JP6894716B2 - 活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤 Download PDF

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本発明は、活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤に関する。さらに詳しくは、指紋や皮脂などの汚れに対して優れた防汚性を有する活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤に関する。
従来、液晶テレビや携帯電話などの液晶ディスプレイ表面には、傷付きを防止するためのハードコート層を有する各種プラスチックフィルムが使用されている。
しかし、近年、画面上の表示を押さえることで操作が可能となるタッチパネルディスプレイの普及に伴い、指紋や皮脂の付着による視認性の低下が問題となっており、耐傷付き性だけでなく、指紋や皮脂による汚れを見えにくくし、汚れを拭き取りやすくする性能(以下、耐指紋性と略記)が強く要望されている。
耐指紋性を付与するために、例えばフッ素系のアクリレートの使用(例えば特許文献1)、ポリアルキレングリコールジアクリレートの使用(例えば特許文献2)が提案されている。
特開2004−035845号公報 特許5757065号公報
しかしながら、特許文献1記載の耐指紋性付与剤は、指紋や皮脂の拭き取り性は向上するものの、塗膜表面に付着した指紋や皮脂汚れが油滴状となることにより、光が散乱し、指紋や皮脂の付着汚れが余計に目立つといった問題がある。
また、特許文献2記載の耐指紋性付与剤は、耐指紋性については優れた効果を発揮するが、耐指紋性付与剤として使用するポリアルキレングリコールジアクリレートの使用量が多く必要となり、耐傷付き性が低下するという問題がある。
本発明の目的は、少量で優れた耐指紋性を発現でき、硬化塗膜の耐傷付き性を低下させることなく耐指紋性を付与できる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明は、下記一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物(A)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤であって、該(X)中の該(A)は70重量%以上である活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X);該(X)と、(メタ)アクリロイル基を2〜12個有する多官能(メタ)アクリレート(B)とを含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)である。
一般式(1):
CH=C(R)−C(=O)O−(a0)−O−(b0)
[式中、RはHまたはメチル基;(a0)は、(ポリ)アルキレン(アルキレンの炭素数が2〜4)グリコール(a)から水酸基を除いた残基;(b0)は、炭素数1〜36の1価アルコール(b)から水酸基を除いた残基を表す。前記(b)が、炭素数8〜36の分岐型1価アルコールである。
本発明の活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X)は下記の効果を奏する。
(1)硬化物に少量で優れた耐指紋性を付与する。
(2)硬化物が耐傷付き性に優れる。
(3)硬化物が透明性に優れる。
<単官能(メタ)アクリレート化合物(A)>
本発明における単官能(メタ)アクリレート化合物(A)は、下記一般式(1)で表される。

一般式(1):
CH2=C(R1)−C(=O)O−(a0)−O−(b0)
一般式(1)中、R1はHまたはメチル基;(a0)は、(ポリ)アルキレン(アルキレンの炭素数が2〜4)グリコール(a)から水酸基を除いた残基;(b0)は、炭素数1〜36の1価アルコール(b)から水酸基を除いた残基を表す。
前記一般式(1)中、(a0)は(ポリ)アルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4)グリコール(a)から水酸基を除いた残基を表す。
(ポリ)アルキレングリコール(a)としては、例えば(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコールがあげられる。
上記(a)のうち、耐指紋性の観点から(ポリ)プロピレングリコールが好ましい。
(ポリ)アルキレングリコール(a)の数平均分子量(以下、Mnと略記)は、例えば、200以上であり、耐指紋性と硬化物の透明性の観点から好ましくは400〜10,000、さらに好ましくは800〜8,000、特に好ましくは1,000〜6,000、最も好ましくは1,500〜4,000である。該(a)中のオキシプロピレン量は、耐指紋性の観点から、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
本発明におけるMnは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法によって、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランを溶媒として、標準ポリスチレンを基準にして測定される。
前記一般式(1)中、(b0)は炭素数[以下、Cと略記することがある]1〜36の1価アルコール(b)から水酸基を除いた残基を表す。
炭素数[以下、Cと略記することがある]1〜36の1価アルコール(b)としては、直鎖型アルキルアルコール(b1)と分岐型アルキルアルコール(b2)が挙げられる。
該(b)の炭素数は、1〜36であり、耐指紋性および硬化物の耐傷付き性の観点から、好ましくは8〜32、さらに好ましくは12〜28である。
(b1)直鎖型アルキルアルコール:
C1〜36のもの、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコール、n−デシルアルコール、n−ウンデシルアルコール、n−ドデシルアルコール、n−トリデシルアルコール、n−テトラデシルアルコール、n−ペンタデシルアルコール、n−ヘキサデシルアルコール、n−ヘプタデシルアルコール、n−オクタデシルアルコール、n−ノナデシルアルコール、n−エイコシルアルコール、n−ドコシルアルコール、n−テトラコシルアルコール、n−ヘキサイコシルアルコール、n−オクタイコシルアルコール、n−トリアコンチルアルコール、n−ドトリアコンチルアルコール、n−テトラトリアコンチルアルコール、n−ヘキサトリアコンチルアルコール;
(b2)分岐型アルキルアルコール:
C8〜36のもの、例えば2−エチルヘキシルアルコール、2−ブチルオクチルアルコール、2−ブチルデシルアルコール、2−ヘキシルオクチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、2−オクチルデシルアルコール、2−ヘキシルドデシルアルコール、2−オクチルドデシルアルコール、2−デシルテトラデシルアルコール、2−ドデシルヘキサデシルアルコール、2−テトラデシルオクタデシルアルコール、2−ヘキサデシルイコシルアルコール。
上記(b)のうち、耐指紋性付与の観点から、好ましいのは(b2)、さらに好ましいのは2−ブチルオクチルアルコール、2−ブチルデシルアルコール、2−ヘキシルオクチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、2−オクチルデシルアルコール、2−ヘキシルドデシルアルコール、2−オクチルドデシルアルコール、2−デシルテトラデシルアルコール、2−ドデシルヘキサデシルアルコール、2−テトラデシルオクタデシルアルコール、とくに好ましいのは2−ブチルデシルアルコール、2−ヘキシルオクチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、2−オクチルデシルアルコール、2−ヘキシルドデシルアルコール、2−オクチルドデシルアルコール、2−デシルテトラデシルアルコールである。
本発明における単官能(メタ)アクリレート化合物(A)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、耐指紋性と硬化物の透明性の観点から、好ましくは1,500〜15,000、さらに好ましくは2,000〜10,000、とくに好ましくは2,500〜5,000である。
なお、本発明におけるMwは、前述のMnと同様にGPCによって、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランを溶媒として、標準ポリスチレンを基準にして測定される。
本発明における単官能(メタ)アクリレート化合物(A)の製造方法としては、例えば、1価アルコール(b)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜4)付加物と、(メタ)アクリル酸とを、必要によりエステル化触媒を加えて、エステル化反応する方法が挙げられる。
<活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X)>
本発明の活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X)は、前記単官能(メタ)アクリレート化合物(A)を含有してなる。該(X)中の該(A)は、耐指紋性の観点から、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
また、前記(A)以外に、硬化物の耐傷付性、透明性を損ねない範囲でアルキル変性(ポリ)アルキレンオキサイドを含有していてもよい。
該(X)は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)の耐指紋性付与剤として好適に用いられる。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)>
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)は、前記活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X)と、後述の(メタ)アクリロイル基を2〜12個有する多官能(メタ)アクリレート(B)とを含有する。
<多官能(メタ)アクリレート(B)>
本発明における多官能(メタ)アクリレート(B)は(メタ)アクリロイル基を2〜12個有する。
該(メタ)アクリロイル基が2個より少ない場合、硬化物の耐傷付性が悪くなる場合があり、12個より多い場合は硬化物の透明性が悪くなる場合がある。
多官能(メタ)アクリレート(B)としては、C7〜C52の多官能(メタ)アクリレート(B1)、多官能ウレタン(メタ)アクリレート(B2)、多官能ポリエステル(メタ)アクリレート(B3)、およびこれらの混合物が挙げられる。
(B1)C7〜C52の多官能(メタ)アクリレート:
(B1)としては、2官能(メタ)アクリレート(B11)、3〜12官能(メタ)アクリレート(B12)が挙げられる。
(B11)としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下、EOと略記することがある)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート;
(B12)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのC2〜C4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのC2〜C4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;
(B2)多官能ウレタン(メタ)アクリレート:
多官能ウレタン(メタ)アクリレート(B2)は、イソシアネートに水酸基を有する2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られる化合物であれば特に限定されず、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を触媒として金属系化合物(例えばスズ系)存在下で反応させることによって得ることができる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート(B2)の原料となるイソシアネートとしては特に限定されず、(A)と同様の原料が使用できる。水酸基を有する2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としても特に限定はなく、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール、ソルビタン等の四価のアルコールのトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等の六価のアルコールのペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も用いることができる。
(B3)多官能ポリエステル(メタ)アクリレート:
多官能ポリエステル(メタ)アクリレートは、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
多官能ポリエステル(メタ)アクリレート(B3)の構成単位である多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエーテルグリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール;ビスフェノールのアルキレンオキサイド[EO、プロピレンオキサイド(PO)、ブチレンオキサイド(BO)]付加物(平均付加モル数2〜8)、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多官能ポリエステル(メタ)アクリレート(B3)の構成単位である多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバンチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、アコニット酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等、またはこれらの酸の無水物もしくは低級アルキルエステル等が挙げられる。
上記の多官能(メタ)アクリレート(B)のうち硬化物の耐傷付き性の観点から好ましいのは(B1)、(B2)、さらに好ましいのは(B1)、とくに好ましいのはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、最も好ましいのはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。
前記多官能(メタ)アクリレート(B)の重量に基づく、前記単官能(メタ)アクリレート化合物(A)の含有量は、耐指紋性付与および硬化物の透明性の観点から好ましくは0.1%〜5.0%、さらに好ましくは0.5%〜4.0%、とくに好ましくは1.0%〜3.0%である。
<その他の不飽和モノマー(C)>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)は、前記活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(A)、前記多官能(メタ)アクリレート(B)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりその他の不飽和モノマー(C)を併用することができる。
その他の不飽和モノマー(C)としては、以下の(C1)〜(C3)、およびこれらの混合物が挙げられる。
(C1)C3〜C35の単官能(メタ)アクリレート:
(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、2,3−ジメチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、n−ドコシル(メタ)アクリレート、n−テトラコシル(メタ)アクリレート、n−ヘキサイコシル(メタ)アクリレート、n−オクタイコシル(メタ)アクリレート、n−トリアコンチル(メタ)アクリレート、n−ドトリアコンチル(メタ)アクリレート、n−テトラトリアコンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキサトリアコンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、等;
(C2)ビニル基を有する化合物:
ビニル基を有する化合物(C2)としては、1個のビニル基を有する化合物(C21)、、2個以上(好ましくは2〜6個)のビニル基を有する化合物(C22)が挙げられる。
(C21)1個のビニル基を有するC2〜C35の化合物
例えば、ビニルアミン、N−メチルビニルアミン、N−エチルビニルアミン、N−プロピルビニルアミン、N−n−ブチルビニルアミン、N−t−ブチルビニルアミン、N−ブトキシメチルビニルアミン、N−イソプロピルビニルアミン、N−メチロールビニルアミン、N,N−ジメチルビニルアミン及びN,N−ジエチルビニルアミン、N−ビニルモルホリン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、tert−オクチルビニルエーテル、2,3−ジメチルヘキシルビニルエーテル、イソアミルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、イソデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、イソステアリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4−n−ブチルシクロへキシルビニルエーテル、ボルニルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、2−エチルヘキシルジグリコールビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、4−ブロモブチルビニルエーテル、シアノエチルビニルエーテル、ブトキシメチルビニルエーテル、メトキシプロピレンモノビニルエーテル、3−メトキシブチルビニルエーテル、アルコキシメチルビニルエーテル、2−エチルへキシルカルビトールビニルエーテル、アルコキシエチルビニルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エチルビニルエーテル、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルビニルエーテル、2,2,2−テトラフルオロエチルビニルエーテル、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルビニルエーテル、4−ブチルフェニルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、2,4,5−テトラメチルフェニルビニルエーテル、4−クロロフェニルビニルエーテル、フェノキシメチルビニルエーテル、フェノキシエチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、グリシジロキシブチルビニルエーテル、グリシジロキシエチルビニルエーテル、グリシジロキシプロピルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノプロピルビニルエーテル、ジエチルアミノプロピルビニルエーテル、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、トリメチルシリルプロピルビニルエーテル、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテルビニルエーテル、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテルビニルエーテル、ポリエチレンオキサイドビニルエーテル、オリゴエチレンオキサイドビニルエーテル、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテルビニルエーテル、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテルビニルエーテル、ジプロピレングリコールビニルエーテル、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテルビニルエーテル、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテルビニルエーテル、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、ブトキシジエチレングリコールビニルエーテル、トリフロロエチルビニルエーテル、パーフロロオクチルエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルビニルエーテル、EO変性フェノールビニルエーテル、EO変性クレゾールビニルエーテル、EO変性ノニルフェノールビニルエーテル、PO変性ノニルフェノールビニルエーテル及びEO変性−2−エチルヘキシルビニルエーテル等;
(C22)2〜6個のビニル基を有するC8〜C50の化合物:
例えば、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,10−デカンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、ブチルエチルプロパンジオールジビニルエーテル、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、オリゴエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジビニルエーテル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、EO変性ビスフェノールAジビニルエーテル、EO変性ビスフェノールFジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジペンタエリスルトールトリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリ(ビニルオキシプロピル)エーテル、ソルビトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールのC2〜C4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のトリビニルエーテル、エトキシ化グリセリントリビニルエーテル、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ペンタエリスリトールのC2〜C4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ソルビトールヘキサビニルエーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等。
(C3)アリル基を有する化合物:
アリル基を有する化合物(C3)としては、1個のアリル基を有する化合物(C31)、2〜6個のアリル基を有する化合物(C32)、2官能以上のウレタンアリルエーテル(C33)、2官能以上のポリエステルアリルエーテル(C34)が挙げられる。
(C31)1個のアリル基を有するC3〜C35の化合物:
例えば、アリルアミン、N−メチルアリルアミン、N−エチルアリルアミン、N−プロピルアリルアミン、N−n−ブチルアリルアミン、N−t−ブチルアリルアミン、N−ブトキシメチルアリルアミン、N−イソプロピルアリルアミン、N−メチロールアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン及びN,N−ジエチルアリルアミン、N−アリルモルホリン、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、tert−ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、2−エチルヘキシルアリルエーテル、tert−オクチルアリルエーテル、2,3−ジメチルヘキシルアリルエーテル、イソアミルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、イソデシルアリルエーテル、ステアリルアリルエーテル、イソステアリルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、4−n−ブチルシクロへキシルアリルエーテル、ボルニルアリルエーテル、イソボルニルアリルエーテル、ベンジルアリルエーテル、2−エチルヘキシルジグリコールアリルエーテル、ブトキシエチルアリルエーテル、2−クロロエチルアリルエーテル、4−ブロモブチルアリルエーテル、シアノエチルアリルエーテル、ブトキシメチルアリルエーテル、メトキシプロピレンモノアリルエーテル、3−メトキシブチルアリルエーテル、アルコキシメチルアリルエーテル、2−エチルへキシルカルビトールアリルエーテル、アルコキシエチルアリルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアリルエーテル、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアリルエーテル、2,2,2−テトラフルオロエチルアリルエーテル、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルアリルエーテル、4−ブチルフェニルアリルエーテル、フェニルアリルエーテル、2,4,5−テトラメチルフェニルアリルエーテル、4−クロロフェニルアリルエーテル、フェノキシメチルアリルエーテル、フェノキシエチルアリルエーテル、グリシジルアリルエーテル、グリシジロキシブチルアリルエーテル、グリシジロキシエチルアリルエーテル、グリシジロキシプロピルアリルエーテル、テトラヒドロフルフリルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−ヒドロキシブチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、ジメチルアミノエチルアリルエーテル、ジエチルアミノエチルアリルエーテル、ジメチルアミノプロピルアリルエーテル、ジエチルアミノプロピルアリルエーテル、トリメトキシシリルプロピルアリルエーテル、トリメトキシシリルプロピルアリルエーテル、トリメチルシリルプロピルアリルエーテル、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテルアリルエーテル、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテルアリルエーテル、ポリエチレンオキサイドアリルエーテル、オリゴエチレンオキサイドアリルエーテル、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテルアリルエーテル、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテルアリルエーテル、ジプロピレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテルアリルエーテル、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテルアリルエーテル、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、ブトキシジエチレングリコールアリルエーテル、トリフロロエチルアリルエーテル、パーフロロオクチルエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアリルエーテル、EO変性フェノールアリルエーテル、EO変性クレゾールアリルエーテル、EO変性ノニルフェノールアリルエーテル、PO変性ノニルフェノールアリルエーテル及びEO変性−2−エチルヘキシルアリルエーテル;
(C32)2〜6個のアリル基を有するC3〜C35の化合物:
例えば、1,6−ヘキサンジオールジアリルエーテル、1,10−デカンジオールジアリルエーテル、ネオペンチルグリコールジアリルエーテル、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジアリルエーテル、ブチルエチルプロパンジオールジアリルエーテル、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジアリルエーテル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、オリゴエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジアリルエーテル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアリルエーテル、EO変性ビスフェノールAジアリルエーテル、EO変性ビスフェノールFジアリルエーテル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル、オリゴプロピレングリコールジアリルエーテル、1,4−ブタンジオールジアリルエーテル、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジアリルエーテル、1,9−ノナンジオールジアリルエーテル、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、トリメチロールエタントリアリルエーテル、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジペンタエリスルトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(アリルオキシプロピル)エーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールのC2〜C4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のトリアリルエーテル、エトキシ化グリセリントリアリルエーテル、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ソルビトールテトラアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ペンタエリスリトールのC2〜C4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のテトラアリルエーテル、ソルビトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、ソルビトールヘキサアリルエーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル;
2官能以上(好ましくは2〜8官能、さらに好ましくは2官能)のウレタンアリルエーテル(C33)は、イソシアネートに水酸基を有するアリルアルコール誘導体を反応させることにより得られる化合物であれば特に限定されず、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有するアリルアルコール誘導体2当量を触媒として金属系化合物(例えばスズ系)存在下で反応させることによって得ることができる。
2官能以上のウレタンアリルエーテル(C33)の原料となるイソシアネートとしては特に限定されず、前述の(A)の原料で使用されるイソシアネートが使用できる。
2官能以上のウレタンアリルエーテル(C33)の原料となる水酸基を有するアリルアルコール誘導体としても特に限定はなく、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、2−ヒドロキシブチルアリルエーテルやエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノアリルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノアリルエーテル又はジアリルエーテル、ビスフェノールA変性エポキシアリルエーテル等のエポキシアリルエーテル等が挙げられる。
2官能以上(好ましくは2〜8官能、さらに好ましくは2官能)のポリエステルアリルエーテル(C34)は、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基をアリルブロミドでエーテル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基をアリルブロミドでエーテル化することにより得ることができる。
2官能以上のポリエステルアリルエーテル(C34)の構成単位である多価アルコール、多価カルボン酸としては特に限定されず、前述の多官能ポリエステル(メタ)アクリレート(B3)で使用される多価アルコール、多価カルボン酸が使用できる。
上記、その他の不飽和モノマー(C)の含有量は、前記活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X)と前記多官能(メタ)アクリレート(B)の合計重量に基づいて、通常20%以下、耐指紋性付与、耐傷付性および透明性の観点から、好ましくは0.1%〜10%、さらに好ましくは0.5%〜5%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)は有機溶剤(D)で希釈されても良い。有機溶剤(D)としては、例えば芳香族炭化水素溶剤(D1)、脂肪族炭化水素溶剤(D2)、ハロゲン化炭化水素溶剤(D3)、エステル溶剤(D4)、エーテル溶剤(D5)、ケトン溶剤(D6)、アルコール溶剤(D7)およびこれらの混合物が挙げられる。
(D1)芳香族炭化水素溶剤:
例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン;
(D2)脂肪族炭化水素溶剤:
例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン;
(D3)ハロゲン化炭化水素溶剤
例えば、塩化メチル、ヨウ化メチル、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン;
(D4)エステル溶剤:
例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ピルビン酸メチル及びピルビン酸エチル;
(D5)エーテル溶剤
例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノエチルエーテル;
(D6)ケトン溶剤
例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン及びシクロヘキサノン;
(D7)アルコール溶剤
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール及びトリフルオロエタノール。
上記有機溶剤(D)としては、溶解度パラメーター(以下SP値と略記)が8.0〜9.5であることが好ましい。溶解度パラメーターが8.0より小さい場合前記多官能(メタ)アクリレート(B)が、9.5より大きいと前記単官能(メタ)アクリレート化合物(A)が、それぞれ溶解せずに白濁するため、硬化後の透明性が低下する場合がある。
有機溶剤(D)のうち、硬化後の透明性、耐指紋性および塗工時の省エネルギー性の観点から好ましくは、(D4)、(D5)、(D6)、さらに好ましくは、(D4)、(D6)、特に好ましくは(D6)、最も好ましくはメチルエチルケトンである。
有機溶剤(D)の含有量は、硬化物の透明性および工業上の観点から、前記(A)と(B)との合計重量に基づいて、好ましくは1〜50%、さらに好ましくは5〜40%、とくに好ましくは10〜30%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により、光重合開始剤(e1)、レベリング剤(e2)、酸化防止剤(e3)、紫外線吸収剤(e4)およびフィラー(e5)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(e)を含有してもよい。
光重合開始剤(e1)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン、1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、1,2−オクタンジオン−1−(4−[フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
レベリング剤(e2)としては、ポリジメチルシロキサン、その共重合物、ポリジメチルシロキサン骨格を有するアクリルポリマー、ポリジメチルシロキサン骨格を有するウレタンポリマー、及びこれらにアクリロイル基やメタクリロイル基を導入し、活性エネルギー線反応性を付与した化合物等が挙げられる。
酸化防止剤(e3)としては、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、オクチル化ジフェニルアミン、2,4,−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
紫外線吸収剤(e4)としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ペンチルベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−s−ブチル−5’−t−ブチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3−ドデシル−5’−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)]−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコール等が挙げられる。
フィラー(e5)としては、シリカ、アルミナ及びこれらにアクリロイル基やメタクリロイル基を導入し、活性エネルギー線反応性を付与した化合物等が挙げられる。
これらの添加剤(e)は、1種類または2種類以上併用できる。添加剤(e)の添加量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)の重量に基づいて、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
<硬化物(P)>
本発明の硬化物(P)は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)が硬化したものである。すなわち、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)は、活性エネルギー線により硬化されて硬化物となる。該活性エネルギー線としては、例えば紫外線、電子線が挙げられる。
該紫外線を照射する場合、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。紫外線の照射量は、好ましくは、30〜2,000mJ/cm2である。照射量が30mJ/cm2未満では硬化性組成物の硬化が不十分となり、2,000mJ/cm2を超えると、硬化物が黄変劣化する場合がある。
該電子線を照射する場合、公知の電子線照射装置を使用することができる。電子線の照射量は、好ましくは1〜10Mradである。照射量が1Mrad未満では、硬化性組成物の硬化が不十分となり、10Mradを超えると硬化物が劣化する場合がある。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)は、硬化物に耐指紋性、耐傷付性、透明性を付与することができる。
このため、該組成物、該硬化物は、光学レンズ(プリズムシート、コリメーターレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、後反射レンズ、ホログラム等)、加飾フィルム用コーティング剤、ハードコートフィルム、反射防止フィルム、化粧シート(建築物の床面、壁面、天井等の内装材等)等の用途に有用である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例において部は重量部、%は重量%を表す。
<実施例1>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2-ブチルオクタノール[商品名「ISOFOL 12」、SASOL製]675部及び水酸化ナトリウム1.6部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド7250部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.048部、硫酸0.36部、アクリル酸652部及びトルエン1510部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−1)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−1)を得た[Mw=2.2×103]。
<実施例2>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2−デシルテトラデカノール[商品名「ISOFOL 24」、SASOL製]121部及び水酸化ナトリウム0.15部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド682部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0045部、硫酸0.033部、アクリル酸61.4部及びトルエン153部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−2)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−2)を得た[Mw=2.4×103]。
<実施例3>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2−ヘキサデシルイコサノール[商品名「ISOFOL 36」、SASOL製]169部及び水酸化ナトリウム0.15部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド647部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0043部、硫酸0.032部、アクリル酸58.2部及びトルエン154部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−3)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−3)を得た[Mw=2.6×103]。
参考例4>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、ステアリルアルコール[商品名「カルコール 8098」、花王(株)製]95.2部及び水酸化ナトリウム0.16部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド706部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0047部、硫酸0.035部、アクリル酸63.5部及びトルエン153部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−4)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−4)を得た[Mw=2.3×10]。
<実施例5>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2−デシルテトラデカノール(社製 JIS試薬特級)29.4部及び水酸化ナトリウム0.037部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド166部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0011部、硫酸0.0081部、アクリル酸14.9部及びトルエン37.1部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−5)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−5)を得た[Mw=2.4×103]。
<実施例6>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2-ブチルオクタノール[商品名「ISOFOL 12」、SASOL製]100部及び水酸化ナトリウム0.24部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。エチレンオキシド803部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、同温度で1時間熟成した。次いでプロピレンオキシド809部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0071部、硫酸0.053部、アクリル酸96.6部及びトルエン319部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−6)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−6)を得た[Mw=3.2×103]。
<実施例7>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2-ブチルオクタノール[商品名「ISOFOL 12」、SASOL製]131部及び水酸化ナトリウム0.32部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド1060部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、同温度で1時間熟成した。次いでエチレンオキシド1050部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0093部、硫酸0.069部、アクリル酸127部及びトルエン418部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−7)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−7)を得た[Mw=3.2×103]。
<実施例8>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2-ブチルオクタノール[商品名「ISOFOL 12」、SASOL製]173部及び水酸化ナトリウム0.32部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド1060部とエチレンオキシド1050部の混合物を100℃で2時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0093部、硫酸0.069部、アクリル酸127部及びトルエン426部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−8)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−8)を得た[Mw=2.5×103]。
<実施例9>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2−デシルテトラデカノール(社製 JIS試薬特級)87部及び水酸化ナトリウム0.11部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド975部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0032部、硫酸0.024部、アクリル酸44.2部及びトルエン195部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−9)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−9)を得た[Mw=4.4×103]。
<実施例10>
温度計、攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、2−ヘキサデシルイコサノール[商品名「ISOFOL 36」、SASOL製]101部及び水酸化ナトリウム0.087部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、100℃に昇温した。プロピレンオキシド387部を100℃で1時間かけて吹き込み反応した後、180℃に昇温し180℃で2時間熟成した後、25℃に冷却した。
温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノン0.0026部、硫酸0.019部、メタクリル酸41.6部及びトルエン93.5部を仕込み、115℃に昇温した。この温度で、生成水分離器に生成水が分離しなくなるまで、反応を継続した後、0.1kPa、115℃でトルエンを留去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(A−10)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X−10)を得た[Mw=2.6×103]。
<比較例1>
攪拌装置、加熱冷却装置、温度計、分水管を備えた反応容器に、2−ヘキシルデカノール[商品名「ISOFOL 16」SASOL製]790部とメタクリル酸330部を仕込み(モル比1:2)、これに触媒としてパラトルエンスルホン酸を8部、重合禁止剤としてハイドロキノン0.8部加えた。反応温度125〜135℃にて生成水を分水管により連続的に系外へ除去しながら常圧で2時間エステル化反応させた。
さらに30〜40kPaの減圧下で1時間反応させた後、0.1kPaで過剰のメタクリル酸を溜去した。
次いで25℃まで冷却して、化合物(比A−1)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(比X−1)を得た[Mw=3.1×102]。
<実施例10〜12、14〜31、参考例13、比較例2〜4>
表1に記載の配合組成(部)に従って、一括で配合し、ディスパーサーで均一になるまで撹拌し、各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
次に、各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[商品名「コスモシャインA4300」、東洋紡(株)製、以下A4300と略す。]に、アプリケーターを用いて膜厚が10μmとなるように塗布して、温風で溶剤を乾燥した後、窒素雰囲気下で、EB試験機(EC250:(株)アイ・エレクトロンビーム製)にて照射量4Mradで硬化し、硬化物を得た。
なお、実施例31の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物については、得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を上記条件と同様に塗布し、温風で溶剤を乾燥した後、窒素雰囲気下で、ベルトコンベア式UV照射装置[アイグラフィックス(株)製「ECS−151U」、以下の評価にも同じ装置を用いた。]にて露光量500mJ/cmで硬化し、硬化物を得た。
上記の硬化物を下記の評価方法に従って、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006894716
表1中の略号は以下のとおり。
DPHA(B−1):
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[商品名「NKエステル A−DPH」、新中村化学(株)製]
PETA(B−2):
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
[商品名「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製]
U−10PA(B−3):
ウレタンアクリレート[商品名「NKオリゴ U−10PA」、新中村化学(株)製]
ACMO(C−1):
アクリロイルモルホリン
[商品名「ACMO」、KJケミカルズ(株)製]
DMAA(C−2):
ジメチルアクリルアミド
[商品名「DMAA」、KJケミカルズ(株)製]
STMA(C−3):
ステアリルメタクリレート
[商品名「ライトエステルS」、共栄社化学(株)製]
PPGMM(C−4):
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート
[商品名「ブレンマー PP−500」、日油(株)製]
MAPO(e1−1):
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
[商品名「LUCIRIN TPO」、BASF(株)製]
[評価方法]
(1)鉛筆硬度試験[耐傷付性の評価]
JIS K5600に準じ硬度の異なる鉛筆で該被覆物の硬化膜面を引っ掻き、傷の付
き具合を下記の基準で評価した。
<評価基準>
×: F以下の鉛筆で傷が付くもの
△: Hの鉛筆では傷がつかないが、2Hの鉛筆では傷が付くもの
○:2Hの鉛筆では傷が付かないが、3Hの鉛筆では傷が付くもの
◎:3Hの鉛筆では傷が付かないが、4Hの鉛筆では傷が付くもの
(2)スチールウール試験[耐傷付性の評価]
スチールウール#0000を用い、硬化膜面を300g/cm2荷重にて10往復擦り後、外観を目視により下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:全く擦り傷が付かない。
○:擦り傷がわずか。
△:擦り傷あり。
×:多数の擦り傷があり。
(3)指紋付着性試験 [耐指紋性の評価]
硬化物の表面に右手親指を10秒間押し付けて指紋を付着させ、A4300に同様の方法で付着させた指紋との比較により、その視認性について目視による官能試験を下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:指紋が「A4300」よりも明らかに目立ち難かった。
○:指紋が「A4300」よりも目立ち難かった。
△:指紋が「A4300」と同程度。
×:指紋が「A4300」より、目立っていた。
(4)指紋拭き取り性試験 [耐指紋性の評価]
上記試験(3)後の指紋を付着させた塗膜に対し、キムタオル[日本製紙クレシア(株)]で一方向に往復して指紋が目視できなくなるまで拭取り、指紋の拭き取り性を下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:塗膜面に付着した指紋が確認できなくなるまで、2往復以内。
○:塗膜面に付着した指紋が確認できなくなるまで、3〜5往復。
△:塗膜面に付着した指紋が確認できなくなるまで、6〜10往復。
×:11往復でも指紋が目視できる。
(5)ヘーズ(%)[透明性の評価]
JIS−K7136に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いてヘーズを測定した。
表1の結果から、本発明の活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤は、比較のものに比べ、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物に、優れた耐傷付性、耐指紋性、透明性を付与することがわかる。
本発明の活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物に、優れた耐傷付き性、耐指紋性、透明性を付与できる。このため、光学レンズ(プリズムシート、コリメーターレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、後反射レンズ、ホログラム等)、加飾フィルム用コーティング剤、ハードコートフィルム、反射防止フィルム、化粧シート(建築物の床面、壁面、天井等の内装材等)等の用途に幅広く用いることができ、極めて有用である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物(A)を含有してなる活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤であって、該(X)中の該(A)は70重量%以上である活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X)
    一般式(1):
    CH=C(R)−C(=O)O−(a0)−O−(b0)
    [式中、RはHまたはメチル基;(a0)は、(ポリ)アルキレン(アルキレンの炭素数が2〜4)グリコール(a)から水酸基を除いた残基;(b0)は、炭素数1〜36の1価アルコール(b)から水酸基を除いた残基を表す。前記(b)が、炭素数8〜36の分岐型1価アルコールである。
  2. 前記(A)の重量平均分子量が1,000〜15,000である請求項記載の活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤。
  3. 請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型耐指紋性付与剤(X)と、(メタ)アクリロイル基を2〜12個有する多官能(メタ)アクリレート(B)とを含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、前記(B)の重量に基づく、(A)の含有量が0.1重量%〜5.0重量%である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)
  4. 請求項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(Y)が硬化した硬化物(P)。
  5. 光学レンズ、加飾フィルム、化粧シート、ハードコートフィルムまたは反射防止フィルムである請求項記載の硬化物。
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