JP6232729B2 - アンテナ内蔵式電子時計 - Google Patents
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Description
このため、アンテナを設ける場合に、電子時計の厚みが増し、電子時計のデザイン性が低下するという問題があった。
また、この発明によれば、上面部が非導電性材料より形成されるため、アンテナ体が受信する電波が上面部により吸収または反射されることを防止し、アンテナ体の良好な受信性能を確保することが可能となる。
更に、この発明によれば、底面部が導電性材料より形成されるため、底面部をアンテナ体のグランドプレーンとして機能させることができ、アンテナ体の良好な受信性能を確保することが可能となる。
この態様によれば、底面部に加えてケース胴をアンテナ体のグランドプレーンとして機能させることができるため、アンテナ体の良好な受信性能を確保することが可能となる。
この態様によれば、アンテナ基板及び底面部が、アンテナ体のグランドプレーンとして機能するため、アンテナ体の良好な受信性能を確保することが可能となる。
なお、前記アンテナ基板は、前記底面部と一体に形成されるものであってもよい。
この態様によれば、アンテナ体が受信する電波が、側部により吸収または反射される可能性を低く抑えることができるため、アンテナ体の良好な受信性能を確保することが可能となる。
なお、この態様において、前記側部及び底面部は、前記ケース胴と一体に形成されるものであってもよい。例えば、前記第2収納部は、前記ケース胴に凹部を設け、前記凹部を前記上面部により覆うことにより形成されるものであってもよい。この場合、前記側部は、当該凹部の側面部分であり、前記底面部は当該凹部の底面部分である。
また、この態様によれば、第1辺及び第2辺の上部を、非導電性材料より形成される第2上面部により覆うため、電波が導電性の材料により形成される第1上面部により電波が吸収または反射されることによるアンテナ体の受信性能の低下の程度を小さく抑えることができる。
この態様によれば、このような用途の無い空間に対して第2収納部を設け、ここにアンテナ体を収納するため、アンテナ内蔵式電子時計を大型化することなく、アンテナ体を設けることが可能となる。
この態様において、前記バンド取付部は、前記ケース胴と一体に形成される、ことを特徴とするものであってもよい。
この態様によれば、アンテナ体が収納される第2収納部を、表示部の6時方向に設ける。このため、屋外において、アンテナ体が、アンテナ内蔵式電子時計の中で天頂に近い位置に位置した状態となる可能性を高くすることができ、アンテナ体の安定した受信性能を確保することが可能となる。
<1:アンテナ内蔵式電子時計の構造>
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計100(以下「電子時計100」という)を含むGPSシステムの全体図である。電子時計100は、複数のGPS衛星200の少なくとも1つからの電波(無線信号)を受信して内部時刻を修正する腕時計であり、腕に接触する面(以下、「裏面」という)の反対側の面(以下「表面」という)に時刻を表示する。
なお、本実施形態において電子時計100は、GPSシステムが備えるGPS衛星200からの電波を受信するものであるが、GPSシステムは衛星測位システムの一例である。本発明は、GPSシステムの他に、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)等の全地球的航法衛星システム(GNSS)、SBAS等の静止衛星、または、準天頂衛星等、時刻情報を含む衛星信号を発信する位置情報衛星を備える、GPSシステム以外の衛星測位システムを使用することができる。すなわち、電子時計100は、GPS衛星200以外の衛星を含む位置情報衛星からの電波(無線信号)を受信して内部時刻を修正する腕時計であってもよい。
電子時計100は、金属またはその他の導電性材料で形成された円筒状のケース胴81と、ケース胴81に嵌合され、金属またはその他の導電性材料で形成された円筒状のベゼル82と、を備える。
また、電子時計100は、ベゼル82の内周側に設けられ、プラスチック等の非導電性材料で形成されたリング状のダイヤルリング21と、ダイヤルリング21の内周側に設けられた、円盤状の文字板11と、文字板11上に設けられ、指針軸12を中心に周回して現在時刻を指し示す指針13(秒針13a、分針13b、及び、時針13c)と、を備える。
なお、以下では、文字板11、指針13、及び、液晶表示パネル14を、「表示部」と総称する場合がある。
なお、ここで、「12時方向」とは、指針軸12から見て時針13cが12時を示す方向(すなわち、図2において「+y方向」)であり、「6時方向」とは、指針軸12から見て時針13cが6時を示す方向(すなわち、図2において「−y方向」)である。
また、電子時計100は、6時方向に設けられるバンド取付部87の突出部87a及び87bの間に、アンテナ収納部90を備える。
図3は電子時計100の内部構造の概略を示す要部断面図であり、図4及び図5は電子時計100の一部の分解斜視図であり、図6は、後述するアンテナ体40及びアンテナ収納部90の平面図である。
以下、図3及び図4を参照しつつ、表示機構収納部80に収納された電子時計100の構成要素について説明する。
ソーラーパネル22は、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する複数のソーラーセル(光発電素子)を直列接続した円形の平板である。ソーラーパネル22には、指針軸12を貫通させるための穴が形成され、また、液晶表示パネル14を視認させるための開口部22a(図4参照)が形成されている。
指針軸12は、秒針13aを旋回させるための軸、分針13bを旋回させるための軸、及び、時針13cを旋回させるための軸を有する。指針13は、ダイヤルリング21の内周よりも内側で、且つ、カバーガラス84及び文字板11の間に配置されている。
基板25には、GPS受信部26及び駆動制御部70を含む回路ブロックが実装されている。具体的には、基板25の上面(表面側の面)には、駆動制御部70が設けられ、基板25の下面(裏面側の面)には、GPS受信部26が設けられている。
GPS受信部26は、例えば、1チップのICモジュールで構成され、そこにはアナログ回路とデジタル回路とが含まれている。GPS受信部26は、導電性材料により形成されたシールド23により覆われている。このシールド23には、回路ブロックのグランド電位が供給されている。また、シールド23は、回路押え24を介して、裏蓋85と電気的に接続されている。
なお、GPS受信部26及び駆動制御部70を含む回路ブロックと、駆動機構30とを「制御部」と総称する。
二次電池27は、ソーラーパネル22が発電した電力で充電される。この二次電池27を収納するための電池収納部28は、基板25の裏面側(つまり、基板25及び裏蓋85の間)に配置されている。
本実施形態において、バンド取付部86及び87(突出部86a、86b、87a、87b)は、ケース胴81と同一の導電性材料により、ケース胴81と一体に形成される。
図5に示すように、バンド取付部86が具備する突出部86a及び86b、並びに、バンド取付部87が具備する突出部87a及び87bのそれぞれには、貫通孔K4設けられる。バンド110の一端に設けられた貫通孔と、突出部86a及び86bに設けられた貫通孔K4とに接続ピンを挿通することで、バンド110の一端がバンド取付部86に接続される。また、バンド110の他端に設けられた貫通孔と、突出部87a及び87bに設けられた貫通孔K4とに接続ピンを挿通することで、バンド110の他端がバンド取付部86に接続される。
表示機構収納部80の外側に設けられるアンテナ収納部90は「第2収納部」の一例であり、衛星信号を受信するためのアンテナ体40が収納されている。
なお、以下において、表示機構収納部80、アンテナ収納部90、並びに、バンド取付部86及び87を、「外装ケース」と称する場合がある。
上面部91は、アンテナ収納部90の上面を構成し、アンテナ体40よりも表面側に位置する。この上面部91は、セラミック、ガラス、プラスチック、またはその他の非導電性材料で形成されている。
底面部92は、アンテナ収納部90の底面を構成し、アンテナ体40よりも裏面側に位置する。すなわち、電子時計100を腕に装着した場合、底面部92はアンテナ体40よりも腕に近い側に位置する。また、底面部92は、SUS(ステンレス)またはTi(チタン)等の金属またはその他の導電性材料で形成されている。より具体的には、底面部92は、ケース胴81と同一の材料で、ケース胴81と一体に形成される。但し、底面部92は、ケース胴81とは異なる導電性材料で、または、ケース胴81とは別体として形成されるものであってもよい。
本実施形態では、ケース胴81と一体に形成された底面部92と側部93とによって凹部が形成され、その凹部の上面を上面部91で覆うことにより、アンテナ体40を収納するための空間を形成する。なお、側部93を表面側からくり抜くことにより、凹部を形成するようにしてもよい。その場合、凹部の底面部分が底面部92に該当し、凹部の側面部分が側部93に該当する。
本実施形態において、信号線45は、パッキン(図示省略)に挟み込まれた状態で、貫通孔K3に嵌め込まれている。これにより、アンテナ収納部90から、表示機構収納部80への水分等の侵入を防止することができる。但し、電子時計100は、このようなパッキンを具備しないものであってもよい。
誘電体41は、比誘電率εrが50程度となるように形成されることが好ましい。本実施形態では、誘電体41は、チタン酸バリウム等の高周波で使用可能な誘電材料を樹脂に混ぜることで、比誘電率εrが「100」以上となるように形成される。
また、図6に示すように、電子時計100を表面側(つまり、「+z方向」)から見た場合において(以下、表面側から電子時計100を見ることを、「平面視する」と表現する場合がある)、誘電体41は、x軸方向の幅が、y軸方向(「所定の方向」の一例)の幅に比べて広くなるように設けられている。
このアンテナ素子42は、信号線45と電気的に接続されている。すなわち、信号線45、コネクタ46、及び、基板25上の配線は、アンテナ素子42と、GPS受信部26とを電気的に接続する「接続配線」として機能する。
なお、本実施形態では、信号線45とアンテナ素子42とは、誘電体41の内部を貫通する給電部(図示省略)を介して電気的に接続されるが、当該給電部は誘電体41の表面に設けられるものであってもよい。
なお、本実施形態において、アンテナ基板43は、底面部92の上に直接形成されるが、プリント基板上にアンテナ基板43を設け、導通ばねにより、アンテナ基板43と底面部92と電気的に接続してもよい。また、アンテナ基板43は、底面部92と同一の材料で底面部92と一体として形成されるものであってもよい。
通常、グランドプレーンの面積が大きい場合、小さい場合と比較して、アンテナ体40の受信性能は向上するになる。従って、本実施形態のように、アンテナ基板43及び底面部92が電気的に接続され、且つ、底面部92及びケース胴81並びに裏蓋85が電気的に接続される場合、アンテナ基板43に加えて、底面部92、ケース胴81、及び、裏蓋85を、アンテナ体40のグランドプレーンとして機能させることができるため、アンテナ体40の良好な受信性能を確保することができる。
すなわち、図6に示すように、アンテナ素子42を平面視したときに、アンテナ素子42の輪郭を表す辺L1〜L4のそれぞれの長さは、共振長dsに等しく、且つ、辺L1または辺L2と、辺L3または辺L4とは互いに直交する。
なお、本明細書において、「長さが等しい」とは、長さが完全に一致することまでは要さず、長さが等しいと看做せる程度であればよい。例えば、辺L1〜L4のうち最大の長さが共振長dsの110%以下であり、且つ、最少の長さが共振長dsの90%以上である場合には、「長さが等しい」と看做してもよい。
同様に、辺L1または辺L2と、辺L3または辺L4とは、厳密に直交している必要は無く、直交していると看做せる程度の角度で交差していればよい。例えば、90度から10度以下の誤差があってもよい。
また、本実施形態では、辺L1〜L4の全ての長さが、共振長dsと等しい(すなわち、等しいと看做せる)長さを有するが、辺L1及び辺L2の間の間隔と、辺L3及び辺L4の間の間隔のうち、少なくとも一方が共振長dsと等しいものであってもよい。
GPS衛星200からの電波の周波数は約1.575GHzであり、1波長は約19cmである。そのため、アンテナ体40が、GPS衛星200からの電波を受信するためには、辺L1〜L4のそれぞれの長さを約7.6〜11.4cmの範囲(理想的には、9.5cm)とすることが求められる。しかし、このような大きさのアンテナ素子42を電子時計100の内部に収める場合、電子時計100が大型化してしまう。
これに対して、本実施形態では、比誘電率εrが「100」以上の誘電体41を基材としてアンテナ体40が形成される。比誘電率がεrの誘電体41を用いる場合、当該誘電体41による波長短縮率は(εr)−1/2となる。つまり、比誘電率がεrの誘電体41を備えることで、誘電体41を備えない場合に比べて、アンテナ体40の受信する電波の波長を(εr)−1/2倍に短縮することができる。例えば、比誘電率εrが「100」である場合には、波長短縮率は0.1倍となるため、辺L1〜L4の長さは約0.7cm〜1.2cm(理想的には、0.95cm)とすることができ、電子時計100を大型化することなくアンテナ体40を設けることが可能となる。
具体的には、アンテナ素子42は、側部93の内周側の壁面Wsと辺L1〜L4のそれぞれとの距離d1〜d4が、全て「2mm」以上となるように設けられている。
このため、アンテナ素子の周縁部に、金属その他の導電性物質が存在する場合、送信または受信される電波が、当該導電性物質により反射または吸収され、パッチアンテナの送受信性能が劣化する。
これに対して本実施形態では、導電性材料からなる壁面Wsとの間隔が「2mm」以上となるようにアンテナ基板43が設けられる。また、本実施形態では、上面部91が非導電性材料により形成される。このため、アンテナ体40が送受信する電波が、側部93または上面部91により吸収または反射されることを防止することができ、良好な受信性能を確保することができる。
電子時計100は、屋外において衛星信号を受信する。屋外において、電子時計100は、利用者の腕に装着されている場合が多い。そして、図8に示すように、電子時計100の利用者は、屋外において腕を利用者の前方または下方向に向けた姿勢を取っている場合が多い。よって、屋外では、電子時計100の6時方向が、12時方向に比べて、天頂方向に近い方向となる場合が多い。
本実施形態において、アンテナ体40は、電子時計100の6時方向に設けられる。そのため、本実施形態では、アンテナ体40が12時方向に設けられる場合と比べて、アンテナ体40の受信性能を良好に保つことが可能になる。
以下では、本実施形態に係る電子時計100が、このような構成を有することによる効果を、図9及び図10に示す対比例に係る電子時計100Tと比較しながら、説明する。
図9及び図10に示すように、対比例に係る電子時計100Tは、表示機構収納部80t(ケース胴81t、ベゼル82t、カバーガラス84、及び、裏蓋85)にリング状のアンテナ体40tが収納されている。より具体的には、アンテナ体40tは、受信性能を確保するために、駆動機構30よりも表面側に設けられる。また、アンテナ体40tは、アンテナ体40tが利用者に視認されることによるデザイン性の低下を防止するために、ダイヤルリング21tよりも裏面側に設けられる。
これに対して、本実施形態に係る電子時計100は、アンテナ体40を表示機構収納部80の外部に設けるため、表示機構収納部80の薄型化及び小型化が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電子時計100は、アンテナ体40を、突出部87a及び87bの間のアンテナ収納部90に収納する。突出部87a及び87bの間の空間は、通常は、空洞またはケース胴81が設けられる空間に過ぎず、当該空間が特定の目的に利用されることは稀である。すなわち、本実施形態では、謂わば「用途の無い余った空間」にアンテナ収納部90を設ける。このため、アンテナ収納部90を設ける場合であっても、設けない場合と比較して、電子時計100の大型化やデザイン性の低下等が生じる可能性は低い。
このように、本実施形態に係る電子時計100は、表示機構収納部80にアンテナ体40を収納する場合(例えば、電子時計100T)と比較して、電子時計100の全体の薄型化及び小型化ができ、電子時計100のデザイン性を向上させることが可能となる。
傾斜面TP2の傾きが急である場合において、電子時計100Tの利用者が、例えば図9の右斜め上方向(+Z方向且つ+X方向)から文字板11を見るとき、利用者は、ダイヤルリング21tに遮られ文字板11の端部を視認することができないことがある。
これに対して、本実施形態では、傾斜面TP2に比べて緩やかな傾きの傾斜面TP1を有するダイヤルリング21を備えるため、電子時計100の利用者は、ダイヤルリング21に遮られることなく、文字板11を広い角度方向から隅々まで視認することが可能となる。
図11は、電子時計100の回路構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、電子時計100は、GPS受信部26及び制御表示部36を含む。GPS受信部26は、衛星信号の受信、GPS衛星200の捕捉、位置情報の生成、時刻修正情報の生成等の処理を行う。制御表示部36は、内部時刻情報の保持及び内部時刻情報の修正等の処理を行う。
アンテナ体40は、上述したように、複数のGPS衛星200からの衛星信号を受信する。ただし、アンテナ体40は衛星信号以外の不要な電波も若干受信してしまうため、SAWフィルタ32は、アンテナ体40が受信した信号から衛星信号を抽出する処理を行う。すなわち、SAWフィルタ32は、1.5GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィルタとして構成される。
なお、ベースバンド部60は、1つのGPS衛星200の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよいし、複数のGPS衛星200の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよい。
駆動制御部70は、記憶部71、RTC(Real Time Clock)72を備え、各種制御を行う。駆動制御部70は、例えばCPUで構成することが可能である。駆動制御部70は、制御信号をGPS受信部26に送り、GPS受信部26の受信動作を制御する。また駆動制御部70は、電圧検出回路37の検出結果に基づいて、レギュレータ34及びレギュレータ35の動作を制御する。また駆動制御部70は、駆動回路74を介してすべての指針13の駆動を制御するとともに、液晶表示パネル14の動作を制御する。
以上で説明したように、本実施形態では、表示機構収納部80の外部に設けられたアンテナ収納部90にアンテナ体40を収納するため、アンテナ体40を表示機構収納部80に収納する場合と比較して、電子時計100を薄型化及び小型化させることが可能となるとともに、電子時計100のデザイン性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、比誘電率εrが「100」以上の誘電体41を基材としてアンテナ体40を形成するため、アンテナ体40を設けることに伴う電子時計100の大型化を防止することができる。
また、本実施形態では、ケース胴81、ベゼル82、側部93、及び、底面部92が、金属等の導電性材料により形成されるため、これのうち一部を非導電性材料により形成する場合と比較して、電子時計100のデザインを、より重厚感及び高級感のあるものとすることができる。
また、本実施形態では、アンテナ体40を収納するアンテナ収納部90を、電子時計100の6時方向に設けるため、12時方向に設ける場合と比較して、アンテナ体40の良好な受信性能を確保することができる。
更に、本実施形態では、アンテナ基板43に加えて、アンテナ基板43と電気的に接続される底面部92、ケース胴81、及び、裏蓋85がアンテナ体40のグランドプレーンとして機能するため、アンテナ体40の良好な受信性能を確保することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一または複数を、適宜に組み合わせることもできる。
上述した実施形態において、アンテナ収納部90の上面部91は、非導電性材料により形成されるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、上面部91の一部を導電性材料により形成してもよい。
例えば、上面部91は、導電性材料により形成された第1上面部と、非導電性材料により形成された第2上面部と、を有するものであってもよい。この場合、アンテナ素子42の有する4辺のうち、辺L1及び辺L2の2辺、または、辺L3及び辺L4の2辺のうち、少なくとも一方が、平面視して、非導電性材料により形成された第2上面部と重なる(第1上面部と重ならない)ものであればよい。
具体的には、図12に示すように、上面部91aは、導電性材料により形成された第1上面部912と、非導電性材料により形成された第2上面部914及び916と、を備える。
図13に示すように、アンテナ素子42aは、X軸方向の幅が、Y軸方向の幅に比べて広い。すなわち、平面視したときのアンテナ素子42aの輪郭を表す辺L1a〜L4aのうち、X軸方向に延在する辺L3a及び辺L4aは、Y軸方向に延在する辺L1a及び辺L2aに比べて長い。より具体的には、アンテナ素子42aは、辺L1a及び辺L2aの長さが共振長dsよりも短く、且つ、辺L3a及び辺L4aの長さが共振長dsと等しくなる(つまり、等しいと看做すことができる)ように設けられる。
なお、本変形例においても、アンテナ素子42aは、壁面Wsと辺L1a〜L4aのそれぞれとの距離d1a〜d4aが、全て「2mm」以上となるように設けられる。
また、本変形例では、辺L1a及び辺L2aの上方には、非導電性材料により形成された第2上面部914または第2上面部916が配置される。このため、導電性の第1上面部912により衛星信号が遮られることによる、アンテナ体40aの受信性能の低下を小さく抑えることが可能となる。
なお、アンテナ素子42aの辺L1a及び辺L2aの間の距離を、実施形態に係るアンテナ素子42の辺L1及び辺L2の間の距離に比べて長くする場合、誘電体41の有する比誘電率εrを「100」よりも小さくすることが可能となり、誘電体41を形成する際の材料選択の幅が広がり、電子時計100の製造コストを低く抑えることが可能となる。
上述した実施形態及び変形例において、アンテナ体40は、パッチアンテナであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、逆Fアンテナであってもよいし、これら以外の平面アンテナであってもよい。更には、小型化可能であり、且つ、衛星信号を受信可能なアンテナであれば、どのようなものであってもよい。
逆Fアンテナは、円偏波を受信する場合、アンテナの電極の長さが受信する電波の波長の4分の1の長さとなるときに共振し高い受信性能を発揮する。そのため、逆Fアンテナの電極の長さ(すなわち、図14における辺Lfhと、辺Lfvと長さの合計値である長さdf)は、波長の0.2〜0.3倍程度、理想的には0.25倍に設定される。よって、平面視したときのアンテナ素子42bの辺Lfhの長さを、上述したアンテナ体40の辺L3や、アンテナ体40aの辺L3a等に比べて短くすることができるのと同時に、誘電体41の有する比誘電率εrを「100」よりも小さくすることができる。
上述した実施形態及び変形例において、貫通孔K4は、バンド取付部86及び87(つまり、突出部86a、86b、87a、及び、87b)に設けられるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、例えば、図15に示すように、アンテナ収納部90の側部93に設けられるものであってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、電子時計は、表示部として文字板11及び指針13を具備する、いわゆるアナログ式時計であるが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、電子時計はデジタル式時計であってもよい。
図16は、本変形例に係る電子時計100Dの平面図である。この図に示すように、電子時計100Dは、表示部として、文字板11及び指針13の代わりに、液晶表示パネル10を具備する。この場合、電子時計100Dは、駆動機構30及び指針軸12等を備えないものであってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、表示機構収納部は、平面視して円盤状の形状を有するが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、表示機構収納部の形状は円盤状の形状とは異なる形状、例えば、四角形であってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、側部93は、ケース胴81及び底面部92と同一の材料で、ケース胴81及び底面部92と一体に形成されるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、側部93は、ケース胴81及び底面部92とは異なる材料で、または、ケース胴81及び底面部92とは別体として形成されるものであってもよい。
また、本実施形態では側部93は導電性材料で形成されるが、側部93を、セラミック等の非導電性材料で形成してもよい。
上述した実施形態及び変形例において、外装ケースは、導電性材料で形成されたケース胴と、導電性材料で形成されたベゼルとを備えるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、ベゼルを、ABS等の樹脂もしくはセラミックまたはその他の非導電性材料で形成してもよい。
また、ケース胴及びベゼルを、導電性材料または非導電性材料のうち一方の同一材料により一体として形成するものであってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、電子時計は、GPS衛星200等の位置情報衛星からの電波を受信するが、位置情報衛星からの電波に限らず、例えば、無線タグ用の900MHz帯の電波を受信する電子時計であってもよい。また、例えば、Bluetooth(登録商標)等の2.4GHz帯の電波を受信する電子時計でもよい。
上述した実施形態及び変形例では、腕時計である電子時計(電子時計100等)を例示して説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、腕時計以外の時計、例えば、懐中時計や置き時計に適用することもできる。
また、電子時計以外の、受信した電波に基づいて情報を表示する電子機器(例えば携帯電話機やデジタルカメラ等)に対して、本発明を適用してもよい。
Claims (10)
- 導電性材料により形成されたケース胴と、
前記ケース胴の内側に設けられ、情報を表示可能な表示部を収納する第1収納空間と、
前記ケース胴の外側に設けられ、アンテナ体を収納する第2収納空間と、
を備え、
前記第2収納空間は、
導電性材料より形成された底面部と、少なくとも一部が非導電性材料より形成された上面部と、の間の空間である、
ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記アンテナ体は、
誘電体と、
前記誘電体の面上に設けられ導電性材料より形成されたアンテナ素子と、
を備える平面アンテナである、
ことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記底面部は、
前記ケース胴と一体に形成されている、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記アンテナ体は、
導電性材料より形成されるアンテナ基板を備え、
前記アンテナ基板は、
前記底面部と電気的に接続される、
ことを特徴とする、請求項2または3に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記第2収納空間は、
前記底面部と前記上面部との間に設けられ導電性材料より形成された側部により形成された空間であり、
前記アンテナ素子と、前記側部との間の距離は、2mm以上離れている、
ことを特徴とする、請求項2乃至4のうち何れか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記上面部は、
導電性材料より形成された第1上面部と、
非導電性材料より形成された第2上面部と、
を備え、
前記アンテナ素子は、
前記アンテナ内蔵式電子時計を平面視したときに、
所定の方向に延在する第1辺及び第2辺を有し、
前記第1上面部は、
前記アンテナ内蔵式電子時計を平面視したときに、
前記第1辺及び前記第2辺の間に位置するように設けられる、
ことを特徴とする、請求項2乃至5のうち何れか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記第1収納空間に収納され、前記アンテナ体で受信した情報に基づいて前記表示部の動作を制御する制御部と、
前記側部と前記ケース胴とを貫通する貫通孔を通り、前記アンテナ素子と前記制御部とを電気的に接続する接続配線と、
を備える、
ことを特徴とする、請求項5に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記ケース胴と、前記第1収納空間と、前記第2収納空間とを有する外装ケースと、
前記アンテナ内蔵式時計の利用者が当該アンテナ内蔵式時計を装着するために用いるバンドを当該外装ケースに取り付けるための2つのバンド取付部と、
を備え、
前記2つのバンド取付部の各々は、
前記バンドに接続される1対の突出部を具備し、
前記第2収納空間は、
前記2つのバンド取付部のうち、一方のバンド取付部が備える1対の突出部の間の空間である、
ことを特徴とする、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記2つのバンド取付部は、
前記アンテナ内蔵式電子時計を平面視したときに、
前記表示部の6時方向と、12時方向とに設けられ、
前記第2収納空間は、
前記表示部の6時方向に設けられるバンド取付部が備える1対の突出部の間の空間である、
ことを特徴とする、請求項8に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 導電性材料により形成され、前記ケース胴に電気的に接続される裏蓋を更に備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至9のうち何れか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
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