JP6889471B2 - プラズマインジケータ - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマを検出するプラズマインジケータに関する。
プラズマインジケータとして、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載のプラズマインジケータは、プラズマにより変色するインキ組成物の硬化塗膜を有する。インキ組成物は、金属酸化物及びバインダー樹脂を含有する。
特開2016−108371号公報
ところで、従来のプラズマインジケータを高温環境及び高真空下で使用すると、バインダー樹脂が分解して放出するおそれがある。このため、高真空装置内では、従来のプラズマインジケータを使用し難い。
(1)上記課題を解決するプラズマインジケータは、無機材料からなるベース基板と、前記ベース基板に設けられてプラズマにより変色する変色層とを備え、前記変色層は、Ti、Zr、Y、Ba、Mg、Si、Al、及びPtの群から選択される少なくとも一種の元素と、Mo、W、Sn、V、Ce、Te、及びBiの群から選択される少なくとも一種の元素とを含む金属酸化物の焼結体であり、前記変色層の表面の少なくとも一部が露出し、前記変色層の膜厚が、13.0μm以下である。
この構成によれば、実質的に樹脂を含まないため、バインダー樹脂を含むプラズマインジケータに比べて、高真空下での有機物の放出が少ない。
また、変色層の膜厚が13.0μm以下であることにより、変色層の膜厚が13.0μmよりも大きい場合に比べて、変色層の深い部分に残存する有機物残渣(ここでは、Cを2以上含む有機物のほか、二酸化炭素、酸素、一酸化炭素、炭素を含む。)を少なくできる。これにより、高真空下において汚染物質の放出を少なくできる。
(2)上記プラズマインジケータにおいて、前記ベース基板は、シリコン基板であり、前記変色層は、前記ベース基板の表面に設けられ、前記変色層の膜厚は、8.0μm以上である。
シリコン基板の表面は、黒ないしは黒に近い灰色である。変色層が薄すぎると、変色層の下地であるシリコンの表面が変色層を介して透けて見えるようになり、変色が視認し難くなる。この点、上記構成によれば、変色層の膜厚が8.0μm以上であるため、変色層の膜厚が8.0μm未満である場合に比べて、変色層の色の変化を認識し易い。
(3)上記プラズマインジケータにおいて、前記ベース基板は、サファイア基板であり、前記変色層は、前記ベース基板の表面に設けられ、前記変色層の膜厚は、4.5μm以上である。
サファイア基板の表面は、白色ないしは半透明であるため、変色層が薄い場合でも、サファイア基板の表面の色が変色の視認し易さを大きく低下させることはない。しかし、変色層が薄過ぎると、変色層に含まれる変色に係る元素の量が少なくなるため、色差が小さくなり、視認し難くなる。この点、上記構成によれば、変色層の膜厚が4.5μm以上であるため、変色層が4.5μm未満である場合に比べて、変色層の色の変化を視認し易い。
(4)上記プラズマインジケータにおいて、前記変色層は、少なくともチタン(IV)とビスマス(III)とを含む金属酸化物である。
この構成によれば、チタンを含むことにより、変色層3の脆弱性が改善される。
(5)上記プラズマインジケータは、さらに、プラズマにより変色しない非変色層を備える。この構成によれば、変色層が変色したか否かを視認により簡単に判定できる。
上記プラズマインジケータは、高真空下で汚染物質の放出が少ない。
プラズマインジケータの断面図。 誘導結合プラズマ型のプラズマエッチング装置の模式図。 各種試料について色差を示すグラフ。 各種試料について、膜厚と色差との関係を示すグラフ。 各種試料について、高真空、加熱下での、チャンバー内の圧力変化を示すグラフ。 各種試料について、膜厚と圧力ピーク値との関係を示すグラフ。
図1〜図6を参照して、プラズマインジケータについて説明する。
図1に示されるように、プラズマインジケータ1は、無機材料からなるベース基板2と、ベース基板2に設けられてプラズマにより変色する変色層3とを備える。変色層3の表面の少なくとも一部は露出する。変色層3の露出部分は、プラズマに曝される。なお、図1に示されるプラズマインジケータ1では表面全体が露出する。
ベース基板2は、シリコン基板、サファイア基板、半導体化合物基板、ガラス基板、セラミック基板、金属基板である。ベース基板2の種類は、プラズマインジケータ1が用いられるプラズマ装置の用途に応じて設定できる。例えば、シリコン半導体製造用のプラズマ装置において、プラズマ分布を検出する目的でプラズマインジケータ1が用いられる場合、ベース基板2は、シリコンであることが好ましい。ベース基板2の形状は限定されない。例えば、ベース基板2は、切欠き(所謂オリフラ)のついた円板状、すなわちウェハと同じ形状に構成される。
変色層3は、ベース基板2の表面(ポリシング処理面)に設けられる。変色層3とベース基板2との間に下地層を設けてもよい。下地層は、プラズマで変色しない非変色層として構成される。非変色層は、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素により形成される。
好ましくは、このような下地層は省略される。下地層が省略される理由は、下地層が、ベース基板2から変色層3を剥離させる要因になるからである。また、下地層は、下地層の形成時に下地層内に残存する有機物残渣を汚染物質として放出する汚染物質発生源になり得るからである。なお、汚染物質とは、高真空状態を低下させる物質であって、プラズマ形成に寄与する物質以外の不要な物質を示す。
変色層3は、Ti、Zr、Y、Ba、Mg、Si、Al、及びPtの群から選択される少なくとも一種の金属と、Mo、W、Sn、V、Ce、Te、及びBiの群から選択される少なくとも一種の元素とを含む金属酸化物の焼結体である。
具体的には、変色層3は、次に示される第1群から選択される少なくとも一種と、次に示される第2群から選択される少なくとも一種とを含む焼結体である。第1群は、プラズマにより変色する物質(以下、「変色色材」)である。第2群は、第1群に属する物質の変色を視覚的に強調させる物質である。第2群に属する物質(以下、「補助剤」という。)は、明度が高く、視覚的に白色を呈するものが好適に用いられる。また、補助剤は、変色層3の脆弱性を改善させるものであることが好ましい。
第1群は、酸化モリブデン粒子(IV)、酸化モリブデン粒子(VI)、酸化タングステン粒子(VI)、酸化スズ粒子(IV)、酸化バナジウム粒子(II)、酸化バナジウム粒子(III)、酸化バナジウム粒子(IV)、酸化バナジウム粒子(V)、酸化セリウム粒子(IV)、酸化テルル粒子(IV)、酸化ビスマス粒子(III)、炭酸酸化ビスマス粒子(III)、及び酸化硫酸バナジウム粒子(IV)を含む群である。
これらの粒子径(平均粒径)は限定されないが、変色層3の平滑化のため、粒子径は2.0μm以下であることが好ましい。なお、製造性の観点から、0.1μm以上であることが好ましい。平均粒径は、メディアン径D50を示す。
第2群は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミニウム、チタン、白金、及び硫酸バリウムを含む群である。
これらの粒子径(平均粒径)は限定されないが、変色層3の平滑化のため、粒子径は2.0μm以下であることが好ましい。なお、製造性の観点から、0.1μm以上であることが好ましい。
変色層3の変色の視覚的強調効果、及び変色層3の脆弱性の改善効果の観点で、酸化チタン(IV)が好適に用いられる。
変色色材と補助剤との割合は限定されないが、例えば、変色色材は、変色層3全体に対して、モル比で、40mol%以上95mol%以下とされる。変色層3において変色色材のモル比が95mol%よりも大きい場合、脆くなり、使用の際に一部が剥離する虞があるからである。また、変色層3において変色色材のモル比が40mol%未満の場合、色差が小さくなり過ぎて、変色層3の変色の視認判断を行い難くなるからである。
一例として、変色色材として酸化ビスマス(Bi)と、補助剤として酸化チタン(TiO)との焼結により形成される変色層3について、その組成の一例を挙げる。
この変色層3の場合、変色色材である酸化ビスマスは、変色層3全体(酸化ビスマスのモル数+酸化チタンのモル数)に対して40mol%以上70mol%以下であることが好ましい(以下、「酸化ビスマス−チタン系の焼成物」)。この場合、Tiに対するBiのモル比は、1.33以上4.7以下である。
また、高温真空状態でプラズマ処理する装置用に用いられるプラズマインジケータ1の変色層3は、高温で変色しないことが好ましい。例えば、真空下、5.0E−4pa、400℃で、30分間の加熱処理について、この加熱処理前後における色差ΔEabが3.0以下であることが好ましい。また、プラズマ以外の物質で変色しないことが好ましい。例えば、大気圧、空気中で、450℃で、30分間の加熱で、色差ΔEabが3.0以下であることが好ましい。さらに、色が変化したことが目視で視認できることが望ましいため、初期の色(プラズマ処理前の色)は、白色であることが好ましい。これらの点においても、上記に例示した「酸化ビスマス−チタン系の焼成物」が好適に使用される。
変色層3の膜厚は、以下の理由から13.0μm以下であることが好ましい。なお、膜厚は、卓上走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型式:JCM−6000)で測定された平均膜厚を示す。平均膜厚は、複数個所で計測された膜厚により算出されるメディアン値を示す。以下の「膜厚」は、全てこれと同じ定義である。
変色層3の膜厚が大きい程、色差が大きくなり変色状態が視認し易くなるため、視認性の観点では、変色層3の膜厚は大きいことが好ましいが、変色層3の膜厚が大きくなる程、ベース基板2から剥離し易くなるため、変色層3は適切な厚さにする必要がある。変色層3の膜厚が大きくなる程、ベース基板2からの剥離性が高くなる理由は明らかではない。後述の剥離試験(実施例の「密着性の測定」参照)によれば、変色層3の膜厚が13.0μmを超えると、変色層3が根元(ベース基板2に接触している部分)から剥離するという試験結果が得られている。このことから、変色層3の膜厚が大きいと、変色層3と無機基材との結合を低下させる要因が顕在化すると考えられる。この要因の一つとして、焼結で残存する有機物残渣が考えられる。
なお、剥離試験(実施例の「密着性の測定」参照)に用いられるセロハン粘着テープの粘着力の強さは、プラズマインジケータ1の取り扱い上で生じ得る振動及び衝撃において変色層3に加えられる剥離力の許容最大値に基づいて設定されている。ここで許容最大値は、変色層3に剥離力が加えられたときに亀裂を生じさせずに耐えうる力の大きさの設計上の目標値を示す。
さらに、変色層3の膜厚は、高真空に置いたときに焼結で残存する有機物残渣の放出量を少なくさせる観点から、13.0μm以下であることが好ましい。これは、変色層3の膜厚が大きい程、焼結で残存する有機物残渣の残存量は増大するからである。特に、変色層3の膜厚が13.0μmよりも大きくなると、高真空(例えば、1.0〜10x10E−6pa)において加熱時では、汚染物質の放出量が多くなるためである。なお、更に好ましくは、変色層3の膜厚は、12.0μm以下であり、更に好ましくは、変色層3の膜厚は、11.0μm以下である。
また、変色層3の膜厚は、低レベルのプラズマにより変色層3の変色が視認できるように、設定される。低レベルのプラズマとは、計測に係るプラズマ装置を最低出力で駆動するときに形成されるプラズマの強度を示す。変色層3の膜厚が薄すぎると、変色層3の変色を視認し難くなる。このため、変色層3の膜厚は所定値以上であることが好ましい。ベース基板2の表面に非変色層が設けられていない場合、下地であるベース基板2の色が変色層3を介して透けるため、好ましくは、ベース基板2の種類によって、変色層3の好適な膜厚が設定される。
例えば、ベース基板2がシリコン基板であるとき、変色層3の膜厚は、8.0μm以上であることが好ましい。
ベース基板2がサファイア基板であるとき、変色層3の膜厚は、4.5μm以上であることが好ましい。
ベース基板2がサファイア基板の場合、ベース基板2がシリコン基板の場合よりも、変色層3の膜厚が薄くできる理由は、サファイア基板の表面の色がシリコン基板の表面の色に比べて明度が高いからである。
<製造方法>
インジケータの製造方法は、スラリーの調整工程と、スラリーの塗布工程と、加熱処理工程とを含む。
スラリーは、変色色材、補助剤、バインダー樹脂、及び溶剤を含む。バインダー樹脂は、特に限定されない。例えば、バインダー樹脂として、石油系炭化水素樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル樹脂、ケトン樹脂、シリコン樹脂、ビニル樹脂、ブチラール樹脂、ホルマリン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、マレイン酸樹脂、クマロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、及び脂環族樹脂、等挙げられる。
溶剤として、バインダー樹脂を溶解できるものが用いられる。例えば、溶剤として、石油系溶剤などを用いることが好ましく、特にエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)等が挙げられる。なお、塗布性及び膜厚を変更する場合、バインダー樹脂及び溶剤の比率が調整される。
スラリーは、ベース基板2に塗布される。スラリーの塗布方法は限定されない。塗布方法として、例えば、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、スリットコート、シルクスクリーン印刷、シルクスクリーン印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等が挙げられる。
スラリーが塗付されたベース基板2はオーブンで加熱処理される。加熱処理により、スラリーのバインダー樹脂及び溶剤を除去または分解し、かつ変色層3を焼結させる。
加熱処理における焼結条件は、例えば、大気圧、大気雰囲気、650℃、6時間である。焼結時に、バインダー樹脂及び溶剤が除去される。なお、加熱処理で形成される変色層3には、実質的に、バインダー樹脂及び溶剤は含まれないが、変色層3内には、バインダー樹脂及び溶剤の加熱により形成される有機物が僅かに残存する。僅かに残存する有機物残渣が、高真空下の真空度を低下させる汚染物質になり得る。
以下、プラズマインジケータ1の作用及び効果を説明する。
(1)プラズマインジケータ1は、ベース基板2と、プラズマにより変色する変色層3とを備える。変色層3は、Ti、Zr、Y、Ba、Mg、Si、Al、及びPtの群から選択される少なくとも一種の元素と、Mo、W、Sn、V、Ce、Te、及びBiの群から選択される少なくとも一種の元素とを含む金属酸化物の焼結体である。変色層3の表面の少なくとも一部が露出し、変色層3の膜厚は、13.0μm以下である。
この構成によれば、実質的に樹脂を含まない。このため、バインダー樹脂を含むプラズマインジケータ1に比べて、高真空下での有機物の放出が少ない。
また、変色層3の膜厚が13.0μm以下であることにより、変色層3の膜厚が13.0μmよりも大きい場合に比べて変色層の深い部分に残存する有機物残渣(ここでは、Cを2以上含む有機物のほか、二酸化炭素、酸素、一酸化炭素、炭素を含む。)を少なくできる。これにより、高真空下において汚染物質の放出を少なくできる。
(2)ベース基板2がシリコン基板である場合、変色層3の膜厚は、8.0μm以上であることが好ましい。
シリコン基板の表面は、黒ないしは黒に近い灰色である。変色層3が薄すぎると、変色層3の下地であるシリコンの表面が変色層3を介して透けて見えるようになり、変色を視認し難い。この点、上記構成によれば、変色層3の膜厚が8.0μm以上であるため、変色層3が8.0μm未満である場合に比べて、変色層3の色の変化が視認し易い。
(3)ベース基板2がサファイア基板である場合、変色層3の膜厚は4.5μm以上であることが好ましい。
サファイア基板の表面は、白色ないしは半透明であるため、変色層3が薄い場合でも、サファイア基板の表面の色が変色の視認し易さを大きく低下させることはない。しかし、変色層3が薄過ぎると、変色層3に含まれる変色に係る元素の量が少なくなるため、色差が小さくなり、視認し難くなる。この点、上記構成によれば、変色層3の膜厚が4.5μm以上であるため、変色層3が4.5μm未満である場合に比べて、変色層3の色の変化を視認し易い。
(4)変色層3は、少なくともチタン(IV)とビスマス(III)とを含む金属酸化物である。
この構成によれば、チタンを含むことにより、変色層3の脆弱性が改善される。
(5)上記プラズマインジケータ1は、プラズマ処理前の表面の色は、白色である。この構成によれば、プラズマインジケータ1の変化の有無を判断し易くなる。
(6)上記プラズマインジケータ1は、空気中、大気圧下、450℃で30分間の加熱処理により、変色しない。ここで、「変色しない」とは、加熱処理前後において色差ΔEabが3.0以下であることを示す。これにより、封止袋の開封後において、プラズマインジケータ1を直ちに使用することが要求されないため、使用者の利便性が高まる。
<実施例>
表1〜表3を参照して、プラズマインジケータ1の実施例について説明する。
表1は、試料SL1〜試料SL8のスラリーの成分を示す。スラリーは、変色層3を形成するための材料である。試料SL1〜試料SL6は、シリコン基板に塗布するスラリーである。試料SL7及び試料SL8は、サファイア基板に塗布するスラリーである。
変色色材として、酸化ビスマス(Bi)を用いた。
補助剤として、酸化チタン(TiO)を用いた。
バインダー樹脂として、ブチラール樹脂を用いた。
溶剤として、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)を用いた。
試料SL1〜試料SL6は、焼成後の変色層3全体(変色色材と補助剤)に対する変色色材の質量比が90.9質量%となるように(表3参照)、調整されている。また、これらスラリーは、塗布性の変更のため、バインダー樹脂及び溶剤の量が異なっている。
試料SL7、試料SL8は、焼成後の変色層3全体(変色色材と補助剤)に対する変色色材の質量比が83.1%となるように(表3参照)、調整されている。
表2に示す塗布条件でスピンコート法により各試料をベース基板2に塗布した。スラリーの塗布には、SPINCOATER(ミカサ株式会社、型式;1H−DX2)を用いた。塗布時の周囲温度は、25℃であった。
その後、乾燥し、スラリーの膜を有するベース基板2を加熱処理した。加熱処理では、予備加熱し、その後、所定の焼成条件、すなわち大気圧、大気雰囲気、650℃、6時間で、スラリーの膜を焼結した。
表3は、各試料の変色層3の成分及び特性を示す。
なお、表3の「視認性」の欄、「密着性」の欄、「清浄性」の欄の1〜5の数字は、小さい数字ほど好ましいことを示す。例えば、視認性の場合、1が最も視認性に優れる。密着性の場合、1が最も密着性が高い。清浄性の場合、1が最も清浄性が高い。ここで清浄性とは、高真空装置内での圧力の上昇の低さとして定義される特性である。
以下、形成された試料P1〜試料P8について説明する。
試料P1〜試料P8は、試料SL1〜試料SL8から形成されたプラズマインジケータ1である。
試料P1〜試料P6は、いずれも、無機基材としてシリコン基板を備え、変色層3の組成が同じであり、膜厚が相違する(表3参照)。表3に示されるように、膜厚の大きさの増大とともに色差ΔEabが大きくなっている。一方、密着性は、膜厚の大きさの増大とともに低下する。また、清浄性は、膜厚の大きさの増大とともに低下する。このように、視認性と、密着性及び清浄性とは、膜厚の増大に対して、反対の傾向にある。
試料P7及び試料P8は、無機基材としてサファイア基板を備え、変色層3の組成が同じであり、膜厚が相違する(表3参照)。試料P7とP8の場合でも、表3には示されていないが、試料P1〜P6と同様の結果が得られる。すなわち、視認性と、密着性及び清浄性とは、膜厚の増大に対して、反対の傾向にある。
変色層3の膜厚が等しい条件では、ベース基板2がサファイア基板である場合は、シリコン基板である場合に比べて、視認性が高い。具体的には、サファイア基板の変色層3の膜厚が4.9μmであるときの色差は13.4であり、これは、シリコン基板の変色層3の膜厚が10.0μmであるときの色差の値に近い。
[視認性の測定及び評価]
視認性は、プラズマ処理前後の試料の色差ΔEabに基づいて、評価した。
図2は、試料のプラズマ処理に用いられた誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)型のプラズマエッチング装置の模式図である。ICP型のプラズマエッチング装置10は、交流電源11と、コイル12と、チャンバー13と、ウェハを載置するステージ14と、真空ポンプ(図示省略)とを備える。プラズマ処理時、試料をステージ14に置いた。プラズマ処理条件は、圧力を10.0Paとし、酸素ガスを流量40.0mL/min(sccm)で導入し、RFパワーを100Wとした。試料の処理時間を15秒とした。
色差計(コニカミノルタ製、型番:FD−7)で色度を測定した。色差ΔEabについては、プラズマ処理前とプラズマ処理後との色度の差として算出した。
図3は、各試料の色差の大きさを示す。図4は、シリコン基板を備える試料1〜6について、膜厚と色差との関係を示すグラフである。図4には、2次近似線が示されている。図4の2次近似線を示す式の「x」は膜厚を示す。図4に示されるように、色差は、膜厚の大きさに応じて増大する。
色差ΔEabの大きさに基づいて次のように視認性を数字化した(表3の「視認性」の欄参照)。
色差ΔEabが10.25未満であるとき、視認性を「5」とした。
色差ΔEabが10.25以上10.50未満であるとき、視認性を「4」とした。
色差ΔEabが10.50以上10.75未満であるとき、視認性を「3」とした。
色差ΔEabが10.75以上11.0未満であるとき、視認性を「2」とした。
色差ΔEabが11.0以上であるとき、視認性を「1」とした。
表3から分かるように、ベース基板2がシリコンである場合、視認性を「1」以上とするためには、膜厚が8.0μm以上であることが好ましい。また、ベース基板2がサファイアである場合、視認性を「1」以下とするためには、膜厚が4.5μm以上であることが好ましい。
[密着性の測定及び評価]
密着性について、クロスカット法(JIS−K5400−8.5)により評価した。カット間隔は、1.0mmとした。セロハン粘着テープとして積水化学工業株式会社製、軽包装用粘着テープNo.252、15mm幅を用いた。
本実施例では、剥離した面積に基づいて次のように密着性を数字化した(表3の「密着性」の欄参照)。
剥離面積が0%以上20%未満であるとき、密着性を「1」とした。
剥離面積が20%以上40%未満であるとき、密着性を「2」とした。
剥離面積が40%以上60%未満であるとき、密着性を「3」とした。
剥離面積が60%以上80%未満であるとき、密着性を「4」とした。
剥離面積が80%以上100%以下であるとき、密着性を「5」とした。
なお、試料P1〜試料P5の剥離面積は0%であった。試料P6の剥離面積は58%であった。
表3から分かるように、密着性を「1」以下とするためには、膜厚が13.0μm以下であることが好ましい。
[清浄性の測定及び評価]
清浄性を、試料を高真空下に置き加熱したときの圧力変化の圧力ピーク値として評価した。高真空装置として、昇温脱離ガス分析装置(電子科学株式会社製、型式;TDS1200II)を用いた。図5は、試料を高真空下に置き徐々に温度を上げていったときの装置内の圧力変化を示すグラフである。図5は、試料P3〜P6について、試料を高真空下に置き加熱したときの圧力変化を示す図である。図6は、膜厚と圧力ピーク値との関係を示すグラフである。図6は、各試料の膜厚と圧力ピーク値とをプロットしたものである。図6には、各点について1次近似線が線で示されている。図6の1次近似線を示す式の「x」は膜厚を示す。図6に示されるように、圧力ピーク値すなわち真空を汚染する物質量に正に相関する指標(非清浄性)は、膜厚の大きさに応じて増大することが分かる。
圧力ピーク値に基づいて次のように清浄性を数字化した(表3の「清浄性」の欄参照)。
圧力ピーク値が6.0E−6pa未満であるとき、清浄性「1」とした。
圧力ピーク値が6.0E−6pa以上7.0E−6pa未満であるとき清浄性を「2」とした。
圧力ピーク値が7.0E−6pa以上8.0E−6pa未満であるとき、清浄性を「3」とした。
圧力ピーク値が8.0E−6pa以上9.0E−6pa未満であるとき、清浄性を「4」とした。
圧力ピーク値が9.0E−6pa以上1.0E−5pa未満であるとき、清浄性を「5」とした。
なお、Eは、基数10を示す。Eの後の数字は指数を示す。
表3から分かるように、清浄性を「2」以下とするためには、膜厚が13.0μm以下であることが好ましい。
Figure 0006889471
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<その他の実施形態>
プラズマインジケータ1の実施形態は限定されない。例えば、プラズマインジケータ1は以下のように変更され得る。
・上記変色層3の上にまたは変色層3の横に、プラズマにより変色しない非変色層を設けてもよい。変色層3の横に、非変色層を設ける場合は、非変色層の膜厚は、変色層3の膜厚以下とすることが好ましい。非変色層は、無機物質で構成される。例えば、非変色層は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素である。非変色層には、プラズマで変色しない顔料が含まれ得る。非変色層は、初期の変色層3の色相と同じ色相または近い色相であることが好ましい。これによって、プラズマインジケータ1自体において非変色層と変色層3との対比が可能になり、色を比較するための参照のサンプルが省略できる場合がある。要するに、変色層3が変色したか否かの2値判定の場合、視認により簡単に判定できる。
1…プラズマインジケータ、2…ベース基板、3…変色層、10…プラズマエッチング装置、11…交流電源、12…コイル、13…チャンバー、14…ステージ。

Claims (3)

  1. 無機材料からなるベース基板と、前記ベース基板に設けられてプラズマにより変色する変色層とを備え、
    前記変色層は、少なくともチタン(IV)とビスマス(III)とを含む金属酸化物の焼結体であり、
    前記ベース基板は、シリコン基板であり、
    前記変色層は、前記ベース基板の表面に設けられ、前記変色層の表面の少なくとも一部が露出し、
    前記変色層の膜厚は、8.0μm以上であり、13.0μm以下である
    プラズマインジケータ。
  2. 無機材料からなるベース基板と、前記ベース基板に設けられてプラズマにより変色する変色層とを備え、
    前記変色層は、少なくともチタン(IV)とビスマス(III)とを含む金属酸化物の焼結体であり、
    前記ベース基板は、サファイア基板であり、
    前記変色層は、前記ベース基板の表面に設けられ、前記変色層の表面の少なくとも一部が露出し、
    前記変色層の膜厚は、4.5μm以上であり、13.0μm以下である
    プラズマインジケータ。
  3. さらに、プラズマにより変色しない非変色層を備える
    請求項1または請求項2に記載のプラズマインジケータ。
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