JP6889632B2 - 配合率決定方法、及び、コークスの製造方法 - Google Patents

配合率決定方法、及び、コークスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、配合率決定方法、及び、コークスの製造方法に関する。
製鉄原料として用いられるコークスは、高炉内での通気性を確保するため、高強度であり、かつ、ある程度の粒径を有することが求められる。
一般的に、低収縮炭材を石炭に配合すると、得られるコークスの強度は低下する一方で、コークス粒径が向上することが知られている。
そこで、特許文献1では、低収縮炭材のコークス表面破壊粉砕率への影響度やコークス粒度への影響度を加味して配合調整することにより、コークス粒径拡大とコークス強度の維持との両立を図ろうとしている。
特開2011−26514号公報
一方、近年では、高炉内での通気性をより確保できるコークスが求められている。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高炉内での通気性をより確保することが可能なコークスを製造するための単味炭の配合率決定方法を提供することにある。また、高炉内での通気性をより確保することが可能なコークスの製造方法を提供することにある。
コークスは、炉により焼成されてコークス塊として得られ、その後、消火や搬送等の工程を経て粉砕されていく。すなわち、スタビライズを受ける。ここで、コークス粒径とは、所定の工程を経た後のある程度粉砕された状態でのコークスの粒径をいう。
本発明者らは、高炉内での通気性をより確保できるコークスについて鋭意検討を行った。その結果、コークス原料として添加する低収縮炭材の添加量や性状(例えば、粒径)に応じて、コークス塊から一定のスタビライズを受けたコークスの割れ方に異方性が生じることを発見した。そして、割れ方の異方性が大きければ、当該コークスは、高炉内での通気性確保に、より大きく貢献すると推察した。また、割れ方の異方性が特定範囲内であれば、コークス強度低下が少ない一方で、平均粒径の向上が著しいことを見出した。以上の知見に基づき、本発明を完成するに至った。
本発明に係る配合率決定方法は、低収縮炭材を含む複数種の単味炭の配合率決定方法であって、
下記手順(a)〜(c)により得られるDp、初期粒径Dp、D(Dp)を式(1)に示すGaudin−Meloy−Harris粒度分布式に適用した際に決定される係数αが、特定範囲内となるように、前記複数種の単味炭の配合率を決定する工程Aを含むことを特徴とする。
Figure 0006889632

(ここで、α、及び、γは係数である。)
手順(a):複数種の単味炭を配合した装入炭を乾留し、コークスを作製する。
手順(b):コークスの初期粒径Dpを規定する。
手順(c):スタビライズ後のコークスについて篩分けをし、各篩目Dp(mm)の篩上に残った重量%D(Dp)を得る。
係数αは、割れ方の異方性を表す係数である。具体的に、係数αが大きいほど、割れ方の異方性は小さくなり、係数αが小さいほど、割れ方の異方性は大きくなる。
前記構成によれば、係数αが、特定範囲内となるように、前記複数種の単味炭の配合率を決定する。つまり、コークス強度低下が許容される程度に少なく、且つ、平均粒径の向上が得られる範囲内でなるべく係数αの小さい値を採用すれば、割れ方の異方性が大きくなるため、高炉内での通気性をより確保できるコークスを製造可能な配合率を決定することができる。
なお、係数αがどの範囲内であれば、コークス強度低下が許容される程度に少ないかは、配合する単味炭の種類等に応じて変化し得るが、その下限値は、要求されるコークスの仕様等に応じて適宜決定できる。
前記構成において、前記工程Aは、前記係数αが、1.7〜3.0の範囲内となるように、前記複数種の単味炭の配合率を決定する工程であることが好ましい。
本発明者らの検討によれば、一般的に、低収縮炭材を配合しない場合の係数αは、3前後であった。一方、コークス強度低下が顕著となる係数αは、1.5前後であった。そこで、前記係数αを1.7以上とすれば、コークス強度の大幅な低下が抑制される。一方で、前記係数αを3.0以下とすれば、割れ方の異方性をある程度大きくすることが可能となる。
前記構成において、前記低収縮炭材は、粉コークスであることが好ましい。
粉コークスは、低収縮炭材のなかでも収縮率が比較的低い。従って、周囲の炭との収縮率の差が大きくなるため、大亀裂が発生する前に微小亀裂が発生し応力が緩和される。その結果、より好適に粒径向上の効果が得られやすい点で優れる。
また、本発明に係るコークスの製造方法は、
前記配合率決定方法により決定された配合率で前記複数種の単味炭を配合して装入炭を得る工程X、及び、
前記工程Xにより得られた装入炭を乾留してコークスを得る工程Y
を含むことを特徴とする。
前記構成によれば、前記配合率決定方法により決定された配合率で前記複数種の単味炭を配合してコークスを得る。従って、高炉内での通気性をより確保することが可能なコークスが得られる。
本発明によれば、高炉内での通気性をより確保することが可能なコークスを製造するための単味炭の配合率決定方法を提供することができる。また、高炉内での通気性をより確保することが可能なコークスの製造方法を提供することができる。
製造例1の係数αを求めるためのグラフである。 製造例1〜製造例6について、係数αと添加した粉コークスの平均粒径との関係を示すグラフである。 製造例1〜製造例6について、係数αとコークス強度DIとの関係を示すグラフである。 製造例1〜製造例6について、係数αと得られるコークスの平均粒径との関係を示すグラフである。 製造例7〜製造例11について、係数αと添加した粉コークスの割合との関係を示すグラフである。 製造例7〜製造例11について、係数αとコークス強度DIとの関係を示すグラフである。 製造例7〜製造例11について、係数αと得られるコークスの平均粒径との関係を示すグラフである。 亀裂確認用コークスを模式的に示した図である。
以下、まず、本実施形態に係る配合率決定方法について説明し、その後、本実施形態に係るコークスの製造方法について説明する。
本実施形態に係る配合率決定方法は、低収縮炭材を含む複数種の単味炭の配合率決定方法であって、
下記手順(a)〜(c)により得られるDp、初期粒径Dp、D(Dp)を式(1)に示すGaudin−Meloy−Harris粒度分布式に適用した際に決定される係数αが、特定範囲内となるように、前記複数種の単味炭の配合率を決定する工程Aを含む。
Figure 0006889632

(ここで、α、及び、γは係数である。)
手順(a):複数種の単味炭を配合した装入炭を乾留し、コークスを作製する。
手順(b):コークスの初期粒径Dpを規定する。
手順(c):スタビライズ後のコークスについて篩分けをし、各篩目Dp(mm)の篩上に残った重量%D(Dp)を得る。
[手順(a)]
手順(a)では、低収縮炭材を含む複数種の単味炭を配合した装入炭を乾留し、コークスを作製する。コークスのサイズとしては、特に限定されない。操業時と同等の条件で試験を行う観点では、450mm径程度が好ましい。450mm径程度の試験用コークスは、例えば、可動壁炉を用いて作製することができる。一方、試験を容易に行う観点では、300mm径程度が好ましい。300mm径程度の試験用コークスは、例えば、缶容器を用いて作製することができる。
低収縮炭材とは、高温ジラトメーターで測定した際の1000℃における収縮率が石炭よりも小さい炭材をいう。低収縮炭材は、コークス粒径の拡大や割れ方の異方性を大きくするのに寄与する。前記収縮率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。前記収縮率は、具体的には、実施例記載の方法により測定される値である。
低収縮炭材を添加すると、割れ方の異方性が大きくなる理由として、本発明者らは、以下のように推察している。低収縮炭材(不活性物質)を添加すると、不活性物質の添加されている箇所において熱収縮差により生じる応力が緩和される。この応力緩和は、小さな亀裂の発生に対しては、有効であるが、大きな亀裂の発生に対しては、抑制しきれないと想定される。そのため、不活性物質の添加による効果は、比較的小さな亀裂に対しての方が大きいと考えられる。ここで、一般的に、コークス塊に亀裂が入る際には、乾留方向(縦方向)に大きな亀裂(縦亀裂)が入るに対して、横方向には小さな亀裂(横亀裂)が多く入る傾向にある。以上より、小さな亀裂が多い横亀裂の方が不活性物質による亀裂抑制効果を受けやすく、横亀裂の減少割合が多くなることで、縦亀裂と横亀裂とのバランスが変化し、割れ方の異方性が大きくなる。
前記低収縮炭材の具体例としては、粉コークス、無煙炭、黒鉛、石油コークス、炭素繊維等が挙げられる。なかでも、粉コークスが好ましい。粉コークスは、低収縮炭材のなかでも収縮率が比較的低い。従って、周囲の石炭との収縮率の差が大きくなるため、大亀裂が発生する前に微小亀裂が発生し応力が緩和される。その結果、より好適に粒径向上の効果が得られやすい点で優れる。
コークスを作製するための各種条件(乾留温度、乾留時間等)は、係数αを求めるのに適切な範囲内において、特に限定されず、適宜設定可能である。例えば、実施例記載の方法を採用することができる。
[手順(b)]
手順(b)では、「手順(a)で作製したコークスの初期粒径Dpを規定する。例えば、実操業では、窯から押し出された直後のコークス幅、すなわちコークス炉の炉幅を初期粒径Dpとする。また、缶容器を用いて試験用コークスを作製した場合には、缶容器の辺のうち、焼成炉の熱がかかる方向に対して平行な一辺の長さを初期粒径Dpとする。また、可動壁炉を用いて試験用コークスを作製した場合も同様とする。
[手順(c)]
後述するα計算の前処理として、前記コークスを所定の方法で粉砕する。粉砕の方法としては、特に限定されないが、実炉では窯口から高炉に至る過程での消火や搬送等のスタビライズを想定する。また、試験では実炉に投入される径となる程度にスタビライズされる条件を想定して決定すればよい。例えば、実施例記載の方法を採用することができる。
手順(c)では、スタビライズ後のコークスについて篩分けをし、各篩目Dp(mm)の篩上に残った重量%D(Dp)を得る。D(Dp)を得る方法は、特に限定されないが、例えば、実施例記載のように、篩目50mm、38mm、25mm、及び、15mmの篩で篩分けをして、各篩目Dp(mm)の篩上に残った重量%D(Dp)を得る。ただし、本発明において篩分けの方法はこの例に限定されない。例えば、各篩目の大きさはこの例に限定されず、適宜設定できる。また、篩分けする篩の数もこの例に限定されず、適宜設定できる。ただし、実施例記載の方法を採用すれば、得られる係数αと割れ方の異方性との相関がよりよいため、好ましい。
工程Aでは、上記手順(b)で規定した初期粒径Dpと、上記手順(c)で得られたDp及びD(Dp)とからから、Gaudin−Meloy−Harris粒度分布式を用いて係数αを求める。係数αは、例えば、実施例記載の方法で求めることができる。
次に、得られた係数αが、特定範囲内であるか否かを判断する。得られた係数αが、特定範囲内であれば、手順(a)で配合した配合率を、特定の配合率として決定する。
一方、得られた係数αが、特定範囲内になければ、配合率を変更し、手順(a)〜(c)を再び行う。この際、配合率の変更は、係数αが特定範囲内となる方向(特定範囲に近づく方向)に配合率を変更する。例えば、係数αの値を下げたい場合は、低収縮炭材の添加量を増やす等の変更を行う。以上の操作を繰り返し、得られた係数αが、特定範囲内となった時点で、最後に手順(a)で配合した配合率を、特定の配合率として決定する。
前記特定範囲は、1.7〜3.0であることが好ましい。すなわち、前記工程Aは、前記係数αが、1.7〜3.0の範囲内となるように、前記複数種の単味炭の配合率を決定する工程であることが好ましい。
本発明者らの検討によれば、一般的に、低収縮炭材を配合しない場合の係数αは、3前後であった。一方、コークス強度低下が顕著となる係数αは、1.5前後であった。そこで、前記係数αを1.7以上とすれば、コークス強度の大幅な低下が抑制される。一方で、前記係数αを3.0以下とすれば、割れ方の異方性をある程度大きくすることが可能となる。
前記特定範囲は、前記コークスのコークス強度DIが80以上となる範囲内であることが好ましい。前記コークスのコークス強度DIが80以上であると、強度が充分に維持されているといえる。
前記特定範囲は、前記コークスの平均粒径が40mm以上となる範囲内であることが好ましい。前記コークスの平均粒径が40mm以上であると、平均粒径は充分に拡大されているといえる。
以上、本実施形態に係る配合率決定方法によれば、係数αが、特定範囲内となるように、前記複数種の単味炭の配合率を決定する。つまり、コークス強度低下が許容される程度に少なく、且つ、平均粒径の向上が得られる範囲内でなるべく係数αの小さい値を採用すれば、割れ方の異方性が大きくなるため、高炉内での通気性をより確保できるコークスを製造可能な配合率を決定することができる。
以上、本実施形態に係る配合率決定方法について説明した。
次に、本実施形態に係るコークスの製造方法について説明する。
本実施形態に係るコークスの製造方法は、前記配合率決定方法により決定された配合率で前記複数種の単味炭を配合して装入炭を得る工程X、及び、
前記工程Xにより得られた装入炭を乾留してコークスを得る工程Y
を含む。
[工程X]
工程Xでは、前記配合率決定方法により決定された配合率で前記複数種の単味炭を配合して装入炭を得る。
[工程Y]
工程Yでは、前記工程Xにより得られた装入炭を乾留してコークスを得る。前記乾留の条件等は、従来公知の条件を採用すればよい。
本実施形態に係るコークスの製造方法では、前記配合率決定方法により決定された配合率で前記複数種の単味炭を配合して装入炭を得ること以外は、従来公知の方法を採用することができる。
以上、本実施形態に係るコークスの製造方法によれば、前記配合率決定方法により決定された配合率で前記複数種の単味炭を配合してコークスを得る。従って、高炉内での通気性をより確保することが可能なコークスが得られる。
以下、本発明に関し、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<試験用コークスの作製>
(製造例1:ベース配合A)
複数種の石炭を所定の割合で配合した。配合する際には、粉砕粒度が3mm以下のものが含まれる割合が約80%となるように、ジョークラッシャー、コーヒーミルあるいはハンマーミルで粉砕した上で、配合した。なお、製造例1では、低収縮炭材としての粉コークスを配合していない(粉コークスの配合量をゼロとした)。
配合炭を作成後、水分を7.5%±0.2%に調整した。
次に、水分調整した試料をL:235mm×W:300mm×H:235mmの缶容器に充填密度735dry−kg/mで充填した。
次に、乾留温度1050℃で約19時間乾留して試験用コークスを得た。
(製造例2)
製造例1の配合から、石炭の含有量を3%(配合炭全体を100%としたときの3%)減らし、代わりに、粉コークスAを3%加えた。つまり、製造例2では、製造例1の配合炭全体のうちの3%の炭を粉コークスAに振り替えた配合とした。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。なお、粉コークスAは粒径0.25mm未満であり、平均粒径が、0.125mmである。
(製造例3)
製造例1の配合から、石炭の含有量を3%(配合炭全体を100%としたときの3%)減らし、代わりに、粉コークスBを3%加えた。つまり、製造例3では、製造例1の配合炭全体のうちの3%の炭を粉コークスBに振り替えた配合とした。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。なお、粉コークスBは、粒径0.25mm以上0.50mm未満であり、平均粒径が、0.375mmである。
(製造例4)
製造例1の配合から、石炭の含有量を3%(配合炭全体を100%としたときの3%)減らし、代わりに、粉コークスCを3%加えた。つまり、製造例4では、製造例1の配合炭全体のうちの3%の炭を粉コークスCに振り替えた配合とした。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。なお、粉コークスCは、粒径0.50mm以上1.00mm未満であり、平均粒径が、0.75mmである。
(製造例5)
製造例1の配合から、石炭の含有量を3%(配合炭全体を100%としたときの3%)減らし、代わりに、粉コークスDを3%加えた。つまり、製造例5では、製造例1の配合炭全体のうちの3%の炭を粉コークスDに振り替えた配合とした。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。なお、粉コークスDは、粒径1.00mm以上1.50mm未満であり、平均粒径が、1.25mmである。
(製造例6)
製造例1の配合から、石炭の含有量を3%(配合炭全体を100%としたときの3%)減らし、代わりに、粉コークスEを3%加えた。つまり、製造例6では、製造例1の配合炭全体のうちの3%の炭を粉コークスEに振り替えた配合とした。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。なお、粉コークスEは、粒径1.50mm以上2.00mm未満であり、平均粒径が、1.75mmである。
(ベース配合B)
複数種の石炭を配合炭性状が製造例1相当となるように配合した。
(製造例7)
ベース配合Bから、石炭の含有量を1%(配合炭全体を100%としたときの1%)減らし、代わりに、粉コークスAを1%加えた。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。
(製造例8)
ベース配合Bから、石炭の含有量を3%(配合炭全体を100%としたときの3%)減らし、代わりに、粉コークスAを3%加えた。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。
(製造例9)
ベース配合Bから、石炭の含有量を6%(配合炭全体を100%としたときの6%)減らし、代わりに、粉コークスAを6%加えた。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。
(製造例10)
ベース配合Bから、石炭の含有量を1%(配合炭全体を100%としたときの1%)減らし、代わりに、粉コークスCを1%加えた。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。
(製造例11)
ベース配合Bから、石炭の含有量を3%(配合炭全体を100%としたときの3%)減らし、代わりに、粉コークスCを3%加えた。それ以外は、製造例1と同様にして試験用コークスを得た。
製造例1〜製造例11の配合について、表1にまとめた。
Figure 0006889632
<収縮率の測定>
下記条件にて、製造例1の試験用コークスの収縮率を測定したところ、12.8%であった。また、下記条件にて、粉コーコスA〜Eの収縮率を測定したところ、いずれも、0.0%であった。
[収縮率測定条件]
装置:高温ジラトメーター(JIS M 8801膨張性試験方法(ジラトメータ法)準拠)
到達温度:1000℃
昇温速度:3℃/min
試料量:5g
試料高さ:100mm
試料粒径:0.25mm未満
<係数αの算出>
まず、作製したコークスの初期粒径Dpを規定した(手順(b))。製造例1では、初期粒径Dpは、300mmであった。
次に、前記試験用コークスを高さ2mのところから2回落下させた。その後、ドラム(内径1.5m×胴長1.5m)に入れ、15rpmで2分間回転させた。以上により、試験用コークスを粉砕した。
粉砕後のコークスについて、篩目50mm、38mm、25mm、及び、15mmの篩で篩分けをし、各篩目Dp(mm)の篩上に残った重量%D(Dp)を得た(手順(c))。
次に、上記手順(b)で得られた初期粒径Dpと、上記(c)で得られたDp及びD(Dp)とから、Gaudin−Meloy−Harris粒度分布式を用いて係数αを求めた。
具体的に、まず、式(1)を変形し、以下のようにした。
ln(1−D(Dp))=γln(1−(Dp/Dpα
そして、「ln(1−D(Dp))」をx軸、「ln(1−(Dp/Dpα)」をy軸とし、初期粒径Dp、Dp、D(Dp)を代入した値をxy座標上にプロット(4点)した際に、最小二乗法により得られる近似直線が、原点を通る直線で最も相関係数が高くなるように、係数αを得た。結果を表2に示す。なお、参考のため、製造例1についてのみ、係数αを求めるためのグラフを図1に示す。
<試験用コークスの粒度分布>
上記粉砕後の粒度分布を、篩を用いて測定した。結果を表2に示す。
<試験用コークスの平均粒径の算出>
表2に示した各粒度分布の代表粒度と割合から加重平均により算出した。具体的には、下記のようにして算出した。
100mm以上のフラクションの代表粒度を112.5mm、割合をA%、
75mm以上100mm未満のフラクションの代表粒度を87.5mm、割合をB%、
50mm以上75mm未満のフラクションの代表粒度を62.5mm、割合をC%、
38mm以上50mm未満のフラクションの代表粒度を44.0mm、割合をD%、
25mm以上38mm未満のフラクションの代表粒度を31.5mm、割合をE%、
15mm以上25mm未満のフラクションの代表粒度を20.0mm、割合をF%、
15mm未満のフラクションの代表粒度を7.5mmとし、割合をG%とした。
(平均粒径(mm))=(112.5×A+87.5×B+62.5×C+44.0×D+31.5×E+20.0×F+7.5×G)/100
結果を表2に示す。
<コークス強度DIの測定>
得られた試験用コークスをシャッター試験2回実施、ドラム試験機で30回転後、ドラム試験機で150回転させ、DI150 15を測定した。なお、DI150 15は、JIS K 2151で規定されたドラム試験機による150回転後の15mm篩上の割合である。結果を表2に示す。
Figure 0006889632
<考察1:製造例1〜製造例6について>
図2は、製造例1〜製造例6について、係数αと添加した粉コークスの平均粒径との関係を示すグラフである。図3は、製造例1〜製造例6について、係数αとコークス強度DIとの関係を示すグラフである。図4は、製造例1〜製造例6について、係数αと得られるコークスの平均粒径との関係を示すグラフである。図2〜図4は、表2の値をもとに作成した。
図2より、低収縮炭材としての粉コークスの添加量が同じである場合、添加する粉コークスの平均粒径が大きくなるにつれて、係数αが低下する(割れ方の異方性が大きくなる)傾向にあることが分かる。
また、図3より、係数αが小さくなるにつれて、コークス強度DIが低下する傾向にあることが分かる。ただし、係数αが2〜3の範囲内にある場合には、ベース配合(製造例1:粉コークスの配合ナシ)に比較してコークス強度DIの低下の程度が少ないことが分かる。
また、図4より、係数αが小さくなるについて、得られるコークスの平均粒径が大きくなる傾向にあることが分かる。特に、係数αが2前後に至るまでは、係数αが小さくなるにつれて、得られるコークスの平均粒径が大きくなる傾向にあることが分かる。ただし、係数αが2よりも小さい範囲においては、α値に関わらず、得られるコークスの平均粒径には、大きな変化は見られない。なお、粉コークスの平均粒径が一定よりも大きい場合には、コークスの平均粒径の拡大に寄与しなくなることも分かる(例えば、製造例6)。
以上より、製造例1〜6によれば、粉コークスを添加したコークスは、添加しないコークス比較して、係数αが小さくなることが分かる。また、係数αを特に、2〜3の範囲内(より好ましくは、2.0〜2.5の範囲内)とすれば、コークス強度の低下が抑制される(図3参照)とともに、得られるコークスの平均粒径の拡大効果も得られる(図4参照)ことが分かる。
<考察2:製造例7〜製造例11について>
図5は、製造例7〜製造例11について、係数αと添加した粉コークスの割合との関係を示すグラフである。図6は、製造例7〜製造例11について、係数αとコークス強度DIとの関係を示すグラフである。図7は、製造例7〜製造例11について、係数αと得られるコークスの平均粒径との関係を示すグラフである。図5〜図7は、表2の値をもとに作成した。なお、図5〜図7には、比較のため、製造例1についても合わせてプロットしている。
図5より、低収縮炭材としての粉コークスが同じ性状である場合(粒度分布、及び、平均粒径が同じである場合)、添加する粉コークスの量が多くなるにつれて、係数αが低下する(割れ方の異方性が大きくなる)傾向にあることが分かる。
また、図6より、係数αが小さくなるにつれて、コークス強度DIが低下する傾向にあることが分かる。ただし、係数αが2〜3の範囲内にある場合には、ベース配合B(製造例7)に比較してコークス強度DIの低下の程度が少ないことが分かる。
また、図7より、係数αが小さくなるについて、得られるコークスの平均粒径が大きくなる傾向にあることが分かる。
以上より、製造例7〜11によれば、粉コークスを多く添加したコークスは、添加量が少ないコークスと比較して、係数αが小さくなることが分かる。また、係数αを特に、2〜3の範囲内(より好ましくは、2.0〜2.5の範囲内)とすれば、コークス強度の低下が抑制される(図6参照)とともに、得られるコークスの平均粒径の拡大効果も得られる(図7参照)ことが分かる。
[係数αと割れ方異方性との相関検証]
<亀裂確認用コークスの作製>
(製造例12)
複数種の石炭を所定の割合で配合した。配合する際には、粉砕粒度が3mm以下のものが含まれる割合が約80%となるように、ジョークラッシャーあるいはコーヒーミルで粉砕した上で、配合した。なお、製造例12では、低収縮炭材としての粉コークスを配合していない(粉コークスの配合量をゼロとした)。
配合炭を作成後、水分を7.5%±0.2%に調整した。
次に、水分調整した試料をL:1.17m×W:0.41m×H:0.80mの可動壁炉に充填密度735dry−kg/mで充填した。
次に、乾留温度830℃で8時間、920℃で6時間、960℃で2時間乾留した後、1010℃で保持し、最終的に炭芯温度が950℃に到達してから1.5時間乾留して亀裂確認用コークスを得た。
(製造例13)
製造例12の配合から、石炭の含有量を1%(配合炭全体を100%としたときの1%)減らし、代わりに、粉コークスAを1%加えた。つまり、製造例13では、製造例12の配合炭全体のうちの1%の炭を粉コークスAに振り替えた配合とした。それ以外は、製造例12と同様にして亀裂確認用コークスを得た。
製造例12〜製造例13の配合について、表3にまとめた。
Figure 0006889632
<亀裂数の測定>
図8は、亀裂確認用コークスを模式的に示した図である。亀裂確認用コークスは、可動壁炉から取り出した後の粉砕処理を行う前の状態である。図8に示すように、亀裂確認用コークスには、縦亀裂、及び、横亀裂が存在する。縦亀裂は、炉幅方向に延びる亀裂をいい、横亀裂は、炉高方向に延びる亀裂をいう。製造例12、製造例13にて得られた亀裂確認用コークスについて、縦亀裂の数、及び、横亀裂の数を数えた。結果を表4に示す。また、横亀裂数に対する縦亀裂数の比率[(縦亀裂数)/(横亀裂数)]についても合わせて表4に示した。なお、縦亀裂に属するか、横亀裂に属するかは、亀裂確認用コークス塊の一辺に対する亀裂の角度を測り、45°以上であるか否かによりいずれに属するかを決定した。
<係数αの算出>
初期粒径Dpが410mmであったこと、及び、焼成語のコークスのうち、端部と上部を除く中心部分のコークスを用いたこと以外は、製造例1〜11と同様にして係数αを算出した。結果を表4に示す。
<亀裂測定用コークスの粒度分布>
試験用コークス(製造例1〜製造例11)と同様の方法にて、粒度分布を測定した。結果を表4に示す。
<亀裂測定用コークスの平均粒径の算出>
表4に示した各粒度分布の代表粒度と割合から加重平均により算出した。具体的には、試験用コークス(製造例1〜製造例11)と同様の方法にて算出した。
Figure 0006889632
<検証結果>
表4より、粉コークスを添加すると、横亀裂に対する縦亀裂の割合が増加している。これにより、粉コークスを添加すると、亀裂の方向性に偏りが生じることがわかる。また、係数αは、亀裂測定用コークスにおいても粉コークスを添加すると小さくなった。以上より、係数αが小さくなると、亀裂の方向性に偏りが生じること、すなわち、割れ方の異方性が大きくなることが確認できた。
また、表4より、亀裂測定用コークスにおいても係数αが小さくなると、得られるコークスの平均粒径が拡大することも確認できた。

Claims (3)

  1. 低収縮炭材を含む複数種の単味炭の配合率決定方法であって、
    下記手順(a)〜(c)により得られるDp、初期粒径Dp 、D(Dp)を式(1)に示すGaudin−Meloy−Harris粒度分布式に適用した際に決定される係数αが、1.7〜3.0の範囲内となるように、前記複数種の単味炭の配合率を決定する工程Aを含むことを特徴とする配合率決定方法。
    Figure 0006889632
    (ここで、α、及び、γは係数である。)
    手順(a):複数種の単味炭を配合した装入炭を乾留し、コークスを作製する。
    手順(b):コークスの初期粒径Dp を規定する。
    手順(c):スタビライズ後のコークスについて篩分けをし、各篩目Dp(mm)の篩上に残った重量%D(Dp)を得る。
  2. 前記低収縮炭材は、粉コークスであることを特徴とする請求項1に記載の配合率決定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の配合率決定方法により決定された配合率で前記複数種の単味炭を配合して装入炭を得る工程X、及び、
    前記工程Xにより得られた装入炭を乾留してコークスを得る工程Y
    を含むことを特徴とするコークスの製造方法。
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