JP6908227B2 - 地厚ストレッチ編地 - Google Patents

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Description

本発明は、編地厚さに十分なボリュウムを生じさせて保温性を出しながら、柔軟なストレッチ性(伸び性)をも豊富にさせて動きやすい衣類を製作する場合などに、好適に使用することのできる地厚ストレッチ編地に関する。
シリンダ−及びダイヤルを備えたダブルの丸編機を用いて編成した丸編地(筒状生地)として、軽く且つボリュウムを有する編地が知られている(例えば、特許文献1等参照)。この公知の編地は、糸を走らせる方向(シリンダ−やダイヤルの周方向)をコース方向とおいてこのコース方向に複数の給糸口を設けて編み降ろす際に、シリンダ−針によるシングルニット(例えば、平編)のみのコースと、ダイヤル針によるシングルニットのみのコースと、ダイヤル針側をタックとしシリンダ−針側をニットとしつつ更にプレーティング編をしたコースとを組み合わせて編組織を構成させるようになっている。
一方、他の筒状生地として、保温性を高めるために起毛させた編地が知られている(例えば、特許文献2等参照)。この公知の起毛編地についても、コース方向に複数の給糸口を設けて編み降ろす際に、シリンダ−針によるシングルニットのみのコースと、ダイヤル針によるシングルニットのみのコースと、ダイヤル針側をタックとしシリンダ−側をニットとしたコースとを組み合わせて編組織を構成させるようになっている。そして、ダイヤル針側をタックとしシリンダ−針側をニットとしたコースのうち、シリンダ−針側のニードルループを起毛させている。
特開昭62−141161号公報 特開2000−256945号公報
特許文献1,2により開示された公知の編地は、いずれも、ストレッチ性を重視したものではないためにダブルニット(例えば、リブ編)に編成したコースを有しておらず、ストレッチ性は十分とは言えないものとなっていた。そのため、これらの編地を用いたところで、編地厚さのボリュウム感とストレッチ性とを両立させた衣類を製作することはできなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、編地厚さに十分なボリュウムを生じさせて保温性を出しながら、柔軟なストレッチ性(伸び性)をも豊富にさせて動きやすい衣類を製作する際などに、好適に使用することのできる地厚ストレッチ編地を提供することを目的とする。
また本発明は、ストレッチ性を豊富にさせることによってもスナッキング等の不都合及びラン発生による編地ほつれの拡大は生じない編組織を有した地厚ストレッチ編地を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る地厚ストレッチ編地は、編成時に糸を走らせる方向をコース方向とおくときに、タックを含んで編成されたタックコースと、前記タックコースのタックループが被せられるコースとの少なくとも2コースが、それぞれ地糸と添え糸とを備えたプレーティングによる編組織で構成されていることを特徴とする。
前記コース方向に交差する編み降ろし方向をウエール方向とおくときに、前記タックコースに対してウエール方向の両隣を挟む配置の2コースが、タックを不存在とする編組織で構成されたものとすることができる。
或いは、前記タックコースがウエール方向で複数連続して配置されているものとしてもよい。
前記プレーティングによる編組織は前記添え糸が溶着糸とされており、前記タックコースと前記タックコースのタックループが被せられるコースとが前記溶着糸により融着又は合着されたものとすることができる。
前記プレーティングの編組織を構成する前記地糸及び前記添え糸は互いの収縮率に差が生じるように選出されており、これら地糸及び添え糸は、収縮後の形状安定時に互いのループ形体が寄り添うようになることを見こした給糸長で形成されたものとするのがよい。
ここにおいて地糸や添え糸の収縮は、糸素材の弾性に基づくものとしてもよいし、編成後に付与する加熱(蒸気、加熱空気、プレス等)に基づくものとしてもよい。
また地糸や添え糸の収縮は、特に、収縮率の大きな方(糸)のループが収縮した際に、収縮率の小さな方(糸)のループを形状的に拘束するような締め付け作用が生じることを見こして、前記地糸と前記添え糸を(収縮率と給糸長との関係として)選出することが好ましい。
本発明に係る地厚ストレッチ編地は、編地厚さに十分なボリュウムを生じさせて保温性を出しながら、柔軟なストレッチ性(伸び性)をも豊富にさせて動きやすい衣類を製作する際などに、好適に使用することができる。またこの地厚ストレッチ編地は、ストレッチ性が豊富でありながらもスナッキング等の不都合及びラン発生による編地ほつれの拡大は生じない編組織を有したものとなっている。
本発明に係る地厚ストレッチ編地の第1実施形態を示した組織図である。 本発明に係る地厚ストレッチ編地の第1実施形態を示した編目図である。 本発明に係る地厚ストレッチ編地の第2実施形態を示した編目図である。 本発明に係る地厚ストレッチ編地の第3実施形態を示した組織図である。 本発明に係る地厚ストレッチ編地の第4実施形態を示した組織図である。 本発明に係る地厚ストレッチ編地の第5実施形態を示した編目図である。 本発明に係る地厚ストレッチ編地の第6実施形態を示した組織図である。 本発明に係る地厚ストレッチ編地の第7実施形態を示した組織図である。 本発明に係る地厚ストレッチ編地の第8実施形態を示した組織図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1及び図2は、本発明に係る地厚ストレッチ編地(以下、「本発明編地」と言う)1の第1実施形態を示している。これら図1及び図2から明らかなように、本発明編地1はタックコース3を備えており、しかもこのタックコース3は地糸4と添え糸5とによりプレーティング編みされた編組織となっている。
タックコース3は、コース方向(編成時に糸を走らせる方向であり図1、図2では左右方向である)の少なくとも1箇所に、並行するコースを形成しているループまで引き上げられて、被せられるタックループ3aを有したものである。言うまでもなく、このタックループ3aは地糸4と添え糸5とにより形成されている。
このタックコース3では、地糸4によるタックループのループ形体と、添え糸5によるタックループのループ形体とが互いに寄り添うようになっており(ループの大きさが略同じであり)、綺麗な2重ループが得られるものとなっている。
図1及び図2はタックコース3が1回タックで、且つ全てのループをタックさせたフルタックの場合を例示してある。そのため、タックループ3aは、タックコース3に対してウエール方向(コース方向に交差する編み降ろし方向であり図1、図2では上下方向である)で隣接するコース8の全てのループ8aに被せられている。
そして、本発明編地1では、上記のようにタックコース3のタックループ3aが被るループ8aを有するコース8についても、地糸12と添え糸13とによりプレーティング編みされた編み組織となっている。
なお、本第1実施形態において、タックコース3に隣接するコース8は、リブ編などのダブルニットにより編成されたダブルニットコースとしてある。そしてこのダブルニット
コース8においても、地糸12によるループ形体と添え糸13によるループ形体とが、収縮後の形状安定時に寄り添うようにしてある。
このように、本発明編地1では、タックループ3aとこのタックループ3aが被るループ8aとが共にプレーティング編みされていることから、ここに、[地糸4と添え糸5]及び[地糸12と添え糸13]より成る4重ループ15が形成されたものとなっている。従って、この4重ループ15の存在により、本発明編地1は編地厚さに十分なボリュウムを生じさせることができるものである。
加えて、本発明編地1では、次の構成を採用してある。すなわち、タックコース3において、プレーティングの編組織を構成する地糸4及び添え糸5は、互いの収縮率に差が生じるようにして選出してある。
そしてここで重要とされることは、収縮率の大きな方の糸が収縮した後でも、地糸4によるタックループのループ形体と、添え糸5によるタックループのループ形体とが互いに寄り添うようにしている点にある。
そのため、編成後には、収縮率の大きな方(糸)のループが収縮することによって収縮率の小さな方(糸)のループを形状的に拘束し、タックループ3aを過大とならないように締め付け、もってコンパクトで綺麗な多重ループが得られるものとなっている。
これにより、編地厚のボリュウムアップ効果を一層高めるだけでなく、編地のどこを裁断しても編組織が緩んだり崩壊したりすることがないというフリーカット性(いわゆる「切りっぱ」の効果)を得ることもできる。また、編地端において糸端が飛び出すような問題を解消できるので、本発明編地1により衣類を作成した場合には、着たり脱いだりの繰り返しや洗濯などを原因とする編地の痛みにつき、これらを抑制する効果が図れる点で極めて有益となる。
地糸4と添え糸5とを選出するうえで、互いの収縮率に差を生じさせたものとするには、例えば、地糸4にだけ熱収縮糸を採用し、その給糸長が収縮量に見合うものとなるように、長く繰り出させる設定とすることで実現できる。このようにすることで、編成後においては熱収縮糸である地糸4が添え糸5よりも大きな収縮を起こし、添え糸5のループを形状的に拘束するような締め付け作用が生じる。
このような熱収縮糸には、例えばバルキーアクリルなどの短繊維を用いることができる。
なお、熱収縮糸には、沸水収縮率が8%以上45%以下とされたものを採用することが好適とされる。沸水収縮率が8%未満であると、ループ拘束作用が乏しくて編地厚さのボリュウムやフリーカット性が不充分となる場合があり、また反対に、沸水収縮率が45%を超えると、強化されるループ拘束作用を要因として編地ボリュウムが分厚くなりすぎたり、目付が過大となったりする場合がある。
とは言え、必ずしも編地厚さ及び目付などの全てを満足させることが常に要請されるわけではないので、沸水収縮率8%未満である熱収縮糸(例えばポリエステル糸等)や、沸水収縮率45%を超える熱収縮糸を使用することも、編地としての要請内容に応じて許容できる場合がある。
なお、地糸4と添え糸5とを選出するうえで、互いの収縮率に差を生じさせたものとするには、いずれか一方の糸を弾性糸として、編成時に大きく延伸を付与するという方法を採用することでも実現できる。
ところで、タックコース3は主として編地厚さにボリュウムを持たせることを目的としており、これに対してダブルニットコース8,17は、主として編地のストレッチ性(伸び性)を豊富にさせることを目的としていると言うことができる。
そのため、編組織の主要成分である地糸4,12,18(編地表側として多く現れる糸)と、副成分である添え糸5,13,19(編地内側として多く現れる糸)とでは、それぞれ伸縮性、強度、太さ、比重といった物性面であったり、また外観や柄、風合い(肌触り)、保温性などの特性であったりに着目して、使用する糸種を選択するのがよい。
しかし、本発明編地1においては、タックコース3やダブルニットコース8,17をプレーティング編みするものであるので、殊更、使用する糸種が限定されるものではない。
例えば、地糸4,12,18には、前記したように収縮率の大きさを期待して熱収縮糸を用いたり、弾性作用を期待してベア糸やカバリング糸(SCYやDCY)を用いたりすることができる。
また添え糸5,13,19についても、弾性作用を期待してベア糸やカバリング糸(SCYやDCY)を用いることが有効である。また「弾性」の観点ではなく、編成後の編地に熱セット処理(加熱処理)を施すことで組織の融着や合着作用を期待することのできるという観点から、溶着糸(熱融着糸)を用いることもできる。その他、非弾性糸としての作用を期待して例えばナイロンやポリエステルなどの長繊維を単独又は複合的に用いることも可能であるし、風合いを高める作用を期待して綿糸や絹糸など用いることも可能である。
添え糸5,13,19に溶着糸を用いて熱セット処理を施した場合について付言すると、タックコース3と、このタックコース3のタックループ3aが被るループ8aを有するコース8とが、繊維同士の交差部や並行部などにおいて溶着糸により融着又は合着されたものとなる。これにより、フリーカット性や、編地端の糸端飛び出し防止作用を一層高めることができる利点がある。
なお、タックコース3をプレーティング編みしない場合を仮定して、編地厚さにボリュウムを生じさせることを考えると、例えば従来公知のリブ編みなどのダブルニットで編地を編成したうえで、使用する糸の番手や給糸長を上げる(太い糸を使い、繰り出し長さを長くする)手法を採用するのが一般的であった。
しかし、この従来手法により編成した編地では、目付(重量)が重くなり、またストレッチ性が低下するなどの課題を伴うことになる。もし、このダブルニットをプレーティング編みなどすれば、なおさら目付の重量化や低ストレッチ化を招来するおそれがある。
これに対して本発明編地1では、このような課題を伴うことはないので、軽くて且つ分厚く、更に豊富なストレッチ性を有した編地を得ることができるものである。
なお、本第1実施形態では、ダブルニットコース8に続けて第2のダブルニットコース17を配置してある。要するに、本第1実施形態の本発明編地1は、タックコース3を含めた合計3コース(8,11,17)をウエール方向に繰り返した、いわゆる3口リピートとして構成されたものであり、タックコース3を挟む両隣が、タックを不存在とする編組織(ダブルニットコース8,17)になる配置と言える。
また本第1実施形態では、第2のダブルニットコース17についても、地糸18と添え糸19とによりプレーティング編みされたものとしてある。そして、この第2のダブルニットコース17でも、地糸18によるループ形体と添え糸19によるループ形体とが、収縮後の形状安定時に寄り添うようにしてある。
これによって本第1実施形態の本発明編地1では、編地全体がプレーティング編みされた編み組織となっている。このようにすることで、コースごとのボリュウム感の違いを緩和して、視覚的、着用感的な違和感に繋がらないようにすることに成功している。
このような構成の本発明編地1は、例えばシリンダ−とダイヤルとを備えるダブルの丸編機等(図示略)により編成することができる。この場合、シリンダ−やダイヤルの周方向(コース方向)に糸を走らせつつ、このコース方向に設けた複数の給糸口からの給糸により、筒状に編み降ろすものとする。
タックコース3やダブルニットコース8,17において、シリンダ−針側で編成したループに起毛処理を施して毛羽立たせることで、このシリンダ−針側による編成面を衣類の肌側面として形成させるとよい。
なお、衣類にゆったり感を持たせるには、これらタックコース3やダブルニットコース8,17を編成する際に、地糸4,12,18及び添え糸5,13,19の給糸長を標準的なダブルニット編成時の給糸長よりも長く繰り出す設定とし、形成されるループの拡大化を図るようにするとよい。
本第1実施形態の編組織を有する本発明編地1を用いて衣類を製作した結果、編地厚さに十分なボリュウムを生じさせて保温性を出しながら、柔軟なストレッチ性(伸び性)をも豊富にさせて動きやすい衣類を完成させることができた。
ところで、本発明編地1において、編組織をタックコース3とダブルニットコース8,17とによる3口リピートとすることは限定されるものではない。例えば、図3に第2実施形態として示すように、第2のダブルニットコース17に続けて更に第3のダブルニットコース23(地糸24、添え糸25)を設けて4口リピートとしてもよい。
場合によっては、図4に第3実施形態として示すように、タックコース3とダブルニットコース8との2口リピートとしてもよい。
なお、タックコース3においては、タックループ3aをシリンダ針(下針)で形成させてもよいしダイヤル針(上針)で形成させてもよい。従って例えば、図5に第4実施形態として示すように、シリンダ針側及びダイヤル針側で交互にタックループ3aを形成させるようにしたタックコース3とダブルニットコース8とを組み合わせるようにしてもよい。この場合、タックコース3はウエール方向で連続又は非連続の複数コースとなるように設けることも可能である。
一方、タックコース3において採用するタック編みでは、2回タックや3回タックなどが可能である。例えば図6に第5実施形態として示すように、2回タックの場合では、タックコース3に対してウエール方向で1コースをおいて隣となるコース17のループ17aに、タックループ3aが被せられることになる。また3回タックの場合(図示略)では、タックコース3から2コースをおいて隣となるコースのループに、タックループ3aが被せられることになる。
このように2回タック等の複数回タックを行う場合でも、本発明編地1では、タックコース3のタックループ3aが被るループ17aを有するコース17(図6参照)を、地糸18と添え糸19とによりプレーティング編みされた編み組織としておけば、タックループ3aとこのタックループ3aが被るループ17aとによって、[地糸4と添え糸5]及び[地糸18と添え糸19]より成る4重ループ27が形成されたものとなる。
従って、この4重ループ27の存在により、本発明編地1は編地厚さに十分なボリュウムを生じさせることができるものである。
このことから明らかなように、タックコース3のタックループ3aは、必ずしも「タックコース3に隣接するコース8のループ8a」に被せられることが限定されるわけではない。
なお、本第5実施形態では、タックコース3に続けて3種のダブルニットコース8,17,26を配置した4口リピートとして構成されたものを例示してある。このうちのダブルニットコース26についても、地糸28と添え糸29とによりプレーティング編みされた編み組織としてある。
この場合もやはり、タックコース3を挟む両隣が、タックを不存在とする編組織(ダブルニットコース8,26)となり、また編地全体がプレーティング編みされた編み組織となっていると言える。
図7は、本発明編地1の第6実施形態を示している。本第6実施形態では、タックコース3の隣コースにシングルニット(平編)により編成されたシングルニットコース33を配置してある。このシングルニットコース33も、地糸34と添え糸35とによるプレーティング編を行ってある。従って、タックコース3のタックループ3aが、シングルニットコース33のループ33aまで引き上げられて被せられている。
これにより、タックループ3aとこのタックループ3aが被るループ33aとによって、[地糸4と添え糸5]及び[地糸34と添え糸35]より成る4重ループが形成されるものとなって、編地厚さに十分なボリュウムを生じさせることができるものである。
なお、シングルニットコース33を採用する場合、コース方向で隣り合うループとループとの間に、いわゆる糸渡り部37が現れることになる。このような糸渡り部37は、従来公知の編み組織では編地を引き伸ばした際などに、編地表面側のリブ間で直線状に露出することがあり、以下のような問題に繋がることがあった。
すなわち、糸渡り部37が露出状態になると、この露出部分が編地を取り扱う者の爪をはじめとして、洗濯時や使用時における他物との接触で引っ掛けられやすくなり、スナッキング(編地面から糸が引き出されてほつれること)や、甚だしい場合には糸切断に繋が
る要因となっていた。また、このようなスナッキングや糸切断が一旦生じると、そこを起点にランが発生し、外観上、極めて目立つ編地面の破れに派生するおそれもあった。
しかし、本発明編地1では、シングルニットコース33が地糸34と添え糸35とを有するプレーティング編により編成されたものであるので、糸渡り部37は2重となって補強された状態になる。のみならず、この糸渡り部37は前記した4重ループによって位置的な拘束を受けることになり、ルーズ性が制限された状態になる。
そのため、本発明編地1を取り扱う者の爪、或いは洗濯時や使用時における他物との接触を原因として、糸渡り部37がスナッキングや糸切断に至ることは防止される。また万が一、糸渡り部37に引っ掛かりが生じたとしても、この糸渡り部37が補強され、位置的な拘束を受けていることによってスナッキングに至る危険性は可及的に抑制されるものである。
もとより、タックコース3やシングルニットコース33に溶着糸を用い、編成後の編地に熱セット処理を行うのであれば、タックコース3とタックコース3のタックループ3aが被るループ33aを有するコース33とが溶着糸により融着又は合着されたものとなるので、このような状況下ではスナッキングは確実に防止されることになる。
図8は、本発明編地1の第7実施形態を示している。本第7実施形態は、第6実施形態(図7参照)を基本パターンにして更に発展させたもので、タックコース3にはタックループ3aとウエルト部(ミス部又は浮き編み部とも呼称される)3bとを交互に混ぜる編組織を採用してある。
加えて、このタックコース3とシングルニットコース33とによる2口リピートを1番給糸口―6番給糸口の間で6回繰り返した後、タックコース3のタックループ3aとウエルト部3bとの配置をコース方向で半ピッチずらしたものにおいて、シングルニットコース33とによる2口リピートを7番給糸口―12番給糸口の間で6回繰り返す編組織を採用してある。
当然に、タックコース3は地糸4と添え糸5とによるプレーティング編みを行ってあり、シングルニットコース33についても、地糸34と添え糸35とによるプレーティング編を行ってある。
従って、本第7実施形態においても、タックコース3のタックループ3aが隣接するシングルニットコース33のループ33aまで引き上げられ、被せられて、4重ループが形成される部分を生じさせるものとなる。
図9は、本発明編地1の第8実施形態を示している。本第8実施形態は、タックループ3aを2回繰り返した2回タック部と、ウエルト部3bとを交互に編んだタックコース3を、1番給糸口―3番給糸口の間、及び5番給糸口―7番給糸口の間で繰り返すと共に、4番給糸口及び8番給糸口に、シリンダ針によるウエルト部3bとダイヤル針によるウエルト部3bとだけを繰り返すコース40を挟み込むようにした編組織としてある。
そして、少なくともタックコース3は地糸4と添え糸5とによるプレーティング編みを行ってある(図示は省略した)。そのため、タックコース3のタックループ3aが、並行するコースのループまで引き上げられ、被せられて、4重ループが形成される部分を生じさせるものとなる。
ところで、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、本発明編地1は、ダブルシリンダ−を備えた丸編機や2列針床の横編機によって編成することもできる。このことから明らかなように、本発明に係る本発明編地1は、筒状であること、又は筒状として編成された形体を経ることが条件付けられるものではなく、一枚ものの平編地として編成されたものでもよい。
タックコース3をはじめとする各コースにおいて、それぞれ使用する糸種は特に限定されるものではなく、例えば、タックコース3に長繊維を採用したり、その他のコースに短繊維を採用したりしてもよい。また、短繊維や長繊維として具体的に何を選択するかについても、何ら限定されるものではない。
タックコース3において、タックループ3aを設けるコース方向のピッチは何ら限定さ
れない。ただ、タックループ3aを多くすればするほど、編地厚さにボリュウムを持たせることに繋がることは言うまでもない。
プレーティング編みにおいて、地糸や添え糸は、各1本とすることが限定されるわけではない。場合によっては地糸を複数本用いたり添え糸を複数本用いたりすることができる。そのため、タックコース3のタックループ3aにより形成される多重ループについても、4重ループとすることが限定されるわけではなく、5重ループや6重ループなどの場合も実施可能である。
プレーティング編みにおいて、編地の表側や内側を特定する必要がある場合を除いては、地糸と添え糸とが寄り添う配置関係が殊更重要となるわけではない。そのため、本明細書においては、特別に、「プレーティング編み(添え糸編み)」には「交編(引き揃え編み)」を含めるものとする。
1 地厚ストレッチ編地(本発明編地)
3 タックコース
3a タックループ
3b ウエルト部
4 地糸
5 添え糸
8 ダブルニットコース
8a ループ
12 地糸
13 添え糸
15 4重ループ
17 ダブルニットコース
17a ループ
18 地糸
19 添え糸
23 ダブルニットコース
24 地糸
25 添え糸
26 ダブルニットコース
27 4重ループ
28 地糸
29 添え糸
33 シングルニットコース
33a ループ
34 地糸
35 添え糸
37 糸渡り部
40 ウエルト部だけのコース

Claims (5)

  1. 編成時に糸を走らせる方向をコース方向とおくときに、タックを含んで編成されたタックコースと、前記タックコースのタックループが被せられるコースとの少なくとも2コースが、それぞれ地糸と添え糸とを備えたプレーティングによる編組織で構成され
    前記プレーティングの編組織を構成する前記地糸及び前記添え糸は互いの収縮率に差が生じるように選出されており、前記地糸にだけ沸水収縮率が8%以上45%以下の熱収縮糸を採用していることを特徴とする地厚ストレッチ編地。
  2. 前記コース方向に交差する編み降ろし方向をウエール方向とおくときに、前記タックコースに対してウエール方向の両隣を挟む配置の2コースが、タックを不存在とする編組織で構成されていることを特徴とする請求項1記載の地厚ストレッチ編地。
  3. 前記コース方向に交差する編み降ろし方向をウエール方向とおくときに、前記タックコースがウエール方向で複数連続して配置されていることを特徴とする請求項1記載の地厚ストレッチ編地。
  4. 前記プレーティングによる編組織は前記添え糸が溶着糸とされており、前記タックコースと前記タックコースのタックループが被せられるコースとが前記溶着糸により融着又は合着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の地厚ストレッチ編地。
  5. れら地糸及び添え糸は、収縮後の形状安定時に互いのループ形体が寄り添うようになることを見こした給糸長で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の地厚ストレッチ編地。
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