JP6890881B2 - ブレードカバー装置 - Google Patents
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Description
本発明は、スピンドルを回転自在に支持するスピンドルハウジングの先端に配設され、スピンドルに装着された切削ブレードを覆うブレードカバー装置に関する。
切削装置では、ブレードカバー装置によって切削ブレードの概略上半分が覆われており、ブレードカバー装置は、切削ブレードの外周先端に切削水を供給するシャワーノズル及び切削ブレードの裏面側（奥側）及び表面側（手前側）に切削水を供給する一対のブレードクーラーノズルを備えている（例えば、特開平０７−２７６１８３号公報参照）。
ところが、従来の切削装置では、一対のブレードクーラーノズルは位置が固定的に配設されており、従来は、例えば、切削ブレードをスピンドルに装着するためのマウントフランジ（後ろフランジ）の切削ブレードの裏面に接触する環状端面に対して、裏面側ブレードクーラーノズルが一定の位置になるように設定されていた。
然し、一対のブレードクーラーノズルの位置が切削ブレードに対して固定的に配設されていると、切削ブレードの厚みによって、切削ブレード表面から表面側ブレードクーラーノズルまでの距離と切削ブレード裏面から裏面側ブレードクーラーノズルまでの距離が変わってしまい、切削ブレードの表裏面で切削水の供給状態が均一のならない恐れがある。
表裏面で切削水の供給状態が均一にならないと、切削水による切削ブレードの冷却状態が表裏面で均一とならず、その結果切削ブレードに偏摩耗や蛇行が生じたり、被加工物の加工品質が悪化する恐れもある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブレードクーラーノズルから切削ブレードの表裏面に供給される切削水の供給状態が不均一であることで切削ブレードで発生する不具合を防止すると共に、加工品質を悪化させる恐れを低減するブレードカバー装置を提供することである。
本発明によると、スピンドルを回転自在に支持するスピンドルハウジングの先端に配設され、該スピンドルに装着された切削ブレードを覆うブレードカバー装置であって、ノズル取り付け部を有する該切削ブレードを覆うブレードカバーと、該ブレードカバーの該ノズル取り付け部に取り付けられ、該切削ブレードの裏面に切削水を供給する裏面側ブレードクーラーノズルが一体的に装着された固定側取り付けブロックと、該切削ブレードの厚み方向に伸長する長穴が形成された該固定側取り付けブロックとオーバーラップするオーバーラップ部を有し、該切削ブレードの表面に切削水を供給する表面側ブレードクーラーノズルが一体的に装着された移動側取り付けブロックと、を備え、該裏面側ブレードクーラーノズルから該切削ブレードの裏面までの距離と、該表面側ブレードクーラーノズルから該切削ブレードの表面までの距離とが均一になるように該移動側取り付けブロックの位置を調整した後、該長穴中にねじを挿入して該固定側取り付けブロックに形成されたねじ穴に螺合することにより、該移動側取り付けブロックを該固定側取り付けブロックに対して固定することを特徴とするブレードカバー装置が提供される。
本発明のブレードカバー装置は、裏面側ブレードクーラーノズルから切削ブレードの裏面までの距離と、表面側ブレードクーラーノズルから切削ブレードの表面までの距離とが均一になるように、表面側ブレードクーラーノズルの位置を調整可能な位置調整手段を備える。
よって、切削ブレードの表裏面で切削水の供給状態が不均一になることを防止でき、切削ブレードに発生する不具合を防止すると共に被加工物の加工品質を悪化させる恐れを低減できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図１を参照すると、本発明実施形態に係るブレードカバー装置を具備した切削装置２の斜視図が示されている。４は切削装置２のベースであり、ベース４上にはチャックテーブル８が回転可能且つ図示しない切削送り機構（Ｘ軸移動機構）によりＸ軸方向に往復動可能に配設されている。
チャックテーブル８の周囲には複数のクランプ９及びウォーターカバー１０が配設されており、このウォーターカバー１０とベース４にわたり切削送り機構の軸部を保護するための蛇腹１２が連結されている。
ベース４の後方には門型形状のコラム１４が立設されている。コラム１４にはＹ軸方向に伸長する一対のガイドレール１６が固定されている。コラム１４には更に、Ｙ軸移動ブロック１８がボールねじ２０と図示しないパルスモータとからなる割り出し送り機構（Ｙ軸移動機構）２２によりガイドレール１６に沿ってＹ軸方向に移動可能に搭載されている。
Ｙ軸移動ブロック１８にはＺ軸方向に伸長する一対のガイドレール２４が固定されている。Ｙ軸移動ブロック１８上には、Ｚ軸移動ブロック２６がボールねじ２８とパルスモータ３０とからなるＺ軸移動機構３２によりガイドレール２４に案内されてＺ軸方向に移動可能に搭載されている。
Ｚ軸移動ブロック２６には切削ユニット３４が取り付けられており、切削ユニット３４のスピンドルハウジング３６内にスピンドル（不図示）が回転可能に収容されており、スピンドルの先端部に切削ブレード３８が装着されている。切削ブレード３８の概略上半分はブレードカバー装置４０により覆われている。切削ユニット３４のスピンドルハウジング３６には撮像ユニット４２が取り付けられている。
次に、図２乃至図４を参照して、本発明実施形態に係るブレードカバー装置４０について詳細に説明する。図２の斜視図に示すように、ブレードカバー装置４０は、スピンドルハウジング３６の先端に取り付けられた固定ブレードカバー４６と、固定ブレードカバー４６に対してＸ軸方向に移動可能な移動ブレードカバー（スライドブレードカバー）４８を備えている。
本実施形態では、移動ブレードカバー４８の固定ブレードカバー４６に対する移動は、固定ブレードカバー４６と移動ブレードカバー４８との間に配設された図示しないエアシリンダにより達成される。
図３（Ａ）に最もよく示されるように、固定側取り付けブロック５２には、裏面側ブレードクーラーノズル５４が一体的に装着されている。裏面側ブレードクーラーノズル５４の内側（切削ブレードの裏面に対面する側）には切削水供給用の複数のスリット５５が形成されている。
図２に示すように、移動側ブレードカバー４８にはノズル取り付け部５０が一体的に形成されている。ノズル取り付け部５０には一対の取り付け穴が形成されている。そして、図３（Ａ）に示すように、固定側取り付けブロック５２の凸部５８には一対の取り付け用ねじ穴６０が形成されている。
図２に示すように、ねじ５１を移動側ブレードカバー４８のノズル取り付け部５０に形成された取り付け穴中に挿入し、固定側取り付けブロック５２の凸部５８に形成されたねじ穴６０に螺合して締め付けることにより、固定側取り付けブロック５２及び移動側取り付けブロック６２は移動側ブレードカバー４８に取り付けられる。
表面側ブレード クーラーノズル６４が一体的に装着された移動側取り付けブロック６２は、図３（Ｂ）に示すように、固定側取り付けブロック５２にオーバーラップするように配置されるオーバーラップ部６２ａを有している。
このオーバーラップ部６２ａには、切削ブレードの厚み方向に伸長する一対の長穴７０が形成されている。これらの長穴７０に対応して、固定側取り付けブロック５２の裏面には一対のねじ穴６５が形成されている。
表面側ブレードクーラーノズル６４の内側(ブレード対向面側)には、裏面側ブレードクーラーノズル５４のスリット５５と同様な切削水供給用のスリットが形成されている。
図３（Ａ）に示されるように、固定側取り付けブロック５２の凸部５８には、切削ブレードの厚み方向に伸長する突起部５８ａが形成されており、移動側取り付けブロック５２にはこの突起部５８ａをガイドするガイド溝６３が形成されている。
更に、図３（Ｂ）及び図４に示すように、固定側取り付けブロック５２の裏面（背面）には目盛６１が配設されており、移動側取り付けブロック６２の裏面には目印７１が配設されている。
固定側取り付けブロックに形成された一対のねじ穴６５と、長穴７０が形成されたオーバーラップ部６２ａ、移動側取り付けブロック６２を固定側取り付けブロック５２に固定するための後述するねじ７２が位置調整手段として作用する。
然し、位置調整手段はこの構成に限定されるものではなく、裏面側ブレードクーラーノズル５４から切削ブレード３８の裏面までの距離と、表面側ブレードクーラーノズル６４から切削ブレード３８の表面までの距離とが均一となるように表面側ブレードクーラーノズル６４の位置を調整可能であれば、いかなる構造であってもよい。
裏面側ブレードクーラーノズル５４は接続パイプ５６を介して図示しない切削水供給源に選択的に接続され、表面側ブレードクーラーノズル６４は接続パイプ６６を介して図示しない切削水供給源に選択的に接続されている。
移動ブレードカバー４８のノズル取り付け部５０と反対側の固定ブレードカバー４６には、ノズル取り付けブロック７６が上下方向（Ｚ軸方向）に移動可能に取り付けられている。
ノズル取り付けブロック７６には一対のスプレーノズル７８と、切削ブレード３８の外周端面に向かって切削水を供給する図示しないシャワーノズルが取り付けられており、スプレーノズル７８は接続パイプ８０を介して図示しない切削水供給源に選択的に接続され、シャワーノズルは接続パイプ８２を介して図示しない切削水供給源に選択的に接続されている。
次に、裏面側ブレードクーラーノズル５４及び表面側ブレードクーラーノズル６４の組み立て方法について説明する。まず、固定側取り付けブロック５２の凸部５８を移動ブレードカバー４８のノズル取り付け部５０に裏面側から押し当て、取り付け用貫通孔６０中にねじを挿入してノズル取り付け部５０に形成されたねじ穴に螺合して締め付けることにより、固定側取り付けブロック５２を移動ブレードカバー４８のノズル取り付け部５０に取り付ける。
移動ブレードカバー４８のノズル取り付け部５０と固定側取り付けブロック５２の凸部５８との関係は、スピンドルの先端に装着された切削ブレード３８の裏面と裏面側ブレードクーラーノズル５４との間の距離が予め適切となるように設計されている。
固定側取り付けブロック５２を移動ブレードカバー４８のノズル取り付け部５０に取り付けた後、固定側取り付けブロック５２の突起部５８ａを移動側取り付けブロック６２のガイド溝６３中に嵌合し、移動側取り付けブロック６２を固定側取り付けブロック５２に対して所定量移動した後、図３（Ｂ）に示すように、長穴７０中にねじ７２を挿入し、固定側取り付けブロック５２に形成されたねじ穴６５に螺合して締め付けることにより、移動側取り付けブロック６２が固定側取り付けブロック５２に対して固定される。
好ましくは、図３（Ｂ）及び図４に示すように、固定側取り付けブロック５２の裏面には目盛６１が形成されており、移動側取り付けブロック６２の裏面には目盛６１に対応して目印７１が形成されている。
目盛６１で目印７１の位置を読み取りながら、移動側取り付けブロック６２を固定側取り付けブロック５２に対して所定距離移動した後、裏面側ブレードクーラーノズル５４から切削ブレード３８の裏面までの距離と、表面側ブレードクーラーノズル６４から切削ブレード３８の表面までの距離が同一となるような位置でねじ７２を締め付けて、移動側取り付けブロック６２を固定側取り付けブロック５２に固定する。
尚、図３（Ｂ）及び図４ではねじ７２は１個のみ示されているが、他の長穴７０中にもねじを挿入して固定側取り付けブロック５２のねじ穴６５に螺合して締め付けることは言うまでもない。
移動側取り付けブロック６２を固定側取り付けブロック５２に対して固定した後、固定側取り付けブロック５２を移動ブレードカバー４８のノズル取り付け部５０に取り付けるようにしてもよい。
スピンドルに装着する切削ブレード３８を変更した場合、例えば、切削ブレード３８を薄い切削ブレードに変更した場合には、ねじ７２を緩めて移動側取り付けブロック６２を固定側取り付けブロック５２に近付く方向に移動し、図４に示すように、目盛６１で目印７１の位置を最適に調整した後、再びねじ７２を締結することにより、裏面側ブレードクーラーノズル６４から新たな切削ブレードの裏面までの距離と、表面側ブレードクーラーノズル５４から新たな切削ブレードの表面までの距離が均一となるように調整することができる。
尚、目盛６１及び目印７１を配設する実施形態に替えて、切削加工で使用する切削ブレードと同じ厚みの切削ブレードや板片を固定側取り付けブロック５２と移動側取り付けブロック６２との間に挟んで、表面側ブレードクーラーノズル６４の位置を調整するようにしてもよい。
上述した実施形態によると、移動側取り付けブロック６２のオーバーラップ部６２ａに位置調整部となる一対の長穴７０を形成して、これらの長穴７０中にねじ７２を挿入して裏面側ブレードクーラーノズル５４から切削ブレードの裏面までの距離と表面側ブレードクーラーノズル６４から切削ブレードの表面までの距離が同一となる位置でねじ７２をねじ穴６５中に締結する。
これにより、切削ブレードの表裏面で切削水の供給状態が不均一になることを防止でき、切削ブレードに発生する不具合を防止すると共に、被加工物の加工品質を悪化させる恐れを低減できる。
３８ 切削ブレード
４０ ブレードカバー装置
４６ 固定ブレードカバー
４８ 移動ブレードカバー
５０ ノズル取り付け部
５２ 固定側取り付けブロック
５４ 裏面側ブレードクーラーノズル
５８ 凸部
５８ａ 突起部
６０ 取り付け用貫通孔
６２ 移動側取り付けブロック
６２ａ オーバーラップ部
６３ ガイド溝
６４ 表面側ブレードクーラーノズル
６５ ねじ穴
７０ 長穴
７１ 目盛
７２ ねじ
４０ ブレードカバー装置
４６ 固定ブレードカバー
４８ 移動ブレードカバー
５０ ノズル取り付け部
５２ 固定側取り付けブロック
５４ 裏面側ブレードクーラーノズル
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５８ａ 突起部
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６２ 移動側取り付けブロック
６２ａ オーバーラップ部
６３ ガイド溝
６４ 表面側ブレードクーラーノズル
６５ ねじ穴
７０ 長穴
７１ 目盛
７２ ねじ
Claims (1)
- スピンドルを回転自在に支持するスピンドルハウジングの先端に配設され、該スピンドルに装着された切削ブレードを覆うブレードカバー装置であって、
ノズル取り付け部を有する該切削ブレードを覆うブレードカバーと、
該ブレードカバーの該ノズル取り付け部に取り付けられ、該切削ブレードの裏面に切削水を供給する裏面側ブレードクーラーノズルが一体的に装着された固定側取り付けブロックと、
該切削ブレードの厚み方向に伸長する長穴が形成された該固定側取り付けブロックとオーバーラップするオーバーラップ部を有し、該切削ブレードの表面に切削水を供給する表面側ブレードクーラーノズルが一体的に装着された移動側取り付けブロックと、を備え、
該裏面側ブレードクーラーノズルから該切削ブレードの裏面までの距離と、該表面側ブレードクーラーノズルから該切削ブレードの表面までの距離とが均一になるように該移動側取り付けブロックの位置を調整した後、該長穴中にねじを挿入して該固定側取り付けブロックに形成されたねじ穴に螺合することにより、該移動側取り付けブロックを該固定側取り付けブロックに対して固定することを特徴とするブレードカバー装置。
Priority Applications (1)
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| JP2017036597A JP6890881B2 (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | ブレードカバー装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2017036597A JP6890881B2 (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | ブレードカバー装置 |
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| JP2018142643A JP2018142643A (ja) | 2018-09-13 |
| JP6890881B2 true JP6890881B2 (ja) | 2021-06-18 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2017036597A Active JP6890881B2 (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | ブレードカバー装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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Family Cites Families (3)
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| JP5220513B2 (ja) * | 2008-08-15 | 2013-06-26 | 株式会社ディスコ | ノズル調整治具 |
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-
2017
- 2017-02-28 JP JP2017036597A patent/JP6890881B2/ja active Active
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| JP2018142643A (ja) | 2018-09-13 |
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