本出願は、2015年11月30日出願の米国特許仮出願第62/260792号のアメリカ合衆国法典第35巻「特許法」第119条に基づく優先権の恩恵を主張するものであり、この内容は、その全体に依存され、その全体が引用により本明細書に組み入れられる。
本明細書で開示された実施形態は、ガラスリドローシステムを使用してプリフォームガラス板を減衰するシステムおよび方法を含む。一部の実施形態において、ガラスリドローシステムは、炉入口と炉出口との間に延びる炉チャンネルを有する炉筐体を有するリドロー炉、および、複数の加熱ユニットが熱を炉チャンネルへ出力することができるように炉筐体に結合された複数の加熱ユニットを含む。一部の実施形態において、ガラスリドローシステムは、炉チャンネルを貫通して延び、炉入口と回収ユニットとの間に延びるリドロー経路をさらに含む。一部の実施形態において、リドロー炉は、1つ以上の減衰加熱ユニットを有する減衰領域を含む複数の炉領域をさらに含む。操業時、複数の加熱ユニットが熱を炉チャンネルへ出力するとき、1つ以上の減衰加熱ユニットは、炉筐体に結合された他の加熱ユニットよりも高い温度で熱を出力し、リドロー経路を横切るプリフォームガラス板が、減衰領域内の軟化温度まで加熱し、一部の実施形態において、粘度がプリフォームガラス板を再成形することを可能にするのに十分に増加する温度の範囲内の温度まで加熱することができるようになっており、プリフォームガラス板は、軟化温度を多少下回る温度であってもよい。ガラスリドローシステムは、プリフォームガラス板を炉チャンネル内に吊り下げるガラス供給システム、および、プリフォームガラス板の厚さを減衰するためにプリフォームガラス板に係合してプリフォームガラス板を案内して炉筐体を通過させて垂直張力を印加するようにリドロー経路に沿って位置決めされた複数のローラ組立体をさらに含む。ガラスリドローシステムを使用してプリフォームガラス板を減衰する様々なシステムおよび方法を、対応する図面に特に参照して本明細書でより詳細に説明する。
本明細書で使用するとき、「長手方向」という用語は、ガラスリドローシステムの前方から後方への厚さ方向を指し、例えば、長手方向は、本明細書で説明されているリドロー炉の第1および第2の表面壁間に延び、プリフォームガラス板がリドロー経路を横切っているときに(すなわち、図示する+/−Y方向に)プリフォームガラス板の第1および第2の表面間に延びる。「横方向」という用語は、ガラスリドローシステムの前方から後方への幅方向を指し、例えば、横方向は、本明細書で説明されているリドロー炉の第1および第2の縁壁間に延び、プリフォームガラス板がリドロー経路を横切っているときに(すなわち、図示する+/−X方向に)プリフォームガラス板の第1および第2の縁部間に延び、長手方向に対して横方向である。「垂直方向」という用語は、ガラスリドローシステムの上下方向(すなわち、図示する+/−Z方向に)を指し、横方向および長手方向に対して横方向である。
図1をここで参照すると、ガラスリドローシステム100が、リドロー炉200、供給ユニット310および複数のローラ組立体330を含むリドロー駆動システム300、および、回収ユニット400を備えると示されている。リドロー経路102は、リドロー炉200を貫通して、例えば、炉チャンネル216を貫通して延びて回収ユニット400で終了する。本明細書で使用するとき、「下流側」および「上流側」は、リドロー経路102に沿った構成要素の相対位置を示す比較用語である。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素よりもリドロー経路102に沿って回収ユニット400に近い場合、第1の構成要素は第2の構成要素の「下流側に」あり、第2の構成要素は、第1の構成要素の「上流側に」ある。操業中、プリフォームガラス板110が、リドロー炉200を通ってリドロー経路102に沿って搬送方向104に進んでもよく、リドロー炉200は、プリフォームガラス板110を加熱する。さらに、リドロー駆動システム300は、プリフォームガラス板110に係合して、ガラスを炉入口230と回収ユニット400との間でリドロー経路102に沿ってプリフォームガラス板110から並進させてもよい。そこから引き出されたプリフォームガラス板110およびガラスがリドロー炉によって加熱されるとき、結果として得られるガラス板(図2)の厚さTおよび幅Wは、リドロー駆動システム300によって印加される引張力によって変更してもよい。
図2をここで参照すると、プリフォームガラス板110は、任意の例示のガラス板、例えば、ソーダ石灰ガラス、溶融シリカガラス、ニューヨーク州コーニングのCorning Incorporatedから販売される、「Corning社」Gorilla(登録商標)ガラス(例えば、「Corning社」コード2319)、「Corning社」EAGLE XG(登録商標)、「Corning社」Lotus(登録商標)ガラスなどを含んでもよい。プリフォームガラス板110は、任意のガラス製造法、例えば、ヒュージョンドロー法、スロットドロー法、ダウンドロー法、アップドロー法、フロート法などを使用して形成してもよい。プリフォームガラス板110は、第2の表面114の反対側の第1の表面112、および、第2の縁部118の反対側の第1の縁部116を備える。第1および第2の表面112、114は、第1および第2の縁部116、118間に延び、一部の実施形態において、各々、実質的に平面である。プリフォームガラス板110は、第1の縁部116と第2の縁部118の間で実質的に中間に位置決めされた側方の中心115も含む。プリフォームガラス板110の厚さTは、第1の表面112と第2の表面114との間で長手方向に測定されてもよく、プリフォームガラス板110の幅Wは、第1の縁部116と第2の縁部118との間で横方向に測定されてもよい。プリフォームガラス板110は、任意のガラス組成および任意のサイズを備えてもよいことを理解すべきである。さらに、プリフォームガラス板110は、以下で説明するように、リドロー炉200の炉チャンネル216にプリフォームガラス板110を導入するために繰り出されてもよいスプール内に形成されてもよい。さらに、プリフォームガラス板110は、2つ以上の積層ガラス層を備える合わせガラス板であってもよい。
一部の実施形態において、ガラスがリドロー経路102を横切るためにプリフォームガラス板110から引き出される前、プリフォームガラス板110の厚さTは、約0.1mmから約5mmまでである。プリフォームガラス板110から引き出されてリドロー経路を横切るガラスは、厚さ約10μmから約500μmまで、例えば、約10μmから約480μmまで、約10μmから約460μmまで、約10μmから約440μmまで、約10μmから約420μmまで、約10μmから約400μmまで、約10μmから約380μmまで、約10μmから約360μmまで、約10μmから約340μmまで、約10μmから約320μmまで、約10μmから約300μmまで、約10μmから約280μmまで、約10μmから約260μmまで、約10μmから約240μmまで、約10μmから約220μmまで、約10μmから約200μmまで、約10μmから約180μmまで、約10μmから約160μmまで、約10μmから約140μmまで、約10μmから約120μmまで、約10μmから約100μmまで、約10μmから約80μmまで、約10μmから約60μmまで、約10μmから約40μmまで、約10μmから約20μmまで、約20μmから約500μmまで、約40μmから約500μmまで、約60μmから約500μmまで、約80μmから約500μmまで、約100μmから約500μmまで、約120μmから約500μmまで、約140μmから約500μmまで、約160μmから約500μmまで、約180μmから約500μmまで、約200μmから約500μmまで、約220μmから約500μmまで、約240μmから約500μmまで、約260μmから約500μmまで、約280μmから約500μmまで、約300μmから約500μmまで、約320μmから約500μmまで、約340μmから約500μmまで、約360μmから約500μmまで、約380μmから約500μmまで、約400μmから約500μmまで、約400μmから約500μmまで、約420μmから約500μmまで、約440μmから約500μmまで、約460μmから約500μmまで、約480μmから約500μmまで、約20μmから約480μmまで、約40μmから約460μmまで、約60μmから約440μmまで、約80μmから約420μmまで、約100μmから約400μmまで、約120μmから約380μmまで、約140μmから約360μmまで、約160μmから約340μmまで、約180μmから約320μmまで、約200μmから約300μmまで、約220μmから約280μmまで、約240μmから約260μm、約25μm、50μm、100μm、200μmまでなどを有してもよい。例えば、ガラスがリドロー経路102を横切るためにプリフォームガラス板110から引き出される前のプリフォームガラス板110の厚さTは、プリフォームガラス板110から引き出されてリドロー経路102を横切るガラスの厚さTの大きさの約5倍から約15倍までである。さらに、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスの幅Wは、ガラスがリドロー経路102を横切るときに変更してもよい。
図1および図3をここで参照すると、リドロー炉200は、第2の表面壁224に対向する第1の表面壁222と、第2の縁壁228に対向する第1の縁壁226と、第1および第2の表面壁222、224と第1および第2の縁壁226、228との間に位置決めされた炉チャンネル216とを有する炉筐体210を備える。一部の実施形態において、炉筐体210は、1つ以上の断熱材料、例えば、アルミナ−シリカ、シリカ、ジルコニアベースの繊維ボード、シリカブロック、ムライトブロック、石英、高い軟化温度を有するガラスセラミックなどを備えてもよい。炉筐体210は、リドロー炉200の入口端部212に位置決めされた炉入口230、および、リドロー炉200の出口端部214に位置決めされた炉出口232をさらに含む。操業時、炉筐体210は、リドロー炉200内の制御環境を維持することを助けてもよい。例えば、一部の実施形態において、炉筐体210は、クリーンルームおよび/または不活性ガス雰囲気をその中に備える。
リドロー経路102は、炉チャンネル216を貫通して延びて回収ユニット400で終了する。操業時、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスは、リドロー炉200を通って搬送方向104にリドロー経路102に沿って進んでもよい。プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスがリドロー経路102に沿って炉筐体210を通って進むとき、プリフォームガラス板110の第1の表面112からのガラスは、第1の表面壁222に対向してもよく、第2の表面114からのガラスは、第2の表面壁224に対向してもよく、第1の縁部116からのガラスは、第1の縁壁226に対向してもよく、第2の縁部118からのガラスは、第2の縁壁228に対向してもよい。プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスは、リドロー経路102を特定の配向で横切ると説明されているが、そのようなことが当てはまる必要はなく、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスは、リドロー経路102を横切っている間に異なる配向を有してもよいことを理解すべきである。
図3に示されているように、リドロー炉200は、それぞれ、炉入口230および炉出口232を覆うために炉筐体210と各々取り外し可能に係合可能な仮設炉入口カバー234および仮設炉出口カバー236も備えてもよい。操業時、仮設炉入口カバー234および仮設炉出口カバー236は、予熱プロセス中に、例えば、プリフォームガラス板110が炉チャンネル216へ導入される前に炉筐体210と係合されてもよい。予熱プロセス後、仮設炉入口カバー234は、供給ユニット310が炉入口230でリドロー炉200に係合して炉チャンネル216にプリフォームガラス板110を導入することができるように取り外されてもよい。供給ユニット310がリドロー炉200と係合すると、仮設炉出口カバー236は取り外されてもよく、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスは、リドロー経路102を横切って炉出口232を通って炉チャンネル216を出てもよいようになっている。
図1および図4をここで参照すると、リドロー炉200は、複数の炉領域240、例えば、ステージング領域242、予熱領域244、減衰領域246、および、アニール領域248を備える。一部の実施形態において、1つ以上の加熱ユニット250a、250bは、予熱領域244、減衰領域246、およびアニール領域248内で、炉筐体210の各部に結合されてもよい。例えば、1つ以上の加熱ユニットは、第1の表面壁222に結合されて第1の表面壁222に沿って垂直に離間された第1の複数の加熱ユニット250a、および、第2の表面壁224に結合されて第2の表面壁224に沿って垂直に離間された第2の複数の加熱ユニット250bを備えてもよい。図1に示されているように、第1の複数の加熱ユニット250aの個々の加熱ユニット(252a、245a、256a、258a、260a、262a、264a)および第2の複数の加熱ユニット250bの個々の加熱ユニット(252b、254b、256b、258b、260b、262b、264b)は、それぞれ、第1および第2の表面壁222、224に沿って共通の垂直位置に位置決めされてもよく、互いに対向してもよい。第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bは、各々、熱を炉チャンネル216へ出力するように位置決めされて構造的に構成されている。操業中、プリフォームガラス板110が炉チャンネル216内に位置決めされるとき、および、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスがリドロー経路102を横切っているとき、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bによる熱出力は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスの厚さTの減衰を容易にするためにプリフォームガラス板110の温度およびそこから引き出されたガラスの温度を変更してもよい。
ガラスリドローシステム100は、図5に概略的に示されているように、リドローシステム制御装置150をさらに備えてよい。リドローシステム制御装置150は、任意の例示のコンピューティングデバイスを備えてよく、情報を受信して、機械可読指示を、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または、機械可読指示を記憶することができる任意の装置を備える1つ以上のメモリーモジュール156から、機械可読指示に1つ以上のプロセッサ152がアクセスすることができるように実行するように構成された任意の処理部を含む1つ以上のプロセッサ152を備えてよい。1つ以上のプロセッサ152の各々は、制御装置、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または、任意の他のコンピューティングデバイスであってよい。
さらに、1つ以上のプロセッサ152および1つ以上のメモリーモジュール156が、通信経路154に結合されている。本明細書で使用するとき、「通信上結合された」という用語は、結合された構成要素は、データ信号を互いと、例えば、電気信号を導電媒体を介して、電磁信号を空気を介して、光信号を光導波管を介してなどをやりとりすることができることを意味する。したがって、通信経路154は、信号を送信することができる任意の媒体、例えば、導線、導電細線、光導波管などから形成されてもよい。一部の実施形態において、通信経路154は、無線信号、例えば、WiFi、ブルートゥース(登録商標)などの送信を容易にしてもよい。さらに、通信経路154は、信号を送信することができる媒体の組み合わせから形成されてもよい。
図5を尚も参照すると、リドローシステム制御装置150は、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bの各々を含め、リドロー炉200に、供給ユニット310および複数のローラ組立体330を含め、リドロー駆動システム300に、および、回収ユニット400に通信上結合されてもよく、信号を各々に、例えば、通信経路154に沿って送受信してもよい。さらに、リドローシステム制御装置150は、信号を、1つ以上のメモリーモジュール156内に記憶された指示に基づいて、および/または、リドローシステム制御装置150によって受信された、例えば、1つ以上のユーザ入力装置158、例えば、触覚型または可聴入力デバイスによって受信されたユーザ入力に応答して提供してもよい。例えば、リドローシステム制御装置150は、例えば、炉チャンネル216内の温度を制御するために、複数の加熱ユニット250a、250bの各個の加熱ユニットによって出力される熱量を制御するために、通信信号を第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bに提供してもよい。
理解しやすいように、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bおよび炉領域240を、第1の表面壁222に沿って位置決めされている第1の複数の加熱ユニット250aに関して以下でさらに詳細に説明する。複数の第1の加熱ユニット250aの各個の加熱ユニットの説明は、例えば、図1に示されているように第1の複数の加熱ユニット250aのそれぞれの個々の加熱ユニットとして共通の垂直位置に位置決めされた第2の複数の加熱ユニット250bの対応する個々の加熱ユニットに適用されることを理解すべきである。
図4を再び参照すると、第1の複数の加熱ユニット250aの各個の加熱ユニットは、各個の加熱ユニットに沿って横方向に隣接して位置決めされた複数の発熱体250a’をさらに備える。操業時、第1の複数の加熱ユニット250aの各発熱体250a’は、熱を制御可能かつ可変の温度で、例えば、リドローシステム制御装置150から受信された信号に応答して出力するように構成されてもよい。一部の実施形態において、個々の加熱ユニットの発熱体250a’は、熱を均一に出力してもよく、一部の実施形態において、各加熱ユニット250aの各発熱体250a’は、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスがリドロー経路102を横切るときにプリフォームガラス板110(図2)ならびにプリフォームガラス板110から引き出されたガラスの第1および第2の表面112、114の長手方向に隣接する部分が第1の縁部116と第2の縁部118との間で個別の位置で異なる温度に加熱されるように熱を可変的に出力してもよい。さらに、発熱体250a’は、任意の例示の加熱装置、例えば、抵抗加熱器、例えば、二珪化モリブデン加熱器、誘導加熱器またはその組み合わせを含んでもよい。
図1および図4をここで参照すると、ステージング領域242は、炉入口230と予熱領域244との間で炉入口230近傍に位置決めされてもよい。ステージング領域242において、炉筐体210は、絶縁を備えてもよく、一部の実施形態において、任意の加熱ユニットを含んではいけない。操業時、ステージング領域242は、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスがリドロー経路102に沿って予熱領域244、減衰領域246、およびアニール領域248を横切る前にプリフォームガラス板110の保持場所を提供する。代替実施形態において、リドロー炉200は、ステージング領域242を含まない。
予熱領域244は、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスが搬送方向104に予熱領域244から減衰領域246にリドロー経路102を横切るように減衰領域246に隣接して減衰領域246の上流側にステージング領域242と減衰領域246との間に位置決めされてもよい。図4に示す実施形態において、予熱領域244は、第2の予熱ユニット254aに隣接して垂直に位置決めされた第1の予熱ユニット252aを備える。2つの予熱ユニット252a、254aが第1の表面壁222に沿って示されているが、予熱領域244は、任意の数の予熱ユニットを備えてもよい。さらに、第1および第2の予熱ユニット252a、254aは、各々、1つ以上の発熱体252a’、254a’、252a’’、254a’’、252a’’’、254a’’’を備える。例えば、第1および第2の予熱ユニット252a、254aは、各々、第1の縁部発熱体252a’、254a’と第2の縁部発熱体252a’’’、254a’’’との間に位置決めされた中央発熱体252a’’、254a’’を備える。3つの発熱体が第1および第2の予熱ユニット252a、254aの各々において示されているが、各予熱ユニット252a、254aは、任意の数の発熱体を備えてもよい。
操業時、第1の予熱ユニット252aは、第2の予熱ユニット254aよりも低い温度で熱を出力してもよいが、任意の熱出力が企図されている。一部の実施形態において、第1の予熱ユニット252aは、約600℃から約700℃まで、例えば、約625℃、650℃、675℃などの熱を出力するように構成されてもよく、プリフォームガラス板110が第1の予熱ユニット252aに隣接して長手方向にリドロー経路102内に位置決めされるとき、プリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114の長手方向に隣接する部分は、約400℃から約500℃まで、例えば、約425℃、450℃、475℃などの温度を備えるようになっている。さらに、第1の予熱ユニット252aの各発熱体252a’−252a’’’は、均一な温度または異なる温度で熱を出力してもよい。例えば、一部の実施形態において、第1の予熱ユニット252aの中央発熱体252a’’は、第1の予熱ユニット252aの第1および第2の縁部発熱体252a’、252a’’’の各々よりも大きい温度で熱を出力してもよい。しかしながら、他の相対的な熱出力の組み合わせが企図されていることを理解すべきである。
操業時、第2の予熱ユニット254aは、約800℃から約900℃まで、例えば、約825℃、850℃、875℃などの熱を出力するように構成されてもよく、プリフォームガラス板110が第2の予熱ユニット254aに隣接して長手方向にリドロー経路102内に位置決めされるとき、プリフォームガラス板110(図2)の第1および第2の表面112、114の長手方向に隣接する部分は、約600℃から約700℃まで、例えば、約625℃、650℃、675℃などの温度を備えるようになっている。さらに、第2の予熱ユニット254aの各発熱体254a’−254a’’’は、均一な温度または異なる温度で熱を出力してもよい。例えば、一部の実施形態において、第1の予熱ユニット254aの中央発熱体254a’’は、第2の予熱ユニット254aの第1および第2の縁部発熱体254a’、254a’’’の各々よりも大きい温度で熱を出力してもよい。しかしながら、他の相対的な熱出力の組み合わせが企図されていることを理解すべきである。
図1および図4を尚も参照すると、減衰領域246は、アニール領域248の上流側におよびアニール領域に隣接して、予熱領域244とアニール領域248との間に位置決めされ、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、搬送方向104に減衰領域246からアニール領域248にリドロー経路102を横切ってもよいようになっている。図4に示す実施形態において、減衰領域246は、5つの減衰発熱体256a’−256a’’’’’を含む減衰加熱ユニット256aを備える。例えば、減衰加熱ユニット256aは、中央減衰発熱体256a’’’と第1の縁部減衰発熱体256a’との間に位置決めされた第1の中間減衰発熱体256a’’、および、中央減衰発熱体256a’’’と第2の縁部減衰発熱体256a’’’’’との間に位置決めされた第2の中間減衰発熱体256a’’’’を含む。
図4は、5つの減衰発熱体256a’−256a’’’’’を有する単一の減衰加熱ユニット256aを備える例示の減衰領域246を示すが、減衰領域246は、任意の数の横方向に隣接した減衰発熱体を各々備えてもよい任意の数の垂直に隣接した減衰加熱ユニット256aを備えてもよいことを理解すべきである。さらに、一部の実施形態において、減衰加熱ユニット256aは、約1inch(2.54cm)から12inch(約30.48cm)まで、例えば、2inch(5.08cm)、4inch(10.16cm)、6inch(15.24cm)、8inch(20.32cm)、10inch(25.40cm)などの垂直高さを備え、この垂直高さは、以下で説明する予熱ユニット252a、254aの各々およびアニール加熱ユニット258a−264aの各々を下回ってもよい。
一部の実施形態において、減衰加熱ユニット256aは、第1および第2の予熱ユニット252a、254aの両方よりも高い温度で熱を出力してもよいが、任意の熱出力が企図されている。一部の実施形態において、減衰加熱ユニット256aは、1300℃から約1700℃まで、例えば、約1400℃、1500℃、1600℃などで熱を出力してもよく、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが減衰加熱ユニット256aに隣接して長手方向にリドロー経路102内に位置決めされるとき、プリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114から引き出されたガラスの長手方向に隣接する部分は、約900℃から約1300℃まで、例えば、約1000℃、1100℃、1200℃などの温度を備えるようになっている。さらに、減衰加熱ユニット256aの各発熱体256a’−256a’’’’’は、均一な温度または異なる温度で熱を出力してもよい。例えば、1つの実施形態において、中央減衰発熱体256a’’’は、第1および第2の縁部減衰発熱体256a’、256a’’’’’よりも大きく、第1および第2の中間減衰発熱体256a’’、256a’’’’の各々よりも大きい温度で熱を出力してもよい。しかしながら、他の相対的な熱出力の組み合わせが企図されていることを理解すべきである。
操業時、減衰加熱ユニット256aは、減衰領域246内に位置決めされたプリフォームガラス板110の各部を軟化温度まで加熱し、一部の実施形態において、プリフォームガラス板が粘度が増加する温度の範囲内まで加熱し、これらの温度は、軟化温度未満であってもよい。軟化温度になると、または、軟化温度未満の粘性温度になると、プリフォームガラス板110は、粘性であり、以下で説明するように、リドロー駆動システム300によって印加された引張力は、プリフォームガラス板110の厚さTを減衰し得る。さらに、プリフォームガラス板110の軟化温度は、プリフォームガラス板110のガラス塊成形温度未満であってよく、例えば、プリフォームガラス板110がガラス塊になり始める温度未満であってもよい。プリフォームガラス板110の異なる実施形態は、異なる軟化温度を備えてもよいことを理解すべきである。例えば、プリフォームガラス板110の厚さおよび組成は、プリフォームガラス板110の軟化温度を変更してもよい。
図1および図4を尚も参照すると、アニール領域248は、炉出口232の上流側におよび炉出口232に隣接して減衰領域246と炉出口232との間に位置決めされ、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、搬送方向104にアニール領域248から炉出口232にリドロー経路102を横切ってもよいようになっている。図1および図4に示す実施形態において、アニール領域248は、複数のアニール加熱ユニット、例えば、4つのアニール加熱ユニット258a、260a、262a、264aを備える。第1のアニール加熱ユニット258aは、減衰領域246に隣接しておよび減衰領域246の下流側に垂直に位置決めされ、第2のアニール加熱ユニット260aは、第1のアニール加熱ユニット258aに隣接しておよび第1のアニール加熱ユニット258aの下流側に垂直に位置決めされ、第3のアニール加熱ユニット262aは、第2のアニール加熱ユニット260aに隣接しておよび第2のアニール加熱ユニット260aの下流側に垂直に位置決めされ、第4のアニール加熱ユニット264aは、第3のアニール加熱ユニット262aに隣接しておよび第3のアニール加熱ユニット262aの下流側に垂直に位置決めされている。4つのアニール加熱ユニットが示されているが、任意の数のアニール加熱ユニットが企図されていることを理解すべきである。
さらに、各アニール加熱ユニットは、複数のアニール発熱体を備えてもよい。例えば、各アニール加熱ユニット258a−264aは、それぞれの第1の縁部アニール発熱体258a’−264a’とそれぞれの第2の縁部アニール発熱体258a’’’−264a’’’との間に位置決めされた中央アニール発熱体258a’’−264a’’を備えてもよい。3つのアニール発熱体がアニール加熱ユニット258a−264aの各々に示されているが、各アニール加熱ユニット258a−264aは任意の数のアニール発熱体を備えてもよいことを理解すべきである。さらに、各アニール加熱ユニット258a−264aの各アニール発熱体は、均一な温度または異なる温度で熱を出力してもよい。例えば、一部の実施形態において、各アニール加熱ユニット258a−264aの中央アニール発熱体258a’’−264a’’は、第1の縁部アニール発熱体258a’−264a’の各々および各アニール加熱ユニット258a−264aの第2の縁部アニール発熱体258a’’’−264a’’’の各々によって出力された熱の温度よりも大きい温度で熱を出力してもよい。しかしながら、他の相対的な熱出力の組み合わせが企図されていることを理解すべきである。
第1のアニール加熱ユニット258aは、各々のその後の下流側アニール加熱ユニット(例えば、第2、第3および第4のアニール加熱ユニット260a−264a)よりも高い温度で熱を出力してもよく、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、このガラスがリドロー経路102を横切るにつれてアニールすることができる。例えば、第1のアニール加熱ユニット258aは、約1000℃から約1300℃まで、例えば、約1050℃、1150℃、1250℃などの熱を出力するように構成されてもよく、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが第1のアニール加熱ユニット258aに隣接して長手方向にリドロー経路102内に位置決めされるとき、プリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114の長手方向に隣接する部分から引き出されたガラスは、約750℃から約950℃まで、例えば、約800℃、862℃、900℃などの温度を備えてもよいようになっている。
第2のアニール加熱ユニット260aは、各々のその後の下流側アニール加熱ユニット(例えば、第3および第4のアニール加熱ユニット262a−264a)よりも高い温度で熱を出力してもよい。例えば、第2のアニール加熱ユニット260aは、約900℃から約1200℃まで、例えば、約975℃、1022℃、1100℃などの熱を出力するように構成されてもよく、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが第2のアニール加熱ユニット260aに隣接して長手方向にリドロー経路102内に位置決めされるとき、プリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114の長手方向に隣接する部分から引き出されたガラスは、約650℃から約850℃まで、例えば、約700℃、722℃、800℃などの温度を備えてもよいようになっている。
第3のアニール加熱ユニット262aは、各々のその後の下流側アニール加熱ユニット(例えば、第4のアニール加熱ユニット264a)よりも高い温度で熱を出力してもよい。例えば、第3のアニール加熱ユニット262aは、約800℃から約1100℃まで、例えば、約850℃、935℃、1000℃などの熱を出力するように構成されてもよく、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが第3のアニール加熱ユニット262aに隣接して長手方向にリドロー経路102内に位置決めされるとき、プリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114の長手方向に隣接する部分から引き出されたガラスは、約550℃から約750℃まで、例えば、約600℃、635℃、650℃、700℃などの温度を備えてもよいようになっている。
一部の実施形態において、第4のアニール加熱ユニット264aは、約700℃から約1000℃まで、例えば、約750℃、800℃、845℃、900℃、950℃などで熱を出力するように構成されてもよく、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが第4のアニール加熱ユニット264aに隣接して長手方向にリドロー経路102内に位置決めされるとき、プリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114の長手方向に隣接する部分から引き出されたガラスは、約450℃から約650℃まで、例えば、約500℃、545℃、600℃などの温度を備えてもよいようになっている。さらに、一部の実施形態において、炉出口232での炉チャンネル216内の温度は、約125℃から約325℃まで、例えば、約150℃、200℃、300℃などを備えてもよい。
図1を再び参照すると、ガラスリドローシステム100は、例えば、第1の表面壁222、第2の表面壁224、第1の縁壁226、第2の縁壁228の1つ以上に結合され、および/または、複数の加熱ユニット250の1つ以上に結合された、炉筐体210内に位置決めされた1つ以上の熱スプレッダ130を含んでもよい。この1つ以上の熱スプレッダ130は、熱をガラスリドローシステムにおいて均一に分散するように機能する、高熱伝導材料、例えば、炭化珪素、銅または白金のブロックを備えてもよい。個々の熱スプレッダ130は、リドロー炉200を通して、例えば、予熱領域244、減衰領域246、および/または、アニール領域248において位置決めされてもよい。操業時、各熱スプレッダ130は、熱スプレッダ130に沿って、例えば、炉チャンネル216に対向する熱スプレッダ130の表面に沿って複数の加熱ユニット250によって出力された熱を均一に分散させてもよい。個々の熱スプレッダ130が個々の加熱ユニットに隣接して位置決めされるとき、熱スプレッダ130は、横方向および垂直方向の両方の方向で温度勾配を管理するために加熱ユニットに沿って均一に熱を分散させてもよい。さらに、操業中、1つ以上の熱スプレッダ130は、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bの各個の加熱ユニットおよび発熱体に隣接した炉チャンネル216内の個別の場所で均一な温度を維持してもよい。ガラスリドローシステム100の一部の代替実施形態は、1つ以上の熱スプレッダ130を含まなくてもよい。
一部の実施形態において、1つ以上の熱スプレッダ130の幅は、プリフォームガラス板110から作製される引き出されたガラス板と少なくとも同じ幅である。すなわち、操業時、熱スプレッダ130は、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスの幅全体にわたって熱を均一に配分するように機能し、これによって、引き出されたシートは、その幅全体にわたって厚さ均一性および均一な応力プロファイルが与えられる。均一な熱分配は、特に、ガラス板が粘弾性的領域を通って進むときに厚さ変動および応力がガラス板に組み込まれる減衰領域246において有利である。また、一部の実施形態において、やはり、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスの厚さ均一性および低応力プロファイルに有利に影響を与えるために1つ以上の熱スプレッダ130の高さ(z方向寸法)を減衰領域246の高さに適合させることが有利である。
図1および図6をここで参照すると、ガラスリドローシステム100は、炉筐体210に結合されて炉チャンネル216へ延びる1つ以上の熱変更ゲート120a、120bをさらに備える。各熱変更ゲート120a、120bは、炉筐体210の第1の表面壁222に結合された第1のゲート部分122a、122b、および、炉筐体210の第2の表面壁224に結合された第2のゲート部分124a、124bを備える。一部の実施形態において、1つ以上の熱変更ゲート120a、120bは、炉筐体に摺動可能に結合され、第1および第2のゲート部分122a、122bおよび124a、124bは、各々、例えば、退避後の位置126と伸長後の位置128の間で長手方向に移動可能であるようになっている。伸長後の位置128において、第1および第2のゲート部122a、122b、124a、124bは、炉チャンネル216内に位置決めされ、リドロー経路102に隣接して長手方向に終了する。退避後の位置126において、第1および第2のゲート部122a、122b、124a、124bは、炉チャンネル216から除去され、例えば、それぞれ、第1および第2の表面壁222、224の方に退避され、一部の実施形態において、第1および第2の表面壁222、224へ退避される。第1および第2のゲート部分122a、122bおよび124a、124bは、また、退避後の位置126と伸長後の位置128との間に位置決めされてもよいことを理解すべきである。さらに、一部の実施形態において、1つ以上の熱変更ゲート120a、120bは、炉筐体210に固定結合されてもよく、第1および第2のゲート部分122a、122b、124a、124bは、炉チャンネル216へ延びてリドロー経路102に隣接して長手方向に終了する。
操業時、熱変更ゲート120a、120bは、熱伝達を炉チャンネル216を介して垂直方向で変更してもよい。第1および第2のゲート部分122a、122b、124a、124bが炉チャンネル216内に、例えば、伸長後の位置128に位置決めされるとき、熱変更ゲート120は、熱伝達を熱変更ゲート120を介して垂直方向で制限してもよい。1つ以上の熱変更ゲート120a、bは、断熱を炉領域240間に提供するのに適切な任意の材料で構築されてもよいことが企図されている。例えば、1つ以上の熱変更ゲート120a、120bは、金属または耐火物、例えば、インディアナ州ココモのHaynes Internationalから販売されるHaynes230(商標)高温材料で構築されてもよいことが企図されている。一部の実施形態において、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスに対向する熱変更ゲートの部分での材料は、ガラス板の厚さ変動および/または応力痕(stress scarring)を低減する良好な熱伝導体であってもよい。一部の実施形態において、熱変更ゲート120a、bは、良好な熱制御を、特に減衰領域246において提供することを支援するために熱伝達を垂直方向(例えば、z方向)で制限するように機能する限り、調整可能(すなわち、伸長後の位置と退避後の位置との間で摺動可能またはその他の方法で移動可能)である必要はない。
図6に示す実施形態において、1つ以上の熱変更ゲート120a、120bは、上流側熱変更ゲート121および下流側熱変更ゲート120bを含む。上流側熱変更ゲート120aは、予熱領域244と減衰領域246との間に、例えば、第2の予熱ユニット254a、254bと減衰加熱ユニット256a、256bの間との間に位置決めされてもよい。下流側熱変更ゲート120bは、アニール領域248と減衰領域246との間に、例えば、減衰加熱ユニット256a、256bと第1のアニール加熱ユニット258a、258bとの間に位置決めされてもよい。任意の数の熱変更ゲート120a、bが企図されていることを理解すべきである。
操業中、上流側熱変更ゲート120aは、予熱領域244と減衰領域246との間の熱伝達を制御および抑制してもよく、下流側熱変更ゲート120bは、熱伝達をアニール領域248と減衰領域246との間で制御してもよい。上流側および下流側熱変更ゲート120a、120bが炉チャンネル216内に、例えば、伸長後の位置128に位置決めされるとき、リドロー経路102と第1および第2のゲート部分122a、122b、124a、124bの各々との間の炉チャンネル216内の間隙は、予熱領域244とアニール領域248および減衰領域246の一方または両方との間の炉チャンネル216内の熱伝達を制限するために抑制されることになる。熱伝達を制御することによって、熱変更ゲート120a、120b、は、予熱領域244と減衰領域246と間の急激な温度勾配、および、アニール領域248と減衰領域246との間の急激な温度勾配を容易にする。
操業時、急激な温度勾配は、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスがリドロー経路102を横切るときに、プリフォームガラス板110の厚さTの均一な減衰を減衰領域246を介して容易にし得る。さらに、熱変更ゲート120a、120bは、減衰領域246と予熱領域244とアニール領域248の両方との間の熱の逃げを制限することによって減衰領域246内の所望の温度を達成するために必要とされる電力量を低減し得る。さらに、減衰領域246内に位置決めされた1つ以上の熱スプレッダ130および上流側および下流側熱変更ゲート120a、120bの組み合わせは、プリフォームガラス板110、および、そこから引き出されたガラスが減衰領域246を横切るときに、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスの第1および第2の表面112、114上へ放射する均一な制御された熱を備える狭い減衰領域246を生成し得る。
図7をここで参照すると、リドロー経路102に沿ったリドロー炉200の例示の垂直温度勾配500が、グラフで示されている。特に、図7は、リドロー経路102に沿った各個の加熱ユニット250a、250b(例えば、加熱ユニット252a−264a)の推定加熱ユニット温度502を概略的に示し、リドロー経路102に沿ったプリフォームガラス板および/またはプリフォームガラス板から引き出されたガラスの推定温度504を概略的に示す。図7に示されているように、リドロー炉200の温度は、予熱領域244から減衰領域246までリドロー経路102に沿って増加し、その後、アニール領域248を介してリドロー経路に沿って102低減することがある。さらに、図7は、リドロー経路102に沿った第1および第2の予熱ユニット252a、254a、減衰加熱ユニット256a、第1、第2、第3、および第4のアニール加熱ユニット258a−264a、上流側および下流側熱変更ゲート120a、120bの場所を概略的に示す。
一部の実施形態において、プリフォームガラス板110が減衰領域246において粘性の状態に加熱される(搬送方向104の)狭い帯域を有することが有利である。この狭い帯域は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラス板についてプリフォームガラス板110の厚さから所望の厚さへの厚さ方向(T)での良好な減衰を提供する強いが短い熱スパイクを促進することによって生成されることがある。すなわち、引き出されたガラス板において低い厚さ変動があるように均一な熱分配を有するように狭い減衰領域246を制御するほうが容易である。減衰領域246内の熱分配は、減衰加熱ユニット256a、256bの発熱体を制御すること、熱スプレッダ130を使用して熱分配を制御すること、および、炉チャンネル216内の対流性の流れを制御すること(例えば、ガス抽出管280(図3を参照されたい)の使用、および、炉チャンネル216を通る流体の流れを制御するための熱変更ゲート120を含む断熱ゲートの使用によって)を含むいくつかの要素によって制御されることがある。
さらに、狭い減衰領域で、プリフォームガラス板110から形成された引き出されたガラス板の幅方向(W)で望ましくない減衰が低減される。減衰領域がz方向で大きすぎる場合、ガラス板は、時間が粘性状態で掛かりすぎ、それによって、望ましくないことに面外形状又または反りが発生することがある。減衰領域246の上流側の場所で、すなわち、予熱領域244において、プリフォームガラス板110は、減衰領域246に入る前にガラス板において最大緩和を促進するように適度に加熱される。すなわち、プリフォームガラス板110がより高い温度減衰領域246に入るときにプリフォームガラス板110にある応力が依然として多すぎる場合、不利なことにプリフォームガラス板110に熱衝撃が発生することがある。さらに、ガラス板は、粘性/粘弾性状態を通過し、弾性状態に入った後、より急激に冷却することができ、熱衝撃、望ましくない応力プロファイル、熱痕などの可能性が少なくなる。したがって、減衰領域の下流側では、温度勾配は、多少素早く落ちることがあるが、ガラス板の幅(W)全体にわたって均一なままである。
図1、図8、および図9をここで参照すると、リドロー駆動システム300の供給ユニット310は、プリフォームガラス板110をリドロー炉200に導入し、プリフォームガラス板110を炉チャンネル内に吊り下げ、プリフォームガラス板110をリドロー経路102の少なくとも一部に沿って並進させるように構成されている。図1、図8、および図9に示されているように、供給ユニット310は、プリフォームガラス板110と係合可能なガラス挟持基部322、ハンガー駆動システム328、および、ガラス挟持基部322およびハンガー駆動システム328に結合されてガラス挟持基部322とハンガー駆動システム328との間に延びる1つ以上の吊り下げシャフト314a、314bを含むガラスハンガーシステム312を備える。ガラスハンガーシステム312は、炉入口230を封止するために炉筐体210の入口端部212と取り外し可能に係合可能であるハンガーカバー320をさらに備える。他の実施形態において、供給ユニット310は、代替物供給ユニット310、例えば、プリフォームガラス板がロールの形であるときのように、プリフォームガラス板110をリドロー炉200およびリドロー経路102に連続的に出力するように構成されたロール供給装置を備えてもよい。
一部の実施形態において、ガラスハンガーシステム312の1つ以上の吊り下げシャフト314a、314bは、第1のシャフト端部316および第2のシャフト端部318を各々有する第1の吊り下げシャフト314aおよび第2の吊り下げシャフト314bを備える。第1および第2の吊り下げシャフト314a、314bは、各々、第1のシャフト端部316でハンガー駆動システム328に結合され、第2のシャフト端部318でガラス挟持基部322に結合されている。一部の実施形態において、吊り下げシャフト314は、自在継手360を使用してハンガー駆動システム328に結合されている。図8に示されているように、1つ以上の吊り下げシャフト314は、ハンガーカバー320を貫通して延び、ハンガーカバー320が炉筐体210に結合されるときに、第1のシャフト端部316は、炉筐体210の外側に終了し、第2のシャフト端部318は、炉筐体210内で終了するようになっている。ハンガーカバー320は、カバー部分372、ロック機構部374、および、1つ以上のガスケット376、例えば、変形可能な弾性材料、例えば、シリコーンなどを備えるドーナツガスケットを備える。1つ以上のガスケット376は、ハンガーカバー320が炉筐体210と係合されるときに炉筐体210の炉入口230をハンガーカバー320に対して封止してもよい。
図9に示されているように、ガラス挟持基部322は、基部ハウジング323、基部ハウジング323に取り外し可能に結合されたハンガーハンドル326、および、ハンガーハンドル326に結合されたガラスクランプ324を含む。基部ハウジング323は、任意の断熱材料、例えば、アルミナ−シリカ、シリカ、ジルコニアベースの繊維ボードなどを備えてもよい。ガラスクランプ324は、挟持機構、例えば、シリコーンまたは他のポリマーを含むゴムストリップクランプを備える。例えば、ガラスクランプ324は、高温耐性シリコーン材を段鼻材料として使用してもよい。ガラスクランプ324は、プリフォームガラス板110と取り外し可能に係合可能であり、プリフォームガラス板110が炉チャンネル216内に吊り下げられるときにプリフォームガラス板110を保持してもよい。さらに、ハンガーハンドル326は、プリフォームガラス板110と係合および離脱するためにガラスクランプ324を作動させるように構成された作動機構を備えてもよい。さらに、基部ハウジング323は、第1および第2の吊り下げシャフト314a、314bの第2のシャフト端部318に結合されてもよい。
ハンガーハンドル326およびガラスクランプ324は、基部ハウジング323から取り外し可能であり、ガラスクランプ324は、ガラスハンガーシステム312が炉筐体210と係合される前にプリフォームガラス板110に係合してもよいようになっている。プリフォームガラス板110を保持するハンガーハンドル326およびガラスクランプ324は、323ハウジング基部に結合されてもよく、ハンガーカバー320は、プリフォームガラス板110をリドロー炉200の炉チャンネル216に導入するために炉筐体210の炉入口230と係合されてもよい。さらに、ハンガーハンドル326および基部ハウジング323は、ガラス挟持基部322が炉チャンネル216内に位置決めされるときにガラスクランプ324を断熱してガラスクランプ324を約250℃未満に維持してもよい。
図1および図8を再び参照すると、ハンガー駆動システム328は、ねじジャックシステム(例えば、ボールねじなどを備えてもよく、ボールねじ案内式またはスライド案内式であってもよいねじ駆動式の線形運動システム)、ボール案内式、スライド案内式、または車輪案内式であってもよいベルト駆動システム、サーボモータを有するベルト駆動システム、ラックピニオンシステムなどを備えてもよい。さらに、一部の実施形態において、プリフォームガラス板は、1組の縁部ローラを使用してリドロー炉200内へ駆動されてもよい。操業時、ハンガー駆動システム328は、吊り下げシャフト314a、314bおよびガラス挟持基部322をリドロー経路102の一部に沿って、例えば、搬送方向104に、または、逆方向106に並進させてもよい。例えば、ハンガー駆動システム328は、吊り下げシャフト314をリドロー経路102の一部に沿って炉入口230から並進させてもよく、減衰領域246の上流側で、例えば、上流側熱変更ゲート120aの上流側の場所、位置決めローラ組立体330a(図10)の上流側の場所、または、ステージング領域242または予熱領域244内の別の場所で停止してもよい。
図8に示されているように、ガラスハンガーシステム312は、また、1つ以上の吊り下げシャフト314a、314bの各々の第1のシャフト端部316および/または第2のシャフト端部318に結合された1つ以上のロードセル362a、362bを備えてもよい。例えば、第1のロードセル362aは、第1の吊り下げシャフト314aとハンガー駆動システム328との間に位置決めされてもよく、第2のロードセル362bは、第2の吊り下げシャフト314bとハンガー駆動システム328との間に位置決めされてもよい。操業中、第1および第2のロードセル362a、362bは、例えば、ガラスハンガーシステム312がプリフォームガラス板110を保持しているときにそれぞれ、第1および第2の吊り下げシャフト314a、314bに印加された張力を測定してもよい。操業中、ロードセル362a、362bは、プリフォームガラス板110がリドロー経路102を横切るときに、例えば、以下で説明するように、リドロー駆動システム300(図10)の1つ以上のローラ組立体330(図10)がプリフォームガラス板110に張力を印加したときにプリフォームガラス板110に印加された張力を測定してもよい。さらに、1つ以上のロードセル362a、362b、は、リドローシステム制御装置150(図5)に通信上結合されてもよく、ロードセル362a、362bによって測定された張力は、リドローシステム制御装置150の1つ以上のプロセッサ152および1つ以上のメモリーモジュール156によって分析されてもよいようになっている。
図1、図3、図10、および図11をここで参照すると、リドロー駆動システム300は、複数のローラ組立体330a−330d、例えば、各々、リドロー経路102に沿って異なる垂直位置で位置決めされた、位置決めローラ組立体330a、第1の減衰ローラ組立体330b、第2の減衰ローラ組立体330c、および回収ローラ組立体330dをさらに備える。図11に示されているように、各ローラ組立体330a−330dは、リドロー経路102に沿った垂直に共通の場所から、リドロー経路102の方に延びる第1の対のローラ332aおよび第2の対のローラ332bを含み、リドロー経路102は、その間で位置決めされるようになっている。例えば、一部の実施形態において、第1の対のローラ332aは、炉筐体210の第1の縁壁226を貫通して延びてもよく、第2の対のローラ332bは、炉筐体210の第2の縁壁228を貫通して延びてもよい。(例えば、位置決めローラ組立体330aおよび第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cは、図3に示されているように炉筐体210の第2の縁壁228を貫通して延びてもよい)。
操業時、ローラ組立体330a−330dは、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラス板の機械操作を提供する。良好な熱制御の利点を維持するために、ガラスリドローシステム100およびリドロー経路102を横切るときにプリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラス板の良好な機械操作を有することは有利である。すなわち、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラス板は、ガラスリドローシステム100内で、例えば、機械操作不良のために炉チャンネル216内で蛇行してしまう場合、蛇行してシステム内の様々な発熱体に近づいたり、様々な発熱体から遠ざかったりするときに不均一な加熱を受けやすいことになる。しかしながら、ガラス板は、有効な機械操作のために安定してガラスリドローシステム100を通って搬送される場合、所期の熱調整を受けることになり、その熱調整は、所望通りに維持されることになる。この点に関しては、一部の実施形態において、位置決めローラ組立体330aを減衰領域の真上に位置決めさせることが望ましい。位置決めローラ組立体330aが減衰領域の真上に位置するとき、プリフォームガラス板110は、有利なことに、減衰を受ける直前にシステムの中心の近くに位置してもよい。さらに、位置決めローラ組立体330aのローラは、ヒートシンクとして作用し、従って、物理寸法制御を維持する(即ち、減衰されるように所望の位置に到達する前に、幅方向のプリフォームガラス板のネッキングを低減することがあり、これによって、ドローの繰返し性の増大が得られる)。一部の実施形態において、ローラ組立体330bおよび/または330cは、減衰領域におけるガラス板の位置を同様に制御するために減衰領域の真下に配置されることがある。
図11に示されているように、第1および第2の1対のローラ332a、332bは、第1のローラ334および第2のローラ336を各々備える。第1および第2のローラ334、336は、第1の端部および第2の端部を有するローラシャフト338、および、第2の端部でローラシャフト338に結合されているローラシリンダー340を各々備える。一部の実施形態において、第1および第2のローラ334、336は、電動式である。これらの電動実施形態において、第1および第2のローラ334、336は、ローラシャフト338の第1の端部に結合されたローラ駆動システム350をさらに備える。単一のローラ駆動システム350が図11において各対のローラ332a、332bの第1および第2のローラ334、336と係合すると示されているが、他の実施形態において、各対のローラ332a、332bの第1および第2のローラ334、336の各々は、個々のローラ駆動システム350を備えてもよい。
各ローラ駆動システム350は、ローラシャフト338およびローラシリンダー340を回転させるために回転駆動力をローラシャフト338に提供するように構成された任意のモーターを備えてもよい。ローラ駆動システム350は、また、リドローシステム制御装置150(図5)に通信上結合されてもよく、リドローシステム制御装置150は、ローラ駆動システム350に制御信号を出力することもある。さらに、ローラ駆動システム350は、速度モードでまたはトルクモードで作動してもよい。速度モードにおいて、ローラ駆動システム350は、ローラシャフト338を等速で回転させるために速度駆動力をローラシャフト338に出力する。トルクモードにおいて、ローラ駆動システム350は、ローラシャフト338を一定のトルクで回転させるためにトルク駆動力をローラシャフト338に出力する。更に他の実施形態において、ローラ駆動システム350は、代替的に速度駆動力またはトルク駆動力を出力してもよく、速度駆動力の速度およびトルク駆動力のトルクは、例えば、リドローシステム制御装置150からの制御信号、および/または、リドローシステム制御装置150(図5)のユーザ入力装置158によって受信されるユーザ入力に基づいて調整可能であってもよい。
図10および図11に示す実施形態において、ローラ332a、332bの第1および第2の対は、リドロー経路102に沿って位置決めされてもよく、ローラ332a、332bの第1および第2の対のローラシリンダー340の各々は、プリフォームガラス板110がローラ332a、332bの第1および第2の対に隣接して長手方向に位置決めされるときにプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114に接触してもよいようになっている。例えば、ローラ332aの第1の対の各ローラシリンダー340は、第1の縁部116と横方向の中心115との間でプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114の1つに接触してもよく、ローラ332bの第2の対の各ローラシリンダー340は、第2の縁部118と横方向の中心115との間でプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114の1つに接触してもよい。
さらに、ローラ332a、332bの第1および第2の対の第1および第2のローラ334、336は、各々、伸長後の位置335と退避後の位置337との間で調整可能である。伸長後の位置335において、第1および第2のローラ334、336は、リドロー経路102の縁部に位置決めされ、第1および第2のローラ334、336のローラシリンダー340は、プリフォームガラス板110がローラシリンダー340に長手方向に隣接しているときにプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114に接触するようになっている。退避後の位置337において、第1および第2のローラ334、336は、リドロー経路102の縁部から除去され、第1および第2のローラ334、336のローラシリンダー340は、プリフォームガラス板110がローラシリンダー340に長手方向に隣接してリドロー経路102内に位置決めされるときにプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114に接触しないようになっている。さらに、ローラシリンダー340は、伸長後の位置335と退避後の位置337とのの間で約1inch(2.54cm)から約20inch(50.8cm)まで、例えば、4inch(10.16cm)、6inch(20.32cm)、8inch(20.32cm)、10inch(25.40cm)、12inch(30.48cm)、15inch(38.1cm)、18inch(45.72cm)など調整されてもよい。
第1および第2のローラ334、336は、第1および第2のローラ332、334を伸長後の位置335と退避後の位置337との間で並進させるように横方向と長手方向の一方または両方で調整可能であってもよい。例えば、第1および第2のローラ334、336が横方向に調整可能(図10)であるとき、第1および第2のローラ334、336は、伸長後の位置335と退避後の位置337との間で横方向に移動するように+/−x方向で移動してもよい。また、横方向の調整性によって、第1および第2のローラ334、336は、様々な幅Wを有するプリフォームガラス板110に係合することができる。さらに、第1および第2のローラ334、336が長手方向に調整可能(図11)であるとき、第1および第2のローラ334、336は、伸長後の位置335と退避後の位置337との間で長手方向に移動するように+/−Y方向で移動してもよい。また、長手方向の調整性によって、第1および第2のローラ334、336は、様々な厚さTを有するプリフォームガラス板110に係合することができる。
第1および第2のローラ334、336の相互作用によって、プリフォームガラス板110に係合すると先述したが、これは、ステージング領域242および予熱領域244にある任意のローラについて当てはまることになる。同様に、第1および第2のローラ334、336は、また、アニール領域248において当てはまることになるように、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスに係合してもよい。すなわち、プリフォームガラス板110は、(供給ユニット310によってのように)ステージング領域242、予熱領域244を通って、減衰領域246へ導入される。減衰領域246において、プリフォームガラス板110は、供給ユニット310と第1の減衰ローラ組立体330bとの間の相互作用によって厚さTが減衰され、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが生成される。その後、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、また、第1の減衰ローラ組立体300bと第2の減衰ローラ組立体330cとの間で幅Wが減衰する。
図12をここで参照すると、一部の実施形態において、複数のローラ組立体330の一部または全部の第1および第2のローラ334、336の両方は、枢動可能であってもよい。例えば、図12に示されているように、第1および第2のローラ334、336は、垂直に上流側の方向および垂直に下流側の方向でローラ継手339周りに枢動してもよい。例えば、第1および第2のローラ334、336は、垂直に下流側の方向で横方向の(X)軸に対して角度−αまで、垂直に上流側の方向で横方向の(X)軸に対して角度+αまでローラ継手339周りに枢動されてもよい。一部の実施形態において、ローラ継手339は、ローラ駆動システム350内に位置決めされてもよく、ローラ駆動システム350は、第1および第2のローラ334、336を枢動するために傾動駆動力を出力してもよい。第1および第2のローラ334、336が角度+/−αまで枢動されるとき、第1および第2のローラ334、336は、引張力をプリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスに垂直方向および横方向の両方で印加してもよい。
例えば、第1および第2のローラ334、336が−α角度で位置決めされるとき、第1および第2のローラ334、336は、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの厚さTを減衰しながら、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスを拡幅する引張力を印加してもよい。他方、ローラ332a、332bの一対の第1および第2のローラ334、336は、ローラ332b、332aの別の対の第1および第2のローラ334、336の位置をZ軸方向で対応する位置でバランス調整するために+α角度方向で位置決めされてもよい。さらに、一部の実施形態において、第1および第2のローラは、ローラ継手339周りに、例えば、リドロー経路102の縁部から離れて長手方向に枢動されてもよく、そのような第1および第2のローラ334、336は、伸長後の位置335と退避後の位置337との間で枢動してもよい。
図3、図10、および図11を再び参照すると、位置決めローラ組立体330aは、減衰加熱ユニット256a、256bの上流側で垂直位置で炉チャンネル216へ横方向に延びてもよい。例えば、位置決めローラ組立体330aのローラ332aの第1の対は、第1の縁壁226を貫通して延びてもよく、位置決めローラ組立体330aのローラ332bの第2の対は、第2の縁壁228を貫通して延びてもよい。図10に示されているように、位置決めローラ組立体330aのローラ332a、332bの第1および第2の対は、予熱領域244において、例えば、第1および第2の予熱ユニット252a、254a間で垂直に位置決めされてもよい。位置決めローラ組立体330aのローラ332a、332bの第1および第2の対は、回転非駆動(すなわち、プリフォームガラス板110がリドロー駆動システム300によって移動されるときにプリフォームガラス板110の移動とともに回転するためのアイドリング)であってもよく、ローラ駆動システム350に結合されていけない。操業時、位置決めローラ組立体330aは、プリフォームガラス板110に係合して、プリフォームガラス板110を炉筐体210の第1および第2の表面壁222、224から等距離の炉チャンネル216内の長手方向の位置へ案内するように構成され、熱は、プリフォームガラス板110がリドロー経路102を横切るときにプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114の両方に等しく印加されてもよいようになっている。
さらに、プリフォームガラス板110が予熱領域244を通ってリドロー経路102を横切るとき、プリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114は、ローラ332a、332bの両方の対の第1および第2のローラ334、336間で長手方向に位置決めローラ組立体330aに接触してもよく、ローラ332a、332bの両方の対の第1および第2のローラ334、336は、伸長後の位置335と退避後の位置337との間で調整可能である。操業時、位置決めローラ組立体330aのローラ332a、332bの両方の対は、プリフォームガラス板110が位置決めローラ組立体330aに長手方向に隣接する前に退避後の位置337に位置決めされ、プリフォームガラス板110がプリフォームガラス板110に係合するために長手方向に位置決めローラ組立体330aに隣接すると伸長後の位置335に作動されてもよい。
図10および図11を尚も参照すると、第1の減衰ローラ組立体330bは、リドロー炉200の減衰加熱ユニット256a、256bの下流側の垂直位置で炉筐体210の炉チャンネル216へ横方向に延びてもよい。例えば、第1の減衰ローラ組立体330bのローラ332aの第1の対は、第1の縁壁226を貫通して延びてもよく、第1の減衰ローラ組立体330bのローラ332bの第2の対は、第2の縁壁228を貫通して延びてもよい。図10に示されているように、第1の減衰ローラ組立体330bのローラ332a、332bの第1および第2の対は、減衰加熱ユニット256aと第1のアニール加熱ユニット258aとの間に垂直に位置決めされてもよい。第1の減衰ローラ組立体330bは、電動式であり、ローラシャフト338に結合されて、第1の減衰ローラ組立体330bのローラシャフト338およびローラシリンダー340を回転させるように構成された1つ以上のローラ駆動システム350を備える。さらに、1つ以上のローラ駆動システム350は、第1の減衰ローラ組立体330bのローラシャフト338およびローラシリンダー340を速度制御モードまたはトルク制御モードで選択的に回転してもよい。さらに、ローラ332aの第1の対は、ローラ332bの第2の対と異なる回転速度にて回転してもよく、ローラ332aの第1の対は、ローラ332bの第2の対と異なる引張力を印加するようになっている。
操業時、第1の減衰ローラ組立体330bの各ローラシリンダー340は、ローラシリンダー340とプリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)との接触点でのローラシリンダー340の接線方向速度および搬送方向104でのプリフォームガラス板110の並進運動が実質的に同じまたは異なってもよいように回転してもよい。一部の実施形態において、各ローラシリンダー340の接線方向速度は、プリフォームガラス板110の並進運動(例えば、プリフォームガラス板110を保持するガラス挟持基部322の並進速度)の約5倍から約15倍までの速さ、例えば、約8倍の速さ、10倍の速さ、12倍の速さなどである。操業時、ローラシリンダー340の接線方向速度が搬送方向104でプリフォームガラス板110の並進運動よりも速いとき、ローラシリンダー340は、引張力をプリフォームガラス板110に印加してもよい。さらに、第1の減衰ローラ組立体330bは、減衰領域246の下流側に位置決めされ、第1の減衰ローラ組立体330bに接触するプリフォームガラス板110のセグメントは、第1の減衰ローラ組立体330bによって印加された引張力がプリフォームガラス板110の厚さTを減衰するようにプリフォームガラス板110の軟化温度または粘性温度よりも高い温度を備えてもよいようになっている。
図10に示されているように、第2の減衰ローラ組立体330cは、第1の減衰ローラ組立体330bの下流側の垂直位置で炉筐体210の炉チャンネル216へ横方向に延びてもよい。1つの非限定的な実施例として、第2の減衰ローラ組立体330cは、第1および第2のアニール加熱ユニット258a、260a間に垂直に位置決めされてもよい。さらに、第2の減衰ローラ組立体330cは、実質的に同じ構成要素を備えてもよく、第1の減衰ローラ組立体330bと実質的に同じように作動してもよい。さらに、一部の実施形態において、リドロー駆動システム300は第2の減衰ローラ組立体330cを含まず、他の実施形態において、リドロー駆動システム300は、例えば、第2の減衰ローラ組立体330cと炉出口232との間に位置決めされたさらなる減衰ローラ組立体を備える。
第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cの両方のローラ332a、332bの第1および第2の対は、伸長後の位置335と退避後の位置337との間で調整可能であってもよい。操業中、プリフォームガラス板110がリドロー経路102を横切るとき、第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cのローラ332a、332bの第1および第2の対は、プリフォームガラス板110が第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cに隣接して垂直に位置決めされる前に退避後の位置337内に各々位置決めされてもよく、プリフォームガラス板110に係合するために、プリフォームガラス板110が、それぞれ、第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cに垂直に隣接すると伸長後の位置335へ作動してもよい。操業時、プリフォームガラス板110が回収ローラ組立体330dと係合されると、第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cは、作動して退避後の位置337に戻り、第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cとプリフォームガラス板110および/またはそこから引き出されたガラスとの接触が除去される。さらに、一部の実施形態において、位置決めローラ組立体330a、第1の減衰ローラ組立体330b、および第2の減衰ローラ組立体330cのローラシリンダー340は、耐火物、例えば、ニチアスSD−115(商標)(日本国東京のニチアス株式会社製)、高温セラミック材料、金属、雲母などを備えてもよく、ローラシリンダー340は、変形または溶融なく炉筐体210内の温度に耐えることができるようになっている。
図10を尚も参照すると、回収ローラ組立体330dは、炉筐体210の炉出口232より下方の垂直位置で炉筐体210の外側に位置してもよく、炉出口232と回収ユニット400との間に位置決めされてもよい。一部の実施形態において、回収ローラ組立体330dは、例えば、キャリッジ、ブラケットなどを使用して出口端部214で炉筐体210に結合されてもよい。回収ローラ組立体330dは、電動式であってよく、ローラシャフト338に結合されて、回収ローラ組立体330dのローラシャフト338およびローラシリンダー340を回転させるように構成された1つ以上のローラ駆動システム350を備えてもよい。回収ローラ組立体330dの1つ以上のローラ駆動システム350は、速度制御モードまたはトルク制御モードで選択的に回転してもよい。さらに、ローラ332aの第1の対は、ローラ332bの第2の対と異なる回転速度にて回転してもよく、ローラ332aの第1の対は、ローラ332bの第2の対と異なる引張力を印加するようになっている。さらに、回収ローラ組立体330dのローラ332a、332bの第1および第2の対は、プリフォームガラス板110に係合して、引張力をプリフォームガラス板110に速度モードまたはトルクモードで印加してもよい。一部の実施形態において、プリフォームガラス板110に掛かる主張力は、例えば、第1および第2のローラ組立体300b、300cが各々退避後の位置337にあるときに回収ローラ組立体330dから来てもよい。この構成で、プリフォームガラス板110の厚さTを減衰する張力が回収ローラ組立体330dで印加された場合、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、張力が第1の減衰ローラ組立体330bおよび/または第2の減衰ローラ組立体330cのみで印加されるときよりも少ない反りを有することがある、すなわち、より平坦であることがある。
操業時、回収ローラ組立体330dの各ローラシリンダー340は、ローラシリンダー340とプリフォームガラス板110から引き出されたガラスとの接触点でのローラシリンダー340の接線方向速度および搬送方向104でのプリフォームガラス板110の並進運動が実質的に同じまたは異なってもよいように回転してもよい。ローラシリンダー340の接線方向速度が搬送方向104でのプリフォームガラス板110の並進運動よりも速いとき、ローラシリンダー340は、プリフォームガラス板110の軟化温度以上の温度を有するプリフォームガラス板110の部分の厚さTを減衰するために引張力をプリフォームガラス板110に印加してもよい。一部の実施形態において、回収ローラ組立体330dの各ローラシリンダー340は、第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cの各ローラシリンダーよりも速くまたは遅く回転してもよい。他の実施形態において、回収ローラ組立体330dの各ローラシリンダー340は、第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cの各ローラシリンダー340とほぼ同じ速度で回転してもよい。
一部の実施形態において、回収ローラ組立体330dのローラシリンダー340は、ガラスが減衰領域にあるときよりもはるかに低い温度にあるときにガラスに触れ、したがって、高分子材料、例えばゴム、シリコーン、Viton(商標)(フルオロカーボンエラストマー)、フルオロシリコーンなどを備えてもよく、回収ローラ組立体330dのローラシリンダー340は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスにおけるガラス割れの形成を防止するために低いニップ力でプリフォームガラス板110から引き出されたガラスに係合するようになっている。さらに、回収ローラ組立体330dは、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスを回収ユニット400の方に導いてもよい。
図1を再び参照すると、回収ユニット400は、回収スプール410および切断装置420を備えてもよい。リドロー経路102は、回収ユニット400で終了し、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、リドロー炉200を出て回収ローラ組立体330dを通過した後に回収ユニット400によって回収されてもよい。例えば、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、回収スプール410に巻回することによって回収されてもよい。操業時、回収スプール410は、その軸線周りに回転可能であり、そのような回転は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスを回収スプール410に巻装しおよび/または引き出されたガラスをリドロー炉200から引き抜く一助となってもよい。一部の実施形態において、回収スプール410は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが巻装されてもよい実質的に円筒形の本体を備える。さらに、回収スプール410の直径は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスの曲げ半径に基づいて構成されてもよい。例えば、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、薄くなるほど、厚いほうのプリフォームガラス板110から引き出されたガラスよりも小さい曲げ半径を備えてもよい。したがって、ガラス板が厚くなるほど大径の回収スプール410が、その回収に望まれてもよく、ガラス板が薄くなるほど小径の回収スプール410が、その回収に望まれてもよい。円筒体は、円形断面形状を備える。他の実施形態において、回収スプール410の断面は、三角形、長方形、長円形、または別の適切な多角形、または非多角形の形状を有してもよい。
切断装置420は、スコアホイール、スクライビングチップ、切断ディスク、レーザー、トーチ、流体ジェット、曲げ装置、別の適切な切断装置、またはその組み合わせを備えてもよい。操業時、ガラス板がリドロー炉200をネッキング厚さで出ると、切断装置420は、ガラス板を切断してもよい。すなわち、流れ終了時には、プリフォームガラス板110は、所望の厚さの引き出されたガラス板を生成するのに十分な材料がもはや残っていないながらもローラ組立体330がプリフォームガラス板110を引き続けるとき、引き出されたガラス板は、典型的には厚さ方向および幅方向の両方で減衰して変形し始める時点に到達することになる。例えば、ガラス板は、所望の厚さを下回るネッキング厚さまでのネッキングが生じる。この時点になると、プリフォームガラス板110は、もはや、所望の引き出されたガラス板を生成することができず、プロセスは、所望の厚さを有する引き出されたガラス板、すなわち、ネッキング厚さに到達したガラス板の部分をガラス板の残りからを切断することによって終了となる。プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが切断されると、引き出されたガラス板の最終部分は、回収スプール410上に巻回され、プリフォームガラス板110の残りの部分は、まだ、ガラスハンガーシステム312と係合されているので、リドロー炉200から除去されてガラスハンガーシステム312から離脱されてもよい。その後、新しいプリフォームガラス板110が、ガラスハンガーシステム312内に装入されると、プロセスは、改めて、最初から開始されてもよい。
図1−図12を再び参照すると、ガラスリドローシステム100は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが回収ユニット400に到達するとプリフォームガラス板110から引き出されたガラスが約100μm未満の厚さを備えてもよいようにプリフォームガラス板110を減衰するために使用されることがある。複数のステップが以下で説明されているが、ガラスリドローシステム100は、以下で説明されているステップの一部のみを使用して、または、説明されていないさらなるステップを使用してプリフォームガラス板110を減衰するために使用されることがあることを理解すべきである。さらに、ステップは特定の順番で説明されているが、他の順番も企図されている。まず、リドロー炉200は、予熱して炉チャンネル216内の温度を上げることがある。リドロー炉200を予熱している間、仮設炉入口カバー234を炉筐体210と係合して炉入口230を覆うことがあり、仮設炉出口カバー236を炉筐体210と係合して炉出口232を覆うことがある。次に、ローラ組立体330の一部または全部、例えば、位置決めローラ組立体330a、第1および第2の減衰ローラ組立体300b、300c、および回収ローラ組立体330dを退避後の位置337内に向けて作動させることもある。
さらに、ガラスハンガーシステム312は、プリフォームガラス板110に手作業でまたは自動的に係合することがある。例えば、ハンガーハンドル326およびガラスクランプ324を基部ハウジング323から除去することがあり、ガラスクランプ324をプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114上に挟持することがあり、ハンガーハンドル326、ガラスクランプ324およびプリフォームガラス板110がガラスハンガーシステム312と係合されるようにハンガーハンドル326を基部ハウジング323に結合することがある。次に、プリフォームガラス板110を炉筐体210内に吊り下げることがある。例えば、仮設炉入口カバー234を炉入口230から除去することがあり、基部ハウジング323およびプリフォームガラス板110を炉チャンネル216に挿入することがあり、ハンガーカバー320を炉筐体210の入口端部212に結合して炉入口230を封止することがある。炉筐体210の入口端部212が封止されると、仮設炉出口カバー236を除去することがある。
次に、ガラスハンガーシステム312は、ハンガー駆動システム328を使用してリドロー経路102に沿って搬送方向104にプリフォームガラス板110を並進させることがある。プリフォームガラス板110が位置決めローラ組立体330aに長手方向に隣接しているとき、位置決めローラ組立体330aを退避後の位置337から伸長後の位置335内に向けて作動させて、位置決めローラ組立体330aのローラシリンダー340がプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114に係合することがある。さらに、プリフォームガラス板110が第1の減衰ローラ組立体330bに長手方向に隣接しているとき、第1の減衰ローラ組立体330bを退避後の位置337から伸長後の位置335内に向けて作動させて第1の減衰ローラ組立体330bのローラシリンダー340がプリフォームガラス板110の第1および第2の表面112、114に係合することがある。
第1の減衰ローラ組立体330bがプリフォームガラス板110と係合されるとき、ガラスハンガーシステム312は、プリフォームガラス板110を並進させることを停止することがあり、第1の減衰ローラ組立体330bのローラの第1および第2の対を、1つ以上のローラ駆動システム350によって回動作動させて、垂直張力をプリフォームガラス板110に印加してプリフォームガラス板110を減衰してプリフォームガラス板110から引き出されたガラスをリドロー経路102に沿って並進させることがある。ガラスハンガーシステム312がプリフォームガラス板110を並進させることを停止すると、複数の加熱ユニット250によってプリフォームガラス板110に印加された熱、および、第1の減衰ローラ組立体330bによってプリフォームガラス板110に印加された張力の組み合わせによって生成されたプリフォームガラス板110の厚さTの減衰は、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスをリドロー経路102に沿って搬送方向104に並進させ続けることがある。
一部の実施形態において、第1の減衰ローラ組立体330bは、プリフォームガラス板110に印加された垂直張力が漸増されてもよいようにプリフォームガラス板110に初めに接触するときにトルクモードで作動することがある。さらに、第1の減衰ローラ組立体330bは炉チャンネル216内でプリフォームガラス板110に係合するので、プリフォームガラス板110の廃棄部分を制限することがある。すなわち、典型的なガラスリドローシステムにおいて、第1の牽引ローラは、システムの出口に位置する。したがって、流れの開始時に、プリフォームガラス板は、ガラス塊がガラスリドローシステムの距離全体を進むまで、システムの出口でガラス塊が最終的に牽引ローラと係合するまで加熱され、システムの出口で、引き出されたガラス板の所望の厚さを生成するために制御しながらガラス塊を引っ張ることができる。この場合、所望の厚さのガラス板を作製することができるまでにはかなりの材料がプリフォームガラス板から溶けてしまう。
他方、現在のガラスリドローシステム100において、第1の減衰ローラ組立体330bおよび/または第2の減衰ローラ組立体330cを使用して、はるかに早い時点に、例えば、炉チャンネル216内でガラス塊に係合することができ、その結果、所望の厚さの引き出されたガラス板が生成される前のプリフォームガラス板110からの材料の廃棄量が少なくなる。例えば、第1の減衰ローラ組立体330bは、プリフォームガラス板の廃棄部分がプリフォームガラス板の20%未満、例えば、15%未満、10%未満、5%未満などを含んでもよいようにプリフォームガラス板110に係合することがある。さらに、第2の減衰ローラ組立体330cを備える実施形態において、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスが第2の減衰ローラ組立体330cに垂直に隣接しているときに、第2の減衰ローラ組立体330cを退避後の位置337から伸長後の位置335に作動させて、第2の減衰ローラ組立体330cのローラシリンダー340がプリフォームガラス板110から引き出されたガラスの第1および第2の表面112、114に係合することがある。
次に、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスが回収ローラ組立体330dに垂直に隣接しているときに、回収ローラ組立体330dを伸長後の位置335内に向けて作動させて、回収ローラ組立体330dのローラシリンダー340がプリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの第1および第2の表面112、114に係合することがある。その後、回収ローラ組立体330dを回転作動させて、垂直張力および引張力をプリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスに印加することがある。一部の実施形態において、回収ローラ組立体330dは、速度モードで作動して、一定の引張力をプリフォームガラス板110に印加してプリフォームガラス板110の厚さTを減衰することがある。プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスが回収ユニット400に到達した後、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスは、回収ユニット400によって回収され、例えば、回収スプール410に巻回される。プリフォームガラス板から引き出されたガラスは、例えば、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスの所望の長さが達成されると回収ユニット400の切断装置420を使用して切断される。
ローラ組立体330a−dを様々な方法で使用して、プリフォームガラス板110に張力を掛け、したがって、プリフォームガラス板110を結果として得られる所望の厚さに引き出すことがある。例えば、位置決めローラ組立体330aは、アイドル位置決め装置として使用されると先述されているが、一部の実施形態において、従動ロールを含むことができる。さらに、例えば、ローラ組立体330a−dを駆動させて、少なくとも1つは、プリフォームガラス板110から引き出された結果として得られるガラス板の厚さを制御するために等速モードで作動し、一方、他のローラ組立体は、トルクモードで駆動されてもよいようにすることができる。例えば、第1の減衰ローラ組立体330bは、トルクモードで作動することができ、第2の減衰ローラ組立体330cは、トルクモードで作動することができ、回収ローラ組立体330dは、速度モードで作動することができる。他の実施例において、第1の減衰ローラ組立体330bは、トルクモードで作動することができ、第2の減衰ローラ組立体330cは、速度モードで作動することができ、回収ローラ組立体330dは、トルクモードで作動することができる。他の実施例において、第1の減衰ローラ組立体330bは、速度モードで作動することができ、第2の減衰ローラ組立体330cは、トルクモードで作動することができ、回収ローラ組立体330dは、トルクモードで作動することができる。
他の実施例において、第1および第2の減衰ローラ組立体330b、330cは、プリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラスに係合する唯一のローラ組立体であることがある。これらの実施例において、(ロール角αの傾動によるように)トルク設定および水平張力は、リボン応力低減を達成するようにリボン形状を減衰領域246において制御するようにローラ組立体330b、330cによって調整することができ、その結果、リボン平坦化およびプロセス安定性が得られる。これらの実施例の一部の変更形態において、回収ローラ組立体330dは、厚さを制御してプロセス安定性を増大するために等速モードで使用されることもある。
図1、図4、および図5を再び参照すると、ガラスリドローシステム100は、複数の感知装置、例えば、高温計140、熱電対142、ガラス厚さ測定ゲージ144、および、サーマルラインスキャナー148をさらに備える。複数の感知装置の各々は、センサ測定に関するセンサ信号をリドローシステム制御装置150に送り、制御信号をリドローシステム制御装置150から受信するために通信経路154に沿ってリドローシステム制御装置150に通信上結合されることがある。操業時、1つ以上の感知装置から受信されたセンサ信号をリドローシステム制御装置150の1つ以上のメモリーモジュール156内に記憶することがあり、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250b(例えば、熱出力)、リドロー駆動システム300、例えば、ガラスハンガーシステム312の第1および第2のロードセル362a、362b(例えば、プリフォームガラス板110に印加された張力)から受信された信号と比較することがある。この比較に基づいて、リドローシステム制御装置150は、ガラスリドローシステム100の様々な動作機能、例えば、複数のローラ組立体330a−330dの回転速度および/またはトルク、ガラスハンガーシステム312の並進速度、ガラスハンガーシステム312の位置合わせ、および、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bによって出力される温度を変更することがある。
図1に示されているように、複数の熱電対142が、炉筐体210内に位置決めされ、例えば、第1および第2の表面壁222、224および第1および第2の縁壁226、228に結合されることがある。さらに、熱電対142は、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bに結合されるか、または、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bに隣接して位置決めされることがある。一部の実施形態において、複数の熱電対142は、熱制御熱電対142aおよび/またはプロセス制御熱電対142b(図5)を備えることがある。さらに、図8および図9に示されているように、1つ以上の熱電対142は、例えば、ガラスクランプ324(図9)がシリコーンを備えるときに、ガラスクランプ324(図9)を含むガラスハンガーシステム312の温度をモニターするためにガラスハンガーシステム312の基部ハウジング323に結合されることがある。
図1および図5を再び参照すると、熱制御熱電対142aは、個々の加熱ユニットおよび/または個々の発熱体の温度を測定する。例えば、熱制御熱電対142aは、それぞれ、第1および第2の表面壁222、224に沿って共通の垂直位置に第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bの個々の加熱ユニットに隣接して位置決めされることがある。さらに、プロセス制御熱電対142bは、炉筐体210内に位置決めされることがあり、炉チャンネル216内の気温を測定することがある。操業時、プリフォームガラス板110が、例えば、リドロー経路102を横切って炉チャンネル216内に位置決めされるとき、プリフォームガラス板110と第1および第2の表面壁222、224との間の炉チャンネル216内の気温が、プロセス制御熱電対142bによって測定されることがある。炉チャンネル216内の気温は、炉チャンネル216内のプリフォームガラス板110の長手方向の位置に関する情報をリドローシステム制御装置150(図5)に提供する。さらに、図5に概略的に示されているように、ガラスリドローシステム100は、熱電対142およびリドローシステム制御装置150に通信上結合された1つ以上の警報装置147をさらに備えることがある。1つ以上の警報装置147は、任意の可聴または視覚警報装置を備えることがあり、熱電対142が閾値温度よりも大きい温度を炉チャンネル216内で測定したときに、例えば、炉チャンネル216が閾値温度を超えていることに対してユーザの注意を喚起するために警報信号を作動させて出力するように構成されている。
例えば、長手方向に隣接する加熱ユニット250a、250bが熱を同じ温度で出力しているとき、第1の表面壁222とプリフォームガラス板110の第1の表面112との間の気温が第2の表面壁224とプリフォームガラス板110の第2の表面114との間の気温と同じである場合、リドローシステム制御装置150は、プリフォームガラス板110が炉チャンネル216において長手方向に中心が合っていると判定することがある。さらに、これらの気温が異なる場合、リドローシステム制御装置150は、プリフォームガラス板110が長手方向に中心外れである、例えば、第1および第2の表面壁222、224の他方よりも第1および第2の表面壁222、224の一方に近いと判定することがある。このフィードバックに基づいて、リドローシステム制御装置150は、例えば、ガラスハンガーシステム312の位置を変更し、および/または、複数のローラ組立体330a−330dのローラ332a、332bの適切な対の位置を変更することによって、炉チャンネル216内のプリフォームガラス板110の位置を変更することがある。
図4および図5をここで参照すると、高温計140は、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの第1および第2の表面112、114の温度をリドロー経路102に沿って複数の垂直位置で測定するように構成されている。操業時、高温計140は、電磁放射線をプリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラス上に照射し、戻り信号を受信して、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの温度を戻り信号の騒音レベルに基づいて判定することがある。一部の実施形態において、高温計140は、7.8μm波長電磁放射線を出力するように構成され、7.8μm波長電磁放射線は、約25μmから約200μmまでの厚さTを備える例示のガラス板の温度を測定するために使用されてもよい。さらに、高温計140は、電磁放射線を企図されている他の波長、例えば、約5μmから約15μmの波長で出力するように構成されてもよい。
一部の実施形態において、高温計140は、炉筐体210の第1および第2の表面壁222、224を貫通して延びてもよい。他の実施形態において、1つ以上の高温計140が複数の光学スロットを介して炉チャンネル216に電磁放射線を出力してもよいように、炉筐体210は第1の表面壁222、第2の表面壁224、第1の縁壁226および第2の縁壁228の1つ以上を貫通して延びる複数の光学スロットを備えてもよい。
操業時、高温計140は、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスが1つ以上の炉領域240を通ってリドロー経路102を横切るときにプリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの温度を判定するために炉筐体210の様々な垂直位置に沿って位置決めされてもよい。一部の実施形態において、高温計140は、固定式であり、他の実施形態において、高温計140は、シートの幅全体にわたって走査するように構成されてよく(すなわち1つの高温計は、ガラス板の幅全体にわたって様々な地点で多くの読み取りを取ってもよく)、個々の高温計140は、例えば、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの温度プロファイルを生成するために、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの温度を第1の縁部116と第2の縁部118との間で測定してもよいようになっている。さらに、(高温計140によって測定された)プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの温度は、リドローシステム制御装置150を使用して(熱制御熱電対142aによって測定された)第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bによって出力された温度、および、(プロセス制御熱電対142bによって測定された)炉チャンネル216の気温と比較されてもよい。この比較によって、リドローシステム制御装置150は、加熱ユニット250a、250bの温度、炉チャンネル216の気温、および、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの第1および第2の表面112、114の温度の関係を判定でき、リドローシステム制御装置150は、加熱ユニット250a、250b、によって出力された熱、ガラスハンガーシステム312の並進速度、および、ローラ332a、332bの電動式の対を備える1つ以上のローラ組立体330のトルク、回転速度、および位置を変更することができ、プリフォームガラス板110は、所望の厚さTに減衰されてもよいようになっている。
一部の実施形態において、高温計140は、シート形状を測定するために使用されてもよい。すなわち、第1および第2の表面112、114の温度は、モニターされてもよく、典型的な量を超えた温度変化があるとき、望ましくないシート形状がある、例えば、ガラス板の各部は所望の平面からずれていると判定されてもよい。他方、高温計140が、温度変化が極めて少ないことを示すとき、望ましくないシート形状はほとんどないと判定することができる。リドローシステム制御装置150は、温度変化を高温計140からモニターすることによっていつ望ましいかまたは望ましくないシート形状があるかを判定することができ、シート形状を低減するようにガラスリドローシステムの残りの部分を調整することができる。例えば、ガラスリドローシステム100の残りの部分は、シート平坦化を促進するために、加熱ユニット250、発熱体250’、ローラ組立体330、冷却剤流体の流れ(以下に記載)、ガス抽出設備(以下に記載)などを含んでもよい。
図4および図5を尚も参照すると、ガラスの厚さ測定ゲージ144は、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの厚さTをリドロー経路102に沿って1つ以上の垂直位置で測定してもよい。ガラスの厚さ測定ゲージ144は、例えば、Keyenceから販売されているように、分光干渉レーザー変位計、高精度共焦色彩色差計、レーザー共焦センサなどを備えてもよい。一部の実施形態において、上述したゲージの作業距離よりも高い作業距離を有するゲージが望ましいであろう。一部の実施形態において、ガラスの厚さ測定ゲージ144は、厚さTがローラ組立体330b−dによって減衰された後にプリフォームガラス板110から引き出されたガラスの厚さTを測定するために炉出口232で回収ローラ組立体330dの下流側に位置決めされてもよい。ガラスの厚さ測定ゲージ144は、固定式または走査式であってもよい。一部の実施形態において、複数のガラスの厚さ測定ゲージ144は、ガラス厚さ測定ゲージ144がプリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスの厚さTを複数の横方向の位置で測定してもよいように共通の垂直位置に隣接して横方向に位置決めされてもよく、リドローシステム制御装置150は、プリフォームガラス板110またはそこから引き出されたガラスが第1および第2の縁部116、118間で均一に減衰されているかどうか判定してもよいようになっている。
さらに、サーマルラインスキャナー148は、炉出口232にて、例えば、ガラス厚さ測定ゲージ144の下流側に垂直に位置決めされてもよく、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが炉出口232と回収ユニット400との間で並進するときにプリフォームガラス板110から引き出されたガラスの温度を測定してもよい。操業時、サーマルラインスキャナー148は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスの第1および第2の表面112、114の温度プロファイルを第1および第2の縁部116、118間で測定してもよい。操業時、サーマルラインスキャナー148の温度測定結果は、プリフォームガラス板110から引き出されたガラスが炉出口232を出た後にプリフォームガラス板110から引き出されたガラスの温度とプリフォームガラス板110から引き出されたガラスの厚さとの相関を判定するために、例えば、リドローシステム制御装置150を使用してガラス厚さ測定ゲージ144の厚さ測定結果と比較されてもよい。
図1および図3を再び参照すると、リドロー炉200およびリドロー駆動システム300は、冷却剤流体、例えば、空気、水などを使用して流体的に各々冷却されてもよい。図1に示されているように、リドロー炉200は、第1の表面壁222、第2の表面壁224、第1の縁壁226、および第2の縁壁228の1つ以上内に位置決めされた複数の流体冷却チャンネル270を備えてもよい。流体冷却チャンネル270は、流体経路を提供する1つ以上のパイプ、チューブなどを備える。さらに、複数の流体冷却チャンネル270は、1つ以上のリザーバ272(図3)および1つ以上のポンプ圧送システム274(図3)に流体結合されてもよく、冷却剤流体は複数の流体冷却チャンネル270を通って連続的にポンプ圧送されてよく、熱が炉筐体210から除去されるようになっている。
一部の実施形態において、流体冷却チャンネル270を通って流れる冷却剤流体の容積および速度は、炉筐体210の冷却を制御するために、例えば、1つ以上のポンプ圧送システム274によって変更されてもよい。さらに、複数の流体冷却チャンネル270は、炉筐体210内に位置決めされてもよく、流体冷却チャンネル270は、異なる炉領域240に隣接して位置決めされてもよいようになっている。操業時、複数の流体冷却チャンネル270は、独立制御されてもよい。非限定的な実施例として、より多くの冷却がアニール領域248において所望される場合、アニール領域248に隣接して炉筐体210内に位置決めされた流体冷却チャンネル270は、冷却剤流体の増大した容積および/または速度を受けてもよい。さらに、1つ以上のポンプ圧送システム274は、制御信号をポンプ圧送システム274に提供するためにリドローシステム制御装置150(図5)に通信上結合されてもよい。個々の流体冷却チャンネル270を通る冷却剤流体の容積および速度を制御することによって、異なる炉領域240内の炉筐体210の各部の温度は選択的に制御されてもよいことを理解すべきである。
一部の実施形態において、流体冷却チャンネル270または他の流路は、ガラスリドローシステム100の様々な構成要素へ延びてもよく、冷却剤流体は、ガラスリドローシステム100の様々な構成要素を通って循環されてもよいようになっている。例えば、1つ以上の流体冷却チャンネル270は、熱変更ゲート120、熱スプレッダ130、高温計140、熱電対142、ガラスハンガーシステム312の吊り下げシャフト314およびガラス挟持基部322、および、複数のローラ組立体330の各々のローラシャフト338内に位置決めされてもよい。
操業時、個々の構成要素を通る循環冷却流体は、熱が炉チャンネル216へ出力されている間にこれらの構成要素を冷却してもよい。例えば、各ローラシャフト338を通る循環冷却流体(例えば、空気)は、炉チャンネル216へ延びるローラシャフト338の垂み(例えば、垂直垂み)を最小限に抑えることがある。さらに、流体冷却時に、ローラシャフト338およびローラシリンダー340は、プリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)の第1および第2の縁部116、118近傍で熱を除去して、プリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)の粘度を第1および第2の縁部116、118に沿って減少させるために、プリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)の第1および第2の表面112、114に沿った個別の場所にてヒートシンクとして動作してもよい。プリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)の粘度を第1および第2の縁部116、118に沿って減少させることによって、プリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)がリドロー経路102を横切るときに、プリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)の幅Wの減衰が低減することがある。さらに、吊り下げシャフト314およびガラスハンガーシステム312のガラス挟持基部322を通る循環冷却流体は、さらに、例えば、ガラス挟持基部322が炉チャンネル216内に位置決めされているときにガラスクランプ324を約250℃未満に維持するためにガラスクランプ324がシリコーンを備えるときに冷却をガラスクランプ324に提供してもよい。
図1を再び参照すると、リドロー炉200は、リドロー経路102に隣接して終了する炉チャンネル216へ延びる1つ以上の縁部冷却バヨネット290をさらに備えてもよい。図1に示されているように、縁部冷却バヨネット290は、アニール領域248内に位置決めされているが、任意の数の縁部冷却バヨネット290が炉領域240のいずれにおいても位置決めされてもよいことを理解すべきである。一部の実施形態において、1つ以上の縁部冷却バヨネット290は、冷却剤流体が縁部冷却バヨネット290を通って流れてもよいように複数の流体冷却チャンネル270に流体結合されている。他の実施形態において、縁部冷却バヨネット290は、冷却剤流体を複数の流体冷却チャンネル270から独立した1つ以上のリザーバ272(図3)から受容してもよい。操業時、縁部冷却バヨネット290は、プリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)がリドロー経路102を横切るときにプリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)の第1および第2の縁部116、118を冷却してもよい。プリフォームガラス板110(または、そこから引き出されたガラス)の第1および第2の縁部116、118の局所的冷却によって第1および第2の縁部116、118が補強されることがあり、幅Wの減衰が最小限に抑えられることがあるようになっている。
図3をここで参照すると、リドロー炉200は、ガスを炉チャンネル216から除去するように構成された1つ以上のガス抽出チューブ280をさらに備えてもよい。一部の実施形態において、ガス抽出チューブ280は、ガス抽出ポンプ285に流体結合されてもよく、ガス抽出チューブ280は、ガスを炉チャンネル216から能動的に抽出してもよいようになっている。他の実施形態において、ガス抽出チューブ280は、例えば、気流が炉チャンネル216内に存在するときに、および/または、炉チャンネル216が大気圧を超える圧力を備えるときに、ガスを、ガス抽出ポンプ285を使用することなく炉チャンネル216から受動的に出力するように構成されている。1つ以上のガス抽出チューブ280は、第1および第2の表面壁222、224および第1および第2の縁壁226、228の1つ以上を貫通して延びてもよい。一部の実施形態において、ガス抽出チューブ280は、炉チャンネル216を封止するように封止可能である。一部の実施形態において、ガス抽出チューブ280は、アニール領域248、減衰領域246、またはその両方内に位置決めされている。例えば、ガス抽出チューブ280は、減衰領域内の空気流を最小限に抑えるために、減衰領域246の下流側に垂直に位置決めされてもよい。
操業中、第1および第2の複数の加熱ユニット250a、250bによって炉チャンネル216内に形成された垂直温度勾配500(図7)は、炉入口230からの(例えば、ハンガーカバー320からの)漏れがあるときに、気流を炉チャンネル216内で、例えば、出口端部214と入口端部212との間で生成することがある。操業時、ガス抽出チューブ280は、減衰領域246を通って流れる気流を低減するために炉筐体210から、例えば、ガスをアニール領域248および/または減衰領域246から抽出する。減衰領域246を通る気流を制限することによって、気流がプリフォームガラス板110の厚さTに影響を与えることなく(例えば、気流がプリフォームガラス板110およびそこから引き出されたガラス上の望ましくない厚さ特徴を生成することなく)、プリフォームガラス板110を加熱および減衰することがある。
図3を尚も参照すると、リドロー炉200は、ガスを炉チャンネル216に導入するように構造的に構成された1つ以上のガス注入チューブ282をさらに備えてもよい。ガス注入チューブ282は、ガス注入チューブ282がガスを炉チャンネル216に能動的に導入してもよいようにガス注入ポンプ286に流体結合されてもよい。ガス抽出チューブ280がガス抽出ポンプ285に流体結合されている実施形態において、ガス注入チューブ282は、ガス抽出ポンプ285またはガス注入ポンプ286に流体結合されてもよい。1つ以上のガス注入チューブ282は、第1および第2の表面壁222、224および第1および第2の縁壁226、228の1つ以上を貫通して延びてもよい。一部の実施形態において、ガス注入チューブ282は、炉チャンネル216を封止するように封止可能である。ガス注入チューブ282は、ステージング領域242、予熱領域244、またはその両方内に位置決めされてもよく、減衰領域246における温度増大によって引き起こされた上流側空気流に対抗するためにガス圧力を減衰領域246の上流側で増大させるためにガスを減衰領域246の上流側で垂直に導入するように構成されている。
さらに、ガス抽出ポンプ285およびガス注入ポンプ286は、各々、制御信号をガス抽出ポンプ285およびガス注入ポンプ286に提供するために、リドローシステム制御装置150(図5)に通信上結合されてもよい。ガラスリドローシステム100は、また、炉筐体210内に位置決めされ、リドローシステム制御装置150に通信上結合された1つ以上の圧力センサ149(図5)を備えてもよい。1つ以上の圧力センサ149は、炉筐体210内の圧力および/または空気流を測定して、センサ信号をリドローシステム制御装置150に出力するように構造的に構成されている。操業時、リドローシステム制御装置150は、例えば、炉チャンネル216内の空気流を最小限に抑え、および/または、炉チャンネル216内の空気流を層状空気流に制限するために、例えば、1つ以上の圧力センサ149によって測定された圧力および/または空気流信号に基づいて、ガス抽出ポンプ285を使用して炉チャンネル216から除去されたガスの容積および速度を制御することがあり、ガス注入ポンプ286を使用して炉チャンネル216へ導入されたガスの容積および速度を制御することがある。
本明細書で説明されている実施形態は、ガラスリドローシステムを使用してプリフォームガラス板を減衰するシステムおよび方法を提供することを理解すべきである。ガラスリドローシステムは、炉筐体に結合された複数の加熱ユニットを有し、熱を炉入口と炉出口との間に延びる炉チャンネルへ出力するように構成されたリドロー炉を含む。リドロー炉は、予熱領域、減衰領域、およびアニール領域を含み、複数の加熱ユニットが熱を炉チャンネルへ出力するとき、減衰領域は、予熱領域およびアニール領域より高い温度に到達し、リドロー経路を横切るプリフォームガラス板は、減衰領域内で軟化温度まで加熱されてもよいようになっている。リドローシステムは、急激な温度勾配を減衰領域と隣接した炉領域との間で生成するように構成された熱スプレッダおよび熱変更ゲートをさらに含んでもよい。さらに、ガラスリドローシステムは、プリフォームガラス板(または、そこから引き出されたガラス)に係合して、プリフォームガラス板(または、そこから引き出されたガラス)を炉筐体を通って案内し、プリフォームガラス板の厚さを減衰するために垂直張力を印加するように構成された複数のローラ組立体を含む。本明細書で説明されているシステムおよび方法は、均一な厚さを幅(ならびに長さに沿って)全体にわたって有し、低い反りを有する(すなわち、良好な平坦度を有する)引き出されたガラス板を形成するためにプリフォームガラス板の厚さを一貫してかつ効率的に減衰するシステムおよび方法を提供する。
特定の実施形態が本明細書で例示および説明されてきたが、様々な他の変更および修正が主張する主題の精神および範囲から逸脱することなく行われることがあることを理解するべきである。さらに、主張する主題の様々な態様が本明細書で説明されてきたが、そのような態様は組み合わせに利用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、主張する主題の範囲内にある全てのそのような変更および修正を対象とすることが意図されている。
本明細書で説明されているガラスリドローシステムを使用してプリフォームガラス板を減衰するシステムおよび方法は、いくつかの態様の観点から説明されることがあることも理解すべきである。第1の態様において、ガラスリドローシステムが、炉入口と炉出口との間に延びる炉チャンネルを有する炉筐体、炉筐体に結合された減衰加熱ユニット、炉入口と減衰加熱ユニットとの間に位置決めされた予熱領域、および、炉出口と減衰加熱ユニットとの間に位置決めされたアニール領域を有するリドロー炉を含む。ガラスリドローシステムは、また、減衰加熱ユニットと予熱領域またはアニール領域の1つとの間の炉チャンネルに沿った熱伝達を抑制するために、炉筐体に結合され、減衰加熱ユニットと予熱領域またはアニール領域の1つとの間で炉チャンネルへ延びる1つ以上の熱変更ゲートを含んでもよい。
第2の態様が、第1の態様のガラスリドローシステムを含み、1つ以上の熱変更ゲートは、減衰加熱ユニットと予熱領域との間で搬送方向に減衰加熱ユニットの上流側に位置決めされた上流側熱変更ゲート、および、減衰加熱ユニットとアニール領域との間で搬送方向に減衰加熱ユニットの下流側に位置決めされた下流側熱変更ゲートを含む。
第3の態様が、第1または第2の態様のガラスリドローシステムを含み、1つ以上の熱変更ゲートが、炉筐体の第1の表面壁に結合され、炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路の方に長手方向に延びる第1のゲート部分、および、炉筐体の第2の表面壁に結合され、リドロー経路の方に長手方向に延びる第2のゲート部分を各々含む。
第4の態様が、第3の態様のガラスリドローシステムを含み、1つ以上の熱変更ゲートは、第1のゲート部分および第2のゲート部分が各々長手方向に移動可能であるように炉筐体に摺動可能に結合されている。
第5の態様が、第3または第4の態様のガラスリドローシステムを含み、第1のゲート部分および第2のゲート部分は、退避後の位置と伸長後の位置との間で長手方向に各々移動可能であり、退避後の位置において、第1のゲート部分および第2のゲート部分は、炉チャンネルから除去され、伸長後の位置において、第1のゲート部分および第2のゲート部分は、リドロー経路に隣接して長手方向に終了する。
第6の態様において、第1から第5までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、減衰加熱ユニットと、炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路との間に位置決めされた熱スプレッダをさらに含み、熱スプレッダは、熱を熱スプレッダに沿って垂直方向および横方向に分散させるように構成されている。
第7の態様において、第1から第6までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、複数の加熱ユニットをさらに含み、複数の加熱ユニットは、減衰加熱ユニット、予熱領域内で炉筐体に結合された予熱ユニット、および、アニール領域内で炉筐体に結合されたアニール加熱ユニットを含む。
第8の態様が、第7の態様のガラスリドローシステムを含み、複数の加熱ユニットが熱を炉チャンネルへ出力するとき、減衰加熱ユニットは、熱を予熱ユニットおよびアニール加熱ユニットの各々よりも高い温度で出力する。
第9の態様が、第7または第8の態様のガラスリドローシステムを含み、複数の加熱ユニットは、複数の横方向に隣接した発熱体を各々含む。
第10の態様が、第9の態様のガラスリドローシステムを含み、減衰加熱ユニットは、予熱ユニットおよびアニール加熱ユニットの両方よりも横方向に隣接した発熱体を備える。
第11の態様が、第7から第10までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムを含み、複数の加熱ユニットは、抵抗加熱器、誘導加熱器、または、その組み合わせを各々含む。
第12の態様が、第7から第11までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムを含み、複数の加熱ユニットが熱を炉チャンネルへ出力するとき、予熱ユニットは、熱を約600℃から約900℃までの温度で出力し、減衰加熱ユニットは、熱を約1300℃から約1700℃までの温度で出力し、アニール加熱ユニットは、熱を約700℃から約1000℃までの温度で出力する。
第13の態様が、第7から第12までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムを含み、炉筐体は、第2の表面壁に対向する第1の表面壁を含み、複数の加熱ユニットの個々の加熱ユニットは、共通の垂直位置で第1の表面壁および第2の表面壁に結合され、第1の表面壁に結合された各個の加熱ユニットは、第2の表面壁に結合された個々の加熱ユニットと長手方向に整合されているようになっている。
第14の態様において、第7から第13までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、複数の加熱ユニットの個々の加熱ユニットと炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路との間に位置決めされた熱スプレッダをさらに含み、熱スプレッダは、熱を熱スプレッダに沿って垂直方向および横方向に分散させるように構成されている。
第15の態様において、第1から第14までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、炉筐体の1つ以上の壁部内に位置決めされ、冷却剤流体を1つ以上の流体冷却チャンネル中で循環させるように構造的に構成された流体ポンプ圧送システムに流体結合された1つ以上の流体冷却チャンネルをさらに含む。
第16の態様において、第1から第15までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、炉チャンネルへ延び、炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路に隣接して終了する1つ以上の縁部冷却バヨネットをさらに含む。
第17の態様において、第1から第16までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、炉チャンネルに流体結合され、減衰加熱ユニットの下流側に垂直に位置決めされた1つ以上のガス抽出チューブをさらに含み、1つ以上のガス抽出チューブは、ガスを炉チャンネルから除去するように構造的に構成されている。
第18の態様において、第1から第17までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、炉チャンネルに流体結合され、減衰加熱ユニットの上流側に垂直に位置決めされた1つ以上のガス注入チューブをさらに含み、1つ以上のガス注入チューブは、ガスを炉チャンネルへ入力するように構造的に構成されている。
第19の態様において、第1から第18までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路に沿って位置決めされた複数のローラ組立体をさらに含む、複数のローラ組立体は、搬送方向に減衰加熱ユニットの下流側に位置決めされた減衰ローラ組立体、および、搬送方向に減衰ローラ組立体の下流側に位置決めされた回収ローラ組立体を含み、減衰ローラ組立体および回収ローラ組立体は、ガラス板に係合して張力をガラス板に印加するように構成されたローラの1つ以上の電動ローラ対を各々含む。
第19の態様のガラスリドローシステムの第20の態様において、減衰ローラ組立体および回収ローラ組立体のローラの1つ以上の電動ローラ対は、トルクモードおよび速度モードの一方で作動し、トルクモードにおいて、ローラの1つ以上の電動対は、一定のトルクで回転し、速度モードにおいて、ローラの1つ以上の電動対は等速で回転する。
第19または第20の態様のガラスリドローシステムの第21の態様において、減衰ローラ組立体は、伸長後の位置と退避後の位置との間で調整可能であり、伸長後の位置において、減衰ローラ組立体のローラシリンダーは、リドロー経路の縁部に位置決めされ、退避後の位置において、減衰ローラ組立体のローラシリンダーは、リドロー経路から除去されている。
第19から第21までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムの第22の態様において、減衰ローラ組立体は、ローラ継手周りに垂直に下流側の方向に枢動可能であり、減衰ローラ組立体は、減衰ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対がガラス板と係合されて、減衰ローラ組立体が垂直に下流側の方向に枢動されるときに張力をガラス板に垂直方向および横方向の両方に印加するようになっている。
第23の態様において、第1から第22までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、炉入口と係合可能であり、プリフォームガラス板を炉チャンネルにおいて吊り下げるように構成された供給ユニットをさらに含む。
第24の態様が、第23の態様のガラスリドローシステムを含み、供給ユニットは、ガラスハンガーシステムを含み、ガラスハンガーシステムは、プリフォームガラス板と係合可能なガラスクランプを有するガラス挟持基部、および、ハンガー駆動システムおよびガラス挟持基部に結合されてハンガー駆動システムとガラス挟持基部との間に延びる1つ以上の吊り下げシャフトを有し、ハンガー駆動システムは、ガラス挟持基部および1つ以上の吊り下げシャフトを炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路の一部に沿って並進させるように構造的に構成されている。
第25の態様が、第24の態様のガラスリドローシステムを含み、ガラスハンガーシステムは、炉筐体の炉入口を覆うために炉筐体と係合可能なハンガーカバーをさらに含み、1つ以上の吊り下げシャフトは、ハンガーカバーを貫通して延びる。
第26の態様において、第1から第25までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、回収ユニットをさらに含み、リドロー経路が、炉チャンネルを貫通して延びて回収ユニットで終了する。
第27の態様が、第26の態様のガラスリドローシステムを含み、回収ユニットは、回収スプールおよび切断装置をさらに含む。
第28の態様において、第1から第27までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、1つ以上の高温計、1つ以上の熱電対、1つ以上のガラス厚さ測定ゲージ、および1つ以上のサーマルラインスキャナーをさらに含む。
第29の態様が、第28の態様のガラスリドローシステムを含み、少なくとも1つの熱電対が、炉筐体内に位置決めされ、少なくとも1つのガラス厚さ測定ゲージおよび少なくとも1つのサーマルラインスキャナーは、炉出口と回収ユニットとの間に位置決めされている。
第30の態様において、ガラスリドローシステムが、炉入口と炉出口との間に延びる炉チャンネルを有する炉筐体と、炉筐体に結合され、熱を炉筐体へ出力するように構造的に構成された減衰加熱ユニットとを有するリドロー炉、炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路、および、減衰加熱ユニットの下流側の位置で搬送方向に炉チャンネルへ延びるローラの1つ以上の電動対を含む減衰ローラ組立体を含み、ローラの1つ以上の電動対は、リドロー経路に沿った伸長後の位置とリドロー経路から離れた退避後の位置との間で調整可能であり、ローラの1つ以上の電動対は、垂直張力をプリフォームガラス板に印加するためにプリフォームガラス板と係合可能である。
第31の態様が、第30の態様のガラスリドローシステムを含み、減衰ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対は、第1のシャフト端部および第2のシャフト端部を有するローラシャフトを各々含み、各ローラシャフトは、第1のシャフト端部でローラ駆動システムと機械的に係合され、第2のシャフト端部でローラシリンダーに結合されている。
第32の態様が、第31の態様のガラスリドローシステムを含み、減衰ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対の各ローラシリンダーは、耐火物を備える。
第33の態様が、第31の態様または第32の態様のガラスリドローシステムを含み、減衰ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対の各ローラシャフトは、減衰ローラ組立体を貫通して延びる1つ以上の流体冷却チャンネルを備える。
第34の態様は、第30から第33までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムを含み、減衰ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対は、作動されるとき、減衰ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対が一定のトルクで回転するようにトルクモードで作動する。
第35の態様は、第30から第34までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムを含み、減衰ローラ組立体は、垂直に下流側の方向にローラ継手周りに枢動可能であり、減衰ローラ組立体は、減衰ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対がガラス板と係合されて、減衰ローラ組立体が垂直に下流側の方向に枢動されるときに張力をガラス板に垂直方向および横方向の両方に印加するようになっている。
第36の態様において、第30から第35までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、炉出口と回収ユニットとの間に位置決めされた電動ローラの1つ以上の対を有する回収ローラ組立体をさらに含み、電動ローラの1つ以上の対は、ガラス板と係合可能であって垂直張力をガラス板に印加するためにようにリドロー経路に隣接している。
第37の態様が、第36の態様のガラスリドローシステムを含み、回収ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対は、第1のシャフト端部および第2のシャフト端部を有するローラシャフトを各々含み、各ローラシャフトは、第1のシャフト端部でローラ駆動システムと機械的に係合され、第2のシャフト端部でローラシリンダーに結合されている。
第38の態様が、第36の態様または第37の態様のガラスリドローシステムを含み、回収ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対の各ローラシリンダーは、高分子材料を含む。
第39の態様は、第36の態様から第38の態様までの任意の組み合わせのガラスリドローシステムを含み、回収ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対は、作動されたとき、回収ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対が一定の速度で回転するように速度モードで作動する。
第40の態様は、第36の態様から第39の態様までの任意の組み合わせのガラスリドローシステムを含み、リドロー経路は、炉チャンネルを貫通して延びて回収ユニットで終了し、回収ローラ組立体のローラの1つ以上の電動対は、リドロー経路に沿った伸長後の位置とリドロー経路から離れた退避後の位置との間で調整可能である。
第41の態様において、第30から第40までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、減衰加熱ユニットの上流側の位置で搬送方向に炉チャンネルへ延びる位置決めローラ組立体をさらに含み、位置決めローラ組立体は、リドロー経路に沿った伸長後の位置とリドロー経路から離れた退避後の位置との間で調整可能である。
第42の態様において、第30から第41までの態様の任意の組み合わせのガラスリドローシステムは、複数の加熱ユニットをさらに含み、複数の加熱ユニットは、減衰領域内で炉筐体に結合された減衰加熱ユニット、予熱領域内で炉筐体に結合された予熱ユニット、および、アニール領域内で炉筐体に結合されたアニール加熱ユニットを含む。
第43の態様が、第42の態様のガラスリドローシステムを含み、複数の加熱ユニットが熱を炉チャンネルへ出力するとき、減衰加熱ユニットは、熱を予熱ユニットおよびアニール加熱ユニットの各々よりも高い温度で出力する。
第44の態様において、プリフォームガラス板を減衰する方法は、供給ユニットを使用してプリフォームガラス板をリドロー炉内に吊り下げるステップを含む。リドロー炉は、炉入口と炉出口との間に延びる炉チャンネルを有する炉筐体、および、炉筐体に結合され、熱を炉筐体へ出力するように構造的に構成された複数の加熱ユニットを含み、この方法は、プリフォームガラス板の少なくとも一部が軟化温度まで加熱されるように複数の加熱ユニットを使用してプリフォームガラス板を加熱するステップと、プリフォームガラス板の第1の表面および第2の表面を複数の加熱ユニットの1つ以上の減衰加熱ユニットの下流側の位置で搬送方向に炉チャンネルへ延びる減衰ローラ組立体と係合するステップと、プリフォームガラス板が搬送方向に並進するときにプリフォームガラス板の厚さが減衰するように減衰ローラ組立体の1つ以上のローラシリンダーを回転させることによって垂直張力をプリフォームガラス板に印加するステップとさらに含む。
第45の態様が、第44の態様の方法を含み、減衰ローラ組立体の1つ以上のローラシリンダーは、トルクモードで回転する。
第46の態様において、第44の態様または第45の態様の方法は、プリフォームガラス板の第1の表面および第2の表面から引き出されたガラスを搬送方向に減衰ローラ組立体および炉出口の両方の下流側に位置決めされた回収ローラ組立体と係合するステップをさらに含む。
第47の態様において、第46の態様の方法は、プリフォームガラス板が回収ローラ組立体と係合されているときに減衰ローラ組立体をプリフォームガラス板から離脱させるステップをさらに含む。
第48の態様において、第46の態様または第47の態様の方法は、回収ローラ組立体の1つ以上のローラシリンダーを回転させることによって垂直張力をプリフォームガラス板に印加するステップを更に含む。
第49の態様が、第48の態様の方法を含み、回収ローラ組立体の1つ以上のローラシリンダーは、速度モードで回転する。
第50の態様において、第44の態様から第49の態様までの任意の組み合わせの方法は、プリフォームガラス板から引き出されたガラスを炉出口の下流側に位置決めされた回収ユニットで受容するステップをさらに含む。
第55の態様が、第50の態様の方法を含み、プリフォームガラス板から引き出されたガラスが回収ユニットによって受容されるとき、プリフォームガラス板から引き出されたガラスは、約100μm未満の厚さを含む。
第52の態様が、第44の態様から第51の態様までの任意の組み合わせの方法を含み、供給ユニットは、ガラスハンガーシステムを含み、ガラスハンガーシステムは、プリフォームガラス板と係合可能なガラスクランプを有するガラス挟持基部、および、ハンガー駆動システムおよびガラス挟持基部に結合されてハンガー駆動システムとガラス挟持基部との間に延びる1つ以上の吊り下げシャフトを有し、ハンガー駆動システムは、ガラス挟持基部および1つ以上の吊り下げシャフトを炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路の一部に沿って並進させるように構造的に構成されている。
第53の態様において、第52の態様の方法は、ガラス挟持基部およびプリフォームガラス板を搬送方向に並進させ、プリフォームガラス板が減衰ローラ組立体と係合されたときにガラス挟持基部およびプリフォームガラス板の並進を停止するステップをさらに含む。
第54の態様において、第44の態様から第53の態様までの任意の組み合わせの方法は、プリフォームガラス板を位置決めローラ組立体と、プリフォームガラス板が位置決めローラ組立体に長手方向に隣接しているときに係合し、プリフォームガラス板が減衰ローラ組立体と係合されているときに位置決めローラ組立体をプリフォームガラス板から離脱させるステップをさらに含む。
第55の態様が、第44の態様から第54の態様までの任意の組み合わせの方法を含み、複数の加熱ユニットが熱を炉チャンネルへ出力するとき、1つ以上の減衰加熱ユニットは、熱を1つ以上の残りの加熱ユニットよりも高い温度で出力する。
第56の態様が、第44の態様から第55の態様までの任意の組み合わせの方法を含み、プリフォームガラス板は、合わせガラス板を備える。
第57の態様が、第44の態様から第56の態様までの任意の組み合わせの方法を含み、プリフォームガラス板は、巻き取られたガラス板を備える。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラスリドローシステムにおいて、
炉入口と炉出口との間に延びる炉チャンネルを有する炉筐体と、
前記炉筐体に結合された減衰加熱ユニットと、
前記炉入口と記減衰加熱ユニットとの間に位置決めされた予熱領域と、
前記炉出口と前記減衰加熱ユニットとの間に位置決めされたアニール領域とを含むリドロー炉と、
前記炉筐体に結合され、前記減衰加熱ユニットと前記予熱領域または前記アニール領域の1つとの間で前記炉チャンネルへ延びる、前記減衰加熱ユニットと前記予熱領域または前記アニール領域の前記1つとの間の前記炉チャンネルに沿った熱伝達を抑制する1つ以上の熱変更ゲートと、
を備える、ガラスリドローシステム。
実施形態2
前記1つ以上の熱変更ゲートが、
前記減衰加熱ユニットと前記予熱領域との間で搬送方向に前記減衰加熱ユニットの上流側に位置決めされた上流側熱変更ゲートと、
前記減衰加熱ユニットと前記アニール領域との間で搬送方向に前記減衰加熱ユニットの下流側に位置決めされた下流側熱変更ゲートとを含む、実施形態1記載のガラスリドローシステム。
実施形態3
前記1つ以上の熱変更ゲートが、前記炉筐体の第1の表面壁に結合され、前記炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路の方に長手方向に延びる第1のゲート部分、および、前記炉筐体の第2の表面壁に結合され、前記リドロー経路の方に長手方向に延びる第2のゲート部分を各々含み、前記1つ以上の熱変更ゲートが、前記第1のゲート部分および前記第2のゲート部分が各々長手方向に移動可能であるように前記炉筐体に摺動可能に結合されている、実施形態1記載のガラスリドローシステム。
実施形態4
ガラスリドローシステムにおいて
炉入口と炉出口との間に延びる炉チャンネルを有する炉筐体と、
前記炉筐体に結合され、熱を前記炉筐体へ出力するように構造的に構成された減衰加熱ユニットとを含む、リドロー炉と、
前記炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路と、
前記減衰加熱ユニットの下流側の位置で搬送方向に前記炉チャンネルへ延びるローラの1つ以上の電動ローラ対を含む減衰ローラ組立体であって、ローラの前記1つ以上の電動ローラ対が、前記リドロー経路に沿った伸長後の位置と前記リドロー経路から離れた退避後の位置の間で調整可能であり、ローラの前記1つ以上の電動ローラ対が、垂直張力を前記プリフォームガラス板に印加するためにプリフォームガラス板と係合可能である減衰ローラ組立体と、
を備え、
前記減衰ローラ組立体のローラの前記1つ以上の電動ローラ対が、第1のシャフト端部および第2のシャフト端部を備えるローラシャフトを各々含み、各ローラシャフトが、前記第1のシャフト端部でローラ駆動システムと機械的に係合され、前記第2のシャフト端部でローラシリンダーに結合され、
前記減衰ローラ組立体のローラの前記1つ以上の電動ローラ対が、作動されたとき、前記減衰ローラ組立体のローラの前記1つ以上の電動ローラ対が一定のトルクで回転するようにトルクモードで作動する、ガラスリドローシステム。
実施形態5
前記減衰加熱ユニットと前記炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路との間に位置決めされた熱スプレッダをさらに備え、前記熱スプレッダが、熱を前記熱スプレッダに沿って垂直方向および横方向に分散させるように構成されている、実施形態1から4のいずれか一項記載のガラスリドローシステム。
実施形態6
前記炉チャンネルに流体結合され、前記減衰加熱ユニットの下流側に垂直に位置決めされた1つ以上のガス抽出チューブであって、前記1つ以上のガス抽出チューブが、ガスを前記炉チャンネルから除去するように構造的に構成されている、前記1つ以上のガス抽出チューブと、
前記炉チャンネルに流体結合され、前記減衰加熱ユニットの上流側に垂直に位置決めされた1つ以上のガス注入チューブであって、ガスを前記炉チャンネルへ入力するように構造的に構成されている1つ以上のガス注入チューブと、
の少なくとも1つをさらに備える、実施形態1から5のいずれか一項記載のガラスリドローシステム。
実施形態7
前記炉入口と係合可能であり、プリフォームガラス板を前記炉チャンネルにおいて吊り下げるように構成された供給ユニットをさらに備え、前記供給ユニットが、ガラスハンガーシステムを含み、前記ガラスハンガーシステムが、
プリフォームガラス板と係合可能なガラスクランプを有するガラス挟持基部と、
ハンガー駆動システムと前記ガラス挟持基部に結合されて前記ハンガー駆動システムと前記ガラス挟持基部との間に延びる1つ以上の吊り下げシャフトであって、前記ハンガー駆動システムが、前記ガラス挟持基部および前記1つ以上の吊り下げシャフトを、前記炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路の一部に沿って並進させるように構造的に構成されている、前記1つ以上の吊り下げシャフトと、
前記炉筐体の前記炉入口を覆うために前記炉筐体と係合可能なハンガーカバーであって、前記1つ以上の吊り下げシャフトが、前記ハンガーカバーを貫通して延びる、前記ハンガーカバーとを含む、実施形態1から6のいずれか一項記載のガラスリドローシステム。
実施形態8
回収ユニットをさらに備え、リドロー経路が、前記炉チャンネルを貫通して延びて前記回収ユニットで終了し、前記回収ユニットが、回収スプールおよび切断装置をさらに含む、実施形態1から7のいずれか一項記載のガラスリドローシステム。
実施形態9
前記減衰ローラ組立体は、前記減衰ローラ組立体のローラの前記1つ以上の電動ローラ対が前記ガラス板と係合されて、前記減衰ローラ組立体が前記垂直に下流側の方向に枢動されるときに前記減衰ローラ組立体が張力をガラス板に垂直方向および横方向の両方に印加するように、垂直に下流側の方向にローラ継手周りに枢動可能である、実施形態4記載のガラスリドローシステム。
実施形態10
前記炉出口と回収ユニットとの間に位置決めされた電動ローラの1つ以上の対を含む回収ローラ組立体をさらに備え、電動ローラの前記1つ以上の対が、ガラス板と係合可能であって垂直張力を前記ガラス板に印加するように前記リドロー経路に隣接し、
前記回収ローラ組立体のローラの前記1つ以上の電動ローラ対が、第1のシャフト端部および第2のシャフト端部を含むローラシャフトを各々含み、各ローラシャフトが、前記第1のシャフト端部でローラ駆動システムと機械的に係合され、前記第2のシャフト端部でローラシリンダーに結合され、
前記回収ローラ組立体のローラの前記1つ以上の電動ローラ対の各ローラシリンダーが、高分子材料を含む、実施形態1から9のいずれか一項記載のガラスリドローシステム。
実施形態11
複数の加熱ユニットをさらに備え、前記複数の加熱ユニットは、減衰領域内で前記炉筐体に結合された前記減衰加熱ユニット、予熱領域内で前記炉筐体に結合された予熱ユニット、および、アニール領域内で前記炉筐体に結合されたアニール加熱ユニットを含み、前記複数の加熱ユニットが熱を前記炉チャンネルへ出力するとき、前記減衰加熱ユニットは、熱を前記予熱ユニットおよび前記アニール加熱ユニットの各々よりも高い温度で出力する、実施形態4または9記載のガラスリドローシステム。
実施形態12
プリフォームガラス板を減衰する方法において、
供給ユニットを使用してプリフォームガラス板をリドロー炉内に吊り下げるステップであって、前記リドロー炉が、
炉入口と炉出口との間に延びる炉チャンネルを有する炉筐体と、
前記炉筐体に結合され、熱を前記炉筐体へ出力するように構造的に構成された複数の加熱ユニットとを含む、前記ステップと、
前記プリフォームガラス板の少なくとも一部が軟化温度まで加熱されるように前記複数の加熱ユニットを使用して前記プリフォームガラス板を加熱するステップと、
前記プリフォームガラス板の第1の表面および第2の表面を前記複数の加熱ユニットの1つ以上の減衰加熱ユニットの下流側の位置で搬送方向に前記炉チャンネルへ延びる減衰ローラ組立体と係合するステップと、
前記プリフォームガラス板が前記搬送方向に並進するときに前記プリフォームガラス板の厚さが減衰するように前記減衰ローラ組立体の1つ以上のローラシリンダーを回転させることによって垂直張力を前記プリフォームガラス板に印加するステップと、
を含む、方法。
実施形態13
前記プリフォームガラス板の前記第1の表面および前記第2の表面から引き出されたガラスを前記搬送方向に前記減衰ローラ組立体および前記炉出口の両方の下流側に位置決めされた回収ローラ組立体と係合するステップと、
前記プリフォームガラス板が前記回収ローラ組立体と係合されているときに前記減衰ローラ組立体を前記プリフォームガラス板から離脱させるステップと、
前記回収ローラ組立体の1つ以上のローラシリンダーを回転させることによって垂直張力を前記プリフォームガラス板に印加するステップであって、前記回収ローラ組立体の前記1つ以上のローラシリンダーが、速度モードで回転する前記ステップと、
をさらに含む、
実施形態12記載の方法。
実施形態14
前記供給ユニットが、ガラスハンガーシステムを含み、前記ガラスハンガーシステムが、
プリフォームガラス板と係合可能なガラスクランプを有するガラス挟持基部と、
ハンガー駆動システムと前記ガラス挟持基部に結合されて前記ハンガー駆動システムと前記ガラス挟持基部との間に延びる1つ以上の吊り下げシャフトとを含み、
前記ハンガー駆動システムが、前記ガラス挟持基部および前記1つ以上の吊り下げシャフトを前記炉チャンネルを貫通して延びるリドロー経路の部分に沿って並進させるように構造的に構成され、
前記方法が、前記ガラス挟持基部および前記プリフォームガラス板を前記搬送方向に並進させ、前記プリフォームガラス板が前記減衰ローラ組立体と係合されたときに前記ガラス挟持基部および前記プリフォームガラス板の並進を停止するステップをさらに含む、実施形態12または13記載の方法。
実施形態15
前記プリフォームガラス板を位置決めローラ組立体と、前記プリフォームガラス板が前記位置決めローラ組立体に長手方向に隣接しているときに係合し、前記プリフォームガラス板が前記減衰ローラ組立体と係合されているときに前記位置決めローラ組立体を前記プリフォームガラス板から離脱させるステップをさらに含む、実施形態12から14のいずれか一項記載の方法。
実施形態16
前記複数の加熱ユニットが熱を前記炉チャンネルへ出力するとき、前記1つ以上の減衰加熱ユニットは、熱を1つ以上の残りの加熱ユニットよりも高い温度で出力する、実施形態12から15のいずれか一項記載の方法。