負債削減に寄与するので、経営情報に「資産効率化」「有利子負債削減」などの特定キーワードが含まれる場合には、不動産売却需要を掘り起こしやすい。
ところで、例えば企業の不動産取引の動向を予測するための「動向予測キーワード」としては多くの特定キーワードが考えられ、特定キーワードの種類(単語の種類)によって営業成功率も変わる可能性が高い。そこで、第1実施形態は、不動産取引に関連する企業経営上の様々な特徴を表す複数の特定キーワードが特徴に応じてグループ化された複数のキーワードグループを備える。共通の特徴を表す複数の特定キーワードは同じキーワードグループにグループ化されており、異なる特徴を表す複数の特定キーワードは異なるキーワードグループにグループ化されている。
このようなキーワードグループとしては、例えば資産の効率化などに関連する「効率化系キーワード」、財務の改善などに関連する「財務系キーワード」などが挙げられる。「効率化系キーワード」には例えば上述した「資産効率化」などの特定キーワードが含まれる。「財務系キーワード」には例えば上述した「有利子負債削減」などが含まれる。このようにキーワードグループ毎に特徴が異なり、企業の経営情報への特定キーワードの使われ方によってその企業の不動産取引に対する関心の高さも異なる。したがって、経営情報にどのキーワードグループの特定キーワードが含まれるかによって、営業成功率も変わる可能性が高い。
このような知見に基づいて第1実施形態では、これらキーワードグループ毎に重み係数を設定する。これにより、不動産取引に関連する企業経営上の異なる特徴を表す特定キーワードには異なる重み係数を付与できる。また共通の特徴をもつ特定キーワードには同じ重み係数を付与できる。このように、キーワードグループ毎に重み係数を設定することで、不動産取引に関連する企業経営上の特徴に応じて重み係数を関連づけることができる。これにより、不動産取引に関連する企業経営の見知から不動産取引に対する関心の高さを反映させた経営情報の解析が可能となるので、営業先として有力な企業が選定されやすくなる。
特定キーワードと重み係数はキーワードグループ毎に関連づけられキーワードデータベース144に記憶される。なお、動向予測キーワードに含まれる特定キーワードをグループ分けする場合を例示したが、上述したキーマンキーワードや設備状況キーワードに含まれる特定キーワードについてもグループ分けして重み係数を関連づけるようにしてもよい。
ここで、キーワードデータベース144の構成例について図3を参照しながら説明する。上述した「動向予測キーワード」に含まれる特定キーワードをn個のキーワードグループ(KWグループ)に分けた場合を例に挙げる。なお、キーワードデータベース144の構成は、図3に示すものに限られない。
図3のキーワードデータベース144(キーワードDB)は、n個のキーワードグループ(KWグループ)GA1、GA2、・・・、GAnと、各キーワードグループに関連づけられるn個の重み係数WA1、WA2、・・・、WAnと、各キーワードグループに含まれる特定キーワード(特定KW)とを記憶する。
特定キーワードKA11、KA12、・・・は、キーワードグループGA1に含まれ、特定キーワードKA21、KA22、・・・は、キーワードグループGA2に含まれる。なお、「KA11」などの表記は、特定キーワードの文字列を概念的に表現したものである。キーワードグループGA1は例えば経営情報に資産などの効率化を掲げる場合に使用される「効率化系キーワード」であり、このGA1に含まれる特定キーワードKA11は例えば上述した「資産効率化」である。キーワードグループGA2は例えば財務改善などを推進したい場合に使用される「財務系キーワード」であり、このGA2に含まれる特定キーワードKA21は例えば上述した「有利子負債削減」である。
キーワードグループGA1の重み係数はWA1であり、キーワードグループGA2の重み係数はWA2である。例えば経営情報にキーワードグループGA2の特定キーワードが出現する場合の方が、キーワードグループGA1の特定キーワードが出現する場合よりも営業成功の可能性が高い場合には、重み係数WA2が重み係数はWA1よりも大きくなるように設定される。
スコアデータベース145は、企業毎に各経営情報に関連づけられた特定キーワードの出現回数とスコア(指標値)を記憶する。スコアは、経営情報毎に算出され、例えばアプローチ情報として営業先企業候補の選定や表示順序を決めるのに利用される。スコアは、各キーワードグループにおける特定キーワードの出現回数と重み係数とに基づいて算出される。具体的には、キーワードグループ毎に特定キーワードの出現回数から得られるワードヒット情報と重み係数からスコアが算出される。ワードヒット情報は、キーワードグループ毎に、そのキーワードグループに含まれる各特定キーワードがどのくらい経営情報に含まれたか(ヒットしたか)の指標となる情報である。ワードヒット情報によれば、経営情報にどのキーワードグループの特定キーワードがどのくらい出現したかが分かる。
ワードヒット情報としては、例えばキーワードグループに含まれるすべての特定キーワードの出現回数の総和である。ただし、これに限られず、例えばキーワードグループに含まれる特定キーワードのうちの1つでも経営情報に含まれれば、ワードヒット情報を1(ヒット)にするようにしてもよい。また、キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数を正規化又は標準化した数値をワードヒット情報としてもよい。
このように各キーワードグループのワードヒット情報と重み係数でスコアを算出することで、経営情報にどのキーワードグループの特定キーワードがどのくらい出現したかによってスコアが変わるようにすることができる。この点で、スコアは特定キーワードのワードカバー率とも解することができる。このようなスコアの高い順に営業先企業候補をリストアップすることで、営業成功の可能性の高い順に企業リストを表示できる。
ここで、スコアデータベース145の構成例について図4を参照しながら説明する。経営情報としてA社の経営計画書を取得して図3の特定キーワードで解析した場合を例に挙げる。なお、スコアデータベース145の構成は、図4に示すものに限られない。
図4のスコアデータベース145(スコアDB)は、A社の経営計画書を解析する特定キーワード(特定KW)の出現回数HA11、HA12、・・・とスコアSaを記憶する。図4に示すようにスコアデータベース145は、企業ID、経営情報の種類、企業名などの経営計画書の基本情報を記憶する。図4に示すようにスコアデータベース145は、経営情報の解析に使用されたキーワードグループ、重み係数、特定キーワードなどの情報を記憶してもよい。
図4の出現回数HA11は、キーワードグループ(KWグループ)GA1の特定キーワードKA11の出現回数であり、出現回数HA21は、キーワードグループGA2の特定キーワードKA21の出現回数である。図4における各キーワードグループのワードヒット情報は、例えばそのキーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数の総和である。例えばHGA1は、キーワードグループGA1の特定キーワードの出現回数HA11、HA12、・・・をすべて足し算したものである。図4のキーワードグループがn個の場合、そのワードヒット情報HGA1〜HGAnと重み係数WA1〜WAnからスコアSaは下記数式(1)で表すことができる。ただし、スコアSaの算出式は、下記数式(1)に限られない。
Sa=HGA1×WA1+HGA2×WA2+・・・+HGAn×WAn
・・・(1)
各キーワードグループの重み係数は、自由に設定できる。例えば熟練営業マンが自らの経験に基づいて重み係数を予め設定することで、不動産取引需要の可能性の高い有力な営業先企業の経営情報ほどスコアが高くなるようにすることができる。上述したように第1実施形態では共通の特徴に応じて特定キーワードをグループ分けして重み係数を予め設定することので、企業経営の考え方の特徴や重要度を経営情報のスコアに反映させることができる。これにより、不動産取引需要の可能性に応じたスコアを取得できる。
図2に示す制御部12は、情報取得部121とキーワード判定部122と企業選定部124と出力部126とを備える。これら制御部12の各構成要素は、物理的な回路で構成してもよく、CPUが実行可能なプログラムで構成してもよい。制御部12の構成は、図2に示す構成に限られない。
情報取得部121は、経営情報提供サーバ30から通信部11を介して複数の企業の経営情報を取得する。例えば情報取得部121は、経営情報提供サーバ30で運営される経営情報提供サイトをスクレイピングし、複数の企業の経営情報の文書データを取得する。情報取得部121は、特定の経営情報提供サイトを定期的にクローリングして様々な企業の経営情報の文書データを自動的に取得できる。
情報取得部121は、取得した経営情報が文字列検索(テキスト検索)できる文書データ(PDF、XML、XBRLなど)の場合はそのまま経営情報データベース143に記憶し、文字列検索できない文書データ(文書が画像として取り込まれたPDFなど)の場合は文字列検索できるデータに変換して経営情報データベース143に記憶する。XBRL(eXtensible Business Reporting Language)は、XML(eXtensible Markup Language)をベースにした報告書記述言語である。
なお、別ルートで入手した経営情報の文書データを情報取得部121により経営情報データベース143に追加することもできる。具体的には情報取得部121は、端末装置20からのユーザ操作に応じて経営情報の文書データを受信し経営情報データベース143に追加する。これにより、例えば非上場企業の経営情報やや非公開の経営情報の文書データを入手した場合でも経営情報データベース143に追加できる。
キーワード判定部122は、情報取得部121で取得された経営情報に、キーワードデータベース144の特定キーワードが含まれるか否かを判定する特定キーワード判定を行い、経営情報の解析結果としてスコアを取得する。キーワード判定部122は、経営情報データベース143から経営情報の文書データを読み出して特定キーワード判定を行う。キーワード判定部122は、情報取得部121で取得された経営情報毎に特定キーワード判定を行って各キーワードグループにおける特定キーワードの出現回数をカウントし、カウントされた出現回数をスコアデータベース145に記憶する。
キーワード判定部122は、スコア取得部123を備える。スコア取得部123は、特定キーワード判定による経営情報の解析結果としてスコアを取得する。具体的にはスコア取得部123は、各キーワードグループにおける特定キーワードの出現回数と重み係数から経営情報のスコアを算出して取得する。キーワード判定部122は、スコア取得部123で取得されたスコアを経営情報に関連づけてスコアデータベース145に記憶する。
企業選定部124は、キーワード判定部122によって経営情報に特定キーワードが含まれると判定された企業を営業先企業候補として選定する。営業先企業候補の選定には、上述した経営情報のスコアが利用される。例えば企業選定部124は、スコアデータベース145に記憶された経営情報のスコアが所定の閾値以上の企業を営業先企業候補として選定する。これによれば、上記所定の閾値を調整することで、営業先企業候補の数を調整できるので、例えばスコアが低い営業先企業候補が多くなりすぎることを抑制できる。
特定キーワードが1つも含まれない経営情報は、特定キーワードの出現回数がゼロなのでスコアもゼロになる。特定キーワードが1つでも含まれる経営情報のスコアは1以上になる。そこで、営業先企業候補が少ない場合は、例えば経営情報のスコアが閾値1以上の企業を営業先企業候補として選定するようにしてもよい。これにより、特定キーワードが1つでも含まれる企業を営業先企業候補として選定できるので、営業先企業候補を増やすことができる。
出力部126は、企業選定部124で選定された営業先企業候補の企業リストを表示させる表示データを生成して出力する。出力部126は、経営情報のスコアの高い順に企業リストを表示させる表示データを生成する。表示データは、通信部11を介して端末装置20に送信される。端末装置20は、表示データに基づいて営業先企業候補の企業リストを表示する。なお、表示データはWeb画面データであってもよい。具体的には営業支援装置10は、Web画面に営業先企業候補をリスト表示させる。端末装置20はそのWeb画面データを受信してブラウザに表示する。
次に、端末装置20の構成例について図2を参照しながら説明する。図2に示す端末装置20は、通信部21と制御部22と記憶部24と入力部25と表示部26とを備える。通信部21と、制御部22と、記憶部24と、入力部25と、表示部26とは、それぞれバスライン20Lに接続され、相互に情報(データ)のやり取りが可能である。
通信部21は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、営業支援装置10との間で情報(データ)の送受信を行う。通信部21は、インターネットやイントラネットの通信インターフェースとして機能し、例えばTCP/IPを用いた通信などが可能である。
制御部22は、端末装置20全体を統括的に制御する。制御部22は、MPU(Micro Processing Unit)などの集積回路で構成される。制御部22は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備える。制御部22は、必要なプログラムをROMにロードし、RAMを作業領域としてそのプログラムを実行することで、各種の処理を行う。
記憶部24は、制御部22で実行される各種プログラムやこれらのプログラムによって使用されるデータを記憶する。記憶部24は、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置で構成される。記憶部24の構成はこれらに限られず、記憶部24をRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリで構成してもよい。例えば記憶部24をSSD(Solid State Drive)で構成することもできる。
入力部25は、キーボード及びマウスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて操作内容に対応した制御信号を制御部22へ送信する。入力部25は、タッチパネルを備えていてもよい。
表示部26は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、制御部22からの指示に従って各種情報を表示する。制御部22は、営業支援装置10から通信部21を介して受信した表示データに基づいて営業先企業候補の企業リストを表示部26に表示する。
ここで、表示部26に表示される表示画面SCの具体例を図5に示す。表示画面SCには、営業支援装置10で選定された営業先企業候補がアプローチ情報としてリスト表示される。営業先企業候補は、スコアが高いほど上位に表示されるようにする。これにより、営業成功の可能性が高い企業ほど上位に表示できる。なお、図5の表示画面SCにおいてアプローチ情報はそれぞれスクロールすることによって下位の企業も表示されるようにすることができる。
アプローチ情報の表示項目は、「日付」、「企業名」、「株式コード」、「営業情報」、「スコア」、「備考」などである。アプローチ情報の表示項目は、図5に示すものに限られず、例えば「上場市場」、「資本金」、「業種」、「業態」、「従業員数」、「決算日」、「所在地」などの項目を追加してもよい。検索期間の項目を設けてその項目に期間を入力可能とし、入力した期間内の経営情報の解析で選択された企業に絞り込んで表示できるようにしてもよい。また「評価」の項目を設けるようにしてもよい。「評価」の項目には、例えば営業に役に立ったかどうかを3段階や5段階などの複数段階で評価する数値を入力できるようにする。「経営情報」の項目に表示される文字には、経営情報データベース143の経営情報の文書データが表示されるようにリンクを貼り付けるようにしてもよい。入力部25のマウスなどで経営計画書の文字がクリックされると、制御部22は経営情報データベース143の当該経営計画書の文書データを表示部26に表示させる。
「備考」には、重み係数が所定値以上のキーワードグループの特定キーワードが含まれる場合にそれを示唆する文字列(例えば図5に示す「重要WORD HIT」などを表示する。また、「備考」には、特定キーワードが含まれるキーワードグループの特徴を示す文字列(例えば効率化系キーワードを含む場合は「効率化系WORD HIT」、財務系キーワードを含む場合は「財務系WORD HIT」など)を表示してもよい。これらを表示することで、その企業の営業戦略を立てやすくなる。
次に、第1実施形態に係る営業支援装置10が行う経営情報解析処理について図6を参照しながら説明する。図6は、経営情報解析処理の具体例を示すフローチャートである。経営情報解析処理は、制御部12(情報取得部121、キーワード判定部122、スコア取得部123、企業選定部124、出力部126など)によってプログラム記憶部141から必要なプログラムが読み出されて実行される。
先ず図6に示すステップS110にて制御部12は、各企業の経営情報を取得する。具体的には情報取得部121が、経営情報提供サーバ30から通信部11を介して各企業の経営情報の文書データを取得して経営情報データベース143に記憶する。情報取得部121は、取得した経営情報が文字列検索(テキスト検索)できる文書データ(テキストを含むPDF、XML、XBRLなど)の場合はそのまま経営情報データベース143に記憶し、文字列検索できない文書データ(文書が画像として取り込まれたPDFなど)の場合は文字列検索できるデータに変換して経営情報データベース143に記憶する。
次いでステップS120にて制御部12は、情報取得部121で取得された経営情報の文書データのそれぞれについて特定キーワード判定を行う。特定キーワード判定では、各キーワードグループの特定キーワードが経営情報の文書データに含まれるか否かが判断され、特定キーワードの出現回数とその経営情報のスコアが取得される。特定キーワード判定は、例えば図7に示すように行われる。
図7は、特定キーワード判定処理の具体例を示す図である。図7に示すステップS121にて制御部12は、キーワードグループ毎に各特定キーワード(特定KW)の出現回数を取得する。具体的にはキーワード判定部122が、経営情報データベース143の経営情報の文書データを読み出して、その文書データにキーワードデータベース144にキーワードグループ毎に関連づけられた特定キーワードが含まれるか否かを判定し、特定キーワードの出現回数をカウントする。キーワード判定部122は、カウントされた出現回数を当該経営情報に関連づけてスコアデータベース145に記憶する。
次にステップS122にて制御部12は、経営情報に関連づけられた特定キーワードの出現回数と重み係数に基づいて当該経営情報のスコアを算出する。具体的にはスコア取得部123が、キーワードグループ毎に特定キーワードの出現回数から得られるワードヒット情報と重み係数からスコアを算出し、当該経営情報に関連づけてスコアデータベース145に記憶する。ステップS122のスコアの算出は、情報取得部121で取得したすべての経営情報の文書データについて行う。このスコアが特定キーワード判定による経営情報の解析結果となる。
次に図6に示すステップS130にて制御部12は、特定キーワード判定による経営情報の解析結果から営業先企業候補を選定する。具体的には企業選定部124が、スコアデータベース145に記憶された経営情報のスコアが所定の閾値以上の企業を営業先企業候補として選定する。なお、ステップS130の処理は、スコアデータベース145に記憶されたすべての企業について最新の経営情報のスコアを対象にして行われる。これにより、常に最新の経営情報から営業先企業候補を選定できる。
次にステップS140にて制御部12は、ステップS130で選定された企業を端末装置20に表示させる。具体的には出力部126が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、企業選定部124で選定された企業リストを端末装置20にアプローチ情報として表示させる。例えば出力部126は、選定された企業がスコアの高い順に上位に表示されるように表示データを生成する。なお、ステップS140の処理は、端末装置20からアプローチ情報の表示リクエストを受信することで出力部126が実行するようにしてもよい。他方、ステップS110〜ステップS130の処理は、特定の経営情報提供サイトの定期的なクローリングにより自動的に実行されるようにしてもよく、端末装置20からのリクエストで実行されるようにしてもよい。
以上のような第1実施形態に係る営業支援装置10によれば、複数の企業の経営情報を取得し、不動産取引に関連性のある特定キーワードが経営情報に含まれるか否かを判定する解析を行うことで、不動産取引需要の可能性のある企業を予測できる。さらに特定キーワードが経営情報に含まれると判定された企業を営業先企業候補として選定するので、不動産取引需要の可能性のある企業を営業先企業候補として自動的に選定できる。これにより、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても、営業先企業候補を選定できる。したがって、営業先企業候補の選定にかかる時間と手間を大幅に省くことができ、営業活動を効率化できる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する各形態において実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。第2実施形態では、企業が公開する経営情報が不動産取引に関連性のある特定キーワードを含むかどうかの特定キーワード判定において、経営情報の種類に応じて特定キーワードの種類を変える場合を例示する。なお、経営情報の種類や特定キーワードの種類は以下に例示するものに限られない。
ここでの特定キーワードの種類は、第1実施形態で例示した「動向予測キーワード」「キーマンキーワード」「設備状況キーワード」などである。「動向予測キーワード」は企業の不動産取引の動向を予測するための特定キーワードである。「キーマンキーワード」は不動産流動化の必要性を理解してもらいやすい役員などがいる企業を探し出すための特定キーワードである。「設備状況キーワード」は不動産取引需要のありそうな不動産や不動産設備を所有する企業を探し出すための特定キーワードである。
ところで、企業が公開する経営計画書などの経営情報には様々な情報が含まれている。しかしながら、経営情報の種類によって含まれる内容も異なるので、出現しやすい特定キーワードも経営情報の種類によって異なる。
例えば中期経営計画書には、資産効率化、有利子負債削減などの不動産取引の動向を予測可能な「動向予測キーワード」が出現しやすい。このような特定キーワードで中期経営計画書を解析することで、その解析結果を営業先企業候補の選定に効果的につなげることができる。
ところが、中期経営計画書には役員の詳細情報などは含まれてないことが多い。このため「キーマンキーワード」が出現する可能性は低く、出現したとしてもそれはキーマンとは関係がない項目にたまたまヒットした可能性が高い。このような特定キーワードを用いた解析結果ではキーマンがいる営業先企業候補の選定に効果的につなげることができない。
他方、有価証券報告書には、役員の詳細情報や設備状況が記載されるので、有価証券報告書に出現した「キーマンキーワード」や「設備状況キーワード」がキーマンや不動産設備を探すために利用できる可能性が高い。したがって、このような特定キーワードを用いた解析結果をキーマンや不動産設備をもつ営業先企業候補の選定に効果的につなげることができる。
そこで、第2実施形態では、経営情報の種類に応じて特定キーワードの種類を変えて特定キーワード判定を行う。具体的には例えば第2実施形態のキーワード判定部122は、経営計画情報を含む第1経営情報(中期経営計画書、四半期報告書、決算説明会報告書など)を第1特定キーワード(動向予測キーワード)で判定し、第1経営情報とは異なる種類の経営情報であって役員情報や設備情報を含む第2経営情報(有価証券報告書など)を第1特定キーワードとは種類の異なる第2特定キーワード(キーマンキーワードや設備状況キーワード)で判定する。
これによれば、経営情報の種類に応じて営業先企業候補を選定するアプローチを変えることができる。例えば経営計画情報を含む中期経営計画書の場合は「動向予測キーワード」を用いるので、その企業に不動産取引需要があるかどうかというアプローチで営業先企業候補を選定できる(ここでは第1アプローチと称する)。他方、役員情報や設備情報を含む有価証券報告書の場合は「動向予測キーワード」ではなく「キーマンキーワード」や「設備状況キーワード」を用いる。この場合には、その企業に不動産流動化の必要性を理解してもらいやすいキーマンがいるかどうかや、不動産取引需要のある設備を所有しているかどうかなどを含めた異なるアプローチで営業先企業候補を選定できる(ここでは第2アプローチと称する)。このように経営情報の種類に応じて特定キーワードの種類を変えることで、異なる種類の経営情報に同じ特定キーワードを用いる場合に比較して、経営情報の特定キーワード判定による解析結果を有力な営業先企業候補の選定につなげる効果を大幅に高めることができる。したがって、営業先企業候補の選定精度を向上することができる。
図8は、第2実施形態に係る営業支援システム100の具体的構成例を示すブロック図である。図8の経営情報データベース143(経営情報DB)は、第1経営情報143A(例えば中期経営計画書)と第2経営情報143B(例えば有価証券報告書)とを記憶する。図8のキーワードデータベース144(キーワードDB)は、動向予測キーワード144A、キーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cとを記憶する。動向予測キーワード144Aは、第1経営情報143Aを判定するための第1特定キーワードの例示であり、キーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cはそれぞれ第2経営情報143Bを判定するための第2特定キーワードの例示である。
動向予測キーワード144Aは、例えば「資産効率化」「有利子負債削減」などが挙げられる。不動産を売却して整理することは資産の効率化に寄与するので、経営情報に「資産効率化」などの特定キーワードが含まれる場合には、不動産売却需要を掘り起こしやすい。不動産を売却して整理することは財務に直結するので、経営情報に「有利子負債削減」などの特定キーワードが含まれる場合には、不動産売却需要を掘り起こしやすい。したがって、これらの動向予測キーワード144Aが経営情報に含まれる企業は、営業先企業候補として有望である。
キーマンキーワード144Bは、例えば「銀行」などである。有価証券報告書の役員の欄に「銀行」などが含まれるか否かによって、銀行出身の役員がいる企業を探すことができる。銀行出身の役員がいる企業は不動産流動化の必要性を理解してもらいやすいので、営業先企業候補として有望である。「設備状況キーワード」は例えば「賃貸」などである。有価証券報告書の設備の欄に「賃貸」などが含まれるか否かによって、賃貸している不動産設備を所有する企業を探すことができる。賃貸している不動産設備を所有する企業は、その不動産設備の整理需要の可能性があるため、営業先企業候補として有望である。
ここで、第2実施形態のキーワードデータベース144(キーワードDB)の構成例について図9乃至図11を参照しながら説明する。図9は動向予測キーワード144Aの具体例を示す図であり、図10はキーマンキーワード144Bの具体例を示す図であり、図11は設備状況キーワード144Cの具体例を示す図である。ここでは、動向予測キーワード144A、キーマンキーワード144B、設備状況キーワード144Cのそれぞれの特定キーワードを複数のキーワードグループ(KWグループ)に分けた場合を例に挙げる。なお、動向予測キーワード144A、キーマンキーワード144B、設備状況キーワード144Cの構成は、図示のものに限られない。例えばキーマンキーワード144Bや設備状況キーワード144Cは必ずしもキーワードグループに分けなくてもよい。
図9の動向予測キーワード144Aは、n個のキーワードグループ(KWグループ)GA1、GA2、・・・、GAnと、各キーワードグループに関連づけられるn個の重み係数WA1、WA2、・・・、WAnと、各キーワードグループに含まれる特定キーワード(特定KW)とを記憶する。
特定キーワードKA11、KA12、・・・は、キーワードグループGA1に含まれ、特定キーワードKA21、KA22、・・・は、キーワードグループGA2に含まれる。キーワードグループGA1は例えば経営情報に資産などの効率化を掲げる場合に使用される「効率化系キーワード」であり、このGA1に含まれる特定キーワードKA11は例えば上述した「資産効率化」である。キーワードグループGA2は例えば財務を改善したい場合に使用される「財務系キーワード」であり、このGA2に含まれる特定キーワードKA21は例えば上述した「有利子負債削減」である。
図10のキーマンキーワード144Bは、n個のキーワードグループ(KWグループ)GB1、GB2、・・・、GBnと、各キーワードグループに関連づけられるn個の重み係数WB1、WB2、・・・、WBnと、各キーワードグループに含まれる特定キーワード(特定KW)とを記憶する。特定キーワードKB11、KB12、・・・は、キーワードグループGB1に含まれ、特定キーワードKB21、KB22、・・・は、キーワードグループGB2に含まれる。キーワードグループGB1は銀行出身の役員がいる企業を探すために使用される「銀行出身系キーワード」であり、このGB1に含まれる特定キーワードKB11は例えば「銀行」である。
図11の設備状況キーワード144Cは、n個のキーワードグループ(KWグループ)GC1、GC2、・・・、GCnと、各キーワードグループに関連づけられるn個の重み係数WC1、WC2、・・・、WCnと、各キーワードグループに含まれる特定キーワード(特定KW)とを記憶する。特定キーワードKC11、KC12、・・・は、キーワードグループGC1に含まれ、特定キーワードKC21、KC22、・・・は、キーワードグループGC2に含まれる。キーワードグループGC1は賃貸不動産設備を所有する企業を探すために使用される「賃貸不動産設備系キーワード」であり、このGC1に含まれる特定キーワードKC11は例えば「賃貸」である。
図8のスコアデータベース145(スコアDB)は、第1スコア情報145Aと第2スコア情報145Bを記憶する。第1スコア情報145Aは、企業毎に各第1経営情報143Aに関連づけられた特定キーワードの出現回数と第1経営情報の解析結果となる第1スコア(指標値)の情報を備える。第1スコアは、第1経営情報毎に算出される。第1スコアは、例えば第1アプローチ情報として営業先企業候補の選定や表示順序を決めるのに利用される。第1スコアは、動向予測キーワード144Aの各キーワードグループにおける特定キーワードの出現回数と重み係数とに基づいて算出される。
第2スコア情報145Bは、企業毎に各第2経営情報143Bに関連づけられた特定キーワードの出現回数と第2経営情報の解析結果となる第2スコア(指標値)の情報を備える。第2スコアは、第2経営情報毎に算出される。第2スコアは、例えば第2アプローチ情報として営業先企業候補の選定や表示順序を決めるのに利用される。第2スコアは、キーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cとの各キーワードグループにおける特定キーワードの出現回数と重み係数とに基づいて算出される。
ここで、第1スコア情報145A及び第2スコア情報145Bの具体例について図12及び図13を参照しながら説明する。図12は第1スコア情報145Aの具体例を示す図であり、図13は第2スコア情報145Bの具体例を示す図である。
図12の第1スコア情報145Aは、A社の中期経営計画書(第1経営情報143Aの例示)を解析する動向予測キーワード144Aの特定キーワード(特定KW)の出現回数HA11、HA12、・・・と第1スコアSa1の情報を備える。図12に示すように第1スコア情報145Aは、企業ID、経営情報の種類、企業名などの基本情報を備える。図12に示すように第1スコア情報145Aは、解析に使用されたキーワードの種類、キーワードグループ、重み係数、特定キーワードなどの情報を備えてもよい。
図12の出現回数HA11は、キーワードグループ(KWグループ)GA1の特定キーワードKA11の出現回数であり、出現回数HA21は、キーワードグループGA2の特定キーワードKA21の出現回数である。図12の各キーワードグループのワードヒット情報は、そのキーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数の総和である。例えばHGA1は、キーワードグループGA1の特定キーワードの出現回数HA11、HA12、・・・をすべて足し算したものである。図12のキーワードグループがn個の場合、そのワードヒット情報HGA1〜HGAnと重み係数WA1〜WAnから第1スコアSa1は下記数式(2)で表すことができる。ただし、第1スコアSa1の算出式は、下記数式(2)に限られない。
Sa1=HGA1×WA1+HGA2×WA2+・・・+HGAn×WAn
・・・(2)
図13の第2スコア情報145Bは、A社の有価証券報告書(第2経営情報143Bの例示)を解析するキーマンキーワード144Bの特定キーワード(特定KW)の出現回数HB11、HB12、・・・と、設備状況キーワード144Cの特定キーワード(特定KW)の出現回数HC11、HC12、・・・と、第2スコアSa2との情報を備える。図13に示すように第2スコア情報145Bは、企業ID、経営情報の種類、企業名などの基本情報を備える。図13に示すように第2スコア情報145Bは、解析に使用されたキーワードの種類、キーワードグループ、重み係数、特定キーワードなどの情報を備えてもよい。
さらに第2スコア情報145Bは、「キーマン」や「設備」の有無の情報を備える。図13の「キーマン」の欄は、例えばキーマンがいる場合は「HIT」、キーマンがいない場合は「NONE」とする。キーマンがいる場合は「1」、キーマンがいない場合は「0」としてもよい。図13の「設備」の欄は、例えば不動産設備がある場合は「HIT」、不動産設備がいない場合は「NONE」とする。不動産設備がある場合は「1」、不動産設備がない場合は「0」としてもよい。
図13の出現回数HB11は、キーワードグループ(KWグループ)GB1の特定キーワードKB11の出現回数であり、出現回数HB21は、キーワードグループGB2の特定キーワードKB21の出現回数である。出現回数HC11は、キーワードグループ(KWグループ)GC1の特定キーワードKC11の出現回数であり、出現回数HC21は、キーワードグループGC2の特定キーワードKC21の出現回数である。
図13の各キーワードグループのワードヒット情報は、そのキーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数の総和である。例えばHGB1は、キーワードグループGB1の特定キーワードの出現回数HB11、HB12、・・・をすべて足し算したものである。図13のキーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cとのキーワードグループがn個の場合、そのワードヒット情報HGB1〜HGBn、HGC1〜HGCnと重み係数WB1〜WBn、WC1〜WCnから第2スコアSa2は下記数式(3)で表すことができる。ただし、第2スコアSa2の算出式は、下記数式(3)に限られない。
Sa2=HGB1×WB1+HGB2×WB2+・・・+HGBn×WBn
+HGC1×WC1+HGC2×WC2+・・・+HGCn×WCn
・・・(3)
図12及び図13におけるキーワードグループの重み係数は、自由に設定できる。熟練した営業マンが自らの経験を基づいて重み係数を設定することで、不動産取引需要の可能性の高い有力な営業先企業の経営情報ほど第1スコア、第2スコアが高くなるようにすることができる。このように、特定キーワードをグループ分けすることで、不動産取引需要の可能性に応じて重み係数を変えることができる。
次に、第2実施形態に係る営業支援装置10が行う経営情報解析処理について図14乃至図17を参照しながら説明する。図14は第1経営情報解析処理の具体例を示すフローチャートであり、図15は第1経営情報解析処理における第1特定キーワード判定の具体例を示すフローチャートである。図16は第2経営情報解析処理の具体例を示すフローチャートであり、図17は第2経営情報解析処理における第2特定キーワード判定の具体例を示すフローチャートである。
図14の第1経営情報解析処理と図16の第2経営情報解析処理とでは、営業先企業候補を選定するためのアプローチ方法が異なる。第1経営情報解析処理では、各企業の中期経営計画(第1経営情報143Aの例示)を動向予測キーワード144A(第1特定キーワードの例示)によって判定し、その解析結果から営業先企業候補を選定する。すなわち、第1経営情報解析処理では、不動産取引の動向を予測可能な特定キーワードが多く含まれやすい中期経営計画を対象とし、動向予測キーワード144Aがどのくらい含まれるかによって有力な営業先企業候補を選定できる(第1アプローチ)。
他方、第2経営情報解析処理では、各企業の有価証券報告書(第2経営情報143Bの例示)をキーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144C(第2特定キーワードの例示)によって判定し、その解析結果から営業先企業候補を選定する。すなわち、役員情報や設備情報に関する特定キーワードが含まれやすい有価証券報告書を対象とし、不動産取引のキーマンとなり得る人材や不動産設備によって営業先企業候補を選定できる(第2アプローチ)。
第1経営情報解析処理及び第2経営情報解析処理は、制御部12(情報取得部121、キーワード判定部122、スコア取得部123、企業選定部124、出力部126など)によってプログラム記憶部141から必要なプログラムが読み出されて実行される。
先ず図14に示す第1経営情報解析処理について詳細に説明する。ステップS210にて制御部12は、各企業の第1経営情報143Aを取得する。具体的には情報取得部121が、経営情報提供サーバ30から通信部11を介して各企業の中期経営計画書を第1経営情報143Aとして取得し経営情報データベース143に記憶する。情報取得部121は、取得した中期経営計画書が文字列検索(テキスト検索)できる文書データ(テキストを含むPDFなど)の場合はそのまま経営情報データベース143に記憶し、文字列検索できない文書データ(文書が画像として取り込まれたPDFなど)の場合は文字列検索できるデータに変換して経営情報データベース143に記憶する。
次いでステップS220にて制御部12は、情報取得部121で取得された中期経営計画書の文書データのそれぞれについて第1特定キーワード判定を行う。第1特定キーワード判定は、中期経営計画書に含まれる第1特定キーワードの出現回数を取得し、その出現回数と重み係数から第1スコアを取得する。ここでの第1特定キーワードは、動向予測キーワード144Aの各キーワードグループに含まれる特定キーワードである。
第1特定キーワード判定は、例えば図15に示す手順で実行される。ステップS221にて制御部12は、キーワードグループ毎に各第1特定キーワード(第1特定KW)の出現回数を取得する。具体的にはキーワード判定部122が、経営情報データベース143の中期経営計画書の文書データを読み出して、その文書データにキーワードグループ毎に関連づけられた第1特定キーワードが含まれるか否かを判定する。キーワード判定部122は、第1特定キーワードの出現回数をカウントし、カウントされた出現回数を当該経営情報に関連づけてスコアデータベース145に第1スコア情報145Aとして記憶する。
次にステップS222にて制御部12は、当該中期経営計画書に関連づけられた第1特定キーワードの出現回数と重み係数に基づいて当該中期経営計画書の第1スコアを算出する。具体的にはスコア取得部123が、キーワードグループ毎に第1特定キーワードの出現回数から得られるワードヒット情報と重み係数から第1スコアを算出し、当該中期経営計画書に関連づけてスコアデータベース145に第1スコア情報145Aとして記憶する。ステップS222の第1スコアの取得は、情報取得部121で取得したすべての中期経営計画書の文書データについて行う。この第1スコアが第1特定キーワード判定による第1経営情報143Aの解析結果となる。
次に図14に示すステップS230にて制御部12は、第1特定キーワード判定による第1経営情報143Aの解析結果から営業先企業候補を選定する。具体的には企業選定部124が、スコアデータベース145に記憶された中期経営計画書の第1スコアが所定の閾値(第1閾値)以上の企業を営業先企業候補として選定する。なお、ステップS230の処理は、スコアデータベース145に記憶されたすべての企業について最新の中期経営計画書の第1スコアを対象にして行われる。これにより、常に最新の中期経営計画書から営業先企業候補を選定できる。
次にステップS240にて制御部12は、ステップS230で選定された企業を端末装置20に表示させる。具体的には出力部126が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、企業選定部124で選定された企業リストを端末装置20に第1アプローチ情報として表示させる。例えば出力部126は、選定された企業が第1スコアの高い順に上位に表示されるように表示データを生成する。なお、ステップS240の処理は、端末装置20からアプローチ情報の表示リクエストを受信することで出力部126が実行するようにしてもよい。他方、ステップS210〜ステップS230の処理は、特定の経営情報提供サイトの定期的なクローリングにより自動的に実行されるようにしてもよく、端末装置20からのリクエストで実行されるようにしてもよい。
次に図16に示す第2経営情報解析処理について詳細に説明する。ステップS310にて制御部12は、各企業の第2経営情報143Bを取得する。具体的には情報取得部121が、経営情報提供サーバ30から通信部11を介して各企業の有価証券報告書を第2経営情報143Bとして取得し経営情報データベース143に記憶する。情報取得部121は、取得した有価証券報告書が文字列検索(テキスト検索)できる文書データ(テキストを含むPDF、XML、XBRLなど)の場合はそのまま経営情報データベース143に記憶し、文字列検索できない文書データ(文書が画像として取り込まれたPDFなど)の場合は文字列検索できるデータに変換して経営情報データベース143に記憶する。
次いでステップS320にて制御部12は、情報取得部121で取得された有価証券報告書の文書データのそれぞれについて第2特定キーワード判定を行う。第2特定キーワード判定は、有価証券報告書に含まれる第2特定キーワードの出現回数を取得し、その出現回数と重み係数から第2スコアを取得する。ここでの第2特定キーワードは、キーマンキーワード144B及び設備状況キーワード144Cの各キーワードグループに含まれる特定キーワードである。
第2特定キーワード判定は、例えば図17に示す手順で実行される。ステップS321にて制御部12は、キーマンキーワード144Bの特定キーワードを含むキーマンがいるか否かを判断する。具体的にはキーワード判定部122が、ステップS321にて第2スコア情報145Bを参照し、キーマンキーワード144Bの特定キーワードが出現する場合は、ステップS322にてキーマンありとする。具体的には図13に示すように第2スコア情報145Bのキーマンの欄を「HIT」又は「1」にする。ステップS321にてキーマンキーワード144Bの特定キーワードが出現しない場合は、キーマンなしとして第2スコア情報145Bのキーマンの欄を「NONE」又は「0」にする。
次いでステップS323にて制御部12は、設備状況キーワード144Cの特定キーワードを含む設備があるか否かを判断する。具体的にはキーワード判定部122は、ステップS323にて第2スコア情報145Bを参照し、設備状況キーワード144Cの特定キーワードが出現する場合は、ステップS324にて設備ありとする。具体的には図13に示すように第2スコア情報145Bの設備の欄を「HIT」又は「1」にする。ステップS324にて設備状況キーワード144Cの特定キーワードが出現しない場合は、設備なしとして第2スコア情報145Bの設備の欄を「NONE」又は「0」にする。
次いでステップS325にて制御部12は、キーワードグループ毎に各第2特定キーワード(第2特定KW)の出現回数を取得する。具体的にはキーワード判定部122が、経営情報データベース143の有価証券報告書の文書データを読み出して、その文書データにキーワードグループ毎に関連づけられた第2特定キーワードが含まれるか否かを判定する。キーワード判定部122は、第2特定キーワードの出現回数をカウントし、カウントされた出現回数を当該経営情報に関連づけてスコアデータベース145に第2スコア情報145Bとして記憶する。
次にステップS326にて制御部12は、当該有価証券報告書に関連づけられた第2特定キーワードの出現回数と重み係数に基づいて当該有価証券報告書の第2スコアを算出する。具体的にはスコア取得部123が、キーワードグループ毎に第2特定キーワードの出現回数から得られるワードヒット情報と重み係数から第2スコアを算出し、当該有価証券報告書に関連づけてスコアデータベース145に第2スコア情報145Bとして記憶する。ステップS326の第2スコアの取得は、情報取得部121で取得したすべての有価証券報告書の文書データについて行う。この第2スコアが第2特定キーワード判定による第2経営情報143Bの解析結果となる。
なお、第2特定キーワード判定を行う場合に、第2経営情報143Bの領域を特定して判定するようにしてもよい。例えば有価証券報告書の役員に関する欄の領域を特定してキーマンキーワード144Bが含まれるか否かを判定し、有価証券報告書の設備に関する欄の領域を特定して設備状況キーワード144Cが含まれるか否かを判定する。これにより、役員や設備とは別の欄で特定キーワードがヒットすることを避けることができるので、役員や設備をもつ企業を見つけやすくなる。
次に図16に示すステップS330にて制御部12は、第2特定キーワード判定による第2経営情報143Bの解析結果から営業先企業候補を選定する。具体的には企業選定部124が、スコアデータベース145に記憶された有価証券報告書の第2スコアが所定の閾値(第2閾値)以上の企業を営業先企業候補として選定する。なお、ステップS330の処理は、スコアデータベース145に記憶されたすべての企業について最新の有価証券報告書の第2スコアを対象にして行われる。これにより、常に最新の有価証券報告書から営業先企業候補を選定できる。
次にステップS340にて制御部12は、ステップS330で選定された企業を端末装置20に表示させる。具体的には出力部126が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、企業選定部124で選定された企業リストを端末装置20に第2アプローチ情報として表示させる。例えば出力部126は、選定された企業が第2スコアの高い順に上位に表示されるように表示データを生成する。なお、ステップS340の処理は、端末装置20からアプローチ情報の表示リクエストを受信することで出力部126が実行するようにしてもよい。他方、ステップS310〜ステップS330の処理は、特定の経営情報提供サイトの定期的なクローリングにより自動的に実行されるようにしてもよく、端末装置20からのリクエストで実行されるようにしてもよい。
図18は、端末装置20の表示部26に表示される表示画面の具体例を示す図である。図18の表示画面SC1には、営業支援装置10で選定された第1営業先企業候補が第1アプローチ情報としてリスト表示され、営業支援装置10で選定された第2営業先企業候補が第2アプローチ情報としてリスト表示される。
なお、図18の表示画面SC1は、第1アプローチ情報と第2営業先企業候補を同時に表示する場合を例示したが、これに限られず、第1アプローチ情報と第2営業先企業候補の何れか一方の表示を選択できるようにしてもよい。営業支援装置10は、端末装置20からのリクエストに応じて第1アプローチ情報と第2営業先企業候補の両方または何れか一方を表示する表示データを生成し、端末装置20に送信する。
第1アプローチ情報の表示項目は、「日付」、「企業名」、「株式コード」、「第1営業情報」、「第1スコア」、「備考」などである。第2アプローチ情報の表示項目は、「日付」、「企業名」、「株式コード」、「第2営業情報」、「第2スコア」、「キーマン」、「設備」などである。第1営業先企業候補は、第1スコアが高いほど上位に表示され、第2営業先企業候補は、第2スコアが高いほど上位に表示されるようにする。これにより、営業成功の可能性が高い企業ほど上位に表示することができる。
第1アプローチ情報と第2アプローチ情報の表示項目は、図18に示すものに限られない。例えば「上場市場」、「資本金」、「業種」、「業態」、「従業員数」、「決算日」、「所在地」などの項目を設けるようにしてもよい。検索期間の項目を設けてその項目に期間を入力可能とし、入力した期間内の第1経営情報143A又は第2経営情報143Bの解析で選択された企業に絞り込んで表示できるようにしてもよい。
さらに「評価」の項目を設けるようにしてもよい。「評価」の項目には、第1実施形態の場合と同様に例えば営業に役に立ったかどうかを3段階や5段階などの複数段階で評価する数値を入力できるようにする。また、第1実施形態のように「第1経営情報」の項目に表示される文字には、経営情報データベース143の第1経営情報143Aの文書データが表示されるようにリンクを貼り付けるようにしてもよい。「第2経営情報」の項目に表示される文字には、経営情報データベース143の第2経営情報143Bの文書データが表示されるようにリンクを貼り付けるようにしてもよい。
図19は、端末装置20の表示部26に表示される表示画面の他の具体例を示す図である。図19の表示画面SC2は、図18と同様の第1アプローチ情報と第2アプローチ情報に加えて、総合アプローチ情報を表示する場合を例示する。総合アプローチ情報は、第1アプローチ情報と第2アプローチ情報を総合して順位づけした営業先企業候補をリスト表示するものである。総合アプローチ情報では、総合スコアが高い順に営業先企業候補がリスト表示される。
総合スコアは、例えば企業毎に第1スコアと第2スコアとを加算して算出される。具体的には図19のA企業は第1スコアが「70」で第2スコアが「80」であるため、総合スコアが「150」であり、B企業は第1スコアが「80」で第2スコアが「50」であるため、総合スコアが「100」である。したがって、総合アプローチ情報では総合スコアが高いA企業がB企業よりも総合で上位に表示される。総合スコアの算出方法は、例示したものに限られない。例えば重み係数を付与した第1スコアと第2スコアを加算して総合スコアを算出してもよい。なお、図18の表示画面SC1及び図19の表示画面SC2において第1アプローチ情報、第2アプローチ情報、総合アプローチ情報はそれぞれスクロールすることによって下位の企業も表示されるようにすることができる。
以上のような第2実施形態に係る営業支援装置10によれば第1実施形態と同様に、企業の経営情報から不動産取引需要の可能性のある企業を営業先企業候補として自動的に選定できる。したがって、営業先企業候補を選定する時間と手間を大幅に省くことができ、営業活動を効率化できる。さらに、第2実施形態では、第1経営情報143Aや第2経営情報143Bのように経営情報の種類に応じて特定キーワードの種類を変えることで、異なる種類の経営情報に同じ特定キーワードを用いる場合に比較して、経営情報の特定キーワード判定による解析結果を有力な営業先企業候補の選定につなげる効果を大幅に高めることができる。したがって、有力な営業先企業候補が選定される精度を大幅に高めることができる。また、図18や図19のように第1経営情報143Aによる営業先企業候補と、第2経営情報143Bによる営業先企業候補とを別々に表示するので、営業先企業候補がどの経営情報によって選定されたかが分かりやすくなる。これにより、営業先企業候補に挙げられる企業への営業戦略を立てやすくなる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。第1実施形態の特定キーワード判定処理(図6のステップS120)では、経営情報の文書データに含まれる特定キーワードの出現回数と重み係数に基づいてその経営情報のスコアを算出する場合を例示した。これに対して第3実施形態の特定キーワード判定処理では、学習済みモデル(AI:Artificial Intelligence)によって経営情報のスコアを取得する場合を例示する。図20は、第3実施形態に係る営業支援システム100の具体的構成例を示すブロック図であり、図2に対応する。図20の記憶部14は、学習済みモデル146を記憶する点で図2と異なる。
図21は、学習済みモデル146の構成例を示す図である。図21の学習済みモデル146は、経営情報の文書データに含まれる特定キーワードの出現回数情報を入力することでその経営情報のスコアを出力するように学習されている。例えば特定キーワードは、動向予測キーワードにおけるキーワードグループのそれぞれに含まれる各特定キーワードである。
特定キーワードの出現回数情報は、例えば各キーワードグループに関連づけられた特定キーワードの出現回数の情報である。具体的には特定キーワードの出現回数情報は、図4に示す各キーワードグループのワードヒット情報HGA1〜HGAnであり、これらが別々に学習済みモデル146に入力される。ただし、特定キーワードの出現回数情報はワードヒット情報に限られず、例えば図4に示す各キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数HA11、HA12、・・・、HA21、HA22、・・・が別々に学習済みモデル146に入力されるようにしてもよい。
このように学習済みモデル146には、不動産取引に関連する企業経営上の異なる特徴を表すキーワードグループのそれぞれに関連づけられた特定キーワードの出現回数の情報(例えばワードヒット情報)が別々に入力される。これにより、特定キーワードの出現回数の情報をまとめて入力する場合に比較して、不動産取引に関連する企業経営上の特徴が反映されやすい学習済みモデル146を構成できる。このような学習済みモデル146の出力されるスコアから営業先企業候補を選定することで、有力な営業先企業が選定される精度を高めることができる。
図21には、機械学習によって学習されたニューラルネットワークで構成される学習済みモデル146を例示する。学習済みモデル146は、入力層、中間層、出力層を備える。それぞれの層は、複数のノードで構成される。例えば特定キーワードの出現回数情報として図4のn個のキーワードグループのワードヒット情報を入力し、経営情報のスコアを出力する学習済みモデル146では、入力層のノード数はn個であり、出力層のノード数は1である。各層に含まれるノードの数や中間層の層数は図示したものに限られない。学習済みモデル146は、CNN(Convolutional Neural Network)で構築してもよく、RNN(Recurrent Neural Network)で構成してもよい。
学習済みモデル146は、例えば深層学習アルゴリズムを用いて教師あり学習で構築したディープラーニングモデルである。具体的には学習済みモデル146は、経営情報の文書データに含まれる特定キーワードの出現回数情報とその経営情報のスコア(正解ラベル)を1セットとした教師データを用いて学習する。学習済みモデル146は、教師データに含まれる特定キーワードの出現回数情報を入力層に入力した場合に、スコアに対応する出力層の出力が教師データに含まれる正解ラベルを示すスコアに近づくような学習処理を行う。学習処理において学習済みモデル146は、入力に対して行う所定の演算を規定する関数の係数や閾値等のデータを最適化する。
第3実施形態に係る営業支援装置10が行う経営情報解析処理は、図6に示すものと同様である。第3実施形態ではスコアの取得方法(図7のステップS122)が第1実施形態と異なる。図7に示す特定キーワード判定処理のうちステップS122において、第1実施形態では、特定キーワードの出現回数と重み係数に基づいてスコアを算出して取得するのに対して、第3実施形態では、学習済みモデル146の出力からスコアを取得する点で異なる。具体的には第3実施形態ではステップS122にてキーワード判定部122は、特定キーワード出現回数を入力して得られる学習済みモデル146の出力からスコアを取得する。
このように、経営情報の特定キーワード判定処理に図21のような学習済みモデル146を用いて、特定キーワード出現回数情報を入力することで、第1実施形態のように特定キーワードの重み係数を予め設定しなくても、学習済みモデル146により重みが最適化されたスコアを取得できる。これにより、経営情報の特定キーワード判定による解析結果を有力な営業先企業候補の選定に効果的につなげることができる。なお、入力に用いられる出現回数情報は、正規化又は標準化したものを教師データとして用いることができる。
図22は、学習済みモデル146の他の構成例を示す図である。図22の学習済みモデル146は、経営情報と特定キーワード情報とを入力することでスコアを出力するように学習されている。図22の学習済みモデル146も図21と同様に機械学習によって学習されたニューラルネットワークで構成される。具体的には図22の学習済みモデル146は、経営情報と特定キーワード情報とスコア(正解ラベル)を1セットとした教師データを用いて学習する。
図22の学習済みモデル146は、教師データに含まれる経営情報と特定キーワード情報とを入力層に入力した場合に、スコアに対応する出力層の出力が教師データに含まれる正解ラベルを示すスコアに近づくような学習処理を行う。
学習済みモデル146に入力する経営情報は、例えば経営計画書や有価証券報告書などの文書データに含まれるキーワード(単語など)を既知の方法で数値化(例えばベクトル化)したものである。特定キーワード情報は、各キーワードグループに関連づけられた特定キーワードを既知の方法で数値化(例えばベクトル化)したものである。例えば図4に示すキーワードグループのそれぞれに含まれる各特定キーワードKA11、KA12、・・・、KA21、KA22、・・・を数値化したものである。経営情報と特定キーワード情報は、例えば数値化したデータを正規化又は標準化したものを入力データや教師データとして用いることができる。
このように、経営情報の特定キーワード判定処理に図22のような学習済みモデル146を用いることで、経営情報と特定キーワード情報を入力することで学習済みモデル146の出力からスコアを取得できる。これにより、特定キーワード判定処理を簡素化できる。
図21及び図22の学習済みモデル146を学習させる際に、教師データに含まれる正解ラベルを示すスコアを、熟練営業マンが知識や経験などから得られるスコアにすることで、熟練営業マンの知識や経験を学習させることができる。これにより、熟練営業マンが算出するような最適なスコアを出力するように学習済みモデル146を構築できるから、不動産取引需要のある有力な営業先企業候補を効率よく探し出すことができる。なお、学習済みモデル146を追加学習させることで、スコアの精度を高めることができる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態の特定キーワード判定処理では、第2実施形態の第1経営情報143Aの第1スコアと第2経営情報143Bの第2スコアとを別々の学習済みモデル(AI)によって取得する場合を例示する。図23は、第4実施形態に係る営業支援システム100の具体的構成例を示すブロック図であり、図8に対応する。図23の記憶部14は、2つの第1学習済みモデル146A及び第2学習済みモデル146Bを記憶する点で図8と異なる。また説明を分かり易くするため、キーワードデータベース144(キーワードDB)が記憶する特定キーワードを第1特定キーワード144aと第2特定キーワード144bとした。
図24は、第1学習済みモデル146Aの構成例を示す図であり、図25は、第2学習済みモデル146Bの構成例を示す図である。図24の第1学習済みモデル146Aは、第1経営情報143Aに含まれる第1特定キーワード144aの出現回数情報を入力することで第1スコアを出力するように学習されている。図25の第2学習済みモデル146Bは、第2経営情報143Bに含まれる第2特定キーワード144bの出現回数情報を入力することで第2スコアを出力するように学習されている。
第1特定キーワード144aは第2実施形態と同様に、動向予測キーワード144Aにおけるキーワードグループのそれぞれに含まれる各特定キーワードである。第1特定キーワード144aの出現回数情報は、例えば動向予測キーワード144Aにおけるキーワードグループのそれぞれに関連づけられた各特定キーワードの出現回数の情報である。具体的には第1特定キーワード144aの出現回数情報は、図12に示す動向予測キーワード144Aにおける各キーワードグループのワードヒット情報HGA1〜HGAnであり、これらが別々に第1学習済みモデル146Aに入力される。ただし、第1特定キーワード144aの出現回数情報はワードヒット情報に限られず、例えば図12に示す動向予測キーワード144Aにおける各キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数HA11、HA12、・・・、HA21、HA22、・・・が別々に第1学習済みモデル146Aに入力されるようにしてもよい。
第2特定キーワード144bは第2実施形態と同様に、キーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cにおけるキーワードグループのそれぞれに含まれる各特定キーワードである。なお、第2特定キーワード144bはキーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cの一方のみに含まれる特定キーワードであってもよい。第2特定キーワード144bの出現回数情報は、例えばキーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cにおけるキーワードグループのそれぞれに関連づけられた各特定キーワードの出現回数の情報である。
具体的には第2特定キーワード144bの出現回数情報は、図13に示すキーマンキーワード144Bにおける各キーワードグループのワードヒット情報HGB1〜HGBnと、設備状況キーワード144Cにおける各キーワードグループのワードヒット情報HGC1〜HGCnとであり、これらが別々に第2学習済みモデル146Bに入力される。ただし、第2特定キーワード144bの出現回数情報はワードヒット情報に限られず、例えば図13に示すキーマンキーワード144Bの各キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数HB11、HB12、・・・、HB21、HB22、・・・と、設備状況キーワード144Cの各キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数HC11、HC12、・・・、HC21、HC22、・・・と、が別々に第2学習済みモデル146Bに入力されるようにしてもよい。
第1学習済みモデル146Aと第2学習済みモデル146Bはそれぞれ、機械学習によって学習されたニューラルネットワークで構成される。第1学習済みモデル146A及び第2学習済みモデル146Bはそれぞれ、入力層、中間層、出力層を備える。入力層、中間層、出力層のそれぞれの層は、複数のノードで構成される。
例えば第1特定キーワード144aの出現回数情報として図12に示す動向予測キーワード144Aのn個のワードヒット情報を入力し、第1スコアを出力する学習済みモデル146Aでは、入力層のノード数はn個であり、出力層のノード数は1である。また第2特定キーワード144bの出現回数情報として図13に示すキーマンキーワード144Bのn個のワードヒット情報と設備状況キーワード144Cのn個のワードヒット情報とを入力し、第2スコアを出力する学習済みモデル146Bでは、入力層のノード数はn個+n個であり、出力層のノード数は1である。各層に含まれるノードの数や中間層の層数は図示したものに限られない。第1学習済みモデル146A及び第2学習済みモデル146BはCNNで構成してもよく、RNNで構成してもよい。
第1学習済みモデル146Aと第2学習済みモデル146Bは、例えば深層学習アルゴリズムを用いて教師あり学習で構築したディープラーニングモデルである。具体的には第1学習済みモデル146Aは、第1経営情報143Aの文書データに含まれる第1特定キーワード144aの出現回数情報と第1スコア(正解ラベル)を1セットとした教師データを用いて学習する。第1学習済みモデル146Aは、教師データに含まれる第1特定キーワード144aの出現回数情報を入力層に入力した場合に、第1スコアに対応する出力層の出力が教師データに含まれる正解ラベルを示す第1スコアに近づくような学習処理を行う。
第2学習済みモデル146Bは、第2経営情報143Bの文書データに含まれる第2特定キーワード144bの出現回数情報と第2スコア(正解ラベル)を1セットとした教師データを用いて学習する。第2学習済みモデル146Bは、教師データに含まれる第2特定キーワード144bの出現回数情報を入力層に入力した場合に、第2スコアに対応する出力層の出力が教師データに含まれる正解ラベルを示す第2スコアに近づくような学習処理を行う。
教師データに含まれる正解ラベルを示す第1スコア及び第2スコアは、熟練営業マンが知識や経験などから得られるスコアにすることで、熟練営業マンの知識や経験を学習させることができる。これにより、熟練営業マンが算出するような最適なスコアを出力するように第1学習済みモデル146A及び第2学習済みモデル146Bを構築できる。
このように、第4実施形態では、異なる種類の第1経営情報143Aと第2経営情報143Bを別々に解析するための2つの学習済みモデル146Aと学習済みモデル146Aを備えることで、第1特定キーワード出現回数情報の入力による第1スコアの出力と、第2特定キーワード出現回数情報による第2スコアの出力とを別々に得られるので、1つの学習済みモデルで第1スコアの出力と第2スコアの出力を得る場合に比較して、第1経営情報と第2経営情報の解析精度を高めることができる。
第1特定キーワード判定処理に図24のような学習済みモデル146Aを用いて、第1経営情報143Aの第1特定キーワード出現回数情報を入力することで、第2実施形態のように重み係数を予め設定しなくても、第1学習済みモデル146Aにより重みが最適化された第1スコアを取得できる。これにより、第1経営情報143Aの第1特定キーワード判定による解析結果を有力な営業先企業候補の選定に効果的につなげることができる。
第2特定キーワード判定処理に図25のような学習済みモデル146Bを用いて、第2経営情報143Bの第2特定キーワード144bの出現回数情報を入力することで、第2実施形態のように重み係数を予め設定しなくても、第2学習済みモデル146Bにより重みが最適化された第2スコアを取得できる。これにより、第2経営情報143Bの第2特定キーワード判定による解析結果を有力な営業先企業候補の選定に効果的につなげることができる。
図26は、第1学習済みモデル146Aの他の構成例を示す図である。この第1学習済みモデル146Aは、例えば機械学習によって学習されたニューラルネットワークで構成され、第1経営情報143Aと第1特定キーワード情報とを入力することで第1スコアを出力するように学習されている。具体的には図26の第1学習済みモデル146Aは、第1経営情報143Aと第1特定キーワード情報と第1スコア(正解ラベル)を1セットとした教師データを用いて学習する。
図26の第1学習済みモデル146Aは、教師データに含まれる第1経営情報143Aと第1特定キーワード情報とを入力層に入力した場合に、第1スコアに対応する出力層の出力が教師データに含まれる正解ラベルを示す第1スコアに近づくような学習処理を行う。
第1学習済みモデル146Aに入力する第1経営情報143Aは、例えば経営計画書などの文書データに含まれるキーワード(単語など)を既知の方法で数値化(例えばベクトル化)したものである。第1特定キーワード情報は、例えば図12の動向予測キーワード144Aにおける各キーワードグループに関連づけられた特定キーワードを既知の方法で数値化(例えばベクトル化)したものである。経営情報と特定キーワード情報は、例えば数値化したデータを正規化又は標準化したものを入力データや教師データとして用いることができる。
図27は、第2学習済みモデル146Bの他の構成例を示す図である。この第2学習済みモデル146Bは、例えば機械学習によって学習されたニューラルネットワークで構成され、第2経営情報143Bと第2特定キーワード情報とを入力することで第2スコアを出力するように学習されている。具体的には図27の第2学習済みモデル146Bは、第2経営情報143Bと第2特定キーワード情報と第2スコア(正解ラベル)を1セットとした教師データを用いて学習する。図27の第2学習済みモデル146Bは、教師データに含まれる第2経営情報143Bと第2特定キーワード情報とを入力層に入力した場合に、第2スコアに対応する出力層の出力が教師データに含まれる正解ラベルを示す第2スコアに近づくような学習処理を行う。
第2学習済みモデル146Bに入力する第2経営情報143Bは、例えば有価証券報告書などの文書データに含まれるキーワード(単語など)を既知の方法で数値化(例えばベクトル化)したものである。第2特定キーワード情報は、例えば図13のキーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cの各キーワードグループに関連づけられた特定キーワードを既知の方法で数値化(例えばベクトル化)したものである。第2経営情報143Bと第2特定キーワード情報は、例えば数値化したデータを正規化又は標準化したものを入力データや教師データとして用いることができる。
このように、第1経営情報143Aの第1特定キーワード判定処理に図26のような第1学習済みモデル146Aを用いることで、第1経営情報143Aと第1特定キーワード情報を入力することで第1学習済みモデル146Aの出力から第1スコアを取得できる。これにより、第1特定キーワード判定処理を簡素化できる。また第2経営情報143Bの第2特定キーワード判定処理に図27のような第2学習済みモデル146Bを用いることで、第2経営情報143Bと第2特定キーワード情報を入力することで第2学習済みモデル146Bの出力から第2スコアを取得できる。これにより、第2特定キーワード判定処理を簡素化できる。
上記第4実施形態では、種類が異なる2つの第1経営情報143Aと第2経営情報143Bからそれぞれのスコアを取得する2つの第1学習済みモデル146Aと第2学習済みモデル146Bを例示したが、学習済みモデルは2つに限られない。3種類以上の経営情報のスコアを算出する場合には、3つ以上の学習済みモデルを経営情報の種類毎に設けるようにしてもよい。
また、上記第4実施形態では、経営情報毎に別々の学習済みモデルで別々のスコアを取得する場合を例示したが、これに限られず、例えば図28に示すように1つの学習済みモデルで複数の経営情報から総合スコアを企業毎に取得するようにしてもよい。
図28は、学習済みモデルの他の構成例を示す図である。図28は、1つの第3学習済みモデル146Cで第1経営情報143Aと第2経営情報143Bから図19に示すような総合スコアを企業毎に取得する場合を例示する。図19では、スコア取得部123が総合スコアを算出して取得する場合を例示したが、図28では、スコア取得部123が第3学習済みモデル146Cの出力から総合スコアを取得する場合を例示する。
第3学習済みモデル146Cは、1つの企業の第1経営情報143Aに関連づけられた第1特定キーワード144aの出現回数情報と、その企業の第2経営情報143Bに関連づけられた第2特定キーワード144bの出現回数情報とを入力することで、その企業の総合スコアを出力するように学習されている。総合スコアは、企業毎に関連づけられて記憶部14のスコアデータベース145に総合スコア情報として記憶される。
第1経営情報143Aに関連づけられた第1特定キーワード144aの出現回数情報は、第1経営情報143A中の第1特定キーワード144aの出現回数の情報である。例えば動向予測キーワード144Aにおけるキーワードグループのそれぞれに関連づけられた各特定キーワードの出現回数の情報である。具体的には図12に示す動向予測キーワード144Aにおける各キーワードグループのワードヒット情報HGA1〜HGAnである。ただし、これに限られず、第1特定キーワード144aの出現回数情報は例えば図12に示す動向予測キーワード144Aにおける各キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数であってもよい。
第2経営情報143Bに関連づけられた第2特定キーワード144bの出現回数情報は、第2経営情報143B中の第2特定キーワード144bの出現回数の情報である。例えばキーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cにおけるキーワードグループのそれぞれに関連づけられた各特定キーワードの出現回数の情報である。具体的には図13に示すキーマンキーワード144Bにおける各キーワードグループのワードヒット情報HGB1〜HGBnと、設備状況キーワード144Cにおける各キーワードグループのワードヒット情報HGC1〜HGCnとである。ただし、これに限られず、第2特定キーワード144bの出現回数情報は例えば図13に示すキーマンキーワード144Bの各キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数と、設備状況キーワード144Cの各キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数との一方または両方であってもよい。
第3学習済みモデル146Cは、機械学習によって学習されたニューラルネットワークで構成される。第3学習済みモデル146Cは、入力層、中間層、出力層を備える。入力層、中間層、出力層のそれぞれの層は、複数のノードで構成される。各層に含まれるノードの数や中間層の層数は図示したものに限られない。第3学習済みモデル146CはCNNで構成してもよく、RNNで構成してもよい。
第3学習済みモデル146Cは、例えば深層学習アルゴリズムを用いて教師あり学習で構築したディープラーニングモデルである。具体的には第3学習済みモデル146Cは、第1経営情報143Aに関連づけられた第1特定キーワード144a(第1特定KW)の出現回数情報と第2経営情報143Bに関連づけられた第2特定キーワード144b(第2特定KW)の出現回数情報と総合スコア(正解ラベル)を1セットとした教師データを用いて学習する。第3学習済みモデル146Cは、第1経営情報143Aに関連づけられた第1特定キーワード144aの出現回数情報と第2経営情報143Bに関連づけられた第2特定キーワード144bの出現回数情報とを入力層に入力した場合に、総合スコアに対応する出力層の出力が教師データに含まれる正解ラベルを示す総合スコアに近づくような学習処理を行う。
図23の記憶部14には、第1学習済みモデル146Aと第2学習済みモデル146Bに第3学習済みモデル146Cを追加で記憶するようにしてもよい。この場合、図19に示すように第1学習済みモデル146Aからの第1スコアは第1アプローチ情報に表示し、第2学習済みモデル146Bからの第2スコアは第2アプローチ情報に表示し、第3学習済みモデル146Cからの総合スコアは総合アプローチ情報に表示する。なお、図23の記憶部14には、第1学習済みモデル146Aと第2学習済みモデル146Bの代わりに第3学習済みモデル146Cを記憶するようにしてもよい。
図28の第3学習済みモデル146Cによれば、異なる種類の複数の経営情報にそれぞれ関連づけられた特定キーワード出現回数の情報を別々に入力するので、複数の経営情報における特定キーワードの出現回数をまとめて入力する場合に比較して総合スコアの精度を高めることができる。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態は企業毎に蓄積された経営情報のスコアの推移から経営方針の変化を推測し、方針変化のある企業を選定する場合を例示する。経営方針が変化した企業は、営業を掛けるタイミングが最適な企業である可能性が高い。経営方針が変わると経営情報の内容も変わるので、使われる特定キーワードも変わる可能性が高い。そのため、例えば特定キーワードが増えて経営情報のスコアが高くなれば不動産取引需要の可能性が高まったことが分かる。
そこで本実施形態では、経営情報の特定キーワードのスコアの推移から経営情報に変化がある企業を見つけ出して抽出する。これにより、経営方針が変化した企業を抽出できるから、営業を掛けるタイミングが最適な企業に優先してアプローチできるようになる。
第5実施形態では、図2のスコアデータベース145(スコアDB)に、企業毎に各期(各次)の経営情報のスコアが蓄積される。図2の企業選定部124が行う第5実施形態の営業先企業候補の選定処理では、スコア取得部123で取得した経営情報のスコアが、所定の閾値以上であってスコアデータベース145から取得した直前のスコアよりも大きい企業を営業先企業候補として選定する。
第5実施形態による営業先企業候補の選定処理は、例えば図29に示す手順で実行される。図29は、第5実施形態の営業先企業候補選定処理の具体例を示すフローチャートであり、図6のステップS130の変形例に相当する。
第5実施形態では図6のステップS130にて制御部12は、最新の経営情報のスコアが直前の経営情報のスコアよりも大きい企業を営業先企業候補として選定する。具体的には、図29のステップS131にて企業選定部124は、スコアデータベース145に記憶された最新の経営情報のスコア(最新のスコア)が所定の閾値以上か否かを判断する。企業選定部124は、ステップS131にて最新の経営情報のスコアが所定の閾値以上であると判断した場合は、ステップS132にてスコアデータベース145からその企業の直前の経営情報のスコア(直前のスコア)を取得する。
次いでステップS133にて企業選定部124は、最新の経営情報のスコアが直前の経営情報のスコアよりも大きいか否かを判断する。企業選定部124は、ステップS133にて最新の経営情報のスコアが直前の経営情報のスコアよりも大きいと判断した場合は、ステップS134にてその企業を経営先企業として選定する。
企業選定部124は、最新の経営情報のスコアが所定の閾値以上でないと判断した場合(ステップS131のNO)、直前の経営情報のスコアよりも大きくないと判断した場合(ステップS133のNO)は、その企業を経営先企業として選定しない。
第5実施形態のステップS130の処理は、スコアデータベース145に記憶されたすべての企業について最新の経営情報についてのスコアを対象にして行われる。すべての企業について選定処理が終了すると、制御部12は図6のステップS140にて、ステップS130で選定された企業を端末装置20に表示させる。具体的には出力部126が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、企業選定部124で選定された企業リストを端末装置20にアプローチ情報として表示させる。例えば出力部126は、選定された企業がスコアの高い順に上位に表示されるように表示データを生成する。
このように第5実施形態によれば、最新の経営情報のスコアからだけでは分からない直前の経営情報からのスコアの変化まで分かる。すなわち、最新の経営情報のスコアだけでは不可能であった経営方針の変化があったかどうかを推測できる。第5実施形態によれば、最新の経営情報のスコアが所定の閾値以上であって直前の経営情報のスコアよりも大きい企業を営業先企業候補として選定するから、スコアが大きくなる方向に経営方針が変化した企業を優先的に抽出して表示させることができる。
これにより、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても、経営情報のスコアの推移から営業を掛けるタイミングの最適な企業を予測でき、そのような企業リストを表示できる。したがって、営業先企業候補の選定にかかる時間と手間を大幅に省くことができ、最新の経営情報のスコアだけから企業を選定する場合よりもさらに営業活動を効率化できる。
(第5実施形態の第1変形例)
次に、第5実施形態の第1変形例として、第2実施形態による第1経営情報143A(中期経営計画書など)の第1スコアから企業を抽出する第5実施形態を適用する場合を例示する。ここでは先ず最新の第1経営情報143Aの第1スコアが同じでも、直前の第1経営情報から第1スコアが変化していない場合と変化している場合を比較しながら説明する。
図30は、第1経営情報143Aの第1スコアの推移の比較例を示す図であり、図31は、第1経営情報の第1スコアの推移の具体例を示す図である。図30と図31は第1期から第3期の第1経営情報143Aの第1スコアの推移を表すグラフである。横軸は時期であり、縦軸は第1スコアである。第3期が最新の第1経営情報143Aの第1スコアであり、第2期が直前の第1経営情報の第1スコアである。
図30と図31とでは最新の第1経営情報143A(第3期)の第1スコアが同じであるが、直前の第1経営情報(第2期)の第1スコアが異なる。図30では直前の第1経営情報143A(第2期)の第1スコア「80」と比較的高いものの、最新の第1経営情報143A(第3期)の第1スコア「80」と同じである。すなわち、図30では最新の第1経営情報143A(第3期)の第1スコアが直前の第1経営情報(第2期)の第1スコアから変化していない。
他方、図31は最新の第1経営情報143A(第3期)が図30と同じ比較的高い第1スコア「80」ではあるが、直前の第1経営情報(第2期)の第1スコア「20」よりも大きい4倍に変化している。
したがって、最新の第1経営情報143Aにおいて図30では経営方針の変化がない可能性が高いのに対して、図31では経営方針が大きく変化したと推測できる。図31は例えば動向予測キーワード144Aとして「資産効率化」などの第1特定キーワードが、直前の第1経営情報143Aには含まれていなかったのに、最新の第1経営情報に含まれるようになった場合である。
このような企業では不動産を売却して整理するなど「資産効率化」を目指すように経営方針を変化させたと推測できる。これは不動産設備の整理需要の可能性が低かった企業が、不動産設備の整理需要の可能性が高くなったタイミングである。図31のように第1経営情報143Aの第1スコアに変化のある企業にそのタイミングで営業をかければ、図30のように第1経営情報の第1スコアに変化のない企業と比較して不動産売買契約が成立する可能性が格段と高くなると言える。
図30と図31によれば企業の経営方針に変化があったかどうかは、最新の第1経営情報143Aの第1スコアだけを見ても分からないことが理解できる。最新の第1経営情報143Aの第1スコアを直前の第1経営情報の第1スコアと比較することで、経営方針に変化があったことを推測できるようになる。
第5実施形態の第1変形例による第1営業先企業の選定処理は、例えば図32に示す手順で実行される。図32は、第5実施形態の第1変形例に係る第1営業先企業候補選定処理の具体例を示すフローチャートであり、図14のステップS230の変形例に相当する。
第5実施形態では図14のステップS230にて制御部12は、最新の第1経営情報143Aの第1スコアが所定の閾値(第1閾値)以上の企業のうち、最新の第1経営情報の第1スコアが直前の第1経営情報の第1スコアよりも大きい企業を第1営業先企業候補として選定する。具体的には、図32のステップS231にて企業選定部124は先ず、第1スコア情報145Aに記憶された最新の第1経営情報143Aの第1スコア(最新の第1スコア)が所定の閾値以上か否かを判断する。企業選定部124は、ステップS231にて最新の第1経営情報143Aの第1スコアが所定の閾値以上であると判断した場合は、ステップS232にてスコアデータベース145からその企業の直前の第1経営情報143Aの第1スコア(直前の第1スコア)を取得する。
次いでステップS233にて企業選定部124は、最新の第1経営情報143Aの第1スコアが直前の第1経営情報の第1スコアよりも大きいか否かを判断する。企業選定部124は、ステップS233にて最新の第1経営情報143Aの第1スコアが直前の第1経営情報の第1スコアよりも大きいと判断した場合は、ステップS234にてその企業を第1経営先企業として選定する。
企業選定部124は、最新の第1経営情報143Aの第1スコアが所定の閾値以上でないと判断した場合(ステップS231のNO)、直前の第1経営情報の第1スコアよりも大きくないと判断した場合(ステップS233のNO)は、その企業を第1経営先企業として選定しない。
第1変形例の図14のステップS230(図32のステップS231〜ステップS234)の処理は、スコアデータベース145に記憶されたすべての企業について行われる。すべての企業について選定処理が終了すると、制御部12は図14のステップS240にて、ステップS230で選定された企業を第1営業先候企業補選定として端末装置20に表示させる。具体的には出力部126が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、企業選定部124で選定された企業リストを端末装置20に第1アプローチ情報として表示させる。
例えば出力部126は、選定された企業が第1スコアの高い順に上位に表示されるように表示データを生成する。これにより、営業支援装置10で選定された第1営業先企業候補は、例えば図18の表示画面SC1の第1アプローチ情報としてリスト表示される。表示画面SC1には、直前の第1スコアからのスコア変化量を表示するようにしてもよい。例えば図31の場合は、最新の第1スコア「80」から直前の第1スコア「20」を引き算した「60」がスコア変化量となる。
なお、例えば図18の表示画面SC1の企業Aをクリックすると、図33の表示画面SC11に示すように過去から最新の第1スコアの推移を表示できるようにしてもよい。図33の表示画面SC11は最新の第1スコアが「70」の場合である。このように第1スコアの推移を表示することで、直前の第1経営情報143Aからの第1スコアの変化を一目で確認することができる。さらに過去の第1スコアを複数表示することで、どのように第1スコアの過去の推移まで確認でき、その企業の経営方針の変化を見える化できる。
このように第5実施形態の第1変形例によれば、最新の第1経営情報143Aからだけでは分からない直前の第1経営情報からの第1スコアの変化まで分かる。すなわち、最新の第1経営情報143Aの第1スコアだけでは不可能であった経営方針の変化を推測できる。第1変形例によれば、最新の第1経営情報143Aの第1スコアが所定の閾値以上であって直前の第1経営情報の第1スコアよりも大きい企業を営業先企業候補として選定するから、第1スコアが大きくなる方向に経営方針が変化した企業を優先的に抽出して表示させることができる。
これにより、第1経営情報143Aの第1スコアの推移から営業を掛けるタイミングの最適な企業を高い確率で予測でき、そのような企業のリストを表示できる。したがって、営業先企業候補の選定にかかる時間と手間を大幅に省くことができ、最新の第1経営情報143Aの第1スコアだけから企業を選定する場合よりもさらに営業活動を効率化できる。また、第1スコアの推移を表示することで、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても、有力な営業先企業候補が分かるだけでなく、その企業に営業を掛ける最適なタイミングまで一目で分かる。
なお、第1変形例では、第2実施形態による第1経営情報143A(中期経営計画書など)の第1スコアから企業を抽出する第5実施形態を適用する場合を例示したが、これに限られるものではない。第2実施形態による第2経営情報143B(有価証券報告書など)の第2スコアや総合スコアから企業を抽出する場合に第5実施形態を適用してもよい。
(第5実施形態の第2変形例)
次に、第5実施形態の第2変形例として、企業毎に蓄積された第1経営情報143A(中期経営計画書など)の第1特定キーワード出現回数から企業を抽出する場合を例示する。上記第1変形例では最新のスコアを直前のスコアと比較することで、経営方針に変化があったかどうか推測できる。これに対して、第2変形例では、最新の第1特定キーワード出現回数を直前の第1特定キーワード出現回数と比較することで、経営方針に変化があったかどうかだけでなく、経営方針がどの方向に変化したか(経営方針の変化の方向性)まで推測できる。
図34は、第1経営情報143Aにおける第1特定キーワード出現回数の推移の比較例を示す図であり、図35は、第1経営情報における第1特定キーワード出現回数の推移の具体例を示す図である。図34と図35は第1期から第3期の第1経営情報143Aにおけるキーワードグループごとの第1特定キーワード出現回数の推移を表すグラフである。第3期が最新の第1経営情報143Aの第1特定キーワード出現回数であり、第2期が直前の第1経営情報の第1特定キーワード出現回数である。
図34と図35では、動向予測キーワード144Aにおける2つのキーワードグループ「効率化系キーワード」と「財務系キーワード」とを上下に別々に表示したものである。横軸は時期であり、縦軸は第1特定キーワード出現回数である。ここでの第1特定キーワード出現回数は、例えば動向予測キーワード144Aにおけるキーワードグループのそれぞれに関連づけられた各第1特定キーワードの出現回数である。具体的には第1特定キーワードの出現回数は、図12に示す動向予測キーワード144Aにおけるワードヒット情報HGA1〜HGAnのうちの「効率化系キーワード」と「財務系キーワード」のワードヒット情報である。
ここでのワードヒット情報HGA1〜HGAnは、各キーワードグループに含まれる複数の第1特定キーワードが第1経営情報143Aに1つも出現しなければ「0」であり、キーワードグループに含まれる複数の第1特定キーワードが第1経営情報に1つでも出現すれば「1」である。なお、ワードヒット情報HGA1〜HGAnはこれに限られず、例えばキーワードグループに含まれる複数の第1特定キーワードが第1経営情報143Aに出現した回数の合計値としてもよい。
図34は第1期から第3期までの第1経営情報143Aに「効率化系キーワード」と「財務系キーワード」の出現回数に変化がない。したがって、図34の企業は、最新の第1経営情報143Aにおいて少なくとも「効率化系」と「財務系」については経営方針の変化はないと推測できる。
他方、図35は直前の第1経営情報143A(第2期)までは出現しなかった「効率化系キーワード」が最新の第1経営情報143A(第3期)で出現している。しかも直前の第1経営情報143A(第2期)までは出現していた「財務系キーワード」が最新の第1経営情報143A(第3期)では出現しなくなっている。したがって、図35の企業は、最新の第1経営情報143Aにおいて「財務系」から「効率化系」へ経営方針を変化させたことが推測できる。
「財務系キーワード」のキーワードグループには「有利子負債削減」などの第1特定キーワードが含まれ、「効率系キーワード」のキーワードグループには「資産効率化」などの第1特定キーワードが含まれる。したがって、図35の企業は、「有利子負債削減」などで財務改善の推進を進めていたものを、不動産資産の売却などをより積極的に進める「資産効率化」に方針を変化させたものと推測できる。
そうすると、このタイミングで営業を掛ければ不動産取引が成功する可能性が高いと考えられる。しかも資産効率化をキーワードとするアプローチをかければ不動産取引が成功する可能性がさらに高まると予想される。このように、第2変形例では経営方針がどう変わったかを推測できるので、経営方針の方向性に合わせた適切な営業戦略も立てやすくなる。しかも不動産取引の動向が記載されやすい経営計画を含む第1経営情報143Aから経営方針の変化を推測できるので、不動産取引の動向まで予測できる。このように、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても、その企業ごとに最適なアプローチで営業できるようになる。
第5実施形態の第2変形例では、図8のスコアデータベース145(スコアDB)に、企業毎に各期の第1経営情報143Aの第1スコアが蓄積されると共に、各期の第1経営情報143Aの第1特定キーワード出現回数がキーワードグループ毎に蓄積される。図8の企業選定部124が行う第2変形例の営業先企業候補の選定処理では、図8のスコア取得部123で取得した最新の第1経営情報143Aの第1スコアが所定の閾値以上であって、スコア取得部123で取得した第1経営情報143Aの第1特定キーワードの出現回数がスコアデータベース145から取得した第1経営情報143Aの第1特定キーワードの出現回数よりも大きいキーワードグループがある企業を第1営業先企業候補として選定する。
第5実施形態の第2変形例による第1営業先企業の選定処理は、例えば図36に示す手順で実行される。図36は、第5実施形態の第2変形例に係る第1営業先企業候補選定処理の具体例を示すフローチャートであり、図14のステップS230の他の変形例に相当する。
第5実施形態では図14のステップS230にて制御部12は、最新の第1経営情報143Aの第1スコアが所定の閾値以上の企業のうち、最新の第1経営情報143Aの第1特定キーワード出現回数が直前の第1経営情報143Aの第1特定キーワード出現回数よりも大きい企業を第1営業先企業候補として選定する。具体的には、図36のステップS235にて企業選定部124は先ず、スコアデータベース145に記憶された最新の第1経営情報143Aの第1スコア(最新の第1スコア)が所定の閾値以上か否かを判断する。
企業選定部124は、ステップS235にて最新の第1経営情報143Aの第1スコアが所定の閾値以上であると判断した場合は、ステップS236にてスコアデータベース145からその企業の最新の第1経営情報143Aの各ワードグループのワードヒット情報を第1特定キーワード出現回数(最新のKW出現回数)として取得する。また企業選定部124は、ステップS236にてスコアデータベース145からその企業の直前の第1経営情報143Aの各ワードグループのワードヒット情報を第1特定キーワード出現回数(直前のKW出現回数)として取得する。
次いでステップS237にて企業選定部124は、最新の第1経営情報143Aの第1特定キーワード出現回数が直前の第1経営情報の第1特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがあるか否かを判断する。具体的には、ワードグループ毎に最新の第1経営情報143Aのワードヒット情報と直前の第1経営情報のワードヒット情報とを比較して、最新の第1経営情報のワードヒット情報が直前の第1経営情報のワードヒット情報よりも大きいキーワードグループがあるか否かを判断する。
例えば図34では「財務系キーワード」と「効率系キーワード」はいずれも最新の第1特定キーワード出現回数(第3期)が「0」で直前の第1特定キーワード出現回数(第2期)も「0」である。したがって、キーワードグループが「財務系キーワード」と「効率系キーワード」だけであると仮定すれば、図34の場合はステップS237において最新の第1特定キーワード出現回数が直前の第1特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがないと判断される。
他方、図35では「財務系キーワード」は最新の第1特定キーワード出現回数(第3期)が「1」で直前の第1特定キーワード出現回数(第2期)が「0」である。したがって、キーワードグループが「財務系キーワード」と「効率系キーワード」だけであると仮定すれば、図35の場合はステップS237において最新の第1特定キーワード出現回数が直前の第1特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがあると判断される。
企業選定部124は、ステップS237にて最新の第1経営情報143Aの第1特定キーワード出現回数が直前の第1経営情報の第1特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがあると判断した場合は、ステップS238にてその企業を第1経営先企業として選定する。
企業選定部124は、最新の第1経営情報143Aの第1スコアが所定の閾値以上でないと判断した場合(ステップS235のNO)、最新の第1経営情報の第1特定キーワード出現回数が直前の第1経営情報の第1特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがないと判断した場合(ステップS237のNO)は、その企業を第1経営先企業として選定しない。
第2変形例の図14のステップS230(図36のステップS235〜ステップS238)の処理は、スコアデータベース145に記憶されたすべての企業について行われる。すべての企業について選定処理が終了すると、図14のステップS240にて制御部12は、ステップS230で選定された企業を第1営業先候企業補選定として端末装置20に表示させる。具体的には出力部126が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、企業選定部124で選定された企業リストを端末装置20に第1アプローチ情報として表示させる。
例えば出力部126は、選定された企業が第1スコアの高い順に上位に表示されるように表示データを生成する。これにより、営業支援装置10で選定された第1営業先企業候補は、例えば図18の表示画面SC1の第1アプローチ情報としてリスト表示される。表示画面SC1には、直前の第1特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループを表示するようにしてもよい。例えば図35の場合は、直前の第1特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループとして「効率化系キーワード」の文字を表示してもよい。
なお、例えば図18の表示画面SC1で第1アプローチ情報の企業Aをクリックすると、図37の表示画面SC12に示すように過去から最新の第1特定キーワード出現回数の推移を表示できるようにしてもよい。このように第1特定キーワード出現回数の推移を表示することで、直前の第1経営情報143Aからの第1特定キーワード出現回数の変化を一目で確認することができる。さらに過去の第1特定キーワード出現回数を複数表示することで、どのように第1特定キーワード出現回数の過去の推移まで確認でき、その企業の経営方針の変化を見える化できる。
このように第5実施形態の第2変形例によれば、最新の第1特定キーワード出現回数からだけでは分からない直前の第1特定キーワード出現回数からの変化が分かるので、第1特定キーワード出現回数が大きくなる方向に経営方針が変化した企業を優先的に抽出して表示させることができる。さらに不動産取引に関連する企業経営上の特徴毎に第1特定キーワードをキーワードグループに分けることで、そのキーワードグループ毎の第1特定キーワード出現回数の推移が分かる。これによれば、営業を掛けるタイミングの最適な企業を予測でき、そのような企業のリストを表示できる。
これにより、営業先企業候補の選定にかかる時間と手間を大幅に省くことができ、最新の第1経営情報143Aの第1特定キーワード出現回数から企業を選定する場合よりもさらに営業活動を効率化できる。また、第1特定キーワード出現回数の推移を表示することで、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても有力な営業先企業候補が分かるだけでなく、その企業に営業を掛ける最適なタイミングまで一目で分かる。
(第5実施形態の第3変形例)
次に、第5実施形態の第3変形例として、第2実施形態による第2経営情報143B(有価証券報告書など)の第2特定キーワード出現回数から企業を抽出する場合を例示する。第3変形例では、役員情報や設備情報を含む第2経営情報143Bの最新の第2特定キーワード出現回数を直前の第2特定キーワード出現回数と比較することで、役員情報や設備情報に変化があったかどうかを推測できる。
図38は、第2経営情報143Bにおける第2特定キーワード出現回数の推移の比較例を示す図であり、図39は、第2経営情報における第2特定キーワード出現回数の推移の具体例を示す図である。図38と図39は第1期から第3期の第2経営情報143Bにおけるキーワードグループごとの第2特定キーワード出現回数の推移を表すグラフである。第3期が最新の第2経営情報143Bの第2特定キーワード出現回数であり、第2期が直前の第2経営情報の第2特定キーワード出現回数である。
図38と図39では、キーマンキーワード144Bと設備状況キーワード144Cとの2つのキーワードグループを上下に別々に表示したものである。横軸は時期であり、縦軸は第2特定キーワード出現回数である。ここでの第2特定キーワード出現回数は、例えばキーマンキーワード144Bにおけるキーワードグループと設備状況キーワード144Cにおけるキーワードグループのそれぞれに関連づけられた各第2特定キーワードの出現回数である。
具体的には第2特定キーワードの出現回数は、図13に示すキーマンキーワード144Bにおけるワードヒット情報HGB1〜HGBnのうちの1つのワードヒット情報と、設備状況キーワード144Cにおける各キーワードグループのワードヒット情報HGC1〜HGCnのうちの1つのワードヒット情報である。
ここでのワードヒット情報HGB1〜HGBn、HGC1〜HGCnはそれぞれ、各キーワードグループに含まれる複数の第2特定キーワードが第2経営情報143Bに1つも出現しなければ「0」であり、キーワードグループに含まれる複数の第2特定キーワードが第2経営情報に1つでも出現すれば「1」である。なお、ワードヒット情報HGB1〜HGBn、HGC1〜HGCnはこれに限られず、例えばキーワードグループに含まれる複数の第2特定キーワードが第2経営情報143Bに出現した回数の合計値としてもよい。
図38は第1期から第3期までの第2経営情報143Bに「キーマンキーワード」と「設備状況キーワード」の出現回数に変化がない。したがって、図34の企業は、最新の第2経営情報143Bにおいて少なくとも「キーマン」と「設備状況」については経営方針の変化はないと推測できる。
他方、図39は直前の第2経営情報143B(第2期)までは出現しなかった「キーマンキーワード」が最新の第2経営情報143B(第3期)で出現している。したがって、図39の企業は、最新の第2経営情報143Bにおいて「キーマン」に変化があったと推測できる。例えば経営方針の変化で今までいなかった銀行出身者が役員になった場合が考えられる。銀行出身者は、不動産融資や不動産担保など不動産取引の経験や知見があるので、他の役員よりも不動産取引に応じてもらいやすいキーマンとなる可能性が高い。したがって、銀行出身者が役員になったタイミングは不動産取引の営業を掛けるのに最適なタイミングである。
また図39は直前の第2経営情報143B(第2期)までは出現しなかった「設備状況キーワード」が最新の第2経営情報143B(第3期)で出現している。したがって、図39の企業は、最新の第2経営情報143Bにおいて「設備状況」に変化があったと推測できる。例えば経営方針の変化で不動産などの設備を取得した場合が考えられる。
そうすると、このタイミングで営業を掛ければ不動産取引が成功する可能性が高いと考えられる。例えばキーマンとして銀行出身者が役員になったタイミングでアプローチをかければ不動産取引が成功する可能性が高まり、設備状況として新たに不動産を取得したタイミングでアプローチをかければその不動産を利用する提案を含む取引などが成功する可能性が高まると考えられる。このように、第3変形例ではキーマンや設備状況の変化を第2経営情報143Bから推測できるので、そのような経営方針の方向性に合わせた適切な営業戦略も立てやすくなる。このように、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても、その企業ごとに最適なアプローチで営業できるようになる。
第5実施形態の第3変形例では、図8のスコアデータベース145(スコアDB)に、企業毎に各期の第2営情報143Bの第2スコアが蓄積されると共に、各期の第2経営情報143Bの第2特定キーワード出現回数がキーワードグループ毎に蓄積される。図8の企業選定部124が行う第3変形例の営業先企業候補の選定処理では、図8のスコア取得部123で取得した最新の第2経営情報143Bの第2スコアが所定の閾値(第2閾値)以上であって、スコア取得部123で取得した第2経営情報143Bの第2特定キーワードの出現回数がスコアデータベース145から取得した第2経営情報143Bの第2特定キーワードの出現回数よりも大きいキーワードグループがある企業を第2営業先企業候補として選定する。
第5実施形態の第3変形例による第2営業先企業の選定処理は、例えば図40に示す手順で実行される。図40は、第5実施形態の第3変形例に係る第2営業先企業候補選定処理の具体例を示すフローチャートであり、図16のステップS330の変形例に相当する。
第5実施形態では図16のステップS330にて制御部12は、最新の第2経営情報143Bの第2スコアが所定の閾値以上の企業のうち、最新の第2経営情報の第2特定キーワード出現回数が直前の第2経営情報の第2特定キーワード出現回数よりも大きい企業を第2営業先企業候補として選定する。具体的には、図40のステップS335にて企業選定部124は先ず、スコアデータベース145に記憶された最新の第2経営情報143Bの第2スコア(最新の第2スコア)が所定の閾値以上か否かを判断する。
企業選定部124は、ステップS335にて最新の第2経営情報143Bの第2スコアが所定の閾値以上であると判断した場合は、ステップS336にてスコアデータベース145からその企業の最新の第2経営情報143Bの各ワードグループのワードヒット情報を第2特定キーワード出現回数(最新のKW出現回数)として取得する。また企業選定部124は、ステップS336にてスコアデータベース145からその企業の直前の第2経営情報143Bの各ワードグループのワードヒット情報を第2特定キーワード出現回数(直前のKW出現回数)として取得する。
次いでステップS337にて企業選定部124は、最新の第2経営情報143Bの第2特定キーワード出現回数が直前の第2経営情報の第2特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがあるか否かを判断する。具体的には、ワードグループ毎に最新の第2経営情報143Bのワードヒット情報と直前の第2経営情報のワードヒット情報とを比較して、最新の第2経営情報のワードヒット情報が直前の第2経営情報のワードヒット情報よりも大きいキーワードグループがあるか否かを判断する。
例えば図39では「キーマンキーワード」と「設備状況キーワード」はいずれも最新の第2特定キーワード出現回数(第3期)が「0」で直前の第2特定キーワード出現回数(第2期)も「0」である。この場合、第2スコアは「0」となるので、ステップS335の所定の閾値が1以上であれば、最新の第2経営情報143Bの第2スコアが所定の閾値以上でないとされる。仮にステップS335で第2スコアが所定の閾値以上であると判断された場合でも、ステップS337において最新の第2特定キーワード出現回数が直前の第2特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがないと判断される。
他方、図40では「キーマンキーワード」と「設備状況キーワード」は最新の第2特定キーワード出現回数(第3期)が「1」で直前の第2特定キーワード出現回数(第2期)が「0」である。したがって、図39の場合はステップS337において最新の第2特定キーワード出現回数が直前の第2特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがあると判断される。
企業選定部124は、ステップS337にて最新の第2経営情報143Bの第2特定キーワード出現回数が直前の第2経営情報の第2特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがあると判断した場合は、ステップS338にてその企業を第2経営先企業として選定する。
企業選定部124は、最新の第2経営情報143Bの第2スコアが所定の閾値以上でないと判断した場合(ステップS335のNO)、最新の第2経営情報の第2特定キーワード出現回数が直前の第2経営情報の第2特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループがないと判断した場合(ステップS337のNO)は、その企業を第2経営先企業として選定しない。
第3変形例の図16のステップS330(図40のステップS335〜ステップS338)の処理は、スコアデータベース145に記憶されたすべての企業について行われる。すべての企業について選定処理が終了すると、図16のステップS340にて制御部12は、ステップS330で選定された企業を第2営業先候企業補選定として端末装置20に表示させる。具体的には出力部126が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、企業選定部124で選定された企業リストを端末装置20に第2アプローチ情報として表示させる。
例えば出力部126は、選定された企業が第2スコアの高い順に上位に表示されるように表示データを生成する。これにより、営業支援装置10で選定された第2営業先企業候補は、例えば図18の表示画面SC1の第2アプローチ情報としてリスト表示される。表示画面SC1には、直前の第2特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループを表示するようにしてもよい。例えば図35の場合は、直前の第2特定キーワード出現回数より大きいキーワードグループとして「キーマンキーワード」「設備状況キーワード」の文字を表示してもよい。
なお、例えば図18の表示画面SC1で第1アプローチ情報の企業Aをクリックすると、図41の表示画面SC13に示すように過去から最新の第2特定キーワード出現回数の推移を表示できるようにしてもよい。このように第2特定キーワード出現回数の推移を表示することで、直前の第2経営情報143Bからの第2特定キーワード出現回数の変化を一目で確認することができる。さらに過去の第2特定キーワード出現回数を複数表示することで、どのように第2特定キーワード出現回数の過去の推移まで確認でき、その企業の経営方針の変化を見える化できる。
このように第5実施形態の第3変形例によれば、最新の第2特定キーワード出現回数からだけでは分からない直前の第2特定キーワード出現回数からの変化が分かるので、第2特定キーワード出現回数が大きくなる方向に経営方針が変化した企業を優先的に抽出して表示させることができる。さらに不動産取引に関連する第2特定キーワードをキーマンと設備状況のキーワードグループに分けることで、そのキーワードグループ毎の第2特定キーワード出現回数の推移が分かる。これによれば、第1アプローチとは異なる第2アプローチで営業を掛けるタイミングの最適な企業を予測でき、そのような企業のリストを表示できる。
これにより、営業先企業候補の選定にかかる時間と手間を大幅に省くことができ、最新の第2経営情報143Bの第2特定キーワード出現回数から企業を選定する場合よりもさらに営業活動を効率化できる。また、第2特定キーワード出現回数の推移を表示することで、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても有力な営業先企業候補が分かるだけでなく、その企業に営業を掛ける最適なタイミングまで一目で分かる。
<変形例>
本発明は、上述した各実施形態に限定されず、例えば以降に説明する各種の応用・変形が可能である。また、これらの変形の態様および上述した各実施形態は、任意に選択された一または複数を適宜組み合わせることも可能である。また当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
(1)上記第1実施形態乃至第4実施形態における記憶部24には、例えば図5や図19に表示される営業先企業候補のリストが役立ったかどうかなどがリスト毎に評価された評価情報を記憶してもよい。例えば図5や図19の表示項目に「評価」の項目を追加し、各リストの「評価」の項目に入力された評価値を評価情報としてもよい。評価情報は評価されたリストの経営情報に関連づけられ、例えばスコアデータベース145に記憶される。
「評価」の項目には、上述したように例えば営業に役に立ったかどうかなどを3段階や5段階のように複数段階の評価をリスト毎に入力可能である。3段階で評価する場合には例えば、役に立たなかった場合は1、役に立った場合は3、どちらとも言えない場合は2を「評価」の項目に評価値として入力する。また5段階で評価する場合には例えば、役に立たなかった場合は1、アポ取りできた場合は2、営業ができた場合は3、興味を持ってもらった場合は4、契約まで至った場合は5を「評価」の項目に評価値として入力する。なお、評価値はこれらに限られない。
また、上記第1実施形態乃至第4実施形態における記憶部24には、例えば図5や図19に表示される営業先企業候補の所有する不動産が売却されたか否かが分かる売却情報を評価情報として記憶してもよい。既に不動産が売却されたことは高い評価に繋がるだけでなく、そのような企業を営業先から外すことができれば営業効率を高めることができる。例えば図5や図19の表示項目に「売買」の項目を追加し、各リストの「売買」の項目にオンオフできる売却ボタンを設けるようにしてもよい。売却ボタンは、例えばスライダーボタン、ラジオボタンなどどのような構成であってもよい。デフォルトでは売却ボタンをオフにしておき、不動産が売却された場合には売却ボタンをオンにすることができるようにする。これによれば、営業先企業候補として表示された企業の所有する不動産が売却されたか否かが一目で分かるから、未だ不動産が売却されていない企業に営業を掛けることで営業効率を高めることができる。
(2)上記第1実施形態乃至第2実施形態における特定キーワードは、追加や削除が可能である。例えば経営情報の機械学習により抽出されるキーワードをキーワードデータベース144へ追加してもよい。具体的には機械学習により上記実施形態における特定キーワードに共起するキーワード(共起語)を抽出し、それを特定キーワードとしてキーワードデータベース144へ追加してもよい。
また特定キーワードは、上述した評価情報との関連性に応じて追加又は削除するようにしてもよい。例えば上記評価情報に対する特定キーワードの相関を求め、相関が所定値以下の特定キーワードを削除してもよい。また上記評価情報を目的変数、各特定キーワードの出現回数を説明変数として重回帰分析などによって回帰式を求め、各説明変数の係数が所定値以下の特定キーワードを削除してもよい。これにより、評価情報との相関が高い特定キーワードで特定キーワード判定できるので、評価の高い営業先企業候補の選定精度を高めることができる。
(3)上記第3実施形態又は第4実施形態において、図21、図22、図24乃至図27の各学習済みモデルは、機械学習によって学習されたニューラルネットワークで構成される場合を例示したが、ニューラルネットワークに限られず、例えばSVM(Support Vector Machine)など任意の種類のもので構成してもよい。上述した各学習済みモデルは、教師あり学習で学習させた場合を例示したが、半教師あり学習、教師なし学習などどのような機械学習を用いてもよい。
(4)上記第3実施形態又は第4実施形態における各学習済みモデルの入力は、さらに「年度」や「期」の異なる経営情報毎に特定キーワードの出現回数を入力するようにしてもよい。例えば図21の学習済みモデル146には、今年度や今期など現在の経営情報の特定キーワードの出現回数と、前年度や前期など過去の経営情報の特定キーワードの出現回数とを入力できる。これにより、経営情報に含まれる特定キーワードの出現回数の経時的な変化を出力に反映させることができるので、経時的変化によるノイズ要因を排除できる。しかも過去に比べて現在の経営情報の内容が変わることによる不動産取引の動向の変化を出力に反映させることができるので、その出力されたスコアから有力な営業先企業候補の選定精度を高めることができる。