JP6903288B2 - 地盤等の補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、岩盤に接する地盤又はコンクリート駆体を補強する補強方法に関する。
コンクリートは、圧縮に強いが、引張りに弱い。岩、石、土で構成される地盤も、同様に、圧縮に強いが、引張りに弱い。
そこで、コンクリート駆体や地盤に、予め圧縮力を与える補強方法が実用化された(例えば、特許文献1(図3)参照)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図12に示すように、ダム堤体101は、地盤102上に建造され、グラウンドアンカーテンドン103で補強されている。
この補強は以下のようにして行う。即ち、ダム堤体101から地盤102まで孔104を開け、この孔104に、テンドン(tendon)105、105を挿入し、孔104の下部に、セメントミルク等のグラウト106aを充填する。グラウト106aが硬化すると、テンドン105、105の下部が地盤102に固定される。次に、テンドン105、105を引張る。このままで、孔104にさらにグラウト106bを充填し、硬化させる。
テンドン105、105は、芯部に鋼線を用いた伸縮自在な部材である。保護体109、109よりも上部は、シース111、111と呼ばれる樹脂製の保護材で、鋼線が覆われている。テンドン105、105は、シース111、111が被せられない先端部105aと、固定板108が取り付けられる基部105b、105bとで引張り合うようにして、テンションを保っている。
本発明者が、検討したところ次に述べる問題があることが判明した。
テンドン105、105で引張られるため、ダム堤体101が全体的圧縮されるように見えるが、詳細に調べると、固定板108の近傍(ダム堤体101の上部)に、大きな圧縮応力が認められ、固定板108から遠い部位(ダム堤体101の中間部や下部)には、圧縮応力がほとんど認められなかった。
固定板108に加わる下向き力が、固定板108から離れるほど拡散し、広い面積で支承される。力/面積で求められる圧縮応力が、固定板108から離れるほど急激に小さくなったためと推定される。
ダム堤体101が中間部や下部で破壊することを防止するには、中間部や下部でも適度な圧縮応力が発生することが求められる。地盤についても同様である。
特開2007−217981号公報
本発明は、地盤やコンクリート駆体に、全体的に圧縮応力を発生させることができる補強方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、岩盤に接する地盤又はコンクリート駆体を補強する地盤等の補強方法であって、
前記地盤又は前記コンクリート駆体と前記岩盤とに孔を開ける削孔機と、鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、前記地盤又は前記コンクリート駆体の表面である緊張端面に設けられ前記テンドンを引張る引張機械と、不完全硬化状態で得られる圧縮強度よりも完全硬化状態で得られる圧縮強度が大きくなるグラウトを準備し、
前記削孔機で、前記地盤又は前記コンクリート駆体に貫通孔を開けると共に前記岩盤に定着体を形成するための孔区間である定着孔を開ける工程と、
前記緊張端面から前記貫通孔と前記定着孔へ前記テンドンを挿入する工程と、
前記定着孔に前記グラウトを充填し完全硬化させることで、前記テンドンを前記岩盤に定着させる工程と、
前記引張機械で、前記テンドンを緊張する工程と、
前記貫通孔を前記テンドンの軸方向に、前記定着体を除く区間に少なくとも2つのボンド区間に区分し、前記定着孔に接する第1ボンド区間に前記グラウトを充填する工程と、
前記第1ボンド区間に充填した前記グラウトが不完全硬化状態になったら前記引張機械により前記テンドンに掛けていた緊張を解放する工程と、
緊張を解放した状態で、前記不完全硬化状態のグラウトを完全硬化させる工程と、
前記グラウトが完全硬化したら前記引張機械で、前記テンドンを緊張する工程と、
前記第1ボンド区間に接する第2ボンド区間に前記グラウトを充填しそのまま完全硬化させる工程、又は前記第2ボンド区間に前記グラウトを充填し、このグラウトが不完全硬化状態になったら前記引張機械により前記テンドンに掛けていた緊張を解放し、前記不完全硬化状態のグラウトを完全硬化させる工程と、
からなることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、テンドンには、2つのボンド区間の境界位置に耐荷体を付設したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、岩盤に接する地盤又はコンクリート駆体を補強する地盤等の補強方法であって、
前記地盤又は前記コンクリート駆体と前記岩盤とに孔を開ける削孔機と、鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、前記地盤又は前記コンクリート駆体の表面である緊張端面に設けられ前記テンドンを引張る引張機械と、不完全硬化状態で得られる圧縮強度よりも完全硬化状態で得られる圧縮強度が大きくなるグラウトを準備し、
前記削孔機で、前記地盤又は前記コンクリート駆体に貫通孔を開けると共に前記岩盤に定着体を形成するための孔区間である定着孔を開ける工程と、
前記緊張端面から前記貫通孔と前記定着孔へ前記テンドンを挿入する工程と、
前記定着孔に前記グラウトを充填し完全硬化させることで、前記テンドンを前記岩盤に定着させる工程と、
前記引張機械で、前記テンドンを緊張する工程と、
前記貫通孔を前記テンドンの軸方向に、前記定着体を除く区間に少なくとも2つのボンド区間及びボンド区間の間に設けられる中間区間に区分し、前記定着孔に接する第1ボンド区間に前記グラウトを充填する工程と、
前記第1ボンド区間に充填した前記グラウトが不完全硬化状態になったら前記引張機械により前記テンドンに掛けていた緊張を解放する工程と、
緊張を解放した状態で、前記不完全硬化状態のグラウトを完全硬化させる工程と、
緊張を解放した状態で、前記中間区間にグラウトを充填し、完全硬化させる工程と、
前記グラウトが完全硬化したら前記引張機械で、前記テンドンを緊張する工程と、
前記中間区間に接する第2ボンド区間に前記グラウトを充填しそのまま完全硬化させる工程、又は前記第2ボンド区間に前記グラウトを充填し、このグラウトが不完全硬化状態になったら前記引張機械により前記テンドンに掛けていた緊張を解放し、前記不完全硬化状態のグラウトを完全硬化させる工程と、からなることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、テンドンを緊張させた状態で、テンドンの軸方向の一区間にグラウトを充填する。このグラウトが不完全硬化状態になったら、緊張を解く。緊張を解いた状態でグラウトを完全硬化させる。次にテンドンを緊張させ、この状態で隣のボンド区間にグラウトを充填する。不完全硬化、緊張解放、完全硬化を実施する。
緊張を解放することで、テンドンの周囲の地盤に、深い範囲で圧縮応力を発生させることができ、その後に、グラウトが完全硬化することで、圧縮応力は保存される。
請求項2に係る発明では、耐荷体をテンドンに付設した。耐荷体は2つのボンド区間の境界に配置される。グラウトが不完全硬化であっても耐荷体によって、テンドンの沈み込みを防止することができる。
請求項3に係る発明は、2つのボンド区間の間に緊張力を解放した中間区間を設けることで、耐荷体なしで次のボンド区間におけるテンドンを緊張することができる。
本発明で使用する引張機械の原理図である。 孔を開ける工程から定着孔へグラウトを充填する工程までを説明する図である。 テンドンを緊張する工程から第1ボンド区間にグラウトを充填する工程までを説明する図である。 第1ボンド区間にて不完全硬化状態でテンドンの緊張を解放する工程からグラウトを硬化させる工程を説明する図である。 テンドンを緊張する工程から第2ボンド区間にグラウトを充填する工程までを説明する図である。 第2ボンド区間にて不完全硬化状態でテンドンの緊張を解放する工程からグラウトを硬化させる工程までを説明する図である。 テンドンを緊張する工程から第3ボンド区間にグラウトを充填する工程までを説明する図である。 地盤に発生する応力を説明する図である。 本発明方法を説明するフロー図である。 耐荷体を付設した例を説明する図である。 本発明を堤体に適用した例を説明する図である。 従来の補強方法を説明する断面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明で、定着孔は、定着体を形成する底部の孔区間を意味する。
図1に基づいて、本発明方法で使用する引張機械の一例を説明する。
図1に示すように、岩盤11に接している地盤13(又はコンクリート駆体)を補強する際に用いる引張機械14は、地盤13の表面(岩盤11から最も遠い部位の面)に据えられる門型フレーム15と、この門型フレーム15に取付けられる油圧シリンダ16と、この油圧シリンダ16から下へ延びるピストンロッド17に取付けられるチャック爪18と、油圧シリンダ16を制御する制御部19とからなる。
削孔機(周知であるため構造説明は省略する。)で、地盤13に貫通孔21を開けると共に岩盤11に定着孔22を開ける。地盤13の表面(この例では上面)が緊張端面23となる。
貫通孔21と定着孔22に、テンドン(tendon)25を挿入する。テンドン25には、拡縮可能なパッカー26を複数個設けておく。パッカー26は、所望の区間にグラウトを充填する役割を果たす。孔21、22が縦孔の場合は、パッカー26を省くことができる。
グラウトは、初めは流動物であるが、放置すると固まり、時間の経過と共に強度が高まる。本発明では、「完全硬化」と、この完全硬化よりも時間経過が短く且つ低強度である「不完全硬化」との用語を使用する。
Figure 0006903288
早強セメントを使用した場合、7日程度で完全硬化し、このときの圧縮強度は24N/mm以上となる。3日程度では、圧縮強度は18N/mmと完全硬化の75%程度に留まる。このように、完全硬化より低い硬度を不完全硬化と定める。
図2〜図8に基づいて、地盤等の補強方法を説明する。なお、パッカー26は省略する。
先ず、削孔機と、引張機械14と、テンドン25と、グラウトを準備する。
図2(a)に示すように、削孔機で地盤13に貫通孔21を開け、岩盤11に定着孔22を開ける。
図2(b)に示すように、緊張端面23から貫通孔21と定着孔22へテンドン25を挿入する。
図2(c)に示すように、定着孔22にグラウト27を充填する。
グラウト27の形態につき、以下の通り表示する。
グラウト27は、充填時は流動物であり、流動物は「点の集合」で、表示する。
グラウト27は、完全硬化したときには「xの集合」(ダブルハッチング)で、表示する。
グラウト27は、不完全硬化のときには「/の集合」(シングルハッチング)で、表示する。
図3(a)に示すように、定着孔22に充填したグラウト27が完全硬化した。緊張端面23に引張機械14がセットされている。ここでは、引張機械14は、緊張端面23に載せる座板28と、この座板28の上にてテンドン25にねじ込んだナット29とで構成した。すなわち、図1で説明した引張機械14を、座板28とナット29に代替した。
図3(a)にて、テンドン25が岩盤11に定着されたので、ナット29が所定のトルクで回されると、テンドン25は緊張する。
図3(b)は、引張力の大きさを示す図であり、岩盤11と地盤13の境界である第1の境界31からナット29までは、一様の引張力がテンドン25に加わっている。定着孔22内では、グラウト27が硬化しているため、原則として引張力は掛からないが、第1の境界31の真下でのみ引張力が急増する。引張力が孔21、22の壁を介して岩盤11や地盤13に伝わる。
図3(c)に示すように、岩盤11には第1の境界31の近傍で、面積Saの引張応力が生じる。対して、地盤13には第1の境界31の真上で、面積Sbの圧縮応力が生じる。また、座板28で押されるため、地盤13には緊張端面23の真下で面積Scの圧縮応力が生じる。
図3(d)に示すように、貫通孔21を複数(この例では3)の区間Z1〜Z3に仮想的に区分する。そして、下から上へ第1ボンド区間Z1、第2ボンド区間Z2、第3ボンド区間Z3と名付ける。加えて、第1ボンド区間Z1と第2ボンド区間Z2の境界を第2の境界32、第2ボンド区間Z2と第3ボンド区間Z3の境界を第3の境界33と名付ける。
そして、第1ボンド区間Z1にグラウト27を充填する。このときは、テンドン25には、図3(b)に示す引張力が掛かっており、岩盤11や地盤13に図3(c)に示す面積Saの引張応力と面積Sbの圧縮応力が生じている。
図4(a)において、第1ボンド区間Z1のグラウト27が不完全硬化状態になった。不完全硬化状態で、ナット29を緩める。
すると、第2ボンド区間Z2及び第3ボンド区間Z3では、テンドン25に掛かっていた引張力は消失する。一方、第1ボンド区間Z1では、グラウト27が不完全硬化状態であるため、テンドン25の縮み動作は、ある程度拘束される。
そのため、図4(b)に示すような引張力図が得られる。
図4(a)にて、第1ボンド区間Z1で、テンドン25に残る引張力が、第2の境界32の下方では地盤13を圧縮し、第2の境界32の上方では地盤13を引張る。
結果、図4(c)に示すように、地盤13において、第2の境界32の下方で面積Sdの圧縮応力が発生し、上方で面積Seの引張応力が発生する。境界31付近では図3(c)で説明した応力がほぼそのまま残留している。
ナット29を緩めたままで、図4(d)に示すように、グラウト27を完全硬化させる。
図5(a)に示すように、第1ボンド区間Z1のグラウト27が完全硬化したので、ナット29を所定のトルクで回転することで、テンドン25を緊張する。
図5(b)は、張力の大きさを示す図であり、第2ボンド区間Z2及び第3ボンド区間Z3では、一様の引張力がテンドン25に加わっている。第1ボンド区間Z1では、グラウト27が完全硬化しているため、原則として引張力は掛からないが、第2の境界32の真下でのみ引張力が急増する。引張力が貫通孔21の壁を介して地盤13に伝わる。
図5(c)にて、第2の境界32の下では、テンドン25の引張の影響で、地盤13に面積Sgの引張応力が発生する。すなわち、図4(c)に示した面積Sdの圧縮応力が面積Sgの引張応力と面積Sfの圧縮応力に変化した。第2の境界32の上では、反作用で、面積Shの引張応力と面積Siの圧縮応力が発生する。
次に、図5(d)に示すように、第2ボンド区間Z2にグラウト27を充填する。このときは、テンドン25には、図5(b)に示す引張力が掛かっており、岩盤11や地盤13に図5(c)に示す応力が生じている。
図6(a)において、第2ボンド区間Z2のグラウト27が不完全硬化状態になった。不完全硬化した時点で、ナット29を緩める。
すると、第3ボンド区間Z3では、テンドン25に掛かっていた引張力は消失する。一方、第2ボンド区間Z2では、グラウト27が不完全硬化であるため、テンドン25の縮む動作は、ある程度拘束される。
そのため、図6(b)に示すような引張力図が得られる。
図6(a)にて、第2ボンド区間Z2で、テンドン25に残る張力が、第3の境界33の下方では地盤13を圧縮し、第3の境界33の上方では地盤13を引張る。
結果、図6(c)に示すように、地盤13において、第3の境界33の下方で面積Sjの圧縮応力が発生し、上方で面積Skの引張応力が発生する。
ナット29を緩めたままで、図6(d)に示すように、グラウト27を完全硬化させる。
図7(a)に示すように、第2ボンド区間Z2のグラウト27が完全硬化したので、ナット29を所定のトルクで回転することで、テンドン25を緊張する。
図7(b)は、張力の大きさを示す図であり、第3ボンド区間Z3では、一様の引張力がテンドン25に加わっている。第2ボンド区間Z2では、グラウト27が完全硬化しているため、原則として引張力は掛からないが、第3の境界33の真下でのみ引張力が急増する。引張力が貫通孔21の壁を介して地盤13に伝わる。
図7(c)にて、第3の境界33の下では、テンドン25の引張の影響で、地盤13に面積Smの圧縮応力と面積Snの引張応力に変化した。第3の境界33の上では、反作用で、面積Spの引張応力と面積Sqの圧縮応力が発生する。
図7(d)に示すように、第3ボンド区間Z3にグラウト27を充填する。
図8(a)に示すように、第3ボンド区間Z3のグラウト27が完全硬化したら、ナット29を所定のトルクで締める。
図8(b)に示すように、地盤13に、面積Sb、Sf、Si、Sm、Sq及びScからなる圧縮応力が残留する。面積Sg、Sh、Sn及びSpの引張応力が残るもののこれらは比較的小さい。結果、テンドン25の軸方向に沿って、地盤13に広範囲に圧縮応力を残留させることができる。
なお、地盤13は、後述する図11で説明するダム堤体などのコンクリート駆体であってもよい。また、実施例では、貫通孔21を、3区分したが、2区分又は4区分以上にすることができる。これらの何れにも対応可能な技術が望まれる。
本発明によれば、対応可能である。そのことをフロー図(図9)に基づいて、以下に説明する。
図9のST01(ステップ番号01)にて、貫通孔及び定着孔を開ける。すなわち、削孔機で、地盤13に貫通孔21を開けると共に岩盤11に定着孔22を開ける。
ST02にて、緊張端面23から貫通孔21と定着孔22へテンドン25を挿入する。
ST03にて、定着孔22にグラウト27を充填し完全硬化させることで、テンドン25を岩盤11に定着させる。
ST04にて、引張機械14で、テンドン25を緊張する。
ST05にて、変数N(Nは自然数である。)に、初期値である1を与える。
ST06にて、第Nボンド区間(初回は第1ボンド区間)にグラウトを充填する。すなわち、定着孔22に接する第1ボンド区間Z1にグラウト27を充填する。
ST07にて、第1ボンド区間Z1に充填したグラウト27が不完全硬化状態になったら引張機械14によりテンドン25に掛けていた緊張を解放する。
ST08にて、緊張を解放した状態で、不完全硬化状態のグラウト27を完全硬化させる。
ST09にて、グラウト27が完全硬化したら引張機械14で、テンドン25を緊張する。
ST10にて、第2ボンド区間についてもST06〜ST09を実施するか否かを確認する。貫通孔を2区分した場合には、第3ボンド区間がないため否となり、ST11に進む。
ST11にて、第2ボンド区間にグラウト27を充填し完全硬化させる。
ST10にて、第2ボンド区間についてもST06〜ST09を実施するとされた場合には、ST12にてNへ(N+1)を代入する。以降、第2ボンド区間についてもST06〜ST09を実施する。
第4ボンド区間が無い場合には、繰り返し後にST10からST11へ進み、ST11にて、第3ボンド区間にグラウト27を充填し完全硬化させる。
以上に述べたフローにより、貫通孔21が、2区分、3区分又は4区分以上に区分された、何れの場合であっても本発明が適用できることを確認した。
次に、耐荷体35について説明する。
図10(a)に示すように、第1ボンド区間Z1と第2ボンド区間Z2の境界付近にて、テンドン25に耐荷体35が付設され、第2ボンド区間Z2と第3ボンド区間Z3の境界付近にて、テンドン25に耐荷体35が付設されている。その他の構成は、図8(a)と同じであるため、図8(a)の符号を流用し、詳細な説明は省略する。
耐荷体35は、貫通孔21に挿入可能な外径を有し、テンドン25に予め付設した円板又は円筒体である。例えば、テンドン25に鋼棒を放射状に取付け、鋼棒に金網を渡すことで、製造可能である。耐荷体35の構成は任意である。
図10(b)は図4(a)に耐荷体35を加えた図面である。
図4(a)では、第1ボンド区間Z1でテンドン25が縮まないように、グラウト27の強度を設定した。ただし、この時点ではグラウト27は不完全硬化状態にある。
不完全硬化状態であるため、諸条件が変動すると、グラウト27の強度が不足する場合がある。強度が不足すると、第1ボンド区間Z1でテンドン25が軸方向に縮むことが想定される。対策としてグラウト27の管理を厳密にすることが求められるが、そうすると工費が増加する。
この点、図10(b)では、耐荷体35がグラウト27に載って、第1ボンド区間Z1でのテンドン25の縮みを抑制する。すなわち、テンドン25の沈み込みが抑制される。
結果、不完全硬化時のグラウト27の強度に変動幅があっても、差し支えないこととなり、工事が容易になる。
次の変更例を説明する。
図11に示すように、定着孔22にテンドン25の下端を挿入し、グラウト27を充填し、完全硬化させる。
次に、テンドン25にテンションを掛け、この状態で第1ボンド区間Z1にグラウト27を充填する。グラウト27が不完全硬化状態になったら、テンションを解除しテンドン25を自由(除荷状態)にする。
除荷状態のままで、中間区間Zmにグラウト27を充填し、完全硬化させる。
次に、テンドン25にテンションを掛け、この状態で第2ボンド区間Z2にグラウト27を充填する。グラウト27が不完全硬化状態になったら、テンションを解除しテンドン25を自由(除荷状態)にする。
2つのボンド区間Z1、Z2の間に緊張力を解放した中間区間Zmを設けることで、耐荷体なしで次のボンド区間Z2におけるテンドン25を緊張することができる。
以上により、堤体36の底付近に、圧縮力を与えることができる。堤体36に大きな水平力が加わっても、堤体36の転倒を効果的に防止することができる。
堤体36は、引張応力に耐える地中構造物、例えば鉄筋コンクリート構造物や鋼製構造物であってもよい。
また、緊張を解放する工程では、テンションをゼロにすることを基本とするが、実質的に緊張が解ければよいために、20%を上限としてテンションを残すことは差し支えない。
本発明方法は、岩盤に接する地盤又はコンクリート駆体を補強する補強工事に好適である。
11…岩盤、13…地盤又はコンクリート駆体、14…引張機械、21…貫通孔、22…定着孔、23…緊張端面、25…テンドン、27…グラウト、Z1…第1ボンド区間、Z2…第2ボンド区間、Z3…第3ボンド区間、Zm…中間区間。

Claims (3)

  1. 岩盤に接する地盤又はコンクリート駆体を補強する地盤等の補強方法であって、
    前記地盤又は前記コンクリート駆体と前記岩盤とに孔を開ける削孔機と、鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、前記地盤又は前記コンクリート駆体の表面である緊張端面に設けられ前記テンドンを引張る引張機械と、不完全硬化状態で得られる圧縮強度よりも完全硬化状態で得られる圧縮強度が大きくなるグラウトを準備し、
    前記削孔機で、前記地盤又は前記コンクリート駆体に貫通孔を開けると共に前記岩盤に定着体を形成するための孔区間である定着孔を開ける工程と、
    前記緊張端面から前記貫通孔と前記定着孔へ前記テンドンを挿入する工程と、
    前記定着孔に前記グラウトを充填し完全硬化させることで、前記テンドンを前記岩盤に定着させる工程と、
    前記引張機械で、前記テンドンを緊張する工程と、
    前記貫通孔を前記テンドンの軸方向に、前記定着体を除く区間に少なくとも2つのボンド区間に区分し、前記定着孔に接する第1ボンド区間に前記グラウトを充填する工程と、
    前記第1ボンド区間に充填した前記グラウトが不完全硬化状態になったら前記引張機械により前記テンドンに掛けていた緊張を解放する工程と、
    緊張を解放した状態で、前記不完全硬化状態のグラウトを完全硬化させる工程と、
    前記グラウトが完全硬化したら前記引張機械で、前記テンドンを緊張する工程と、
    前記第1ボンド区間に接する第2ボンド区間に前記グラウトを充填しそのまま完全硬化させる工程、又は前記第2ボンド区間に前記グラウトを充填し、このグラウトが不完全硬化状態になったら前記引張機械により前記テンドンに掛けていた緊張を解放し、前記不完全硬化状態のグラウトを完全硬化させる工程と、
    からなることを特徴とする地盤等の補強方法。
  2. 前記テンドンには、2つのボンド区間の境界位置に耐荷体を付設したことを特徴とする請求項1記載の地盤等の補強方法。
  3. 岩盤に接する地盤又はコンクリート駆体を補強する地盤等の補強方法であって、
    前記地盤又は前記コンクリート駆体と前記岩盤とに孔を開ける削孔機と、鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、前記地盤又は前記コンクリート駆体の表面である緊張端面に設けられ前記テンドンを引張る引張機械と、不完全硬化状態で得られる圧縮強度よりも完全硬化状態で得られる圧縮強度が大きくなるグラウトを準備し、
    前記削孔機で、前記地盤又は前記コンクリート駆体に貫通孔を開けると共に前記岩盤に定着体を形成するための孔区間である定着孔を開ける工程と、
    前記緊張端面から前記貫通孔と前記定着孔へ前記テンドンを挿入する工程と、
    前記定着孔に前記グラウトを充填し完全硬化させることで、前記テンドンを前記岩盤に定着させる工程と、
    前記引張機械で、前記テンドンを緊張する工程と、
    前記貫通孔を前記テンドンの軸方向に、前記定着体を除く区間に少なくとも2つのボンド区間及びボンド区間の間に設けられる中間区間に区分し、前記定着孔に接する第1ボンド区間に前記グラウトを充填する工程と、
    前記第1ボンド区間に充填した前記グラウトが不完全硬化状態になったら前記引張機械により前記テンドンに掛けていた緊張を解放する工程と、
    緊張を解放した状態で、前記不完全硬化状態のグラウトを完全硬化させる工程と、
    緊張を解放した状態で、前記中間区間にグラウトを充填し、完全硬化させる工程と、
    前記グラウトが完全硬化したら前記引張機械で、前記テンドンを緊張する工程と、
    前記中間区間に接する第2ボンド区間に前記グラウトを充填しそのまま完全硬化させる工程、又は前記第2ボンド区間に前記グラウトを充填し、このグラウトが不完全硬化状態になったら前記引張機械により前記テンドンに掛けていた緊張を解放し、前記不完全硬化状態のグラウトを完全硬化させる工程と、
    からなることを特徴とする地盤等の補強方法。
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