JP6903259B2 - 伝動装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、伝達装置及び方法に関する。
ロボットハンドのように多くの自由度が要求される装置では、自由度の数に応じた多数のアクチュエータが必要になる。多数のアクチュエータは、装置の重量・サイズの大型化を招く。
アクチュエータ数を減らすために、劣駆動機構が用いられることがある。しかし、劣駆動機構は、強い非線形性を有し、姿勢によって特性が大きく変化するため、姿勢制御は困難である(非特許文献1参照)。
また、自由度間に従属関係を持たせることで、少数アクチュエータで複数の自由度を制御することも行われている。しかし、自由度間の従属関係のような制約があると、特定の自由度のみを制御することが困難である。
岡山県立大学制御ロボット工学研究室,"劣駆動系の新しい非線形制御理論の構築とそのアクロバットロボッ ト制御への応用",[online]、[平成29年5月1日検索]、インターネット(URL:http://crl.cse.oka-pu.ac.jp/research_underactuate.html)
したがって、少数アクチュエータによる多自由度を、少ない制約下で実現することが望まれる。
本発明の一実施形態に係る伝動装置は、周期運動をする第1部材と、前記周期運動の軌道に沿って設けられた複数の第2部材と、前記周期運動において生じる慣性力の変化により、前記第1部材の周期運動の動力を前記第2部材に伝える伝動位置と前記第2部材に伝えない非伝動位置との間で変位するように前記第1部材に設けられた1以上の伝動部材と、前記周期運動の1周期の間において前記周期運動を加減速させる速度制御を実行して、前記周期運動の1周期の間において前記慣性力の変化を生じさせるコントローラと、を備える。
多軸アクチュエータの構成図である。 伝動装置の平面図である。 制御のためのフローチャートである。 回転会角速度及び第2部材(展開歯)突出量の変化を示す図である。 伝動の様子を示す説明図である。 伝動の様子を示す説明図である。 伝動の様子を示す説明図である。 第1変形例を示す図である。 第2変形例を示す図である。 第3変形例を示す図である。
[1.伝動装置及び方法]
(1)実施形態に係る伝動装置は、周期運動(Periodic motion)をする第1部材を備える。周期運動は、同じ状態が繰り返される運動であり、例えば、回転運動又は往復運動(振動)である。ここでは、運動の1回の繰り返しを1周期という。1周期の時間は、1周期毎に異なってもよい。例えば、周期運動が回転運動であれば、1周期は1回転であり、周期運動が往復運動であれば、1周期は1往復である。
実施形態に係る伝動装置は、前記周期運動の軌道に沿って設けられた複数の第2部材を備える。周期運動が回転運動であれば、周期運動の軌道は円軌道となり、周期運動が直線往復運動であれば、周期運動の軌道は直線軌道となる。第1部材の周期運動の動力を複数の第2部材それぞれに伝えることができるように、複数の第2部材は、周期運動の軌道に沿って設けられる。
実施形態に係る伝動装置は、1以上の伝動部材を備える。伝動部材は、第1部材の周期運動の動力を第2部材に伝える。伝動部材の数は、1つでもよいし、複数でもよい。複数の伝動部材の場合、1周期の間に複数回の動力伝達が可能となり、伝達効率が向上する。
伝動部材は、前記周期運動において生じる慣性力の変化により、伝動位置と非伝動位置との間で変位するように前記第1部材に設けられている。周期運動において生じる慣性力は、例えば、回転運動により伝動部材に生じる遠心力としての慣性力、又は、回転運動や往復運動中の加減速により運動方向に沿って生じる慣性力である。慣性力の変化は、周期運動の速度の変化によって生じる。伝動部材は、慣性力によって変位する。例えば、慣性力が大きくなることで、伝動部材が伝動位置に変位し、慣性力が小さくなることで、伝動部材が非伝動位置に変位することができる。
伝動位置は、前記第1部材の周期運動の動力を前記第2部材に伝える位置である。例えば、第1部材から第2部材への動力の伝達が第1部材と第2部材との接触により行われる場合、伝動位置は、第2部材に接触することができるように、第2部材に近づいた位置である。仮に、周期運動の1周期の間において、伝動部材が常に伝動位置にある場合には、複数の第2部材全てに、動力が伝えられる。
非伝動位置は、前記第1部材の周期運動の動力を前記第2部材に伝えない位置である。例えば、第1部材から第2部材への動力の伝達が第1部材と第2部材との接触により行われる場合、非伝動位置は、第2部材に接触しないように、第2部材から離れた位置である。仮に、周期運動の1周期の間において、伝動部材が常に非伝動位置にある場合には、複数の第2部材のいずれにも、動力は伝えられない。
実施形態に係る伝動装置は、コントローラを備える。コントローラは、前記周期運動の1周期の間において前記周期運動を加減速させる速度制御を実行する。周期運動を加減速させることで、周期運動において生じる慣性力を変化させることができる。1周期の間における慣性力の変化により、伝動部材の変位を1周期の間において生じさせることができる。1周期の間において、伝動部材が伝動位置にあるときには第2部材へ動力が伝えられ、伝動部材が非伝動位置にあるときには第2部材へ動力が伝えられないため、周期運動の軌道に沿って設けられた複数の第2部材への選択的な動力の伝達が可能である。なお、繰り返し生じる複数の周期のすべてにおいて、周期運動の加減速が生じる必要はなく、いずれかの周期において加減速が生じれば足りる。例えば、加減速は2以上の周期毎に発生してもよい。
(2)前記周期運動は、前述のように、往復運動でもよいが、回転運動であるのが好ましい。
(3)前記1以上の伝動部材は、前記回転運動の回転方向に沿って第1部材に設けられた複数の伝動部材であるのが好ましい。複数の伝動部材によって、動力が第2部材へ効率的に伝えられる。
(4)前記複数の伝動部材及び前記複数の第2部材は、前記伝動位置にある前記複数の伝動部材が、独立して動作すべき複数の第2部材に対して同時に伝動状態とならないように配置されているのが好ましい。この場合、伝動装置が複数の伝動部材を備えていても、複数の伝動部材が、独立して動作すべき複数の第2部材に対して同時に伝動状態となるのを防止できる。
(5)前記コントローラは、前記複数の第2部材のうち、伝動対象として指定された第2部材には動力が伝えられ、伝動対象として指定されていない第2部材には動力が伝えられないように、前記速度制御を実行することができる。
(6)前記コントローラは、前記コントローラ外部から前記伝動対象の指定を受け付けるように構成されているのが好ましい。
(7)実施形態に係る方法は、周期運動をする第1部材から、前記第1部材に設けられた伝動部材を介して、前記周期運動の軌道に沿って設けられた複数の第2部材へ動力を伝える方法である。この方法においては、前記周期運動の1周期の間において、前記周期運動を加減速させることで、前記伝動部材に生じる慣性力が変化し、前記周期運動の1周期の間において、前記伝動部材が、前記慣性力の前記変化により、動力を前記第2部材に伝える伝動位置と前記第2部材に伝えない非伝動位置との間を変位する。
[2.伝動装置を備えた多軸アクチュエータ]
図1は、複数の回転軸123を備えた多軸アクチュエータ10の一例を示している。図1の多軸アクチュエータ10は、ケーシング100内に、1軸アクチュエータ140と伝動装置101とを備える。1軸アクチュエータ140は、一つの回転軸141を有し、例えば、電動モータである。
伝動装置101は、アクチュエータ140の回転軸141を入力軸として有し、複数の回転軸123を出力軸として有している。伝動装置101は、1軸アクチュエータ140の回転動力によって、複数の回転軸123それぞれを独立に回転させることができる。実施形態の多軸アクチュエータ10は、1軸アクチュエータ140を一つしか備えていないが、複数の回転軸123を独立に回転させることができるため、複数の1軸アクチュエータ140と同様に機能することができる。なお、図1において、回転軸123の数は、3であるが、2でもよいし、3よりも多くてもよい。
伝動装置101は、入力軸である回転軸141に連結された回転体(第1部材)110を備える。回転体110は、アクチュエータ140によって回転する。図示の回転体110は、円盤状に形成されており、その中心が、回転軸141の先端に取り付けられている。回転体110の外周部には、複数の伝動部材(展開歯)130a,130b,130c,130dが設けられている。図1において伝動部材の数は、4つであるが、その数は特に限定されない。伝動部材については後述する。
多軸アクチュエータ10は、内部コントローラ150を備える。コントローラ150は、1軸アクチュエータ140に接続されており、アクチュエータ140を制御する。コントローラ150は、アクチュエータ140の動作を制御するため、アクチュエータ140に回転指令信号を与える。回転指令信号は、例えば、アクチュエータ140の回転の角速度を指定する信号、及び回転量を指定する信号を含む。コントローラ140は、アクチュエータ140から、アクチュエータ140の回転角を示す信号を取得し、アクチュエータ140の回転角を監視する。
コントローラ150は、アクチュエータ140の速度制御により、複数の回転軸123それぞれの回転を制御することができる。コントローラ150は、外部コントローラ150から与えられた制御信号に基づいて、複数の回転軸123それぞれの回転を制御する。
外部コントローラ20は、複数の回転軸123の回転を制御するための制御信号を内部コントローラ150へ送信する。制御信号は、回転対象21、回転量22、回転角速度23などを示す。回転対象21は、複数の回転軸123のうち、回転させたい1又は複数の回転軸123である。回転量22は、回転対象21である回転軸123が回転すべき量を示し、例えば、回転数及び/又は回転角で表される。回転角速度23は、回転対象21である回転軸123の角速度を示す。内部コントローラ150は、制御信号に基づいて、アクチュエータ140の速度制御を実行する。
図2にも示すように、伝動装置101は、出力軸である複数の回転軸123それぞれを回転させる複数の受動歯車(第2部材)120a,120b,120cを備えている。複数の受動歯車120a〜120cそれぞれは、ケーシング100内部において、回転軸123の軸方向中途に設けられている。受動歯車120a〜120cは、回転軸123が取り付けられる本体121と、本体120の外周に設けられた複数の歯122と、を備えている。なお、複数の回転軸123それぞれは、下端がケーシング100内に設けられた支持部材160に回転自在に支持され、上端は、ケーシング100から上方に突出している。
受動歯車120a〜120cは、回転体110の回転中心141と同じ位置の中心を持ち、回転体110よりも径が大きい仮想的な円400上に設けられている。円400は、回転体1110の回転運動の円軌道300と同心の円であり、円軌道300に沿っている。なお、図1において複数の受動歯車120a〜120cの数は、回転軸123の数と同じ3であるが、回転軸123の数に応じた任意の数とすることができる。複数の受動歯車120a〜120cの配置については後述する。
図2において、4つの伝動部材130a,130b,130c,130dは、回転体110の周方向に等間隔に配置されている。つまり、図2において、周方向に隣接する伝動部材間の角度差は360°/4=90°である。
各伝動部材130a〜130dは、例えば棒状部材であり、長手方向一端側である基部に設けられた軸131aによって、回転体110の外周部に支持されている。軸131aは、回転軸141と平行である。各伝動部材130a〜130dは、軸131aまわりに回転することで、長手方向他端側である先端131bが、第1位置と第2位置との間で変位する。
第1位置は、先端131bが、回転体110の外周部よりも径内方にある位置である。図2において、第1位置にある伝動部材130a〜130dは実線で示されている。第2位置は、先端131bが、回転体110の外周部よりも径外方にある位置である。図2において、第2位置にある伝動部材130a〜130dは2点鎖線で示されている。
各伝動部材130a〜130dは、第1位置へ向けて付勢部材132により付勢されている。付勢部材132は、例えば、バネ機構である。バネ機構132は、外力が加わっていなければ、各伝動部材130a〜130dの先端131bが第1位置に来るように、軸131aに取り付けられている。
各伝動部材130a〜130dに対して、先端131bが第2位置へ向かう外力が加わると、軸131aを中心として反時計まわりに回転して、先端131bが第2位置へ変位する。先端131bが第2位置へ来ると、各伝動部材130a〜130dは、回転体110の外周部から径外方に突出した状態となる。第2位置にある伝動部材130a〜130dは、受動歯車120a〜120cに噛み合って、回転体110の回転動力を、受動歯車120a〜120cに伝えることができる。つまり、第2位置にある伝動部材130a〜130dは、伝動位置にある。
回転体110は、各伝動部材130a〜130dが径外方に突出した状態からさらに反時計まわりに回転することを防止するストッパ134を備えている。ストッパ134は、各伝動部材130a〜130dが反時計まわりに回転してストッパ134に当たることで、各伝動部材130a〜130dのそれ以上の回転を阻止する。
各伝動部材130a〜130dに対して反時計まわりに回転させる外力が加わっている間は、各伝動部材130a〜130dが径外方に突出した状態が維持される。一方、外力が小さくなる又は無くなると、付勢部材132によって、各伝動部材130a〜130dの先端は、第1位置に復帰する。第1位置にある伝動部材130a〜130dは、受動歯車120a〜120cから離れた状態にあり、受動歯車120a〜120cとの噛み合いが生じないため、回転動力110の回転動力を、受動歯車120a〜120cに伝えない。つまり、第1位置にある伝動部材130a〜130dは、非伝動位置にある。
図2において、回転体110が回転すると、伝動部材130a〜130dには、回転体110の径外方に向かう遠心力が働く。遠心力は、伝動部材130a〜130dを、第2位置へ向けて変位させる慣性力となる。遠心力が付勢部材132による付勢力よりも大きくなるように、回転体110が十分に高速で回転すると、伝動部材130a〜130dは、付勢力に抗して第2位置へ変位し、受動歯車120a〜120cとの噛み合いが可能となる。回転体100が十分に低速で回転又は回転停止すると、伝動部材130a〜130dは、付勢力により第1位置へ復帰し、受動歯車120a〜120cとの噛み合いが生じなくなる。
なお、回転体110の回転速度の加減速を急激に行うと、加減速時の加速度の絶対値が大きくなる。遠心力のほか、加速度も伝動部材130a〜130dに慣性力を生じさせ、伝動部材130a〜130dの変位を促進する。このため、回転体110の回転速度の加減速を急激に行うほど、伝動部材130a〜130dの変位を迅速に行うことができる。各付勢部材の特性(バネ特性)は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
図2において、受動歯車120a〜120cは、円400上において、周方向に等間隔ではなく、不等間隔に配置されている。受動歯車120a〜120cの配置は、複数の伝動部材130a〜130dが、複数の受動歯車120a〜120cに同時に噛み合わない配置になっている。このような配置は、複数の受動歯車120a〜120cが同時に回転してしまうことを回避するために有用である。
受動歯車120a〜120cの配置を、より具体的に説明する。図2には、回転体110の中心と4つの伝動部材130a〜130dそれぞれとを通る2本の仮想線Aが示されている。図2には、この仮想線A上には、一つの受動歯車120bしか配置されておらず、他の受動歯車120a,120bは、仮想線Aから周方向に離れた位置にある。つまり、伝動部材130aを通る仮想線Aの角度を0°とすると、仮想線Aは、0°,90°,180°,270°を通る。受動歯車120aは、0°から時計回りに30°の位置に配置され、受動歯車120bは0°から時計回りに90°の位置に配置され、受動歯車120cは0°から時計回りに240°の位置に配置されている。
仮想線A上(0°,90°,180°,270°)に複数の受動歯車120a〜120cが配置されていると、複数の伝動部材130a〜130dが、複数の受動歯車120a〜120cに同時に噛み合ってしまうが、図2では、それが回避されている。
さらに、図2には、仮想線Aの間を周方向に等分割する仮想線B,Cが示されている。仮想線B上には、一つの受動歯車120cだけが配置され、仮想線C上には、一つの受動歯車120aだけが配置されている。このような配置により、複数の伝動部材130a〜130dが、いずれか一つの受動歯車に噛み合っているときには、他の受動歯車には噛み合わなくなる。これにより、受動歯車同士の従属関係が生じず、複数の回転軸123を独立して回転させることができる。なお、一つの回転軸123が、複数の受動歯車によって回転駆動される場合、それらの受動歯車は従属関係が生じてもよく、同一の仮想線上に配置されていてもよい。
図3は、内部コントローラ150によるアクチュエータ140の制御手順を示している。図3のステップS10において、コントローラ150は、外部コントローラ20から与えられた回転対象21を示す信号に基づいて、複数の受動歯車120a〜120cのうち、回転対象となる受動歯車120a〜120c(回転軸123)を設定する。回転対象となる受動歯車120a〜120cがどれであるかによって、回転体110の1回転中のどこで加減速するかが変化する。なお、ここでは、図5に示す受動歯車120aが、回転対象であり、他の受動歯車120b、120cは回転対象ではないものとする。
コントローラ150は、ステップS11において、アクチュエータ140を動作させ、回転体110を等速で時計回りに回転させる。ステップS11の等速回転は、図4(a)におけるS11及び図5(a)に対応する。このとき、回転体110の回転角速度は、伝動部材130a〜130dが第1位置(非伝動位置)を維持する程度に十分に低い。このため、各伝動部材130a〜130dは、第1位置(非伝動位置)にある。
コントローラ150は、ステップS12において、等速回転している各伝動部材130a〜130dが、回転対象の受動歯車120aの直前位置に来たか否かを、回転体110の回転角に基づいて判定する。伝動部材130a〜130dが、回転対象の直前位置にある場合、コントローラ150は、ステップS13において、回転体110の回転を加速させる(図4のS13参照)。
例えば、図5(a)に示す回転体110の回転角を0°とすると、回転対象の受動歯車120aは、30°の位置にある。そこで、コントローラ150は、図4(a)に示すように、30°の手間で、回転体110を加速させる。加速により生じる遠心力の増大及び反時計回りの慣性力の増大により、伝動部材130a〜130dは、展開して回転体110から突出し、第2位置(伝動位置)に変位する(図4(b)参照)。
コントローラ150は、ステップS14において、伝動部材130a〜130dが第2位置(伝動位置)を維持するように、回転体110を加速後の速度で時計回りに等速回転させる(図4のS14参照)。これにより、30°の位置にある伝動部材130aは、同じく30°の位置にある受動歯車120aに噛み合い、受動歯車120aを反時計回りに回転させる。これにより、受動歯車120aに設けられた回転軸123が回転する。
コントローラ150は、ステップS15において、各伝動部材130a〜130dが回転対象の受動歯車120aを通過して、受動歯車120aの直後に来たか否かを、回転体110の回転角に基づいて判定する。伝動部材130a〜130dが、回転対象の直後位置にある場合、コントローラ150は、ステップS16において、回転体110の回転を減速させる(図4のS16参照)。
例えば、コントローラ150は、図4(a)に示すように、30°の直後で、回転体110を減速させる。減速による遠心力の減少及び時計回りの慣性力の増大により、伝動部材130a〜130dは、第1位置(非伝動位置)に変位し(図4(b)参照)、回転体110側へ収納される(図5(c)参照)。図5(d)(e)に示すように、伝動部材130a〜130dは、受動歯車120b,120c近傍を通過するときには、第1位位置(非伝動位置)にあるため、受動歯車120b、120cには回転は伝わらない。
コントローラ150は、回転対象の受動歯車120aに接続された回転軸123の回転角速度が、外部コントローラ20から与えられた回転角速度23になるように、回転体110の速度を適宜調整する。また、コントローラ150は、回転軸123の回転量が、外部コントローラ20から与えられた回転量22にあると、回転を終了させる(ステップS17)。なお、コントローラ150は、外部コントローラ20から回転停止指示あれば強制的に回転を停止させることもできる。
図2の伝動部材130a〜130dは、回転体110に90°間隔で設けられているため、以上の動作は、回転体110の90°回転毎に生じる。すなわち、図4(a)(b)に示すように、伝動部材130a〜130dは、30°付近のほか、120°付近、210°付近、300°付近において、第2位置(伝動位置)に変位し、4つの伝動部材130a〜130dが、順番に、受動歯車120aだけを選択的に回転させる。すなわち、受動歯車120b,120cは回転せず、受動歯車120aだけが独立して回転する。なお、受動歯車120aは、厳密には間欠的に回転するが、回転体110を十分に高速に回転させることで、実質的な連続回転も可能である。
このように、上記実施形態によれば、回転体110の1回転の間に、回転体110の加減速が生じ、伝動部材130a〜130dの変位が生じ、伝動状態と非伝動状態とを切り替えることができる。
図4(c)(d)及び図6は、2つの受動歯車120a,120cが回転対象であり、受動歯車120bが回転対象でない場合を示している。この場合、回転体110は、図4(c)及び図6(a)〜(d)に示すように、30°直前で加速し、伝動部材130a〜130dが第2位置へ立ち上がり、60°直後で減速し、伝動部材130a〜130dが、第1位置へ復帰する。回転体110が30°位置にあるときに、伝動部材130aが受動歯車120aへ回転を伝え、回転体110が60°位置にあるときに、伝動部材130cが受動歯車120cへ回転を伝える。これにより、回転対象である受動歯車120a,120cが回転する。各伝動部材130a〜130dは、受動歯車120b近傍を通過するときには第1位置にあるため、受動歯車120bには回転は伝わらない。
図7は、3つの受動歯車120a〜120c全てが回転対象である場合を示している。この場合、回転体110は、加速した後、等速状態を維持することで、各伝動部材130a〜130dは、第2位置を維持し、3つの受動歯車120a〜120c全てに噛み合い、回転を伝える。
[3.変形例]
図8は、伝動装置101の第1変形例を示している。図8の伝動装置101では、伝動部材130a〜130dから第2部材120a〜120cへの動力伝達は、噛み合いではなく、摩擦によって行われる。このため、第2部材120a〜120cは、外周が伝動部材130a〜130dと摩擦接触する本体121を備え、伝動部材130a〜130dは、第2部材120a〜120cと摩擦接触する接触子135を備えている。第1変形例は、動力伝達が摩擦による点以外は、図1〜図7に示す伝動装置101と同様である。
図9は、伝動装置101の第2変形例を示している。第2変形例では、第2部材である受動歯車120は、仮想的な円400上において周方向に等間隔(120°間隔)に配置され、伝動部材130a〜130dは、回転体110の周方向に不等間隔で配置されている。図9においても、回転体110内に、(受動歯車の数=3)×(伝動部材の数=3)=9本の仮想線A,B,Cを示した。3本の仮想線Aは、周方向に120°間隔であり、3本の仮想線A上には、3つの受動歯車120が配置されている。伝動部材130aは、3本の仮想線Aのうちの1本の仮想線A上に配置されている。仮想線B,Cは、仮想線A間を周方向に等分している。伝動部材130bは、3本の仮想線Bのうちの1本の仮想線B上に配置され、伝動部材130cは、3本の仮想線Cのうちの1本の仮想線C上に配置されている。
図9のような配置でも、図2の配置と同様に、複数の伝動部材130a〜130cが、複数の受動歯車120a〜120cに同時に噛み合うのを防止できる。
図10は、伝動装置101の第3変形例を示している。第3変形例では、第1部材1110は、周期運動として、直線往復運動をする。第3変形例では、第1部材1110を直線運動させるためのアクチュエータ1140が設けられている。第1部材1110は、アクチュエータ1140によって、直線的な軌道1300上を往復動する。第2部材120ア、120bは、軌道300に沿った仮想的な直線1401,1402上に配置されている。直線1401,1402は、軌道1300に対して平行である。
受動歯車120aは、直線1401上に設けられ、受動歯車120bは、直線1402上に設けられている。第1部材1110部材には、第1部材1110の移動方向への加速により、移動方向とは逆方向に生じる慣性力により受動歯車120側の位置(第2位置)へ立ち上がる伝動部材130が設けられている。伝動部材130は、図示しない付勢部材(例えば、図2の付部材132と同様)によって、受動歯車120から離れた位置(第1位置)側へ付勢されている。
図10(a)に示すように、第1部材1110を受動歯車120aの直前で加速させることで、伝動部材130が第2位置へ展開し、伝動部材130と受動歯車120aとが噛み合い、第1部材1110の直線移動運動が、受動歯車120aへ回転運動として伝えられる。第1部材1110を受動歯車120aの直後で減速させることとで、伝動部材130が第1位置へ復帰する。これにより、第1部材1110が受動歯車120bの近傍を通過しても、受動歯車120bへは動力が伝えられない。
図10(b)に示すように、第1部材1110を受動歯車120bの近傍で、低速で通過させ、受動歯車120bの直前で加速させることで、伝動部材130が第2位置へ展開し、伝動部材130と受動歯車120bとが噛合い、受動歯車120bが回転する。
図10(c)に示すように、第1部材1110を受動歯車120aの直前で加速させることで、伝動部材130が第2位置へ展開し、伝動部材130と受動歯車120aとが噛み合い、第1部材1110の直線移動運動が、受動歯車120aへ回転運動として伝えられる。第1部材1110を受動歯車120aの直後で減速させたのち、受動歯車120bの直前で再び加速させることで、伝動部材130が第2位置へ展開し、伝動部材130と受動歯車120bとが噛合い、受動歯車120bが回転する。
図10(a)〜(c)のいずれの場合も、第1部材1110が図の右端までくると、左端に戻り、上記の動作を繰り返す。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、複数の伝動部材130それぞれに設けられた付勢部材の特性(バネ特性)を異ならせておくことで、複数の伝動部材が異なる速度又は加速度で第2位置(伝動位置)へ変位するようにすることも可能である。
10 多軸アクチュエータ
20 外部コントローラ
101 伝動装置
110 第1部材(回転体)
120a 第2部材(受動歯車)
120b 第2部材(受動歯車)
120c 第2部材(受動歯車)
130a 伝動部材
130b 伝動部材
130c 伝動部材
130d 伝動部材
140 アクチュエータ
150 コントローラ
300 軌道

Claims (7)

  1. 周期運動をする第1部材と、
    前記周期運動の軌道に沿って設けられた複数の第2部材と、
    前記周期運動において生じる慣性力の変化により、前記第1部材の周期運動の動力を前記第2部材に伝える伝動位置と前記第2部材に伝えない非伝動位置との間で変位するように前記第1部材に設けられた1以上の伝動部材と、
    前記周期運動の1周期の間において前記周期運動を加減速させる速度制御を実行して、前記周期運動の1周期の間において前記慣性力の変化を生じさせるコントローラと、
    を備える伝動装置。
  2. 前記周期運動は、回転運動である請求項1に記載の伝動装置。
  3. 前記1以上の伝動部材は、前記回転運動の回転方向に沿って第1部材に設けられた複数の伝動部材である請求項2に記載の伝動装置。
  4. 前記複数の伝動部材及び前記複数の第2部材は、前記伝動位置にある前記複数の伝動部材が、独立して動作すべき複数の第2部材に対して同時に伝動状態とならないように配置されている請求項2に記載の伝動装置。
  5. 前記コントローラは、前記複数の第2部材のうち、伝動対象として指定された第2部材には動力が伝えられ、伝動対象として指定されていない第2部材には動力が伝えられないように、前記速度制御を実行する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の伝動装置。
  6. 前記コントローラは、前記コントローラ外部から前記伝動対象の指定を受け付けるように構成されている
    請求項5に記載の伝動装置。
  7. 周期運動をする第1部材から、前記第1部材に設けられた伝動部材を介して、前記周期運動の軌道に沿って設けられた複数の第2部材へ動力を伝える方法であって、
    前記周期運動の1周期の間において、前記周期運動を加減速させることで、前記伝動部材に生じる慣性力が変化し、
    前記周期運動の1周期の間において、前記伝動部材が、前記慣性力の前記変化により、動力を前記第2部材に伝える伝動位置と前記第2部材に伝えない非伝動位置との間を変位する
    方法。
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