JP6890957B2 - インク組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタリック顔料を含有するインク組成物の製造方法に関する。
近年、金属光沢を有する画像を形成できるインク、いわゆるメタリックインクの開発が進められている。メタリックインクに用いる顔料(メタリック顔料)としては、アルミニウム顔料が用いられることが多い。また、環境配慮や作業者の安全性の観点から、有機溶剤の排出量を低減できる水系インク組成物の開発が望まれている。
しかしながら、アルミニウム顔料は、水中に分散させると水との反応によって酸化物を形成することで白色化または透明化してしまい、金属光沢が損なわれるという課題があった。
特許文献1には、白色化および透明化を抑制するために、アルミニウム顔料の耐水性を向上させた耐水化アルミニウム顔料分散液が記載されている。
特開2010−202815号公報
特許文献1には、破砕等によってアルミニウム顔料を生成する工程をリン酸エステル型界面活性剤を含む有機溶剤中で行うことで、アルミニウム顔料の耐水性を向上させることが記載されている。しかしながら、特許文献1の方法では白色化および透明化の抑制は不十分であり、依然課題となっていた。
そこで本発明では、上述の課題に鑑み、耐水性を十分に向上させたメタリック顔料を含有するインク組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、インク組成物の製造方法であって、金属アルミニウムまたはアルミニウム合金を含有する粒子を準備する第1の工程と、縮合リン酸アルミニウムを含有する液体と前記粒子とを接触させることによって、前記粒子の表面に縮合リン酸アルミニウムを含む被膜を形成したメタリック顔料を得る第2の工程と、前記メタリック顔料と、水と、を混合する第3の工程と、有することを特徴とする。
本発明によれば、耐水性を十分に向上させたメタリック顔料を含有するインク組成物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対して適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれる。
[メタリック顔料]
本実施形態に係るメタリック顔料は、金属アルミニウムまたはアルミニウム合金を含有する粒子(以下、「アルミニウム含有粒子」と称する)を含有し、前記粒子の表面にリン酸アルミニウムまたは縮合リン酸アルミニウムを含有する。本明細書においてメタリック顔料とは、メタリック顔料を液体中に分散させた分散液を用いて塗膜を形成した際に金属光沢を有する塗膜を形成できる顔料である。
(アルミニウム含有粒子)
アルミニウム含有粒子は、金属アルミニウムまたはアルミニウム合金を含有する粒子であり、金属アルミニウムを含有する粒子であることが好ましい。アルミニウム合金とは、アルミニウムを主成分とする合金であり、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti、V、Bi、Pb、Zr、Siなどの金属元素や非金属元素を含有する。なお、本実施形態におけるアルミニウム合金は、アルミニウム含有粒子が金属光沢を呈するような合金であれば特に限定はされない。また、本実施形態における「金属アルミニウムまたはアルミニウム合金」は、日本工業規格(JIS H4000)で規定されているA1000番台〜A8000番台等の一般的に使用されている純アルミニウムまたはアルミニウム合金であることが好ましい。
本実施形態に係るメタリック顔料は、アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムまたは縮合リン酸アルミニウムを含有する。アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを含有することで、アルミニウム含有粒子が水と反応して白色化または透明化することを抑制することができ、耐水性を向上させたメタリック顔料を実現することができる。
アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムまたは縮合リン酸アルミニウムを含有させることで耐水性を向上させることができるメカニズムを、本発明者らは以下のように推測している。アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを含有させると、アルミニウム含有粒子の粒子表面がリン酸アルミニウムで保護される。これにより、粒子表面におけるアルミニウム含有粒子に含有されるアルミニウムと水との反応が抑制され、アルミニウムと水の反応による水酸化物もしくは酸化物の形成が起こりにくくなる。そのため、アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを含有させることでアルミニウム含有粒子の耐水性を向上させることができると考えられる。
なお、特許文献1のようにリン酸エステル型界面活性剤を用いることによっても耐水性を向上させることができると考えられるが、下記のような理由から、その耐水性向上の効果は不十分であると考えられる。リン酸エステル型界面活性剤はかさ高い炭化水素基(例:アルキル基)を有している。リン酸エステル型界面活性剤を用いてアルミニウム含有粒子を表面処理した場合、かさ高い炭化水素基同士が立体的に反発するため、十分な量のリン酸エステル型界面活性剤がアルミニウム含有粒子の粒子表面に吸着することが困難となると考えられる。また、リン酸エステル型界面活性剤同士はアルミニウム含有粒子表面上では結合を生じにくいと考えられ、単分子層の形態で吸着層を形成していると推測され、吸着層の厚みが十分でないと考えられる。そのため、リン酸エステル型界面活性剤を用いた表面処理では、アルミニウム含有粒子の耐水性を十分に向上させることができないと考えられる。
一方、後述するように、本実施形態では、リン酸、ポリリン酸、リン酸アミン塩、ポリリン酸アミン塩、および、リン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも一つを含有する液体とアルミニウム含有粒子とを接触させて表面処理を行う。この表面処理によれば、アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを含有させることができる。本実施形態によれば、上述のリン酸系化合物はアルキル基のようなかさ高い基を有していないため、アルミニウム含有粒子の粒子表面近傍におけるリン酸系化合物同士の立体反発が少ないと考えられる。そのため、アルミニウム含有粒子の粒子表面に十分な量のリン酸化合物が吸着すると考えられる。また、リン酸系化合物同士はアルミニウム含有粒子表面上でリン酸基間の縮合反応が生じ、リン酸系化合物による三次元ネットワークが形成されると考えられる。その結果、本実施形態によれば、アルミニウム含有粒子の粒子表面にリン酸系化合物の縮合物を含む緻密な層もしくは被膜を形成することができると考えられる。その結果、アルミニウム含有粒子の耐水性を十分に向上させることができると考えられる。なお、これらの被膜は金属光沢性を損なわない程度の厚みである。
アルミニウム含有粒子は、その表面に、酸化アルミニウムやシリカなどの無機材料からなる被膜を有していてもよい。すなわち、アルミニウム含有粒子は、金属アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆うシェルと、を有するコアシェル型の顔料であってもよい。このときシェルは、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群から選択される少なくとも一つを含有する。このようにアルミニウム含有粒子の表面に無機材料からなる被膜を設けることで耐水性を向上させることができるが、この場合もアルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを含有させることで、耐水性をさらに向上させることができる。
メタリック顔料は、アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを含有する被膜を有することが好ましい。リン酸アルミニウムを含有する被膜によってアルミニウム含有粒子を覆うことで、耐水性をさらに向上させることができる。なお、アルミニウム含有粒子が上述のようなコアシェル型の顔料である場合には、シェルがリン酸アルミニウムを含有していることでリン酸アルミニウムを含有する被膜を形成していてもよいし、シェルの外側にリン酸アルミニウムを含有する被膜を有していてもよい。また、シェルがリン酸アルミニウムを含有するとともに、コアの表面のうちシェルに覆われていない部分がリン酸アルミニウムを含有することで、リン酸アルミニウムを含有する被膜を形成していてもよい。
(メタリック顔料の形状)
メタリック顔料の形状は、特に限定されるものではないが、粒状、板状、塊状、フレーク状(鱗片状)などの種々の形状のものを用いることができる。これらの中でも、塗膜に優れた金属光沢を与えるという観点から、板状またはフレーク状であることが好ましい。
メタリック顔料の平均粒径は、特に限定されるものではないが、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、メタリック顔料の平均粒径は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
メタリック顔料の平均粒径を0.5μm以上とすることで、製造工程での取り扱いを容易にすることができ、また、メタリック顔料が凝集しにくい傾向を示す。また、メタリック顔料の平均粒径を100μm以下とすることで、インクとして使用した場合に塗膜表面が荒れるのを防止できる。さらに、メタリック顔料の平均粒径を5μm以下とすることで、メタリック顔料をインクジェット用インクとして用いた場合に、吐出安定性を向上させることができる。なおメタリック顔料の平均粒径は、光散乱式粒度分布測定法によって測定して得られる体積基準の粒度分布に基づき、その体積平均を算出して求めることができる。
(その他添加成分)
メタリック顔料は、アルミニウム含有粒子のほかに、着色顔料を有していてもよい。メタリック顔料が着色顔料を有する場合には、アルミニウム含有粒子の表面に着色顔料が付着していることが好ましい。なお、本明細書における「アルミニウム含有粒子の表面に着色顔料が付着する」という表現は、着色顔料がアルミニウム含有粒子の表面に直接付着した形態に限定はされない。すなわち、アルミニウム含有粒子の表面に形成されている膜や付着している材料に着色顔料が付着した形態も含むものとする。着色顔料としては、従来公知の有彩色の色彩を付与する作用を有する顔料や、黒色や白色の色彩を付与する作用を有する顔料を用いることができる。メタリック顔料が着色顔料を有することで、メタリック顔料を着色メタリック顔料とすることができる。
[メタリック顔料の製造方法]
本実施形態に係るメタリック顔料の製造方法は、
[1]アルミニウム含有粒子を含有する粉末を準備する第1の工程と、
[2]リン酸、ポリリン酸、リン酸アミン塩、ポリリン酸アミン塩、第一リン酸金属塩、および、第二リン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも一つを含有する溶液と前記粉末とを接触させる第2の工程と、
を有する。
以下、各工程について説明する。
<第1の工程>
本工程では、アルミニウム含有粒子を含む粉末を準備する。アルミニウム顔料粒子の形状は特に限定はされず、粒状、板状、塊状、フレーク状(鱗片状)のいずれかの形状であってもよい。なお、上述のとおりメタリック顔料の形状は塗膜に優れた金属光沢を与えるという観点から板状またはフレーク状であることが好ましいから、本工程で準備するアルミニウム含有粒子の形状も板状またはフレーク状であることが好ましい。
アルミニウム粉末を準備する方法については特に限定はされないが、例えば以下のような方法が挙げられる。
第1の方法として、アトマイズ法で粒状のアルミニウム含有粒子を含む粉末を形成する方法が挙げられる。
第2の方法として、粒状のアルミニウム含有粒子を含む粉末をボールミル等によって破砕して、板状またはフレーク状のアルミニウム含有粒子を含む粉末を形成する方法が挙げられる。
第3の方法として、基材上にアルミニウム膜を形成した後にアルミニウム膜を剥離して破砕することによって、板状またはフレーク状のアルミニウム含有粒子を含む粉末を形成する方法が挙げられる。基材上にアルミニウム膜を形成する方法としては、真空蒸着、イオンプレーティングまたはスパッタリング法を適用することが好ましい。
第2の方法における粒状のアルミニウム含有粒子を含む粉末、および第3の方法におけるアルミニウム膜はアルミニウム含有原料とみなすことができる。したがってこれらの方法は、アルミニウム含有原料を破砕することによって板状またはフレーク状のアルミニウム含有粒子を含む粉末を形成する方法である。
また、第4の方法として、市販のアルミニウム含有粒子を含む粉末(例えば尾池イメージング株式会社製アルミニウムリーフパウダー)を利用する方法が挙げられる。
<第2の工程>
本工程では、第1の工程で準備したアルミニウム含有粒子を含む粉末と下記のリン酸系化合物を含有する溶液とを接触させる。これにより、アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを含有するメタリック顔料を生成する。
(リン酸系化合物を含有する溶液)
本実施形態に係るリン酸系化合物は、リン酸、ポリリン酸、リン酸アミン塩、ポリリン酸アミン塩、および、リン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも一つである。これらのリン酸系化合物は、単独でまたはこれらの二つ以上を組み合わせて使用することができる。リン酸金属塩としては、第一リン酸金属塩または第二リン酸金属塩を用いることが好ましい。第一リン酸金属塩の具体例としては、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸カルシウム、第一リン酸亜鉛、第一リン酸チタニウムを挙げることができる。リン酸アミンの具体例としては、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第三リン酸アンモニウム、第一リン酸メチルアミン、第二リン酸メチルアミン、第三リン酸メチルアミン、第一リン酸エチルアミン、第二リン酸エチルアミン、第三リン酸エチルアミン、第一リン酸アルカノールアミン、第二リン酸アルカノールアミン、第三リン酸アルカノールアミンを挙げることができる。リン酸金属塩の具体例としては、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第一リン酸亜鉛、第二リン酸亜鉛、第一リン酸バリウム、第二リン酸バリウム、第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第一リン酸ガリウム、第二リン酸ガリウム、第一リン酸ランタン、第二リン酸ランタン、第一リン酸チタニウム、第二リン酸チタニウム、第一リン酸ジルコニウム、第二リン酸ジルコニウムを挙げることができる。
これらの中でも、本実施形態に係るリン酸系化合物としては、第一リン酸アルミニウムが好ましい。リン酸系化合物として第一リン酸アルミニウムを用いることで、アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを含有するメタリック顔料を効率的に生成することができる。
本実施形態に係るリン酸系化合物を含有する液体は、上述のリン酸系化合物を含有していれば特に限定はされない。上記液体の溶媒としては、水であってもよいし、アルコールなどの有機溶剤であってもよい。リン酸系化合物を含有する液体としては、上述のリン酸系化合物の水溶液であることが好ましい。
リン酸系化合物を含有する液体中のリン酸系化合物の含有量は、前記液体の全体を100質量%としたときに、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。前記液体におけるリン酸系化合物の含有量を0.01質量%以上とすることで、アルミニウム含有粒子の表面にリン酸アルミニウムを効率的に生成することができ、得られるメタリック顔料の耐水性を向上させることができる。また、リン酸系化合物の含有量を20質量%以下とすることで、メタリック顔料の金属光沢性が低下することを抑制することができる。
(接触方法)
アルミニウム含有粒子を含む粉末とリン酸系化合物を含有する液体とを接触させる方法は特に限定はされない。リン酸系化合物を含有する液体にアルミニウム含有粒子を含む粉末を投入して混合する方法がある。このとき、アルミニウム含有粒子を液体中に分散させておき、この液体とリン酸系化合物を含有する液体とを混合してもよい。
第1の工程がアルミニウム含有原料を破砕することによって板状またはフレーク状のアルミニウム含有粒子を含む粉末を形成する工程である場合には、第1の工程をリン酸系化合物を含有する液体中で行ってもよい。これにより、生成する板状またはフレーク状のアルミニウム含有粒子を含む粉末を、リン酸系化合物を含有する液体と接触させることができる。
アルミニウム含有粒子を含む粉末とリン酸系化合物を含有する液体とを接触させる前または接触させている最中に、液体またはアルミニウム含有粒子を加熱してもよい。または、アルミニウム含有粒子を含む粉末とリン酸系化合物を含有する液体とを接触させた後に、アルミニウム含有粒子を加熱してもよい。これにより、アルミニウム含有粒子の表面におけるリン酸系化合物の反応を促進し、アルミニウム含有粒子の表面にリン酸系化合物を結合または吸着させることができる。また、加熱により、複数のリン酸系化合物のリン酸基間の脱水縮合を促進させることができる。これにより、アルミニウム含有粒子の表面におけるリン酸アルミニウムの生成を促進することができる。なおこのとき、アルミニウム含有粒子の表面のリン酸アルミニウム以外の構成成分は、金属アルミニウム、アルミニウム合金、アルミニウム酸化物、アルミニウム水酸化物、または、これらの複合物となっていると考えられる。
アルミニウム含有粒子の表面に必要以上のリン酸系化合物が付着した場合には、水やアルコールなどの液体を用いて、洗浄除去するプロセスを行ってもよい。
[インク組成物、インク組成物の製造方法]
本実施形態に係るインク組成物は、上述のメタリック顔料と、水と、を含有する。また、本実施形態にかかるインク組成物の製造方法は、上述のメタリック顔料と、水と、を混合する工程を有する。
本実施形態に係るインク組成物中のアルミニウム顔料の濃度は、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。また、0.25質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係るインク組成物は、水を含有する。インク組成物中の水の含有量は、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。また、60質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上85質量%以下であることが特に好ましい。
水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、超純水などを用いることが好ましい。また、溶媒として水以外に、有機溶媒を併用してもよい。このような有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類などが挙げられる。
本実施形態に係るインク組成物は、必要に応じて、界面活性剤、多価アルコール等を添加することができる。
なお、本実施形態に係るインク組成物に添加する界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよい。本実施形態に係るインク組成物が含有する好適な界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアセチレングリコールなどのアセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えばPOE(10)アセチレングリコールなどのポリオキシエチレンアセチレングリコールが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、アセチレノールE100(以上、川研ファインケミカル株式会社製)が挙げられる。
インク組成物中の界面活性剤の含有量は、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るインク組成物は、前記成分に加えて、多価アルコールを添加してもよい。多価アルコールは、インクの乾燥を防止し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えばグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
多価アルコールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
本実施形態に係るインク組成物は、各種被記録媒体(基材)に塗布することにより金属光沢を有する画像であるメタリック画像を形成することができる。すなわち、本実施形態に係るインク組成物は、メタリックインク組成物である。被記録媒体としては、例えば、紙、塩化ビニルやPETなどの高分子材料、金属、木材、布帛、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。なお、被記録媒体の形状は特に限定はされず、フィルムであっても板であってもよいし、その他の立体物であってもよい。
本実施形態に係るインク組成物は、その用途は特に限定されないが、各種インクジェット記録方式に適用することができる。インクジェット記録方式としては、例えば、サーマルジェット式インクジェット、ピエゾ式インクジェットなどが挙げられる。また、例えば、筆記具、スタンプ等にも適用することができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<インク組成物の調整>
まず、アルミニウムリーフパウダー液(尾池イメージング株式会社製)を準備した。アルミニウムリーフパウダー液は、金属アルミニウムを含有するフレーク状の粒子が酢酸ブチル中に分散された液体であり、固形分濃度は10.5質量%である。また、フレーク状のアルミニウム粒子の平均粒径は1〜20μmであり、厚みは10〜500nm程度である。
次に、リン酸系化合物である第一リン酸アルミニウムを含有する液体を準備した。リン酸アルミバインダー(アシドホス75、多木化学株式会社製)をイオン交換水で100倍(質量比)に希釈して、上記液体を準備した。ここで、アシドホス75は第一リン酸アルミニウムの水溶液であり、アシドホス75における第一リン酸アルミニウムの濃度は59質量%である。したがって、準備した液体における第一リン酸アルミニウムの濃度は0.59質量%となる。
上記アルミニウムリーフパウダー液5gを、上記リン酸アルミニウムを含有する液体5gと混合した。これにより、リン酸系化合物であるリン酸アルミニウムを含有する液体と金属アルミニウムを含有する粒子とを接触させた。
その後、この混合液に、イオン交換水10g、2−プロパノール5g、アセチレノール0.1gを加えて混合し、インク組成物を調製した。
<メタリック顔料の耐水性評価>
実施例1に係るインク組成物は、調製後室温で1週間静置した後においても、金属アルミニウム由来と考えられる金属色(金属光沢)を保持していた。
実施例1に係るインク組成物をスライドガラス上にキャストして乾燥させ、スライドガラス上にインク膜を作製した。スライドガラス上のインク膜を80℃の温水に5分間浸漬し、金属色(金属光沢)が変化するかどうか評価した。実施例1では、浸漬後も金属色(金属光沢)は保持されていた。
(比較例1)
<インク組成物の調整>
実施例1と同様に、アルミニウムリーフパウダー液(尾池イメージング株式会社製)を準備した。
その後、アルミニウムリーフパウダー液5gに、イオン交換水15g、2−プロパノール5g、アセチレノール0.1gを加えて混合し、インク組成物を調製した。
<メタリック顔料の耐水性評価>
比較例1に係るインク組成物は、調製後室温で数日間静置した後には金属アルミニウム金属色(金属光沢)が失われ、1週間静置した後には白色固体が析出していた。これは、金属アルミニウムが水と反応して酸化され、アモルファス酸化アルミニウムとなり、白化および/または透明化したためと考えられる。

Claims (4)

  1. インク組成物の製造方法であって、
    金属アルミニウムまたはアルミニウム合金を含有する粒子を準備する第1の工程と、
    合リン酸アルミニウムを含有する液体と前記粒子とを接触させることによって、前記粒子の表面に、縮合リン酸アルミニウムを含む被膜を形成したメタリック顔料を得る第2の工程と、
    前記メタリック顔料と、水と、を混合する第3の工程と、を有することを特徴とするインク組成物の製造方法。
  2. 前記粒子が、金属アルミニウムを含有する請求項に記載のインク組成物の製造方法。
  3. 前記第3の工程において、さらにアルコール類を混合する請求項1又は2に記載のインク組成物の製造方法。
  4. 前記第3の工程において、さらに界面活性剤を混合する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク組成物の製造方法。
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