JP6904607B2 - ゴム入り織編物の連結構造とこの連結構造を用いた袋体 - Google Patents
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Description
非特許文献1には、幅方向と直交する延長方向(長さ方向)にゴムが織り込まれて当該延長方向に伸縮可能な一般的な平ゴムが記載されている。非特許文献1の平ゴムは、幅が1cm〜8cmの範囲で形成されている。
特許文献1には、大人が幼児をおんぶしたり、抱いたりするときに用いる母子間緩衝パッドが記載されている。特許文献1の母子間緩衝パッドには、パッドを固定する肩掛けの紐部分(肩紐)に平ゴムが用いられている。
そこで、特許文献2では、簡易にゴム入り織物の幅を広くすることを目的とするものとして、「少なくとも延長方向に伸縮可能なゴム入り織物によって構成された第1織物と、前記ゴム入り織物によって構成された第2織物と、前記ゴム入り織物によって構成された接続用織物と、を備え、前記第1織物と前記第2織物とは、前記延長方向の長さが同一となるように形成されており、前記接続用織物の一面において、前記接続用織物の幅方向一端部と前記第1織物の幅方向端部とが固着され、前記接続用織物の幅方向他端部と前記第2織物の幅方向端部とが固着されている」ゴム入り織物を提供している。
本発明によれば、熱融着糸が配されたゴム入り織編物において、前記融着糸を熱圧着して固めた薄い熱圧着部が連結用に形成されているので、別途連結用部材を備える必要がなくなり、縫製が容易で、また、熱圧着により簡易且つ綺麗に連結することができる。
本発明によれば、前記互いの薄い熱圧着部を重ね合わせて、縫製により連結したり、及び/又は、熱圧着したりして連結することから、連結箇所が分厚くなったりはみ出したりすることがなく、連結することができる。
本発明によれば、前記薄い熱圧着部が所定幅の長手方向の両サイドに設けられているので、両サイドにおいて他方のゴム入り織編物を連結することができる。
本発明によれば、鞄、バックや収納袋などの袋体を構成するときに、請求項1ないし4のいずれか1項記載のゴム入り織編物の連結構造を用いることにより、別体の連結部材を用いることが必要なくなり、また、連結箇所が分厚くなって連結されることも防止することができる。
本発明によれば、従来袋体の角部(底部側や側面部側等)において、前記薄い熱圧着部を前記角部で折り曲げて、他方のゴム入り織編物と連結することから、角部での連結が容易になるとともに、角部が分厚くなることを防止することができる。
本発明によれば、ミシン縫いの手間を減らし、袋体を容易に形成することができる。
図1は実施の形態1に係るトートバッグの説明図である。図1(A)はトートバッグの斜視図、図1(B)はトートバッグの前面上部の要部拡大説明図、図1(C)はトートバッグの前面下部の要部拡大説明図、図1(D)はトートバッグの前面を右方から視た拡大説明図である。
このように、複数の平ゴム11〜13を幅方向に並べて連結すれば連結された平ゴム11〜13全体としての幅を広げることができる。この結果、簡易に平ゴムの幅を広くすることができ、トートバッグ本体2の前面4及び後面5のような幅広の部分(トートバッグ本体2の目立つ部分)に用いることができる。
このようにすることで、左面6及び右面7を構成する平ゴムが延長方向である上下方向に伸縮可能であっても、縫い付けられた前面4及び後面5が上下方向に伸縮しないので、縫い付けられた前面4及び後面5が上下方向に伸縮するトートバッグよりも左面6及び右面7が上下方向に伸縮し難くなり、左面6及び右面7が上下方向に伸びたままの状態となる型崩れが発生し難くなっている。
図3は実施の形態2に係る手提げ袋の説明図である。図3(A)は手提げ袋の斜視図、図3(B)は手提げ袋本体の展開図、図3(C)は手提げ袋の前面を上方から視た拡大説明図である
図3(A)に示すように、実施の形態2に係る手提げ袋21は、手提げ袋本体22と把手部23とを有する。手提げ袋本体22は、前面24、後面25を有する。前面24及び後面25は、延長方向である上下方向に伸縮可能且つ幅方向である左右方向に伸縮不能な左平ゴム(第1織物)26、右平ゴム(第2織物)27を有する。
なお、実施の形態2では、手提げ袋本体22を1枚のゴム入り織物で作製したが、これに限定されず、2枚以上のゴム入り織物で作製してもよい。例えば、1枚のゴム入り織物を上下方向中央で折り返さずに切断し、切断された2枚のゴム入り織物を重ね合わせて、ミシン縫いで縫い付けてもよい。すなわち、切断された2枚のゴム入り織物を重ね合わせ、ゴム入り織物の左端部(左平ゴム26左端部)、右端部(右平ゴム27右端部)及び下端部をそれぞれミシン縫いで縫い付けてもよい。
その他、実施の形態2に係る手提げ袋21は、実施の形態1に係るトートバッグ1と同様の作用効果を奏する。
図4は実施の形態3に係るポーチの説明図である。図4(A)はポーチの斜視図、図4(B)はポーチの前面を右方から視た拡大説明図である。
図4(A)に示すように、実施の形態3に係る手提げ袋31は、ポーチ本体32とポーチ本体の開口部にこれを開閉可能とする周知のファスナー(スライド式ファスナー)33とを有する。スライド式ファスナー33は、滑り止め式の金具や滑り止め式の合成樹脂製のものが周知であり、シングルファスナであってもよく、ダブルファスナであってもよい。ポーチ本体32は、前面34及び後面35を有する。前面34及び後面35は、延長方向である左右方向に伸縮可能且つ幅方向である上下方向に伸縮不能な上平ゴム(第1織物)36、下平ゴム(第2織物)37をそれぞれ有する。
なお、スライド式等のファスナー33を有する生地を、前記薄い熱圧着部を有する細幅織物(ゴム入り織編物)との連結に際して、前記縫製により連結したり、及び/又は、熱圧着したりして連結することも可能である。また、前記薄い熱圧着部を有する細幅織物(ゴム入り織編物)を有するスライド式等のファスナー33を有する生地と、スライド式等のファスナー33を有しない細幅織物(ゴム入り織編物)との連結に際して、前記縫製により連結したり、及び/又は、熱圧着したりして連結することも可能である。
また実施の形態3では開口部分を開閉可能とするため留め具としてファスナーを使用して作製したが、これに限定されず、ファスナー(スライド式ファスナー)に代えて、がま口の口金、ボタン式及びマグネット式など、その他の開閉手段を備えてもよい。
本実施の形態3では、ポーチ本体32を前面34と後面35をミシン縫いで縫い合わせて作製したが、これに限定されず、前面34及び後面35は、連続する1本の平ゴムによって構成されてもよい。例えば、図5(A)、図5(B)に示すように、平ゴム15の熱圧着部15aを所定幅の長尺テープを呈する短手方向の端部の少なくとも一方に設けて、円環状に曲げて、他方の端部に形成した熱圧着部15aと連結する。このようにすることで、実施形態3のポーチに限らず、鞄、バックや収納袋などの袋体を円周状に容易に形成することができる。
また実施の形態3では開口部分を開閉可能とするため留め具としてファスナーを使用して作製したが、これに限定されず、ファスナー(スライド式ファスナー)に代えて、がま口の口金、ボタン式及びマグネット式など、その他の開閉手段を備えてもよい。
その他、実施の形態3に係るポーチ31は、実施の形態1に係るトートバッグ1と同様の作用効果を奏する。
図7(B)に示すように、一方の平ゴム15に合成樹脂製のメッシュ部材(合成樹脂16)を縫製等により連結し、他方の平ゴム15は、合成樹脂製のメッシュ部材16を連結した平ゴム15と同じ厚さになるものを用意し、お互いの熱圧着部15aを熱圧着により連結することができる。合成樹脂製のメッシュ部材16は、滑り止め部材等に使用されるものであり、本実施の形態では、多数の孔が形成されたメッシュ状の細幅織物と前記合成樹脂製のメッシュ部材16とを組み合わせて(縫製や熱圧着により重ね合わせて)使用される。また、図7(B)に示す一方の平ゴム15と他方の平ゴム15は、互いの大きさが異なるが、このような大きさの異なる平ゴムと平ゴムとを連結することもできる。多数の孔が形成されたメッシュ状の細幅織物15についてはその両端部(長手方向の両端部)を薄い熱圧着部15aとすることが好ましい。
また、図7(C)に示すように、一方の平ゴム15に合成樹脂16を縫製等により連結し、他方の平ゴム15に皮17を縫製等により連結し、お互いの熱圧着部15aを熱圧着により連結することができる。このようにすることで、皮革部材等の異素材でも簡単に連結することができる。平ゴム15に縫製等で連結する素材は合成樹脂や皮に限定されず、あらゆる素材を用いて連結することができる。
2 トートバッグ本体、
3 把手部、
4 前面、5 後面、6 左面、7 右面、8 底面、
9 縫製箇所、
11 上平ゴム、12 中平ゴム、13 下平ゴム、
11a、11b、11c 熱圧着部、
14、15 平ゴム、
14a、15a 熱圧着部、
16 合成樹脂製のメッシュ部材、
17 皮、
21 手提げ袋、
22 手提げ袋本体、
23 把手部、24 前面、25 後面、
26 左平ゴム、27 右平ゴム、
31 ポーチ、
32 ポーチ本体、
33 ファスナー、
34 前面、35 後面、
36 上平ゴム、37 下平ゴム、
200 平ゴム、200a 熱圧着部。
Claims (6)
- 熱融着糸が配されたゴム入り織編物において、前記融着糸を熱圧着して固めた薄い熱圧着部を形成して、このゴム入り織編物を連結する際に、前記薄い熱圧着部を利用して縫製により連結したり、及び/又は、熱圧着したりして連結することを特徴とするゴム入り織編物の連結構造。
- 熱融着糸が配された一方のゴム入り織編物と他方のゴム入り織編物とを連結する際に、一方のゴム入り織編物と他方のゴム入り織編物に熱圧着で固めて薄い熱圧着部を形成して、前記互いの薄い熱圧着部を重ね合わせて、縫製により連結したり、及び/又は、熱圧着したりして連結することを特徴とするゴム入り織編物の連結構造。
- 前記熱融着糸が配された一方のゴム入り織編物と他方のゴム入り織編物は、所定幅の長尺テープを呈するものであり、前記薄い熱圧着部が所定幅の長手方向の両サイドに設けられているか、及び/又は、前記薄い熱圧着部が所定幅の短手方向の両サイドに設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム入り織編物の連結構造。
- 鞄、バックや収納袋などの袋体を構成するときに、請求項1ないし3のいずれか1項記載のゴム入り織編物の連結構造を用いたことを特徴とする袋体。
- 前記鞄、バックや収納袋などの袋体の角部を形成するときに、請求項1ないし4のいずれか1項記載の前記薄い熱圧着部を前記角部で折り曲げて、他方のゴム入り織編物と連結することを特徴とする請求項4記載の袋体。
- 前記鞄、バックや収納袋などの袋体を円周状に形成するときに、請求項1ないし4のいずれか1項記載の前記薄い熱圧着部を所定幅の長尺テープを呈する短手方向の端部の少なくとも一方に設けて、円環状に曲げて、他方の端部と連結することを特徴とする請求項5記載の袋体。
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