JP6902391B2 - グリッパ、及び、容器搬送装置 - Google Patents
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Description
製品液の充填前は空容器が軽量であるが、製品液が充填された実容器は大重量になるために慣性が大きくなり、グリッパで把持した部分を中心に容器が大きく振れ回ることがある。
グリッパにより首部を把持する力を強くすれば実容器の触れ回りを抑えることができるが、そのためにはグリッパの把持力を発生させる例えばばねの弾性力を大きくする必要がある。
本発明のグリッパは、第一把持爪と第二把持爪が閉位置において容器を把持する状態を機械的に維持するロック機構を備える、ことを特徴とする。
本発明におけるロックレバーは、ロック位置において、閉位置における第一把持爪と第二把持爪の少なくとも一方に接触することで、容器を把持する状態を機械的に維持する、ことができる。
本発明におけるロックレバーがロック解除位置に移行すると、第一把持爪と第二把持爪は、開位置に移行する、ことができる。
本発明において、第一弾性力に対抗する第一外力は、ロックレバーが干渉する第一カムにより与える、ことができる。
第一把持爪と第二把持爪の一方は、開閉レバーを備え、第二弾性力に対抗する第二外力は、開閉レバーが干渉する第二カムにより与える、ことができる。
本実施形態による搬送装置1は、図1に示すように、平面視して楕円形の循環経路をなす走行路10と、この走行路10に沿ってそれぞれが独立して走行する複数の可動体30と、可動体30の走行を制御するコントローラ90と、を備える。それぞれの可動体30に永久磁石45A,45B(図2)が設けられるとともに、走行路10に沿って電磁コイル12(図2)が設けられることにより、搬送装置1はリニアモータを備える。物品としてのボトル形の容器100は走行路10よりも所定距離だけ外側の搬送経路3に沿って搬送される。なお、図1には、複数の可動体30の一部のみしか示されていない。
以下、走行路10、可動体30の構成を順に説明した後に、搬送装置1の奏する効果を説明する。
走行路10は、図1に示すように、ガイドレール11と、ガイドレール11に併設される第一カムレール13、第二カムレール14と、を備えている。なお、図1は、ガイドレール11、第一カムレール13及び第二カムレール14の存在を線分で示しているだけであり、その位置を反映していない。開閉カムレール19とロックカムレール21も同様である。なお、走行路10は、これらのガイドレール11、第一カムレール13及び第二カムレール14を含む概念を有している。
また、保持要素50は、第一カムレール13及び第二カムレール14に案内されながら、走行路10に沿って位置ずれを起こすことなく走行する。
開閉カムレール19は、グリッパ60における開閉機構70のローラカム73が干渉することにより、開閉レバー71の動作を介して把持爪61A,61Bを開閉させる。開閉カムレール19とローラカム73により本発明の第二カム機構が構成される。
また、ロックカムレール21は、グリッパ60におけるロック機構80のローラカム85が干渉することにより、ロックレバー81の動作を介して把持爪61A,61Bの開閉動作をロックする。ロックカムレール21とローラカム85により本発明の第一カム機構が構成される。
次に、可動要素40は、図2に示すように、可動要素40をなす他の要素を保持するホルダ41と、ホルダ41に保持されるローラ43A,43B,43C,43Dと、ホルダ41に保持される永久磁石45A,45Bと、ホルダ41の上端及び下端のそれぞれに設けられる径方向ガイド47A、47Bと、を備えている。
ホルダ41は、上部レバー41Aと下部レバー41Bの間に走行路10のガイドレール11が配置され、かつ、接続壁41Cが走行路10の外側を向くように配置される。
可動体30が走行路10に沿って走行する際に、ローラ43A,43Bは、ガイドレール11の上面に設けられるガイド面17A,17Bを転動し、また、ローラ43C,43Dは、ガイドレール11の下面に設けられるガイド面17C,17Dを転動する。これにより、可動体30は、走行路10に沿って走行する際の、ガイドレール11との間の抵抗を抑えることができる。
カム溝48Aには径方向カムフォロア56Aが回転可能に収容され、また、カム溝48Bには径方向カムフォロア56Bが回転可能に収容される。したがって、ホルダ41は、径方向カムフォロア56A,56Bによって搬送方向の移動は拘束されるが、保持要素50に対して径方向Xの相対的な変位は許容される。
なお、この径方向の変位が許容されるのは、ガイドレール11の曲線部11E,11Fがクロソイド曲線をなしていることに対応するためである。
また、径方向カムフォロア56A,56Bによってホルダ41の移動が拘束されることにより、可動要素40の走行による力を保持要素50に伝える係合関係が成り立つ。
次に、保持要素50について図2を参照して説明する。
保持要素50は、容器100の首部101を保持するグリッパ60と、グリッパ60を支持するフレーム51と、を備える。
グリッパ60は、機械的な拘束力によりグリッパ60が閉じて容器100を把持する状態を維持することで、容器100を把持する。この閉じた状態の維持のことを、ロックと称する。グリッパ60は、容器100を保持するのに弾性力に頼らない。
また、フレーム51は、グリッパ60及びグリッパ60に保持される容器100の鉛直方向Zの荷重が第一カムレール13、第二カムレール14に負荷されるように構成されている。
以下、フレーム51、グリッパ60の順にその構成を説明する。
第一カムフォロア55A及び第二カムフォロア55Bは回転軸線が径方向Xを向き、第三カムフォロア55Cは回転軸線が鉛直方向Zを向いている。
第一カムフォロア55Aは第一カムレール13の第一カム溝15に回転可能に収容され、第二カムフォロア55Bは第二カムレール14の第二カム溝16に回転可能に収容される。また、第三カムフォロア55Cは第一カムレール13と第二カムレール14の間に形成される第三カム溝17に転動可能に収容される。
以上のとおりであり、第一カムレール13と第二カムレール14は、第一カムフォロア55Aと第二カムフォロア55Bを介して、保持要素50の鉛直方向Zの荷重を受ける。また、第一カムレール13と第二カムレール14は、第三カムフォロア55Cを介して、保持要素50の径方向Xの荷重を受ける。
径方向カムフォロア56Aは、ホルダ41の径方向ガイド47Aに対応して、上部レバー41Aよりも上方に設けられ、径方向カムフォロア56Bは、ホルダ41の径方向ガイド47Bに対応して、下部レバー41Bよりも下方に設けられる。
径方向カムフォロア56Aは、上部フレーム52に回転可能に取り付けられ、径方向カムフォロア56Bは、下部フレーム53に回転可能に取り付けられる。
こうして、径方向カムフォロア56A、径方向カムフォロア56Bは、径方向ガイド47A、径方向ガイド47Bを介して、ホルダ41、つまり可動要素40の径方向Xへの変位を許容するが、搬送方向への変位を拘束する。また、径方向カムフォロア56A、56Bは、径方向ガイド47A、47Bの鉛直方向Zの変位を拘束する。
このように、可動要素40と保持要素50は、可動要素40の走行による力を保持要素50が受ける係合関係にある。
次に、弾性力に頼らずに容器100を把持するためのロック機構80を備えたグリッパ60について、図2及び図4を参照して説明する。
グリッパ60は、容器100を把持する一対の把持爪61A,61Bと、把持爪61A,61Bの開閉を司る開閉機構70と、把持爪61A,61Bの開閉をロックするロック機構80と、を備える。
開閉機構70は、図4に示すように、回転軸63Aを中心に揺動が可能に把持爪61Aに固定された開閉レバー71と、開閉レバー71の先端に設けられたローラカム73と、把持爪61Aと把持爪61Bのそれぞれに閉位置に向けた弾性力(第二弾性力)を付与するねじりコイルばね75A,75Bと、を備えている。
開閉カムレール19との干渉が解けると、開くときとは逆の動作を行って把持爪61Aと把持爪61Bは閉じる。この閉位置において把持爪61Aと把持爪61Bで容器100が把持される。
ロック機構80は、図4に示すように、ロックレバー81と、把持爪61Aに固定されるロックピン83と、ロックレバー81の先端に設けられるローラカム85と、ロックレバー81をロック位置に向けた弾性力(第一弾性力)を付与するコイルばね87と、を備える。
作用部81Aは、ロックレバー81がロック位置にあるときにその先端がロックピン83と突き当たる係合関係にあることで、閉位置にある把持爪61Aと把持爪61が開くのを阻止、つまりロックする。
開閉カムレール19との干渉が解けると、作用部81Aのロックピン83との係合が復帰する。復帰動作は、作用部81Aと支持板65に取り付けられたばね支持片89との間に設けられたコイルばね87の弾性力に基づいている。
次に、搬送装置1の動作、特に開閉機構70とロック機構80の動作について図5を参照して説明する。ここでは、容器100が循環経路をなす搬送経路3を搬送され、走行路10の曲線部11Eから直線部11Dにかけてロック機構80のロックが解除されるとともに開閉機構70がグリッパ60を開き、さらに、直線部11Dにおいて開閉機構70がグリッパ60を閉じるとともに、ロック機構80がロックされる動作を例に説明する。
はじめに、ロックレバー81のローラカム85がロックカムレール21と干渉して、ロックレバー81の作用部81Aとロックピン83の係合関係が解かれる(図5(I))。次に、開閉レバー71のローラカム73が開閉カムレール19と干渉することにより、開閉レバー71の傾転を通じて把持爪61Aと把持爪61Bが開く(図5(II))。把持爪61A,61Bが開いている間に、グリッパ60は容器100を受け取るか、または、容器100を受け渡すことができる。図5は容器100を受け取ることを前提としている。
以下、本実施形態の搬送装置1による効果を説明する。
搬送装置1を構成するグリッパ60は、ロック機構80のロックレバー81により把持爪61A,61Bを閉じるロックの状態を機械的に維持することにより、容器100の首部101を把持する。つまり、グリッパ60は、外力として弾性力に頼ることなく、容器100の首部101を把持できる。特に、製品液が充填された容器100であっても、大きな弾性力を加えなくても、首部101を安定して把持できる。また、ロックレバー81にはロック位置に向けた弾性力が加わっているが、これは比較的に軽微な力で足りるので、ロックレバー81をロック位置からロック解除位置に移行するのに必要な力は弱くて足りる。
一方で、グリッパ60を開いた状態から閉じた状態にするのは、開閉機構70のねじりコイルばね75A,75Bの弾性力であるが、製品液が充填された容器100を把持する力はロック機構80が担うので、この弾性力は軽微で足りる。
第一サポート57は、容器100を底105から支持するものである。第一サポート57は、昇降可能に設けられており、容器100の底105に接触することで、搬送中に容器100が触れ回るのを防止する。
電磁ソレノイドでグリッパ60の開閉を行う場合、グリッパ60が閉じているときに電力を供給しないで、グリッパ60を開くときに電力を供給すればよい。電力を供給しない間には、電磁ソレノイドはグリッパ60が容器100を把持する状態を機械的に維持することになる。
3 搬送経路
10 走行路
11 ガイドレール11C,11D 直線部11C
11E,11F 曲線部
12 電磁コイル
13 第一カムレール
14 第二カムレール
15 第一カム溝
16 第二カム溝
17 第三カム溝
17A,17B ガイド面
17C,17D ガイド面
19 開閉カムレール
21 ロックカムレール
30 可動体
40 可動要素
41 ホルダ
41A 上部レバー
41B 下部レバー
41C 接続壁
43A,43B,43C,43D ローラ
45A,45B 永久磁石
47A,47B 径方向ガイド
48A,48B カム溝
50 保持要素
51 フレーム
52 上部フレーム
53 下部フレーム
54 接続フレーム
55A 第一カムフォロア
55B 第二カムフォロア
55C 第三カムフォロア
56A,56B 径方向カムフォロア
57 第一サポート
59 第二サポート
60 グリッパ
61A,61B 把持爪
63A,63B 回転軸
65 支持板
70 開閉機構
71 開閉レバー
73 ローラカム
75A,75B ねじりコイルばね
77A,77B,77C,77D 係止ピン
80 ロック機構
81 ロックレバー
81A 作用部
81B 動作部
81C 回転軸
83 ロックピン
85 ローラカム
89 支持片
90 コントローラ
100 容器
101 首部
105 底
107 胴部
Claims (8)
- 第一把持爪と第二把持爪を有し、閉位置において容器を把持し、開位置において前記容器の把持を解くグリッパであって、
前記第一把持爪と前記第二把持爪が閉位置において前記容器を把持する状態を機械的に維持するロック機構を備え、
前記ロック機構は、
前記第一把持爪と前記第二把持爪の少なくとも一方に接触するロック位置と、
前記第一把持爪と前記第二把持爪の少なくとも一方と接触するのが解除されるロック解除位置と、の間を移行するロックレバーを備え、
前記ロックレバーは、
前記ロック位置において、前記閉位置における前記第一把持爪と前記第二把持爪の少なくとも一方に接触することで、前記容器を把持する状態を機械的に維持し、かつ、
前記ロックレバーは、
前記ロック位置に向けて第一弾性力が付与され、
前記第一弾性力に対抗する第一外力が加えられることにより、前記ロック位置から前記ロック解除位置に移行し、
前記第一把持爪と前記第二把持爪は、
前記閉位置に向けて第二弾性力が付与され、
前記第二弾性力に対抗する第二外力が加えられることにより、前記閉位置から前記開位置に移行し、
前記第一把持爪と前記第二把持爪の一方は、開閉レバーを備え、
前記第二弾性力に対抗する前記第二外力は、前記開閉レバーが干渉する第二カムにより与えられる、
ことを特徴とするグリッパ。 - 前記ロックレバーが前記ロック解除位置に移行すると、
前記第一把持爪と前記第二把持爪は、前記開位置に移行する、
請求項1に記載のグリッパ。 - 前記第一弾性力に対抗する前記第一外力は、前記ロックレバーが干渉する第一カムにより与えられる、
請求項1または請求項2に記載のグリッパ。 - 前記第一把持爪と前記第二把持爪は、
一方の開閉動作が他方に伝達されることで他方の前記開閉動作が生じ、
前記ロックレバーは、
前記ロック位置において、前記閉位置における前記第一把持爪と前記第二把持爪の一方に接触することで、前記容器を把持する状態を機械的に維持する、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のグリッパ。 - 容器を把持しながら搬送経路に沿って前記容器を搬送する搬送装置であって、
前記容器を把持するグリッパと、
前記グリッパを支持しながら、前記容器を前記搬送経路に沿って搬送する可動体と、を備え、
前記グリッパは、
第一把持爪と第二把持爪を有し、閉位置において前記容器を把持し、開位置において前記容器の把持を解き、
前記第一把持爪と前記第二把持爪が閉位置において前記容器を把持する状態を機械的に維持するロック機構を備え、
前記ロック機構は、
前記第一把持爪と前記第二把持爪の少なくとも一方に接触するロック位置と、
前記第一把持爪と前記第二把持爪の少なくとも一方と接触するのが解除されるロック解除位置と、の間を移行するロックレバーを備え、
前記ロックレバーは、
前記ロック位置において、前記閉位置における前記第一把持爪と前記第二把持爪の少なくとも一方に接触することで、前記容器を把持する状態を機械的に維持し、かつ、
前記ロックレバーは、
前記ロック位置に向けて第一弾性力が付与され、
前記第一弾性力に対抗する第一外力が加えられることにより、前記ロック位置から前記ロック解除位置に移行し、
前記第一把持爪と前記第二把持爪は、
前記閉位置に向けて第二弾性力が付与され、
前記第二弾性力に対抗する第二外力が加えられることにより、前記閉位置から前記開位置に移行し、
前記第一把持爪と前記第二把持爪の一方は、開閉レバーを備え、
前記第二弾性力に対抗する前記第二外力は、前記開閉レバーが干渉する第二カムにより与えられる、
ことを特徴とする容器搬送装置。 - 前記ロックレバーが前記ロック解除位置に移行すると、
前記第一把持爪と前記第二把持爪は、前記開位置に移行する、
請求項5に記載の容器搬送装置。 - 前記第一弾性力に対抗する前記第一外力は、
前記ロックレバーが干渉する、前記搬送経路に沿って設けられる第一カムにより与えられる、
請求項5または請求項6に記載の容器搬送装置。 - 前記第一把持爪と前記第二把持爪は、
一方の開閉動作が他方に伝達されることで他方の前記開閉動作が生じ、
前記ロックレバーは、
前記ロック位置において、前記閉位置における前記第一把持爪と前記第二把持爪の一方に接触することで、前記容器を把持する状態を機械的に維持する、
請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の容器搬送装置。
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