JP6888523B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用動力伝達装置に係り、特に、動力伝達装置内に備えられる遊星歯車装置のガタ打ちを抑制する技術に関する。
ハイブリッド車両の動力分配機構等を備えた車両用動力伝達装置には、遊星歯車装置が備えられており、駆動源から出力される動力が遊星歯車装置を介して駆動輪に出力されるものがある。このような遊星歯車装置において、キャリヤが非回転部材であるケースに嵌合されることで、そのキャリヤが常時回転停止させられるものが知られている。例えば、特許文献1に記載の車両用動力伝達装置がそれである。特許文献1には、遊星歯車装置のキャリヤがケースに嵌合される構造が開示されており、上記構造において発生するノイズを抑制する技術が開示されている。具体的に説明すると、遊星歯車装置のキャリヤとケースとの嵌合においてキャリヤとケースとの間にスラスト方向および周方向の隙間(ガタ)が形成されており、駆動源から伝達される回転変動がキャリヤに伝達されると、その回転変動によってキャリヤとケースとがスラスト方向および周方向に繰り返し衝突することで、その衝突(ガタ打ち)がケースを介してノイズとして運転者に伝達される。これに対して、特許文献1では、キャリヤとケースとの間のスラスト方向のガタを詰める皿バネが設けられており、これによりガタ打ちが抑制されている。
特開2011−085210号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の構造では、長期使用によって皿バネが塑性変形してしまうおそれがあり、それによってガタ打ちの抑制効果が減じられてしまう可能性がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、電動機および遊星歯車装置を備え、その遊星歯車装置のキャリヤがケースに嵌合されることで回転停止させられる車両用動力伝達装置において、キャリヤとケースとの間で発生するガタ打ちが長期にわたって抑制されることが可能となる車両用動力伝達装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、電動機と、遊星歯車装置のキャリヤと、前記キャリヤと嵌合され、前記電動機と前記キャリヤとの間に配された非回転部材であるケースと、を有する車両用動力伝達装置であって、前記ケースは貫通孔を有し、前記キャリヤは、前記貫通孔に挿通して前記電動機内のロータが発生する磁界により吸引される磁性体からなる突起部を有することにある。
本発明の車両用動力伝達装置によれば、前記ケースは貫通孔を有し、前記キャリヤは、前記貫通孔に挿通して前記電動機内のロータが発生する磁界により吸引される磁性体からなる突起部を有する。これによって、前記電動機内のロータが発生する磁界により、磁性体からなる突起部が電動機側に吸引されることで、キャリヤがケースに押し付けられる。その結果、キャリヤとケースとの間の摩擦力が増大してキャリヤの周方向および回転中心線方向の変位が抑えられ、キャリヤとケースとの間で発生するガタ打ちが抑制される。このような磁力を利用してキャリヤがケースに押し付けられる機能は長期にわたって維持されるため、キャリヤとケースとの間で発生するガタ打ちを長期にわたって抑制することができる。
本発明の一実施例であるハイブリッド形式の車両用動力伝達装置の概要を説明するための骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置の要部を示す断面図である。 図2に示すキャリヤ部にピニオンギヤが配設された状態を概略的に示した斜視図である。 図2に示すキャリヤ部を第2円盤部側から見た側面図である。 本発明の他の実施例である車両用動力伝達装置の要部を示す断面図である。
本発明の一実施形態において、前記貫通孔および前記突起部は、前記嵌合の機能を有する。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド形式の車両用動力伝達装置10の概要を説明するための骨子図である。図1に示すように、車両用動力伝達装置10は、エンジン12と、エンジン12のクランクシャフト14に連結されている動力分配機構として機能する第1遊星歯車装置18と、その第1遊星歯車装置18に動力伝達可能に連結されている第1電動機MG1と、第1遊星歯車装置18に接続されているリダクションギヤとしての第2遊星歯車装置20と、第2遊星歯車装置20に動力伝達可能に連結されている第2電動機MG2と、を備えている。
なお、第1電動機MG1および第2電動機MG2は発電機能をも有する所謂モータジェネレータであるが、動力分配機構の差動状態を制御するための差動用電動機として機能する第1電動機MG1は、反力を発生するためのジェネレータ機能(発電機能)を少なくとも備える。そして、駆動輪28に動力伝達可能に連結された第2電動機MG2は、走行用の駆動力源として駆動力を出力する走行用電動機として機能するためモータ機能(電動機機能)を少なくとも備える。
第1遊星歯車装置18は、シングルピニオン型遊星歯車装置で構成され、サンギヤ部S1と、リングギヤ部R1と、サンギヤ部S1およびリングギヤ部R1と噛み合うピニオンギヤ部P1と、ピニオンギヤ部P1を自転および公転可能に支持するキャリヤ部CA1と、を備えている。第1遊星歯車装置18のサンギヤ部S1が第1電動機MG1に連結され、キャリヤ部CA1がエンジン12に連結され、リングギヤ部R1が出力歯車22、減速歯車装置24、および差動歯車装置26を介して左右の駆動輪28に作動的に連結されている。
第2遊星歯車装置20は、シングルピニオン型遊星歯車装置で構成され、サンギヤ部S2と、リングギヤ部R2と、サンギヤ部S2およびリングギヤ部R2と噛み合うピニオンギヤ部P2と、ピニオンギヤ部P2を自転および公転可能に支持するキャリヤ部CA2と、を備えている。第2遊星歯車装置20のサンギヤ部S2が第2電動機MG2に連結され、キャリヤ部CA2が非回転部材であるケース30(トランスアクスルケース)に連結され、リングギヤ部R2がリングギヤ部R1と同様に、出力歯車22、減速歯車装置24、および差動歯車装置26を介して左右の駆動輪28に作動的に連結されている。ケース30は、アルミニウム純度の低い鋳物用アルミニウム材料から形成された、例えばアルミニウム合金製である。なお、第2遊星歯車装置20が本発明の遊星歯車装置に相当し、キャリヤ部CA2が本発明のキャリヤに相当する。
また、本実施例では、第1遊星歯車装置18のリングギヤ部R1の内歯と第2遊星歯車装置20のリングギヤ部R2の内歯とは同じ回転中心線方向に並んで形成されると共に、外周側に出力歯車22の外歯が形成されている所謂複合式の複合歯車42が使用されている。このように、複合歯車42において複数の歯車機能が一体化されることにより、車両用動力伝達装置10がコンパクトとなる。
図2は、図1の車両用動力伝達装置10の要部を示す断面図である。具体的には、図1における第1遊星歯車装置18、第2遊星歯車装置20、および第2電動機MG2の周辺の構造が示されている。図2に示すように、第1電動機MG1および第2電動機MG2の間に、第1遊星歯車装置18および第2遊星歯車装置20が回転中心線C方向に並んで配されている。第1遊星歯車装置18および第2遊星歯車装置20の内周側には、エンジン12によって回転駆動される第1軸32、およびその第1軸32にスプライン嵌合されることで第1軸32と一体的に回転させられる第2軸34が回転中心線Cを中心に回転可能に配置されている。第1遊星歯車装置18および第2遊星歯車装置20の外周側には、非回転部材であるケース30が設けられている。
第1遊星歯車装置18において、サンギヤ部S1は、第1電動機MG1に連結されている伝達部材36の外周端に斜歯で形成されており、そのサンギヤ部S1の外歯がキャリヤピン40によって回転可能に支持されている斜歯のピニオンギヤ部P1と噛み合わされている。キャリヤ部CA1は、内周端が第1軸32の一端から径方向に伸びる鍔部38の外周縁に連結された状態で、ピニオンギヤ部P1を自転可能に保持するキャリヤピン40の両端を支持している。なお、上記キャリヤピン40は、周方向に等角度間隔で複数個配置されている。上記より、キャリヤ部CA1は、複数個のピニオンギヤ部P1を自転可能に保持しつつ、エンジン12(第1軸32)と一体回転させられる。リングギヤ部R1は、第2遊星歯車装置20のリングギヤ部R2および出力歯車22が形成されている円環状の複合歯車42の内周面にその内歯が斜歯で形成され、ピニオンギヤ部P1と動力伝達可能に噛み合わされている。第1遊星歯車装置18の差動作用によって、エンジン12の動力が出力歯車22および第1電動機MG1に適宜分配される。
第2遊星歯車装置20において、サンギヤ部S2は、第2電動機MG2に連結されている円筒状の伝達部材44の外周端にスプライン嵌合されている円筒状の円筒部材46にその外歯が斜歯で形成されている。サンギヤ部S2は、その外歯がキャリヤピン50によって回転可能に支持されている斜歯のピニオンギヤ部P2に噛み合わされている。伝達部材44は、軸受74を介してケース30の外周部から内周側に向かって伸びる隔壁30aによって回転可能に支持されている。キャリヤ部CA2は、ピニオンギヤ部P2を自転可能に保持する複数本(本実施例では、等角度間隔で5個)のキャリヤピン50の両端を支持している。キャリヤ部CA2の回転中心線C方向の他端側の第2円盤部54の内周部に軸受70が配設されることで、第1軸32は、軸受70およびキャリヤ部CA2を介してケース30に回転可能に支持されている。リングギヤ部R2は、複合歯車42の内周側に斜歯で形成されており、その内歯がピニオンギヤ部P2に噛み合わされている。したがって、第2電動機MG2の回転が第2遊星歯車装置20を介することで減速されて出力歯車22から出力される。
第2電動機MG2は、例えば永久磁石型交流同期モータであり、ステータ部96およびロータ部94を備える。ロータ部94は、回転中心線Cを中心に回転可能とされた円筒状の伝達部材44に連結された円筒形の構造である。ロータ部94は、その内部に永久磁石94a(例えばネオジウム磁石)を収容しており、その外周面は永久磁石94aによって磁化され、回転中心線Cの周方向にNおよびSの磁極が交互に存在している。ステータ部96は、回転中心線Cの径方向においてロータ部94の外周面を取り囲むように配されている。ステータ部96には巻線が施され、その巻線に交流が流されて回転磁界が発生させられることによって、ロータ部94がその回転磁界に吸引または反発させられて回転する。したがって、回転磁界を発生させる交流の周波数を制御することで、ロータ部94の回転速度が制御される。なお、第2電動機MG2が本発明の電動機に相当し、ロータ部94が本発明のロータに相当する。
第2電動機MG2の一端とキャリヤ部CA2の第1円盤部52との間には、ケース30の隔壁30aが配され、第2電動機MG2とキャリヤ部CA2の第1円盤部52とは、回転中心線C方向において隔壁30aを介して互いに対向している。
図3は、図2に示すキャリヤ部CA2にピニオンギヤ部P2が配設された状態を概略的に示した斜視図である。図4は、図2に示すキャリヤ部CA2を後述する第2円盤部54側から見た側面図である。なお、図4の切断線IIで切断した断面図が、図2の一部に示されたものである。
キャリヤ部CA2は、ピニオンギヤ部P2をキャリヤピン50によって回転可能に支持するための第1円盤部52および第2円盤部54と、第1円盤部52と第2円盤部54とを連結する連結部56と、を備えている。なお、本実施例では、第2円盤部54と連結部56とは同一部材で一体的に形成されており、第1円盤部52と連結部56とは、互いの周方向の相対位置が調整された状態でビーム溶接等によって相互に固定されている。また、図3に示すように、ピニオンギヤ部P2は斜歯歯車で構成され、そのピニオンギヤ部P2と噛み合うサンギヤ部S2およびリングギヤ部R2も同様に斜歯歯車で構成される。
第1円盤部52は、略円盤形状で構成され、その外周部において回転中心線C方向でピニオンギヤ部P2とは反対側に伸びる突起部64を複数個(本実施例では8個)有する。第2円盤部54は、回転中心線C方向においてピニオンギヤ部P2を介して第1円盤部52とは反対側にあって、略円盤形状で構成されている。連結部56は、第2円盤部54の外周縁より回転中心線Cと平行に伸びてその端縁が第1円盤部52に接続される。なお、本実施例の連結部56は、周方向において等角度間隔に5本設けられている。また、第2円盤部54には、ピニオンギヤ部P2を回転可能に支持するキャリヤピン50の軸端を嵌め着けるためのキャリヤピン支持穴58が形成されている。そして、キャリヤピン50は、キャリヤピン支持穴58および第1円盤部52にも同様に設けられているキャリヤピン支持穴にも嵌め着けられることによって両端が支持される。ピニオンギヤ部P2は、キャリヤピン50に貫通された状態で自転可能に支持される。第1円盤部52および第2円盤部54は、連結部56で接続されているため一体的に回転させられる。
図2に戻り、キャリヤ部CA2の第1円盤部52の複数の突起部64は、ケース30の隔壁30aに形成された複数の貫通孔66を挿通している。貫通孔66の内周面が嵌合穴部62としての機能を有し、突起部64のうち貫通孔66の内周面に対向した部位が嵌合突部60としての機能を有し、両者が嵌合されることでキャリヤ部CA2はケース30に連結されて常時回転が停止させられている。なお、キャリヤ部CA2の突起部64と貫通孔66との間には、ケース30への第2遊星歯車装置20の組み付け性を確保するために、回転中心線Cの周方向に隙間(ガタ)があるため、トルク変動によりケース30に対してキャリヤ部CA2が周方向に隙間分だけ変位するとガタ打ち音が発生する。
複合歯車42は、その両端に配設されている軸受72および軸受76を介してケース30によって回転中心線Cを中心に回転可能に支持されている。また、複合歯車42の外周側において回転中心線C方向の両側に形成されている段付部80および段付部82の段付面が軸受72および軸受76の端面と互いに当接することで、複合歯車42、軸受72、および軸受76の回転中心線C方向への移動が規制されている。具体的には、軸受72および軸受76の端面も同様に、ケース30に形成されている側壁84および側壁86とそれぞれ当接することで、軸受72は複合歯車42および軸受76を介して回転中心線C方向への移動が規制されると共に、軸受76は複合歯車42および軸受72を介して回転中心線C方向への移動が規制されている。また、複合歯車42は軸受72および軸受76によって回転中心線C方向への移動が規制されている。
突起部64は磁性体、例えば鉄で構成され、貫通孔66を挿通してその先端部は第2電動機MG2のロータ部94の近傍まで伸びているが、ロータ部94が回転しても突起部64に接触しないようになっている。ロータ部94は、その内部にある永久磁石94aによって磁化されているため、磁性体である突起部64はロータ部94が発生する磁界により吸引される。そのため、キャリヤ部CA2は、回転中心線C方向において第2電動機MG2側に吸引され、キャリヤ部CA2の第1円盤部52が隔壁30aに押し付けられる。
上記のように、突起部64が第2電動機MG2側に吸引されることによりキャリヤ部CA2が隔壁30aに押し付けられ、キャリヤ部CA2と隔壁30aとの間に形成されているスラスト方向(回転中心線C方向)のガタが詰められてキャリヤ部CA2とケース30との間のスラスト方向の相対的な変位が抑制される。さらに、上記押し付けに伴ってキャリヤ部CA2が隔壁30aに押圧されることから、その押圧による摩擦力によってキャリヤ部CA2と隔壁30aとの周方向(回転方向)の回転変位が抑制される。そのため、キャリヤ部CA2とケース30との間に形成される回転方向のガタで発生する互いの部材の衝突によるガタ打ちが好適に抑制される。また、回転変位が抑制されてガタ打ちが抑制されるのに伴い、嵌合突部60および隔壁30aの嵌合穴部62の衝突に伴う摩耗も抑制される。
本実施例の車両用動力伝達装置10によれば、ケース30は貫通孔66を有し、キャリヤ部CA2は、貫通孔66に挿通して第2電動機MG2内のロータ部94が発生する磁界により吸引される磁性体からなる突起部64を有する。これによって、第2電動機MG2内のロータ部94が発生する磁界により、突起部64が第2電動機MG2側に吸引されることで、キャリヤ部CA2がケース30に押し付けられる。その結果、キャリヤ部CA2とケース30との間の摩擦力が増大してキャリヤ部CA2の周方向および回転中心線C方向の変位が抑えられ、キャリヤ部CA2とケース30との間の衝突で発生する音が抑制される。このような磁力を利用してキャリヤ部CA2がケース30に押し付けられる機能は長期にわたって維持されるため、キャリヤ部CA2とケース30との間で発生するガタ打ちが長期にわたって抑制されることが可能となる。
また、本実施例の車両用動力伝達装置10によれば、ロータ部94は、その内部に収容した永久磁石94aにより常に磁界を発生させているため第2電動機MG2が作動していないときでも、磁性体からなる突起部64を吸引する。そのため、エンジン12のみで駆動輪28が駆動され、第2電動機MG2が作動していない場合であっても、キャリヤ部CA2の周方向および回転中心線C方向の変位が抑えられ、キャリヤ部CA2とケース30との間の衝突で発生する音が抑制される。
また、本実施例の車両用動力伝達装置10によれば、キャリヤ部CA2の突起部64は嵌合突部60の機能を有し、ケース30に設けられた貫通孔66は嵌合穴部62の機能を有する。そのため、キャリヤ部CA2およびケース30の機構の単純化やケース30へのキャリヤ部CA2(第2遊星歯車装置20)の組み付け作業の効率化が図られる。
また、本実施例の車両用動力伝達装置10によれば、キャリヤ部CA2がケース30に押し付けられるため、キャリヤ部CA2の姿勢を適正に保つことができ、第2遊星歯車装置20の歯車の噛合姿勢が適正になるのに従い、ギヤノイズが低減される。
図5は、本発明の他の実施例である車両用動力伝達装置110の要部を示す断面図である。なお、以下の説明において前述の実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施例の車両用動力伝達装置110は、実施例1におけるキャリヤ部CA2の突起部64の機能と嵌合突部60の機能とが分かれており、またケース30に設けられた貫通孔66の機能と嵌合穴部62の機能とが分かれている。
キャリヤ部CA2は、ピニオンギヤ部P2をキャリヤピン50によって回転可能に支持するための第1円盤部152および第2円盤部54と、第1円盤部152と第2円盤部54とを連結する連結部56と、を備えている。本実施例のキャリヤ部CA2は、前述の実施例1のキャリヤ部CA2と略同じであるが、第1円盤部152が実施例1の第1円盤部52と異なる。
第1円盤部152は、回転中心線Cの内周側に穴を有する略円盤形状で構成され、その外周部において回転中心線C方向でピニオンギヤ部P2とは反対側に伸びる嵌合突部160を複数個(本実施例では8個)有する。また、第1円盤部152は、回転中心線Cの径方向の嵌合突部160より内周側においてピニオンギヤ部P2とは反対側に伸びる突起部164を複数個(本実施例では8個)有する。
非回転部材であるケース130の隔壁130aに形成された複数の嵌合穴部162に、キャリヤ部CA2の第1円盤部152の複数の嵌合突部160が嵌め入れられることで、キャリヤ部CA2とケース130とが嵌合されている。これより、キャリヤ部CA2(第1円盤部152)が回転不能に保持されることとなる。
キャリヤ部CA2の突起部164は磁性体、例えば鉄で構成され、第1円盤部152のうちの他の部位とは別の部材である。キャリヤ部CA2の第1円盤部152は、第1円盤部152のうちの突起部164以外の部位を構成する部材に突起部164が焼結鋳込みや溶接等によって連結されて一体化されている。突起部164は、ケース130の隔壁130aに設けられた貫通孔166を挿通してその先端部は第2電動機MG2のロータ部94の近傍まで伸びているが、ロータ部94が回転しても突起部164に接触しないようになっている。そのため、前述の実施例1と同様に、キャリヤ部CA2は、回転中心線C方向において第2電動機MG2側に吸引され、キャリヤ部CA2の第1円盤部152が隔壁130aに押し付けられる。
本実施例の車両用動力伝達装置110によれば、前述の実施例1と同様に、第2電動機MG2の作動の有無にかかわらず、キャリヤ部CA2と隔壁130aとの間に形成されているスラスト方向(回転中心線C方向)のガタが詰められてキャリヤ部CA2とケース130との間のスラスト方向の相対的な変位が抑制され、キャリヤ部CA2の隔壁130aへの押圧による摩擦力によってキャリヤ部CA2と隔壁130aとの周方向(回転方向)の回転変位が抑制される。また、キャリヤ部CA2とケース130との間のガタ打ちが好適に抑制され、嵌合突部160および隔壁130aの嵌合穴部162の衝突に伴う摩耗も抑制される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例1、実施例2において、第2遊星歯車装置20のサンギヤ部S2は第2電動機MG2に連結され、リングギヤ部R2は出力歯車22に連結されているが、連結関係は上記に限定されるものではなく、自由に変更することができる。
前述の実施例2において、第2遊星歯車装置20の非回転部材であるケース130へ連結は、嵌合によって行われていたが、これに限らない。例えば、第2遊星歯車装置20のキャリヤ部CA2の外周面と、ケース130の内周面と、がスプライン嵌合によって連結されても良い。
前述の実施例1、実施例2は、ハイブリッド形式の車両用動力伝達装置10、車両用動力伝達装置110であったが、これに限らない。例えば、電気自動車や燃料電池車のように電動機を搭載していれば、本発明は適用可能である。例えば、電気自動車や燃料電池車では、駆動輪28が駆動されている状態のときは必ず電動機が作動しているため、ロータ部94はその内部に収容した永久磁石94aによって磁界を発生させているものに限らず、電磁石など巻線への電流供給によって磁界を発生させているものであっても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、110:車両用動力伝達装置
20:第2遊星歯車装置(遊星歯車装置)
30、130:ケース
30a、130a:隔壁
60、160:嵌合突部
62、162:嵌合穴部
64、164:突起部
66、166:貫通孔
94:ロータ部(ロータ)
96:ステータ部
C:回転中心線
CA2:キャリヤ部(キャリヤ)
MG2:第2電動機(電動機)

Claims (1)

  1. 電動機と、遊星歯車装置のキャリヤと、前記キャリヤと嵌合され、前記電動機と前記キャリヤとの間に配された非回転部材であるケースと、を有する車両用動力伝達装置であって、
    前記ケースは貫通孔を有し、
    前記キャリヤは、前記貫通孔に挿通して前記電動機内のロータが発生する磁界により吸引される磁性体からなる突起部を有する
    ことを特徴とする車両用動力伝達装置。
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