JP6904048B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description
このため、自動受信の場合、平面アンテナ付き電子時計は、使用者が屋外で腕下げ姿勢でいるときに衛星信号の受信動作を実行する可能性が高くなる。
したがって、衛星信号の受信を自動的に実行する平面アンテナ付き電子時計に対しては、使用者が屋外で腕下げ姿勢でいるときに衛星信号を受信しやすいという特性が望まれる。
衛星信号の受信を自動的に実行する場合、使用者は腕下げ姿勢でいることが多い。この姿勢では、時刻表示部の6時から11時の領域が、衛星信号の送信元である衛星に向いている可能性が高い。
この態様によれば、アンテナ電極の中心は、時刻表示部の6時から11時の範囲内に配置されている。このため、平面アンテナの利得は、時刻表示部の6時から11時の範囲内で大きくなる。よって、アンテナ電極の中心が時刻表示部の6時から11時の範囲外に配置されている場合に比べて、使用者が屋外で腕下げ姿勢でいるときに平面アンテナの利得が大きくなる方向が衛星の存在する方向に一致しやすくなる。したがって、衛星信号の受信を自動的に実行する場合に、衛星信号を受信しやすくなる。
この態様によれば、使用者が屋外にいる可能性の高い時刻が所定時刻として設定されれば、衛星信号を自動的に受信できる可能性が高くなる。
この態様によれば、衛星信号を受信できる可能性が高い状況になったときに、つまり、電子時計が屋外に存在するときに、衛星信号を自動的に受信することが可能になる。
この態様によれば、時刻の表示と所定情報の表示とを実行でき、さらに、第1モーターおよび第2モーターの影響で平面アンテナの受信性能が劣化することを抑制可能となる。また、電子時計の薄型化を図ることが可能になる。
この対応によれば、情報をデジタル表示することもでき、さらに、デジタル表示部の影響で平面アンテナの受信性能が劣化することを抑制可能となる。
この態様によれば、ソーラーパネルの光発電により電力を得ることができる。さらに、ソーラーパネルの影響で平面アンテナの受信性能が劣化することを抑制可能となる。
この態様によれば、パッチアンテナで衛星信号を受信する電子時計において、衛星信号の受信を自動的に実行する場合に衛星信号を受信しやすくなる。
この態様によれば、電磁結合給電の円偏波パッチアンテナにおいて、給電電極を、回路基板の中央付近に配置することが可能になる。このため、電磁結合給電の円偏波パッチアンテナにおいて対称性が良くなり、衛星信号が円偏波である場合に、上空からの円偏波の衛星信号を効率よく受信することが可能になる。
この態様によれば、衛星信号の受信を自動的に実行する場合に、衛星信号をより受信しやすくなる。
図1は、本実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計(以下、単に「電子時計」と称する)10を含むGPSの全体図である。
測位計算は、電子時計10の内部時計の計時時刻にある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、電子時計10の三次元の位置を特定するためのx,y,zパラメーターに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、電子時計10は、一般的には4つ以上のGPS衛星8からそれぞれ送信された衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれるGPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行い、現在地の位置情報を求める。
図3に示したように、電子時計10は、円筒状の外装ケース31と、ベゼル32と、カバーガラス33と、裏蓋34とを含む。外装ケース31の2つの開口のうち、表面側の開口は、ベゼル32を介してカバーガラス33で塞がれており、裏面側の開口は、裏蓋34で塞がれている。
外装ケース31とベゼル32と裏蓋34は、ステンレス、チタン、アルミまたは真鍮などの金属で作られている。金属製の裏蓋34が使用されることで、金属製の外装ケース31と金属製の裏蓋34とが一体になってパッチアンテナ110についてのグランド面積が増える。このため、パッチアンテナ110のアンテナ性能は向上する。
タイムゾーンとは、共通の標準時を使用する地域のことである。現在、40種類のタイムゾーンが存在している。各タイムゾーンは、標準時とUTCとの時差で区別される。例えば、日本は、UTCより9時間進んだ標準時を使用する「+9時間のタイムゾーン」に属している。
文字板11には、指針21、22および23が備えられている。指針21、22および23の各々は、指針軸25を回転軸として回転する。
文字板11では、指針23によって時刻の時の値が表示され、指針22によって時刻の分の値が表示される。指針23は時針とも称され、指針22は分針とも称される。指針22および23は、第1指針の一例である。文字板11は、回転する指針22の示す位置と、回転する指針23の示す位置とで時刻を表示する。文字板11は、時刻表示部の一例である。
また、文字板11では、クロノグラフ(ストップウオッチ機能)における秒の桁の計測値が、指針21にて表示される。
第3表示部90の7時方向から9時方向までの範囲の外周には、円周に沿って、9時方向の基端が太く、7時方向の先端が細い記号92が表記されている。記号92は二次電池130(図4参照)のパワーインジケーターである。二次電池130の残量に応じて、指針91が記号92の基端、先端および中間のいずれかを指し示す。二次電池130としては、例えば、充電可能なリチウムイオン電池が用いられる。二次電池130の残量は、所定情報の一例である。
第3表示部90の9時方向から10時方向までの範囲の外周には、飛行機の形状の記号93が表記されている。記号93は、機内モードを表す。航空機の離着陸時は、航空法によって衛星信号の受信が禁止されている。使用者はAボタン61を操作し、指針91で記号93(機内モード)を選択することで、電子時計10が衛星信号を受信することを停止できる。
点線110cは、パッチアンテナ110が送信または受信する電波(以下、単に「電波」と称する)を示す。矢印110dは、電気力線を示す。
パッチアンテナ110が方形である場合、アンテナ電極110bの一辺が電波の半波長で共振し、パッチアンテナ110が円形である場合、アンテナ電極110bの直径が約0.58波長で共振する。ここで、セラミックなどの誘電体で基材110aが形成されると、波長短縮効果で、電波に共振するアンテナ電極110bの長さを短くでき、パッチアンテナ110の小形化を図ることができる。
給電ピンで給電電極110fとアンテナ電極110bとを電気的に接続する場合、基材110aに、面110a1から面110a3の方向に貫通する貫通口を設け、その貫通口に給電ピンを挿入し、その給電ピンと、給電電極110fおよびアンテナ電極110bとを手作業ではんだ付けすることになる。この際、アンテナ電極110bと給電ピンとのはんだによる電気的な接続が安定するように、給電ピンのアンテナ電極110b側の端部は、基材110aのアンテナ電極110b側の面110a1から突出しており、この突出した部分とアンテナ電極110bとがはんだで電気的に接続される。
これに対して、本実施形態のように給電ピンが用いられない場合、給電ピンが面110a1から突出することがなくなり、パッチアンテナ110の厚み、さらに言えば、電子時計10のムーブメント138(図4参照)の厚みを薄くできる。
また、給電ピンが用いられない場合、手作業によるはんだ付け作業を省略でき、パッチアンテナ110をリフロー方式のはんだ付けで表面実装することができる。このため、実装コストを抑えることも可能になる。
電磁結合給電のパッチアンテナ110において、給電点をグランド基板(回路基板100)の中央付近に配置すると、グランド基板を含めたパッチアンテナ110の対称性(給電点と、グランド基板の中心との一致度)がよくなり、GPS衛星8が送信する円偏波の電波を効率よく受信することが可能になる。
なお、給電電極110fは、基材110aが有する複数の辺のうち、回路基板100の中心Ceに最も近い辺に接していなくてもよい。
パッチアンテナ110は、上面方向(文字板11に向かう方向)に指向性が強い。このため、二次電池130の文字板11側の面が、アンテナ電極110bよりも文字板11側に位置すると、二次電池130が、パッチアンテナ110による電波の受信に影響を与えてしまう。
これに対して、本実施形態では、アンテナ電極(放射電極)110bは、二次電池130の文字板11側の面よりも文字板11側に位置する。このため、二次電池130の文字板11側の面がアンテナ電極110bよりも文字板11側に位置する場合に比べて、二次電池130が電波の受信に対して及ぼす影響を少なくすることが可能になる。
図7において、実線Mは、セラミック製ベゼルを用いた場合の放射パターンを示し、点線Cは、金属製ベゼルを用いた場合の放射パターンを示している。図7に示したように、セラミック製ベゼルを用いると、金属製ベゼルを用いた場合よりも、利得が大きくなる。
(1)平面視において、アンテナ電極110bの形状が矩形(正方形または長方形)である場合、アンテナ電極110bの対角線の交点がアンテナ電極110bの中心110b4となる。
(2)平面視において、アンテナ電極110bの形状が円である場合、その円の中心がアンテナ電極110bの中心110b4となる。
(3)1点給電型のパッチアンテナ110のアンテナ電極110bであって、平面視において、矩形または円の形状のアンテナ電極に対して周波数調整および円偏波特性を得るための凹部または凸部が設けられているアンテナ電極110bの場合、その凹部および凸部を無いものとしたアンテナ電極110bについて上記(1)〜(2)を適用して定まる中心が、アンテナ電極110bの中心110b4となる。
例えば、アンテナ電極110bが、平面視において図9に示したような正方形に切欠き(凹部)110b1が設けられた形状である場合、まず、アンテナ電極110bの形状を、図10に示したように、切欠き110b1を無視して正方形とみなす。続いて、図11に示したように、その正方形の対角線110b2および110b3の交点が、アンテナ電極110bの中心110b4となる。図9のようにアンテナ電極110bのコーナーを切り落とすことで、元の半波長の共振周波数に追加して、より高い共振周波数が一つ現れる。この二つの共振周波数の合成により円偏波が発生する。
図13では、文字板11の6時〜11時の範囲は、指針軸25を中心とした180°〜330°の範囲である。
このため、アンテナ電極110bの中心110b4が文字板11の6時〜11時の範囲内に配置されている場合、アンテナ電極110bの中心110b4が文字板11の6時〜11時の範囲外に配置されている場合に比べて、衛星信号を受信しやすくなる。
ここで、電子時計10は、所定の条件が満たされた場合にパッチアンテナ110で衛星信号を自動的に受信する自動受信機能を有している。この自動受信機能では、使用者が電子時計10を操作して意図的に衛星信号を受信するのではなく、電子時計10が受信開始条件を判断して自動的に衛星信号を受信する。
なお、図14では、説明の簡略化を図るために、電子時計10の文字板11のデザインを簡略化している。
基材110aは、電子時計10のムーブメント138(図4参照)の外形形状に合わせて一部の辺を膨らませた形状にしたり、他の部品と干渉しないようコーナーカットされたりしており、平面視での形状が必ずしも矩形という訳ではない。
回路基板100の第1面100aの裏面である第2面100bには、無線通信部として機能するGPS受信部122が実装されている。GPS受信部122としては、例えば、GPS−IC(Integrated Circuit)が用いられる。
GPS受信部122は、回路基板100を介してパッチアンテナ110と電気的に接続されている。GPS受信部122は、パッチアンテナ110が受信した衛星信号を用いて、時刻情報と現在地の位置情報とを得る。
ソーラーパネル135では、光を通す表面電極として、ITOなどの透明電極が用いられ、ベースとなる樹脂フィルム上に、発電層として機能するアモルファスシリコン半導体の薄膜が形成されている。図4に示すように、ソーラーパネル135は、2本のコイルばね137で地板38(ムーブメント138)と接続されている。ソーラーパネル135で発電された電力は、二次電池130に充電される。
ソーラーパネル135では、互いに面積の等しい8つのソーラーセルが直列に接続されている。なお、直列に接続されるソーラーセルの数は8個の限らず、二次電池130を充電できる電圧を生成できる数であればよい。
近年、携帯端末で高性能な磁石が多く使われるようになり、電子時計10等の腕時計には、携帯端末からの磁界に対する耐磁性が求められている。このため、電子時計10では、外部磁界を迂回させてモーター221〜226(図15参照)の誤動作を防ぐために、耐磁板104aが、平面視においてモーター221〜226と重なる位置に配置されている。本実施形態では、耐磁板104aに加えて耐磁板104bも設けられている(図3および図4参照)。
耐磁板104bは、耐磁板104aとの間でモーター221〜226を挟み込むような位置に配置されている。このため、耐磁板104bが無い場合に比べて、モーター221〜226についての耐磁性を向上させることができる。
モーター221〜226の各々は、コイル、ステーターおよびローターを有する。コイルは外部磁界の影響を受け難い。このため、コイルについては、平面視において耐磁板104aおよび104bと必ずしも重ならなくともよい。
なお、耐磁板104bには、平面視で二次電池130と重なる部分に貫通穴104b1が設けられ、平面視でGPS受信部122と重なる部分に貫通穴104b2が設けられている(図4参照)。
日車押え105は、日車106を押えている。
モーター221は、輪列227等を介して、指針22および23を駆動する。モーター221は、第1モーターの一例である。モーター222は、不図示の輪列等を介して、指針21を駆動する。モーター222は、第2モーターの一例である。モーター223は、不図示の輪列等を介して、日車106を駆動する。モーター224は、不図示の輪列等を介して、指針91を駆動する。モーター224は、第2モーターの一例である。モーター225は、不図示の輪列等を介して、指針81を駆動する。モーター225は、第2モーターの一例である。モーター226は、輪列228等を介して、指針71を駆動する。モーター226は、第2モーターの一例である。
回路基板100は、耐磁板104bと回路押え板230と外装導通バネ部231とを介して裏蓋34と導通する。また、回路基板100は、外装導通バネ部232を介して外装ケース31と導通する。外装導通バネ231,232をパッチアンテナ110近傍に設けることで、グランド面積を拡大させる効果を向上させることができる。
図16は、電子時計10の回路構成を示すブロック図である。
図16に示すように、電子時計10は、GPS受信部122、制御表示部155、充電制御回路29およびソーラーパネル135を含む。また、電子時計10には、二次電池130が内蔵される。
GPS受信部122は、パッチアンテナ110に接続されている。本実施形態では、GPS受信部122は、SAWフィルター190を介して、パッチアンテナ110に接続されている。GPS受信部122は、受信部の一例である。GPS受信部122は、衛星信号の受信、GPS衛星8の捕捉、位置情報の生成等の処理を行う。制御表示部155は、内部時刻情報の保持および内部時刻情報の修正等の処理を行う。ソーラーパネル135は、充電制御回路29を通じて二次電池130を充電する。
二次電池130は、レギュレーター162を介して制御表示部155に駆動電力を供給し、レギュレーター163を介してGPS受信部122に駆動電力を供給する。なお、レギュレーター163に代えて、例えば、後述するRF部170に駆動電力を供給するレギュレーター163−1と、後述するベースバンド部180に駆動電力を供給するレギュレーター163−2(ともに図示せず)とが設けられてもよい。レギュレーター163−1は、RF部170の内部に設けられてもよい。電圧検出回路164は、二次電池130の電圧を検出する。
パッチアンテナ110は、上述したように、複数のGPS衛星8から無線送信された衛星信号を受信する。なお、パッチアンテナ110は、衛星信号以外の不要な電波も受信してしまう。このため、SAWフィルター190は、パッチアンテナ110が受信した信号から衛星信号を抽出する。すなわち、SAWフィルター190は、1.5GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィルターとして機能する。なお、SAWフィルター190は、GPS受信部122に組み込まれてもよい。
PLL回路174は、VCO173の出力クロック信号を分周したクロック信号と基準クロック信号とを位相比較して、VCO173の出力クロック信号を基準クロック信号に同期させる。その結果、VCO173は基準クロック信号の周波数精度の安定したクロック信号を出力することができる。なお、中間周波数として、例えば、数MHzを選択することができる。
フラッシュメモリー186には、例えば、測位情報(緯度および経度)に関連づけられた時差情報(UTCに対する時差)が記憶されている。また、フラッシュメモリー186には、ベースバンド部180の動作を規定するプログラムが記憶されている。
CPU182は、フラッシュメモリー186に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ベースバンド部180、さらに言えば、GPS受信部122を制御する。なお、フラッシュメモリー186の代わりに、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)が用いられてもよい。
週番号データは、現在のGPS時刻情報が含まれる週を表す情報である。GPS時刻情報の起点は、UTCにおける1980年1月6日00:00:00であり、この日に始まる週は週番号0となっている。週番号データは、1週間単位で更新される。
Zカウントデータは、毎週日曜日の0時からの経過時間を秒で示し、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。つまり、Zカウントデータは、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報である。
以下では、GPS時刻情報としてZカウントデータが用いられる例を説明する。
時刻情報取得モードの場合、ベースバンド部180は、GPS時刻情報(Zカウントデータ)に基づいて測時計算を行う。
位置情報取得モードの場合、ベースバンド部180は、GPS時刻情報および軌道情報に基づいて測位計算を行い、位置情報(受信時に電子時計10が位置する場所の緯度および経度)を取得する。続いて、ベースバンド部180は、フラッシュメモリー186を参照し、位置情報により特定される電子時計10の座標値(例えば、緯度および経度)に関連づけられた時差情報を取得する。
制御部150は、記憶部151およびRTC152を備え、各種制御を行う。制御部150は、例えばCPUで構成することが可能である。
制御部150は、制御信号をGPS受信部122に送り、GPS受信部122の受信動作を制御する。
また、制御部150は、電圧検出回路164の検出結果に基づいて、レギュレーター162およびレギュレーター163の動作を制御する。
また、制御部150は、駆動回路154を介して、指針21、22、23、71、81および91と、日車106の駆動を制御する。なお、駆動回路154は、指針21用の駆動回路と、指針22および23用の駆動回路と、指針71用の駆動回路と、指針81用の駆動回路と、指針91用の駆動回路と、日車106用の駆動回路とを含む。
衛星信号の受信は屋外で実行されることが好ましく、さらに、使用者Uによって屋外にいる時刻が異なるので、衛星信号の受信開始時刻となる所定時刻は、使用者Uごとに設定されることが好ましい。このため、電子時計10では、例えば、リュウズ50の操作に応じて設定された設定時刻が所定時刻として記憶部151に記憶される。
図17は、時刻情報取得モードでの動作を説明するためのフローチャートである。
制御部150は、指針22、23および24が内部時刻情報の示す内部時刻を表示するように駆動回路154を制御して通常運針を実行する(ステップS101)。
制御部150は、条件Aまたは条件Bが満たされた場合、GPS受信部122に対して、パッチアンテナ110を作動して自動受信を実行する旨の第1制御信号を出力する。GPS受信部122は、第1制御信号を受け取ると、パッチアンテナ110を動作させて衛星信号の受信を開始する(ステップS103)。
ベースバンド部180は、GPS衛星8を捕捉できないと(ステップS105:NO)、受信開始からの経過時間が所定のタイムアウト時間(例えば、15秒)になったか否かを判断する(ステップS106)。
ベースバンド部180は、GPS時刻情報を取得できないと(ステップS109:NO)、所定のタイムアウト時間(例えば、60秒)を経過したか否かを判断する(ステップS110)。
ベースバンド部180は、ステップS110でタイムアウトになった場合(ステップS110:YES)、GPS受信部122での受信を終了する(ステップS107)。その後、図17に示した処理が再度実行される。
一方、ステップS111でGPS時刻情報に整合性があると判断した場合(ステップS111:YES)、ベースバンド部180は、受信を終了する(ステップS112)。
ベースバンド部180は、ステップS112を完了すると、取得したGPS時刻情報(Zカウントデータ)を制御部150に出力する。制御部150は、ベースバンド部180から受け取ったGPS時刻情報(Zカウントデータ)を用いて、RTC152が計時している内部時刻情報を修正する(ステップS113)。
制御部150は、内部時刻情報を修正すると、修正後の内部時刻情報に基づいて、駆動回路154を介して指針22、23および24の表示を修正する。その後、再び、図17に示した処理が実行される。
GPS衛星8は約12時間で地球を一周し、その軌道はほぼ24時間周期で変わる。このため、ベースバンド部180は、受信開始の時刻に基づいて、捕捉すべき上空のGPS衛星8を概ね把握できる。ベースバンド部180は、受信開始時刻に基づいて把握できた捕捉すべきGPS衛星8を、優先サーチ順序の先頭の後に設定することで、GPS衛星8のサーチ順を決定する(ステップS201)。この際、優先サーチ順序として、少なくとも4つ以上のGPS衛星8順番に設定される。
続いて、ベースバンド部180は、優先サーチ順序の先頭から、GPS衛星8のサーチを開始する(ステップS202)。
続いて、ベースバンド部180は、測位計算によって算出された位置情報(緯度と経度)に対応する時差情報を、フラッシュメモリー186から読み出し、制御部150に出力する(ステップS207)。
制御部150は、ベースバンド部180から出力された時差情報を用いて内部時刻情報を修正する(ステップS208)。
制御部150は、内部時刻情報を修正すると、修正後の内部時刻情報に基づいて、駆動回路154を介して指針22、23および24の表示を修正する。その後、再び、図18に示した処理が実行される。
このため、アンテナ電極110bの中心110b4が文字板11の6時から11時の範囲外に配置されている場合に比べて、使用者Uが屋外で腕下げ姿勢でいるときにパッチアンテナ110の利得が大きくなる方向がGPS衛星8の存在する方向に一致しやすくなる。よって、衛星信号の受信を自動的に実行する場合に、衛星信号を受信しやすくなる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様の中から任意に選択された一または複数の変形を適宜組み合わせることもできる。
アンテナ電極110bの全てが、文字板11の6時から11時の範囲内に配置されていてもよい。この場合、衛星信号の受信を自動的に実行する場合に、衛星信号をより受信しやすくなる。
所定の条件として、条件Aと条件Bのいずれかのみが用いられてもよい。
屋外センサー156は、照度センサーに限らず適宜変更可能である。例えば、屋外センサー156として、紫外線センサー、または、加速度センサーを用いて使用者Uが所定時間以上歩いていることを検出する検出部が用いられてもよい。
また、ソーラーパネル135が、太陽光の検出機能を有しているため、ソーラーパネル135が屋外センサー156として兼用されてもよい。この場合、専用の屋外センサー156を省略できるため、構成の簡略化を図ることが可能になる。
ソーラーパネル135の代わりに、図19に示したソーラーパネル135aが用いられてもよい。図20は、ソーラーパネル135aの部分断面図(D−D線断面図)である。
ソーラーパネル135aは、カレンダー窓135a7を有し、図20に示したように、樹脂基材135a1の文字板11側の面には、アルミ電極135a2が配置されている。アルミ電極135a2の文字板11側の面には、発電層として機能するアモルファスシリコン層135a3が配置されている。アモルファスシリコン層135a3の文字板11側の面には、ITO等の透明電極135a4が配置されている。そして、ソーラーパネル135aのムーブメント138側の面には、絶縁体の裏面保護層135a5が配置され、ソーラーパネル135aの文字板11側の面には絶縁体の表面保護層135a6が配置されている。
このため、アルミ電極135a2と透明電極135a4が原因となってパッチアンテナ110の受信特性が劣化することを抑制可能となる。
このため、切欠き135aを有するソーラーパネル135が用いられる場合に比べて、アルミ電極135a2および透明電極135a4がパッチアンテナ110と重なる部分と重ならない部分との間の色合いの違いを小さくすることができる。
図21は、回路基板100の代わりに回路基板1001および1002が用いられ、かつ、ソーラーパネル135の代わりに変形例4に示したソーラーパネル135a(図19参照)が用いられた電子時計の例を示した図である。ソーラーパネル135aが用いられることで、文字板11における色合いのむらを抑制しつつ、パッチアンテナ110の受信特性が劣化することを抑制可能となる。
回路基板1002には、GPS受信部122に加えて、時刻を示す標準電波を受信する標準電波受信部1005も搭載されている。このため、図21に示された電子時計は、GPS衛星8が送信した電波を受信できない場合、標準電波を受信して、内部時計の計時時刻を修正できる。
複数の回路基板が使用される場合、変形例5に示したように、モーター(コイル)が配置される回路基板に制御部150が配置されると、コネクターの大型化を抑制可能となり、かつ、モーター配線を短くでき、モーター性能を確保しやすくなる。
図23は、液晶表示パネルのデジタル表示部10A1を備えた電子時計10Aにおいて、アンテナ電極110bの中心110b4が、文字板11の6時から11時の範囲内に配置された例を示した図である。図23では、アンテナ電極110bの中心110b4は、8時の位置に配置されている。また、平面視において、パッチアンテナ110は、デジタル表示部10A1と重なっていない。
また、電子時計10Aは、デジタル表示部10A1に加えて、電池電圧表示部10A2と、第2時刻表示部10A3と、クロノグラフ表示部10A4と、モード表示部10A5とを備えている。電子時計10Aは、少なくとも、時刻表示モードと、位置表示モードと、クロノグラフモードとを有する。
図21に示したような大型の二次電池130aを収容可能な電子時計10が、トラッキング機能を有する場合、より多くの情報を表示可能なデジタル表示部が備えられることが望ましい。
図24は、情報をデジタル表示するデジタル表示部10Aa1および10Aa2を備えた電子時計10Aaを示した図である。電子時計10Aaでは、アンテナ電極110bの中心110b4は、9時の位置に配置されている。電子時計10Aaは、図2に示した電子時計10と同様に、GPS受信部122と制御表示部155とを備えている。電子時計10Aaは、図23に示した電子時計10Aに比べて、デジタル表示部の数が多く、より多くの情報をデジタル表示できるため、アウトドア用途に適している。
デジタル表示部10Aa1および10Aa2は、それぞれ、液晶パネル、EPD(電気泳動)パネル、または有機EL(electroluminescence)パネルである。つまり、デジタル表示部10Aa1および10Aa2の各々は、透明電極(ITO)を有する。そして、平面視において、パッチアンテナ110は、デジタル表示部10Aa1および10Aa2のいずれとも重なっていない。よって、デジタル表示部10Aa1および10Aa2の有する透明電極によってパッチアンテナ110の受信性能が劣化することを抑制可能となる。
図25は、文字板11の11時の位置にパッチアンテナ110のアンテナ電極110bの中心110b4が配置された電子時計10Bを示した図である。
給電電極110fの形状は矩形に限らず適宜変更可能である。
上記実施形態および各変形例において、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線デバイスとアンテナとが追加されてもよい。
この場合、近距離無線デバイスは、外部機器と常時接続しておらず、必要に応じて、外部機器と接続してデータ通信を行う。例えば、近距離無線デバイスは、時差情報を外部機器から受信し、受信した時差情報を記憶部151に記憶したり、記憶部151に記憶されている時差情報を、受信した時差情報に書き換えたりする。
なお、近距離無線デバイスが外部機器から受信する情報は、時差情報に限らず、適宜変更可能である。例えば、近距離無線デバイスは、GPS受信時間の短縮に効果のあるGPS衛星軌道情報などのGPSアシスト情報や、うるう秒情報の更新データなどを外部機器から受信し、これらの受信した情報を、記憶部151に記憶してもよい。
位置情報衛星の例として、GPS衛星について説明したが、位置情報衛星は、これに限られない。例えば、位置情報衛星としては、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)などの他の全地球的公航法衛星システム(GNSS)で利用される衛星が適用できる。また、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)などの静止衛星や、準天頂衛星(みちびき)等の特定の地域のみで検索できる地域的衛星測位システム(RNSS)などの衛星も適用できる。
Claims (10)
- 電子時計であって、
第1指針の示す位置で時刻を表示する時刻表示部と、
衛星信号を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナに接続された受信部と、
所定の条件が満たされると、前記受信部を作動させる制御部と、を含み、
前記平面アンテナは、誘電体の基材と、前記基材に設置されたアンテナ電極と、を含み、
前記アンテナ電極の中心は、前記時刻表示部の6時から11時の範囲内に配置されており、
前記平面アンテナは、パッチアンテナであり、
前記パッチアンテナが搭載される回路基板をさらに含み、
前記回路基板は、前記電子時計に搭載される電池の形状に応じた切欠きを有し、
前記パッチアンテナは、円偏波パッチアンテナであり、
前記アンテナ電極は、放射電極であり、
前記円偏波パッチアンテナは、前記放射電極と電磁結合する給電電極と、前記回路基板と電気的に接続するグランド電極と、をさらに含み、
前記給電電極は、前記基材が有する複数の辺のうち前記回路基板の中心に最も近い辺に接していることを特徴とする電子時計。 - 内部時刻を計時する計時部をさらに含み、
前記所定の条件は、前記内部時刻が所定時刻になったという条件であることを特徴とする請求項1に記載の電子時計。 - 前記電子時計が屋外にあるか否かを検出する屋外検出部をさらに含み、
前記所定の条件は、前記電子時計が屋外にあることを前記屋外検出部が検出したという条件であることを特徴とする請求項1に記載の電子時計。 - 前記第1指針を駆動する第1モーターと、
第2指針で所定情報を表示する情報表示部と、
前記第2指針を駆動する第2モーターと、をさらに含み、
前記平面アンテナは、前記時刻表示部の表示面側からみた平面視において、前記第1モーターおよび前記第2モーターのいずれとも重なっていないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子時計。 - 情報をデジタル表示するデジタル表示部をさらに含み、
前記平面アンテナは、前記時刻表示部の表示面側からみた平面視において、前記デジタル表示部と重なっていないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子時計。 - 光発電用のソーラーパネルをさらに含み、
前記ソーラーパネルは、前記時刻表示部の表示面側からみた平面視において、前記平面アンテナと重なる部分が切り欠かれていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子時計。 - 前記アンテナ電極の全ては、前記時刻表示部の6時から11時の範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子時計。
- 衛星信号を受信する円偏波パッチアンテナと、
前記円偏波パッチアンテナに接続された受信部と、
前記受信部に電力を供給する電池と、
前記円偏波パッチアンテナが搭載され、前記電池の形状に応じた切欠きを有する回路基板と、を備え、
前記電池は、前記切欠きに配置され、
前記円偏波パッチアンテナは、誘電体の基材と、前記基材に設置された放射電極と、前記放射電極と電磁結合する給電電極と、前記回路基板と電気的に接続するグランド電極と、を含み、
前記給電電極は、前記基材が有する複数の辺のうち前記回路基板の中心に最も近い辺に接している
ことを特徴とする電子時計。 - 近距離無線用のアンテナおよび前記近距離無線用のデバイスをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子時計。 - 前記近距離無線用のデバイスは、時差情報、GPSアシスト情報、閏秒情報の更新データの少なくともいずれか一つを受信することを特徴とする請求項9に記載の電子時計。
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