JP6841463B1 - 両面編地及びそれを用いた布製品 - Google Patents

両面編地及びそれを用いた布製品 Download PDF

Info

Publication number
JP6841463B1
JP6841463B1 JP2020143193A JP2020143193A JP6841463B1 JP 6841463 B1 JP6841463 B1 JP 6841463B1 JP 2020143193 A JP2020143193 A JP 2020143193A JP 2020143193 A JP2020143193 A JP 2020143193A JP 6841463 B1 JP6841463 B1 JP 6841463B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
knitted fabric
yarn
constituting
fabric
double
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020143193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022038601A (ja
Inventor
国夫 三宅
国夫 三宅
Original Assignee
株式会社カイタックホールディングス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社カイタックホールディングス filed Critical 株式会社カイタックホールディングス
Priority to JP2020143193A priority Critical patent/JP6841463B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6841463B1 publication Critical patent/JP6841463B1/ja
Publication of JP2022038601A publication Critical patent/JP2022038601A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Knitting Of Fabric (AREA)

Abstract

【課題】編地の一方の面を粗く構成し、編地の他方の面を緻密に構成することで、編地の一方の面においては、編地に嵩高さを持たせて、ガーゼのような肌触りを実現し、クッション性と汗を吸収する能力とを向上させて、編地の他方の面においては、編地の外観をスマートに見せて、編地全体としては、編地に通気性を持たせて、編地の解れと滑脱とを生じにくくして、しかも伸縮性においても優れた両面編地と、それを用いた布製品とを提供する。【解決手段】一方の面に配される第1の編地と他方の面に配される第2の編地とを有する編地であり、第1の編地と第2の編地とは、接結糸で接結されており、第2の編地を構成する編目の大きさに比して、第1の編地を構成する編目の大きさが大きく構成されており、第1の編地は、嵩高糸で構成されており、第2の編地を構成する糸の太さに比して、第1の編地を構成する糸の太さが大きく構成された両面編地と、当該編地で構成された布製品である。【選択図】図1

Description

本発明は、生地の両面を編地とする編地とそれを用いた布製品に関する。
特許文献1には、両面を編地で構成した編地が記載されている。この編地では、表裏のうち一方をループ編に編成し、表裏のうち他方をタック編に編成する。ループ編、タック編の繰返しにより隣り合うウェールの表裏を接結し、編糸の一定数たとえば編糸5本ごとに、前記ループ編、タック編の繰返しを1ウェールずつずらして繰返しにした両面編地が記載されている。この編地では、編糸の一定数ごとに接結糸によるループ編、タック編の繰返しを1ウェールずつずらしてあるため、接結糸によるループ編み片面の度目の粗密が修正されるとされている。またタック編片面にタック編部が朱子状に規則正しく表れるとされている。この編地は、ガーゼ調の肌触りであるとされている。
実開昭56−156882号公報
柔軟な肌触りを有する布地として綿ガーゼ(以下、単にガーゼと称する。)が知られている。ガーゼは、木綿糸を漂白して目の粗い平織とした布地であり、柔軟性に富むだけでなく、通気性においても優れており、衣服の素材として用いた場合に快適性が向上する。しかしながら、ガーゼは、縫い目が荒いため、生地の縫い目において滑脱と呼ばれる現象が生じやすいという欠点がある。滑脱は、生地の縫合部分に力が加えられると、縫い目が開いてしまう現象のことである。また、ガーゼは、織布であるため、伸縮性に乏しいという欠点がある。
一方で特許文献1の生地は、編地であるため、ある程度の伸縮性を備えると推測される。しかしながら、特許文献1には、表地と裏地とで生地の緻密さを変えることは記載されていない。例えば、編地の両面を粗い編地で構成した場合は、生地の外観が粗野な印象を与える。また、例えば、生地の両面を緻密な編地で構成した場合は、生地の外観はスマートなものになるが、生地の嵩が小さくなり、肌触り、クッション性、通気性、汗を吸収する能力が損なわれてしまう。
また、スウェットやトレーナーなどの生地として、生地の裏面にパイルを形成し、生地の表面は平編としたものが知られている。このような生地では、生地の裏面に配されたパイル糸と、生地の表面を形成する平編組織とが接結糸により連結されているに過ぎない。パイル糸は、接結糸を介して、表側の平編組織に固定されているだけなので、平織組織を構成する糸が破断するなどして解れると、それに連動して、接結糸とパイル糸とが解れるという問題があった。
本発明は、編地の一方の面を粗く構成し、編地の他方の面を緻密に構成することで、編地の一方の面においては、編地に嵩高さを持たせて、ガーゼのような肌触りを実現し、クッション性と汗を吸収する能力とを向上させて、編地の他方の面においては、編地の外観をスマートに見せて、編地全体としては、編地に通気性を持たせて、編地の解れと滑脱とを生じにくくして、しかも伸縮性においても優れた両面編地と、それを用いた布製品とを提供することを目的とする。
一方の面に配される第1の編地と、他方の面に配される第2の編地とを有する編地であり、第1の編地と第2の編地とは、接結糸で接結されており、第2の編地を構成する編目の大きさに比して、第1の編地を構成する編目の大きさが大きく構成されており、第1の編地は、嵩高糸で構成されており、第2の編地を構成する糸の太さに比して、第1の編地を構成する糸の太さが大きく構成された両面編地と、当該編地で構成された布製品により、上記の課題を解決する。この両面編地では、一方の面に配される第1の編地は、編目が大きく、比較的に太い嵩高糸で構成されるため、ガーゼのように、嵩高く、クッション性を備えており、汗を吸収しやすい。第1の編地は、編目が大きく、太い糸で構成されているため、編地が肌に密着しにくく、通気性に優れている。第2の編地は、緻密であるが編地であるので、第1の編地の通気性を損なわない。このため編地全体として優れた通気性を発揮する。他方の面に配される第2の編地は、編目が小さく、比較的に細い糸で構成されているため、編目が目立たずスマートな外観となる。第1の編地と、第2の編地とは、別々の糸で編成されており、接結により一体化されているため、第1の編地及び第2の編地のうち一方が破損したり解れたりしても、他方の編地が解れたり破損したりしにくい。また、第2の編地は、第1の編地に比して、緻密に構成され、第1の編地と第2の編地とは接結されているため、第1の編地と第2の編地とを構成する糸がずれにくく、滑脱が生じにくくなっている。また、両面編地は、生地全体が編物であるため、織布に比して、伸縮性において優れる。
上記の両面編地において、第1の編地を構成する糸、第2の編地を構成する糸、及び接結糸は、何れも綿糸で構成することが好ましい。これにより、第1の編地に綿ガーゼのような肌触り、クッション性、通気性、吸汗性能を付与し、第2の編地は綿を構成材としながらも綿ガーゼとは異なる緻密な外観とすることができる。また、織物で構成された綿ガーゼとは異なり、生地は第1の編地と第2の編地とで構成されているので、織物で構成された綿ガーゼに比して、糸が滑脱したり、糸がずれたりしにくく、綿ガーゼよりも高い耐久性を発揮し、しかも伸縮性にも富んだものにすることができる。この構成では、生地が綿100%で構成されるため、従来の綿ガーゼのユーザーは、抵抗感なく両面編地を使用することができる。
上記の両面編地において、第1の編地を構成する嵩高糸としては、例えば、無撚糸、甘撚糸、20番手若しくは20番手よりも径が太いコーマ糸、又はカード糸を使用することができる。生地の他方の面を表として使用すれば、従来の綿ガーゼに比して、よりスマートな外観、デザインとすることができる。
上記の両面編地において、第2の編地を構成する糸としては、例えば、超長綿の糸、レーヨンの糸、絹糸、又はポリエステル製若しくはナイロン製のモノフィラメント糸を使用することができる。
上記の両面編地において、第1の編地を構成する糸は、単糸又は撚り係数0.1〜3.6の双糸であることが好ましい。単糸であれば、糸が備える嵩高さをそのまま活かすことができる。双糸であっても、撚りを強くかけないようにすることで、糸が備える嵩高さを減殺せずに、糸のボリュームを増加させることができる。
本発明によれば、編地の一方の面を粗く構成し、編地の他方の面を緻密に構成することで、編地の一方の面においては、編地に嵩高さを持たせて、ガーゼのような肌触りを実現し、クッション性と汗を吸収する能力とを向上させて、編地の他方の面においては、編地の外観をスマートに見せて、編地全体としては、編地に通気性を持たせて、編地の解れと滑脱とを生じにくくして、しかも伸縮性においても優れた両面編地と、それを用いた布製品とを提供することができる。
両面編地の一実施形態の構成図である。 図1の第1の編地を上方から見た図である。 図1の第2の編地を上方から見た図である。 図1の両面編地が肌に接触した状態を示す断面図である。 実施例1に係る両面編地の表側の写真である。 実施例1に係る両面編地の裏側の写真である。 実施例2に係る両面編地の表側の写真である。 実施例2に係る両面編地の裏側の写真である。 実施例2に係る両面編地の接結部分を示す写真である。
以下、本発明の両面編地の好適な実施形態について説明する。以下に示す両面編地は、一例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の両面編地1では、図1ないし図3に示したように、一方の面に配される第1の編地11が第2の編地12に比して、粗大に構成されている。他方の面に配される第2の編地12は、第1の編地11に比して、緻密に構成されている。
粗大に構成される第1の編地11は、図2及び図3に示したように、第2の編地12を構成する編目の大きさBに比して、第1の編地11を構成する編目の大きさAが大きくなるように構成されている。一方、緻密に構成される第2の編地12は、第1の編地11を構成する編目の大きさAに比して、第2の編地12を構成する編目の大きさBが小さくなるように構成されている。
粗大に構成される第1の編地11を構成する糸の太さは、緻密に構成される第2の編地12を構成する糸の太さに比して、大きくなるように構成されている。一方、緻密に構成される第2の編地12を構成する糸の太さは、粗大に構成される第1の編地11を構成する糸の太さに比して、小さくなるように構成されている。粗大に構成される第1の編地11は、嵩高糸で構成される。
以上のように構成された第1の編地11と、第2の編地12とは、図1に示したように、複数の接結糸13により、互いに接結されて、一枚の生地とされる。
本実施形態の両面編地は、上記のような構成を備えるため、第2の編地12においては、生地の外観がガーゼ調ではない、スマートなものとなる。一方、第1の編地11においては、ガーゼのような、嵩高さと、肌触りと、クッション性と、汗を吸収する能力とを持たせることができる。両面編地は、両面が編地となっているため、従来の表面が編地で裏面がパイル地となっている生地とは異なり、例えば、一方の編地を構成する糸が切れたとしても、その影響が他方の編地に波及せず、生地が伝線するように破損することを防止することができるので耐久性において優れる。第1の編地11は、上述のように、粗大に構成されており、第2の編地12は、通気性を損なうような構成ではないため、両面編地1は全体として、優れた通気性を発揮する。また、両面編地は、生地全体が編物で構成されているため、伸縮性において優れる。
従来のガーゼのように、生地の織目が大きく、生地を構成する糸が太い場合、ガーゼの生地を構成する織布の縦糸又は横糸の位置がずれたり、縦糸又は横糸が滑脱したりすることがあった。本実施形態の両面編地では、第1の編地を構成する糸は、第2の編地に対して、接結糸によって、固定されているので、第1の編地を構成する糸と第2の編地を構成する糸の位置が大きくずれたり、糸が滑脱したりしにくくなっている。
第1の編地11は、編目が大きく、糸が太く、かつ嵩高糸で編目が構成されているため、両面編地を衣服用の生地として用いた場合は、図4に示したように、第2の編地12に比して大きな編目を構成する第1の編地11のループの端部が肌に触れる。編目を構成する連続する糸の一方の部分131と他方部分132との間に空隙133が形成され、この空隙の部分では、両面生地を肌に押さえつけるなどしない限りは、両面編地と着用者の肌とが直接触れにくくなっている。このため、発汗した際に両面編地1が肌にまとわりつきにくく、通気性が良好である。
本実施形態の両面編地1では、第1の編地11の編目を構成する連続する糸の一方の部分131と他方の部分132とは、比較的に太い嵩高糸で構成されているため、発汗した際に糸131、132が汗を吸収しやすい。細糸であると糸の体積が小さいため、少量の汗しか吸収できないが、嵩の高い太糸であれば、糸の体積と糸を構成する繊維間の空隙の体積が大きいため、比較的に多量の汗を吸収することができる。
上記の実施形態に係る両面編地1では、第1の編地11、及び第2の編地12は、共に、平編(天竺編)で構成した。編地の組織は、第1の編地、及び第2の編地、共に限定されない。例えば、第1の編地、又は第2の編地は、平編、ゴム編、パール編、シングルトリコット編、シングルコード編、又はシングルアトラス編などの組織にすることができる。
第1の編地を構成する嵩高糸は、第2の編地を構成する糸に比して、嵩が高い糸であればよい。嵩高糸としては、例えば、無撚糸、甘撚糸、又はカード糸など糸の繊維が毛羽立っているものを使用することができる。毛羽が比較的に少ない糸であっても20番手若しくは20番手よりも径が太いコーマ糸であれば、嵩高さが得られる。無撚糸、甘撚糸、カード糸、20番手若しくは20番手よりも径が太いコーマ糸を採用する場合は、糸の嵩高さを活かすために単糸又は撚り係数が0.1〜3.6の双糸を使用することが好ましい。単糸であれば、糸が備える嵩高さをそのまま活かすことができる。双糸の場合は、撚りを強くかけないようにすることによって、糸が備える嵩高さが減殺されることを防いで、糸のボリュームを増加させることができる。無撚糸、又は甘撚糸は、摩擦等により糸を構成する繊維が脱落し、両面編地が痩せやすい。コーマ糸又はカード糸は、比較的に、摩擦によって糸を繊維が脱落しにくいため、両面編地において好適に使用することができる。
無撚糸、又は甘撚糸としては、例えば、以下で求められる撚係数が0〜3.6、又は0〜3.0のものを好適に使用することができる。以下の式において、Aは糸の番手であり、Bは1インチ当たりの撚り回数を示す。
第2の編地を構成する糸は、第1の編地を構成する糸よりも糸の太さが小さいものであればよい。これにより、第2の編地の緻密に構成し、第2の編地の外観をスマートなものにすることができる。第2の編地を構成する糸としては、光沢感のある糸、毛羽立ちが少ない糸、又は摩擦係数の小さい糸を使用することが好ましい。これによって、第2の編地に光沢感を持たせたり、第2の編地を摩擦係数の小さい指滑りのよい生地にしたり、摩擦により毛玉や毛羽立ちの発生を抑制することで、第2の編地をさらにスマートなものにすることができる。そのような糸としては、例えば、超長綿の糸、レーヨンの糸、絹糸、又はポリエステル製若しくはナイロン製のモノフィラメント糸等が挙げられる。
第1の編地を構成する嵩高糸、第2の編地を構成する糸、又は接結糸を構成する糸は、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなどの合成樹脂製の糸であってもよいし、綿、絹、麻などの天然素材で構成した糸であってもよい。
例えば、第1の編地を構成する嵩高糸、及び接結糸を構成する糸は、綿糸とし、第2の編地を構成する糸は、上記のモノフィラメント糸、又は絹糸などの光沢を有する糸を使用することで、第1の編地には、綿ガーゼのような風合いを付与し、第2の編地は光沢感のある風合いを付与することができる。
例えば、第1の編地を構成する嵩高糸、第2の編地を構成する糸、及び接結糸は、何れも綿糸とすることで、第1の編地に綿ガーゼのような肌触り、クッション性、通気性、吸汗性能を付与し、第2の編地は面を構成材としながらも綿ガーゼとは異なる緻密な外観とすることができる。また、織物で構成された綿ガーゼとは異なり、生地は第1の編地と第2の編地とで構成されており、互いに接結されているので、織物で構成された綿ガーゼに比して、糸が滑脱したり、糸がずれたりしにくく、綿ガーゼよりも高い耐久性を発揮し、しかも伸縮性にも富んだものにすることができる。この構成では、生地が綿100%で構成されるため、従来の綿ガーゼのユーザーは、抵抗感なく両面編地を使用することができる。
第1の編地を構成する糸、及び第2の編地を構成する糸として、共に綿糸を使用する構成であれば、第1の編地を構成する糸としては、例えば、10〜30番手の綿糸を好適に使用することができる。また、第2の編地を構成する糸としては、30〜60番手の綿糸を好適に使用することができる。ただし、第1の編地を構成する糸の番手と、第2の編地を構成する糸の番手は、重複しないものとする。
第1の編地と第2の編地とを接結する接結糸は、第1の編地を構成する糸又は第2の編地を構成する糸を利用してもよい。しかしながら、第1の編地の糸と第2の編地を構成する糸とは、別の糸を接結糸とすることが好ましい。第1の編地を構成する糸又は第2の編地を構成する糸を接結糸として利用する構成では、例えば、第1の編地又は第2の編地が損耗した際に、接結部分に影響が及び、第1の編地と第2の編地とが剥離することがある。接結糸を、第1の編地の糸と第2の編地を構成する糸とは、別の糸で構成することにより、第1の編地又は第2の編地が損耗した際に、その影響が接結糸に及びにくくすることができる。
第1の編地を構成する編目の大きさAは、例えば、0.2〜5.0mmとすることができる。また、第2の編地を構成する編目の大きさBは、例えば、0.01〜1.0mmとすることができる。
両面編地は、耐久性に優れており、クッション性、通気性、及び吸汗性に優れているため、寝巻若しくはルームウェアなどの衣服、ハンカチ、又はマスクなど、種々の布製品に多用途に使用することができる。
以下、本発明の両面編地の実施例を挙げて説明する。以下に示す両面編地は、一例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施例に限定されるものではない。
[実施例1](ポリエステル糸、綿糸を使用した生地)
第1の編地の糸として、20番手のカード糸の単糸を使用し、第2の編地の糸として、84dtexのポリエステルのマルチフィラメント糸を使用して二重組織からなる両面編地を編製した。接結糸は、第2の編地を構成する糸を利用した。接結糸は、第1の編地と第2の編地とは、独立した糸である。第1の編地と第2の編地とは、ウェール方向及びコース方向に、50mmずつの間隔を空けて複数の接結糸が第2の編地にわずかに現れるように、接結糸で接結するようにした。
第1の編地及び第2の編地は、共に平編組織である。第1の編地の編目の大きさAは、0.5mmであり、第2の編地の編目の大きさBは、0.1mmである。
実施例1に係る両面編地の表面及び裏面の写真を図5及び図6に示す。
[実施例2](超長繊維糸、カード糸を使用した生地)
第1の編地の糸として、20番手のカード糸の単糸を使用し、第2の編地の糸として、60番手の超長繊維糸の単糸を使用し、二重組織からなる両面編地を編製した。接結糸は、第2の編地を構成する糸を利用した。接結糸は、第1の編地と第2の編地とは、独立した糸である。第1の編地と第2の編地とは、ウェール方向及びコース方向に、5mmずつ間隔を空けて複数の接結糸が第2の編地にわずかに現れるように、接結糸で接結するようにした。
第1の編地及び第2の編地は、共に平編組織である。第1の編地の編目の大きさAは、0.7mmであり、第2の編地の編目の大きさBは、0.05mmである。
実施例2に係る両面編地の表面及び裏面の写真を図7及び図8に示す。また、実施例2に係る両面編地の第1の編地と第2の編地とを引き剥がして、両者の接結部分の構造を接写した写真を図9に示す。
[比較例]
縦糸及び横糸に綿の甘撚糸を使用した二重組織を作製し、これを比較例1とした。なお、二重組織は、表側の組織、裏側の組織は共に平織であり、1インチ当たりの打ち込み密度の粗いガーゼと同様の組織とした。
実施例1の両面編地、実施例2の両面編地、又は比較例の二重組織を使用して、パジャマとルームウェアとを作製して、性能を評価した。実施例1及び実施例2の両面編地に関しては、粗な面である第1の編地が肌側となり、緻密な面である第2の編地が外側となるように縫製した。
実施例1に係る両面編地を使用して縫製したパジャマ及びルームウェアは、表側は光沢感があってツルツルとした質感があり、スマートで高級感がある外観であった。布団とパジャマとの摩擦が少なく、楽に寝返りを行うことができた。裏側は、ガーゼ調の外観とガーゼ調の質感を備えるものであった。
実施例2に係る両面編地を使用して縫製したパジャマ及びルームウェアは、表側は毛羽立ちが少ない緻密な綿の編地でありスマートで高級感がある外観であった。裏側は、ガーゼ調の外観とガーゼ調の質感を備えるものであった。
実施例1又は実施例2の生地を使用して作製したパジャマとルームウェアは、裏地が共にガーゼのような外観である。これらのパジャマ又はルームウェアを着用した状態では、ガーゼを肌に当てたときの肌触りであり、クッション性に富んだ着心地であった。発汗した際には、第の編地の編目を構成する嵩高糸に汗が迅速に吸収されるため、肌と第の編地との間でべたつきを感じるようなことはなかった。また、第の編地の編目を構成する糸の間に空隙が存在しているため、夏は通気性がよく、蒸れるような感じがなかった。冬は保温性に優れており、温かく感じた。
実施例1又は実施例2の生地で作製したパジャマとルームウェアとを繰り返し洗濯したが、洗濯時の摩擦により緻密な編地である第の編地に毛玉や毛羽立ちが生じることはなかった。ガーゼ調である第の編地では、編目を構成する糸がずれたり、生地の縫合部分において滑脱したりすることはなかった。これに対して、比較例に係る布地で作製したパジャマとルームウェアでは、布を構成する糸にずれが生じたり、生地の縫合部分において滑脱が生じた。そこで、滑脱を抑える目的で、生地の縫合部分に折り伏せ縫いを施したが、縫合部分において生地が硬くなって、着心地が損なわれる結果となった。

実施例1又は実施例2の生地で作製したパジャマとルームウェアの生地をカッターナイフで傷つけて、第2の編地を引っ張ってみたところ、第2の編地の損傷が第1の編地に波及して、第1の編地が損傷するといったことは生じず、完全に孔があくということはなかった。
実施例1又は実施例2の生地で作製したパジャマとルームウェアとは、伸縮性に富んでおり、膝や肘を曲げ伸ばしする動作や屈む動作を行う際に、両目編地が追従するように伸縮し、快適な着心地であった。ルームウェアの場合は、関節の曲げ伸ばしを行う動作や、屈む動作などを頻繁に行うし、ソファに横臥したりする動作なども行う。このような動作を行っても両面編地が追従するように伸縮することに加えて、生地がクッション性に富んでいるので、非常に快適であった。
これに対して、比較例に係る生地で作製したパジャマとルームウェアとは、膝や肘を曲げ伸ばしする動作や屈む動作を行う際に、生地が追従するように伸縮するといったことはなく、快適性という点において、実施例1又は実施例2の生地で作製したパジャマとルームウェアよりも劣るものであった。
1 両面編地
11 第1の編地
12 第2の編地
13 接結糸
A 第1の編地の編目
B 第2の編地の編目

Claims (3)

  1. 一方の面に配される第1の編地と、
    他方の面に配される第2の編地とを有する編地であり、
    第1の編地と第2の編地とは、接結糸で接結されており、
    第2の編地を構成する編目の大きさに比して、第1の編地を構成する編目の大きさが大きく構成されており、
    第1の編地は、嵩高糸で構成されており、
    第2の編地を構成する糸の太さに比して、第1の編地を構成する糸の太さが大きく構成されており、
    第1の編地を構成する嵩高糸、第2の編地を構成する糸、及び接結糸は、何れも綿糸であり、
    第1の編地を構成する嵩高糸は、無撚糸、甘撚糸、20番手若しくは20番手よりも径が太いコーマ糸、又はカード糸であり、
    第2の編地を構成する糸は、綿糸であり、第1の編地を構成する糸に比して、光沢感のある糸、毛羽立ちが少ない糸、又は摩擦係数の小さい糸である両面編地で構成された衣服であり、
    第1の編地が肌側となり、第2の編地が外側となる衣服
  2. 第2の編地を構成する糸は、超長綿の糸である請求項1に記載の衣服
  3. 第1の編地を構成する糸は、単糸又は撚り係数0.1〜3.6の双糸である請求項1又は2に記載の衣服
JP2020143193A 2020-08-27 2020-08-27 両面編地及びそれを用いた布製品 Active JP6841463B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143193A JP6841463B1 (ja) 2020-08-27 2020-08-27 両面編地及びそれを用いた布製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143193A JP6841463B1 (ja) 2020-08-27 2020-08-27 両面編地及びそれを用いた布製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6841463B1 true JP6841463B1 (ja) 2021-03-10
JP2022038601A JP2022038601A (ja) 2022-03-10

Family

ID=74845262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020143193A Active JP6841463B1 (ja) 2020-08-27 2020-08-27 両面編地及びそれを用いた布製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6841463B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022038601A (ja) 2022-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2020158898A1 (ja) 緯編地
JP5994036B1 (ja) ビジネスシャツ用編地
JP6824612B2 (ja) 衣服
JPH07138850A (ja) 伸縮性二重丸編地の製造方法および伸縮性二重丸編地
JP7441670B2 (ja) 合成皮革
JP6841463B1 (ja) 両面編地及びそれを用いた布製品
CN214137665U (zh) 一种双面立体夹层复合面料
JP4210062B2 (ja) 伸縮性経編地
CN211665278U (zh) 一种遮光弹性服饰面料
JP2005187960A (ja) 伸縮性経編地及びそれを用いた衣料
JP6378556B2 (ja) 衣料品
WO2020017194A1 (ja) 衣服
JP6845030B2 (ja) 経編地
JP6806369B2 (ja) 起毛生地及びそれを使用してなる衣服
JP6767932B2 (ja) 経編地及び衣類
JP2007230086A (ja) 積層体およびクッション材
JP4635039B2 (ja) 伸縮性経編地
JP4317481B2 (ja) 厚手伸縮性経編地とその製造方法
CN217047810U (zh) 一种抗皱型针织布
JP6681637B1 (ja) 布地及び布製品
CN216088946U (zh) 一种外穿塑形裤
JP2985214B2 (ja) クッション材
JP6979106B2 (ja) ビジネスシャツ用編地及びビジネスシャツ
JP2006257588A (ja) 伸縮性経編地とその製造方法
JP3099314U (ja) 竹繊維含有強撚糸及び布地

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200831

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200831

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6841463

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250