JP6908239B2 - 接合部の補強治具 - Google Patents

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Description

本発明は、両筒状部材の端部から径外方向に突出したフランジ部どうしの接合部を補強する補強治具に関する。
上記補強治具として、例えば特許文献1には、一対の配管(筒状部材)のフランジ接合部に各別に当接する押圧部を備えた一対の挟持部材と、両挟持部材を接合部の接合方向に引き寄せて固定する締結機構とを備えた構成が開示されている。
また、一方の挟持部材には、両フランジ部を連結する連結ボルトの頭部又はナットに対して、内側から径外方向に向かって当接するC字状の脱落防止腕が形成されている。この脱落防止腕によって、補強治具が両フランジ部から脱落するのが防止される。
特開2014−141995号公報
ところで、フランジ部どうしの接合部を補強する際、耐震継手基準として規定された3DkN(Dは呼び径(配管の外径寸法))の離脱阻止力を満足させる必要がある。この離脱阻止力は、例えば呼び径500mmの配管の場合は、1500kNといった大きな離脱阻止力が要求される。
一方、両フランジ部を連結する連結ボルトの頭部又はナットの本数は、フランジ部のサイズ毎に決まっており、連結ボルトの頭部又はナットに接続する補強治具の設置個数は制限される。このため、補強治具を最大限設置したとしても、大径の配管継ぎ手に対して所望の離脱阻止力を満足させることができないおそれがある。また、夫々の連結ボルトの間に補強治具をさらに設置しようとしても、夫々の連結ボルトの間隔が狭く、補強治具を設置できない。
そこで、大径のフランジ接合部に対しても所望の離脱防止力を満足させることが可能な接合部の補強治具が望まれている。
接合部の補強治具の特徴構成は、第一筒状部材の端部から径外方向に突出した第一フランジ部と第二筒状部材の端部から径外方向に突出した第二フランジ部とを連結ボルトで接合した接合部に装着され、前記連結ボルトの頭部又はナットが配置される前記第一フランジ部の接合方向における外側面を押圧する第一押圧部と、前記第二フランジ部の外側面を押圧する第二押圧部と、前記第一押圧部と前記第二押圧部とを、前記接合方向に近接させて固定する締結機構と、を備え、前記締結機構は、第一締結機構と当該第一締結機構に隣り合って設けられた第二締結機構とを有している点にある。
本構成では、補強治具をフランジ接合部に固定する際、締結機構を締付けると、第一フランジ部と第二フランジ部とが締結機構の締付力によって互いに近接方向に移動する。その結果、連結ボルトをさらに締付けることが可能となり、フランジ接合部に対する締付トルクを増加させることができる。これら締結機構と連結ボルトとの締付けを交互に行うことで、フランジ接合部に対して離脱阻止力を得るものである。
さらに、本構成における締結機構は、第一締結機構と第一締結機構に隣り合って設けられた第二締結機構とを有している。このため、締結機構のフランジ接合部に対する締付トルクをさらに増加させることができる。その結果、大径のフランジ接合部であっても、離脱阻止力を高めることができる。このように、大径のフランジ接合部に対しても所望の離脱防止力を満足させることが可能な接合部の補強治具を提供できた。
他の特徴構成は、前記第一締結機構は、第一ボルトを有しており、前記第二締結機構は、第二ボルトを有しており、前記頭部又はナット、前記第一ボルトおよび前記第二ボルトの頭部の外径寸法および外径形状が同一である点にある。
本構成のように連結ボルトの頭部又はナット、前記第一ボルトおよび前記第二ボルトの頭部の外径寸法および外径形状を同一にすれば、締付トルクを増大させるためのラチェットレンチ等の締付工具を兼用することができる。
他の特徴構成は、前記第一押圧部と前記第二押圧部とを各別に有する一対の挟持部材を備え、一方の前記挟持部材には、前記第一フランジ部の外周面よりも径方向外側の位置で前記接合方向から挿入される有底筒状の挿入部が形成されており、他方の前記挟持部材には、前記挿入部を内部に受け入れる有底筒状の被挿入部が形成されており、前記第一締結機構は、前記被挿入部の底部の外側に位置する第一頭部を含む第一ボルトと、前記挿入部における前記被挿入部側の端部に形成され、前記第一ボルトが螺合する第一雌ねじ部と、を有しており、前記第二締結機構は、前記被挿入部の前記底部の外側に位置する第二頭部を含む第二ボルトと、前記挿入部における前記被挿入部側の前記端部に形成され、前記第二ボルトが螺合する第二雌ねじ部と、を有しており、前記被挿入部の前記底部には、前記第二頭部の高さが前記第一頭部の高さよりも低くなるように段差部が形成されている点にある。
本構成のような挿入部と被挿入部とを設けることで、両フランジ部を径方向に位置ずれさせる剪断力が作用した場合や、両フランジ部を軸方向に引き離す引張力が作用して両挟持部材の押圧部が開き方向の力を受けた場合でも、挿入部と被挿入部との重なり部位でこれらの力を受け止めるので、締結機構の締結部位に掛かる応力が分散される。その結果、補強治具の耐久性を高めることができる。
さらに、本構成では、第二ボルトの第二頭部が第一ボルトの第一頭部よりも低くなるように被挿入部の底部に段差部を設けているので、フランジ接合部に設置される複数の補強治具のうち、1つの補強治具の第一ボルトと、1つの補強治具に隣り合う他の補強治具の第一ボルトとの間に、第一ボルトの第一頭部よりも低い第二頭部を有する第二ボルトが位置することとなる。このため、両フランジ部の連結ボルトを締付工具で締め付ける際に、締付工具が第二頭部に引っ掛かることなく、締付工具の回動範囲を大きくすることができる。よって、所望の締付トルクを得るための連結ボルトの締付作業が容易である。
他の特徴構成は、前記第一頭部と前記第二頭部とは、前記第一フランジ部の前記外周面からの距離が等しく設定されている点にある。
本構成では、第一ボルトの第一頭部と第二ボルトの第二頭部とは、第一フランジ部の外周面からの距離が等しく設定されているので、両ボルトの締付トルクが両フランジ部の外側面を押圧する両押圧部に均等に作用することとなる。その結果、フランジ接合部に対する離脱阻止力を確実に高めることができる。
他の特徴構成は、一対の前記挟持部材は、金属材料で構成されており、
前記挿入部における前記被挿入部側の前記端部は、前記第一雌ねじ部と前記第二雌ねじ部との間が前記金属材料で満たされている点にある。
本構成では、第一雌ねじ部と第二雌ねじ部との間を金属材料で満たしているため、両ボルトの大きな締付トルクが両雌ねじ部に作用した場合でも、挿入部の破損を防止することができる。
他の特徴構成は、前記第一押圧部の基部から延出し、前記頭部又はナットに対して内側から前記径外方向に向かって当接する脱落防止腕をさらに備え、前記脱落防止腕は、前記頭部又はナットに対して前記接合方向に引退するよう、少なくとも前記頭部又はナットに当接する縁部の厚みが他の部位よりも小さく設定されている点にある。
本構成では、脱落防止腕がナット等に対してフランジ接合方向に引退するよう、脱落防止腕における少なくともナット等に当接する縁部の厚みを小さく設定している。つまり、ナット等の周りは、脱落防止腕の高さがナット等の高さより小さく設定されている。このため、ナット等の締付けを行う際、ナット等の周囲に締付工具を確実に挿入することができる。
両筒状部材の分解斜視図である。 両筒状部材の平面図である。 両筒状部材の縦断面図である。 第一実施形態に係る第一挟持部材の概略構成を示す図である。 第一実施形態に係る第二挟持部材の概略構成を示す図である。 補強治具の図4のIV−IV線および図5のV−V線における断面図である。 第一実施形態に係る補強治具の装着状態を示す斜視図である。 第一実施形態に係る補強治具の装着状態を示す拡大平面図である。 第一実施形態に係る連結ボルトを締結する状態を示す拡大平面図である。 第一実施形態に係る補強治具の装着変形例を示す概略図である。 第一実施形態に係る補強治具の第一変形例を示す拡大斜視図である。 第一実施形態に係る補強治具の第二変形例を示す拡大斜視図である。 第二実施形態に係る補強治具の装着状態を示す拡大平面図である。 第三実施形態に係る補強治具の装着状態を示す拡大平面図である。 第三実施形態に係る補強治具の背面図である。 別実施形態1に係る補強治具の装着状態を示す拡大斜視図である。 別実施形態1に係る補強治具の装着状態を示す縦断面図である。 別実施形態2に係る補強治具の装着状態を示す縦断面図である。
以下に、本発明に係る接合部の補強治具の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、補強治具Pの一例として、水道管1,1(第一筒状部材,第二筒状部材の一例)の端部から径外方向に突出した両フランジ部1A,1B(第一フランジ部,第二フランジ部の一例)の接合部を補強する場合について説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
図1〜図3は流体配管系(管路)の途中のフランジ接合部が示される。流体管の一例である鋳鉄製の両水道管1,1の端部から、夫々径外方向に円板状に突出形成された大径の両フランジ部1A,1Bが、複数の連結ボルト4A及びナット4B(本実施形態では、14箇所ずつ)により連結されている。本実施形態では、ナット4Bが位置する側を第一フランジ部1A、連結ボルト4Aの頭部4aが位置する側を第二フランジ部1Bとしている。このナット4Bと第一フランジ部1Aとの間および連結ボルト4Aの頭部4aと第二フランジ部1Bとの間には、夫々ワッシャ4C,4Cが介在している。このように、連結ボルト4Aとナット4Bとワッシャ4C,4Cとで、両フランジ部1A,1Bを連結する連結機構を構成している。なお、ワッシャ4C,4Cを省略しても良い。
この両フランジ部1A,1Bの間には、リング状でシート状のガスケット2が介装されている。両フランジ部1A,1Bには、フランジ接合方向(軸方向、以下「接合方向」と言う。)に貫通する複数の貫通孔3(本実施形態では、14箇所ずつ)が周方向で等間隔に形成され、これら貫通孔3に連結ボルト4Aが挿通されて、当該連結ボルト4Aの雄ねじ部4bの先端側にナット4Bが螺合固定される。なお、本実施形態の両フランジ部1A,1Bは、貫通孔3の内側に平らな座面を設けた所謂RF形フランジである。
以下では、両フランジ部1A,1Bにおいて、夫々水道管1が突出する側の面を接合方向における外側面1a,1aとする。また、両フランジ部の1A,1Bの径方向外方側の面を外周面1c,1cとして説明する。
図4〜図8に示すように、補強治具Pは、第一フランジ部1Aの外側面1aを押圧する第一押圧部6eを有する第一挟持部材6と、第二フランジ部1Bの外側面1aを押圧する第二押圧部5eを有する第二挟持部材5と、を備えている。これら両押圧部6e,5eには、例えば、細かな凹凸を形成したり、ゴム部材を両押圧部6e,5eの表面に張り付けたりして、両フランジ部1A,1Bの外側面1a,1aに対して摩擦抵抗が生じるように摩擦加工が施されている。なお、両押圧部6e,5eに摩擦加工を施さなくても良いし、摩擦加工の態様も特に限定されない。
また、両押圧部6e,5eを両フランジ部1A,1Bの外側面1a,1aに夫々当て付けた状態で、両挟持部材6,5(両押圧部6e,5e)を接合方向に引き寄せて(近接させて)固定する締結機構7を備えている(図6〜図7参照)。
図4に示すように、第一挟持部材6は、金属材料により構成され、横断面視で外面6a及び内面6bが楕円状の有底円筒状に形成された被挿入部6Aと、被挿入部6Aの一端部において被挿入部6Aの外面6aの一側辺から外方側に延出し、第一押圧部6eを有する第一基部6B(基部の一例)と、第一基部6Bの側面から延出形成される脱落防止腕6Cと、を一体的に備えて構成されている。なお、脱落防止腕6Cを第一基部6Bの先端面から延出形成しても良いし、脱落防止腕6Cを別途製作して第一基部6Bに接合しても良く、特に限定されない。
被挿入部6Aの内部には、接合方向に沿って後述する第二挟持部材5の挿入部5Aを受け入れる筒状内部空間6cが形成されている。つまり、補強治具Pが両フランジ部1A,1Bに装着されるとき、第一フランジ部1Aの外周面1cよりも径方向外側の位置において、第二挟持部材5には挿入部5Aが形成され、第一挟持部材6には接合方向に沿って挿入部5Aを内部に受け入れる被挿入部6Aが形成されている(図6〜図7参照)。
筒状内部空間6cは横断面視で楕円状に形成され、横断面視で楕円状の挿入部5Aよりも若干大きく形成されている。このため、挿入部5Aの外面5aと被挿入部6Aの内面6bとの接合方向に垂直な形状は、挿入部5Aを被挿入部6Aの筒状内部空間6cに挿入すると、挿入方向(筒状内部空間6cの長手方向)には摺動可能であるが、挿入方向周り(筒状内部空間6cの長手方向に沿った軸周り)での相対回転が不能となるように形成されている。
また、筒状内部空間6cにおいて、第一基部6Bが形成された側とは反対側は開口形成され、第一基部6Bが形成された側には、被挿入部6Aの底部6Aaが形成されている。被挿入部6Aの底部6Aaは、隣り合う2つの締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1を挿入可能で且つ頭部7a2,7b2を挿通不能な2つの挿通孔6d1,6d2が貫通して形成されている(図4断面図,図6参照)。この被挿入部6Aの底部6Aaには、第二締結ボルト70B(第二ボルト)の第二頭部7b2の高さが、第一締結ボルト70A(第一ボルト)の第一頭部7a2の高さよりも低くなるように、テーパ形状の段差部6Abが形成されている(図4断面図参照)。なお、締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1が挿通孔6d1,6d2に挿通された状態では、雄ねじ部7a1,7b1の外周面と挿通孔6d1,6d2の内周面との間には、所定の隙間が形成されている(図6参照)。
第一基部6Bは、平面視で若干先窄み形状に形成され(図4平面図参照)、縦断面視で先端側に行くにつれて第一押圧部6eが形成された側とは反対側が傾斜するテーパ形状に形成されている(図4断面図参照)。また、第一基部6Bのうち挿通孔6dとは反対側の面の先端部位が、被挿入部6Aの外面6aと垂直な第一押圧部6eとして形成されている(図4断面図参照)。つまり、第一基部6Bは、第一押圧部6eを支持する機能を有している。
脱落防止腕6Cは、第一基部6Bの側面から延出形成されるL字状又はC字状部材であり(図4平面図、図4斜視図参照)、連結ボルト4Aに螺合されたナット4Bの少なくとも一部を囲うことができるように、ナット4Bの外周よりも大径に形成されている(図8参照)。この脱落防止腕6Cは、補強治具Pを両フランジ部1A,1Bに装着した際、ナット4Bに対して内側から径外方向に向かって当接する。また、縦断面視で、脱落防止腕6Cを構成する面のうち、筒状内部空間6cの長手方向における挿通孔6d1,6d2とは反対側の面は、装着時に第一フランジ部1Aに対して隙間を有するように、第一押圧部6eよりも挿通孔6d側に引退形成されている(図4断面図参照)。なお、第一挟持部材6と第二挟持部材5とを反対に装着して、連結ボルト4Aの頭部4aに脱落防止腕6Cを当接させても良く、特に限定されない。
図7〜図8に示すように、脱落防止腕6Cは、ナット4Bに対して接合方向に(第一フランジ部1Aに向かって)引退するよう、少なくともナット4Bに当接する縁部6Caの厚みが他の部位よりも小さく設定されている。特に、本実施形態における脱落防止腕6Cの縁部6Caは、第一フランジ部1Aに向かって段落ちした段部6Ccが、第一基部6Bと脱落防止腕6Cとの接続部から先端部6Cbに亘って形成されている。つまり、脱落防止腕6Cの天面6Cdよりも第一フランジ部1Aに向かって引退するように、縁部6Caには径方向内側に向かって断面L字状の切欠きが形成されている。縁部6Caの切欠きは、ナット4Bを締付けるラチェットレンチなどの締付工具Rを挿入できる大きさに設定されている(図9参照)。このような段部6Cc(切欠き)を形成すれば、ナット4Bの側面と段部6Ccの側壁との間に凹状の隙間が形成されるので、締付工具Rが挿入し易く、締付工具Rの先端部をナット4Bに引っ掛け易い。
また、縁部6Caは、円弧状に形成され、六角形のナット4Bの頂点に点接触している。なお、縁部6Caをワッシャ4Cに面接触させても良いし、ナット4Bを円弧状に形成して縁部6Caを面接触させても良く、特に限定されない。また、ナット4Bを六角形以外の多角形状に構成しても良いし、縁部6Caをナット4Bの外形に沿った形状に構成しても良い。
これによって、自重或いは地震等により、両フランジ部1A,1Bに歪みや変形或いは相対的なずれ等が生じた場合でも、脱落防止腕6Cがナット4Bに確実に当接するので、補強治具Pが両フランジ部1A,1Bから脱落することをより確実に防止することができる。
図5に示すように、第二挟持部材5は、金属材料により構成され、横断面視で外面5aが楕円状で、且つ2つの内周面5b1,5b2が円形状の有底角筒状に形成された挿入部5Aと、挿入部5Aの一端部において挿入部5Aの外面5aから全周に亘って外方側に延出する鍔状部5Bと、鍔状部5Bの一側辺からさらに外方側に延出する第二基部5Cとを一体的に備えて構成されている。
挿入部5Aの内部には、2つの締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1を挿通可能な円筒状の2つの筒状内部空間5c1,5c2が形成されている(図6参照)。筒状内部空間5c1,5c2の内径は、締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1の外径よりも若干大径に形成されている。
鍔状部5Bは、平面視で楕円状に形成され、中央部に2つの筒状内部空間5c1,5c2が貫通形成されている(図5平面図、図5断面図参照)。
筒状内部空間5c1,5c2において、鍔状部5B及び第二基部5Cが形成された側は開口形成され、鍔状部5B及び第二基部5Cが形成された側とは反対側は、締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1が螺合可能な2つの雌ねじ部5d1,5d2が、挿入部5Aの底部を貫通する状態で開口形成されている。すなわち、雌ねじ部5d1,5d2は、挿入部5Aにおける筒状内部空間5c1,5c2の内周面5b1,5b2において、被挿入部6A側の端部に形成されている(図6参照)。これら2つの雌ねじ部5d1,5d2の間は、金属材料で満たされている。このため、締結ボルト70A,70Bの大きな締付トルクが雌ねじ部5d1,5d2に作用した場合でも、挿入部5Aの破損を防止することができる。
第二基部5Cは、平面視で若干先窄み形状に形成され(図5平面図参照)、縦断面視で先端側に行くにつれて雌ねじ部5d1,5d2の側に傾斜するテーパ形状に形成されている(図5断面図参照)。また、第二基部5Cのうち雌ねじ部5d1,5d2の側の面の先端部位が、挿入部5Aの外面5aと垂直な第二押圧部5eとして形成されている。
図6〜図7に示すように、締結機構7は、第一締結機構7Aと第一締結機構7Aに隣り合って設けられた第二締結機構7Bとを有している。第一締結機構7Aは、被挿入部6Aの外側から挿通孔6d1を介して挿入部5Aの筒状内部空間5c1内に挿入される第一締結ボルト70Aと、挿入部5Aの内周面5b1に形成された第一雌ねじ部5d1と、第一締結ボルト70Aと鍔状部5Bとの間に介在する第一ワッシャ8Aとから構成されている。同様に、第二締結機構7Bは、被挿入部6Aの外側から挿通孔6d2を介して挿入部5Aの筒状内部空間5c2内に挿入される第二締結ボルト70Bと、挿入部5Aの内周面5b2に形成された第二雌ねじ部5d2と、第二締結ボルト70Bと鍔状部5Bとの間に介在する第二ワッシャ8Bとから構成されている。なお、第一ワッシャ8Aや第二ワッシャ8Bを省略しても良い。
第一締結ボルト70Aは、被挿入部6Aの底部6Aaの外側に位置する第一頭部7a2と、挿入部5Aの第一雌ねじ部5d1に螺合される第一雄ねじ部7a1とを有している。同様に、第二締結ボルト70Bは、被挿入部6Aの底部6Aaの外側に位置する第二頭部7b2と、挿入部5Aの第二雌ねじ部5d2に螺合される第二雄ねじ部7b1とを有している。
本実施形態では、ナット4Bと第一締結ボルト70Aの第一頭部7a2と第二締結ボルト70Bの第二頭部7b2との外径寸法および外径形状が同一に構成されている。これによって、締付トルクを増大させるためのラチェットレンチの締付工具Rを兼用することができる(図9参照)。また、第一締結ボルト70Aの第一頭部7a2の中心と第二締結ボルト70Bの第二頭部7b2の中心とは、第一フランジ部1Aの外周面1c(第二フランジ部1Bの外周面1c)からの距離が異なって設定されている。換言すると、第一締結ボルト70Aの第一頭部7a2の中心と第二締結ボルト70Bの第二頭部7b2の中心とは、被挿入部6Aと第一基部6Bとの境界線からの距離が異なって設定されている。これによって、両フランジ部1A,1Bに凹凸がある場合でも、該凹凸を回避しつつ補強治具Pを装着することができる。
次に、複数の連結ボルト4A及びナット4Bにより連結された両フランジ部1A,1Bに、補強治具Pを装着する作業工程について説明する。
まず、図1〜図3に示すように、両フランジ部1A,1Bの既設ボルト,ナット(不図示)を1本取り外し、連結ボルト4A及びナット4Bに付け替える。順次、この付け替えを全ての既設ボルト,ナットに対して行う。
次いで、図7に示すように、両フランジ部1A,1Bの外周面1c,1cよりも径方向外方側の位置で、第二挟持部材5の挿入部5Aを、第一挟持部材6の被挿入部6Aの筒状内部空間6cに接合方向から挿入する。その際、挿入部5Aの外面5aと被挿入部6Aの内面6bとが横断面視で相対回転不能な楕円状に形成されているので、第一挟持部材6の第一押圧部6eと第二挟持部材5の第二押圧部5eとを同方向に延出させた所期の相対位置関係に位置決めした状態で、容易に挿入させることができる。
次いで、2つの締結ボルト70A,70Bを、接合方向における被挿入部6Aの外側から挿通孔6d1,6d2を介して筒状内部空間6cの内部に挿入し、仮固定する。これら挿入部5Aと被挿入部6Aとの係合および締結ボルト70A,70Bの仮固定は、一旦、接合方向において、第一挟持部材6の第一押圧部6eと第二挟持部材5の第二押圧部5eとの間隔が、第一フランジ部1Aの外側面1aと第二フランジ部1Bの外側面1aとの間隔よりも若干大きくなる程度に行われる。つまり、接合方向における被挿入部6Aと挿入部5Aとの重なり部位の大きさ(挿入距離)、及び、第一押圧部6eと第二押圧部5eとの間隔を夫々、適宜設定することができる。このため、両フランジ部1A,1Bの呼び径や設計圧力に応じて肉厚が変更される場合でも、重なり部位の大きさを調整することで、第一挟持部材6及び第二挟持部材5を両フランジ部1A,1Bに良好に締付固定することができる。
続いて、補強治具Pを両フランジ部1A,1Bに装着する。このとき、第一押圧部6eが延出する側における被挿入部6Aの外面6aを両フランジ部1A,1Bの外周面1c,1cの少なくとも一方に径外方向から片当たりさせる。また、第一挟持部材6の脱落防止腕6Cを、ナット4Bに対して、内側から径外方向に当接或いは近接させた状態とする(図8参照)。
この脱落防止腕6Cの延出方向は、締結ボルト70A,70Bを締付側に回転させたとき、脱落防止腕6Cが設けられている第一挟持部材6が共回りする方向と同方向に設定されている。つまり、脱落防止腕6Cは、第一挟持部材6の第一基部6Bの側面から、締結ボルト70A,70Bの締付方向(本実施形態では、締結ボルト70Aは右ねじであるので、挿通孔6dを中心とする時計回り方向)に向かって延出するように形成されている。このため、締結ボルト70A,70Bを締付ける際、脱落防止腕6Cがナット4Bと当接して回転抵抗となるので、締付作業が容易である。
なお、ナット4Bの径方向内側に脱落防止腕6Cを挿入するスペースがない場合は、補強治具Pを上下反対にして反転装着しても良い。この場合、脱落防止腕6Cは、第二フランジ部1Bに位置する連結ボルト4Aの頭部4aに対して、内側から径外方向に当接或いは近接する。
次いで、第一挟持部材6の第一押圧部6eが第一フランジ部1Aの外側面1aを押圧し、且つ、第二挟持部材5の第二押圧部5eが第二フランジ部1Bの外側面1aを押圧するまで、第一締結ボルト70Aおよび第二締結ボルト70Bを順に締付け、挿入部5A及び被挿入部6Aを接合方向に引き寄せる。これによって、補強治具Pが時計回りに共回りし、脱落防止腕6Cとナット4Bとが確実に当接する。
補強治具Pを装着後、同様に、両フランジ部1A,1Bにおけるその他のナット4Bに対して、別の補強治具Pを径外方向から順次装着する。なお、補強治具Pの装着は、必要に応じて、全てのナット4Bに対して行っても良いし、ナット4Bの隣接間部位の一部に対してのみ行うこととしても良い。
次いで、締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1を挿入部5Aの雌ねじ部5d1,5d2に螺合させて、全ての補強治具Pの締結機構7の増し締めを行う。このとき、締結ボルト70A,70Bは、両フランジ部1A,1Bより径方向外側の位置、且つ、被挿入部6Aの底部6Aaの外側に位置にあるため、締付作業が容易である。しかも、脱落防止腕6Cがナット4Bに当接した状態であるので、締付姿勢が安定する。
締結ボルト70A,70Bを締付固定すると、両挟持部材6,5の両押圧部6e,5eは、両フランジ部1A,1Bの外側面1a,1aに当接した状態で近接移動する。同時に、第一フランジ部1Aと第二フランジ部1Bとが締結ボルト70A,70Bの締付力によって互いに近接方向に移動する。その結果、ナット4Bをさらに締付けることが可能となる。このとき、本実施形態では、第一締結機構7Aと第一締結機構7Aに隣り合って設けられた第二締結機構7Bとを有しているので、締結機構7のフランジ接合部に対する締付トルクをさらに増加させることができる。
また、補強治具Pが両フランジ部1A,1Bに固定された状態では、第一押圧部6eおよび第二押圧部5eの中心が、ナット4Bの外形を周方向に延長させた仮想円環面の領域内に位置することとなる。このため、第一押圧部6eおよび第二押圧部5eが近接移動することで、ナット4Bと第一フランジ部1Aとの間には一定の隙間が形成され易く、ナット4Bが第一フランジ部1Aに対して片当たり状態となる不都合がない。このため、ナット4Bを締付けた際、両フランジ部1A,1Bが均一に近接移動する。
次いで、両フランジ部1A,1Bを接合する全てのナット4Bに対して、ラチェットスパナなどの締付工具Rを用いて増し締めを行う(図9参照)。このとき、スパナ等の別の工具を用いて、連結ボルト4Aを固定した状態とする。本実施形態では、第二締結ボルト70Bの第二頭部7b2が第一締結ボルト70Aの第一頭部7a2よりも低くなるように被挿入部6Aの底部6Aaに段差部6Abを設けている(図4の断面図参照)。このため、両フランジ部1A,1Bに設置される複数の補強治具Pのうち、1つの補強治具Pの第一締結ボルト70Aと、1つの補強治具Pに隣り合う他の補強治具Pの第一締結ボルト70Aとの間に、第一締結ボルト70Aの第一頭部7a2よりも低い第二頭部7b2を有する第二締結ボルト70Bが位置することとなる(図9参照)。その結果、両フランジ部1A,1Bのナット4Bを締付工具Rで締め付ける際に、締付工具Rが第二頭部7b2に引っ掛かることなく、締付工具Rの回動範囲を大きくすることができる。よって、所望の締付トルクを得るためのナット4Bの締付作業が容易である。
本実施形態では、脱落防止腕6Cの縁部6Caが、ナット4Bに対して接合方向に引退するよう、第一フランジ部1Aに向かって段落ちした段部6Ccが、第一基部6Bから先端部6Cbに亘って形成されている(図8参照)。つまり、ナット4Bの周りは、脱落防止腕6Cの高さがナット4Bの高さより小さく設定されている。このため、ナット4Bの締付けを行う際、ナット4Bの周りに締付工具Rを確実に挿入することができるので、ナット4Bを高価な高ナットで構成する必要がない。
次いで、連結ボルト4A,ナット4Bおよび締結ボルト70A,70Bの締付トルクが所定の基準値となるまで、締結ボルト70A,70Bとナット4Bとの増し締めを交互に行う。これによって、補強治具Pによる両フランジ部1A,1Bの接合強度をより向上させて、両フランジ部1A,1Bの離間やずれ及びこれらに伴う上水の漏洩をより確実に防止することができ、管路の耐震性能の向上をも図ることができる。特に、本実施形態における締結機構7は、第一締結機構7Aと第一締結機構7Aに隣り合って設けられた第二締結機構7Bとを有している。このため、締結機構7の両フランジ部1A,1Bに対する締付トルクをさらに増加させることができる。その結果、大径の両フランジ部1A,1Bであっても、離脱阻止力を高めることができる。
図6に示すように、本実施形態では、締結機構7の締結部位に加えて、挿入部5Aと被挿入部6Aとの重なり部位を有している。このため、両フランジ部1A,1Bを径方向に位置ずれさせる剪断力が作用した場合や、両フランジ部1A,1Bを軸方向に引き離す引張力が作用して両挟持部材6,5の両押圧部6e,5eが開き方向の力を受けた場合でも、締結機構7の締結部位に掛かる応力の低減を図ることができる。
本実施形態では、雌ねじ部5d1,5d2を、挿入部5Aと被挿入部6Aとの重なり部位に位置させているので、締結ボルト70A,70Bの長さを比較的短くすることが可能となる。よって、締結ボルト70A,70Bの先端が筒状内部空間5c1,5c2の外部に突出することを良好に防止することができる。しかも、締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1が挿通孔6d1,6d2に挿通された状態では、雄ねじ部7a1,7b1の外周面と挿通孔6d1,6d2の内周面との間に所定の隙間が形成される。このため、両フランジ部1A,1Bに剪断方向(径方向)への力が作用して、万が一、締結ボルト70A,70Bが径方向に若干変位した場合でも、締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1が挿通孔6d1,6d2に当接することがなく、締結ボルト70A,70Bの伸びや破壊を防止することができる。
また、本実施形態では、脱落防止腕6Cの第一フランジ部1Aの外側面1aに対向する面が、第一押圧部6eよりも第一フランジ部1Aの外側面1aから離間する側に配置されているので、締結ボルト70Aを締付けた場合でも、脱落防止腕6Cが第一フランジ部1Aの外側面1aに当接しない。その結果、脱落防止腕6Cに直接荷重が掛かることがなく、脱落防止腕6Cの破損を防止することができる。
さらに、自重或いは地震等により、両フランジ部1A,1Bに歪みや変形或いは相対的なずれ等が生じた場合でも、脱落防止腕6Cがナット4Bに確実に当接するので、補強治具Pが両フランジ部1A,1Bから脱落することをより確実に防止することができる。また同様に、補強治具Pが両フランジ部1A,1Bの周方向の何れの箇所に設けられた場合でも、補強治具Pが両フランジ部1A,1Bから下方側に脱落することを防止することができる。
以下、別実施形態について、上述した実施形態と異なる構成のみ説明する。なお、図面の理解を容易にするため、同じ部材には同じ名称及び符号を用いて説明する。
〔補強治具の装着変形例〕
図10には、第一筒状部材として配管(不図示)、第二筒状部材として弁装置1Xとした場合における両フランジ部1A,1Bに補強治具Pを装着する例が示されている。本実施形態の弁装置1Xは、仕切弁等の収容空間に台座1Xaが設けられており、両フランジ部1A,1Bの底側の外周面1c,1cが、径方向外側に矩形状に突出形成されている。また、両フランジ部1A,1Bに接続される配管には複数のリブ1Xbが設けられている場合がある。第一実施形態に係る補強治具Pは、第一締結ボルト70Aの第一頭部7a2の中心と第二締結ボルト70Bの第二頭部7b2の中心とは、被挿入部6Aと第一基部6Bとの境界線からの距離が異なって設定されているので、台座1Xaやリブ1Xbなどの凹凸を避ける形態で装着することができる。
具体的には、台座1Xaの一方の角部に被挿入部6Aを両フランジ部1A,1Bの外周面1c,1cから若干離間させて斜めに配置し、台座1Xaの他方の角部に補強治具Pを反転させた状態で被挿入部6Aを両フランジ部1A,1Bの外周面1c,1cから若干離間させて斜めに配置している。また、リブ1Xbに第一挟持部材6の第一基部6Bを当接させた状態で、被挿入部6Aを両フランジ部1A,1Bの外周面1c,1cから若干離間させて斜めに配置している。このように、本実施形態における補強治具Pは、あらゆる姿勢で設置できる汎用性の高いものである。
〔第一実施形態の第一変形例〕
上述した実施形態における脱落防止腕6Cの縁部6Caには、第一フランジ部1Aに向かって段落ちした段部6Ccを、第一挟持部材6の第一基部6Bから先端部6Cbに亘って形成した。これに代えて、図11に示すように、脱落防止腕61Cの縁部61Caには、第一フランジ部1Aに向かって段落ちした段差部61Ccを、ナット4Bの周りにのみ形成しても良い。この場合、脱落防止腕6Cのうち、第一挟持部材6の第一基部6Bから段差部61Ccが形成される部位まで厚みが確保されるので、脱落防止腕6Cの剛性を高めることができる。
〔第一実施形態の第二変形例〕
図12に示すように、脱落防止腕62Cの天面62Cdから縁部62Caに至るまでテーパ面62Ccを形成しても良い。この場合でも、ナット4Bの締付作業が容易なものとなる。なお、第一変形例と第三変形例とを組み合わせても良い。
〔第二実施形態〕
図13には、第二実施形態に係る補強治具Pが示されている。本実施形態では、第一締結ボルト70Aの第一頭部7a2の中心と第二締結ボルト70Bの第二頭部7b2の中心とは、第一フランジ部1Aの外周面1c(第二フランジ部1Bの外周面1c)からの距離が等しく設定されている。換言すると、第一締結ボルト70Aの第一頭部7a2の中心と第二締結ボルト70Bの第二頭部7b2の中心とは、被挿入部6Aと第一基部6Bとの境界線からの距離が等しく設定されている。
これによって、2つの締結ボルト70A,70Bの締付トルクを、両挟持部材6,5の両押圧部6e,5eに均等に作用させることができる。
〔第三実施形態〕
図14〜図15には、第三実施形態に係る補強治具Pが示されている。本実施形態では、上述した第一実施形態〜第二実施形態の第一挟持部材6および第二挟持部材5を、一対の第一挟持部材6X1,6X2および一対の第二挟持部材5X1,5X2で構成している。
一対の第一挟持部材6X1,6X2の被挿入部6AX1,6AX2は、第一フランジ部1Aの外周面1cに沿う板状の第一連結部6fで連結されており、一対の第二挟持部材5X1,5X2の挿入部5AX1,5AX2は、第二フランジ部1Bの外周面1cに沿う板状の第二連結部5fで連結されている。また、一対の第一挟持部材6X1,6X2には、夫々上述した第一締結機構7A,第二締結機構7Bを備えており、第一締結ボルト70Aおよび第二締結ボルト70Bが、一対の被挿入部6AX1,6AX2に各別に挿入された状態で隣り合って配置されている。これら第一締結機構7Aおよび第二締結機構7Bを締結することで、第一挟持部材6X1,6X2および第二挟持部材5X1,5X2の夫々の押圧部が、ナット4Bの両側を押圧することとなる。
さらに、本実施形態では、第一連結部6fと第二連結部5fとを締結する第三締結機構7Cが設けられている。この第三締結機構7Cは、頭部7c2が第一連結部6fの外側に位置する第三締結ボルト70Cと、第二連結部5fに形成され、締結ボルト70Cの雄ねじ部7c1が螺合される第三雌ねじ部5d3と、第三締結ボルト70Cと第一連結部6fとの間に介在する第三ワッシャ8Cとから構成されている。このように、本実施形態では、第一締結機構7Aおよび第二締結機構7Bに加えて、第三締結機構7Cを設けているので、両フランジ部1A,1Bに対する締付トルクをさらに増加させることができる。
〔別実施形態1〕
上述した実施形態における第一挟持部材6、第二挟持部材5、及び締結機構7の構成は、適宜変更することができる。例えば、図16〜図17に示すように、第二挟持部材50を、一対の脚部50A,50Bを備えたコの字状部材により構成し、第一挟持部材60を、脚部50Bに形成された貫通雌ねじ孔50aに螺合される雄ねじ軸部70aを備えた一対のボルトにより構成している。第一挟持部材60となる一対のボルトは、ボルトの頭部70bと第二挟持部材50とを、両フランジ部1A,1Bの接合方向に近接させて固定する締結機構7A,7Bとしても機能する。第一挟持部材60は、第一フランジ部1Aを押圧する一対の第一押圧部60eを有し、第二挟持部材50は、脚部50Aの先端部に、第二フランジ部1Bの外側面1aを押圧する第二押圧部50eを有している。
本実施形態においても、脱落防止腕6Cは、第一押圧部60eの基部60B(第一押圧部60eを支持する基部60B)の側面から延出形成されるL字状又はC字状部材に構成されている。この脱落防止腕6Cは、第一フランジ部1Aに向かって段落ちした段部6Ccが、第一基部6Bと脱落防止腕6Cとの接続部から先端部6Cbに亘って形成されている。
〔別実施形態2〕
図18に示すように、第二挟持部材51の挿入部51Aを第一挟持部材61の被挿入部61Aに挿入可能な外径を備えた角棒状に構成し、第一挟持部材61の被挿入部61Aを筒状に構成する。そして、挿入部51Aの先端側には、雄ねじ部52aを備えた一対のボルト52が接合方向に突出形成され、被挿入部61A内に挿入部51Aが相対回転不能に係合した状態で、一対の締結ナット53が被挿入部61Aの外方から外面側に当接するまで螺合される構成としてもよい。
〔その他の実施形態〕
(A)フランジ部1A,1Bの呼び径や設計圧力等に応じて、連結ボルト4A及びナット4Bの数は適宜調整することができる。また、上述した実施形態では、ナット4Bが位置する側を第一フランジ部1A、連結ボルト4Aの頭部4aが位置する側を第二フランジ部1Bとしたが、ナット4Bが位置する側を第二フランジ部1B、連結ボルト4Aの頭部4aが位置する側を第一フランジ部1Aとしてもよい。
(B)補強治具Pの装着手順は適宜変更することができる。例えば、まず、第一挟持部材6の第一押圧部6eを第一フランジ部1Aの外側面1aに当接させ、脱落防止腕6Cを第一フランジ部1Aの径方向内方側からナット4Bに当接又は近接させる。次いで、第二挟持部材5の挿入部5Aを接合方向から被挿入部6Aの内部に挿入させつつ、第二押圧部5eを第二フランジ部1Bの外側面1aに当接させる。次いで、締結ボルト70A,70Bの雄ねじ部7a1,7b1を被挿入部6Aの挿通孔6d1,6d2を介して挿入部5Aの雌ねじ部5d1,5d2に螺合させ、両挟持部材6,5を両フランジ部1A,1Bに装着することもできる。
(C)上記実施形態では、脱落防止腕6Cを第一挟持部材6にのみ設ける構成としたが、必要に応じて、第二挟持部材5又は両挟持部材6,5に設ける構成としても良い。また、脱落防止腕6Cを、連結ボルト4Aの頭部4a又はナット4Bに対して、両フランジ部1A,1Bの径方向内方側から径方向外方側に回り込む凹状に形成せずに、単に、両フランジ部1A,1Bの径方向内方側から当接する棒状部材で構成しても良い。
(D)上記実施形態では、第一挟持部材6に被挿入部6Aを設け、第二挟持部材5に挿入部5Aを設けるように構成したが、第二挟持部材5に被挿入部を設け、第一挟持部材6に挿入部を設ける構成としてもよい。
(E)上記実施形態では、第二挟持部材5の挿入部5Aと第一挟持部材6の被挿入部6Aとの形状を、楕円形状としたが、接合方向周りでの相対回転が不能に構成されていれば、どのような形状であっても良い。例えば、横断面視で、挿入部5Aの外面5a及び被挿入部6Aの内面6bの形状を、多角形状等に構成することができる。
(F)上記実施形態では、両フランジ部1A,1Bを、いわゆるRF形フランジとした構成について説明したが、フランジ接合であれば、その他のフランジ接合であってもよく、例えば、ガスケット用の溝部を設けた所謂GF形フランジとしてもよい。
(G)上記実施形態では、流体配管系(管路)を構成する流体管の一例である鋳鉄製の両水道管1,1に形成した両フランジ部1A,1Bに補強治具Pを装着する例について説明したが、流体管としては気体や液体が通流する管であってもよい。
本発明に係る接合部の補強治具および補強構造は、配管どうし、流体機器どうし、又は流体機器と配管の接合部を補強するための治具として利用可能である。
1 水道管(第一筒状部材、第二筒状部材)
1A 第一フランジ部
1B 第二フランジ部
1a 外側面
1c 外周面
4A 連結ボルト
4a 頭部
4B ナット
5 第二挟持部材
5e 第二押圧部
5A 挿入部
6 第一挟持部材
6e 第一押圧部
6A 被挿入部
6Aa 底部
6Aa 段差部
6B 第一基部(基部)
6C 脱落防止腕
6Ca 縁部
7 締結機構
7A 第一締結機構
7a1 第一雌ねじ部
7a2 第一頭部
70A 第一締結ボルト(第一ボルト)
7B 第二締結機構
7b1 第二雌ねじ部
7b2 第二頭部
70B 第二締結ボルト(第二ボルト)
P 補強治具

Claims (6)

  1. 第一筒状部材の端部から径外方向に突出した第一フランジ部と第二筒状部材の端部から径外方向に突出した第二フランジ部とを連結ボルトで接合した接合部に装着される接合部の補強治具であって、
    前記連結ボルトの頭部又はナットが配置される前記第一フランジ部の接合方向における外側面を押圧する第一押圧部と、前記第二フランジ部の外側面を押圧する第二押圧部と、を各別に有する一対の挟持部材と、
    前記第一押圧部と前記第二押圧部とを、前記接合方向に近接させて固定する締結機構と、を備え、
    前記締結機構は、第一締結機構と当該第一締結機構に隣り合って設けられた第二締結機構とを有しており、
    一方の前記挟持部材には、前記第一フランジ部の外周面よりも径方向外側の位置で前記接合方向から挿入される挿入部が形成されており、他方の前記挟持部材には、前記挿入部を内部に受け入れる被挿入部が形成されており、
    前記第一締結機構は、前記挿入部又は前記被挿入部の底部の外側に位置する第一ボルト又は第一ナットを有しており、
    前記第二締結機構は、前記底部の外側に位置する第二ボルト又は第二ナットを有しており、
    前記底部には、前記第二ボルトの第二頭部又は前記第二ナットの高さが、前記第一ボルトの第一頭部又は前記第一ナットの高さよりも低くなるように段差部が形成されている接合部の補強治具。
  2. 第一筒状部材の端部から径外方向に突出した第一フランジ部と第二筒状部材の端部から径外方向に突出した第二フランジ部とを連結ボルトで接合した接合部に装着される接合部の補強治具であって、
    前記連結ボルトの頭部又はナットが配置される前記第一フランジ部の接合方向における外側面を押圧する第一押圧部と、前記第二フランジ部の外側面を押圧する第二押圧部と、を各別に有する一対の挟持部材と、
    前記第一押圧部と前記第二押圧部とを、前記接合方向に近接させて固定する締結機構と、を備え、
    前記締結機構は、第一締結機構と当該第一締結機構に隣り合って設けられた第二締結機構とを有しており、
    一方の前記挟持部材には、前記第一フランジ部の外周面よりも径方向外側の位置で前記接合方向から挿入される有底筒状の挿入部が形成されており、他方の前記挟持部材には、前記挿入部を内部に受け入れる有底筒状の被挿入部が形成されており、
    前記第一締結機構は、前記被挿入部の底部の外側に位置する第一頭部を含む第一ボルトと、前記挿入部における前記被挿入部側の端部に形成され、前記第一ボルトが螺合する第一雌ねじ部と、を有しており、
    前記第二締結機構は、前記被挿入部の前記底部の外側に位置する第二頭部を含む第二ボルトと、前記挿入部における前記被挿入部側の前記端部に形成され、前記第二ボルトが螺合する第二雌ねじ部と、を有しており、
    前記被挿入部の前記底部には、前記第二頭部の高さが前記第一頭部の高さよりも低くなるように段差部が形成されている接合部の補強治具。
  3. 前記頭部又はナット、前記第一頭部および前記第二頭部の外径寸法および外径形状が同一である請求項に記載の接合部の補強治具。
  4. 前記第一頭部と前記第二頭部とは、前記第一フランジ部の前記外周面からの距離が等しく設定されている請求項2又は3に記載の接合部の補強治具。
  5. 一対の前記挟持部材は、金属材料で構成されており、
    前記挿入部における前記被挿入部側の前記端部は、前記第一雌ねじ部と前記第二雌ねじ部との間が前記金属材料で満たされている請求項2からの何れか一項に記載の接合部の補強治具。
  6. 第一筒状部材の端部から径外方向に突出した第一フランジ部と第二筒状部材の端部から径外方向に突出した第二フランジ部とを連結ボルトで接合した接合部に装着される接合部の補強治具であって、
    前記連結ボルトの頭部又はナットが配置される前記第一フランジ部の接合方向における外側面を押圧する第一押圧部と、
    前記第二フランジ部の外側面を押圧する第二押圧部と、
    前記第一押圧部と前記第二押圧部とを、前記接合方向に近接させて固定する締結機構と、
    前記第一押圧部の基部から延出し、前記頭部又はナットに対して内側から前記径外方向に向かって当接する脱落防止腕と、を備え、
    前記締結機構は、第一締結機構と当該第一締結機構に隣り合って設けられた第二締結機構とを有しており、
    前記脱落防止腕は、前記頭部又はナットに対して前記接合方向に引退するよう、少なくとも前記頭部又はナットに当接する縁部の厚みが他の部位よりも小さく設定されている接合部の補強治具。
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