JP6897844B2 - 光硬化型インクジェットインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
[1]
下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有する下層用光硬化型インクジェットインクと、上層用光硬化型インクジェットインクと、を含む光硬化型インクジェットインクセットであって、前記下層用光硬化型インクジェットインクの表面張力が、前記上層用光硬化型インクジェットインクの表面張力よりも大きい、光硬化型インクジェットインクセット。
[2]
前記下層用光硬化型インクジェットインクの表面張力と前記上層用光硬化型インクジェットインクの表面張力との差が、5以上である、[1]に記載の光硬化型インクジェットインクセット。
[3]
前記下層用光硬化型インクジェットインクに含まれる前記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の含有量は、前記下層用光硬化型インクジェットインクの総質量に対して、20〜80質量%である、[1]又は[2]に記載の光硬化型インクジェットインクセット。
[4]
前記上層用光硬化型インクジェットインクが前記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有し、かつ、前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の含有量は、前記下層用光硬化型インクジェットインクが前記上層用光硬化型インクジェットインクよりも大きい、[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化型インクジェットインクセット。
[5]
前記下層用光硬化型インクジェットインクは、アクリル系界面活性剤を含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化型インクジェットインクセット。
[6]
前記上層用光硬化型インクジェットインクは、シリコーン系界面活性剤を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化型インクジェットインクセット。
[7]
被記録媒体上に[1]〜[6]のいずれかに記載の下層用光硬化型インクジェットインクの塗膜を形成し、該塗膜の上に[1]〜[6]のいずれかに記載の上層用光硬化型インクジェットインクの塗膜を形成することを含む、インクジェット記録方法。
なお、本明細書における「ベタパターン画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像を意味する。
本発明の一実施形態に係る光硬化型インクジェットインクセットは、後述の一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有する下層用光硬化型インクジェットインクと、上層用光硬化型インクジェットインクと、を含む。これに加えて、当該インクセットは、下層用インクの表面張力が上層用インクの表面張力よりも大きいという関係を満たすものである。
なお、上記インクセットは、下層用光硬化型インクジェットインク及び上層用光硬化型インクジェットインク以外のインクをさらに含んでもよい。
本実施形態における上層用インク及び下層用インクに含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により放射線照射時に重合し、印刷されたインクを硬化させることができる。
本実施形態におけるインクのうち少なくとも下層用インクは、重合性化合物として下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(上記式(I)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有する。
なお、上記の場合における上層用インクの含有量は、硬化性以外の性能も考慮して決めるのが好ましいため、特に制限されない。本実施形態において、下層用インクの表面張力が下層用インクの表面張力よりも大きく、かつ、下層用インクが上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有する場合に、下層用インクの塗膜上での上層用インクの濡れ広がり性が優れる原因は、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類のビニルエーテル基に由来する塗膜が、上層用インクの濡れ広がり性に何らかの影響を及ぼすためと推測される。ただし、当該原因はこれに限られるものではない。
上記以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」という。)としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
本実施形態におけるインクは界面活性剤を含有することが好ましい。特に上層用インクが界面活性剤を含有することにより、下層用インクの表面張力が上層用インクの表面張力よりも大きいという関係をより確実に満たすことができる。さらに、上層用インクだけでなく下層用インクも界面活性剤を含有することにより、被記録媒体上における下層用インクの埋まり性も優れたものとなる。
上記第一の場合の上層用インク及び下層用インクに含まれる各界面活性剤の含有量は、各インクの総質量(100質量%)に対して0.1〜0.5質量%が好ましく、さらに下層用インクにおける含有量は0.1〜0.3質量%がより好ましい。
なお、上記第一の場合、上層用インクの濡れ広がり性が一層優れたものとなり、上層用インク及び下層用インク間における界面活性剤の共通化による、インク材料のコストダウンが可能である。
なお、上記第二の場合、被記録媒体上での下層用インクの埋まり性が優れたものとなる。
なお、上記第三の場合、インクの濡れ広がり性が一層優れたものとなり、上層用インク及び下層用インク間の表面張力の差を安定して確保する点で有利である。
本実施形態におけるインクに含まれ得る光重合開始剤は、放射線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成するために用いられる。放射線(光)の中でも紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
本実施形態におけるインクは、重合禁止剤をさらに含有してもよい。インクが重合禁止剤を含有することにより、硬化前における上記重合性化合物の重合反応を防止でき、インクの保存安定性を優れたものとすることができる。
本実施形態におけるインクは、色材を含有してもよい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
本実施形態では、色材として顔料を用いることにより、インクの耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態では、色材として染料を用いることができる。当該染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。上記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
上記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態におけるインクは、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含有してもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、分散剤、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び増粘剤が挙げられる。
本実施形態の光硬化型インクジェットインクセットは、後述するインクジェット記録方法を用いて、被記録媒体上に吐出されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。後述する実施形態のインクジェット記録方法は、インクの浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、インクの浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。
本発明の一実施形態は、インクジェット記録方法に係る。上記実施形態のインクセットは、本実施形態のインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
上記実施形態のインクセットを用いて、上記インクジェット記録方法を実施するためのインクジェット記録装置(以下、単に「記録装置」とも言う。)の一例を説明する。当該記録装置は、第1の記録モードと、第2の記録モードと、記録制御部と、を備える。
以下、上記の記録装置の一例を詳細に説明する。
本実施形態において、下層用インクは、第1の記録モードにおいて被記録媒体に上層用インクより先に塗膜を形成するインクであり、上層用インクは、第1の記録モードにおいて被記録媒体の下層用インクによる塗膜の上に塗膜を形成するインクである。上層用インク及び下層用インクは、例えば、一方を主インクとし、他方を補助インクとすればよい。そして、当該主インクは、例えばカラーインク等の塗膜を視認して用いるインクとすればよい。また、当該補助インクは、例えば、ホワイトインク、クリアインク、及びメタリックインク等の特色インク、又は、主インクの密着性、濡れ広がり性、及び耐擦性などの性能を向上させる機能インク等とすればよい。
ここで、上層用インク及び下層用インクを、共に主インクとしてもよいし、あるいは共に補助インクとしてもよいが、一方を主インクとし他方を補助インクとすることが、記録物の用途が広がり、かつ、主インクの性能が向上するため好ましい。一方を主インクとし他方を補助インクとする場合、上層用インクと下層用インクのいずれを主インクとするかは、上述した主インク及び補助インクの各々の性質を考慮して決めればよい。したがって、上記図1では、第1の記録モードで下層用インクを吐出するヘッドを1つ目のホワイトヘッドユニット30Aとしているが下層用インクがホワイトインクに限られるものではない。
本実施形態のインクジェット記録方法は、被記録媒体上に上記実施形態における下層用インクの塗膜を形成する第1の記録工程と、当該塗膜の上に上記実施形態における上層用インクを重ね塗りして当該インクの塗膜を形成することにより画像を形成する第2の記録工程と、を含むものである。
吐出段階では、被記録媒体に向けてインクが吐出され、下層用インクが被記録媒体に、上層用インクが下層用インクの塗膜に、それぞれ付着する。吐出時におけるインクの粘度は、15mPa・s以下が好ましく、12mPa・s以下がより好ましい。インクの粘度が、インクの温度を室温として、あるいは、インクを加熱しない状態として上記のものであれば、インクの温度を室温として、あるいはインクを加熱せずに吐出させればよい。その際、吐出時のインクの温度は20〜30℃であることが好ましい。一方、インクを所定の温度に加熱することによって粘度を好ましいものとして吐出させてもよい。このようにして、良好な吐出安定性が実現される。
次に、硬化段階は、被記録媒体に向けて吐出されて付着(着弾)したインクが、紫外線の照射によって硬化するというものである。これは、インクに含まれ得る光重合開始剤が光(紫外線)の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線の照射によって、重合性化合物の重合反応が開始するためである。このとき、インクにおいて光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が紫外線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
下記の実施例及び比較例において使用した材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
・C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニンブルー、DIC社製、以下では「PB15:3」と略記した。)
・C.I.ピグメントホワイト6(酸化チタン、テイカ社製、以下では「PW6」と略記した。)
〔重合性化合物〕
(1.ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類)
・VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、日本触媒社(Nippon Shokubai Co., Ltd.)製商品名、以下では「VEEA」と略記した。)
(2.その他の重合性化合物)
・ビスコート#192(フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製商品名、以下では「PEA」と略記した。)
・NKエステル APG−100(新中村化学工業社(SHIN-NAKAMURA CHEMICAL CO., LTD.)製商品名、ジプロピレングリコールジアクリレート、以下では「DPGDA」と略記した。)
〔重合禁止剤〕
・MEHQ(ヒドロキノンモノメチルエーテル、関東化学社製)
〔界面活性剤〕
・BYK−UV3500(BYK社製商品名、シリコーン系、以下では「UV3500」と略記した。)
・BYK−UV3570(BYK社製商品名、シリコーン系、以下では「UV3570」と略記した。)
・BYK−350(BYK社製商品名、アクリル系、以下では「BYK350」と略記した。)
・BYK−381(BYK社製商品名、アクリル系、以下では「BYK381」と略記した。)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、固形分量100%、以下では「819」と略記した。)
・DAROCUR TPO(BASF社製商品名、固形分量100%、以下では「TPO」と略記した。)
・KAYACURE DETX−S(日本化薬社製商品名、固形分量100%、以下では「DETX」と略記した。)
下記表1及び表2に記載の組成(単位:質量%)となるように各材料を添加し、これを高速水冷式撹拌機で撹拌することにより、シアン色の上層用インク及びホワイト色の下層用インクを調製した。
なお、表1は各上層用インクの組成を示すものであり、上層用インク1,2,3,及び4を以下ではそれぞれ上層1,2,3,及び4と略記した。また、表2は各下層用インクの組成を示すものであり、下層用インク1,2,3,4,5,6,及び7を以下ではそれぞれ下層1,2,3,4,5,6,及び7と略記した。
下記表3及び表4の各上段に記載した、上層用インク及び下層用インクの組み合わせでインクセットを作製した。なお、各実施例及び各比較例における、上層用インク及び下層用インクの表面張力γ(mN/m)は、表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製商品名)を用いて、Wilhelmy法にて常温常圧下で測定した値であり、下記表3及び表4に示した。
各実施例及び各比較例で作製したインクセットについて、以下の方法により濡れ広がり性、埋まり性、吐出安定性、及び硬化性を評価した。
被記録媒体(PET50A、リンテック社(Lintec Corporation)製)に向けて、下層用インクを720×720dpi及び15ng/ドットの条件で吐出し、その後硬化して硬化物を形成した。その後、上層用インクを用いて720dpi及び10ng/ドットの条件下、当該硬化物上に1ライン(1ドット列)を形成した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
A:70μm≦X
B:65μm≦X<70μm
C:60μm≦X<65μm
D:X<60μm
被記録媒体(PET50A)に向けて、下層用インクを720×720dpi及び10ng/ドットの条件で吐出し、硬化させた。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
A:被記録媒体から30cmの高さからの目視で、埋まっていた(下地の筋が見えなかった。)。
B:被記録媒体から30cmの高さからの目視で、下地の筋が見えた。
上層用インク及び下層用インク各々の吐出安定性を評価した。180個のノズルを有するヘッドから、上層用インク及び下層用インクの各々を60分間連続で吐出した。このようにして、上層用インク及び下層用インクの各々を吐出したときの、ヘッドにおける吐出安定性を評価した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
A:連続吐出中にノズル抜けが発生しなかった。
B:連続吐出中にノズル抜けが発生した。
上層用インク及び下層用インク各々の硬化性を評価した。ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置を用いて、各実施例及び各比較例における上層用インク及び下層用インクをそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下で被記録媒体(PET50A)に向けて、720×720dpi及び10ng/ドットの条件で上層用インク及び下層用インクの各々を吐出し、印刷物(記録物)の膜厚が7〜8μmとなるようにベタパターン画像を印刷した。
なお、タック感がなくなったか否かは、下記の条件で判断した。すなわち、綿棒にインクが付着するか否か、又は被記録媒体上のベタパターン画像に擦り傷が付くか否かで判断し、綿棒にインクが付着せず、かつ被記録媒体上のベタパターン画像に擦り傷が付かない場合をタック感がなくなったものとした。その際、使用した綿棒は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)社製のジョンソン綿棒であった。擦る回数は往復10回とし、擦る強さは100g荷重とした。
また、「パス数」は、ヘッドが記録物に対して移動し、ヘッドに搭載した紫外線照射装置から塗膜に向けて紫外線照射した回数を意味する。また、照射エネルギー[mJ/cm2]は、光源から照射される被照射表面における照射強度[mW/cm2]を測定し、これと照射継続時間[s]との積から求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING, INC.)製)を用いて行った。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表3及び表4に示す。
A:200mJ/cm2以下の照射エネルギーで硬化した。
B:200mJ/cm2の照射エネルギーで硬化しなかった。
Claims (9)
- 下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有する下層用光硬化型インクジェットインクと、フェノキシエチルアクリレートを含有する上層用光硬化型インクジェットインクと、を含む光硬化型インクジェットインクセットであって、
前記下層用光硬化型インクジェットインクの表面張力が、前記上層用光硬化型インクジェットインクの表面張力よりも大きい、光硬化型インクジェットインクセット。 - 前記下層用光硬化型インクジェットインクの表面張力と前記上層用光硬化型インクジェットインクの表面張力との差が、常温下で5mN/m以上である、請求項1に記載の光硬化型インクジェットインクセット。
- 前記下層用光硬化型インクジェットインクに含まれる前記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の含有量は、前記下層用光硬化型インクジェットインクの総質量に対して、20〜80質量%である、請求項1又は2に記載の光硬化型インクジェットインクセット。
- 前記上層用光硬化型インクジェットインクは、二官能(メタ)アクリレートを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化型インクジェットインクセット。
- 前記上層用光硬化型インクジェットインクは、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化型インクジェットインクセット。
- 前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含有する、請求項5に記載の光硬化型インクジェットインクセット。
- 前記下層用光硬化型インクジェットインクがホワイトインクであり、前記上層用光硬化型インクジェットインクが、ブラックインク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクの何れかである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化型インクジェットインクセット。
- 被記録媒体に請求項1〜7のいずれか1項に記載の下層用光硬化型インクジェットインクを吐出して塗膜を形成する第1の工程と、前記吐出した下層用光硬化型インクジェットインクに紫外線を照射して硬化する工程と、
該硬化した下層用光硬化型インクジェットインクの上に請求項1〜7のいずれか1項に記載の上層用光硬化型インクジェットインクを吐出して塗膜を形成する第2の工程と、前記吐出した上層用光硬化型インクジェットインクに紫外線を照射して硬化させる工程と、を含むインクジェット記録方法。 - 前記照射を紫外線発光ダイオードにより行う、請求項8に記載のインクジェット記録方法。
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