(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を用いて説明する。図1は、投影装置10の外観斜視図である。なお、以下の説明において、投影装置10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
そして、投影装置10は、図1に示すように、略直方体形状であって、投影装置10の筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の排気孔17を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源装置や表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子やアナログRGB映像信号が入力される映像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子、音声出力端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子(群)20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15や正面パネル12には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部や背面パネル13には、吸気孔18も形成されている。
次に、投影装置10の投影装置制御部について図2の機能ブロック図を用いて述べる。投影装置制御部は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26及び撮像素子49等から構成される。
この制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPU、各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
そして、この投影装置制御部により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換されたあと、表示エンコーダ24に出力される。
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
表示駆動部26は、表示素子制御部として機能するものである。表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動する。表示駆動部26は、光源装置60から出射された光線束を後述の光源側光学系を介して、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)が用いられる表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で投影画像を形成させ、投影レンズユニット220を介して図示しないスクリーンに投影画像を投影表示する。ここで、表示素子51の反射光で投影画像を形成する面を画像形成面という。
なお、この投影レンズユニット220の可動レンズ群235(図3参照)は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。また、後述する図3の投影レンズユニット220に含まれる固定レンズ群225と可動レンズ群235とを総称して、投影レンズ220Aとする。
撮像素子49は、表示素子51の画像形成面を撮像可能に配置される。この画像形成面には、投影口から入射される外光が反射される。従って、撮像素子49は、投影口から前方の景色を撮像することができる。そして、制御部38は、撮像素子49が表示素子51のミラーがオフ時に表示素子51の画像形成面を撮像することにより、表示素子51のオン時にスクリーンに投影される投影画像よりも広い範囲を示す有効部外領域の情報を取得することができる。
ここで、オン時とは、表示素子51が投影画像を画像形成面に形成し、その投影画像をスクリーンに投影する投影状態を意味し、一方、オフ時とは、表示素子51が投影画像を画像形成面に形成していない状態を意味する。そして、制御部38は、オフ時に表示素子51の画像形成面を介してスクリーンを撮像するように制御する。なお、表示素子51のオン時とオフ時の状態については、後述する図4を用いて詳述する。
画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に出力される。リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
また、制御部38は、表示素子51と光源装置60とを制御する。具体的には、制御部38は、表示素子制御部としての表示駆動部26と、光源制御部としての光源制御回路41を制御している。光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、励起光源や赤色光源装置から所定のタイミングで個別の発光制御を行い、赤色、緑色及び青色の波長帯域光を発光させる。
表示駆動部26は、投影レンズ220Aで投影光を出射する場合は、光源装置60からの光源光を画像形成面に入射させ、一方、画像形成面を撮像素子49で撮像する場合は、有効部外領域を撮像させるように、有効部領域ERの複数のミラー51aの角度を切り替える。即ち、表示駆動部26は、ミラー51aの傾斜を制御する。なお、有効部外領域ORのミラー51aは常にオフ状態になっているので、有効部領域ERのミラー51aがオン状態の場合であっても、撮像素子49によって撮像することにより、有効部外領域ORに人HBがいるか否かを検出することができる。
さらに、制御部38は、判定処理部としての機能を有しており、撮像素子49により撮像された画像形成面に基づいて、有効部外領域への対象物の有無を判定する。そして、制御部38は、有効部外領域に対象物が有ると判定した場合は、光源装置60からの光源光を消灯又は減光させるようになっている。なお、有効部領域と有効部外領域については、後述する図5を用いて詳述する。
また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等により投影装置10本体の電源オフ後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によっては投影装置10本体の電源をオフにする等の制御も行う。
次に、この投影装置10の内部構造について図3に基づいて述べる。図3は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えている。また、投影装置10は、制御回路基板241の側方、つまり、投影装置10筐体の略中央部分に光源装置60を備えている。さらに、投影装置10には、光源装置60と左側パネル15との間に、光源側光学系170や投影レンズユニット220が配置されている。
光源装置60は、青色波長帯域光の光源であって励起光源である励起光照射装置70と、赤色波長帯域光の光源である赤色光源装置120と、緑色波長帯域光の光源である緑色光源装置80と、を備える。緑色光源装置80は、励起光照射装置70と蛍光板装置100により構成される。また、光源装置60には、青色波長帯域光、緑色波長帯域光、赤色波長帯域光を導光する導光光学系140が配置されている。導光光学系140は、各色光源装置70,80,120から出射される各色波長帯域光を、ライトトンネル175の入射口に集光する。
励起光照射装置70は、投影装置10筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される。また、励起光照射装置70は、青色レーザダイオード71から成る光源群、反射ミラー群75、集光レンズ78、ヒートシンク81等を備える。光源群は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の半導体発光素子である青色レーザダイオード71から成る。反射ミラー群75は、各青色レーザダイオード71からの出射光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する。集光レンズ78は、反射ミラー群75で反射した各青色レーザダイオード71からの出射光を集光する。また、ヒートシンク81は、青色レーザダイオード71と右側パネル14との間に配置される。
光源群は、複数の半導体発光素子である青色レーザダイオード71がマトリクス状に配列されて成る。また、各青色レーザダイオード71の光軸上には、各青色レーザダイオード71からの出射光の指向性を高めるように各々平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。また、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配列されてミラー基板76と一体化されて位置調整を行って形成され、青色レーザダイオード71から出射される光線束の断面積を一方向に縮小して集光レンズ78に出射する。
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって青色レーザダイオード71が冷却される。さらに、反射ミラー群75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー群75や集光レンズ78が冷却される。
赤色光源装置120は、青色レーザダイオード71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの出射光を集光する光学装置である集光レンズ群125と、が備えられる。この赤色光源121は、赤色波長帯域の光を発する半導体発光素子である赤色発光ダイオードである。そして、赤色光源装置120は、赤色光源装置120が出射する赤色波長帯域光の光軸が励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光の光軸と、蛍光板101から出射される緑色波長帯域光の光軸が交差するように配置されている。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261及びヒートシンク130によって赤色光源121が冷却される。
緑色光源装置80を構成する蛍光板装置100は、励起光照射装置70から出射される励起光の光路上であって、正面パネル12の近傍に配置される。蛍光板装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイールである蛍光板101と、この蛍光板101を回転駆動するモータ110と、励起光照射装置70から出射される励起光の光線束を蛍光板101に集光するとともに蛍光板101から背面パネル13方向に出射される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光板101から正面パネル12方向に出射される光線束を集光する集光レンズ115と、を備える。なお、モータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光板装置100等が冷却される。
蛍光板101は、励起光照射装置70から集光レンズ群111を介した出射光を励起光として受けて緑色波長帯域光の蛍光を出射する蛍光発光領域と、励起光照射装置70からの出射光である励起光を透過又は拡散透過する拡散透過領域と、が周方向に連続して並設されている。
蛍光板101の基材は銅やアルミニウム等から成る金属基材であって、この基材の励起光照射装置70側の表面には、環状の溝を形成し、この溝の底部が銀蒸着等によってミラー加工されており、このミラー加工された表面に緑色蛍光体の層が敷設されている。さらに、励起光を透過又は拡散透過する拡散透過領域のうち、透過する領域とされる場合には、基材の切抜き透孔部に透光性を有する透明基材が嵌入される。拡散透過する領域とされる場合には、表面をサンドブラスト等で微細凹凸を形成した透明基材が嵌入される。
蛍光板101の蛍光体層は、励起光照射装置70からの励起光としての青色波長帯域光が蛍光板101の緑色蛍光体層に照射されると、緑色蛍光体層における緑色蛍光体が励起され、緑色蛍光体から全方位に緑色波長帯域光を出射する。蛍光発光された光線束は、背面パネル13側へ出射され、集光レンズ群111に入射する。一方、蛍光板101における入射光を透過又は拡散透過する拡散透過領域に入射された励起光照射装置70からの青色波長帯域光は、蛍光板101を透過又は拡散透過され、蛍光板101の背面側(換言すれば、正面パネル12側)に配置された集光レンズ115に入射する。
そして、導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、導光光学系140には、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光及び蛍光板101から出射される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から出射される赤色波長帯域光とが交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を共に透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色波長帯域光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。すなわち、第一ダイクロイックミラー141は、各色波長帯域光に対して略45°で配置される。
また、蛍光板101を透過又は拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射してこの青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。第一反射ミラー143における左側パネル15側には、集光レンズ146が配置され、さらにこの集光レンズ146の左側パネル15側には、第二反射ミラー145が配置されている。第二反射ミラー145の背面パネル13側には、集光レンズ147が配置されている。第二反射ミラー145は、第一反射ミラー143により反射され、集光レンズ146を介して入射される青色波長帯域光の光軸を背面パネル13側に90度変換する。
また、第一ダイクロイックミラー141の左側パネル15側には、集光レンズ149が配置されている。さらに、集光レンズ149の左側パネル15側であって、集光レンズ147の背面パネル13側には、第二ダイクロイックミラー148が配置されている。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射して背面パネル13側に90度光軸を変換し、青色波長帯域光を透過させる。
第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸と、この赤色波長帯域光の光軸と一致するように第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸は、集光レンズ149に入射する。そして、集光レンズ149を透過した赤色及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148により反射され、光源側光学系170の集光レンズ173を介してライトトンネル175の入射口に集光される。一方、集光レンズ147を透過した青色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148を透過して、集光レンズ173を介してライトトンネル175の入射口に集光される。
光源側光学系170は、集光レンズ173,ライトトンネル175,集光レンズ178,光軸変換ミラー181,集光レンズ183,照射ミラー185,コンデンサレンズ195により構成されている。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子51から出射された投影画像を投影レンズユニット220に向けて出射するので、投影レンズユニット220の一部ともされている。
ライトトンネル175の近傍には、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。よって、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光及び青色波長帯域光は、集光レンズ173により集光され、ライトトンネル175に入射される。ライトトンネル175に入射された光線束は、ライトトンネル175により均一な強度分布の光線束とされる。
ライトトンネル175の背面パネル13側の光軸上には、集光レンズ178を介して、光軸変換ミラー181が配置されている。ライトトンネル175の出射口から出射した光線束は、集光レンズ178で集光された後、光軸変換ミラー181により、左側パネル15側に光軸を変換される。
光軸変換ミラー181で反射した光線束は、集光レンズ183により集光された後、照射ミラー185により、コンデンサレンズ195を介して表示素子51に所定の角度で照射される。なお、DMDとされる表示素子51は、背面パネル13側にヒートシンク190が設けられ、このヒートシンク190により表示素子51は冷却される。
光源側光学系170により表示素子51の画像形成面に照射された光源光である光線束は、表示素子51の画像形成面で投影画像として反射され、投影光として投影レンズユニット220を介してスクリーンに投影される。ここで、投影レンズユニット220は、コンデンサレンズ195,可動レンズ群235,固定レンズ群225により構成されている。可動レンズ群235は、レンズモータにより移動可能に形成される。そして、可動レンズ群235及び固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵される。よって、可動レンズ群235を備える固定鏡筒は、可変焦点型レンズとされ、ズーム調節やフォーカス調節が可能に形成される。なお、固定レンズ群225と可動レンズ群235は、上述した投影レンズ220Aのことである。また、表示素子51の左前方には、表示素子51の画像形成面を撮像する撮像素子49が配置される。
このように投影装置10を構成することで、蛍光板101を回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を出射すると、赤色、緑色及び青色の各波長帯域光が導光光学系140を介して集光レンズ173及びライトトンネル175に順次入射され、さらに光源側光学系170を介して表示素子51に入射されるため、投影装置10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
次に、制御部38が制御するDMDとされる表示素子51の各ミラーのオン時とオフ時の状態について、図面を用いて説明する。図4(a)は、本発明の実施形態に係る制御部38が、光源制御回路41、光源装置60、表示素子51、表示駆動部26、及び撮像素子49を制御して、スクリーンに投影画像(オン光)LIを投影する状態(即ち、オン時の状態を示し、オン状態ともいう。)を示している。
また、図4(b)は、本発明の実施形態に係る制御部38が、光源制御回路41、光源装置60、表示素子51、表示駆動部26、及び撮像素子49を制御して、外光が投影口から入射され投影レンズ220Aを介して表示素子51の画像形成面に映し出されるスクリーンやその周辺を撮像素子49で撮像する状態(即ち、オフ時の状態を示し、オフ状態ともいう。)を示している。
ここで、表示素子51の画像形成面に設けられる複数のミラーの1つをミラー51aとして模式的に図示して、以下説明する。なお、ミラー51aは、複数のミラーそれぞれが行及び列を成して形成される。
図4(a)に示すように、赤光源、青光源、緑蛍光体を励起する励起光源を時分割でオンし、表示素子がオン状態の白投影の際には、図3に示す光源装置60は、図2に示す制御部38によって光源制御回路41が制御されることにより、光源光SLが照射ミラー185で反射されて、表示素子51の画像形成面における各ミラー51aに光源光SLを照射する。表示素子51の各ミラー51aは、図3に示す光源装置60からの出射光(光源光SL)を変調して投影画像LIを形成するように、図2に示す表示駆動部26により傾斜が制御される。そして、表示素子51は、形成した投影画像LIとしてのオン光を、投影レンズ220Aを介して投影光としてスクリーン(図示せず)に投影表示する。
このように、制御部38は、オン状態では、光源制御部としての光源制御回路41を制御して、光源装置60を所定の明るさで点灯させるととともに、投影レンズ220Aを介してスクリーン(図示せず)に投影画像LIを投影させる。
これに対し、図4(b)に示すように、赤光源、青光源、緑蛍光体を励起する励起光源を時分割でオンし、表示素子がオフ状態の黒投影の際には、図3に示す光源装置60からの出射光(光源光SL)は、表示素子51の各ミラー51aによって反射されオフ光LFとなる。表示素子51の各ミラー51aは、光源光SLがオフ光となるように、表示駆動部26により傾斜が制御される。このようなミラー51aのオフ時に図3に示す光源装置60の赤光源、青光源、緑蛍光体を励起する励起光源全てを消灯するオフフィールドには、投影レンズ220Aを介して入射される投射口より前方の外光OLが、表示素子51の各ミラー51aにより反射される。撮像素子49は、各ミラー51aにより反射された外光OLを撮像可能に配置される。
このようにして、図2に示す制御部38は、撮像素子49が撮像した情報に基づいて、投影装置10の外部の情報を取得することができる。
なお、図4(a)の白投影時、図4(b)の黒投影時の何れにおいても、表示素子51の有効部外領域ORのミラー51aは全て常に電荷を加えていないニュートラル状態になっている。従って、有効部外領域ORは制御不可能な領域となっている。
これに対し、有効部領域ERのミラー51aは、制御可能な領域となっている。従って、有効部領域ERの一部の投影画像領域ER1におけるミラー51aがオン状態であっても、投影画像領域ER1の周囲である投影画像外領域ER2に位置する有効部領域ER内のミラー51aがオフ状態であれば、有効部領域ERを撮像素子49によって撮像することにより、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人HBがいるか否かを検出できる。
また、図5を用いて、表示素子51に設定される画像形成面52を説明する。図5に示すように、本発明の実施形態に係る表示素子51の画像形成面52には、画像形成面52の外周を除く領域に、複数のミラー51aが配列され、ミラー51aのオン/オフの制御が可能な有効部領域ERと、有効部領域ERの外側に位置し、複数のミラー51aが配列され、常に電荷を加えていないニュートラル状態になっている有効部外領域ORと、が設定される。
表示素子51の有効部領域ERの矩形状の外形のアスペクト比としては、16:10、16:9、4:3等種々ある。本実施形態においては、表示素子51の有効部領域ERのアスペクト比が16:9の場合の例を示す。
有効部外領域ORは、画像形成面52において、有効部領域ERの外側の制御不可能な領域に設けられており、常にニュートラル状態になっているので、投影画像LIを形成しない領域となっている。
次に、図6は、本発明の実施形態に係る制御部38が、有効部領域ER内の投影画像外領域ER2にいる人が表示素子51の有効部領域ERに映り込み、人がいると判定する例を示した概念図を示している。
撮像素子49は、図4(b)に示したオフ時において、表示素子51の画像形成面52を撮像することにより外光OLを撮像する。図2に示す制御部38は、撮像素子49による外光OLの撮像により、投影装置10の外部の情報を取得することができる。例えば、制御部38は、図5に示す有効部領域ERとされる投影画像外領域ER2に人HBが進入したことを検出することができる。
なお、本発明の実施形態では、オフ時における投影画像外領域ER2の各ミラー51aに反射される外光OLによって人HBの有無を判定するものとし、オン時に投影画像外領域ER2に入射される外光OLについては、判定しないものとする。また、対象物は、投影装置10を用いて投影画像を説明する説明者等の人HBを対象としているが、対象物は人HBに限定されるものではなく、表示素子51の投影画像外領域ER2に進入する可能性のある物が含まれる。
次に、表示素子51が光源装置60から出射された光を変調して投影画像LIを形成し、投影レンズ220Aが表示素子51によって変調された投影画像LIを投影する時と、撮像素子49が外部の情報を撮像する時の1フレームのフィールド構成について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る1フレームのフィールド構成を示したタイミングチャートである。図7(a)では、表示素子51のミラー51aがオン状態において、白色光を出射する場合のタイミングを示している。図7(b)では、表示素子51のミラー51aがオフ状態であることにより、黒投影する場合のタイミングを示している。表示素子51の有効部領域ERにおいては、光源装置60からの光源光が入射される状態を示している。また、図7(c)では、表示素子51の有効部領域ERにおいて、光源装置60からの光源光が入射されない状態を示している。図7(a)から図7(c)の何れにおいても、表示素子51の投影画像外領域ER2のミラーは、オフ状態に固定されていることを示している。
図7(a)から図7(c)に示すように、例えば、1/120[秒]に相当する1フレームでは、赤色フィールド、青色フィールド、緑色フィールド、及びオフフィールド(上述したオフ状態のことである。)から構成される。
図7(a)では、光源装置60から表示素子51の有効部領域ERに、赤色波長帯域光、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光が出射されるタイミングを示しており、フレーム単位毎に光源装置60から出射される各色の光によって、画素毎に任意の色の光を形成する。光源装置60は、赤色波長帯域光、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光を各タイミングで出射し、表示素子51のDMDからなるミラーがオン状態であれば、画素毎に任意の色を出射し、カラー画像を投影することができる。
なお、図7(a)の場合、赤色波長帯域光、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光が出射されているため、白色光を出射している。光源装置60は、各カラーフィールドに合わせて時分割で点灯駆動するように、光源制御回路41により制御される。
一方、オフフィールドでは、オフ状態として、表示素子51が形成した投影画像LIを投影レンズ220Aに導かないように、表示素子51の有効部領域ERのミラー51aが表示駆動部26により駆動されるとともに、光源装置60からの光源光SLが消灯されている。オフフィールドは、赤色フィールド、青色フィールド又は緑色フィールドと比較して各フィールド期間より短い期間に設定されており、有効部領域ERのミラー51aによる投影を一時的に行わず、撮像素子49によって表示素子51の有効部領域ERを含む表示素子51の画像形成面を撮像した後、再び有効部領域ERの投影を行うことを示している。即ち、オフフィールドでは、光源装置60からの光源光SLの出射が消灯され、同時に表示駆動部26により表示素子51の有効部領域ERの全てのミラー51aが、オフ状態に駆動されるようになっている。
図7(b)では、有効部領域ERにおいて、光源装置60からの光源光が入射される状態を示している。一方、図7(c)では、有効部領域ERにおいて、光源装置60からの光源光が入射されない状態を示している。また、図7(b)に示すように、光源装置60から入射される光源光は、すべて図4(b)で示したようなオフ光LFとなる。
これにより、制御部38は、図7(a)で示した表示素子51の有効部領域ERの各ミラー51aがオフ状態になるオフフィールドのタイミングで、撮像素子49によりミラー51aを含む表示素子51を撮像させ、投影装置10の外部の情報を取得する。
図7(a)においては、表示素子51に用いられるDMDが全て白色の場合の例を示した。しかし、実際のDMDは、数百万あるピクセルが独立し、オン/オフを繰り返しており、実際に外光OLを観測する期間は、光源オフ時、且つDMDがオフ時のオフフィールドであるため、観測をしないタイミングの色としては、白色投影だけでなく、赤色投影、青色投影、或いは様々な色の投影でも構わない。
また、図7(b)及び図7(c)において、表示素子51の有効部領域ERの各ミラー51aは、常時オフ状態になっているので、オフフィールドのタイミングにおいて、撮像素子49で表示素子51を撮像し、投影装置10の外部の情報を取得するだけでなく、赤色フィールド、青色フィールド及び緑色フィールドの期間においても、撮像素子49により表示素子51を撮像することで、常時外部から有効部領域ER内の投影画像外領域ER2に進入してくる人HBがいるか否かを監視できる。
図7(b)は、黒投影時である。また、図7(c)は、ブランクモード等の光源オフモード時、または投影前や切替時における状態である。このような全ての光源(赤光源、青光源、緑色用励起光源)をオフにした状態は、120フレームのうちの1フレームとしても良い。
次に、本発明の実施形態に係る投影装置10の投影時の制御に関し、フローチャートを用いて詳細に説明する。図8は、本発明の実施形態に係る投影装置10が、表示素子51で形成された投影画像LIをスクリーンに投影している時に、光源装置60を制御する処理を示したフローチャートである。
まず、ユーザにより投影装置10の本体電源がオンにされると、光源装置60は、制御部38によって光源制御回路41が制御され、赤色波長帯域光、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光を出射する。同時に、表示駆動部26は、制御部38の制御により表示素子51の有効部領域ER内の投影画像領域ER1の各ミラー51aを駆動し、時分割で点灯駆動する(ステップS101)。これにより、表示素子51は、オン状態で投影画像LIを形成し、投影レンズ220Aを介して、カラー画像による投影画像LIをスクリーンに投影表示する。
制御部38は、有効部領域ERの1フレームにおけるオフフィールドに該当するか否かを判定しており(ステップS103)、1フレームのオフフィールドになるまで待ち受ける(ステップS103のN)。制御部38は、有効部領域ERの1フレームのオフフィールドになった場合(ステップS103のY)、光源装置60からの出射光(即ち、赤色波長帯域光、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光であり、光源光である。)を消灯させ、同時に、表示駆動部26により表示素子51の有効部領域ERの各ミラー51aをオフ状態にさせる。
制御部38は、撮像素子49を制御して、表示素子51の画像形成面52を撮像させる(ステップS105)。制御部38は、撮像素子49により撮像された画像形成面52に基づいて、有効部領域ERの投影画像外領域ER2への人の有無を判定する(ステップS107)。制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人がいると判定した場合(ステップS107のY)、光源装置60からの光源光を消灯(オフ)させるように制御して(ステップS109)、投影装置10の時分割駆動を終了する。
一方、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人がいないと判定した場合は(ステップS107のN)、制御部38は、引き続き、時分割による点灯駆動を行わせて、次のフレームのオフフィールドに該当するか否かを判定し(ステップS103)、オフフィールドを待ち受ける(ステップS103のN)。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、制御部38は、撮像素子49により撮像された画像形成面52に基づいて、有効部領域ERの投影画像外領域ER2への人の有無を判定する。制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人がいると判定した場合、光源装置60の光源光を消灯させるように制御する。
このように、投影装置10は、表示素子51の投影画像領域ER1よりも広い範囲である有効部領域ERの情報を取得することによって、投影画像(投影光)LIよりも広い範囲の外部環境の情報を取得して、その情報に基づいて、光源装置60を制御することができる。
なお、本発明の実施形態では、制御部38は、光源装置60からの光源光を消灯させるようになっていたが、この実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、制御部38は、光源装置60からの光源光を減光させるようにしてもよい。ここで、制御部38が、光源装置60からの光源光を減光させる場合について、図9に示すフローチャートを用いて、説明する。
(第1実施形態の変形例1)
図9は、第1実施形態の変形例1として、制御部38が、光源装置60からの光源光を半減させる処理を示したフローチャートである。図9のフローチャートが、図8のフローチャートと異なる点は、ステップS107のYに該当する場合の以降の処理である。そのため、図8のフローチャートと同一の処理には同一のステップを付し、異なる処理について説明する。
第1実施形態の変形例1として、制御部38は、撮像素子49により撮像された画像形成面52に基づいて、有効部領域ERの投影画像外領域ER2への対象物の有無を判定し(ステップS107)、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人がいると判定した場合には(ステップS107のY)、光源装置60からの光源光を半減させるように光量を設定する(ステップS201)。
そして、光源光の半減回数を判定して、半減の回数が30回以上の場合には(ステップS203のY)、光源装置60からの光源光を消灯(オフ)させるように制御して(ステップS109)、投影装置10の時分割による点灯駆動を終了する。
一方、制御部38は、光量を半減に設定する処理が30回以上でない場合、即ち、1回目から29回目迄の場合は(ステップS203のN)、光源装置60からの光源光を半減に減光した状態で、光源装置60に時分割による点灯駆動を行わせる(ステップS101)。
制御部38は、光源光を半減に減光した状態で投影画像LIを形成させ、カラー画像を投影表示させながら、引き続き、次のフレームのオフフィールドに該当するか否かを判定し(ステップS103)、オフフィールドを待ち受ける(ステップS103のN)。
以上説明したように、第1実施形態の変形例1によれば、制御部38は、光源装置60を消灯させるだけでなく、光量を半減に設定して減光させることもできるので、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人がいると判定した場合には、スクリーンに投影される投影画像LIを暗くすることができる。また、制御部38は、光源装置60による光量を半減させる回数を設定することにより、投影表示される投影画像LIを段階的に暗くさせることができ、かつ所定回数以上の場合に、光源装置60の出射を中止させることができる。
なお、DMDを用いた投影装置10においては、多くの場合、蛍光ホイールである蛍光板101の回転速度、即ち回転周波数が、電源周波数である60Hzの2倍速である120Hz(毎分7200回転)、若しくは3倍速の180Hz(毎分10800回転)に規定されている。また、人が眩しいと感じた瞬間から目を閉じる迄の時間は一般的に0.25秒といわれており、様々な規格が0.25秒以内か否かで定められている。このため、第1実施形態の変形例1においては、120Hzを常に監視している状態、即ち0.25秒となる30回に規定した。しかし、30回はあくまで一例であり、この回数に限らない。
また、光源装置60からの光源光の光量を半減する例は例示であり、これに限定されるものではない。例えば、制御部38は、光源装置60からの光源光の光量を、1/3又は1/4に減光するように設定してもよい。このように設定することにより、同時に減光する回数も60回以上又は120回以上の場合に中止させる旨の設定ができるので、有効部領域ERの投影画像外領域ER2への人を検出した場合に、段階的に減光することができる。
(第1実施形態の変形例2)
第1実施形態の変形例2として、制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人が存在する場合であって、その人が所定時間の間、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に滞在する場合は、光源装置60からの光源光を消灯又は減光させないように制御することもできる。なお、人が存在する状態とは、人が進入したことを連続して30回以上検出した場合と定義する。
例えば、制御部38は、画像形成面52の有効部領域ERを撮像させ、人や存在を認識した場合であって、有効部領域ERの投影画像外領域ER2から投影画像領域ER1にその人が移動する場合のみ、光源装置60からの光源光を消灯又は減光させるように制御する。一方、制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2から投影画像領域ER1にその人が移動しない場合は、光源装置60の出射を継続するように(消灯又は減光させないように)制御する。
この場合、制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人の存在を認識した場合でも、例えば、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人の存在を認識したフレーム数をカウントし、所定のフレーム数を超えた場合(例えば、240フレーム以上人の存在を認識した場合)に消灯や減光したり、また反対に、所定のフレーム数の間に有効部領域ERの投影画像外領域ER2から投影画像領域ER1への人の移動が検出できない場合に、光源装置60の出射を継続するように制御する。なお、この第1実施形態の変形例2では、所定のフレーム数に限定されるものではなく、所定の時間の計測であってもよい。
以上説明したように、第1実施形態の変形例2によれば、制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人の存在を認識した場合であっても、所定のフレーム数や所定の時間を計測し、その所定のフレーム数や所定の時間の有効部領域ERの投影画像外領域ER2の状況に基づいて、光源装置60からの光源光を、消灯又は減光させないように制御することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態として、有効部領域ERにおいて人の存在を認識し、有効部領域ERに投影される投影画像LIを制御する適用例について、説明する。図10は、第2実施形態として、投影装置10に情報処理装置500を接続し、スクリーンに投影画像LIを投影表示する構成を示す構成図である。
第2実施形態では、制御部38は、撮像された画像形成面に基づいて、有効部領域ERに人(対象物)が存在する位置を判定し、その人の位置に応じて、投影光に関連付けられた操作機能を、投影光に重畳表示させるようになっている。
図10に示すように、投影装置10は、VGAケーブルCB1及びUSBケーブルCB2により、情報処理装置500と有線接続されている。情報処理装置500は、スクリーンに投影表示する画像信号を、VGAケーブルCB1を介して投影装置10に供給する。投影装置10は、情報処理装置500から供給された画像信号に対応する投影画像をスクリーンに投影表示する。
図10(a)では、投影装置10は、情報処理装置500から供給された画像信号を、スクリーンの投影画像領域ER1に投影表示させている。制御部38は、オフ状態、即ち、1フレームのオフフィールドのタイミングで、投影画像外領域ER2を含む有効部領域ERを、撮像素子49によって撮像させる。表示素子51の有効部領域ERの複数のミラー51aにより投影画像外領域ER2の映像が反射されるため、撮像素子49は、表示素子51を撮像することにより、投影画像外領域ER2の情報を取得することができる。
この場合、制御部38は、撮像された表示素子51の有効部領域ERに基づき、その有効部領域ERに説明者等の人HBの手の存在する位置を判定し、その人HBの手の位置情報を情報処理装置500に出力する。情報処理装置500は、人HBの手の位置情報を取得すると、その人HBが投影画像外領域ER2の左側に位置していることを認識することができるので、人HBの手の位置に応じて、スクリーンに投影される投影画像(投影光)LIに、関連付けられた操作機能であるアイコンIC1を重畳表示させる。
なお、アイコンIC1は、例えば、投影画像LIに関連付けられた操作機能を示すものであって、情報処理装置500が投影画像LIを表示させるアプリケーションの機能として、例えば、頁めくり、スクロール等の機能を有するGUI(Graphical User Interface)等である。
また、図10(b)では、投影装置10は、同様に、情報処理装置500から供給された同一の画像信号を、スクリーンの投影画像領域ER1に表示している。制御部38は、図10(a)と同様に、表示素子51を撮像し、撮像された表示素子51の有効部領域ERに基づき、その有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人HBの手の存在する位置を判定し、その人HBの手の位置情報を情報処理装置500に出力する。情報処理装置500は、人HBの手の位置情報を取得すると、その人HBがスクリーンの外領域OR2の右側に位置していることを認識することができるので、人HBの手の位置に応じて、スクリーンに投影される投影画像LIに、関連付けられたアイコンIC2を重畳表示させることができる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、制御部38は、撮像された表示素子51の画像情報に基づき、表示素子51の有効部領域ERの投影画像外領域ER2に存在する人HBの手の位置を判定し、その人HBの手の位置情報を情報処理装置500に出力する。情報処理装置500は、人HBの手の位置情報を取得すると、その人HBがスクリーンの投影画像外領域ER2の位置している場所を認識することができるので、人HBの手の位置に応じて、スクリーンの投影画像領域ER1に投影される投影画像(投影光)LIに、関連付けられた操作機能を重畳表示させることができる。
このように、投影装置10は、表示素子51の有効部領域ERに出射される投影画像領域ER1の範囲よりも広い範囲の外部環境の情報を取得することにより、スクリーンの投影画像領域ER1に投影される投影画像LIに、アイコンIC1、IC2等を重畳表示させることができる。
なお、第2実施形態では、制御部38は、人HBの位置情報を情報処理装置500に出力し、操作機能であるアイコンIC1等を表示させるようになっていたが、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置500は、人HBの位置情報に基づいて、スクリーンに表示される投影画像LIを自動的に形状補正するようにしてもよい。
具体的には、情報処理装置500は、人HBの位置情報を取得することにより、スクリーンの投影画像領域ER1に投影する投影画像LIに台形補正を施したり、又は人HBの位置情報の変化に伴って、リアルタイムに位置補正を施すことができる。なお、形状補正に関しては、投影装置10の画像変換部23において行ってもよく、または、情報処理装置500において形状補正を行うようにしてもよい。
以上の通り、本発明の投影装置10は、光源装置60と、光源装置60からの光源光を変調し、投影画像LIを形成する表示素子51と、投影画像LIが入射され、投影光を出射する投影レンズ220Aと、表示素子51の画像形成面52を撮像可能に配置される撮像素子49と、表示素子51と光源装置60とを制御する制御部38と、を有する。表示素子51の画像形成面52は、形成される投影画像LIのサイズを規定する投影画像領域ER1と投影画像外領域ER2とを含む有効部領域ERと、有効部領域ERの外側に設けられる有効部外領域ORと、を備える。
これにより、制御部38は、撮像素子49によって撮像された画像形成面52に基づいて、有効部領域ERの投影画像外領域ER2への人の有無を判定し、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に対象物である人がいると判定した場合は、光源装置60からの光源光を消灯又は減光させるように制御することができる。このように、投影装置10は、スクリーンに投影される投影画像領域ER1よりも広い範囲の外部環境の情報を取得して、光源装置60を制御することができる。
また、表示駆動部26は、制御部38の指示を受け付けて、投影レンズ220Aで投影光を出射する場合は、光源装置60からの光源光を表示素子51の画像形成面52に入射させ、一方、画像形成面52を撮像素子49で撮像する場合は、表示素子51の有効部領域ERを含む領域を撮像させるように、ミラー51aの角度を切り替える。
このように、制御部38は、表示駆動部26を制御することにより、投影レンズ220Aで投影光を出射する場合は、光源装置60からの光源光SLを有効部領域ERに入射させ、一方、画像形成面52を撮像素子49で撮像する場合は、表示素子51の投影画像外領域ER2を含む領域を撮像させるように、ミラー51aの角度を切り替えることができる。
また、制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人HBが存在する場合であって、その人HBが所定の時間の間、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に滞在する場合は、光源装置60からの光源光SLを消灯又は減光させない制御を行うことができる。制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人HBの存在を認識した場合であっても、所定のフレーム数や所定の時間を計測し、その所定のフレーム数や所定の時間の投影画像外領域ER2の状況に応じて、光源装置60からの光源光SLを、消灯又は減光させないように制御することができる。
また、制御部38は、撮像された画像形成面52に基づいて、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人HBが存在する位置を判定し、その人HBの位置に応じて、投影光に関連付けられた操作機能を投影光に重畳表示させるようにしてもよい。これにより、制御部38は、スクリーンの投影画像領域ER1に投影される投影画像LIに、操作機能としてのアイコンIC1、IC2等を重畳表示させることができる。
また、光源装置60からの光源光を制御する光源制御回路41を更に備え、光源制御回路41は、制御部38の指示を受け付けて、光源装置60からの光源光SLを消灯又は減光させるようにしてもよい。制御部38は、光源制御回路41を制御することによって、光源装置60からの光源光を減光又は消灯させることができる。
また、光源装置60は、赤色、緑色又は青色波長帯域光を発するようにすることができる。これにより、投影装置10は、表示素子51において形成する投影画像LIを、カラー画像により投影表示させることができる。
また、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第1実施形態のステップS107において、制御部38は、有効部領域ERの投影画像外領域ER2への人HBの有無を判定するようになっていた。撮像素子49によって有効部領域ERを撮像する場合、表示素子51のミラー51aは外乱光の影響を受け易く、例えば、明るい室内では、予想し得ない反射等が生じることが想定される。そこで、有効部領域ERを撮像する場合、外乱光の元となる色味を撮像素子49内でキャンセルするように、画像処理を施すようにしてもよい。
具体的には、赤色が撮像素子49に入射されたときには、青色と緑色とを消すように画像処理を施したり、緑色が撮像素子49に入射されたときには、赤色と青色とを消すように画像処理を施してもよい。
また、例えば、第1実施形態では、ステップS107において、有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人HBを認識した場合は、光源装置60の出射を消灯させるようになっていた。ここで、第1実施形態では、光源装置60からの光源光を消灯する前に警告のメッセージを投影により表示、若しくはスピーカ48から音声出力するようにしてもよい。
具体的には、表示素子51の有効部領域ERの投影画像外領域ER2に人HBの存在を認識した場合には、12フレーム分や24フレーム分の投影画像LIを投影表示しながら、「もう少しスクリーンから離れて下さい!」や、「光源装置に近いため、眩しく感じる恐れがあります!」等の警告を行う。
この場合、制御部38は、警告後であって、所定の時間の間や所定のフレーム数が経過するまでに有効部領域ERの投影画像外領域ER2から人が撤退していた場合には、消灯又は減光を回避することができる。
このように、制御部は、投影光の投影条件を変更する制御を行う。投影条件を変更する制御としては、光源装置の制御と表示素子の制御とがある。光源装置の制御としては、光源装置からの光源光の消灯、減光、メッセージの出力、の何れかを行う。表示素子の制御としては、画像情報をガンマ補正することで、投影画像を暗くすることができる。
また、第1実施形態では、制御部38は、撮像素子49に画像形成面52を撮像させ、撮像された画像形成面52に基づいて、有効部領域ERの投影画像外領域ER2への人の有無を判定するようになっていた。このように、入力画像の投影画像領域ER1のアスペクト比が表示素子51の有効部領域ERのアスペクト比と異なる場合には、投影画像領域ER1よりも広い範囲を検出することができるので、他の領域設定をすることができる。
例えば、図11に示すように、画像形成面52Aにおいて、入力画像のアスペクト比が4:3の場合、投影画像領域ER1もアスペクト比4:3である。一方、有効部領域ERのアスペクト比が16:9であれば、投影画像領域ER1の左右両端側が検出対象領域DRとして人HBの有無を検知することができる。
投影画像外領域ER2である検出対象領域DRは、投影画像領域ER1の外側に設けられる。画像形成面52Aにおいて、アスペクト比16:9の有効部領域ERとアスペクト比4:3の投影画像領域ER1の縦方向と横方向の各中心を合わせ、且つ有効部領域ERの縦方向の長さを投影画像領域ER1の縦方向の長さに合わせた場合、有効部領域ERに設定されたアスペクト比16:9は、投影画像領域ER1に比べて横の比率が大きいため、このアスペクト比4:3の領域に対して幅広となる領域が、検出対象領域DRとして設定される。
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]光源装置と、
前記光源装置からの光源光を変調し、投影画像を形成する表示素子と、
前記投影画像が入射され、投影光を出射する投影レンズと、
前記表示素子を撮像可能に配置される撮像素子と、
前記表示素子と前記光源装置と前記撮像素子とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記撮像素子により撮像された投影画像外領域への対象物の有無を判定し、前記投影画像外領域に前記対象物が有ると判定した場合は、前記投影光の投影条件を変更することを特徴とする投影装置。
[2]前記投影画像外領域は、被投影面に投影される投影画像領域の外側に位置し、且つ前記表示素子に設けられた複数のミラーを制御可能な有効部領域であることを特徴とする前記[1]に記載の投影装置。
[3]前記表示素子に設けられた複数のミラーの角度を制御する表示素子制御部を更に備え、
前記表示素子制御部は、前記投影レンズで前記投影光を出射する場合は、前記光源装置からの光源光を画像形成面に入射させ、一方、前記画像形成面を前記撮像素子で撮像する場合は、前記有効部領域の前記複数のミラーの角度を切り替えることを特徴とする前記[2]に記載の投影装置。
[4]前記制御部は、前記表示素子の前記有効部領域の前記投影画像外領域に前記対象物が存在し、前記対象物が所定の時間、前記投影画像外領域に存在する場合には、前記光源装置からの光源光を消灯又は減光させないことを特徴とする前記[2]又は前記[3]に記載の投影装置。
[5]前記制御部は、撮像された前記表示素子の前記有効部領域の前記投影画像外領域に前記対象物が存在する位置を判定し、前記対象物の位置に応じて、前記投影光に関連付けられた操作機能を前記投影光に重畳表示させることを特徴とする前記[2]乃至前記[4]の何れか1項に記載の投影装置。
[6]前記光源装置は、赤色、緑色又は青色波長帯域光を発することを特徴とする前記[1]乃至前記[5]の何れか1項に記載の投影装置。
[7]前記対象物は、人であることを特徴とする前記[1]乃至前記[6]の何れか1項に記載の投影装置。
[8]前記投影光の投影条件を変更する制御は、光源光の消灯又は減光、メッセージの出力、の何れかを行う前記光源装置の制御、或いは前記表示素子の制御であることを特徴とする前記[1]乃至前記[7]の何れか1項に記載の投影装置。