JP6902189B2 - Pc防液堤 - Google Patents

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本発明は、PCタンクに備えられるPC防液堤に関する。
近年、液化天然ガス(以下、LNGと称す)を貯留するにあたり、敷地の有効利用や大容量化の観点から、外槽および内槽からなる金属二重殻式LNGタンクとその周囲に配置される防液堤とを一体化させると共に、当該防液堤をPC(プレストレストコンクリート)製とすることで液密性を確保した施設であるPCLNGタンク(以下、単にPCタンクと称す)が採用されている。
かかるPC製の防液堤(以下、PC防液堤と称す)は、LNGタンクが載置される基礎版の外周縁部に立設されたコンクリート製の円筒状周壁に対し、周方向に沿って挿通されたPC鋼材と、鉛直方向に沿って配置され下端部が直線状やU字状に曲折された形状で配設されたPC鋼材とを配設したものである。
そして、これら円周方向と鉛直方向のPC鋼材が緊張されて定着されることで、円筒状周壁に円周方向および鉛直方向のプレストレス力が導入されるため、PC防液堤のひび割れを抑制し、貯留中のLNGが内槽から万一漏出した場合であっても、これを施設内にとどめることができるように液密性が確実に担保されている。
ここで、PC防液堤では、地震時の抵抗力を向上させるべく、下端側の基礎版や上端(頂部)側の屋根と剛接合されるが、この状態で当該PC防液堤に周方向の緊張力を導入した場合に、これらPC防液堤の下端部近傍や上端部近傍で基礎版や屋根によって変形が拘束される。これにより、曲げモーメントが鉛直方向に沿って発生し、それに伴ってひび割れが生じるため、上述した円周方向の緊張力のみならず、鉛直方向に沿った緊張力も併せて導入する必要があった。
しかし、上記の曲げモーメントは、PC防液堤の上端部近傍および下端部近傍に集中的に発生する。したがって、鉛直方向に沿うPC鋼材をPC防液堤の上端部から下端部に至るまで配設して緊張力を付与すると、PC防液堤の高さ方向中間部にも鉛直方向のプレストレス力が導入されるため、無駄が生じていた。
そこで、特許文献1に記載されるように、PC防液堤の下端部や上端部に鉛直方向のPC鋼材を集約して配置し、これらPC防液堤の下端部や上端部におけるひび割れの発生を有効に抑制するPCタンクが開発されている。
特許第5516963号公報
特許文献1のPCタンクでは、無駄なプレストレス力の導入を省略して、効率的にPC防液堤に対するひび割れの発生を抑制できるものの、PC防液堤の上端部および下端部に大量の鉛直方向に沿うPC鋼材が密に配設されることとなる。このため、PC防液堤の構造が複雑になるとともに、大量の鉛直方向に沿うPC鋼材に緊張力を付与する作業が煩雑となり、作業効率が低下し施工期間も長期化しやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、簡略な構造でありながら、効率的にひび割れの発生を抑制することの可能な、PC防液堤を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明のPC防液堤は、基礎版上に設置されるタンク本体を取り囲むように構築され、少なくとも脚部が前記基礎版に拘束されるPC防液堤であって、円周方向プレストレスが導入された状態の場所打ちPC製の円筒状周壁と、該円筒状周壁の、前記円周方向プレストレスの作用により曲げモーメントが発生する範囲における引張側の側周面に、鉛直方向プレストレスが導入された状態で設置されるPCパネルと、を備え、前記PCパネルは、前記円筒状周壁と対向する面にシアコネクタを備え、前記円筒状周壁に対して一体に設置されていることを特徴とする。また、前記円筒状周壁の頂部が屋根に拘束されており、前記PCパネルは、前記円筒状周壁の前記頂部近傍及び前記脚部近傍の、前記円周方向プレストレスの作用により曲げモーメントが発生する範囲における引張側の側周面に、設置されていることを特徴とする。
上述する本発明のPC防液堤によれば、鉛直方向プレストレスが導入されたPCパネルを設置することにより、ひび割れの発生を抑制することが可能となる。
これにより、従来より円筒状周壁に装備していたシースや緊張材を省略でき、円筒状周壁の構造を簡略化でき、円筒状周壁を備えるPC防液堤を合理性および経済性に富んだ構造とすることが可能となる。
また、円筒状周壁に鉛直方向プレストレスを導入するべく実施していた、緊張材に緊張力を付与する工程や緊張材を定着するためのグラウト充填工程等が不要となるため、作業工程が大幅に省略され施工性が良いだけでなく、施工期間を大幅に短縮することも可能となる。
加えて、円筒状周壁における所望のPCパネルが設置される高さ範囲に、さらに鉛直方向プレストレスを直接導入して圧縮力を作用させると、大きい曲げモーメントが発生する可能性のある、例えば、円筒状周壁の脚部近傍や、漏液時に大きな液圧が作用する大容量PCタンクのPC防液堤等において、より確実に曲げモーメントに起因するひび割れの発生を抑制することが可能となる。
また、PCパネルと円筒状周壁に直接鉛直方向プレストレスを導入する構成とを併用することにより、円筒状周壁に直接導入する鉛直方向プレストレスを小さくできるため、円筒状周壁に内装する鉛直方向緊張材の数量を減らす、もしくは鉛直方向緊張材に付与する緊張力を小さくすることができ、施工性を大幅に向上することが可能となる。
本発明のPC防液堤は、基礎版上に設置されるタンク本体を取り囲むように構築され、少なくとも脚部が前記基礎版に拘束されるPC防液堤であって、円周方向プレストレスが導入された状態のPC製の円筒状周壁と、該円筒状周壁の、前記円周方向プレストレスの作用により曲げモーメントが発生する範囲における引張側の側周面に、鉛直方向プレストレスが導入された状態で設置されるPCパネルと、を備えるPC防液堤であって、前記PCパネルに、前記円筒状周壁の縦筋をなす鉄筋が設置されることを特徴とする。
本発明のPC防液堤によれば、PCパネルを円筒状周壁に埋設するように設置する場合において、円筒状周壁を構成する縦筋とPCパネルとの干渉を防止するべく、円筒状周壁の壁厚を増大させたり、縦筋の配設位置を変更する等の煩雑な作業を行うことなく、円筒状周壁の壁厚内にPCパネルを収めることが可能となる。
本発明によれば、円筒状周壁の、前記円周方向プレストレスの作用により曲げモーメントが発生する範囲における引張側の側周面に、鉛直方向プレストレスが導入された状態のPCパネルを一体に設置することにより、簡略な構造でありながら、効率的に円筒状周壁に対するひび割れの発生を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態におけるPCタンクの概略を示す図である。 本発明の実施の形態におけるPC防液堤を構成する円筒状周壁の断面を示す図である。 本発明の実施の形態におけるPCパネルを示す図である。 本発明の実施の形態における円筒状周壁の頂部近傍の詳細を示す図である。 本発明の実施の形態におけるPCパネルの他の実施例を示す図である。 本発明の実施の形態における円筒状周壁の脚部近傍の詳細を示す図である(その1)。 本発明の実施の形態における円筒状周壁の脚部近傍の詳細を示す図である(その2)。 本発明の実施の形態における円筒状周壁の脚部近傍の詳細を示す図である(その3)。 本発明の実施の形態における円筒状周壁に配設した鉛直方向緊張材を示す図である。
本発明のPC防液堤は、円周方向プレストレスが導入されたPC製の円筒状周壁の側周面に、鉛直方向プレストレスが導入されたPCパネルを一体に設置することにより、円筒状周壁において、鉛直方向プレストレスを導入するためのシースや緊張材等の装備を省略しつつ、円筒状周壁に円周方向プレストレスが作用することにより発生する曲げモーメントに起因するひび割れの発生を抑制するものである。
なお、PC防液堤は、液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)等、いずれを貯蔵するPCタンクにも適用可能であるが、本実施の形態では、LNGを貯蔵するPCタンクに備えるPC防液堤を事例とし、以下、図1〜7を参照して詳細を説明する。
PCタンク1は、図1(a)で示すように、タンク本体4と、タンク本体4が設置される基礎版5と、基礎版5を支持する複数の杭Kと、基礎版5上に一体に構築されるPC防液堤6を備えている。
タンク本体4は、LNGを貯蔵する内槽3と、内槽3を保護する外槽2を備え、これら外槽2および内槽3の間には、図2で示すように、粒状パーライト等からなる側部保冷材Qが介装されている。そして、内槽3の側部保冷材Q側表面にはグラスウール31が設けられ、外槽2の側部保冷材Q側表面には、冷熱抵抗緩和部(PUF)21が設けられている。
そして、PC防液堤6は、図1(b)で示すように、タンク本体4を取り囲むようにして基礎版5の外周縁に沿って一体に構築されており、図2の側面図で示すように、円筒状周壁7と、その側周面に設置される、複数のPCパネル8とを備えている。
円筒状周壁7は、場所打ちPC製の壁体であり、図2で示すように、円周方向に延在する円周方向緊張材9を複数備える。本実施の形態では、ポストテンション方式にて円周方向緊張材9に緊張力を付与する構成としているため、円筒状周壁7の頂部から脚部に至る区間に、複数のシース(図示せず)が間隔を有して層状に埋設されている。
複数の円周方向緊張材9は、これら円筒状周壁7に埋設された複数のシースそれぞれに挿通された状態で緊張力が付与されるとともに、シース内に充填されたグラウトに定着されて、円筒状周壁7に円周方向プレストレスを導入している。
PCパネル8は、工場等により製造されるプレキャストコンクリート部材であり、円筒状周壁7の外周面もしくは内周面に沿う筒状体を、その軸線方向に複数分割した弧状の断面を有する板片により形成される。本実施の形態においてPCパネル8は、図2で示すように、円筒状周壁7の外周面に設置されており、複数がリングを形成するように隣接して配置される。
また、PCパネル8の内方には、図3(a)で示すように、弧状の端面と直交する方向に、パネル用緊張材81が複数配設されて、プレテンション方式により緊張力が付与されている。なお、円筒状周壁7に設置された態様のPCパネル8は、弧状の端面が上端面および下端面をなすから、鉛直方向プレストレスが導入された状態となる。
本実施の形態では、パネル用緊張材81にプレテンション方式で緊張力を付与したが、ポストテンション方式ににより緊張力を付与してもよい。この場合には、PCパネル8を製造する際に、例えば、図3(b)で示すように、弧状の断面に直交する方向に、U字状シース82を複数埋設しておく。
そして、製造後のPCパネル8における複数のU字状シース82各々に、パネル用緊張材81を挿入して緊張力を付与するとともに、シース内にグラウトを充填してこれを定着すればよい。なお、シース管82は、必ずしもU字状でなくてもよく、PCパネル8を貫通する直線状の管材でもよい。
このような構成のPC防液堤6は、円筒状周壁7に円周方向プレストレスが導入されているため、タンク本体4から万一の漏液が発生した場合に、その漏液圧により発生する引張力に抵抗することが可能となっている。しかし、円筒状周壁7は、その頂部が屋根(図示せず)に剛結されて拘束されるとともに、脚部が基礎版5と一体に構築されて拘束される。このため、円筒状周壁7に漏液圧のかからない通常時において、円筒状周壁7の頂部近傍および脚部近傍に鉛直方向曲げモーメントが発生する。すると、円筒状周壁7の曲げモーメントが発生する範囲の側周面であって引張側となる部分は、ひび割れが生じやすい状態となる。
そこで、円筒状周壁7の、曲げモーメントが発生する範囲であって引張側となる側周面に、上述する鉛直方向プレストレスが導入されたPCパネル8を設置する。
例えば、図4(a)で示すように、円筒状周壁7の頂部近傍において、引張側の側周面が外周面のみであると特定された場合には、円筒状周壁7の曲げモーメントが発生する範囲における外周面側に、PCパネル8を設置する。このとき、PCパネル8は、円筒状周壁7に確保した壁厚より外側に添接するように設置してもよいし、図4(b)で示すように、円筒状周壁7の壁厚内に埋設するように設置してもよい。
また、円筒状周壁7の曲げモーメントが発生する範囲において、引張側の側周面が外周面である部分と内周面である部分に分散すると特定された場合は、図4(c)で示すように、これら引張側の外周面および内周面各々に、PCパネル8を設置する。この場合にも、PCパネル8は、円筒状周壁7に確保した壁厚より外側に添接するように設置してもよいし、円筒状周壁7の壁厚内に埋設するように設置してもよい。
このように、鉛直方向プレストレスが導入された状態のPCパネル8を設置された円筒状周壁7の外周面は、曲げモーメントに起因するひび割れの発生を抑制することが可能となる。これにより、従来より円筒状周壁7に装備していた、鉛直方向プレストレスを導入するためのシースや緊張材を省略でき、円筒状周壁7の構造を簡略化でき、円筒状周壁7を備えるPC防液堤6を合理性および経済性に富んだ構造とすることが可能となる。
また、円筒状周壁7に鉛直方向プレストレスを導入するべく実施していた、緊張材に緊張力を付与する工程や緊張材を定着するためのグラウト充填工程等が不要となるため、作業工程が大幅に省略され施工性が良いだけでなく、施工期間を大幅に短縮することも可能となる。
ここで、PCパネル8を円筒状周壁7に対して一体となるように設置すると、曲げモーメントに起因するひび割れの発生を、より確実に抑制できるため、図3および図4で示すように、PCパネル8の円筒状周壁7と対向する面にスタッドジベル等のシアコネクタ83を設けておくとよい。
ところで、PCパネル8に鉛直方向プレストレスを導入するにあたり、パネル用緊張材81に付与する緊張力の大きさは、円筒状周壁7に発生する曲げモーメントによって異なる。そして、PCパネル8により大きい鉛直方向プレストレスを導入したい場合には、パネル用緊張材81に付与する緊張力も大きくなるため、PCパネル8に十分な部材厚を確保する必要がある。
このような場合において、PCパネル8を円筒状周壁7の壁厚内に埋設するように設置すると、円筒状周壁7に配設されている縦筋71に十分なかぶり厚を確保できない、もしくはこれら縦筋71とPCパネル8とが干渉する、等の事態が生じる。
そこで、本実施の形態では図5で示すように、必要な部材厚を確保したPCパネル8’に対してあらかじめ、円筒状周壁7に配設されている縦筋71と同様の鉄筋84を埋設している。この鉄筋84を円筒状周壁7に配設すべき縦筋71として機能させることにより、円筒状周壁7の壁厚を増大させたり、縦筋71の配筋位置を変更する等の煩雑な作業を行うことなく、円筒状周壁7の壁厚内にPCパネル8を収めることが可能となる。
このため、鉄筋84の上下端は、PCパネル8’を円筒状周壁7に設置した際に、鉄筋84が縦筋71と共に重ね継手を形成できるよう、PCパネル8’の上端面および下端面より露出させておくとよい。なお、鉄筋84は、PCパネル8’に埋設することなく、PCパネル8’と平行に配置し、円筒状周壁7に配筋されている縦筋71と共に重ね継手を形成させてもよい。
一方、図6Aで示すように、円筒状周壁7の脚部近傍においても、曲げモーメントが発生する範囲において、引張側の側周面が外周面のみであると特定された場合には、円筒状周壁7の外周面にPCパネル8を設置する。このとき、PCパネル8の下端部は基礎版5に根入れするとよい。
また、PCパネル8は、図6Bで示すように、円筒状周壁7の壁厚内に埋設するように設置してもよい。さらに、曲げモーメントが発生する範囲において、引張側の側周面が外周面である部分と内周面である部分に分散する場合には、図6Cで示すように、これら引張側の外周面および内周面各々にPCパネル8を設置する。
ところで、円筒状周壁7の脚部近傍では、鉛直方向プレストレスを導入したPCパネル8を設置するだけでは、ひび割れの発生を抑制できない程度の引張力が側周面に作用する場合が多い。そこで、本実施の形態では、円筒状周壁7の脚部近傍における曲げモーメントが発生する範囲に鉛直方向緊張材11を内装し、圧縮力を作用させることとした。
鉛直方向緊張材11は、脚部近傍における曲げモーメントが発生する範囲において、図7で示すように、鉛直状に立設した状態で周方向に一定の間隔を有して基礎版7に跨って、埋設されている複数のU字状シース10各々に挿通される。そして、鉛直方向緊張材11は、緊張力が付与された状態で、U字状シース10内に充填されたグラウトに定着され、図6A〜図6Cで示すような、円筒状周壁7の脚部近傍における曲げモーメントが発生する範囲に、鉛直方向プレストレスを導入する。
上記の構成により、円筒状周壁7の脚部近傍では、曲げモーメントが発生する範囲に鉛直方向緊張材11を介して圧縮力が作用する。これにより、頂部と比較して大きい曲げモーメントが発生する円筒状周壁の脚部近傍に対して、PCパネル8と鉛直方向緊張材11を併用して、曲げモーメントに起因するひび割れの発生を確実に抑制することができる。また、漏液時に大きな液圧が作用するような大容量のPCタンク1にも、PCパネル8を用いたPC防液堤6を採用することが可能となる。
このように、PCパネル8と鉛直方向緊張材11を併用すると、円筒状周壁に直接導入する鉛直方向プレストレスを小さくできるため、円筒状周壁7と基礎版7に跨って内装する鉛直方向緊張材11の数量を減らす、もしくは鉛直方向緊張材11に付与する緊張力を小さくすることができ、施工性を大幅に向上することが可能となる。
なお、円周方向緊張材9、鉛直方向緊張材11、およびパネル用緊張材81は、例えばPC鋼線もしくはPC鋼より線等のプレストレストコンクリートに一般に広く用いられるPC鋼材であれば、いずれを採用してもよい。
さらに、円周方向緊張材9が挿通されるシース(図示せず)、鉛直方向緊張材11が挿通されるU字状シース10、およびパネル用緊張材81が挿通されるU字状シース82はいずれも、ポストテンション方式にてPC鋼材に緊張力を付与する際に一般に用いられるものであれば、いずれの管材を採用してもよい。
また、PCパネル8は、円筒状周壁7を構築するべく現場打ちコンクリートを打設する際の型枠として機能させてもよい。この場合、隣り合うPCパネル8どうしを連結治具を介して連結しつつ、組み立てるとよい。そして、PCパネル8の高さは、コンクリートの1回あたりの打設高さと等しく製造してもよいし、搬送作業や設置作業を容易な程度の大きさに製造してもよい。
本発明のPC防液堤6は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
本実施の形態では、円筒状周壁7の頂部近傍にPCパネル8を設置し、円筒状周壁7の脚部近傍に鉛直方向緊張材11とPCパネル8を設置した。しかし、必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、円筒状周壁7の頂部近傍と円筒状周壁7の脚部近傍の両者に、鉛直方向緊張材11とPCパネル8を設置する構成としてもよいし、頂部近傍がPCパネル8を設置しなくとも自重によりひび割れの発生を抑制できる場合には、脚部近傍のみにPCパネル8、もしくは鉛直方向緊張材11とPCパネル8を設置してもよい。このように、PC防液堤の構造条件等に応じて、PCパネル8と鉛直方向緊張材11とによるいずれの組み合わせを採用して円筒状周壁7に対するひび割れの発生を抑制してもよい。
また、本実施の形態では、PCパネル8を工場にて製造したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、施工現場に設置されているヤード等にて製造してもよい。
1 PCタンク
2 外槽
21 冷熱抵抗緩和部(PUF)
3 内槽
31 グラスウール
4 タンク本体
5 基礎版
6 PC防液堤
7 円筒状周壁
71 縦筋
8 PCパネル
81 パネル用緊張材
82 U字状シース
83 シアコネクタ
84 鉄筋
8’ PCパネル
9 円周方向緊張材
10 U字状シース
11 鉛直方向緊張材
K 杭
Q 側部保冷材

Claims (3)

  1. 基礎版上に設置されるタンク本体を取り囲むように構築され、少なくとも脚部が前記基礎版に拘束されるPC防液堤であって、
    円周方向プレストレスが導入された状態の場所打ちPC製の円筒状周壁と、
    該円筒状周壁の、前記円周方向プレストレスの作用により曲げモーメントが発生する範囲における引張側の側周面に、鉛直方向プレストレスが導入された状態で設置されるPCパネルと、を備え、
    前記PCパネルは、前記円筒状周壁と対向する面にシアコネクタを備え、前記円筒状周壁に対して一体に設置されていることを特徴とするPC防液堤。
  2. 請求項1に記載のPC防液堤において、
    前記円筒状周壁の頂部が屋根に拘束されており、
    前記PCパネルは、前記円筒状周壁の前記頂部近傍及び前記脚部近傍の、前記円周方向プレストレスの作用により曲げモーメントが発生する範囲における引張側の側周面に、設置されていることを特徴とするPC防液堤。
  3. 基礎版上に設置されるタンク本体を取り囲むように構築され、少なくとも脚部が前記基礎版に拘束されるPC防液堤であって、
    円周方向プレストレスが導入された状態のPC製の円筒状周壁と、
    該円筒状周壁の、前記円周方向プレストレスの作用により曲げモーメントが発生する範囲における引張側の側周面に、鉛直方向プレストレスが導入された状態で設置されるPCパネルと、を備えるPC防液堤であって、
    前記PCパネルに、前記円筒状周壁の縦筋をなす鉄筋が設置されることを特徴とするPC防液堤。
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