JP6889408B2 - 鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末及びその製造方法 - Google Patents

鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末及びその製造方法 Download PDF

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Description

本明細書に開示された技術は、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末及びその製造方法に関する。より詳しくは、炭素複合化に伴った導電性の高い鉄酸化物粒子粉末を用いる技術分野に適用される。同時に、炭素の一部はカーボンナノチューブであり、これと複合化した鉄酸化物粒子は機械的強度にも優れている。
鉄酸化物粒子粉末において、マグネタイト(Fe、便宜上、Feを基準としたFeO4/3で記載)やマグヘマイト(γ−FeO3/2)等の強磁性を有する材料もあるが、全般として、電気抵抗は高い。従って、前記粒子粉末は導電性に優れた材料であるとは言い難い。そのため、該粒子表面に導電性の高い材料で改質することで、導電性が付与されている。応用例として、磁気記録媒体の非磁性層に適応される高導電性の炭素粒子含有ヘマタイト粒子粉末等がある。一方、カーボンナノチューブは導電性に優れ、且つ、機械的強度にも優れているため、リチウムイオン二次電池やキャパシターの導電補助剤或いは活物質として該電極材料に適用されている。
ところで、酸化鉄粒子粉末もまた、二次電池やキャパシターの電極活物質として検討されている。中でも、ヘマタイト(α−FeO3/2)粒子粉末は、リチウムイオン二次電池の負極活物質粒子粉末として、安価で環境負荷が小さく、安全性が高い、という長所を有している。ヘマタイト粒子粉末で構成される電極を作用極として対極リチウムからなる非水電解質二次電池は、リチウムの吸蔵・放出を行う作用極において、次式(1)に示すコンバージョン(分解・再生型)の電極反応を行うことが知られている。
FeO3/2 + 3Li + 3e ⇔ Fe + (3/2)LiO・・・(1)
課題の一つとして、前記作用極における活物質粒子粉末は、リチウム吸蔵−放出に伴う該粒子粉末の体積変化により応力を発生させることがある。応力により該粒子粉末で構成された電極は、それ自身の電気抵抗を増大させ、結果として、二次電池の充放電サイクル特性を劣化させてしまう。
特許文献1には、負極活物質粒子粉末としての鉄酸化物粉末の平均粒径が1μm以上10μm以下であり、かつ結晶子サイズが354Å以上660Å以下であるリチウム二次電池用負極及び二次電池が挙げられている。さらに、特許文献2には、炭素系材料により水熱法を用いて被覆されている鉄を含む酸化物、又は鉄及びリチウムを含む酸化物が、リチウムイオン二次電池用負極活物質として挙げられている。
特許文献3には、導電材表面に金属酸化物ナノ粒子を強結合させた金属酸化物ナノ粒子−導電剤複合体が挙げられている。特許文献4には、気相法炭素繊維の表面に無機微粒子を複合化させた材料が挙げられている。
特開2011−029139公報 WO2014/136180公報 特開2014−53295公報 特開2005−113363公報
しかしながら特許文献1に記載された技術は、充放電の可逆性を改善するのみで、活物質粒子粉末の体積変化による応力発生を抑制しているとは言い難い。また、特許文献2に記載された技術では、炭素を被覆させることで初回充放電効率及び充放電サイクル特性の向上を図っているが、改善の余地は十分にある。
特許文献3及び4に記載された技術によって得られる複合体は、金属酸化物ナノ粒子に対する導電剤の割合が多い。そのため、金属酸化物粒子の効果、例えばリチウムの吸蔵・放出の効果が期待できるとは言い難い。
そこで本発明の目的は、上記課題に鑑み、鉄酸化物粒子粉末に導電性と機械的強度を付与した鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末、及びその製造方法を提供することにある。該複合体粒子粉末の炭素の一部はカーボンナノチューブであり、これを用いた導電性と機械的強度に優れた二次電池用負極及び二次電池を提供する。
即ち、本発明は、FeO(0<x≦1.6)で表わされる鉄酸化物粒子粉末を少なくとも1種を含む鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末において、鉄酸化物の含有量が25〜96重量%であり、炭素の一部がカーボンナノチューブであり、α−Feの含有量が3重量%以下である鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、本発明1に記載の鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末であって、1.4≦x≦1.6である鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1又は2に記載の鉄酸化物−炭素複合体粉末であって、凝集粒子径が0.01〜30μmである鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1〜3のいずれか1つに記載の鉄酸化物−炭素複合体であって、鉄酸化物相の結晶子サイズが10〜250nmである鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末である(本発明4)。
また、本発明は、本発明1〜4のいずれか1つに記載の鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末を備える二次電池用負極活物質粒子粉末である(本発明5)。
また、本発明は、本発明1〜4のいずれか1つに記載の鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末を電極活物質粒子粉末として備える二次電池である(本発明6)。
また、本発明は、本発明1〜4のいずれか1つに記載の鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の製造方法であって、母材となる鉄化合物粒子粉末に熱処理でカーボンナノチューブを複合化させる工程を含む鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の製造方法である(本発明7)。
本発明の一実施形態に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末によれば、鉄酸化物粒子粉末の機能を失うことなく導電性と機械的強度を向上させることができる。鉄酸化物粒子の導電性を高めることで、該粒子を二次電池負極活物質として用いた二次電池は、他の導電材を混合することなく負極を構成でき、エネルギー密度を高めることができる。また、鉄酸化物粒子の機械的強度を高めることで、充放電に伴う活物質粒子の膨張収縮で生じる応力を緩和でき、充放電サイクル特性に優れた二次電池負極活物質粒子粉末に好適となり得る。
本発明の一実施形態のカーボンナノチューブが鉄酸化物粒子粉末を被覆した模式図である。 実施例1で得られた鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末のSEM写真である。 実施例11で得られた鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末のSEM写真である。 実施例9及び10の試料、並びに比較例6で作製された粉体に炭素量を調整した試料の、圧縮成型体密度と体積抵抗率の関係である。 実施例12及び比較例6の試料を電極化し、対極Liで二次電池を構成して充放電曲線を描いた結果である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
まず、本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末について述べる。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、FeO(0<x≦1.6)で表わされる鉄酸化物粒子粉末の少なくとも1種を含んでいる。代表的な鉄酸化物粒子粉末はヘマタイト(x=1.5)、マグネタイト(x=1.33)、ウスタイト(x=1)、及びマグヘマイト(x=1.5)であり、原子レベルでの鉄や酸素の欠損を含んでも構わない。xの値は0.5〜1.6が好ましく、より好ましくは0.7〜1.6である。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、鉄酸化物の含有量が25〜96重量%である。25重量%未満であれば該含有量が少なく酸化鉄粒子の機能を十分に発揮することが難しい。また、96重量%を超えると導電性を付与させる炭素量が少なくなり、導電性の高い複合体粒子粉末が得られない。好ましくは27〜95重量%、より好ましくは30〜93重量%である。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、炭素の一部がカーボンナノチューブである。カーボンナノチューブとはチューブ状の炭素繊維材料であり、チューブ径がナノサイズを有している。2つのカーボンナノチューブが交差し、或いは複数が絡み合ってもよい。また、それらの一つ以上が混在する形状であっても良い。加えて、カーボンナノチューブ以外の炭素の状態は単独粒子状態であっても良いし、酸化鉄粒子表面に点在する島状態又は膜状態であっても良い。特に、図1に示すように、複数の鉄酸化物と複合化されたカーボンナノチューブが、導電性を確保するために、該複合体粒子の外部に向かって延伸している形状が好ましい。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、異相としてのα−Fe相の含有量が3重量%以下である。該α−Fe相は充放電に寄与する活物質として働かず、容量低下の要因である。好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。結晶相としては本発明の鉄酸化物以外に、α−Fe相及び炭化鉄相としてFeC相等が存在してもよく、更には合金相が存在しても構わない。FeC相含有量は7重量%以下、合金相含有量は5重量%以下であることが好ましい。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、炭素が複合化された鉄酸化物粒子が単独でも、凝集体を形成しても構わない。図1はカーボンナノチューブと複合した一次粒子径からなる鉄酸化物粒子であり、4つの該鉄酸化物粒子が一つの凝集粒子を形成している模式図である。また、鉄酸化物粒子と炭素の複合化の度合いは、電極体を製造する際の塗料化工程で、各々が分離しない程度であればよい。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、上記の鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の特性を満たす範囲であり、鉄酸化物の結晶構造を保つのであれば、鉄以外の異種金属成分が原子比で鉄に対して0.0005〜0.1含まれていてもよい。異種金属成分としては、種類を問わないが、例えばニッケル、コバルト、アルミニウム、及びマグネシウムが挙げられる。異種金属成分を含有することによって、例えば負極材として用いた場合に、コンバージョン反応における膨張・収縮を緩和することが期待される。異種金属成分が0.1原子比を超えると、鉄と異種金属との固溶体(所謂合金)の占める割合が多くなり、鉄酸化物の特性を十分に得られなくなるので好ましくない。異種金属成分が0.0005原子比未満に異種金属を抑えることは工業的に困難である。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、カーボンナノチューブを構成する以外の炭素の状態として、黒鉛、グラフェン、ハードカーボン、ソフトカーボン、非晶質炭素、ガラス状炭素、繊維状炭素およびフラーレンからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、カーボンナノチューブの層が多層であることが好ましい。工業的な観点から単層カーボンナノチューブの製造が難しいためである。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、FeO(1.4≦x≦1.6)で表わされる鉄酸化物粒子粉末であることが好ましい。ヘマタイト粒子又は欠陥構造を有するヘマタイト粒子に導電性及び機械的強度を向上させることで、二次電池負極活物質粒子粉末として有望になりうるためである。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の凝集粒子径は体積基準のメジアン径(D50)で表わされ、該凝集粒子径が0.01〜30μmであることが好ましい。0.01μm未満の該粒子粉末を製造することは工業的に困難であり、30μmを超えるものは、例えば負極を作製するために行うスラリー化が困難になる場合があるので、好ましくない。より好ましくは0.015〜25μmであり、特に好ましいのは0.02〜20μmである。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の鉄酸化物相の結晶子サイズは10〜250nmであることが好ましい。該結晶子サイズは前記鉄酸化物で最も質量分率の高い相(主相)の結晶子サイズである。10nm未満の鉄酸化物相を生成させることは工業的に困難であり、250nmを超えると負極用途としては不適当になる場合もある。より好ましくは15nm〜230nmであり、特に好ましいのは20nm〜200nmである。
次に、本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の製造方法について述べる。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、鉄含有粒子を含む母材粒子上に熱処理により炭素を複合化させることで得られる。ここで、母材粒子とは該複合体粒子粉末の鉄酸化物粒子となり得るものである。同時に、熱処理を伴った化学気相成長(CVD)法によって該母材粒子上にカーボンナノチューブを直接堆積させることも可能である(製法X)。また、別の方法として、母材粒子とカーボンナノチューブと炭素前駆体を室温付近で混合して、不活性ガス雰囲気下で熱処理して炭化することも可能である(製法Y)。該炭素前駆体としては、熱処理後に所定量の炭素を残すことによってカーボンナノチューブと母材粒子とを複合化するものであれば特に限定はしない。例えば、タールピッチ類や高分子樹脂などが挙げられる。
該母材粒子は鉄含有化合物であり、特に限定はしないが、鉄単体、鉄酸化物、鉄水酸化物、鉄炭化物、鉄塩化物、鉄硫化物、鉄錯体化合物、などを含むものが挙げられる。特に鉄単体、鉄酸化物、鉄炭化物、鉄錯体化合物が好ましい。本発明の複合体粒子粉末を構成するのであれば、鉄の一部を異種金属で置換しても構わない。異種金属としてのニッケル及びコバルトはCVD法における触媒としても働き、また、マグネシウム及びアルミニウムは熱処理時の助触媒・焼結防止剤としても働くためである。また、該母材粒子の形状は一般的な粉体の形状であればよく、球状、鱗片状、板状、繊維状、針状、紡錘状、多面体状などが挙げられる。母材粒子の平均一次粒子径は0.005〜25μmであることが好ましい。0.005μm未満の母材粒子を製造することは工業的に困難であり、25μmを超えて製造することもまた工業的に困難である。より好ましい母材粒子の平均一次粒子径は0.007〜23μmであり、特に好ましいのは0.01〜20μmである。
鉄酸化物−炭素複合体粒子を製造するための一つの熱処理方法であって、化学反応により母材粒子上に直接カーボンナノチューブを含む炭素を堆積させるCVD法(製法X)は、必要に応じてカーボンナノチューブを生成させる触媒を使用する。使用する触媒としては特に限定はしないが、例えば鉄、ニッケル、コバルトなどの遷移金属が挙げられる。母材粒子表面に触媒を付着させる方法は特に限定はしないが、母材粒子と触媒粒子に対し剪断・圧縮・衝突などの応力を同時にかけるメカノケミカル処理によって互いに固着させても良いし、触媒の溶液もしくは分散液に母材粒子を含浸・乾燥させることによって付着させても良い。該触媒を蒸着法などで母材粒子上に薄膜状に形成させても構わない。CVD処理に使用する炭素源としては、熱処理後に所定量の炭素を残すものであれば特に限定はしないが、例えばメタン、エチレン、アセチレン、液化石油ガス(LPG)、都市ガス、アルコールなど炭素含有材料が挙げられる。炭素源の分子中に硫黄や窒素、酸素を含有するものでも問題ない。
炭素を形成するためのCVD処理の温度は500℃から800℃の範囲で行うことが好ましい。反応の制御のために水素や、窒素などの不活性ガス、酸素などの酸化性ガスを混合しても問題ない。前記熱処理温度の保持時間は5分間から最大15時間程度であり、昇温・降温速度は50〜200℃/時間程度である。熱処理炉としては、ガス流通式管状炉、ガス流通式箱型マッフル炉、ガス流通式回転炉、ローラーハースキルン等を用いることができる。
鉄酸化物−炭素複合体粒子を製造するためのもう一つの熱処理方法(製法Y)であって、予め準備したカーボンナノチューブを利用する方法において、該カーボンナノチューブ及び炭素前駆体と母材粒子の混合度を高めるために、メカノケミカル処理を用いてもよい。得られたカーボンナノチューブ、炭素前駆体、及び母材粒子の混合物を熱処理する条件は、該熱処理後に所定量の炭素を残すものであれば特に限定はしないが、例えば窒素などの不活性ガスを使用し、200℃から600℃の範囲で行う方法が挙げられる。得られる鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の炭素含有量の調整のために、CVD処理に使用する炭素源ガス或いは酸素などの酸化性ガスを使用しても問題ない。該熱処理温度の保持時間は5分〜12時間程度であり、昇温・降温速度は50〜200℃/時間程度である。熱処理炉としては、管状炉、ガス流通式箱型マッフル炉、ガス流通式回転炉、ローラーハースキルン等を用いることができる。
炭素と母体粒子を複合化させるための熱処理の後、母体粒子中の一部は還元された金属相、合金相、及び炭化金属相となっている場合がある。これら低価数の相を再酸化させて目的とする鉄酸化物相を得るために、安定化処理として、再度熱処理を行っても良い。例えば酸素と窒素の混合ガス中200℃から600℃の範囲において1分以上12時間以下で熱処理を行うことが可能である。該安定化処理は、炭素と母材粒子を複合化させるための熱処理に引き続いて行っても良い。
上記熱処理或いは安定化処理により得られた複合体粒子粉末を粉砕、分級しても構わない。粉砕装置として、らいかい機、衝撃式微粉砕機、流体粉砕機等がある。粉砕、分級をすることで、該粒子粉末の凝集粒子径を制御することが可能である。
次に、本発明に係る二次電池について述べる。
本発明に係る二次電池は、正極、負極、非水電解液及びセパレーターから構成される。
本発明に係る負極活物質粒子粉末を含有する負極を製造する場合には、常法に従って、導電剤と結着剤とを添加混合する。導電剤としてはアセチレンブラック、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、黒鉛等の炭素材料が適応できる。しかしながら、本発明に係る負極活物質粒子粉末はカーボンナノチューブを含有する粒子粉末であるため、必ずしも該導電材を混合する必要はない。結着剤としてはポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、アクリル系樹脂等が好ましい。
正極活物質としては、一般的な非水電解質二次電池用の正極材であるコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム等を用いることができる。
また、溶媒としては、非水電解液用として使用しうるものであれば特に制限はない。一般にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性高誘電率溶媒や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、メチルアセテート等の酢酸エステル類あるいはプロピオン酸エステル類等の非プロトン性低粘度溶媒が挙げられる。これらの非プロトン性高誘電率溶媒や非プロトン性低粘度溶媒を適当な混合比で併用することが望ましい。更には、イミダゾリウム、アンモニウム、及びピリジニウム型のカチオンを用いたイオン性液体を使用することができる。対アニオンは特に限定されるものではないが、BF4 -、PF6 -、(CF3SO22-等が挙げられる。イオン性液体は前述の非水電解液溶媒と混合して使用することができる。
さらに、電解質塩としては、例えばリチウム塩であるLiPF、(CF3SO22NLi、LiBF、LiClO、LiAsF、CF3SO3Li、C49SO3Li、CF3CO2Li、(CF3CO22NLi、C65SO3Li、C817SO3Li、(C25SO22NLi、(C49SO2)(CF3SO2)NLi、(FSO264)(CF3SO2)NLi、((CF32CHOSO22NLi、(CF3SO23CLi、(3,5−(CF32634BLi、LiCF3、LiAlCl4、C4BO8Liなどが挙げられ、これらのうちのいずれか1種又は2種以上が混合して用いられる。
以下、本発明の具体的な実施の例を以下に示すが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
本発明の鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の粉体評価は以下のように行った。
(a)炭素含有量の測定
試料中の炭素含有量は、炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
(b)鉄酸化物及びα−Feの含有量の測定
X線回折(XRD)装置D8 ADVANCE(BRUKER社製)で測定を行い、リートベルト解析によって試料中の結晶相の同定を行った。炭素はアモルファス相として存在するものと、カーボンナノチューブやグラファイト起因の結晶相として存在するものがあった。炭素以外の結晶相である鉄酸化物、α−Fe、FeC、及びNiFe(テトラテーナイト)の重量分率を算出した。100重量%から試料中の炭素含有量を引いた値を前記結晶相の含有量とみなし、得られた重量分率から試料中の各相の含有量を見積もった。最も高い質量分率の鉄酸化物を主相とし、該結晶子サイズを算出した。
(c)メジアン径D50の測定
レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LMS−2000e((株)セイシン企業製)を用いて試料のD50を測定した。
(d)形状・一次粒子径観察
試料の凝集粒子同士が積層しないようにシート上に分散・固定させ、電界放射型走査型電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジー製)を用いて、該試料を観察した。
(f)圧縮成型体密度及び体積抵抗率
粒子粉末の圧縮成型体密度は2.00gの試料を直径20mmφの治具で、2〜20kNの加圧範囲内で、2kNずつ変えて圧粉し、各圧力に対して成型体厚さを測定し、得られた成型体の体積から算出した。前記加圧状態で、体積抵抗率を、抵抗率計測器ロレスタGP(三菱化学アナリテック(株))で4端子法、10Vで計測した。
下記の実施例及び比較例において、母材粒子の鉄含有粒子として用いた平均一次粒子径1μmのマグネタイト(FeO1.33)をA、平均一次粒子径1μmのヘマタイト(α−FeO1.5)をBとして表1に記載した。また、CVD処理に使用する炭素源のメタンガスをC、LPGをDとして表1に記載した。
Figure 0006889408
<実施例1>
母材粒子の鉄含有粒子Bを600℃で炭素源Cと120分間接触させた後、400℃で安定化処理を行い(製法X)、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末1を得た。表1に粉体特性を示すように、鉄酸化物粒子の結晶相はヘマタイトとマグネタイトの混相であり、鉄酸化物として31.3重量%含んでおり、α−Feの相は検出されず、残りの68.7重量%は炭素であった。また、図2に示すように、SEM観察でカーボンナノチューブが該鉄酸化物粒子と複合化しているのを確認した。凝集粒子径は16.0μmであった。
<実施例2>
母材粒子の鉄含有粒子Bを600℃で炭素源Cと120分間接触させた後、450℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末2を得た。
<実施例3>
鉄含有粒子AとBとを混合し、圧縮剪断応力の印加を行うことによって母材粒子を作製した。600℃で炭素源Dと60分間接触させた後、400℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末3を得た。
<実施例4>
鉄含有粒子AとBとを混合し、圧縮剪断応力の印加を行うことによって母材粒子を作製した。600℃−60分間で炭素源Dと接触させた後、450℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末4を得た。
<実施例5>
母材粒子の鉄含有粒子Bを600℃で炭素源Cと水素との混合ガス(体積比1:1)に60分間接触させた後、400℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末5を得た。
<実施例6>
母材粒子の鉄含有粒子Bを600℃で炭素源Cと水素との混合ガスに45分間接触させた後、400℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末6を得た。
<実施例7>
母材粒子の鉄含有粒子Bを600℃で炭素源Cと水素との混合ガスに90分間接触させた後、250〜350℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末7を得た。
<実施例8>
母材粒子の鉄含有粒子Bを600℃で炭素源Cと水素との混合ガスに80分間接触させた後、350℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末8を得た。
<実施例9>
鉄含有粒子Aを、ポリビニルアルコール500、完全けん化型(和光純薬工業株式会社製)、及び酢酸ニッケル(関西触媒化学株式会社製)と分散させ、スプレードライで造粒して母材粒子を作製した。650℃で炭素源Dと20分間接触させた後、250℃〜400℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末9を得た。
<実施例10>
鉄含有粒子A、ポリビニルアルコール及び酢酸ニッケルを水に分散させ、スプレードライで造粒して母材粒子を作製した。650℃で炭素源Dと10分間接触させた後、250℃〜400℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末10を得た。
<実施例11>
鉄含有粒子A、ポリビニルアルコール及び酢酸ニッケルを水に分散させ、スプレードライで造粒して母材粒子を作製した。650℃で炭素源Dと30分間接触させた後、250℃〜400℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末11を得た。図3に示すSEM写真から分かるように、鉄酸化物とカーボンナノチューブが複合化されていた。
<実施例12>
鉄含有粒子A、ポリビニルアルコール及び酢酸ニッケルを水に分散させ、スプレードライで造粒して母材粒子を作製した。650℃で炭素源Dと20分間接触させた後、250℃〜400℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末12を得た。得られた該試料のXRDによるヘマタイトとマグネタイトの重量比は90.9:9.1であった。
<実施例13>
鉄酸化物粒子Aと鉄酸化物粒子Bとを混合し、圧縮剪断応力の印加を行うことによって母材粒子を作製した。600℃で40分間炭素源Dと接触させた後、250℃〜350℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末13を得た。XRDにより25重量%のFeCの相も確認された。
<比較例1>
母材粒子の鉄含有粒子Bを、600℃で120分間炭素源Cと接触させ、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末21を得た。
<比較例2>
鉄含有粒子AとBとを混合し、圧縮剪断応力の印加を行うことによって母材粒子を作製した。600℃で60分間炭素源Dと接触させ、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末22を得た。
<比較例3>
鉄含有粒子AとBとを混合し、圧縮剪断応力の印加を行うことによって母材粒子を作製した。600℃で45分間炭素源Dと接触させて、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末23を得た。
<比較例4>
鉄含有粒子AとBとを混合し、圧縮剪断応力の印加を行うことによって母材粒子を作製した。600℃で45分間炭素源Dと接触させた後、250〜350℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末24を得た。
<比較例5>
母材粒子の鉄含有粒子Bを、600℃で炭素源Cと水素との混合ガスに70分間接触させた後、350℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末25を得た。
<比較例6>
鉄含有粒子A、ポリビニルアルコール及び酢酸ニッケルを水に分散させ、スプレードライで造粒して母材粒子を作製した。500℃の熱処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末26を得た。得られた該試料のXRDによるヘマタイトとマグネタイトの重量比は91.8:8.2であり、実施例12と同程度の結晶相の重量比であった。
<比較例7>
母材粒子の鉄含有粒子Aを、600℃で20分間炭素源Dと接触させた後、250℃〜400℃で安定化処理を行い、鉄酸化物−炭素複合体27を得た。
実施例1〜13及び比較例1〜7に係る鉄酸化物−炭素複合体についての粉体特性も表1に示す。
<粉体抵抗率>
鉄酸化物−炭素複合体9(実施例9、炭素含有量33.8重量%)および鉄酸化物−炭素複合体10(実施例10、炭素含有量10.8重量%)の粉体抵抗率を比較する為に、鉄酸化物−炭素複合体26(比較例6)にデンカブラックHS−100(デンカ株式会社製)を加えて、各々炭素含有量が約11重量%、約34重量%となる様にメノウ乳鉢で混合し、鉄酸化物−炭素混合物31及び32を作製した(各々、表2の比較例6−1と6−2で、各々炭素含有量10.3と31.8重量%)。圧縮形成体密度に対する体積抵抗率をプロットした結果を図4に示す。鉄酸化物−炭素複合体9及び鉄酸化物−炭素複合体10は、鉄酸化物−炭素混合物31及び鉄酸化物−炭素混合物32に対して、同程度の圧縮成型体密度に対し良好な導電性を示した。
鉄酸化物−炭素複合体9及び10、並びに鉄酸化物−炭素混合物31及び32の炭素含有量、圧縮成型体密度を約1.9g/ccとなるときの荷重及び体積抵抗率を表2に示す。鉄酸化物−炭素複合体10と鉄酸化物−炭素混合物31において、体積抵抗率が2倍以上異なった。鉄酸化物−炭素複合体9と鉄酸化物−炭素混合物32において、該混合物32は圧縮密度を1.9g/ccにするために必要な荷重は該複合体9に対し、約1.5倍の荷重が必要であった。
Figure 0006889408
<鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末12(実施例12)を使用した電極41の作製>
鉄酸化物−炭素複合体12を95質量部に、呉羽化学製KFポリマーL9305(ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)を5質量%含有したN−メチルピロリドン(NMP)溶液品)を5質量部として加え、プラネタリーミキサーにて混練し、固形分濃度を約21重量%に調整した後、高純度銅箔上に200μmのドクターブレードを用いて塗布した。塗布後の電極シートを乾燥させた後、ロールプレスを用いて、電極に対し線圧15kN/mmでプレスし、さらにこれを120℃、1時間真空乾燥した後、2032コインセル用15mmφに打ち抜くことによって、電極41を作製した。
<鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末26(比較例6)にデンカブラックを添加した電極42の作製>
鉄酸化物−炭素複合体26を76.1質量部に、呉羽化学製KFポリマーL9305を4.9質量部に、導電剤としてデンカブラックHS−100を19.0質量部にして互いに加え、プラネタリーミキサーにて混練し、固形分濃度を約21重量%に調整した後、高純度銅箔上に200μmのドクターブレードを用いて塗布した。塗布後の電極シートを乾燥させた後、ロールプレスを用いて、電極に対し線圧15kN/mmでプレスし、さらにこれを120℃、1時間真空乾燥した後、2032コインセル用として15mmφに打ち抜くことによって、電極42を作製した。
<鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末(比較例6)にカーボンナノチューブを添加した電極43の作製>
鉄酸化物−炭素複合体26を75.4質量部に、呉羽化学製KFポリマーL9305を5質量部に、導電剤としてカーボンナノチューブを19.6質量部にして互いに加え、プラネタリーミキサーにて混練し、固形分濃度を約21重量%に調整した後、高純度銅箔上に200μmのドクターブレードを用いて塗布した。塗布後の電極シートを乾燥させた後、ロールプレスを用いて、電極に対し線圧15kN/mmでプレスし、さらにこれを120℃、1時間真空乾燥した後、2032コインセル用として15mmφに打ち抜くことによって、電極43を作製した。
作製した電極41〜43を用いて2032コインセルを作製した。以下の操作は露点−80℃以下の乾燥アルゴン雰囲気下で実施した。2032コインセル内において、前記各電極と金属リチウム箔をセパレータで挟み込み積層した。この積層体に、電解液(EC(エチレンカーボネート)とEMC(エチルメチルカーボネート)を1:2の割合で混合したものを溶媒とし、これに電解質としてLiPFを1mol/Lの濃度で溶解したもの)を加えて試験用セルとした。
作製した試験用ハーフセルの充放電試験を25℃で行った。充電は0.2Cで0.1Vまで定電流充電(CC充電)を行い、0.05Cまで電流が減衰したところで充電完了とした。放電は0.2Cで定電流放電(CC放電)を行い、3.0Vでカットオフした。電極41、42、43の初回の充放電カーブを図5に示す。容量増と共に電圧増を示す曲線を充電、容量増と共に電圧減を示す曲線を放電とすると、電極41は良好な充電容量を示し、充電容量と放電容量の比で表わされる初期効率は高く、優れた電極性能を示した。
本発明に係る鉄酸化物−炭素複合体は、例えばリチウムイオン二次電池、あるいはリチウムイオンキャパシタの負極材料として有用である。

Claims (1)

  1. 鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の製造方法であって、母材となる鉄化合物粒子粉末に熱処理でカーボンナノチューブを複合化させる工程を含み、得られる鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末は、FeO(0<x≦1.6)で表わされる鉄酸化物粒子粉末の少なくとも1種を含む鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末であって、鉄酸化物の含有量が25〜96重量%であり、炭素の一部がカーボンナノチューブであり、α−Feの含有量が3重量%以下である鉄酸化物−炭素複合体粒子粉末の製造方法。
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