JP6887562B2 - 分子キャラクタリゼーション方法およびシステム - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、2017年4月24日付出願の米国仮特許出願第62/489,087号の利益を主張する。上記出願の全教示内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
原油は、自然界に存在する複雑な物質であり、地理学的場所、ソースロック、油層の年代及び深度、ならびに生産に応じて、密度、揮発性、粘度、硫黄分、窒素分、金属分などの特性が大いに異なり得る。原油は、極めて多数の様々な分子種で構成されている。異なる原油は、異なる種類及び量の分子(すなわち、異なる組成)を含有する。AspenTech社は、過去に、分子キャラクタリゼーション法を用いて原油の組成や特性を表す方法を開発した。2018年4月3日付発行の特許文献1“Method of Characterizing Chemical Composition Of Crude Oil For Petroleum Processing(石油精製のために原油の化学組成をキャラクタリゼーションする方法)”、および2016年2月18日付出願の特許文献2“Method To Represent Metal Content In Crude Oils, Reactor Feedstocks, And Reactor Products(原油、リアクター原料及びリアクター生成物中の金属分を表す方法)”を参照のこと。これらの全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
従来の方法は、原油の分子分布を推定するのに、蒸留曲線(例えば、TBP曲線等)、密度曲線、硫黄曲線、PNA分析などの伝統的な分析データを利用する。これらの方法は当時の技術水準からの格別かつ大幅な進歩であるものの、分子分布の解として、用意された分析データにいずれも同等に適合することのできる複数の解が生じる可能性がある。分子分布は、その性質として、反応速度、反応経路などのプロセス計算や、セタン価、RON、粘度などの物理的特性に関わる数多くの変数に強い影響を及ぼし得る。
米国特許第9934367号明細書 米国特許出願公開第2016/0162664号明細書
したがって、原油の実際の分子分布に最も適合する分子分布解を見つけ出す必要がある。
本明細書で説明する方法により得られる分子プロファイルは、原油や原料の組成及び特性を表すのに用いる化合物の分子分布として、向上した分子分布をもたらす。この向上した分布は、原油試料や原料試料についての実験データにより良く合致することができる。原料試料とは、製油所の蒸留塔からリアクターなどの別のユニットに供給される生成物や、原油の蒸留留分である石油留分のことを指す。本文献では、原料と石油留分とを同義的に用いる。
本発明の第1の実施形態は、コンピュータに実装される、原油又は石油留分を含む試料の化学組成をキャラクタリゼーションする方法である。当該方法は、プロセッサにより、(i)前記試料の分子レベル分析データを含むか又は前記試料の分子レベル分析データと伝統的な分析データとを含む、分析データを受け取る過程と、(ii)a)前記試料の前記分子レベル分析データに基づく絶対的な化合物組成を、かつ/あるいは、b)前記分子レベル分析データの少なくとも一部に基づいて、第1の化合物群および第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、ならびに第1のセグメント分布を、かつ/あるいは、c)前記試料の前記伝統的な分析データを受け取っていれば、当該伝統的な分析データの少なくとも一部に基づいて、第2の化合物群および第2の化合物群重量、第2の概念的セグメントタイプ、ならびに第2のセグメント分布を、設定する過程と、(iii)a)絶対的な化合物組成を、かつ/あるいは、b)前記分子レベルデータの少なくとも一部に基づいて設定された、前記第1のセグメント分布を表す第1のセグメント分布値と第1の化合物群重量とから第1の化合物組成を、かつ/あるいは、c)前記試料の前記伝統的な分析データを受け取っていれば、当該伝統的な分析データに基づいて設定された、前記第2のセグメント分布を表す第2のセグメント分布パラメータと第2の化合物群重量とから第2の化合物組成を、決定する過程と、(iv)a)前記絶対的な化合物組成および/またはb)前記第1の化合物組成および/またはc)第2の化合物組成を調和させることにより、調和済みの化合物組成を得る過程と、(v)前記分子レベル分析データが定性的な分子レベル分析データおよび/または伝統的な分析データを含むものである場合、前記調和済みの化合物組成について求められた物理的特性および/または化学的特性が受け取った対応する分析データと合致するまで第1の化合物群重量、第2の化合物群重量、およびセグメント分布パラメータを調節することにより、洗練化された化合物組成を得る過程と、を備え、これによって前記試料の前記化学組成のキャラクタリゼーション結果を形成する。
第1の実施形態の一側面において、前記分子分析データは、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)データ、ガスクロマトグラフィー時間飛行型質量分析法(GC−ToF)データ、またはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析法(FT ICR−MS)データを含む。
第1の実施形態の他の側面または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記分子分析データは、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)データ、ガスクロマトグラフィー時間飛行型質量分析法(GC−ToF)データ、またはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析法(FT ICR−MS)データである。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記FT ICS−MSデータは、大気圧光イオン化法(APPI)FT−ICR MSデータ、エレクトロスプレー負イオン化法(ESI−)FT−ICR MSデータ、またはエレクトロスプレー陽イオン化法(ESI+)FT−ICR MSデータである。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記GC−MSデータは、水素炎イオン化検出器ガスクロマトグラフィー(GC−FID)データである。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記分子レベルデータはGC−MSデータを含み、前記方法が、さらに、前記GC−MSデータに基づいて、化合物ライブラリから純粋化合物を選択する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、GC−MSデータから、化合物の素性および絶対的な化合物組成が決定される。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記分子レベルデータはGC−ToFデータを含み、前記方法が、さらに、GC−ToF信号強度データ、および/または、GC−ToFデータから導き出された炭素数、および/または、GC−ToFデータから導き出されたDBEを、Aspen分布に変換する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、GT−ToFデータから求められたAspen分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、GC−ToFデータから導き出された化合物群重量、GC−ToFデータから導き出されたセグメントタイプ、およびGC−ToFデータから導き出されたセグメント分布値から、GC−ToFベースの化合物組成を決定する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記第1の化合物組成は、GC−ToFデータから決定された化合物組成、つまり、GC−ToFベースの化合物組成を含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記GC−ToFベースの化合物組成は、前記調和済みの化合物組成の、受け取った対応する分析データと比べての物理的特性および/または化学的特性の違いに基づいて調節されない。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記分子レベルデータは定量的な分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、(1)前記定量的な分子レベル分析データから導き出された信号強度データ、および/または、定量的な分子レベル分析データから導き出された炭素数、および/または、定量的な分子レベル分析データから導き出されたDBEを、Aspen分布に変換する過程と、(2)前記定量的な分子レベル分析データから求められたAspen分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程と、(3)定量的な分子レベル分析データから導き出された化合物群重量、定量的な分子レベル分析データから導き出されたセグメントタイプ、および定量的な分子レベル分析データから導き出されたセグメント分布値から、化合物組成を算出する過程と、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記分子レベルデータはFT−ICR−MSデータを含み、前記方法が、さらに、FT−ICR−MS信号強度データ、および/または、FT−ICR−MSから導き出された式、および/または、FT−ICR−MSから導き出された炭素数、および/または、FT−ICR−MSから導き出されたDBEを、Aspen分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に変換する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、FT−ICR−MSデータから導き出されたAspen分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に基づいて、前記第1の化合物群重量、前記第1の概念的セグメントタイプ、および前記第1のセグメント分布を設定する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、FT ICR−MSデータから導き出された化合物群重量、FT ICR−MSデータから導き出されたセグメントタイプ、ならびにFT ICR−MSデータから導き出されたセグメント分布値および/またはセグメント分布パラメータから、FT ICR−MSベースの化合物組成を決定する過程、を備える。本側面のうちの特定の側面において、前記FT ICR−MSベースの化合物組成は、前記調和済みの化合物組成の、受け取った対応する分析データと比べての物理的特性および/または化学的特性の違いに基づいて調節される。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記分子レベルデータは定性的な分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、(1)前記定性的な分子レベル分析データから導き出された信号強度データ、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出された式、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出された炭素数、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出されたDBEを、Aspen分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に変換する過程と、(2)定性的な分子レベル分析データから導き出されたAspen分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程と、(3)定性的な分子レベル分析データから導き出された化合物群重量、定性的な分子レベル分析データから導き出されたセグメントタイプ、ならびに定性的な分子レベル分析データから導き出されたセグメント分布値および/またはセグメント分布パラメータから、化合物組成を算出する過程と、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記第1の化合物組成は、FT ICR−MSデータから決定された化合物組成、つまり、FT ICR−MSベースの化合物組成を含む。本側面のうちの特定の側面において、前記FT ICR−MSベースの化合物組成は、前記調和済みの化合物組成の、受け取った対応する分析データと比べての物理的特性および/または化学的特性の違いに基づいて調節される。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記第1の化合物組成はFT ICR−MSベースの化合物組成であり、前記第2の化合物組成が伝統的な分析データから決定される。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、前記調和済みの化合物組成について求められた物理的特性および/または化学的特性が受け取った対応する分析データと合致するまで、前記FT ICR−MSベースの化合物組成および前記第2の化合物組成のみが調節される。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは、伝統的な分析データを含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記伝統的な分析データは、蒸留曲線データ、密度曲線データ、硫黄曲線データ、塩基性窒素曲線データ、総窒素曲線データ、CH比曲線データ、全酸価曲線データ、PIONA分曲線データ、粘度曲線データ、ニッケル分曲線データ、およびバナジウム分曲線データのうちの少なくとも1つを含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記第1および第2の化合物群は、互いに独立して、パラフィン群、ナフテン群、芳香族群、オレフィン群、メルカプタン群、1個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、2個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、スルホキシド群、硫黄−酸素群、1個のピロールを有する中性窒素群、2個のピロール窒素を有する中性窒素群、中性窒素−硫黄群、中性窒素−酸素群、1個のピリジンを有する塩基性窒素群、ピリジンと別のピリジン又はピロールを有する塩基性窒素群、塩基性窒素−硫黄群、塩基性窒素−酸素群、フェノール群、パラフィン酸群、芳香族酸・ナフテン酸群、ニッケルポルフィリン群、およびバナジウムポルフィリン群のうちの少なくとも1つを含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記第1および第2の化合物群は、パラフィン群、ナフテン群、芳香族群、オレフィン群、メルカプタン群、1個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、2個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、スルホキシド群、硫黄−酸素群、1個のピロールを有する中性窒素群、2個のピロール窒素を有する中性窒素群、中性窒素−硫黄群、中性窒素−酸素群、1個のピリジンを有する塩基性窒素群、ピリジンと別のピリジン又はピロールを有する塩基性窒素群、塩基性窒素−硫黄群、塩基性窒素−酸素群、フェノール群、パラフィン酸群、芳香族酸・ナフテン酸群、ニッケルポルフィリン群、およびバナジウムポルフィリン群を含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記パラフィン群の概念的セグメントタイプは、総炭素数、一分岐メチレン、および二分岐メチレンを含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記ナフテン群の概念的セグメントタイプは、総炭素数、ナフテン側環、および六員環−対−五員環のモル比を含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記芳香族群の概念的セグメントタイプは、総炭素数、芳香族側環、およびナフテン側環を含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記分子レベルデータは、前記試料全体から得られたものである。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記分子レベルデータは、前記試料の少なくとも1つのカットから得られたものである。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、原油又は石油留分を含む前記試料の前記化学組成の前記キャラクタリゼーション結果を出力する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記試料は、原油または石油留分である。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、FT ICR−MSデータと伝統的なデータとを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、GC−MSデータ、GC−ToFデータ、FT ICR−MSデータ、および伝統的な分析データのうちの少なくとも2つを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、GC−MSデータ、GC−ToFデータ、FT ICR−MSデータ、および伝統的な分析データのうちの少なくとも3つを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、GC−MSデータとGC−ToFデータとFT ICR−MSデータと伝統的な分析データとを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、定性的な分子レベル分析データと伝統的な分析データとを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、直接的な分析データ、定量的な分子レベル分析データ、定性的な分子レベル分析データ、および伝統的な分析データのうちの少なくとも2つを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、直接的な分析データ、定量的な分子レベル分析データ、定性的な分子レベル分析データ、および伝統的な分析データのうちの少なくとも3つを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、直接的な分析データと定量的な分子レベル分析データと定性的な分子レベル分析データと伝統的な分析データとを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、前記試料の物理的特性又は化学的特性を、当該試料の、キャラクタリゼーションされた前記化学組成の関数として推定する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記試料の、推定される前記物理的特性は、標準沸点、液体密度、液体粘度、コンラドソン残留炭素、リサーチ法オクタン価、モーター法オクタン価、セタン価、およびリード蒸気圧のうちの少なくとも1つを含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記試料の化学的特性を推定する過程は、化学式から、硫黄分、塩基性窒素分、総窒素分、炭素分、水素分、CH比、ニッケル分、バナジウム分、酸素分、パラフィン分、イソパラフィン分、オレフィン分、ナフテン分、および芳香族分を含む、化学構造および化学組成を算出することを含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せでは、伝統的な分析データを受け取る。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、モデル化合物のライブラリを用意する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、モデル化合物の前記ライブラリからの1つ又は複数のモデル化合物に対して信号群を割り当てる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、モデル化合物のライブラリからの1つ又は複数のモデル化合物に対して信号群を割り当てる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、モデル化合物の前記ライブラリからの、一つの信号群に該当する前記モデル化合物同士が、同じ化合物群、同じ炭素数および同じ二重結合当量を有する。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記試料は、i)1〜100の様々な炭素数とii)0〜50の様々な二重結合当量数とを有する化合物を含む。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは、直接的なデータを含む分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、前記直接的なデータに基づいて、一つのモデル化合物を、特定の一つの信号群に割り当てる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは、直接的な集合データを含む分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、前記直接的な集合データに基づいて、同じ化合物群及び同じ炭素数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは定量的な分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、前記定量的な分子レベル分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは定性的な分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのにAspen分布が用いられた場合、当該データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程と、前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのにガンマ分布又は一様な分布が用いられた場合、当該データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程と、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは伝統的な分析データを含み、前記方法が、さらに、前記伝統的な分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、一つ又は複数のモデル化合物を一つの信号群に割り当てる過程にて、直接的なデータは直接的な集合データよりも優先度が高く、直接的な集合データは定量的な分子レベル分析データよりも優先度が高く、定量的な分子レベルデータは定性的な分子レベル分析データよりも優先度が高く、定性的な分子レベル分析データは伝統的な分析データよりも優先度が高く、モデル化合物を信号群に各自割り当てることのできる様々な優先度の分析データが存在している場合、モデル化合物を信号集団に割り当てるのには、最も高い優先度の分析データが用いられる。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは、直接的なデータを含む分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、前記直接的なデータに基づいて、第1のモデル化合物を第1の信号群に割り当てる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは、直接的な集合データを含む分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、前記直接的な集合データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータに基づくモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群及び同じ炭素数の信号群へと割り当てられる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは定量的な分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、前記定量的な分子レベル分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ及び直接的な集合データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量の信号群へと割り当てられる、過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは定性的な分子レベル分析データを含み、前記方法が、さらに、前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのにAspen分布が用いられた場合、当該定性的な分子レベル分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ及び定量的な分子レベル分析データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量の信号群へと割り当てられる、過程と、前記定性的な分子レベル分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ、定量的な分子レベル分析データ、及び前記定性的な分子レベル分析データのうちのAspen分布を用いた少なくとも一部のいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程と、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、受け取った前記分析データは伝統的な分析データを含み、前記方法が、さらに、前記伝統的な分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ、定量的な分子レベル分析データ及び定性的な分子レベル分析データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数の信号群へと割り当てられる過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、前記試料のカットに属する信号群内における構成化合物の構造密度指数を表した確率分布関数を用いて、信号群内の化合物組成を算出する過程、を備える。
第1の実施形態のさらなる他の側面、先行する任意の側面、または先行する側面同士の任意の組合せにおいて、前記方法は、さらに、前記試料の全信号群内における構成化合物の構造密度指数を表した確率分布関数を用いて、信号群内の化合物組成を算出する過程、を備える。
前述の内容は、添付の図面に示す本発明の例的な実施形態についての以下のより詳細な説明から明らかになる。異なる図をとおして、同一の符号は同一の構成/構成要素を指すものとする。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、むしろ、本発明の実施形態を図示することに重点が置かれている。
実験データ(黒の丸印)及びフィッティングされたデータ(実線の曲線)を含んだ2つの蒸留曲線であり、左側が第1の解であり、右側が第2の解である。 二重結合当量(DBE)−対−炭素数の2つのプロットであり、左側のプロットは図1Aの第1の解に対応するプロットであり、右側のプロットは図1Aの第2の解に対応するプロットである。 芳香族環・ナフテン環の数及び炭化水素側鎖の長さが相異なる5種類の同族列化合物の標準沸点を横軸、密度を縦軸としたプロットであり、破線は同じ総炭素数(CN)及び二重結合当量(DBE)の異性体であることを表し、CN=32、DBE=16の化合物が例示されている。 「総炭素数」というセグメントタイプの確率分布の一例を示す図であり、様々な炭素数(異なるセグメント数)の化合物が図示されている。 「芳香族側環」というセグメントタイプの確率分布の一例を示す図であり、様々な芳香族環(異なるセグメント数)の化合物が図示されている。 「ナフテン側環」というセグメントタイプの確率分布の一例を示す図であり、様々なナフテン環(異なるセグメント数)の化合物が図示されている。 原油又は石油留分の化学組成や推定特性を算出するのに用いられる、コンピュータに実装されるキャラクタリゼーション方法のフロー図である。 APPI FT−ICR MSからの実験データであり、芳香族群の炭素数−対−二重結合当量の関数としての二次元信号分布を生じさせ、これら2種類の分布は、さらに、芳香族群の炭素数の分布とDBEの分布との別々の分布へとさらに抽象化されていて、各分子の絵は、データ信号内に含まれる数多くの考えら得る分子のうちの考えられ得る異性体の一つを指し示している。 原油の分析データの一例であり、当該原油の構成石油留分を測定した際のデータタイプ、各データタイプの分子詳細度、およびキャラクタリゼーション方法の調和過程時に各データタイプに付与される優先度が示されている。 CN=16、DBE=9の炭化水素群のデータ信号を表すのに用いられ得る、MCライブラリ内の異性体を示す図である。 セグメント数の範囲にわたって分子の均等な確率分布、つまり、一定の確率を示すプロットである。 分子のガンマ確率分布を示すプロットである。 詳細な実験データにより設定された、芳香族炭化水素(HC)の総炭素数についての分子の確率分布を示すプロットである。 LSI+FT−ICR−MSを用いた1個の環内塩基性窒素群の測定結果から得られた、二重結合当量−対−炭素数の実験データのプロットである。 図11Aのデータから生成された、モル分率−対−炭素数を示す合成分布曲線である。 本明細書で説明する方法により得られた、確率−対−セグメント数(セグメントタイプは塩基性窒素)のグラフである。 DBE−対−炭素数のプロットを正規化モル分率−対−炭素数のプロットに変換する様子を示す図である。 データの種類及び品質により決まる計算の順序及び優先度を示す図であり、測定結果に表された分子の特定にあたって曖昧さが小さく高い精度・正確さを提供する機器及び手法を用いて得られたデータは、当該データと同時に用いられる、これよりも正確さが低いか又は曖昧さが大きいデータよりも優先される。 CN=16、様々なDBE、様々な芳香族環・ナフテン環を有する9種類の炭化水素化合物を含む理論的試料についての、データ信号処理ヒューリスティクスを示す図である。 CN=32、DBE=16の芳香族群化合物の構造密度指数の確率分布の一例を示す図である。 本発明が実現され得るコンピュータネットワーク又は同様のデジタル処理環境を示す図である。 図17のコンピュータシステムにおけるコンピュータ(例えば、クライアントプロセッサ/装置50、サーバコンピュータ60等)の内部構造の図である。
以下では、本発明の例的な実施形態について説明する。
特許文献1(2018年4月3日付発行)や特許文献2に記載されているような、原油の化学組成をキャラクタリゼーションする従来の方法は、蒸留曲線などの伝統的な分析データを用いる。このような方法は正確な結果をもたらすものの、未だ改善の余地がある。考えられ得る短所の一つは、分子分布の解として、用意された分析データにいずれも同等に適合することのできる複数の解が生じる可能性があるという点である。図1Aには、左側に第1の解と名付けられたグラフと右側に第2の解と名付けられたグラフとの2つのグラフが設けられている。これら2つのグラフは実験蒸留データ(黒の丸印)が同じものであるのに対し、当該実験データにフィッティングしてなる算出曲線は互いに異なっている。なお、これらの計算は、特許文献1に記載された方法、特許文献2に記載された方法をそれぞれ用いて行った。どちらの解も、用意されたデータ範囲内の蒸留曲線データに対して同程度によく適合している。図1Bに、二重結合当量(DBE)−対−炭素数のプロットにより表した分子分布を示す。DBEは、化合物中に存在する二重結合や環の数についての従来技術から知られている尺度である。例えばベンゼンは、DBE=4である。テトラリンは、DBE=5である。ナフタレンは、DBE=7である。図1B中の丸印の大きさは、化合物の相対組成(大きな丸印=高い組成)を表している。例えば第1の解では、様々な長さのメチル側鎖(1〜50)のナフタレン化合物(DBE=7)が存在しており、総炭素数=20周辺で組成が最大になっている。第1の解では、DBE=4のラインに丸印が全くないことからも分かるが、ベンゼン化合物が含まれていない。第2の解では、ナフタレン化合物の側鎖分布がより短くなっている(1〜20)ほか、数ある化合物のなかでも特に、ベンゼン化合物や幾つかのテトラリン構造(DBE=5)が含まれている。これら2つの解は分子構成内容が異なることになるため、反応速度や反応経路、さらには、セタン価、リサーチ法オクタン価(RON)、粘度などの物理的特性にも大きな影響が生じ得る。
本明細書で説明する方法は、例えば、質量分析法データなどの高度な分析手法を用いて得られた分子レベルデータを組み込むことによって従来の方法を改良することができる。
(セグメントおよび化合物群)
本明細書で説明する分子キャラクタリゼーション方法は、原油又は石油留分を含む試料中の分子種(species)を表す化合物として、まとまった1セットの化合物を用いる。これらの化合物は、化合物群(本明細書では「分子群」とも称する)へと分類される。表1に、化合物群の例を示す(ただし、さらなる群が使われてもよい)。各化合物群ごとに、化合物の例も描いている。
Figure 0006887562
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本発明の方法は、表1に列挙した1つ以上の化合物群を使用し得る。典型的には、最初の少なくとも3つの化合物群が、試料中において典型的に最も見受けられることから使用される。使用される化合物群は、用意されたデータの種類に依存する。例えば、ニッケル分及びバナジウム分のデータが用意されていれば、上記21番目の化合物群と22番目の化合物群が使用される。本発明の好ましい一実施形態では、表1の全ての化合物群が使用される。
(異性体の検討)
構造異性体は、同じ化合物群に属して同じ化学式を有する化合物である。反面、構造異性体は、二重結合当量、分岐鎖(branching)、環構造、芳香族分及びナフテン分が異なり得る。これらの違いにより、構造異性体間の物理的特性も異なる。例示として、図2に、芳香族環・ナフテン環の数及び炭化水素側鎖の長さが相異なる5種類の同族列化合物の標準沸点を横軸、密度を縦軸としたプロットを示す。破線は同じ総炭素数(CN)及び二重結合当量(DBE)の異性体であることを表す。例えば、一番上の破線は、CN=32、DBE=16の異性体に対応する。これらの異性体間では、特性(例えば、密度、標準沸点等)が大幅に異なる。
(化合物ライブラリ)
表1に示す22個の化合物群をカバーした、モデル化合物のライブラリが形成され得る。これらの化合物は、当該化合物の熱力学的安定性を踏まえて、かつ、当該化合物の構造が原油、原料やリアクター生成物中に存在している又は存在している可能性があると特定されたことによって選ばれたものである(例えば、Linzhou Zhang達による“Molecular Representation of Petroleum Vacuum Resid(石油減圧蒸留残渣の分子表現)” Energy Fuels, 28(3):1736-1749 (2013)等を参照のこと)。構造異性体も含まれる。本研究では、約54,000種類の化合物のライブラリを使用した(本明細書では「MCライブラリ」と称する)。モデル化合物のライブラリは特定数の化合物に限定されないが、典型的には、原油、原料やリアクター生成物中に存在している又は存在している可能性があると特定されたモデル化合物の数は多ければ多いほど望ましい。
また、本明細書で開示する方法に使用されるモデル化合物のライブラリは、純粋化合物を含み得る。例えば、モデル化合物のライブラリは、100〜1000個の純粋化合物や化合物集合を含み得る。典型的には、これらの化合物の沸点は413.42℃未満である。
また、MCライブラリは、ライトエンド・ナフタ範囲内の約550個の純粋化合物や化合物集合(沸点が413.42℃未満の化合物)を含む。純粋化合物とは、モデル化合物ではなく、実験測定値から求められた特性を有するはっきりと定義された成分のことである。化合物集合とは、構造異性体である複数の化合物の集合であり、同じ化学式を有していて且つC6イソパラフィン、C7ナフテン、C8芳香族などといった同じ化合物群に属している。化合物集合の特性は、構成化合物の特性の平均とする。
(特性の推定)
MCライブラリ内の化合物の標準沸点及び液体密度は、特許文献1や特許文献2に記載されているようにPC−SAFT状態方程式を用いて算出することができる。硫黄分、窒素分、炭素分、水素分などの元素特性は、当該技術分野から知られているように分子式から直接算出される。他の物理的特性は、従来技術から知られている各種相関を用いて推定することができる。
MCライブラリ内の所望の全分子は、PC−SAFT官能基に分解することができる。一つの分子内での各官能基の出現頻度も、特定することができる。それぞれの官能基は、標準沸点や液体密度を推定するのに用いられる固有の一連のパラメータを有している。どの官能基パラメータを用いるのかは、飽和液体密度、液体蒸気圧及び液体熱容量を含む用意されたデータに対してデータ回帰を行うことによって特定される。当該回帰に使用されるデータセットは、表1の化合物群及び表3の官能基を示す多種多様な化合物を含んでいる。官能基の出現頻度および対応するパラメータを用いて、分子の特性が算出され得る。例えば、ノルマルパラフィンは、2種類の官能基、つまり、メチル基(−CH)とメチレン基(>CH)とを含んでいる。具体例として、n−ブタンは、2つのメチル基と2つのメチレン基とを含んでいる。芳香族分子はACH官能基とPACC官能基とを用いて表すことができ、例えば、ナフタレンは8個のACH官能基と1個のPACC官能基とを含んでいる。表2(下記を参照のこと)に、分子の例、当該分子のPC−SAFT官能基、および各官能基の出現頻度を示す。表3(下記を参照のこと)に、使用したPC−SAFT官能基を列挙している。
Figure 0006887562
Figure 0006887562
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以下では、MCライブラリ内の化合物の純粋化合物特性の推定について説明する。
純粋化合物iは、その化学式により識別することができる。
化学式=CNi
(式中、Cは炭素原子の数であり、Hは水素原子の数であり、Sは硫黄原子の数であり、Nは窒素原子の数であり、Oは酸素原子の数であり、Vはバナジウム原子の数であり、Niはニッケル原子の数である)
A)純粋化合物の分子量Da
Figure 0006887562
B)炭素分(wt%)
Figure 0006887562
C)水素分(wt%)
Figure 0006887562
D)硫黄分(wt%)
Figure 0006887562
E)窒素分(wt%)
Figure 0006887562
F)酸素分(wt%)
Figure 0006887562
G)バナジウム分(wt%)
Figure 0006887562
H)ニッケル分(wt%)
Figure 0006887562
I)標準沸点
PC−SAFT状態方程式を用いることにより、MCライブラリ内の全化合物の標準沸点を算出することができる。
J)液体密度
MCライブラリ内の全化合物の、各種温度での液体密度は、PC−SAFT状態方程式により推定することができ、次の相関式を用いて温度に相関付けられている。
Figure 0006887562
(式中、ρは化合物iの液体密度(kg/m)であり、A、B及びCは化合物iの液体密度パラメータであり、Tは温度(K)である。)
K)液体粘度
基寄与法を用いることにより、純粋化合物の液体粘度を推定することができる。全官能基の寄与粘度が、用意された実験液体粘度データに対して回帰される。当該回帰に使用されるデータセットは、表1の化合物群及び表3の官能基を示す多種多様な化合物を含み得る。
Figure 0006887562
(式中、ηは純粋化合物iの液体粘度(Pa・s)であり、ηは基jの寄与粘度(Pa・s)であり、vは化合物iにおける基jの出現頻度であり、A、B及びCは基jの液体粘度パラメータであり、xPACC,iは化合物iにおけるPACC官能基の出現頻度であり、Tは温度(K)である。)
L)コンラドソン残留炭素
純粋化合物のコンラドソン残留炭素CCR(wt%)は、ペンダント−コアモデルから推定することができる。このモデルは、化合物が、熱分解過程で蒸留することのできる液体を形成するペンダントブロックと、残留炭素を形成するコアブロックとの、2つの構成成分から構成されているものと仮定する。
一化合物のコアブロックは多環系芳香族炭化水素で構成されているので、飽和分(パラフィン類及びナフテン類)のCCRはゼロとなる。CCRを求めるための実験測定は315℃で行うため、315℃未満の標準沸点を有する化合物のCCRはゼロと見なす。それ以外の化合物のCCRは、次の式を用いて算出される。
Figure 0006887562
(式中、Hは化合物iの水素分であり、Hはペンダントブロックの水素分(11.6wt%)であり、Hはコアブロックの水素分(3.8wt%)である。)
残留炭素測定時において熱分解反応よりも先に蒸発する化合物がある可能性も踏まえて、P−Cモデルから算出されるCCR値には蒸発影響係数が適用され得る。この係数は、化合物沸点の積分正規分布と見なすことができる。
Figure 0006887562
(式中、EFは化合物iの蒸発係数であり、TBは化合物iの真沸点(°F)であり、TBは平均沸点(1060.9°F)であり、TBは温度標準偏差(70°F)である。)
M)総発熱量および真発熱量
どちらの特性も元素含有量に密接に関係しており、次の式を用いて算出することができる。
Figure 0006887562
(式中、化合物iについて、GHVは総発熱量(kJ/kg)であり、NHVは真発熱量(kJ/kg)であり、Cは炭素分(wt%)であり、Hは水素分(wt%)であり、Oは酸素分(wt%)であり、Sは硫黄分(wt%)であり、Nは窒素分(wt%)である。)
一実施形態において、本発明の方法は、MCライブラリ化合物の予測組成を用いて原油や石油留分混合物の特性を推定する。以下では、混合物の推定対象となる(estimated)特性の幾つかの計算について説明する。
A)原油・石油留分の質量密度
原油又は石油留分の質量密度は、次のようにして算出される。
Figure 0006887562
(式中、ρは質量密度(kg/m)であり、wは混合物における化合物iの重量分率であり、ρは純粋化合物iの質量密度(kg/m)である。)
B)原油・石油留分の液体粘度
原油又は石油留分の液体粘度(dynamic liquid viscosity)は、次の式を用いて算出することができる。
Figure 0006887562
(式中、ηは混合物の粘度(Pa・s)であり、ηは純粋化合物iの粘度(Pa・s)であり、wは混合物における化合物iの重量分率であり、wPIは混合物におけるノルマルパラフィン化合物の重量分率とイソパラフィン化合物の重量分率との合計であり、wNAは混合物におけるナフテン化合物(N)の重量分率と芳香族化合物(A)の重量分率との合計であり、kはパラフィン類とN+Aとの相互作用パラメータであり、k、k及びkはアスファルテン類とそれ以外の全化合物との相互作用パラメータであり、Tは温度(K)であり、Tは基準温度の298.15Kであり、wASは混合物におけるアスファルテン類の重量分率であり、ηASはアスファルテン化合物のみを含む理論的混合物の粘度であり、wAS,iは上記理論的混合物におけるアスファルテン化合物iの重量分率であり、ηAS,iはアスファルテン化合物iの粘度であり、ηnon−ASは全化合物からアスファルテン類を除いた場合の系の粘度であり、wnon−AS,jはアスファルテン類を除いた混合物における非アスファルテン化合物jの重量分率であり、ηnon−AS,jは非アスファルテン化合物jの粘度である。)
動粘度(kinematic viscosity)は、粘度と密度とから算出される。
Figure 0006887562
(式中、υは混合物の動粘度(cSt)であり、ηは混合物の粘度(Pa・s)であり、ρは混合物の質量密度(kg/m)である。)
C)原油・石油留分の分子量Da
原油又は石油留分の分子量は、次のようにして算出することができる。
Figure 0006887562
(式中、MWは原油又は石油留分の分子量であり、MWは化合物iの分子量であり、xは混合物における化合物iのモル分率である。)
D)原油・石油留分の全酸価(TAN)
全酸価は、1gの原油又は石油留分中における酸を中和するのに用いられるKOHの質量(mg)として定義される。全酸価は、次の式を用いて算出することができる。
Figure 0006887562
(式中、TANは混合物の全酸価(mgKOH/g)であり、MWは混合物の分子量であり、xAcid comps は混合物における酸化合物iのモル分率であり、MWKOHはKOHの分子量(56.1049g/mol)である。)
E)原油・石油留分のコンラドソン残留炭素
原油全体又は石油留分全体のCCRは、次のようにして算出することができる。
Figure 0006887562
(式中、wは混合物における化合物iの重量分率であり、CCRは化合物iのコンラドソン残留炭素であり、EFは化合物iの蒸発係数である。)
F)原油・石油留分の総発熱量及び真発熱量
原油・石油留分の総発熱量及び真発熱量は、次のようにして算出することができる。
Figure 0006887562
(式中、GHVは混合物の総発熱量(kJ/kg)であり、NHVは混合物の真発熱量(kJ/kg)であり、wは混合物における化合物iの重量分率であり、GHVは化合物iの総発熱量(kJ/kg)であり、NHVは化合物iの真発熱量(kJ/kg)である。)
N)原油又は石油留分の総硫黄分
Figure 0006887562
(式中、TSは混合物中の総硫黄分(wt%)であり、wi,は混合物における化合物iの重量分率(wt%)であり、Sは化合物i中の硫黄分(wt%)である。)
O)原油又は石油留分のメルカプタン硫黄分
Figure 0006887562
(式中、MSは混合物中のメルカプタン硫黄分(wt%)であり、wは混合物におけるメルカプタン化合物iの重量分率(wt%)であり、MSはメルカプタン化合物i中の硫黄分(wt%)である。)
P)原油又は石油留分の総窒素分
Figure 0006887562
(式中、TNは混合物中の総窒素分(wt%)であり、wは混合物における化合物iの重量分率(wt%)であり、Nは化合物i中の窒素分(wt%)である。)
Q)原油又は石油留分の塩基性窒素分
Figure 0006887562
(式中、BNは混合物中の塩基性窒素分(wt%)であり、wは混合物における塩基性窒素含有化合物iの重量分率(wt%)であり、BNは塩基性窒素含有化合物iの窒素分(wt%)である。)
R)原油又は石油留分の炭素分
Figure 0006887562
(式中、Cは混合物中の炭素分(wt%)であり、wは混合物における化合物iの重量分率(wt%)であり、Cは化合物i中の炭素分(wt%)である。)
S)原油又は石油留分の水素分
Figure 0006887562
(式中、Hは混合物中の水素分(wt%)であり、wは混合物における化合物iの重量分率(wt%)であり、Hは化合物i中の水素分(wt%)である。)
T)原油又は石油留分のCH比
Figure 0006887562
(式中、C%は混合物中の炭素分(wt%)であり、H%は混合物中の水素分(wt%)である。)
(化合物の選択およびUIセグメントの表現)
MCライブラリなどのライブラリから、キャラクタリゼーション方法で分析データを表すための化合物が選択される。所与の分析の特性を表すのに、ライブラリ内に存在する全化合物が必要となるわけではない。化合物の選択過程は、用意されたデータの種類や品質に依存する。化合物選択に用いる主な手法は、化合物群(表1に示す化合物群を参照のこと)を表す概念的セグメントの分布を用いて、所与の化合物群内の化合物が原油又は石油留分中に存在する確率を求めるという手法である。概念的セグメントは、検討対象となる全化合物群及び構造を表現するように選び出されたものであり、表4にまとめられている。これら概念的セグメントの例には、総炭素数、一分岐メチレン、二分岐メチレン、ナフテン側環、および芳香族側環が含まれる。
Figure 0006887562
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セグメント分布は、セグメントタイプの確率をセグメント数の関数として表したものである。「総炭素数」の分布は、炭素原子数=1、2、3、4、…の化合物を含む確率である。図3に示すように、総炭素数=30の化合物を含む確率は約0.0413である。この概念的セグメントは化合物中の炭素数を管理し、他のセグメントは影響を及ぼさない。
「一分岐メチレン」セグメントおよび「二分岐メチレン」セグメントは、パラフィン類の、イソパラフィンとしての分岐度を管理する。
「芳香族側環」セグメントおよび「ナフテン側環」セグメントは、環数の分布を管理する。図4に芳香族側環の分布の例を示し、図5にナフテン側環の分布の例を示す。例示のために、様々なセグメント数を含めている。ナフテン側環値=0は、化合物がナフテン環を持たないことを指す。値=1は、化合物が1個のナフテン環を持っていることを指す。表5に、化合物の例、ならびに化合物の選択過程で使われる対応する概念的セグメント及び値を示す。
Figure 0006887562
概念的セグメントの確率を用いて、選出した化合物のモル分率を、次の式を使って算出する。
Figure 0006887562
(式中、yは化合物群Cに属する化合物iのモル分率であり、yclass は化合物群Cのモル分率であり、n1,2,…kはセグメント数であり、ps1,s2,…,skはセグメントタイプs1,s2,…,skの確率であり、これらの確率は、同セグメントについて定められたガンマ関数、一様な関数、Aspen関数などの確率分布関数から算出することができる。)
表6に、セグメント及びセグメントにより選出され得る化合物の例についての完全なリストを示す。「6CR」、「パラフィン系スルフィド」、「SO2」、「フェノール」、「チオフェン」、「NO2」、「中性窒素」、「塩基性窒素付きパラフィン系スルフィド」、「芳香族酸」などといったセグメントの残余「モル分率」は、共通の化合物群分布内での2つのサブ化合物群の比率を左右する。例えば、芳香族酸セグメントのモル分率は、酸素化合物群内での芳香族酸−対−ナフテン酸の比率を求める又は定めるのに用いられる。これら2種類の酸を区別する実験データが存在していれば、このデータを用いてそのモル分率を直接設定することが可能である。データが存在しない場合には、この変数がユーザによって適宜設定され得るか又は回帰により調節され得る。
Figure 0006887562
Figure 0006887562
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分子キャラクタリゼーションの重要な概念の一つは、「分子プロファイル」と呼ばれるものである。原油又は石油留分を含む試料には、特定の分子プロファイルが対応する。このプロファイルは、ライブラリ(例えば、MCライブラリ等)内の分子のうちの原油又は石油留分を含む試料中に存在する分子、および当該分子の組成を表すのに用いられる。このプロファイルは、次の重要な情報からなる:各化合物群(例えば、表1の化合物群等)の相対重量;各化合物群の概念的セグメントタイプ(例えば、表4のセグメント等);各セグメントのセグメント分布情報;および粘度パラメータ。
各セグメント分布は、さらに、次のうちの一つを用いて表される:一様な分布;ガンマ分布;および「Aspen」分布。一様な分布は、「一定」の分布を生成する。ガンマ分布関数は、調節可能な2つのパラメータを用いて多種多様な分布を表現することができるので一般的によく普及している。Aspen分布は、実験から導き出された、セグメント数の離散整数値での同セグメントの確率を表している。
(実験データの処理)
本発明の方法は、図6に示すように、複数の種類の実験データを使用し得る。
本発明の方法は、伝統的な分析データを使用し得る。
伝統的な分析データには、蒸留曲線データや、密度曲線データや、硫黄曲線データや、塩基性窒素曲線データや、総窒素曲線データや、CH比曲線データや、全酸価曲線データや、PIONA分曲線データや、粘度曲線データや、ニッケル分曲線データや、バナジウム分曲線データが含まれるが、これらに限定されない。
本発明の方法は、ガスクロマトグラフィー・質量分析法データ(本明細書では高度な分析測定や詳細な分子レベルデータとも称する)を使用し得る。
アッセイデータは、ガスクロマトグラフィー・質量分析法からの、GC−MSデータ、GC−ToFデータ、FT−ICR−MSデータなどといった高度な分析測定結果を含み得る。
GC−MSデータは、試料中に存在する化合物又は化合物集合、およびその組成を特定する。化合物集合とは、構造異性体である複数の化合物の集合であり、同じ化学式を有していて且つC6イソパラフィン、C7ナフテン、C8芳香族などといった同じ化合物群に属している。化合物又は化合物集合の素性と組成が定量的に判明することから、この種のデータは定量的なデータとも見なされる。以降の欄では、この種のデータを「直接的」なデータとも称する。
GC−ToFデータは、炭素数、分子分類(molecular class)及び二重結合当量(DBE)の関数としての信号強度の形態で表される。この信号強度は、アルゴリズムのデータ処理過程でモル分率へと変換される。GC−ToFデータは定量的であると見なせるので、各分子分類の重量パーセントを求めることも可能である。
FT ICR−MS(例えば、APPI、ESI−、ESI+等)データは、炭素数、Kendrick分子量、提案された分子式、分子分類及び二重結合当量の関数としての信号強度の形態で表される。この信号強度は、アルゴリズムのデータ処理過程でモル分率へと変換される。現在のFT ICR−MSデータは定性的であるので、化合物群の重量や組成を直接設定することができない。ただし、化合物群の相対分布はアルゴリズムにより維持される。このようなデータの一例は、図7に見受けられる。同図のAPPI FT−ICR MS測定結果は、芳香族炭化水素群についての炭素数分布とDBE分布とを(実質的には、化学式の分布を)定めている。FT ICR MSデータは、同じ化合物群内での相対組成についての重要な情報を提供する。
利用できるデータタイプは機器及び実験手法の検出限界に影響されるため、機能上、データタイプは特定の沸点範囲に限定される。現在、GC−MS測定は沸点が200℃未満である試料に利用可能である。現在、GC−ToF測定の検出範囲は沸点が160℃〜350℃である留分に適している。現在、FT−ICR MS測定は原油の残渣などといった重質留分(350℃超)に利用可能である。現在のFT−ICR MS測定は、その手法しだいで沸点が350℃未満である試料にも利用可能である。図8を参照されたい。
本発明の方法は、1種以上のデータタイプを同時に処理することが可能であり得る。図8に示すように、典型的な原油試料は様々な留分に分留することができる。一つの留分に対して、GC−MS測定、GC−ToF測定、FT−ICR MS測定及び伝統的な分析測定のいずれかが行われ得る。別の例として、軽質石油留分(例えば、沸点範囲が200℃未満である石油留分等)の試料が挙げられる。この場合には、GC−MSデータが典型的に測定される。
GC−ToF、FT−ICR MSなどといった現在の一部の測定手法は、データ信号内に存在する正確な分子を特定することができない。つまり、それらは、データ信号内における異性体の組成や素性を確定することができない。図9に、データ信号内に存在し得る、CN=16、DBE=9の炭化水素群の考えられ得る異性体の例を示す。現実的には、CN=16の考えられ得る異性体の実際の数はもっと多い。
本発明で使用され得るデータは、次の5種類の情報又はファクタを考慮して分類される。
1.化合物の組成(絶対的な組成−対−相対的な組成)
2.異性体の素性(異性体化合物の正確な素性−対−構造式)
3.炭素数
4.二重結合当量
5.ヘテロ原子含有量
上記の情報を一つでも含まないデータは、各種程度の曖昧さを有していると考えられる。この曖昧さを解決できる測定結果は、解決できない測定結果よりも優先される。
a)「直接的」な情報は、上記5種類の全ファクタを確定するものであり、存在する分子及び当該分子の組成が曖昧ではない。GC−MSなどの一部のGC手法は、上記5種類の情報を確定することができる。
b)「直接的」な集合データは、上記のうちの4種類のファクタを確定することができる。この種のデータでは、集合内の異性体化合物が特定されない一方で、炭素数、DBE、組成およびヘテロ原子含有量は明確にされる。よって、このデータタイプでは、集合の異性体構成内容が不明である(曖昧さ)。
c)「定量的」な情報は、上記のうちの4種類のファクタを確定することができる。GC−ToF測定の場合は、異性体構造がしばしば特定されない一方で、各データ信号の炭素数、DBE、組成およびヘテロ原子含有量は明確にされる。よって、このデータタイプでは、データ信号の異性体構成内容が不明である(曖昧さ)。
d)「定性的」な情報は、上記のうちの3種類のファクタを確定することができる。一例はFT−ICR MS法(APPI、ESI+、ESI−)であり、絶対的な組成および異性体の種類は確定されない一方で、各データ信号の炭素数、DBEおよびヘテロ原子含有量については判明する。この種のデータでは、データ信号の異性体構成内容および組成が不明である。
e)「伝統的な分析データ」情報は、上記のうちの1種類のファクタしか明確となり得ない。例えば、硫黄分と窒素分のデータを用いてヘテロ原子含有量を推測するということは可能である。
(信号群)
前段落で説明したような一部の種類の実験データの曖昧さが原因となり、データ信号をMCライブラリ内の1つ以上の特定の化合物に対して直接マッピングすることができない。本発明の実施形態では、データ信号(特に、曖昧さを有するデータ信号)のモデル化を促すための信号群が生成される。信号群とは、処理対象の分析データの種類及び品質並びに使用する概念的セグメント確率分布関数に基づいて設定された条件に合致する、モデル化合物ライブラリから選び出された、1つ以上のモデル化合物を含むモデリング構築物である。化合物の正確な素性を含むGC−MSデータなどの直接的なデータでの信号群は、モデル化合物ライブラリから選び出された、同じ素性を有する化合物を含む。集合のGS−MSデータなどの直接的なデータでの信号群は、同じ化合物群及び同じ炭素数を有する複数のモデル化合物を含む。GC−ToFデータなどの定量的な分子レベルデータでの信号群は、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量を有する複数のモデル化合物を含む。FT−ICR−MSデータなどの定性的な分子レベルデータでの信号群は、当該データの少なくとも一部に対してAspen分布が用いられた場合、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量を有する複数のモデル化合物を含む。また、この種のデータでの信号群は、当該データの少なくとも一部を表すのにガンマ分布または一様な分布が用いられた場合、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数を有する複数のモデル化合物を含む。伝統的な分析データでの信号群は、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数を有する複数のモデル化合物を含む。一つ又は複数のモデル化合物を一つの信号群に割り当てる際、直接的なデータは直接的な集合データよりも優先度が高く、直接的な集合データは定量的な分子レベル分析データよりも優先度が高く、定量的な分子レベルデータは定性的な分子レベル分析データよりも優先度が高く、定性的な分子レベル分析データは伝統的な分析データよりも優先度が高い。モデル化合物を信号群に各自割り当てることのできる様々な優先度の分析データが存在している場合、モデル化合物を信号集団に割り当てるのには、最も高い優先度の分析データが用いられる。
信号群の物理的特性は、構成化合物の特性から求められる。信号群の化学式、CNおよび元素含有量は、構成化合物一つぶんのそれと同じとされる。蒸気圧、標準沸点、液体密度および他の特性は、構成化合物の組成および特性から算出される。
(確率分布を用いた、信号群及び分子の選択)
アルゴリズムが、表4の概念的セグメントの確率、および構成化合物群の相対的な化合物群重量を求める。これらは、信号集団を生成して当該信号群の組成を算出するのに用いられる。
「一様」の計算選択肢は、セグメント数の関数としての概念的セグメントタイプの確率分布に、均等な確率分布を選択する。図10Aに、「一様」な関数を使用することによって生じる分布の一例を示す。一様な分布関数は、伝統的な分析データを処理するのに用いられたり、定性的な分子レベルデータの不足分を補うのに用いられたりする。
Figure 0006887562
(式中、p(n)はセグメント数nでの確率であり、nはセグメント数であり、ntotは分布におけるセグメントの総数である。)
「ガンマ」の計算選択肢は、セグメント数の関数としての概念的セグメントタイプの確率分布に、ガンマ確率分布を選択する。その元となる式は、
Figure 0006887562
で表すことができる。
(式中、p(n)はセグメント数nでの確率であり、nはセグメント数であり、Lは確率関数の開始位置であり、αは形状係数パラメータであり、βは尺度パラメータであり、Γはガンマ関数である。)
この式は、ユーザインターフェースにおいて直交とされ、最頻値と標準偏差σとの関数とされる。図10Bに、最頻値パラメータとσパラメータとが指定されたガンマ分布関数の一例が見受けられる。ガンマ分布関数は、伝統的な分析データを処理するのに用いられたり、定性的な分子レベルデータの不足分を補うのに用いられたりする。本明細書では、最頻値パラメータや標準偏差σパラメータをセグメント分布パラメータとも称する。
「Aspen」の計算選択肢は、概念的セグメントの確率分布に、GC FI−ToFデータなどの定量的な分子レベルデータやAPPI/ESI+/ESI− FT ICR−MSデータなどの定性的な分子レベルデータを整数値セグメント数での確率分布値へと変換する確率分布を選択する。図10Cに、「Aspen」関数を用いた分布の一例を示す。図11Aは、ESI+ FT−ICR MSからの実験データを、炭素数−DBEの信号強度プロットの形態で表したものである。図11Bは、ESI+ FT−ICR MSからのこの同じ実験データを、炭素数分布の形態で表したものである。アルゴリズムは、この種のデータが存在するとき、測定結果からの実験信号強度を、実験データに適合した正規化分布へと変換する。図12に、炭素数分布をモデル化するのに用いた、結果的な「Aspen」関数を示す。Aspen分布関数は、次のように表される。
Figure 0006887562
(式中、p(n)はセグメント数nでの確率であり、Intensityはnでの実験データ信号強度である。ΣIntensityは全測定値での信号強度の合計である。)
本明細書では、Aspen分布の確率の数値をセグメント分布値とも称する。
アルゴリズムは、定量的又は定性的な分子レベルデータからAspen分布関数の確率を(対象の範囲内に複数の構成カットデータがある場合にはこれらの合成を構築して)求める。図13の左側には実験データを示し、同図の右側には「Aspen」関数を用いた処理データを示す。
アルゴリズムは、Aspen分布をガンマ分布と組み合わせて確率を求める。
アルゴリズムは、GC−MSデータをAspen分布やガンマ分布と組み合わせて信号群の組成を決定する。
アルゴリズムは、図14に示すように且つ「実験データの処理」の欄で説明したように、用意されたデータを用いて且つデータの種類及びデータの分子詳細の度合いに基づいて、試料の分子キャラクタリゼーション結果を生成する。曖昧さが小さいデータは、曖昧さが大きいデータよりも優先される。
図15に、CN=16の9種類の炭化水素化合物を含む理論的試料についての、データ信号処理ヒューリスティクスを示す。得られるデータの品質が相異なる様々な測定手法を用いることから、本発明のアルゴリズムにより求められる信号群自体も結果として相異なったものになる。
a)上記9種類の化合物の組成及び素性を確定した「直接的」な純粋構成成分データを提供する測定手法を用いた場合、処理目的上、各々の化合物は信号群として扱われ、当該信号群の組成が測定組成値に固定される。
b)C16集合という組成までしか分からない「直接的」な構成成分集合データを提供する測定手法を用いた場合、上記9種類の異性体化合物を含む一つの信号群が生成される。当該信号群の組成は、化合物集合の測定組成値に固定される。この信号群内のこれら9種類の異性体化合物の組成は、最初、化合物集合の測定組成を9で割ったものに設定される。
c)炭素数、DBE、組成及びヘテロ原子含有量を含む「定量的」なデータを提供する測定手法を用いた場合、3つの信号群が生成される。各々の信号群は、それぞれ、DBE=9、DBE=8、DBE=7の化合物を含んでいる。各信号群の組成は、CN=16、DBE=それぞれの値である各データ信号の、測定信号強度(すなわち、測定組成)に固定される。各信号群内の異性体化合物の組成は、最初、各データ信号の組成を構成異性体化合物の数(1番目の信号群では2、2番目の信号群では5、3番目の信号群では2)で割ったものに設定される。
d)炭素数、DBE,相対組成及びヘテロ原子含有量を含む「定性的」なデータを提供する測定手法を用いた場合、3つの信号群が生成される。各々の信号群は、それぞれ、DBE=9、DBE=8、DBE=7の化合物を含んでいる。各データ信号の正確な組成が分からないので、各信号群の組成を固定することはできないが、図6に示すアルゴリズムの一部としての物質収支及びデータ回帰によって当該組成が求まる。
e)「伝統的な分析データ」を提供する測定手法を用いた場合、環数により特徴付けられる2つの信号群がガンマ分布関数を用いて生成される。1番目の信号群は、CN=16、芳香族環=2、ナフテン環=1の化合物を含んでいる。2番目の信号群は、CN=16、芳香族環=2の化合物を含んでいる。信号群の組成は、図6に示すように物質収支及びセグメント分布パラメータの回帰によって求まる。
アルゴリズムは、様々なデータタイプから求められた信号群組成同士を、データの品質/正確さおよび試料の構成留分の収量に基づいて調和することにより、当該試料の分子キャラクタリゼーション結果を生成する。その調和過程にて、160℃〜200℃の沸点範囲では、図6及び図8に示すように、GC−MSからの「直接的」なデータがGC−ToFからの「定量的」なデータよりも優先される。200℃〜350℃の範囲では、GC−ToFが最も高い優先度を保持し、当該GC−ToFは「定性的」なFT−ICR MSデータや伝統的な分析データにより補充され得る。350℃超の範囲では、他に高度な分析データが存在しないことから「定性的」なFT−ICR MSデータが優先されて、かつ、当該FT−ICR MSデータは「伝統的」な分析データにより補充され得る。最後に、(原油又は石油留分の)試料組成が100%に正規化される。
分析内における石油留分のGC−ToFデータやFT−ICR−MSデータは、当該石油留分の対応する収量(体積又は重量)に比例して重み付けされる。
アルゴリズムは、信号群が決まると、信号群内の個々の構成化合物の組成を算出する。各信号群ごとに、その中の化合物には、その構造に基づいた特性値(本明細書では構造密度指数とも称する)が割り当てられる。構造密度指数を順番どおりに並べると、化合物が、しばしば、最小の沸点・密度から最大の沸点・密度への順番で並ぶことになる。構造密度指数は、図16に示すようにガンマ分布関数を用いて表される。試料の全信号群における全化合物を表すのに、分布関数が一つだけ用いられてもよい。あるいは、試料のうちの一つのカット(留分)内の信号群の化合物を表す分布関数が複数用いられてもよい。
一つの信号群内の構成化合物の組成を算出するには、所与の化合物ごとに、割り当てられている当該化合物の構造密度指数値を用いて、図16に示すような且つ表6に記載するような分布関数及びパラメータを使って確率値を求める。各化合物の構造密度確率分布値は、正規化されたあと同信号群の組成でスケーリングされる。これにより、同信号群内の全化合物の組成一式が得られる。
Figure 0006887562
(式中、xは信号群内の化合物cの組成(モル分率)であり、p(c)は化合物cの構造密度指数確率値であり、xSignal Groupは信号群の組成(モル分率)である。)
アルゴリズムは、信号群の組成を一定に維持する。得られた化合物組成同士は、同じ信号群内で合計した場合、信号群組成調和過程で設定された当該信号群の総組成と等しくなる。
Figure 0006887562
表6:図16に示す分布関数を用いた、信号群内の個々の化合物組成の理論的計算
(なお、図16には、表6における2個目の信号群に割り当てられた5つの化合物を追記している。)
Figure 0006887562
Figure 0006887562
アルゴリズムは、分析手法が試料全体について純粋化合物の「直接的」な素性及び組成を生成可能なものである場合、全信号群内の全構成成分の組成が測定結果から分かるのでこのステップを飛ばしてもよい。
(目的関数)
一部の実施形態では、実験データが取集されて、原油又は石油留分の「分子プロファイル」を特定するための回帰手順に利用される。この回帰手順は、非線形最小二乗法アルゴリズムを用いて、以下に定義する残差平均平方二乗誤差(RRMSE)目的関数を最小化するものである。
Figure 0006887562
(式中、ZMは測定された(実験)物理的特性・化学的特性(「実験データの処理」の欄を参照のこと)であり、Zは算出値であり、σは標準偏差であり、iはデータ点の番号であり、kはデータ点の総数であり、jはデータ点での測定変数(例えば、カット収量、密度、硫黄分等)であり、mはデータ点での測定変数の数であり、nは調節可能なパラメータの総数である。)
調節可能なパラメータは、一部の選択された概念的セグメントのガンマ分布関数の最頻値及び標準偏差σであり得る。また、調節可能なパラメータは、信号群内の構成化合物の組成の算出に用いられる構造密度指数のガンマ分布関数の最頻値及び標準偏差σを含み得る。
(コンピュータへの実装)
図17に、本発明が実現され得るコンピュータネットワーク又は同様のデジタル処理環境を示す。
少なくとも1つのクライアントコンピュータ/装置50および少なくとも1つのサーバコンピュータ60は、アプリケーションプログラムなどを実行する処理装置、記憶装置および入出力装置を提供する。少なくとも1つのクライアントコンピュータ/装置50は、さらに、他のコンピューティングデバイス(他のクライアント装置/プロセス50および1つ以上の他のサーバコンピュータ60を含む)へと通信ネットワーク70を介して接続され得る。通信ネットワーク70は、リモートアクセスネットワーク、グローバルネットワーク(例えば、インターネット等)、世界中のコンピュータの集まり、ローカルエリア又はワイドエリアネットワーク、および現在それぞれのプロトコル(TCP/IP、Bluetooth(登録商標)など)を用いて互いに通信するゲートウェイの一部であり得る。それ以外の電子デバイス/コンピュータネットワークアーキテクチャも好適である。
図18は、図17のコンピュータシステムにおけるコンピュータ(例えば、クライアントプロセッサ/装置50、サーバコンピュータ60等)の内部構造の図である。それぞれのコンピュータ50,60は、コンピュータ又は処理システムの構成要素間でのデータ伝送に利用される一連のハードウェアラインであるシステムバス79を備える。バス79は、本質的に、コンピュータシステムの相異なる構成要素(例えば、プロセッサ、ディスクストレージ、メモリ、入出力ポート、ネットワークポート等)同士を接続して当該構成要素間での情報の伝送を可能にする共有の導管である。システムバス79には、様々な入出力装置(例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ等)をコンピュータ50,60に接続するための入出力装置インターフェース82が取り付けられている。ネットワークインターフェース86は、コンピュータが、ネットワーク(例えば、図17のネットワーク70等)に取り付けられた様々な他の装置へと接続することを可能にする。メモリ90は、本発明の一実施形態(例えば、詳細に前述・後述する仮想分析ンジン、原油分析モデラ、支援コード700等)を実現するように用いられるコンピュータソフトウェア命令92およびデータ94を記憶する揮発性の記憶部である。ディスクストレージ95は、本発明の一実施形態を実現するように用いられるコンピュータソフトウェア命令92およびデータ94を記憶する不揮発性の記憶部である。システムバス79には、さらに、コンピュータ命令を実行する中央演算処理装置84が取り付けられている。
一実施形態において、プロセッサルーチン92及びデータ94は、コンピュータプログラムプロダクト(概して符号92で表す)である。当該コンピュータプログラムプロダクトは、本発明のシステム用のソフトウェア命令の少なくとも一部を提供するコンピュータ読取り可能媒体(例えば、少なくとも1つのDVD−ROM、CD−ROM、ディスケット、テープなどの取外し可能な記憶媒体等)を含む。コンピュータプログラムプロダクト92は、当該技術分野において周知である任意の適切なソフトウェアインストール方法によってインストールされることが可能なものであり得る。また、他の実施形態では、前記ソフトウェア命令の少なくとも一部が、ケーブルおよび/または通信および/または無線接続を介してダウンロードされるものであり得る。他の実施形態において、本発明のプログラムは、伝播媒体における伝播信号(例えば、電波、赤外線波、レーザ波、音波、インターネットなどのグローバルネットワーク又は他の少なくとも1つのネットワークによって伝播される電気波等)に組み込まれた、コンピュータプログラム伝播信号プロダクト107である。このような搬送媒体又は信号が、本発明のルーチン/プログラム92用のソフトウェア命令の少なくとも一部を提供する。
代替的な実施形態では、前記伝播信号が、伝播媒体で搬送されるアナログ搬送波又はデジタル信号である。例えば、前記伝播信号は、グローバルネットワーク(例えば、インターネット等)、電気通信網又は他のネットワークによって伝播されるデジタル化された信号であり得る。一実施形態では、前記伝播信号が、ある期間のあいだ前記伝播媒体によって送信される信号であり、例えば、数ミリ秒、数秒、数分又はそれ以上の期間のあいだネットワークによってパケットで送信される、ソフトウェアアプリケーション用の命令等である。他の実施形態において、コンピュータプログラムプロダクト92の前記コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータシステム50が受け取って読み取りし得る伝播媒体である。例えば、コンピュータシステム50は、前述したコンピュータプログラム伝播信号プロダクトの場合のように、伝播媒体を受け取ってその伝播媒体に組み込まれた伝播信号を特定する。
一般的に、「搬送媒体」又は過渡キャリアという用語は、前述した過渡的信号、伝播信号、伝播媒体、記憶媒体などを包含する。
図6は、原油又は石油留分を含む試料の化学組成をキャラクタリゼーションする、コンピュータに実装される方法の例的な一実施形態のフロー図(プロセッサルーチン)1400である。
ステップ1410にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、原油又は石油留分を含む所与の試料についての、少なくとも1種のガスクロマトグラフィー・質量分析法データと伝統的な分析データとを含む、分析データを受け取る。
ステップ1420にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、前記分析データを直接的なデータ(例えば、GC−MSデータ等)と、定量的な分子レベルデータ(例えば、GC−ToFデータ等)と、定性的な分子レベルデータ(例えば、FT−ICR−MSデータ等)と、伝統的な分析データとに処理、特定及び分類し、さらには、各データタイプを処理する。
ステップ1422にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、前記分析データがGC−MSデータなどの直接的なデータを含むか否かを判定する。このようなデータが存在する場合には、前記システムが、ステップ1432でのデータの処理に進む。直接的なデータが存在しない場合には、前記システムが、ステップ1423での次のデータタイプへと進む。
ステップ1423にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、前記分析データがGC−ToFデータなどの定量的な分子レベルデータを含むか否かを判定する。このようなデータが存在する場合には、前記システムが、ステップ1433でのデータの処理に進む。定量的なデータが存在しない場合には、前記システムが、ステップ1424での次のデータタイプへと進む。
ステップ1424にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、前記分析データがFT−ICR−MSデータなどの定性的な分子レベルデータを含むか否かを判定する。このようなデータが存在する場合には、前記システムが、ステップ1434でのデータの処理に進む。定性的なデータが存在しない場合には、前記システムが、ステップ1425での次のデータタイプの処理に進む。
ステップ1425にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、前記分析データが伝統的な分析データを含むか否かを判定する。このようなデータが存在する場合には、前記システムが、ステップ1435でのデータの処理に進む。
ステップ1430にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、ステップ1420で直接的なデータと定性的な分子レベルデータと定性的な分子レベルデータと伝統的な分析データとに分類された、特定済みの生分析データの変換を開始する。ステップ1431で説明する化合物ライブラリが、ステップ1432、ステップ1433、ステップ1434及びステップ1435での上記データタイプの各処理の入力として利用される。
ステップ1431にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサ1400は、例えばMCライブラリ等の化合物ライブラリを用意する。化合物ライブラリは、原油又は石油留分中に存在し得る分子種(species)を表す化合物群をカバーした、複数の化合物からなる。当該ライブラリは、さらに、「化合物ライブラリ」の欄や「特性の推定」の欄で説明した、化合物の物理的特性データや化学的特性データを含む。化合物ライブラリは、メモリにロードされてステップ1432、ステップ1433、ステップ1434及びステップ1435、ならびにこの情報を必要とする後続の他のステップで利用される。
ステップ1432にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、直接的な(例えば、GC−MS等)データを用いて前記化合物ライブラリ(ステップ1431)から、前記直接的なデータで特定された化合物と合致する純粋化合物を選択する。前記直接的なデータが集合データであれば、当該集合を表す信号群が生成される。
ステップ1433にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、定量的な分子レベルデータ(例えば、GC−ToFデータ等)を用いて当該データ(信号強度、炭素数およびDBE)をAspen分布へと変換する。
ステップ1434にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、定性的な分子レベルデータ(例えば、FT−ICR−MSデータ等)を用いて当該データ(信号強度、式、炭素数およびDBE)をAspen分布・ガンマ分布、または一様なセグメント分布へと変換する。
ステップ1435にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、伝統的な分析データを処理する。
ステップ1440にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、ステップ1430から得られた処理データと(ステップ1441で説明する)概念的セグメントライブラリとを用いて、組成、化合物群重量、概念的セグメントタイプおよびセグメント分布を設定する。
ステップ1441にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、「化合物の選択およびUIセグメントの選択」の欄で説明した、一群の概念的セグメントタイプ及びセグメント数の範囲(概念的セグメントライブラリ)を用意する。当該概念的セグメントライブラリは、メモリにロードされてステップ1443、ステップ1444及びステップ1445で利用される。
ステップ1442にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、直接的なデータが化合物の素性を含むものであれば、化合物の絶対的な組成を設定して当該直接的なデータ(例えば、GC−MSデータ等)を処理する。前記直接的なデータが集合データである場合には、ステップ1432で生成された信号群の絶対的な組成を設定する。
ステップ1443にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、さらに、定量的な分子レベルデータ(例えば、GC−ToFデータ等)を、化合物群重量、概念的セグメントタイプおよびセグメント分布を設定することで処理する。
ステップ1444にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、さらに、定性的な分子レベルデータ(例えば、FT ICR−MSデータ等)を、概念的セグメントタイプ、セグメント分布、および化合物群重量の初期値を設定することで処理する。定性的なデータに関しては、ステップ1456及びステップ1476で説明する反復的過程を用いて、化合物群重量およびセグメント分布が求められる。
ステップ1445にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、さらに、伝統的な分析データを、概念的セグメントタイプ、セグメント分布の初期値、および化合物群重量の初期値を設定することで処理する。
ステップ1450にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、ステップ1431のライブラリ、ステップ1440からの情報、および関連するステップを用いて、化合物群重量、ならびにセグメント分布値および/またはセグメント分布パラメータから化合物の組成や信号群の組成を算出する。
ステップ1452にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、前記直接的なデータにより設定された化合物の絶対的な組成や信号群の絶対的な組成を固定する。
ステップ1453にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、さらに、定量的な分子レベルデータ(例えば、GC−ToFデータ等)を、Aspen分布値及び化合物群重量から信号群の組成を算出して全信号群の組成を設定することで処理する。
ステップ1454にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、さらに、定性的な分子レベルデータ(例えば、FT−ICR−MSデータ等)を、化合物群重量及び/又はAspen分布値及び/又はセグメント分布パラメータから信号群の組成を算出して全信号群の相対組成を設定することで処理する。定性的なデータに関しては、信号群の算出された組成を絶対的な組成として扱うことができない。代わりに、データが示唆する当該組成の「相対」値が維持される。そのほか、ステップ1456及びステップ1476で説明する反復的過程を用いて、化合物群重量およびセグメントパラメータが求められる。
ステップ1455にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、さらに、伝統的な分析データを、セグメント分布パラメータ及び化合物群重量から信号群の組成を算出して全信号群の相対組成を設定することで処理する。この種のデータは分子レベルデータを提供するものではないため、算出される組成は実際と大きく異なる可能性があり、ステップ1456及びステップ1476で説明するように更に調節される。
ステップ1460にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、これら4種類のデータタイプからの結果を、原油又は石油留分を表す組成へと調和させる。このステップでは、さらに、「信号群」の欄および「確率分布を用いた、信号群及び分子の選択」の欄で説明したヒューリスティクスに従って、化合物が信号群に割り当てられる。
ステップ1470では、ステップ1460で決定された信号群の組成を用いて、かつ、ステップ1431のライブラリから得られた、構成化合物の物理的特性や化学的特性、および「特性の推定」の欄で説明した相関や手法を使って、試料の特性を算出する。試料の推定され得る物理的特性の例には、例えば、沸点、液体密度、液体粘度、これらの任意の組合せ等が含まれる。推定され得る化学的特性の例には、炭素分、水素分、酸素分、窒素分、硫黄分、バナジウム分、ニッケル分、これらの任意の組合せ等が含まれる。
ステップ1471にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、信号群内の化合物の組成を、段落[0126]で説明した構造密度指数の分布関数から決定する。
ステップ1472にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、構成信号群の物理的特性や化学的特性を用いて、試料の物理的特性や化学的特性を算出する。また、信号群の特性は、当該信号群の構成化合物の特性から算出される。化合物の特性は、ステップ1431の化合物ライブラリから、「特性の推定」の欄で説明した相関や手法を用いて得られる。
ステップ1473にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、ステップ1472で推定された物理的特性や化学的特性と対応する実験データ値との間の誤差(すなわち、残差平均平方二乗誤差)を算出する。
ステップ1476にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、ステップ1473の誤差が予め設定された許容範囲内であるか否かを確認する。確認の結果が肯定である場合には、システムがステップ1480へと進む。確認の結果が否定である場合には、システムがステップ1456に進んで化合物群重量、セグメント分布パラメータ、および構造密度指数の分布パラメータを調節し、かつ、ステップ1454、ステップ1455及び後続の関連するステップを反復して新たな信号群組成およびセグメント集団内の新たな化合物組成を決定する。
ステップ1456にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、ステップ1473の誤差と非線形最小二乗法アルゴリズムを用いて、化合物群重量、セグメント分布パラメータ、および構造密度指数の分布パラメータについての新たな推定値を求める。これらの新たな推定値は、ステップ1454、ステップ1455及び後続の関連するステップの反復的過程において、新たな信号群組成およびセグメント集団内の新たな化合物組成を決定するのに用いられる。この反復的過程は、ステップ1476にて収束が達成されるまで繰り返される。
ステップ1480にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、形成されたキャラクタリゼーション結果を集約して、エンドユーザに対して表形式や図形式で表示するように当該結果を入力する。
ステップ1481にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、選択された化合物についての推定された化学的特性や物理的特性を表示し得る。
ステップ1482にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、ステップ1473で得られた残差平均平方二乗誤差を表示し得る。
ステップ1483にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、選択された化合物および組成を表示し得る。
ステップ1484にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、全ての入力分析データタイプからの実験組成データを表示し得る。
ステップ1490にて、コンピュータシステム50,60又はプロセッサは、処理を完了させて終了する。
本明細書で引用した全ての特許、特許出願公開公報および刊行物は、その全教示内容を参照をもって取り入れたものとする。
本発明を例的な実施形態を参照しながら具体的に図示・説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱しない範疇で形態や細部に様々な変更が施されてもよいことを理解するであろう。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
コンピュータに実装される、原油又は石油留分を含む試料の化学組成をキャラクタリゼーションする方法であって、プロセッサにより、
(i)前記試料の分子レベル分析データを含むか又は前記試料の分子レベル分析データと伝統的な分析データとを含む、分析データを受け取る過程と、
(ii)a)前記試料の前記分子レベル分析データに基づく絶対的な化合物組成を、かつ/あるいは、b)前記分子レベル分析データの少なくとも一部に基づいて、第1の化合物群および第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、ならびに第1のセグメント分布を、かつ/あるいは、c)前記試料の前記伝統的な分析データを受け取っていれば、当該伝統的な分析データの少なくとも一部に基づいて、第2の化合物群および第2の化合物群重量、第2の概念的セグメントタイプ、ならびに第2のセグメント分布を、設定する過程と、
(iii)a)絶対的な化合物組成を、かつ/あるいは、b)前記分子レベルデータの少なくとも一部に基づいて設定された、前記第1のセグメント分布を表す第1のセグメント分布値と第1の化合物群重量とから第1の化合物組成を、かつ/あるいは、c)前記試料の前記伝統的な分析データを受け取っていれば、当該伝統的な分析データに基づいて設定された、前記第2のセグメント分布を表す第2のセグメント分布パラメータと第2の化合物群重量とから第2の化合物組成を、決定する過程と、
(iv)a)前記絶対的な化合物組成および/またはb)前記第1の化合物組成および/またはc)第2の化合物組成を調和させることにより、調和済みの化合物組成を得る過程と、
(v)前記分子レベル分析データが定性的な分子レベル分析データおよび/または伝統的な分析データを含むものである場合、前記調和済みの化合物組成について求められた物理的特性および/または化学的特性が受け取った対応する分析データと合致するまで第1の化合物群重量、第2の化合物群重量および第2のセグメント分布パラメータを調節することにより、洗練化された化合物組成を得る過程と、
を備え、これによって前記試料の前記化学組成のキャラクタリゼーション結果を形成する、方法。
[態様2]
態様1に記載の方法において、前記絶対的な化合物組成が絶対的な信号群組成であり、前記第1の化合物組成が第1の信号群組成であり、前記第2の化合物組成が第2の信号群組成であり、前記化合物組成が信号群組成である、方法。
[態様3]
態様1または2に記載の方法において、前記分子分析データが、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)データ、ガスクロマトグラフィー時間飛行型質量分析法(GC−ToF)データ、またはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析法(FT ICR−MS)データを含む、方法。
[態様4]
態様1または2に記載の方法において、前記分子分析データが、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)データ、ガスクロマトグラフィー時間飛行型質量分析法(GC−ToF)データ、またはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析法(FT ICR−MS)データである、方法。
[態様5]
態様1から4のいずれかに記載の方法において、前記FT ICS−MSデータが、大気圧光イオン化法(APPI)FT−ICR MSデータ、エレクトロスプレー負イオン化法(ESI−)FT−ICR MSデータ、またはエレクトロスプレー陽イオン化法(ESI+)FT−ICR MSデータである、方法。
[態様6]
態様1から5のいずれかに記載の方法において、前記GC−MSデータが、水素炎イオン化検出器ガスクロマトグラフィー(GC−FID)データである、方法。
[態様7]
態様1から6のいずれかに記載の方法において、前記分子レベルデータがGC−MSデータを含み、当該方法が、さらに、
前記GC−MSデータに基づいて、化合物ライブラリから純粋化合物を選択する過程、
を備える、方法。
[態様8]
態様1から7のいずれかに記載の方法において、GC−MSデータから、化合物の素性および前記絶対的な化合物組成が決定される、方法。
[態様9]
態様1から8のいずれかに記載の方法において、前記分子レベルデータが直接的なデータを含み、当該方法は、さらに、
(1)前記直接的なデータに基づいて、化合物ライブラリから純粋化合物を選択する過程と、
(2)絶対的な化合物組成を設定する過程と、
(3)絶対的な化合物組成を算出する過程と、
を備える、方法。
[態様10]
態様1から9のいずれかに記載の方法において、前記分子レベルデータがGC−ToFデータを含み、当該方法は、さらに、
GC−ToF信号強度データ、および/または、GC−ToFデータから導き出された炭素数、および/または、GC−ToFデータから導き出されたDBEを、Aspen分布に変換する過程、
を備える、方法。
[態様11]
態様1から10のいずれかに記載の方法において、さらに、
GT−ToFデータから求められたAspen分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程、
を備える、方法。
[態様12]
態様1から11のいずれかに記載の方法において、さらに、
GC−ToFデータから導き出された化合物群重量、GC−ToFデータから導き出されたセグメントタイプ、およびGC−ToFデータから導き出されたセグメント分布値から、GC−ToFベースの化合物組成を決定する過程、
を備える、方法。
[態様13]
態様1から12のいずれかに記載の方法において、前記第1の化合物組成が、GC−ToFデータから決定された化合物組成、つまり、GC−ToFベースの化合物組成を含む、方法。
[態様14]
態様11または12に記載の方法において、前記GC−ToFベースの化合物組成が、前記調和済みの化合物組成の、受け取った対応する分析データと比べての物理的特性および/または化学的特性の違いに基づいて調節されない、方法。
[態様15]
態様1から14のいずれかに記載の方法において、前記分子レベルデータが定量的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
(1)前記定量的な分子レベル分析データから導き出された信号強度データ、および/または、定量的な分子レベル分析データから導き出された炭素数、および/または、定量的な分子レベル分析データから導き出されたDBEを、Aspen分布に変換する過程と、
(2)前記定量的な分子レベル分析データから求められたAspen分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程と、
(3)定量的な分子レベル分析データから導き出された化合物群重量、定量的な分子レベル分析データから導き出されたセグメントタイプ、および定量的な分子レベル分析データから導き出されたセグメント分布値から、化合物組成を算出する過程と、
を備える、方法。
[態様16]
態様1から15のいずれかに記載の方法において、前記分子レベルデータがFT−ICR−MSデータを含み、当該方法は、さらに、
FT−ICR−MS信号強度データ、および/または、FT−ICR−MSから導き出された式、および/または、FT−ICR−MSから導き出された炭素数、および/または、FT−ICR−MSから導き出されたDBEを、Aspen分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に変換する過程、
を備える、方法。
[態様17]
態様1から16のいずれかに記載の方法において、さらに、
FT−ICR−MSデータから導き出されたAspen分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に基づいて、前記第1の化合物群重量、前記第1の概念的セグメントタイプ、および前記第1のセグメント分布を設定する過程、
を備える、方法。
[態様18]
態様1から17のいずれかに記載の方法において、さらに、
FT ICR−MSデータから導き出された化合物群重量、FT ICR−MSデータから導き出されたセグメントタイプ、ならびにFT ICR−MSデータから導き出されたセグメント分布値および/またはセグメント分布パラメータから、FT ICR−MSベースの化合物組成を決定する過程、
を備える、方法。
[態様19]
態様1から18のいずれかに記載の方法において、前記分子レベルデータが定性的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
(1)前記定性的な分子レベル分析データから導き出された信号強度データ、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出された式、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出された炭素数、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出されたDBEを、Aspen分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に変換する過程と、
(2)定性的な分子レベル分析データから導き出されたAspen分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程と、
(3)定性的な分子レベル分析データから導き出された化合物群重量、定性的な分子レベル分析データから導き出されたセグメントタイプ、ならびに定性的な分子レベル分析データから導き出されたセグメント分布値および/またはセグメント分布パラメータから、化合物組成を算出する過程と、
を備える、方法。
[態様20]
態様1から19のいずれかに記載の方法において、前記第1の化合物組成が、FT ICR−MSデータから決定された化合物組成、つまり、FT ICR−MSベースの化合物組成を含む、方法。
[態様21]
態様19または20に記載の方法において、前記FT ICR−MSベースの化合物組成が、前記調和済みの化合物組成の、受け取った対応する分析データと比べての物理的特性および/または化学的特性の違いに基づいて調節される、方法。
[態様22]
態様1から21のいずれかに記載の方法において、前記第1の化合物組成がFT ICR−MSベースの化合物組成であり、前記第2の化合物組成が伝統的な分析データから決定される、方法。
[態様23]
態様22に記載の方法において、前記調和済みの化合物組成について求められた物理的特性および/または化学的特性が受け取った対応する分析データと合致するまで、前記FT ICR−MSベースの化合物組成および前記第2の化合物組成のみが調節される、方法。
[態様24]
態様1から23のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが、伝統的な分析データを含む、方法。
[態様25]
態様1から24のいずれかに記載の方法において、前記伝統的な分析データが、蒸留曲線データ、密度曲線データ、硫黄曲線データ、塩基性窒素曲線データ、総窒素曲線データ、CH比曲線データ、全酸価曲線データ、PIONA分曲線データ、粘度曲線データ、ニッケル分曲線データ、およびバナジウム分曲線データのうちの少なくとも1つを含む、方法。
[態様26]
態様1から25のいずれかに記載の方法において、前記第1および第2の化合物群が、互いに独立して、パラフィン群、ナフテン群、芳香族群、オレフィン群、メルカプタン群、1個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、2個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、スルホキシド群、硫黄−酸素群、1個のピロールを有する中性窒素群、2個のピロール窒素を有する中性窒素群、中性窒素−硫黄群、中性窒素−酸素群、1個のピリジンを有する塩基性窒素群、ピリジンと別のピリジン又はピロールを有する塩基性窒素群、塩基性窒素−硫黄群、塩基性窒素−酸素群、フェノール群、パラフィン酸群、芳香族酸・ナフテン酸群、ニッケルポルフィリン群、およびバナジウムポルフィリン群のうちの少なくとも1つを含む、方法。
[態様27]
態様1から26のいずれかに記載の方法において、前記第1および第2の化合物群が、パラフィン群、ナフテン群、芳香族群、オレフィン群、メルカプタン群、1個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、2個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、スルホキシド群、硫黄−酸素群、1個のピロールを有する中性窒素群、2個のピロール窒素を有する中性窒素群、中性窒素−硫黄群、中性窒素−酸素群、1個のピリジンを有する塩基性窒素群、ピリジンと別のピリジン又はピロールを有する塩基性窒素群、塩基性窒素−硫黄群、塩基性窒素−酸素群、フェノール群、パラフィン酸群、芳香族酸・ナフテン酸群、ニッケルポルフィリン群、およびバナジウムポルフィリン群を含む、方法。
[態様28]
態様26または27に記載の方法において、前記パラフィン群の概念的セグメントタイプが、総炭素数、一分岐メチレン、および二分岐メチレンを含む、方法。
[態様29]
態様26または27に記載の方法において、前記ナフテン群の概念的セグメントタイプが、総炭素数、ナフテン側環、および六員環−対−五員環のモル比を含む、方法。
[態様30]
態様26または27に記載の方法において、前記芳香族群の概念的セグメントタイプが、総炭素数、芳香族側環、およびナフテン側環を含む、方法。
[態様31]
態様1から30のいずれかに記載の方法において、前記分子レベルデータが、前記試料全体から得られたものである、方法。
[態様32]
態様1から31のいずれかに記載の方法において、前記分子レベルデータが、前記試料の少なくとも1つのカットから得られたものである、方法。
[態様33]
態様1から32のいずれかに記載の方法において、さらに、
原油又は石油留分を含む前記試料の前記化学組成の前記キャラクタリゼーション結果を出力する過程、
を備える、方法。
[態様34]
態様1から33のいずれかに記載の方法において、前記試料が、原油または石油留分である、方法。
[態様35]
態様1から34のいずれかに記載の方法において、FT ICR−MSデータと伝統的な分析データとを受け取る、方法。
[態様36]
態様1から35のいずれかに記載の方法において、GC−MSデータ、GC−ToFデータ、FT ICR−MSデータ、および伝統的な分析データのうちの少なくとも2つを受け取る、方法。
[態様37]
態様1から36のいずれかに記載の方法において、GC−MSデータ、GC−ToFデータ、FT ICR−MSデータ、および伝統的な分析データのうちの少なくとも3つを受け取る、方法。
[態様38]
態様1から37のいずれかに記載の方法において、GC−MSデータとGC−ToFデータとFT ICR−MSデータと伝統的な分析データとを受け取る、方法。
[態様39]
態様1から38のいずれかに記載の方法において、定性的な分子レベル分析データと伝統的な分析データとを受け取る、方法。
[態様40]
態様1から39のいずれかに記載の方法において、直接的な分析データ、定量的な分子レベル分析データ、定性的な分子レベル分析データ、および伝統的な分析データのうちの少なくとも2つを受け取る、方法。
[態様41]
態様1から40のいずれかに記載の方法において、直接的な分析データ、定量的な分子レベル分析データ、定性的な分子レベル分析データ、および伝統的な分析データのうちの少なくとも3つを受け取る、方法。
[態様42]
態様1から41のいずれかに記載の方法において、直接的な分析データと定量的な分子レベル分析データと定性的な分子レベル分析データと伝統的な分析データとを受け取る、方法。
[態様43]
態様1から42のいずれかに記載の方法において、さらに、
前記試料の物理的特性又は化学的特性を、当該試料の、キャラクタリゼーションされた前記化学組成の関数として推定する過程、
を備える、方法。
[態様44]
態様43に記載の方法において、前記試料の、推定される前記物理的特性が、標準沸点、液体密度、液体粘度、コンラドソン残留炭素、リサーチ法オクタン価、モーター法オクタン価、セタン価、およびリード蒸気圧のうちの少なくとも1つを含む、方法。
[態様45]
態様43に記載の方法において、前記試料の化学的特性を推定する過程が、化学式から、硫黄分、塩基性窒素分、総窒素分、炭素分、水素分、CH比、ニッケル分、バナジウム分、酸素分、パラフィン分、イソパラフィン分、オレフィン分、ナフテン分、および芳香族分を含む、化学構造および化学組成を算出することを含む、方法。
[態様46]
態様1から45のいずれかに記載の方法において、伝統的な分析データを受け取る、方法。
[態様47]
態様1から46のいずれかに記載の方法において、さらに、
モデル化合物のライブラリを用意する過程、
を備える、方法。
[態様48]
態様47に記載の方法において、さらに、
モデル化合物の前記ライブラリからの1つ又は複数のモデル化合物に対して信号群を割り当てる過程、
を備える、方法。
[態様49]
態様1から46のいずれかに記載の方法において、さらに、
モデル化合物のライブラリからの1つ又は複数のモデル化合物に対して信号群を割り当てる過程、
を備える、方法。
[態様50]
態様48または49に記載の方法において、モデル化合物の前記ライブラリからの、一つの信号群に該当する前記モデル化合物同士が、同じ化合物群、同じ炭素数および同じ二重結合当量を有する、方法。
[態様51]
態様1から50のいずれかに記載の方法において、前記試料が、i)1〜100の様々な炭素数とii)0〜50の様々な二重結合当量数とを有する化合物を含む、方法。
[態様52]
態様1から51のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが、直接的なデータを含む分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記直接的なデータに基づいて、一つのモデル化合物を、特定の一つの信号群に割り当てる過程、
を備える、方法。
[態様53]
態様1から52のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが、直接的な集合データを含む分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記直接的な集合データに基づいて、同じ化合物群及び同じ炭素数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、
を備える、方法。
[態様54]
態様1から53のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが定量的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記定量的な分子レベル分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、
を備える、方法。
[態様55]
態様1から54のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが定性的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのにAspen分布が用いられた場合、当該データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程と、
前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのにガンマ分布又は一様な分布が用いられた場合、当該データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程と、
を備える、方法。
[態様56]
態様1から55のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが伝統的な分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記伝統的な分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、
を備える、方法。
[態様57]
態様1から56のいずれかに記載の方法において、一つ又は複数のモデル化合物を一つの信号群に割り当てる過程にて、直接的なデータは直接的な集合データよりも優先度が高く、直接的な集合データは定量的な分子レベル分析データよりも優先度が高く、定量的な分子レベルデータは定性的な分子レベル分析データよりも優先度が高く、定性的な分子レベル分析データは伝統的な分析データよりも優先度が高く、モデル化合物を信号群に各自割り当てることのできる様々な優先度の分析データが存在している場合、モデル化合物を信号集団に割り当てるのには、最も高い優先度の分析データが用いられる、方法。
[態様58]
態様1から57のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが、直接的なデータを含む分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記直接的なデータに基づいて、第1のモデル化合物を第1の信号群に割り当てる過程、
を備える、方法。
[態様59]
態様1から58のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが、直接的な集合データを含む分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記直接的な集合データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータに基づくモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群及び同じ炭素数の信号群へと割り当てられる、過程、
を備える、方法。
[態様60]
態様1から59のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが定量的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記定量的な分子レベル分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ及び直接的な集合データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量の信号群へと割り当てられる、過程、
を備える、方法。
[態様61]
態様1から60のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが定性的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのにAspen分布が用いられた場合、当該定性的な分子レベル分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ及び定量的な分子レベル分析データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量の信号群へと割り当てられる、過程と、
前記定性的な分子レベル分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ、定量的な分子レベル分析データ、及び前記定性的な分子レベル分析データのうちのAspen分布を用いた少なくとも一部のいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程と、
を備える、方法。
[態様62]
態様1から61のいずれかに記載の方法において、受け取った前記分析データが伝統的な分析データを含み、当該方法は、さらに、
前記伝統的な分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ、定量的な分子レベル分析データ及び定性的な分子レベル分析データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数の信号群へと割り当てられる、過程、
を備える、方法。
[態様63]
態様1から62のいずれかに記載の方法において、さらに、
前記試料のカットに属する信号群内における構成化合物の構造密度指数を表した確率分布関数を用いて、信号群内の化合物組成を算出する過程、
を備える、方法。
[態様64]
態様1から63のいずれかに記載の方法において、さらに、
前記試料の全信号群内における構成化合物の構造密度指数を表した確率分布関数を用いて、信号群内の化合物組成を算出する過程、
を備える、方法。

Claims (62)

  1. コンピュータに実装される、原油又は石油留分を含む試料の化学組成をキャラクタリゼーションする方法であって、プロセッサにより、
    (i)前記試料の分子レベル分析データを含むか又は前記試料の分子レベル分析データおよび伝統的な分析データの両方を含む、分析データを受け取る過程であって、(1)前記分子レベル分析データは、ガスクロマトグラフィーデータおよび質量分析法データのうちの少なくとも1つを含み、(2)前記伝統的な分析データは、蒸留曲線データ、密度曲線データ、硫黄曲線データ、塩基性窒素曲線データ、総窒素曲線データ、CH比曲線データ、全酸価曲線データ、PIONA(パラフィン群、イソパラフィン群、オレフィン群、ナフテン群および芳香族群)分曲線データ、粘度曲線データ、ニッケル分曲線データ、およびバナジウム分曲線データのうちの少なくとも1つを含む、過程と、
    (ii)a)前記試料の前記分子レベル分析データに基づいて、絶対的な化合物組成を設定し、b)前記分子レベル分析データの少なくとも一部に基づいて、第1の化合物群および第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、ならびに第1のセグメント分布を設定し、かつ、前記試料の前記伝統的な分析データを受け取っている場合に、c)該伝統的な分析データの少なくとも一部に基づいて、第2の化合物群および第2の化合物群重量、第2の概念的セグメントタイプ、ならびに第2のセグメント分布を設定する過程と、
    (iii)a)前記設定された絶対的な化合物組成である絶対的な化合物組成を決定し、b)前記分子レベル分析データの少なくとも一部に基づいて設定された、前記第1のセグメント分布および前記第1の化合物群重量を表す第1のセグメント分布値から第1の化合物組成を決定し、かつ、前記試料の前記伝統的な分析データを受け取っている場合に、c)該伝統的な分析データに基づいて設定された、前記第2のセグメント分布および前記第2の化合物群重量を表す第2のセグメント分布パラメータから第2の化合物組成を決定する過程と、
    (iv)a)前記絶対的な化合物組成b)前記第1の化合物組成および、前記試料の前記伝統的な分析データを受け取っている場合に、c)前記第2の化合物組成を調和させることにより、調和済みの化合物組成を決定する過程と、
    (v)前記調和済みの化合物組成を、原油または石油留分を含む前記試料の前記化学組成のキャラクタリゼーション結果である洗練化された化合物組成として決定し、受け取った前記分子レベル分析データが定性的な分子レベル分析データを含むものである場合、前記洗練化された化合物組成について求められた物理的特性および/または化学的特性が受け取った対応する分析データと合致するまで前記第1の化合物群重量を調節し、かつ、受け取った分析データが前記伝統的な分析データを含むものである場合、前記洗練化された化合物組成について求められた物理的特性および/または化学的特性が受け取った対応する分析データと合致するまで前記第2の化合物群重量および前記第2のセグメント分布パラメータを調節する過程と、
    備える、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記絶対的な化合物組成が絶対的な信号群組成であり、前記第1の化合物組成が第1の信号群組成であり、前記第2の化合物組成が第2の信号群組成であり、前記化合物組成が信号群組成である、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記分子分析データが、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)データ、ガスクロマトグラフィー時間飛行型質量分析法(GC−ToF)データ、またはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析法(FT ICR−MS)データを含む、方法。
  4. 請求項1または2に記載の方法において、前記分子分析データが、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)データ、ガスクロマトグラフィー時間飛行型質量分析法(GC−ToF)データ、またはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析法(FT ICR−MS)データである、方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の方法において、前記FT IC−MSデータが、大気圧光イオン化法(APPI)FT ICR−MSデータ、エレクトロスプレー負イオン化法(ESI−)FT ICR−MSデータ、またはエレクトロスプレー陽イオン化法(ESI+)FT ICR−MSデータである、方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の方法において、前記GC−MSデータが、水素炎イオン化検出器ガスクロマトグラフィー(GC−FID)データである、方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の方法において、前記分子レベル分析データがGC−MSデータを含み、当該方法が、さらに、
    前記GC−MSデータに基づいて、化合物ライブラリから純粋化合物を選択する過程、
    を備える、方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の方法において、GC−MSデータから、化合物の素性および前記絶対的な化合物組成が決定される、方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の方法において、前記分子レベル分析データが直接的なデータを含み、当該方法は、さらに、
    (1)前記直接的なデータに基づいて、化合物ライブラリから純粋化合物を選択する過程と、
    (2)絶対的な化合物組成を設定する過程と、
    (3)絶対的な化合物組成を算出する過程と、
    を備える、方法。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の方法において、前記分子レベル分析データがGC−ToFデータを含み、当該方法は、さらに、
    GC−ToF信号強度データ、および/または、GC−ToFデータから導き出された炭素数、および/または、GC−ToFデータから導き出された二重結合当量(DBEを、所定の分布に変換する過程であって、前記所定の分布がセグメント数の離散整数値での同セグメントの確率を表す分布である過程、
    を備える、方法。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    GT−ToFデータから求められた所定の分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程であって、前記所定の分布がセグメント数の離散整数値での同セグメントの確率を表す分布である過程、
    を備える、方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    GC−ToFデータから導き出された化合物群重量、GC−ToFデータから導き出されたセグメントタイプ、およびGC−ToFデータから導き出されたセグメント分布値から、GC−ToFベースの化合物組成を決定する過程、
    を備える、方法。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の方法において、前記第1の化合物組成が、GC−ToFデータから決定された化合物組成、つまり、GC−ToFベースの化合物組成を含む、方法。
  14. 請求項12または13に記載の方法において、前記GC−ToFベースの化合物組成が、前記洗練化された化合物組成の、受け取った対応する分析データと比べての物理的特性および/または化学的特性の違いに基づいて調節されない、方法。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の方法において、前記分子レベル分析データが定量的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
    (1)前記定量的な分子レベル分析データから導き出された信号強度データ、および/または、定量的な分子レベル分析データから導き出された炭素数、および/または、定量的な分子レベル分析データから導き出された二重結合当量(DBEを、所定の分布に変換する過程と、
    (2)前記定量的な分子レベル分析データから求められた所定の分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程と、
    (3)定量的な分子レベル分析データから導き出された化合物群重量、定量的な分子レベル分析データから導き出されたセグメントタイプ、および定量的な分子レベル分析データから導き出されたセグメント分布値から、化合物組成を算出する過程と、
    を備え、前記所定の分布がセグメント数の離散整数値での同セグメントの確率を表す分布である、方法。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載の方法において、前記分子レベル分析データがFT ICR−MSデータを含み、当該方法は、さらに、
    FT ICR−MS信号強度データ、および/または、FT ICR−MSから導き出された式、および/または、FT ICR−MSから導き出された炭素数、および/または、FT ICR−MSから導き出された二重結合当量(DBEを、所定の分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に変換する過程、
    を備える、方法。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    FT ICR−MSデータから導き出された所定の分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に基づいて、前記第1の化合物群重量、前記第1の概念的セグメントタイプ、および前記第1のセグメント分布を設定する過程、
    を備え、前記所定の分布がセグメント数の離散整数値での同セグメントの確率を表す分布である、方法。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    FT ICR−MSデータから導き出された化合物群重量、FT ICR−MSデータから導き出されたセグメントタイプ、ならびにFT ICR−MSデータから導き出されたセグメント分布値および/またはセグメント分布パラメータから、FT ICR−MSベースの化合物組成を決定する過程、
    を備える、方法。
  19. 請求項1から18のいずれか一項に記載の方法において、前記分子レベル分析データが定性的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
    (1)前記定性的な分子レベル分析データから導き出された信号強度データ、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出された式、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出された炭素数、および/または、定性的な分子レベル分析データから導き出された二重結合当量(DBEを、所定の分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に変換する過程と、
    (2)定性的な分子レベル分析データから導き出された所定の分布および/またはガンマ分布および/または一様なセグメント分布に基づいて、第1の化合物群重量、第1の概念的セグメントタイプ、および第1のセグメント分布を設定する過程と、
    (3)定性的な分子レベル分析データから導き出された化合物群重量、定性的な分子レベル分析データから導き出されたセグメントタイプ、ならびに定性的な分子レベル分析データから導き出されたセグメント分布値および/またはセグメント分布パラメータから、化合物組成を算出する過程と、
    を備え、前記所定の分布がセグメント数の離散整数値での同セグメントの確率を表す分布である、方法。
  20. 請求項1から19のいずれか一項に記載の方法において、前記第1の化合物組成が、FT ICR−MSデータから決定された化合物組成、つまり、FT ICR−MSベースの化合物組成を含む、方法。
  21. 請求項18または20に記載の方法において、前記FT ICR−MSベースの化合物組成が、前記洗練化された化合物組成の、受け取った対応する分析データと比べての物理的特性および/または化学的特性の違いに基づいて調節される、方法。
  22. 請求項1から21のいずれか一項に記載の方法において、前記第1の化合物組成がFT ICR−MSベースの化合物組成であり、前記第2の化合物組成が前記伝統的な分析データから決定される、方法。
  23. 請求項22に記載の方法において、前記洗練化された化合物組成について求められた物理的特性および/または化学的特性が受け取った対応する分析データと合致するまで、前記FT ICR−MSベースの化合物組成および前記第2の化合物組成のみが調節される、方法。
  24. 請求項1から23のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分析データが、前記伝統的な分析データを含む、方法。
  25. 請求項1から24のいずれか一項に記載の方法において、前記第1および/または第2の化合物群が、互いに独立して、パラフィン群、ナフテン群、芳香族群、オレフィン群、メルカプタン群、1個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、2個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、スルホキシド群、硫黄−酸素群、1個のピロールを有する中性窒素群、2個のピロール窒素を有する中性窒素群、中性窒素−硫黄群、中性窒素−酸素群、1個のピリジンを有する塩基性窒素群、ピリジンと別のピリジン又はピロールを有する塩基性窒素群、塩基性窒素−硫黄群、塩基性窒素−酸素群、フェノール群、パラフィン酸群、芳香族酸・ナフテン酸群、ニッケルポルフィリン群、およびバナジウムポルフィリン群のうちの少なくとも1つを含む、方法。
  26. 請求項1から25のいずれか一項に記載の方法において、前記第1および/または第2の化合物群が、パラフィン群、ナフテン群、芳香族群、オレフィン群、メルカプタン群、1個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、2個の硫黄原子を有するチオフェン・スルフィド群、スルホキシド群、硫黄−酸素群、1個のピロールを有する中性窒素群、2個のピロール窒素を有する中性窒素群、中性窒素−硫黄群、中性窒素−酸素群、1個のピリジンを有する塩基性窒素群、ピリジンと別のピリジン又はピロールを有する塩基性窒素群、塩基性窒素−硫黄群、塩基性窒素−酸素群、フェノール群、パラフィン酸群、芳香族酸・ナフテン酸群、ニッケルポルフィリン群、およびバナジウムポルフィリン群を含む、方法。
  27. 請求項25または26に記載の方法において、前記パラフィン群の概念的セグメントタイプが、総炭素数、一分岐メチレン、および二分岐メチレンを含む、方法。
  28. 請求項25または26に記載の方法において、前記ナフテン群の概念的セグメントタイプが、総炭素数、ナフテン側環、および六員環−対−五員環のモル比を含む、方法。
  29. 請求項25または26に記載の方法において、前記芳香族群の概念的セグメントタイプが、総炭素数、芳香族側環、およびナフテン側環を含む、方法。
  30. 請求項1から29のいずれか一項に記載の方法において、前記分子レベル分析データが、前記試料全体から得られたものである、方法。
  31. 請求項1から30のいずれか一項に記載の方法において、前記分子レベル分析データが、前記試料の少なくとも1つのカットから得られたものである、方法。
  32. 請求項1から31のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    原油又は石油留分を含む前記試料の前記化学組成の前記キャラクタリゼーション結果を出力する過程、
    を備える、方法。
  33. 請求項1から32のいずれか一項に記載の方法において、FT ICR−MSデータと前記伝統的な分析データとを受け取る、方法。
  34. 請求項1から33のいずれか一項に記載の方法において、GC−MSデータ、GC−ToFデータ、FT ICR−MSデータ、および前記伝統的な分析データのうちの少なくとも2つを受け取る、方法。
  35. 請求項1から34のいずれか一項に記載の方法において、GC−MSデータ、GC−ToFデータ、FT ICR−MSデータ、および前記伝統的な分析データのうちの少なくとも3つを受け取る、方法。
  36. 請求項1から35のいずれか一項に記載の方法において、GC−MSデータとGC−ToFデータとFT ICR−MSデータと前記伝統的な分析データとを受け取る、方法。
  37. 請求項1から36のいずれか一項に記載の方法において、定性的な分子レベル分析データと前記伝統的な分析データとを受け取る、方法。
  38. 請求項1から37のいずれか一項に記載の方法において、直接的な分析データ、定量的な分子レベル分析データ、定性的な分子レベル分析データ、および前記伝統的な分析データのうちの少なくとも2つを受け取る、方法。
  39. 請求項1から38のいずれか一項に記載の方法において、直接的な分析データ、定量的な分子レベル分析データ、定性的な分子レベル分析データ、および前記伝統的な分析データのうちの少なくとも3つを受け取る、方法。
  40. 請求項1から39のいずれか一項に記載の方法において、直接的な分析データと定量的な分子レベル分析データと定性的な分子レベル分析データと前記伝統的な分析データとを受け取る、方法。
  41. 請求項1から40のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    前記試料の物理的特性又は化学的特性を、当該試料の前記化学組成の前記キャラクタリゼーションの関数として推定する過程、
    を備える、方法。
  42. 請求項41に記載の方法において、前記試料の、推定される前記物理的特性が、標準沸点、液体密度、液体粘度、コンラドソン残留炭素、リサーチ法オクタン価、モーター法オクタン価、セタン価、およびリード蒸気圧のうちの少なくとも1つを含む、方法。
  43. 請求項41に記載の方法において、前記試料の化学的特性を推定する過程が、硫黄分、塩基性窒素分、総窒素分、炭素分、水素分、CH比、ニッケル分、バナジウム分、酸素分、パラフィン分、イソパラフィン分、オレフィン分、ナフテン分、および芳香族分を含む、化学式,化学構造および化学組成を算出することを含む、方法。
  44. 請求項1から43のいずれか一項に記載の方法において、前記伝統的な分析データを受け取る、方法。
  45. 請求項1から44のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    モデル化合物のライブラリを用意する過程、
    を備える、方法。
  46. 請求項45に記載の方法において、さらに、
    モデル化合物の前記ライブラリからの1つ又は複数のモデル化合物に対して信号群を割り当てる過程、
    を備える、方法。
  47. 請求項1から44のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    モデル化合物のライブラリからの1つ又は複数のモデル化合物に対して信号群を割り当てる過程、
    を備える、方法。
  48. 請求項46または47に記載の方法において、モデル化合物の前記ライブラリからの、一つの信号群に該当する前記モデル化合物同士が、同じ化合物群、同じ炭素数および同じ二重結合当量を有する、方法。
  49. 請求項1から48のいずれか一項に記載の方法において、前記試料が、i)1〜100の様々な炭素数とii)0〜50の様々な二重結合当量数とを有する化合物を含む、方法。
  50. 請求項1から49のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分子レベル分析データが、直接的なデータを含み、当該方法は、さらに、
    前記直接的なデータに基づいて、一つのモデル化合物を、特定の一つの信号群に割り当てる過程、
    を備える、方法。
  51. 請求項1から50のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分子レベル分析データが、直接的な集合データを含み、当該方法は、さらに、
    前記直接的な集合データに基づいて、同じ化合物群及び同じ炭素数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、
    を備える、方法。
  52. 請求項1から51のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分子レベル分析データが定量的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
    前記定量的な分子レベル分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、
    を備える、方法。
  53. 請求項1から52のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分析データが定性的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
    前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのに所定の分布が用いられた場合、当該データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程と、
    前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのにガンマ分布又は一様な分布が用いられた場合、当該データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程と、
    を備え、前記所定の分布がセグメント数の離散整数値での同セグメントの確率を表す分布である、方法。
  54. 請求項1から53のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分析データが前記伝統的な分析データを含み、当該方法は、さらに、
    前記伝統的な分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、一つの信号群に割り当てる過程、
    を備える、方法。
  55. 請求項1から54のいずれか一項に記載の方法において、一つ又は複数のモデル化合物を一つの信号群に割り当てる過程にて、直接的なデータは直接的な集合データよりも優先度が高く、直接的な集合データは定量的な分子レベル分析データよりも優先度が高く、定量的な分子レベルデータは定性的な分子レベル分析データよりも優先度が高く、定性的な分子レベル分析データは前記伝統的な分析データよりも優先度が高く、モデル化合物を信号群に各自割り当てることのできる様々な優先度の分析データが存在している場合、モデル化合物を信号集団に割り当てるのには、最も高い優先度の分析データが用いられる、方法。
  56. 請求項1から55のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分子レベル分析データが、直接的なデータを含み、当該方法は、さらに、
    前記直接的なデータに基づいて、第1のモデル化合物を第1の信号群に割り当てる過程、
    を備える、方法。
  57. 請求項1から56のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分子レベル分析データが、直接的な集合データを含み、当該方法は、さらに、
    前記直接的な集合データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータに基づくモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群及び同じ炭素数の信号群へと割り当てられる、過程、
    を備える、方法。
  58. 請求項1から57のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分子レベル分析データが定量的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
    前記定量的な分子レベル分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ及び直接的な集合データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量の信号群へと割り当てられる、過程、
    を備える、方法。
  59. 請求項1から58のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分子レベル分析データが定性的な分子レベル分析データを含み、当該方法は、さらに、
    前記定性的な分子レベル分析データの少なくとも一部を表すのに所定の分布が用いられた場合、当該定性的な分子レベル分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ及び定量的な分子レベル分析データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数及び同じ二重結合当量の信号群へと割り当てられる、過程と、
    前記定性的な分子レベル分析データに基づいて、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数である複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ、定量的な分子レベル分析データ、及び前記定性的な分子レベル分析データのうちの所定の分布を用いた少なくとも一部のいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程と、
    を備え、前記所定の分布がセグメント数の離散整数値での同セグメントの確率を表す分布である、方法。
  60. 請求項1から59のいずれか一項に記載の方法において、受け取った前記分析データが前記伝統的な分析データを含み、当該方法は、さらに、
    前記伝統的な分析データに基づいて、複数のモデル化合物を、直接的なデータ、直接的な集合データ、定量的な分子レベル分析データ及び定性的な分子レベル分析データのいずれに基づいてもモデル化合物の振当てが行われていない信号群へと割り当てる過程であって、これらのモデル化合物は、同じ化合物群、同じ炭素数、同じ一分岐メチレン数、同じ二分岐メチレン数、同じ芳香族側環数及び同じナフテン側環数の信号群へと割り当てられる、過程、
    を備える、方法。
  61. 請求項1から60のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    前記試料のカットに属する信号群内における構成化合物の構造密度指数を表した確率分布関数を用いて、信号群内の化合物組成を算出する過程、
    を備える、方法。
  62. 請求項1から61のいずれか一項に記載の方法において、さらに、
    前記試料の全信号群内における構成化合物の構造密度指数を表した確率分布関数を用いて、信号群内の化合物組成を算出する過程、
    を備える、方法。
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