JP6901276B2 - 電動車両 - Google Patents

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Description

本発明は、高齢者、身体障害者、入院患者その他の歩行に制限がある者の歩行を補助するための電動車両に関する。
従来から、高齢者の外出を補助する歩行車(シルバーカー、手押し車)や身体障害者または入院患者の歩行を補助するために歩行器その他の歩行補助装置が用いられている。例えば、特許文献1には、簡単な操作で直進・旋回動作を行なうことができる歩行補助装置について開示されている。
特許文献1においては、歩行者が握るハンドル部を有するフレーム体と、フレーム体の左右両側に設けられた複数の車輪と、各車輪をそれぞれ回転駆動させる複数の駆動モータと、駆動モータに生じる逆起電力を検出し、逆起電力に基づいて駆動モータを制御する制御手段とを備えることを特徴とする歩行補助装置(電動車両)について開示されている。
特開2009−183407号公報
このような従来の歩行補助装置において、前輪が段差に衝突した場合、低い段差であれば駆動モータの通常走行用のアシスト力で前輪が段差に乗り上げるようにすることが可能である。しかしながら、段差の高さが高い場合、駆動モータの通常走行用のアシスト力だけでは前輪が段差に乗り上げるようにすることはできない。この場合、例えば、使用者が歩行補助装置のハンドルに対して下方に向けて力を加え、前輪を後輪に対して浮き上がらせて、前輪が段差に乗り上げるようにする必要が生じる。しかしながら、歩行に制限がある使用者にとって、このような作業は大きな負担となる。
本発明の目的は、使用者にとって大きな負担となる操作を行うことなく、前輪が段差に乗り上げるようにすることが可能な、電動車両を提供することである。
本発明による電動車両は、フレームと、前記フレームに設けられた前輪及び後輪と、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせる駆動力を発生する駆動部と、前記駆動部に接続され、前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、使用者が電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断した際、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせることを特徴とする。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記電動車両の減速度が第1閾値以上となった場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記減速度が前記第1閾値以上となった後、前記電動車両が後進していない場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記減速度が前記第1閾値以上となる前に、前記電動車両が前進していた場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記減速度が前記第1閾値以上となった後、前記電動車両の走行速度が第2閾値以下となっている場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記後輪は左右一対設けられ、前記制御部は、いずれか一方の後輪の減速度が第3閾値以上となった場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、他方の後輪の前記減速度が前記第3閾値よりも小さい第4閾値以上となった場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、両方の後輪の前記減速度が前記第3閾値と第4閾値との間の第5閾値以上となった場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記使用者によって操作される操作部を更に備え、前記制御部は、前記操作部に対する操作力が第6閾値以上となっている場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記前輪が壁面に衝突したと判断した際、前記前輪が段差に衝突していないと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記前輪又は前記後輪に対してブレーキ制御が行われている場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わなくてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記電動車両が上りの傾斜面に位置している場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わなくてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記電動車両が進行方向に対して左右に傾く傾斜面に位置している場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わなくてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記電動車両が段差を乗り越えた後所定の時間内である場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わなくてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記電動車両が所定の速度以上で走行している場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わなくてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記電動車両が旋回中である場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わなくてもよい。
本発明による電動車両において、前記前輪又は前記後輪は左右一対設けられ、前記制御部は、前記前輪又は前記後輪の左右の速度差が一定以上の場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わなくてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記電動車両が停止しているか、前記電動車両の走行速度が一定以下であるか、又は、前記電動車両の減速度が第7閾値以上となった場合に、前記前輪が段差に衝突したと判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記使用者によって操作される操作部を更に備え、前記制御部は、前記操作部を介して前記使用者が前記電動車両を前進させようとしていると判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記操作部は、前記フレームに接続され、前記使用者の手によって把持されるハンドルであり、前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを前方に押した場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしていると判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを一定以上の力で押した場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしていると判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを一定以上の力で一定時間以上押している場合に、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしていると判断してもよい。
本発明による電動車両において、前記駆動部は、前記後輪を前進方向に駆動させてもよい。
本発明による電動車両において、前記駆動部は、走行用に前記後輪を前進方向に駆動させるモータであってもよい。
本発明による電動車両において、前記フレームに接続され、前記使用者の手によって把持されるハンドルを更に備え、前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを押す力に応じて前記駆動力を増減させてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断した後、前記駆動力を徐々に増加させてもよい。
本発明による電動車両において、前記フレームに接続され、前記使用者の手によって把持されるハンドルを更に備え、前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを押している時間に応じて前記駆動力を増減させてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせた後、前記駆動部を制御して前記電動車両を前進させることで前記前輪を段差の上部に接触させてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記前輪が段差に衝突したと判断した際、前記使用者の前記ハンドルを前方に押す力が弱められる又は後方に引く力が加えられることに合わせて、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせてもよい。
本発明による電動車両において、前記使用者が操作する操作手段を更に備え、前記制御部は、前記使用者が前記操作手段を操作した場合に、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせてもよい。
本発明による電動車両において、前記フレームに接続され、前記使用者の手によって把持されるハンドルと、前記使用者が操作することにより前記後輪を制動するブレーキレバーとを更に備え、前記制御部は、前記使用者が前記ブレーキレバーを操作しながら前記ハンドルを後方に引いた場合に、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせた後、前記後輪の前進方向への駆動力を徐々に低減してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記後輪が回転したとき、前記後輪の前進方向の駆動力を徐々に低減してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記後輪が回転したとき、その回転速度に応じて前記後輪の前進方向の駆動力の減少量を大きくし、または前記後輪の前進方向の駆動力をゼロにしてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせた後、前記電動車両の傾斜角度に応じて前記後輪の前進方向の駆動力の減少量を大きくし、または前記後輪の前進方向の駆動力をゼロにしてもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記電動車両が下り坂にあるとき、前記後輪に対して自動で制動を行う自動ブレーキ機能を有し、前記制御部は、前記電動車両が下り坂にあり、前記使用者が前記電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断した際、前記自動ブレーキ機能を解除してもよい。
本発明による電動車両は、フレームと、前記フレームに設けられた前輪及び後輪と、前記後輪を駆動する駆動部とを備え、前記駆動部は、前記後輪に対して遊星歯車機構を介して連結されており、前記遊星歯車機構は、太陽歯車と、前記太陽歯車の周囲に配置された内歯車と、前記太陽歯車および前記内歯車に噛み合い、前記駆動部の出力軸が回転したとき自転しつつ公転する遊星歯車と、前記遊星歯車を回転可能に支持し、前記遊星歯車の公転運動が伝達される遊星キャリヤとを有し、前記太陽歯車が前記駆動部の出力軸に連結され、前記内歯車が前記後輪に連結され、前記遊星キャリヤが前記フレームに固定されていることを特徴とする。
本発明による電動車両の制御方法は、フレームと、前記フレームに設けられた前輪及び後輪と、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせる駆動力を発生する駆動部と、前記駆動部に接続され、前記駆動部を制御する制御部とを有する電動車両の制御方法において、前記制御部が、使用者が電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断する工程と、前記制御部が、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせる工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、使用者にとって大きな負担となる操作を行うことなく、前輪を後輪に対して浮き上がらせ、前輪が段差に乗り上げるようにすることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す側面図である。 図3は、脚部検知センサを示す概略図である。 図4は、把持センサを示す概略図である。 図5は、把持センサの変形例を示す概略図である。 図6は、制御部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図7は、前輪が段差に衝突してからの時間の経過に伴う駆動力の変化を示すグラフである。 図8は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す斜視図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す側面図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車の後輪周辺の構成を示す側面図である。 図11は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車の後輪周辺の構成を示す断面図(図10のXI−XI線断面図)である。 図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車の後輪周辺の構成を示す断面斜視図である。 図13は、電動アシスト歩行車の変形例を示す概略図(通常走行時)である。 図14は、電動アシスト歩行車の変形例を示す概略図(前輪ロック時)である。 図15(a)(b)は、それぞれ本発明の第3の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す概略図である。 図16(a)(b)は、それぞれ本発明の第3の実施の形態の変形例に係る電動アシスト歩行車を示す概略図である。 図17は、本発明の第4の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す斜視図である。 図18は、本発明の第4の実施の形態における制御部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図7を参照し詳述する。以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1および図2は、電動車両の一例として電動の歩行車(以下、電動アシスト歩行車という。)を示す図である。図1は、第1の実施の形態にかかる電動アシスト歩行車10の外観の一例を示す模式的斜視図であり、図2は図1の電動アシスト歩行車10の側面図である。
(電動アシスト歩行車の構成)
図1および図2に示すように、電動アシスト歩行車10は、フレーム11と、フレーム11に設けられた一対の前輪(車輪)12及び一対の後輪(車輪)13と、フレーム11に接続された一対のハンドル(操作部)14とを備えている。また、各ハンドル14には、それぞれ電動アシスト歩行車10を手動で停止させるためのブレーキユニット15が設けられている。
一対の後輪13には、それぞれ対応する後輪13の動きをアシストするモータ20が連結されている。フレーム11には、バッテリ21と、制御部16とがそれぞれ取り付けられている。また、制御部16には、速度検知センサ22が設けられている。さらにハンドル14には、傾き検知センサ23と、把持センサ(操作力センサ)24とがそれぞれ設けられている。フレーム11上であって、一対のハンドル14よりも下方の位置には、使用者の脚部の有無を検知する脚部検知センサ25が配置されている。
次に、電動アシスト歩行車10の各構成要素について更に説明する。
フレーム11は、左右一対のパイプフレーム31と、一対のパイプフレーム31同士を横方向に連結する連結フレーム32とを有している。
左右一対のパイプフレーム31の各々の前端側には、一対の前輪12がそれぞれ設けられている。一対の前輪12は、それぞれ前後方向に回転可能であるとともに、鉛直軸周りにも回動可能に設けられている。
また、左右一対のパイプフレーム31の各々の後端側には、一対の後輪13がそれぞれ設けられている。各後輪13は、前後方向に回転可能に設けられている。その結果、電動アシスト歩行車10を前進および後退させることが容易であり、また、容易に左右方向に移動または方向転換させることができる。
また、各後輪13の外周には、機械的に接触可能なブレーキシュー33が設けられる。
ブレーキシュー33は、ワイヤー35を介してブレーキユニット15のブレーキレバー34に接続されている。したがって、使用者がブレーキレバー34を手動で操作することに応じて、ブレーキシュー33が作動し、後輪13を制動する。なお、機械的なブレーキの構成については、これに限られず、任意の構成のものを用いることができる。
さらに、左右一対のパイプフレーム31の各々の後端側から転倒防止部材36が設けられる。転倒防止部材36は、電動アシスト歩行車10の一対の前輪12が地面から浮き上がって、後方に転倒することを防止するものである。
左右一対のパイプフレーム31の上端部には、それぞれ一対のハンドル14が設けられている。一対のハンドル14は、それぞれ使用者の手によって把持される。一対のハンドル14は、棒状部材41を有する。棒状部材41には、それぞれグリップ部42が設けられている。また、棒状部材41には、各々ブレーキレバー34が取り付けられている。なお、ハンドル14の構成については、これに限られず、例えば左右一対のパイプフレーム31をつなぐように水平方向に伸びるバーハンドルを設け、このバーハンドルに左右一対のハンドル14としてグリップ部42を設けることもできる。
本実施の形態において、モータ20は、サーボモータ、ステッピングモータ、ACモータ、DCモータ等、任意のモータを用いることができ、さらに減速機を一体に形成されたものを用いてもよい。このモータ20は、後輪13の動作をアシストし、走行用に後輪13を前進方向に駆動させる。また本実施の形態において、モータ20は、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる駆動部としての役割も果たす。すなわちモータ20は、電動アシスト歩行車10に対して前輪12を持ち上げる方向のモーメントを働かせる駆動力を発生させる。
さらに、モータ20は、発電ブレーキとしての機能も有していても良い。この場合、モータ20は、後輪13を制動する制動部としての役割を更に果たす。モータ20が後輪13を制動する場合、モータ20を発電機として働かせ、その抵抗力をブレーキとする。なお、モータ20が制動部としての役割を果たす場合、モータ20を逆向きに駆動させる逆転ブレーキとして用いても良い。あるいは、後輪13を制動する制動部をモータ20と別体に設けても良い。このような制動部としては、電磁ブレーキや機械的ブレーキ等を挙げることができる。
なお、左右のモータ20は、制御部16によって左右一体として制御されるようになっていても良く、後述するように、左右のモータ20がそれぞれ独立して制御されるようになっていても良い。
本実施の形態において、モータ20は各後輪13にそれぞれ連結されているが、これに限定されず、モータ20を一対の前輪12および一対の後輪13の全てに連結してもよい。
制御部16は、モータ20等、電動アシスト歩行車10の全体を制御するものである。
この場合、制御部16は、バッテリ21の近傍に設けられている。制御部16による制御の詳細については、後述する。
速度検知センサ22は、後輪13の回転数または速度を検知し、この回転数または速度の信号を制御部16に対して送信する。この速度検知センサ22は、制御部16の近傍に配設されている。なお、速度検知センサ22は、電動アシスト歩行車10の一対の後輪13の内部に内蔵させてもよい。あるいは、速度検知センサ22は、一対の前輪12の内部にのみ内蔵させてもよく、一対の前輪12および一対の後輪13の全てに内蔵してもよい。
モータ20がブラシレスモータである場合は、速度検知センサ22は、モータ20に内蔵されたホール素子を用いて車輪の回転数または速度、電動アシスト歩行車10の速度を算出するものであってもよい。
なお、モータ20の逆起電力から速度検出を行なうことができる場合には、この逆起電力から車輪の回転数または速度、電動アシスト歩行車10の速度を算出するように構成し、各後輪13または各前輪12の角速度検出を行なうことができる場合は、この角速度から車輪の回転数または速度、電動アシスト歩行車10の速度を算出するように構成することができる。
また、速度検知センサ22は、一対の前輪12および一対の後輪13に内蔵することに限定されず、フレーム11、一対のハンドル14等、その他任意の部材に取り付けてもよい。この場合、速度検知センサが加速度検知センサで構成される場合は、加速度を積分することで速度を算出するように構成される。なお、GPS(グローバルポジショニングシステム)で構成される場合は、位置情報を微分することで速度を算出するように構成することができる。
傾き検知センサ23は、電動アシスト歩行車10の傾き、例えば電動アシスト歩行車10が平坦面にあるか傾斜面にあるか等を検知し、この電動アシスト歩行車10の傾きに関する信号を制御部16に対して送信する。傾き検知センサ23は、電動アシスト歩行車10の上部、例えば一対のハンドル14内部に設けられている。傾き検知センサ23は電動アシスト歩行車10の下部に設けることもできるが、上部に配置することで、下部に配置する場合に比べ、電動アシスト歩行車10の姿勢を確実に検知することができる。なお、傾き検知センサ23は、ジャイロセンサを用いることができる。また、加速度検知センサを用いて電動アシスト歩行車10の姿勢を検知するようにしてもよい。
図3は、脚部検知センサ25の一例を示す模式図である。図3に示すように、脚部検知センサ25は、連結フレーム32に設けられる。脚部検知センサ25は、画像センサ、赤外線センサ等からなる。脚部検知センサ25は、電動アシスト歩行車10の使用者の脚元からの距離を測定することで、脚の動作を検知することができる。
具体的には、図3の脚部検知センサ25は、範囲ARにおいて使用者の脚が動いているのか、それとも、停止しているのか、離れているのか、近づいているのか、後ろ向きになって座面37に座ろうとしているのかを判定することができる。
図4および図5は、把持センサ24を説明するための概略図である。
一対のハンドル14のグリップ部42には、それぞれ使用者が手で電動アシスト歩行車10を押したり引いたりする操作力(グリップ力)を検知する把持センサ24が設けられている。把持センサ24は棒状部材41に対する、押し方向および引き方向のいずれか一方または両方への移動を図示しない弾性部材(例えばバネ)によって規制されており、さらにその移動を検知するためのポテンショメータから構成される。
上述したように、グリップ部42は、棒状部材41に対して前後方向に移動が可能であり、図4および図5の矢印方向(前方向)に移動した場合、使用者によって電動アシスト歩行車10が押されていると判定でき、図4および図5の矢印の反対方向(後方向)に移動した場合は、使用者によって電動アシスト歩行車10が引っ張られていると判定でき、いずれの方向にも移動していない場合は、そのいずれでも無いと判定できる。
その結果、使用者が電動アシスト歩行車10を前方に移動させようとしているのか、使用者が電動アシスト歩行車10を後方に移動させようとしているのか、使用者が電動アシスト歩行車10の状態を変化させる意思がないのかを認識することができる。
左右一対のハンドル14には、それぞれ別個の把持センサ24が設けられている。各把持センサ24は、それぞれ独立してハンドル14に対する操作力(グリップ力)を検知するとともに、検知した操作力を制御部16に対して送信する。このため、使用者によって一対のハンドル14の一方のみが把持されている(片手持ち状態)か、一対のハンドル14の両方とも把持されていない(両手放し状態)か、あるいは、一対のハンドル14の両方が把持されている(両手持ち状態)かを認識することができる。
なお、図5に示すように、グリップ部42に、グリップ部42または一対のパイプフレーム31にかかるモーメントが検知できるように、歪センサ38(例えば歪ゲージ)を設け、これを把持センサ24としても良い。この場合、グリップ部42は、棒状部材41に対して固定されることになるため、構成が簡素となる。また、グリップ部42へ、ジョイスティック、押しボタンまたは使用者の手を検知する近接センサを設け、これを把持センサ24としても良い。すなわち、「操作部を介して使用者が電動車両を前進させようとしていると判断する」ことには、使用者が手や身体の一部で操作部を押したり引いたりすることにより、操作部に付与された使用者の操作力を検知する場合のほか、使用者の意志をジョイスティックや押しボタン等のスイッチ手段によって検知する場合を含む。
(本実施の形態の作用)
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。図6は、制御部16の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
はじめに、制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したか否かを判断する。この場合、まず制御部16は、左右一対のハンドル14にそれぞれ設けられた把持センサ24からの検知信号に基づき、左右一対のハンドル14が、一定時間以上(例えば1秒以上)一定以上の力で押されているか否かを判断する(ステップS1)。
なお、制御部16は、操作力の値(絶対値)に加え、操作力の変化の値(絶対値)を合わせて用いることにより、ハンドル14が使用者の手によって一定以上の力で押されているか否かを判定してもよい。この場合、ハンドル14が使用者の手によって一定以上の力で押されているか否かをより精度良く判定することができる。例えば、操作力の絶対値が所定値以下であり、かつ操作力の変化(操作力の微分値)の絶対値が所定値以下である場合に、当該ハンドル14が使用者の手によって一定以上の力で押されていないと判定し、それ以外の場合に、当該ハンドル14が使用者の手によって一定以上の力で押されていると判定しても良い。また、操作力および操作力の変化が、各所定値で区切られた長方形の数値範囲に内接する楕円領域内にある場合、当該ハンドル14が使用者の手によって把持されていないと判定しても良い。この場合、さらに精度よく判定することができる。
ここで、一対のハンドル14が一定以上の力で押されていない場合(ステップS1のNo)、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていないと判断し、以下の制御を行わない。この場合、制御部16は、モータ20を発電ブレーキとして用いることにより後輪13を制動しても良い。
一方、一対のハンドル14が一定時間以上一定以上の力で押されている場合(ステップS1のYes)、制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する。続いて制御部16は、前輪12が段差に衝突したか否かを判定する(ステップS2)。
具体的には、速度検知センサ22が後輪13の回転数または速度を検知し、この回転数または速度の信号を制御部16に対して送信する。制御部16は、この送信された信号に基づき後輪13の速度を算出し、この速度と予め定められた所定の速度Vとを比較する。
仮に後輪13が駆動している場合、すなわち後輪13が所定の速度Vを上回る速度で動いている場合(ステップS2のYes)、制御部16は、電動アシスト歩行車10が通常の状態で走行していると判断し、モータ20によって後輪13の動きをアシストし続ける。
一方、後輪13が駆動していない場合、すなわち後輪13が停止している(電動アシスト歩行車10が停止している)か又は予め定められた所定の速度V以下で動いている(電動アシスト歩行車10の走行速度が一定以下である)場合(ステップS2のNo)、制御部16は、前輪12が段差に衝突したと判断する。このとき制御部16は、モータ20を制御して、例えばハンドル14を押す力(ハンドル14に加わる操作力)に応じてモータ20の駆動力を徐々に増減させる。前輪12が段差に衝突していることで電動アシスト歩行車10が前進できないことから、後輪13の前進方向の駆動力が電動アシスト歩行車10に前輪12を持ち上げる方向のモーメントを発生させ、前輪12を浮き上がらせるように作用する。
制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する際、上記のように、ハンドル14が押されている時間と力とを用いることにより、使用者が前進しようとしていることを的確に判断し、使用者の意図と異なる判断を避けることができる。これにより、使用者は電動アシスト歩行車10をより安心して使用できる。この判断の際、ハンドル14が押されている力のみを用いることもできる。例えば、ハンドル14が一定以上の力で押された場合、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する。この場合、制御部16は、使用者が前進しようとしていることを早く判断し、使用者は歩行速度を大きく下げることなく前輪12を浮き上がらせることができる。
なお、制御部16は、前輪12が段差に衝突したか否かを判断する際、後輪13の速度に加え、後輪13の加速度を合わせて用いてもよい。これにより、電動アシスト歩行車10が移動しているか否かをより精度良く判定することができる。例えば、後輪13の速度が所定の速度V以下であり、かつ後輪13の加速度が所定の加速度以下である場合、電動アシスト歩行車10が段差に衝突したと判定し、それ以外の場合に、電動アシスト歩行車10が段差に衝突していないと判定しても良い。
あるいは、制御部16は、後輪13の速度が0に近い所定の速度V以下であり、かつ電動アシスト歩行車10の減速度(負の加速度)、すなわち後輪13の減速度(負の加速度)が所定の閾値(第7閾値)以上である場合、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず前輪12が段差に衝突した、と判定しても良い。すなわち、後輪13の速度が0に近い値となるとともに後輪13の減速度が一定値以上となった場合、前輪12が段差に衝突して急停止したと考えられる。この場合、必ずしも把持センサ24からの情報を用いなくても、前輪12が段差に衝突したと判断することができる。このため、把持センサ24は必ずしも設けられていなくても良い。なお、減速度は、上述したように負の加速度であり、電動アシスト歩行車10が減速している場合にはその値が正となり、電動アシスト歩行車10が加速している場合にはその値が負となる。
また、制御部16は、一対のハンドル14が一定時間以上一定以上の力で押され、かつ後輪13の減速度(負の加速度)が所定の閾値以上である場合、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず前輪12が段差に衝突した、と判定しても良い。これにより、電動アシスト歩行車10が移動しているか否かを精度良く判定することができる。なお、一対のハンドル14が一定時間以上一定以上の力で押されているか否かは、上述したように、把持センサ24からの検知信号に基づいて判断することができる。
段差が比較的に低い場合、上述の後輪13の駆動力によって前輪12が浮き上がり、その段差を乗り上げることができる。ここで前輪12が浮き上がらない場合、続いて使用者は、ハンドル14を押す力を弱める。この際、電動アシスト歩行車10に前輪12を押し下げる方向のモーメント(前輪12の浮き上がりに対抗するモーメント)が減少する。制御部16は、後輪13の前進方向の駆動力を一定以上維持して後輪13を前方に駆動させる(図7参照)。これにより、前輪12を持ち上げる方向のモーメントが増大し、前輪12を浮き上がらせるように作用する。
これでも前輪12が浮き上がらない場合、続いて、使用者は、ハンドル14を後方に引っ張る操作を行う。このとき、ハンドル14を後方に引く力が、前輪12を持ち上げる方向のモーメントを発生させ、後輪13の駆動力と合わせて、前輪12を浮き上がらせるように作用する。このように、モータ20からの操作力に加え、使用者が操作ハンドル14を操作することにより、電動アシスト歩行車10に前輪12を持ち上げる方向のモーメントを発生させ(図2の矢印M参照)、前輪12をより確実に浮き上がらせる(電動アシスト歩行車10をウィリーさせる)ことができる。なお、使用者がハンドル14を後方に引っ張る操作に代えて、使用者が、後輪13の回転軸の後方に固定された図示しないペダルを踏むことにより、前輪12を持ち上げるようにしても良い。
このとき、前輪12が後輪13に対して浮き上がることに伴い、前輪12と段差との間に隙間が発生する。後輪13が前進方向に駆動しているため、この隙間を埋めるように電動アシスト歩行車10が前進し、前輪12を段差の上部に接触させることができる。これにより、前輪12をスムーズに段差へ乗り上げさせることができる。
制御部16は、前輪12を浮き上がらせた後、後輪13の前進方向の駆動力を第1の減少量で徐々に低減させる。この場合、前輪12が段差を乗り越えた後に後輪13が加速しすぎないため、前輪12が段差をスムーズに乗り越えることができる。駆動力の低減を開始するタイミングは、制御部16が前輪12を浮き上がらせるために駆動部を制御するときの所定の条件(使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず前輪12が段差に衝突したと判断する条件)を満たさなくなったときに設定することができる。例えば、ハンドル14が一定以上の力で押されなくなったとき(使用者がハンドル14を押す力を弱めたとき、又はハンドル14を後方に引いたとき)、または後輪13が前進方向に一定速度以上で回転したときとしても良い。
その後、使用者は、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせた状態で、一対のハンドル14を押す。これにより、電動アシスト歩行車10を前進させ、前輪12が段差を乗り越えることができる。
このように、使用者がハンドル14を後方に引っ張る操作を行うことにより、後輪13周りのモーメントを生じさせることができるので、モータ20の駆動力とあわせて、前輪12を容易に浮かせることができる。これにより、使用者が電動アシスト歩行車10を持ち上げることなく、前輪12が段差を容易に乗り越えることができる。なお、上述したように、段差が低い場合等、必ずしも使用者がハンドル14を後方に引っ張る操作を行うことなく、モータ20の駆動力を増加させることのみによって前輪12を浮かせても良い。
ところで、上述したように、前輪12が段差を乗り越えた後もモータ20の出力が増加したままであると、電動アシスト歩行車10が加速しすぎるおそれがある。このため、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせた後、以下の条件(1)〜(3)のいずれかを満たした場合、制御部16は、前輪12が段差を乗り越えたと判断し、これ以上電動アシスト歩行車10が加速しないようにしても良い。この場合、制御部16は、モータ20を制御して、モータ20による後輪13の駆動力の減少量をより大きくする。具体的には、後輪13の前進方向への駆動力の減少量を、上述した第1の減少量よりも大きい第2の減少量とする(図7の二点鎖線参照)。あるいは、制御部16は、後輪13の前進方向の駆動力をゼロにしても良い。
(1)傾き検知センサ23によって検知された電動アシスト歩行車10の傾斜角度が、一定の値以上となった場合(前輪12が段差を上ると電動アシスト歩行車10が傾くため)。
(2)速度検知センサ22によって検知された後輪13の回転速度が、所定の条件を満たした場合。例えば、後輪13の回転速度が一定値以上となった場合(前輪12が段差を越えた瞬間に後輪13の速度が上昇するため。また、後輪13が空回りした場合には後輪13の回転速度が上昇するため)。
(3)脚部検知センサ25によって検知された使用者と電動アシスト歩行車10との距離が、一定の値以上となった場合(前輪12が段差を越えた瞬間に後輪13の速度が上昇し、電動アシスト歩行車10が使用者から離れるため)。
なお、使用者が電動車両を前進させようとしていると判断する際は、上記手法に限らず、例えば、(i)前輪12又は後輪13の回転量、(ii)電動アシスト歩行車10に設けられた歪ゲージからの出力、(iii)前輪12又は後輪13のタイヤの空気圧、(iv)電動アシスト歩行車10の前後方向の加速度、(v)ハンドル14等に設けられた圧力センサからの出力、(vi)ハンドル14等に設けられた筋電センサからの出力、及び(vii)使用者の足の動き等から選択される要素の1つ又は複数を考慮しても良い。
以上のように、本実施の形態によれば、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断した際、制御部16は、モータ20を制御して前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる。これにより、使用者にとって大きな負担となる操作を行うことなく、前輪12が段差を容易に乗り越えることができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、後輪13が停止しているか又は後輪13の速度が一定値V以下の場合に、前輪12が段差に衝突したと判断する。これにより、前輪12が段差に衝突したことを適切に検知することができる。また、前輪12が段差に衝突したことを、既存の速度検知センサ22によって検知することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、ハンドル14(操作部)を介して使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する。これにより、使用者が特別な操作を行うことなく普段どおりにハンドル14を操作することで、制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていることを適切に判断することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、使用者がハンドル14を前方に押した場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する。これにより、使用者が特別な操作を行うことなく普段どおりにハンドル14を前方に押すという簡素な操作を実行することで、制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていることを適切に判断することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、使用者がハンドル14を一定以上の力で押した場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する。これにより、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていることを早く検知し、使用者が歩行速度を大きく下げることなく前輪12を浮き上がらせることができる。また、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていることを、既存の把持センサ24によって検知することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、使用者がハンドル14を一定以上の力で一定時間以上押している場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する。これにより、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていることを的確に判断し、使用者の意図と異なる判断を避けることができる。
また、本実施の形態によれば、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせるモータ20は、後輪13を前進方向に駆動させるので、別個の持ち上げ手段等を用いることなく、後輪13を利用して前輪12をスムーズに持ち上げることができる。
また、本実施の形態によれば、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせるモータ20は、走行用に後輪13を前進方向に駆動させるものであるので、後輪13の走行用のモータ20を利用して、前輪12をスムーズに持ち上げることができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、使用者がハンドル14を押す力に応じて駆動力を増減させるので、ハンドル14に対する操作力に応じて使用者の意図に応じたモータ20の適切な駆動力を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、使用者がハンドル14を押している時間に応じて駆動力を増減させるので、使用者がハンドル14を押している間にモータ20の駆動力が徐々に増減するため、段差の高低に合わせた適切な駆動力(低い段差は小さな駆動力、高い段差は大きな駆動力)を発生させることができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせた後、モータ20を制御して電動アシスト歩行車10を前進させることで前輪12を段差の上部に接触させるので、前輪12をスムーズに段差へ乗り上げさせることができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、前輪12が段差に衝突したと判断した際、使用者のハンドル14を前方に押す力が弱められる又は後方に引く力が加えられることに合わせて、モータ20を制御して前輪12を後輪13に対して浮き上がらせるので、ハンドルの操作力とモータ20の駆動力とを利用して確実に前輪12を浮き上がらせることができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせた後、後輪13の前進方向への駆動力を徐々に低減する。これにより、持ち上げた前輪12を再び接地させた直後に急加速することを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、後輪13が回転したとき、後輪13の前進方向の駆動力を徐々に低減する。これにより、制御部16は、後輪13が回転し始めたときに、前輪12が持ち上げられたと判断することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、後輪13が回転したとき、その回転速度に応じて後輪13の前進方向の駆動力の減少量を大きくし、または後輪13の前進方向の駆動力をゼロにする。これにより、後輪13の回転速度が急激に上昇した場合には、後輪13の駆動力を大幅に低減させて、電動アシスト歩行車10の急加速又は後輪13の空回りを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせた後、電動アシスト歩行車10の傾斜角度に応じて後輪13の前進方向の駆動力の減少量を大きくし、または後輪13の前進方向の駆動力をゼロにする。これにより、電動アシスト歩行車10が許容角度以上傾くことにより、電動アシスト歩行車10が後転する危険を防止することができる。また、電動アシスト歩行車10の後方への傾きに伴い使用者の把持がハンドル14を前方に押すことになり、制御部16が使用者の意図と関係なくモータ20を駆動することを防止できる。
(前輪を浮き上がらせる方法の変形例)
次に、制御部16がモータ20を制御して前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる方法の各変形例について説明する。
(変形例1)
上記においては、前輪12が段差に衝突したことを制御部16が自動で判断する場合を例にとって説明したが、これに加え、前輪12が段差に衝突したか否かに関わらず使用者が所定の操作を行ったことに応じて、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせるようにしても良い。
この場合、まず使用者は、ブレーキレバー34を手動で操作するとともに、ハンドル14を後方に引っ張る操作を行う。このとき、制御部16は、図示しないセンサによってブレーキレバー34が操作されたことを認識するとともに、把持センサ24からの検知信号に基づき、ハンドル14が後方に引っ張られたことを認識する。
このとき、制御部16は、上記と同様にして、例えばモータ20の出力を増加することにより、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる(ウィリーさせる)。その後、使用者は、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせた状態で、一対のハンドル14を押す。
これにより、電動アシスト歩行車10を前進させ、前輪12が段差を乗り越えることができる。この間、使用者は、ブレーキレバー34を手動で操作した状態のまま保持する。
前輪12が段差を乗り越えた後、使用者は、ブレーキレバー34から手を離す。このような操作を行うことにより、制御部16は、使用者が段差を乗り越えようとしているのか、あるいは使用者が電動アシスト歩行車10を後進させようとしているのかを、正しく認識することができる。
なお、使用者が前輪12を浮き上がらせようとしているか否かを制御部16に認識させる手法としては、使用者がブレーキレバー34を操作することに限らず、制御部16が認識可能な他の手法を用いても良い。例えば、使用者が、ハンドル14に設けた図示しない押しボタンスイッチ等の操作手段を操作した際、制御部16は、モータ20を制御して前輪12を後輪13に対して浮き上がらせても良い。
本変形例によれば、使用者がハンドル14を後方に引っ張る操作を行うことにより、後輪周りのモーメントを生じさせることができるので、モータ20の駆動力とあわせて、前輪12を容易に浮かせることができる。これにより、使用者が電動アシスト歩行車10を持ち上げることなく、前輪12が段差を容易に乗り越えることができる。さらに、本変形例によれば、必ずしも前輪12が段差に衝突していない場合であっても、必要に応じて前輪12を後輪13に対して浮き上がらせることができる。とりわけ、ブレーキレバー34の操作によって前輪12を浮き上がらせる場合、特別な操作手段を別途設ける必要なく、ブレーキレバー34を利用して前輪12をスムーズに持ち上げることができる。
(変形例2)
本変形例による電動アシスト歩行車10は、下り坂にあるとき、電動アシスト歩行車10が加速しすぎないように、後輪13に対して自動で制動を行う機能(自動ブレーキ機能)を有している。一方、電動アシスト歩行車10が下り坂を走行しているときに前輪12が段差に衝突することも考えられる。
本変形例において、制御部16は、電動アシスト歩行車10が下り坂にあり、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断した際、自動ブレーキ機能を解除する。その後、制御部16は、上記と同様にして、例えばモータ20の出力を増加させ、後輪13の前進方向の駆動力を増大させる。なお、制御部16は、電動アシスト歩行車10が下り坂にあるか否かは、傾き検知センサ23からの信号に基づいて判断する。
本変形例によれば、自動ブレーキ機能が働くことにより前輪12が段差を乗り越えることが困難となる不具合を防止することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8乃至図14に示す第2の実施の形態は、後輪13及びモータ20周辺の構成が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図8乃至図14において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図8乃至図12に示す構成において、電動アシスト歩行車10のモータ20は、遊星歯車機構50を介して各後輪13に連結されている。
図10乃至図12に示すように、モータ20は、パイプフレーム31に固定されたハウジング61と、ハウジング61内に収容され、ハウジング61に対して回動自在な出力軸支持部62と、出力軸支持部62に固定され、出力軸支持部62と一体となって回動する出力軸63とを有している。このうちハウジング61にはフランジ64が固定され、ハウジング61の中央部からは出力軸63が突出している。ハウジング61と出力軸支持部62との間には、ベアリング65が介在されている。また、出力軸支持部62の外周には磁石66が設けられている。さらに、磁石66の周囲にはコイル67が配置されており、コイル67は、ハウジング61に固定されている。コイル67には、バッテリ21からの電力が供給され、磁石66が設けられた出力軸支持部62が回転するようになっている。なお、ハウジング61の中央部にはキャップ68が設けられている。
後輪13は、ホイール71と、ホイール71の外周に設けられたタイヤ72と、ホイール71に連結されたホイール押さえ73とを有している。ホイール71は、押さえプレート74を介して、フランジ64の周囲に設けられたベアリング75に固定されている。
遊星歯車機構50は、太陽歯車51と、太陽歯車51の周囲に配置された内歯車52と、太陽歯車51および内歯車52に噛み合い、出力軸63が回転したとき自転しつつ公転する3つの遊星歯車53と、3つの遊星歯車53を回転可能に支持し、遊星歯車53の公転運動が伝達される遊星キャリヤ54とを有している。
このうち太陽歯車51は、モータ20の出力軸63に連結されており、出力軸63の回動に伴って回動可能となっている。また、内歯車52は、後輪13のホイール71に連結されている。遊星キャリヤ54は、モータ20のフランジ64に連結されており、フランジ64およびハウジング61を介してパイプフレーム31に固定されている。
続いて、本実施の形態において、モータ20を制御して前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる(ウィリーさせる)際の作用について説明する。
まず、前輪12が段差に衝突せず、電動アシスト歩行車10が通常の状態で移動している場合を想定する。この場合、モータ20の出力軸63からのアシスト力は、モータ20の出力軸63に連結された太陽歯車51から、遊星歯車53を介して内歯車52に伝達され、次いで内歯車52に連結された後輪13に伝達される。これにより、モータ20によって後輪13の動きがアシストされる。このとき、遊星キャリヤ54に連結されたパイプフレーム31が回転することはない。
ここで、太陽歯車51、内歯車52の歯数をそれぞれZa、Zc(Za<Zc)とし、太陽歯車51、内歯車52、遊星キャリヤ54の角速度をそれぞれWa、Wc、Wxとすると、以下の式(1)が成り立つ。
Zc(Wc−Wx)=−Za(Wa−Wx)・・・式(1)
電動アシスト歩行車10が通常状態で移動している場合、遊星キャリヤ54が固定されているので、Wxは0となる。したがって、以下の式(2)が成り立つ。
Wc=(−Za/Zc)Wa・・・式(2)
すなわち、モータ20の出力軸63からの回転数は、−Za/Zc倍に減速されて伝達される。
一方、電動アシスト歩行車10の前輪12が段差に衝突した場合、前輪12がロックされるため、後輪13も回らなくなる。このとき、後輪13に連結された遊星歯車機構50の内歯車52もロックされる。一方、モータ20の出力軸63に連結された太陽歯車51には、出力軸63からの回転力が伝達される。この回転力は、太陽歯車51から遊星歯車53を介して遊星キャリヤ54に伝達され、遊星キャリヤ54に連結されたパイプフレーム31に対して矢印M(図9参照)の方向(電動アシスト歩行車10の進行方向と反対の方向)に回転力が働く。
したがって、前輪12が段差に衝突した際、制御部16がモータ20を制御することにより、電動アシスト歩行車10全体を回転させ、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせることが可能となる。この場合、制御部16が、例えばハンドル14に加わる操作力(グリップ力)に応じて、モータ20の出力を増加するよう制御しても良い。具体的には、通常時と比較して、同じ操作力であってもモータ20の出力が相対的に大きくなるようにモータ20を制御する(すなわち操作力に対するモータ出力の比例係数を大きくする)ことにより、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせることができる。
このように、電動アシスト歩行車10の前輪12が段差に衝突した場合、内歯車52が固定されるので、上記式(1)においてWcは0となる。したがって、以下の式(3)が成り立つ。
Wx={Za/(Zc+Za)}Wa・・・式(3)
すなわち、モータ20の出力軸63からの回転数は、Za/(Zc+Za)倍に減速され、遊星キャリヤ54に連結されている電動アシスト歩行車10全体が、進行方向逆向き(前輪12が浮く側)の回転力を受けることになる。
以上のように、本実施の形態によれば、モータ20は、後輪13に対して遊星歯車機構50を介して連結されている。これにより、電動アシスト歩行車10の前輪12が段差に衝突した際、遊星歯車機構50を用いて前輪12を後輪13に対して浮き上がらせることができる。すなわち制御部16は、モータ20の駆動力により、遊星歯車機構50の反作用によって前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる(ウィリーさせる)ことができる。
また、本実施の形態によれば、遊星歯車機構50は、モータ20の出力軸63に連結された太陽歯車51と、太陽歯車51の周囲に配置された内歯車52と、太陽歯車51および内歯車52に噛み合い、出力軸63が回転したとき自転しつつ公転する遊星歯車53と、遊星歯車53を回転可能に支持し、遊星歯車53の公転運動が伝達される遊星キャリヤ54とを有し、内歯車52が後輪13に連結され、遊星キャリヤ54がパイプフレーム31に固定されている。これにより、前輪12が段差に衝突したとき、モータ20の出力軸63からの回転力が、太陽歯車51から遊星歯車53を介して遊星キャリヤ54に伝達され、遊星キャリヤ54に連結されたパイプフレーム31に対して回転力を働かせることができる。これにより、電動アシスト歩行車10全体を回転させ、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせることができる。
本実施の形態において、制御部16は、遊星歯車機構50を用いて前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる場合を例にとって説明したが、遊星歯車機構50に限らず、偏心型減速機等、自転しつつ公転する歯車を有する機構を用いてもよい。
あるいは、遊星歯車機構50に代えて、2枚の歯車からなる機構を用いてもよい。具体的には、図13および図14に示すように、モータ20に第1の歯車57を直結させ、後輪13に第2の歯車58を直結させ、これら第1の歯車57と第2の歯車58とを互いに噛み合わせも良い。図13に示すように、通常走行時には、モータ20によって後輪13の動きがアシストされ、電動アシスト歩行車10が走行する。一方、図14に示すように、例えば前輪12が段差に衝突し、前輪12がロックされた時には、後輪13もロックされる。この状態でモータ20が更に回転すると、電動アシスト歩行車10の全体が浮き上がるような力が発生する。このとき、電動アシスト歩行車10の進行方向と反対の方向に回転する力が働く。これにより、電動アシスト歩行車10の前輪12が段差を容易に乗り越えることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図15および図16に示す第3の実施の形態は、前輪12を浮き上がらせる駆動力を発生する駆動部が、モータ20とは別体に設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図15および図16において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図15(a)(b)において、前輪12を浮き上がらせる駆動力を発生する駆動部は、モータ20とは異なる追加のモータ46からなっている。この場合、追加のモータ46の回転軸は、後輪13の回転軸と同軸上に設けられていても良く(図15(a))、後輪13の回転軸と異なる軸上に設けられていても良い(図15(b))。
図16(a)(b)において、前輪12を浮き上がらせる駆動力を発生する駆動部は、モータ20とは異なるアクチュエータ47からなっている。アクチュエータ47は、フレーム11に対して連結されている。この場合、アクチュエータ47は、伸縮することにより前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる伸縮型のものであっても良く(図16(a))、揺動することにより前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる揺動型のものであっても良い(図16(b))。
なお、図15および図16において、必ずしもモータ20が設けられていなくても良い。
(第4の実施の形態)
次に、図17および図18を用いて、本発明の第4の実施の形態について説明する。図17および図18において、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図17は、本実施の形態による電動アシスト歩行車(電動車両)10の外観の一例を示す模式的斜視図である。
(電動アシスト歩行車の構成)
図17に示すように、電動アシスト歩行車10は、フレーム11と、フレーム11に設けられた一対の前輪12及び一対の後輪(車輪)13と、フレーム11に接続された一対のハンドル14とを備えている。
一対の後輪13には、それぞれ対応する後輪13の動きをアシストするモータ20が連結されている。フレーム11には、バッテリ21と、制御部16とがそれぞれ取り付けられている。また、制御部16には、傾き検知センサ23が設けられている。
本実施の形態において、左右一対のパイプフレーム31の上端部には、使用者によって操作される一対のハンドル14が設けられている。一対のハンドル14は、水平方向に伸びるバーハンドル17によって互いに連結されている。また一対のハンドル14とバーハンドル17とは、略U字形状をなしている。さらに一対のハンドル14には、使用者の肘を載せることが可能な腕支持部27が取り付けられている。腕支持部27には、各ハンドル14を挿入可能なように穴部が設けられ、この穴部にハンドル14を取付け可能になっている。
左右一対のパイプフレーム31の間には、必要に応じて使用者が着座することが可能なシート部37が設けられている。
バッテリ21は、モータ20や制御部16等、電動アシスト歩行車10の各要素に電力を供給するものである。このバッテリ21は、一対のパイプフレーム31間に位置するシート部37の下方に設けられている。
また、速度検知センサ(検知部)22は、一対の後輪13にそれぞれ設けられている。なお、速度検知センサ22は、一対の前輪12及び/又は一対の後輪13に内蔵することに限定されず、フレーム11、一対のハンドル14等、その他任意の部材に取り付けてもよい。あるいは、速度検知センサ22は、制御部16の近傍に配設されていても良い。なお、本実施の形態において、電動アシスト歩行車10の走行速度は、後輪13の回転速度に基づいて判断されるが、これに限らず、前輪12の回転速度、あるいは、前輪12及び後輪13の両方の回転速度に基づいて判断されても良い。
あるいは、検知部は加速度検知センサで構成されても良い。この場合、加速度検知センサは、後輪13の回転加速度を用いることなく、電動アシスト歩行車10の加速度を直接検知し、この加速度の信号を制御部16に対して送信する。また、制御部16は、加速度を積分することで速度を算出するように構成される。
また、検知部はGPS(グローバルポジショニングシステム)で構成されても良い。この場合、GPSは、後輪13の回転加速度を用いることなく、電動アシスト歩行車10の位置を検知する。また、制御部16は、GPSからの位置情報を微分することで電動アシスト歩行車10の速度を算出し、GPSからの位置情報を2回微分することで加速度を算出するように構成することができる。
傾き検知センサ23は、2軸以上の加速度検知センサからなる。傾き検知センサ23は、制御部16の近傍に設けられている。あるいは、傾き検知センサ23は、電動アシスト歩行車10の上部に設けられていても良い。なお、傾き検知センサ23として加速度検知センサを用いる代わりに、ジャイロセンサを用いて電動アシスト歩行車10の姿勢を検知するようにしてもよい。
なお、電動アシスト歩行車10のその他の構成は、第1の実施の形態における電動アシスト歩行車10(図1および図2)と略同様である。
また、本実施の形態において、電動アシスト歩行車10には、使用者が一対のハンドル14を把持したか否かを直接検出するグリップセンサ、歪みセンサ、近接センサ又は圧力センサ等は設けられていない。しかしながら、これに限らず、本実施の形態においても、第1の実施の形態における電動アシスト歩行車10(図1および図2)と同様、ハンドル14に把持センサ24が設けられていても良い。
(本実施の形態の作用)
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。図18は、制御部16の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
(段差モードの可否)
はじめに、制御部16は、電動アシスト歩行車10への制御が段差モードに入るか否かを判断する(図18のステップS11)。ここで段差モードとは、後述するように、前輪12が段差に衝突したか否かを制御部16が判断するうえでの前提となる状態である。換言すれば、制御部16が段差モードに移行していない場合には、安全性の向上又は誤検知の防止等の理由により、制御部16は、前輪12が段差に衝突したか否かの判断は行わない。したがって、段差モード以外では、制御部16が前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる制御を行うことはない。
制御部16は、段差モードに移行するか否かを判断するにあたっては、下記の条件(A−1)〜(A−7)を考慮する。この場合、制御部16は、下記の条件(A−1)〜(A−7)のいずれか1つを満たした場合、段差モードに移行しないようにする。しかしながら、これに限らず、制御部16は、下記の条件(A−1)〜(A−7)の複数を満たしたときに、段差モードに移行しないようにしても良い。
<条件(A−1)>
制御部16は、前輪12又は後輪13に対してブレーキ制御が行われている場合、段差モードに移行しない(前輪12が段差に衝突したか否かの判断を行わない)ようにしても良い。
例えばモータ20を逆転ブレーキとして用いる場合等、転倒防止用のブレーキが作用し、電動アシスト歩行車10が急停止したような場合に、制御部16は、前輪12が段差に衝突したと誤検知する可能性がある。このため、転倒防止用にブレーキが作用している場合には、制御部16は、段差モードに移行しないようにすることが好ましい。
また例えば、制御部16は、走行抵抗の小さい平地で、使用者がグリップ部42(図1及び図2参照)に手を軽く添えているだけである場合、使用者がハンドル14から手を放したと誤検知して、モータ20を制御して電動アシスト歩行車10を急停止させることも考えられる。このような場合であっても、前輪12が段差に衝突したと誤検知することを防止するため、制御部16は、段差モードに移行しないようにすることが好ましい。
また例えば、使用者がブレーキレバー34等(図1及び図2参照)を操作した場合、後輪13が急停止し、かつハンドル14が押される場合がある。このような場合であっても、前輪12が段差に衝突したと誤検知することを防止するため、制御部16は、段差モードに移行しないようにすることが好ましい。
このように、制御部16は、前輪12又は後輪13に対してブレーキ制御が行われている場合、段差モードに移行しないようにすることにより、前輪12が段差に衝突したと誤検知することを防止することができる。
<条件(A−2)>
制御部16は、電動アシスト歩行車10が上りの傾斜面に位置している場合、段差モードに移行しない(前輪12が段差に衝突したか否かの判断を行わない)ようにしても良い。なお、制御部16は、電動アシスト歩行車10が上りの傾斜面に位置しているか否かは、傾き検知センサ23からの信号に基づいて判断することができる。
例えば前輪12が段差を乗り越えた後、後輪13が段差に衝突した場合は、段差が使用者の足元に位置する。このため、電動アシスト歩行車10が段差モードに入って加速することは危険であるため、モータ20の出力を増加するアシストは行わないことが好ましい。また電動アシスト歩行車10が階段を上ることもできないようにしておくことが安全上好ましい。このような状況で段差モードに移行しないようにするため、前輪12が段差に乗り上げたと推定される傾斜以上になった場合は、段差モードに移行しないようにすることが好ましい。
このように、制御部16は、電動アシスト歩行車10が上りの傾斜面に位置している場合、段差モードに移行しないようにすることにより、安全性をより高めることができる。
<条件(A−3)>
制御部16は、電動アシスト歩行車10が進行方向に対して左右に傾く傾斜面に位置している場合、段差モードに移行しない(前輪12が段差に衝突したか否かの判断を行わない)ようにしても良い。
例えば、電動アシスト歩行車10が段スロープ上に位置し、誤って段スロープの側部のエッジなどを乗り越えてしまうと、電動アシスト歩行車10が転落等してしまう恐れがある。このため、電動アシスト歩行車10が進行方向に対して左右に傾く傾斜面にある場合には、段差モードに移行しないようにすることが好ましい。
このように、制御部16は、電動アシスト歩行車10が進行方向に対して左右に傾く傾斜面に位置している場合、段差モードに移行しないようにすることにより、安全性をより高めることができる。
<条件(A−4)>
制御部16は、電動アシスト歩行車10が段差を乗り越えた後、所定の時間内である場合、段差モードに移行しない(前輪12が段差に衝突したか否かの判断を行わない)ようにしても良い。
上述したように(条件(A−2))、後輪13が段差を乗り越える際や前輪12が階段に衝突した際には、段差モードに移行しないようになっている。このため、電動アシスト歩行車10が段差を乗り越える作業が連続して行われることはない。また段差の乗り越えに失敗した後、その衝撃で再度段差モードに移行して振動的な動きをすることは危険を伴う。このため、電動アシスト歩行車10が段差を乗り越えた後、所定の時間内は、再度段差モードに移行しないようにすることが好ましい。
このように、制御部16は、電動アシスト歩行車10が段差を乗り越えた後、所定の時間内である場合、段差モードに移行しないようにすることにより、安全性をより高めることができる。
<条件(A−5)>
制御部16は、電動アシスト歩行車10が所定の速度以上で走行している場合、段差モードに移行しない(前輪12が段差に衝突したか否かの判断を行わない)ようにしても良い。
電動アシスト歩行車10の前輪12が高速で段差に衝突した場合、後輪13が浮きやすく、万一前輪12が段差を乗り越えた場合は、使用者が躓くおそれもあるため危険である。したがって、電動アシスト歩行車10が所定の速度以上で走行している際に前輪12が段差に衝突した場合は、段差モードに移行しないようにすることが好ましい。
このように、制御部16は、電動アシスト歩行車10が所定の速度以上で走行している場合、段差モードに移行しないようにすることにより、安全性をより高めることができる。
<条件(A−6)>
制御部16は、電動アシスト歩行車10が旋回中である場合、段差モードに移行しない(前輪12が段差に衝突したか否かの判断を行わない)ようにしても良い。
後述するように(下記の条件B−5参照)、一対の前輪12のうち一方の前輪12だけが段差に衝突したときであっても、前輪12が段差を乗り越えられるようにすることが好ましい。しかしながら、電動アシスト歩行車10が旋回中である場合、前輪12のキャスターが引っかかった場合等、前輪12が段差に衝突したと誤って判断されてしまうおそれがある。このため、例えば左右の前輪12又は後輪13の速度差が所定以上あるような場合は、制御部16は、電動アシスト歩行車10が旋回中であると判断し、段差モードに移行しないようにすることが好ましい。
このように、制御部16は、電動アシスト歩行車10が旋回中である場合、段差モードに移行しないようにすることにより、前輪12が段差に衝突したと誤検知してしまう不具合を防止することができる。
<条件(A−7)>
制御部16は、左右一対の前輪12又は後輪13の速度差が一定以上の場合、段差モードに移行しない(前輪12が段差に衝突したか否かの判断を行わない)ようにしても良い。
例えば把持センサ24が設けられた電動アシスト歩行車10(図1及び図2参照)において、ハンドル14が押されている際には、モータ20はアシスト状態になる。このような場合、仮に一方の後輪13が浮いて空回り状態となっていると、左右の前輪12又は後輪13に速度差が生じる。したがって、制御部16は、左右一対の前輪12又は後輪13の速度差が一定以上の場合、前輪12又は後輪13が空回りしているとして段差モードには移行しないようにすることが好ましい。
このように、制御部16は、左右一対の前輪12又は後輪13の速度差が一定以上の場合、段差モードに移行しないようにすることにより、前輪12又は後輪13が空回りしている場合に前輪12が段差に衝突したと誤検知してしまう不具合を防止することができる。
(前輪が段差に衝突したか否かの判断)
制御部16は、上記条件(A−1)〜(A−7)の全てに該当しない場合、段差モードに移行する。続いて、制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したか否かを判断する(図18のステップS12)。
この場合、制御部16は、下記の条件(B−1)〜(B−9)を考慮する。例えば制御部16は、下記の条件(B−1)〜(B−9)を全て満たしたときに、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。なお、これに限らず、制御部16は、下記の条件(B−1)〜(B−9)の1つ又は複数(一部)を満たしたときに、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
<条件(B−1)>
制御部16は、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となった場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
すなわち、前輪12が段差に衝突した際に電動アシスト歩行車10が急停止し、後輪13には減速度(負の加速度)が発生する。この後輪13の減速度を検出することにより、前輪12が段差に衝突したことを検知することができる。なお、後輪13の減速度の閾値(第1閾値)は、使用者の力で電動アシスト歩行車10を急停止させたときに段差に衝突したと誤検知しない程度の大きさに設定することが好ましい。また、後輪13の減速度は、それぞれの後輪13の回転数に基づいて判断しても良く、左右の後輪13それぞれに取り付けられた加速度センサを用いて判断しても良い。
このように、制御部16は、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となった場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断することにより、前輪12が段差に衝突したことを、例えば把持センサ24を用いることなく簡潔な手法で検知することができる。
<条件(B−2)>
制御部16は、条件(B−1)に加え、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となった(減速度が発生した)後、後輪13の回転速度が負の閾値以上となっている(電動アシスト歩行車10が後進していない)場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
上記条件(B−1)に基づいて、前輪12の減速度のみに基づいて前輪12が段差に衝突したか否かを判断すると、ハンドル14を後ろに引っ張ったときに前輪12が段差に衝突したと誤検知するおそれがある。このため、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となった後、後輪13の回転速度が上記負の閾値以上となっている場合であることを条件に加えることで、使用者がハンドル14を後方に引っ張った際、前輪12が段差に衝突したと誤検知する不具合を防止することができる。なお、上記負の閾値は、ゼロに近い値とすることが好ましい。
このように、制御部16は、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となった後、後輪13の回転速度が上記負の閾値以上となっている(電動アシスト歩行車10が後進していない)場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。これにより、前輪12が段差に衝突したことをより確実に検知することができる。
<条件(B−3)>
制御部16は、条件(B−2)に加え、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となる(減速度が発生する)前に、後輪13の回転速度が正である(電動アシスト歩行車10が前進していた)場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
とりわけ、把持センサ24が設けられていない電動アシスト歩行車10の場合、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているか否かを判断することは難しい。このため、減速度が発生する前に電動アシスト歩行車10が前方に進んでいた(後輪13の回転速度が正である)ことに基づいて、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断しても良い。
このように、制御部16は、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となる(減速度が発生する)前に、後輪13の回転速度が正である(電動アシスト歩行車10が前進していた)場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。これにより、前輪12が段差に衝突した際に使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていたことをより確実に検知することができる。
<条件(B−4)>
制御部16は、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となった後、後輪13の回転速度(電動アシスト歩行車10の走行速度)が正の閾値(第2閾値)以下となっている場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
前輪12が段差に衝突した場合、後輪13の速度はほぼゼロになる。しかしながら、例えば後輪13の速度をホール素子からのパルスによって計算している場合、後輪13の実際の速度がゼロであっても、ホール素子から計算される速度は直ちにゼロにはならない。このため、後輪13の回転速度が正の閾値(第2閾値)以下となっている場合に前輪12が段差に衝突したと判断することにより、前輪12が段差に衝突したことをより精度良く検出することができる。
このように、制御部16は、後輪13の減速度が閾値(第1閾値)以上となった後、後輪13の回転速度(電動アシスト歩行車10の走行速度)が正の閾値(第2閾値)以下となっている場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。これにより、前輪12が段差に衝突したことをより正確に検出することができる。
<条件(B−5)>
制御部16は、左右一対の後輪13のうち、いずれか一方の後輪13の減速度が閾値(第3閾値)以上となった場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
左右一対の前輪12の両方が段差に衝突した場合は、左右一対の後輪13の両方に対して大きな減速度が発生する。しかしながら、電動アシスト歩行車10が平面視で若干斜めとなった状態で段差に接近した場合には、片方の前輪12しか段差に衝突しないことも考えられる。このような場合、衝突した側の後輪13には大きな減速度が生じるが、衝突しなかった方の前輪12には動く余地があるため、衝突しなかった方の後輪13は、減速度が小さくなる傾向がある。このような場合であっても、前輪12が段差に衝突したことを確実に検出するため、左右一対の後輪13のうち、いずれか一方の後輪13の減速度が閾値(第3閾値)以上となったことを、前輪12が段差に衝突したことの条件とすることが好ましい。なお、後輪13の減速度は、後輪13の回転数からではなく、左右の後輪13それぞれに取り付けられた加速度センサの前後成分を用いて算出してもよい。
このように、制御部16は、左右一対の後輪13のうち、いずれか一方の後輪13の減速度が閾値(第3閾値)以上となった場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。これにより、電動アシスト歩行車10が平面視で斜めに段差に接近した場合であっても、前輪12が段差に衝突したことを正確に検出することができる。
<条件(B−6)>
制御部16は、条件(B−5)に加え、左右一対の後輪13のうち、他方の後輪13の減速度が第3閾値よりも小さい閾値(第4閾値)以上となった場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
左右一対の前輪12の一方が段差に衝突した場合、他方の後輪13は一定程度減速する。このため他方の後輪13の減速度が閾値(第4閾値)以上となることを条件とすることにより、電動アシスト歩行車10が軽く旋回するような場合に、前輪12が段差に衝突したと誤検知しないようにすることができる。なお、後輪13の減速度は、後輪13の回転数から算出することに限らず、左右の後輪13それぞれに取り付けられた加速度センサの前後成分を用いて算出してもよい。
このように、制御部16は、左右一対の後輪13のうち、他方の後輪13の減速度が第3閾値よりも小さい閾値(第4閾値)以上となった場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。これにより、電動アシスト歩行車10が軽く旋回するような場合に、前輪12が段差に衝突したと誤検知しないようにすることができる。
<条件(B−7)>
制御部16は、左右両方の後輪13の減速度が第3閾値と第4閾値との間の閾値(第5閾値)以上となった場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
すなわち左右両方の後輪13の減速度が、いずれも中程度の閾値(第5閾値)を超えたことを条件としてもよい。
このように、制御部16は、左右両方の後輪13の減速度が第3閾値と第4閾値との間の閾値(第5閾値)以上となった場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。これにより、左右の前輪12がほぼ同時に段差に衝突した場合でも、このことを的確に判断することができる。
なお、前輪12が段差に衝突したことは、左右の各後輪13の減速度の和が、所定の一つの閾値以上となったか否かで判断しても良い。
<条件(B−8)>
制御部16は、ハンドル14に対する操作力が閾値(第6閾値)以上となっている場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断しても良い。
電動アシスト歩行車10に把持センサ24が設けられている場合(図1および図2)、前輪12が段差に衝突したとき、少なくとも段差に衝突した側に位置するグリップ部42は、反力により押し込まれることになる。したがって、左右のうち大きな減速度を検知した側のグリップ力が閾値以上になることを、前輪12が段差に衝突したと判断するための条件としても良い。この条件が設けられていることにより、例えば使用者がハンドル14から手を放した状態で電動アシスト歩行車10が物体に衝突した場合や、電動アシスト歩行車10が傾斜面や慣性によって前進して段差に衝突した場合に、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる制御を行わないようにすることができる。
このように、制御部16は、ハンドル14に対する操作力が閾値(第6閾値)以上となっている場合に、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。これにより、前輪12を浮き上がらせる必要がない場合に、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせないようにすることができる。
<条件(B−9)>
制御部16は、前輪12が壁面に衝突したと判断した際、前輪12が段差に衝突していないと判断しても良い。
前輪12が段差に衝突した際に、段差からの抗力の影響あるいは、前輪12の回転慣性の影響で、電動アシスト歩行車10は上に跳ね上がろうとする傾向がある。前輪12が通常の段差に衝突した場合、電動アシスト歩行車10に加わる下向きの加速度は重力加速度を越えることは無い。これに対して、前輪12が壁面に衝突した場合は、前輪12と壁面との間の摩擦により、電動アシスト歩行車10に対して下向きに大きな加速度が加わる。このため、電動アシスト歩行車10に対する鉛直方向の加速度が閾値以上になっているときは、前輪12が壁面に衝突したとみなして、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせないようにする。このほか、制御部16が、前輪12の前方に位置する所定の高さ以上の段差を検知するスイッチや測距センサを設け、このスイッチや測距センサからの信号に基づいて前輪12が壁面に衝突したと判断しても良い。
このように、制御部16は、前輪12が壁面に衝突したと判断した際、前輪12が段差に衝突していないと判断する。これにより、前輪12が壁面に衝突した場合に、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせないようにすることができる。
このように、制御部16は、上記条件(B−1)〜(B−9)のいずれかを満たさなかった場合(図18のステップS12のNo)、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる制御を行わない。
一方、制御部16は、上記条件(B−1)〜(B−9)の全てが満たされた場合(図18のステップS12のYes)、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしているにも関わらず、前輪12が段差に衝突したと判断する。このとき制御部16は、モータ20を制御して、前輪12を後輪13に対して浮き上がらせる。
この間、まず前輪12が段差に衝突したことを確実に判断するため、一定の待機時間を設ける。この待機時間の間、上記条件(B−1)〜(B−9)の全てが満たされた場合、制御部16は、モータ20による後輪13の駆動力を徐々に増加させる。その後、後輪13のアシスト力が最大値に達した場合、その状態を一定時間持続する。その後、制御部16は、前輪12が段差を乗り越えたか否かに関わらず、段差モードを終了する。
なお、制御部16が、前輪12が段差に衝突したと判断した後の作用は、第1の実施の形態の場合と略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
以上本発明の各実施の形態及び各変形例を説明したが、各実施の形態及び各変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。各実施の形態及び各変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。各実施の形態及び各変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10 電動アシスト歩行車
11 フレーム
12 前輪
13 後輪
14 ハンドル
15 ブレーキユニット
16 制御部
20 モータ
21 バッテリ
22 速度検知センサ
23 傾き検知センサ
24 把持センサ
25 脚部検知センサ
31 パイプフレーム

Claims (35)

  1. フレームと、
    前記フレームに設けられた前輪及び後輪と、
    前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせる駆動力を発生する駆動部と、
    前記駆動部に接続され、前記駆動部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、電動歩行補助装置の減速度が第1閾値以上となり、かつ前記減速度が前記第1閾値以上となった後、前記電動歩行補助装置が後進していない場合に、使用者が電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断し、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせ
    前記制御部は、前記減速度が前記第1閾値以上となった後、前記電動歩行補助装置が後進している場合、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせる制御を行わないことを特徴とする電動歩行補助装置
  2. 前記制御部は、前記減速度が前記第1閾値以上となる前に、前記電動歩行補助装置が前進していた場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断することを特徴とする請求項に記載の電動歩行補助装置
  3. 前記制御部は、前記減速度が前記第1閾値以上となった後、前記電動歩行補助装置の走行速度が第2閾値以下となっている場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動歩行補助装置
  4. 前記後輪は左右一対設けられ、前記制御部は、いずれか一方の後輪の減速度が第3閾値以上となった場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  5. 前記制御部は、他方の後輪の前記減速度が前記第3閾値よりも小さい第4閾値以上となった場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断することを特徴とする請求項に記載の電動歩行補助装置
  6. 前記制御部は、両方の後輪の前記減速度が前記第3閾値と第4閾値との間の第5閾値以上となった場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断することを特徴とする請求項に記載の電動歩行補助装置
  7. 前記使用者によって操作される操作部を更に備え、前記制御部は、前記操作部に対する操作力が第6閾値以上となっている場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  8. 前記制御部は、前記前輪が壁面に衝突したと判断した際、前記前輪が段差に衝突していないと判断することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  9. 前記制御部は、前記前輪又は前記後輪に対してブレーキ制御が行われている場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  10. 前記制御部は、前記電動歩行補助装置が上りの傾斜面に位置している場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  11. 前記制御部は、前記電動歩行補助装置が進行方向に対して左右に傾く傾斜面に位置している場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  12. 前記制御部は、前記電動歩行補助装置が段差を乗り越えた後所定の時間内である場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  13. 前記制御部は、前記電動歩行補助装置が所定の速度以上で走行している場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  14. 前記制御部は、前記電動歩行補助装置が旋回中である場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  15. 前記前輪又は前記後輪は左右一対設けられ、前記制御部は、前記前輪又は前記後輪の左右の速度差が一定以上の場合、前記前輪が段差に衝突したか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  16. 前記制御部は、前記電動歩行補助装置が停止しているか、前記電動歩行補助装置の走行速度が一定以下であるか、又は、前記電動歩行補助装置の減速度が第7閾値以上となった場合に、前記前輪が段差に衝突したと判断することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  17. 前記使用者によって操作される操作部を更に備え、
    前記制御部は、前記操作部を介して前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしていると判断することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  18. 前記操作部は、前記フレームに接続され、前記使用者の手によって把持されるハンドルであり、
    前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを前方に押した場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしていると判断することを特徴とする請求項17に記載の電動歩行補助装置
  19. 前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを一定以上の力で押した場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしていると判断することを特徴とする請求項18に記載の電動歩行補助装置
  20. 前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを一定以上の力で一定時間以上押している場合に、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしていると判断することを特徴とする請求項18に記載の電動歩行補助装置
  21. 前記駆動部は、前記後輪を前進方向に駆動させることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の電動歩行補助装置
  22. 前記駆動部は、走行用に前記後輪を前進方向に駆動させるモータであることを特徴とする請求項21に記載の電動歩行補助装置
  23. 前記フレームに接続され、前記使用者の手によって把持されるハンドルを更に備え、
    前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを押す力に応じて前記駆動力を増減させることを特徴とする請求項22に記載の電動歩行補助装置
  24. 前記制御部は、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断した後、前記駆動力を徐々に増加させることを特徴とする請求項22に記載の電動歩行補助装置
  25. 前記フレームに接続され、前記使用者の手によって把持されるハンドルを更に備え、
    前記制御部は、前記使用者が前記ハンドルを押している時間に応じて前記駆動力を増減させることを特徴とする請求項22に記載の電動歩行補助装置
  26. 前記制御部は、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせた後、前記駆動部を制御して前記電動歩行補助装置を前進させることで前記前輪を段差の上部に接触させることを特徴とする請求項22に記載の電動歩行補助装置
  27. 前記制御部は、前記前輪が段差に衝突したと判断した際、前記使用者の前記ハンドルを前方に押す力が弱められる又は後方に引く力が加えられることに合わせて、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせることを特徴とする請求項18に記載の電動歩行補助装置
  28. 前記使用者が操作する操作手段を更に備え、
    前記制御部は、前記使用者が前記操作手段を操作した場合に、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせることを特徴とする請求項1に記載の電動歩行補助装置
  29. 前記フレームに接続され、前記使用者の手によって把持されるハンドルと、
    前記使用者が操作することにより前記後輪を制動するブレーキレバーとを更に備え、
    前記制御部は、前記使用者が前記ブレーキレバーを操作しながら前記ハンドルを後方に引いた場合に、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせることを特徴とする請求項1に記載の電動歩行補助装置
  30. 前記制御部は、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせた後、前記後輪の前進方向への駆動力を徐々に低減することを特徴とする請求項22に記載の電動歩行補助装置
  31. 前記制御部は、前記後輪が回転したとき、前記後輪の前進方向の駆動力を徐々に低減することを特徴とする請求項30に記載の電動歩行補助装置
  32. 前記制御部は、前記後輪が回転したとき、その回転速度に応じて前記後輪の前進方向の駆動力の減少量を大きくし、または前記後輪の前進方向の駆動力をゼロにすることを特徴とする請求項30に記載の電動歩行補助装置
  33. 前記制御部は、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせた後、前記電動歩行補助装置の傾斜角度に応じて前記後輪の前進方向の駆動力の減少量を大きくし、または前記後輪の前進方向の駆動力をゼロにすることを特徴とする請求項22に記載の電動歩行補助装置
  34. 前記制御部は、前記電動歩行補助装置が下り坂にあるとき、前記後輪に対して自動で制動を行う自動ブレーキ機能を有し、
    前記制御部は、前記電動歩行補助装置が下り坂にあり、前記使用者が前記電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断した際、前記自動ブレーキ機能を解除することを特徴とする請求項22に記載の電動歩行補助装置
  35. フレームと、前記フレームに設けられた前輪及び後輪と、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせる駆動力を発生する駆動部と、前記駆動部に接続され、前記駆動部を制御する制御部とを有する電動歩行補助装置の制御方法において、
    前記制御部が、前記電動歩行補助装置の減速度が第1閾値以上となり、かつ前記減速度が前記第1閾値以上となった後、前記電動歩行補助装置が後進していない場合に、使用者が電動歩行補助装置を前進させようとしているにも関わらず、前記前輪が段差に衝突したと判断する工程と、
    前記制御部が、前記駆動部を制御して前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせる工程とを備え
    前記制御部は、前記減速度が前記第1閾値以上となった後、前記電動歩行補助装置が後進している場合、前記前輪を前記後輪に対して浮き上がらせる制御を行わないことを特徴とする電動歩行補助装置の制御方法。
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