JP6880767B2 - ポリカーボネートポリオール - Google Patents

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Description

本発明は、新規なポリカーボネートポリオールに関する。ポリカーボネートポリオールは、各種ポリウレタン樹脂の原料として有用な化合物である。
従来、各種ポリウレタン樹脂の原料として、ポリカーボネートポリオールが盛んに使用されている。
その中でも、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のポリカーボネートポリオールは、非晶性のポリカーボネートポリオールとして知られている。
例えば、ナトリウムメトキシドの存在下、2−メチル−1,3−プロパンジオールとジメチルカーボネートとを反応させて、粘ちょう液体としてポリカーボネートジオールを得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
酢酸鉛の存在下、2−メチル−1,3−プロパンジオールとエチレンカーボネートとを反応させて、粘ちょう液体としてポリカーボネートジオールを得る方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、酢酸鉛の存在下、2−メチル−1,3−プロパンジオールとそれ以外のアルキレンポリオールとエチレンカーボネートとを反応させることにより、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン(環状カーボネート)を特定量含むポリカーボネートポリオール共重合を得る方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
更に、ナトリウムエトキシドの存在下、2−メチル−1,3−プロパンジオールとジエチルカーボネートとを反応させて、粘ちょう液体としてポリカーボネートジオールを得る方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2005−325219号公報 特開2006−225543号公報 国際公開第2006/088152号(特許第5068159号公報) 特開2012−46659号公報(特許第5614637号公報)
特許文献1には、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のポリカーボネートジオールが実施例(2例のみ)として開示されているが、その機能や特性、及びそれから誘導されるポリウレタンの機能や特性については何ら開示されていなかった。
特許文献2には、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のポリカーボネートジオールの製造に、毒性が強く、安全性に問題がある酢酸鉛を使用しなければならないという問題があった。なお、2−メチル−1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールとエチレンカーボネートとから得られる共重合体から誘導されるポリウレタンフィルムの特性が悪いということが開示されている(比較例7)。
特許文献3には、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のポリカーボネートジオールの製造に、毒性が強く、安全性に問題がある酢酸鉛を使用しなければならないという問題があった。
特許文献4には、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のポリカーボネートジオールが開示されているが(実施例4のみ)、ウレタン化の反応速度のみ開示されているに過ぎず、得られたウレタンの機能や特性については何ら開示されていなかった。
以上、いずれの特許文献においても、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のポリカーボネートジオールから誘導体されるポリウレタンについての評価がほとんどなされていなかった。即ち、当該ポリカーボネートポリオールであっても、その繰り返し単位がどのような構成の場合にポリウレタンとして有効な機能を発現するかなどについて、詳細な検討がなされていなかった。
それゆえ、ポリウレタンなどの誘導体とした際に所望の機能を満足するような、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のポリカーボネートポリオールが求められていた。
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、ポリウレタンに誘導化した際に、有用な効果を発現する2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のポリカーボネートポリオールを提供するものである。
本発明の課題は、下記式(A)で示される繰り返し単位と、下記式(B)及び下記式(C)の少なくともいずれか一方の繰り返し単位と、末端水酸基を有するポリカーボネートポリオールであって、
ポリカーボネートポリオール中の全繰り返し単位に対して、
下記式(A)の割合が99.0〜99.8モル%であり、
下記式(B)の割合が0.5モル%以下であり、
下記式(C)の割合が0.2モル%以下である
ポリカーボネートポリオールによって解決される。
Figure 0006880767
本発明により、ポリウレタンに誘導化した際に、破断点伸度、及び破断点応力が高く、かつ耐溶剤性、タック性能に優れたポリカーボネートポリオールを提供することができる。
(ポリカーボネートポリオール)
本発明のポリカーボネートポリオールは、
下記式(A)で示される繰り返し単位と、下記式(B)及び下記式(C)の少なくともいずれか一方の繰り返し単位からなり、両末端が水酸基であり、
ポリカーボネートポリオール中の全繰り返し単位に対して、
下記式(A)の割合が99.0〜99.8モル%であり、
下記式(B)の割合が0.5モル%以下であり、
下記式(C)の割合が0.2モル%以下である
ポリカーボネートポリオールである。
Figure 0006880767
(繰り返し単位)
ポリカーボネートポリオール中の全繰り返し単位とは、ポリカーボネートポリオールを構成するモノマーに由来する成分であり、全繰り返し単位数は、このモノマー数に相当する。
従って、ポリカーボネート中に含まれるモノマーの数を測定することにより、全繰り返し単位数(全モノマーの合計モル数)、及び各々の繰り返し単位数(各々のモノマーのモル数)を算出することができる。
前記モノマーの測定方法としては、例えば、ポリカーボネートポリオール、エタノール及び塩基を混合し、混合液を加熱して加アルコール分解させることによってモノマーを得、得られたモノマーをガスクロマトグラフィーで分析するなどの方法により測定できる。
なお、ポリカーボネートポリオールを直接プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により測定することもできる。
式(A)の繰り返し単位を構成するモノマーとしては、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオールである。
式(B)の繰り返し単位を構成するモノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールである。
式(C)の繰り返し単位を構成するモノマーとしては、例えば、γ−ブチロラクトンやヒドロキシブタン酸及びそのエステルである。
(式(A)の繰り返し単位)
式(A)で示される繰り返し単位は、具体的には、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオールと炭酸エステルとの反応などにより構成される繰り返し単位である。
ポリカーボネートポリオール中の全繰り返し単位に対する式(A)で示される繰り返し単位の割合は、99.0〜99.8モル%、好ましくは99.1〜99.7モル%、更に好ましくは99.2〜99.6モル%である。
この範囲とすることで、ポリカーボネートポリオールから誘導化されたポリウレタンの高い柔軟性、即ち、高い破断点伸度と高い破断点応力が発現する。また、良好なタック性能が得られる。
(式(B)の繰り返し単位)
式(B)で示される繰り返し単位は、具体的には、例えば、1,4−ブタンジオールと炭酸エステルとの反応などにより構成される繰り返し単位である。
ポリカーボネートポリオール中の全繰り返し単位に対する式(B)で示される繰り返し単位の割合は、0.5モル%以下、好ましくは0.1〜0.5モル%、更に好ましくは0.1〜0.4モル%、より好ましくは0.1〜0.3モル%である。
この範囲とすることで、ポリカーボネートポリオールから誘導化されたポリウレタンのタック性能を低下させることなく、より高い柔軟性、即ち、より高い破断点伸度とより高い破断点応力が発現する。
(式(C)の繰り返し単位)
式(C)で示される繰り返し単位は、γ−ブチロラクトンの開環、ヒドロキシブタン酸の縮合やヒドロキシブタン酸エステルの脱アルコールなどにより構成される繰り返し単位である。
ポリカーボネートポリオール中の全繰り返し単位に対する式(C)で示される繰り返し単位の割合は、0.2モル%以下、好ましくは0.01〜0.2モル%、更に好ましくは0.01〜0.15モル%、より好ましくは0.02〜0.15モル%である。
この範囲とすることで、ポリカーボネートポリオールから誘導化されたポリウレタンの耐溶剤性、特に汗の成分であるオレイン酸に対する耐久性(耐オレイン酸性)が向上する。
(その他の繰り返し単位)
本発明のポリカーボネートポリオールには、前記繰り返し単位ごとの含有割合を満たしている限り、式(A)〜(C)の繰り返し単位以外の繰り返し単位(以下、「その他の繰り返し単位」と称することもある)が含まれていてもよい。その他の繰り返し単位を構成するモノマー(その他のモノマー)としては、例えば、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、3−オキサ−1,5−ペンタンジオール(ジエチレングリコール)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの炭素原子数2〜12のジオール;バレロラクトン、カプロラクトンなどの炭素原子数5〜12のラクトン;ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘキサン酸などの炭素原子数5〜12のヒドロキシカルボン酸、又はそれらの異性体が挙げられる。
その他の繰り返し単位は、モノマーの種類に応じて、前記式(A)〜式(C)の繰り返し単位において示した方法により、それらの繰り返し単位を形成させることができる。
ポリカーボネートポリオール中のその他の繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位から、式(A)〜式(C)の繰り返し単位の合計割合を引いた割合であり、好ましくは0.09〜0.89モル%である。
この範囲内にあることで、本発明のポリカーボネートポリオールの機能を損なうことがない。
本発明のポリカーボネートポリオールは、より好適には、
式(A)で示される繰り返し単位と、式(B)及び式(C)からなり、両末端が水酸基であり、
ポリカーボネートポリオール中の全繰り返し単位に対して、
下記式(A)の割合が99.0〜99.8モル%であり、
下記式(B)の割合が0.1〜0.5モル%であり、
下記式(C)の割合が0.01〜0.2モル%である
ポリカーボネートポリオールである。
(ポリカーボネートポリオールの数平均分子量)
本発明のポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、目的に応じて適宜調整することができるが、好ましくは100〜5000、更に好ましくは200〜4000、より好ましくは300〜3000である。
なお、数平均分子量は、JIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、水酸基価を測定し、末端基定量法により、(56.1×1000×価数)/水酸基価を用いて算出する(この式において、水酸基価の単位は[mgKOH/g]である)。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数である。
この範囲とすることで、ポリカーボネートポリオールの取り扱いが容易な液状となるとともに、ポリカーボネートポリオールから誘導化されたポリウレタンの低温特性が良好となる。
(ポリカーボネートポリオールの製造)
本発明のポリカーボネートポリオールの製造方法(以下、「本発明の反応」と称することもある)は特に限定されないが、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール(式(A)の構成成分)と、1,4−ブタンジオール(式(B)の構成成分)及びβ−ブチロラクトン(式(C)の構成成分)の両方、又はいずれか一方、その他のモノマー(その他の繰り返し単位の構成成分)、炭酸エステル及び触媒を混合して、低沸点成分(例えば、副生するアルコールなど)を留去しながら、反応させるなどの方法によって好適に行われる。
なお、本発明の反応は、一旦、ポリカーボネートポリオールのプレポリマー(目的とするポリカーボネートポリオールより低分子量)を得た後、更に分子量を上げるために反応させるなど、反応を複数回に分けて行うこともできる。
(炭酸エステル)
本発明の反応において使用する炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどの炭酸ジアルキル;炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリール;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、トリメチレンカーボネート)、ブチレンカーボネート(4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラメチレンカーボネート)、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンなどの環状カーボネートが挙げられるが、好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートが使用される。
なお、これらの炭酸エステルは、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。
前記炭酸エステルの使用量は、2−メチル−1,3−プロパンジオール1モルに対して、好ましくは0.8〜2.0モル、更に好ましくは0.9〜1.5モルである。
この範囲とすることで、十分な反応速度で、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
(反応温度、及び反応圧力)
本発明の反応における反応温度は、炭酸エステルの種類に応じて適宜調整することができるが、好ましくは50〜250℃、更に好ましくは70〜230℃である。
また、本発明の反応における反応圧力は、低沸点成分を除去しながら反応させる態様となるような圧力ならば特に制限されず、好ましくは常圧又は減圧下で行われる。
この範囲とすることで、逐次反応や副反応が起こることなく、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
(触媒)
本発明の反応で使用する触媒として、公知のエステル交換触媒を使用することができ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、コバルト、ゲルマニウム、スズ、セリウムなどの金属、及びそれらの水酸化物、アルコキシド、カルボン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、有機金属などが挙げられるが、好ましくは水素化ナトリウム、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキサイドが使用される。
なお、これらの触媒は、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。
前記触媒の使用量は、2−メチル−1,3−プロパンジオール1モルに対して、好ましくは0.001〜0.1ミリモル、更に好ましくは0.005〜0.05ミリモル、より好ましくは0.01〜0.03ミリモルである。
この範囲とすることで、後処理を煩雑とすることなく、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
なお、当該触媒は、反応開始時に一括で使用しても、反応開始時、及び反応開始後に2回以上分割して使用(添加)してもよい。
(ポリウレタン)
以上のようにして得られる本発明のポリカーボネートジオールをポリイソシアネートと反応(以下、「ポリウレタン化反応」と称することもある)させることにより、ポリウレタンを得ることができる。
本発明のポリカーボネートポリオールから誘導化されるポリウレタンは、破断点伸度、及び破断点応力が高く、かつ耐溶剤性、タック性能に優れた極めて有用な材料である。
(ポリイソシアネート)
前記ポリイソシアネートとしては、目的や用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが使用される。
なお、これらのポリイソシアネートは、単独又は二種以上を混合して使用してもよく、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化など誘導化されていてもよい。
ポリイソシアネートの使用量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリカーボネートポリオールの水酸基との比(イソシアネート基/水酸基(モル比))が、好ましくは0.8〜1.2、更に好ましくは0.9〜1.1である。
(鎖延長剤)
ポリウレタン化反応においては、分子量を増大させることを目的として、鎖延長剤を用いることができる。使用する鎖延長剤としては、目的や用途に応じて適宜選択できるが、例えば、
水;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンなどの低分子ポリオール;
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどの高分子ポリオール;
エチレンジアミン、イソホロンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミン
が使用される。
なお、鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC社、1985年に発行)を参照することができ、前記高分子ポリオールについては、例えば、「ポリウレタンフオーム」(高分子刊行会、1987年)を参照することができる。
(ウレタン化触媒)
ポリウレタン化反応においては、反応速度を向上させるために公知の重合触媒を用いることができ、例えば、第三級アミン、又はスズ若しくはチタンなどの有機金属塩が使用される。
なお、重合触媒については、吉田敬治著「ポリウレタン樹脂」(日本工業新聞社刊、1969年)の第23〜32頁を参照することができる。
(溶媒)
ポリウレタン化反応は溶媒の存在下で行うことができ、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−カプロラクトンなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−エトキシエタノールなどのエーテル類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類が使用される。
ポリウレタン化反応は、分子量を調整するために末端停止剤を添加して行うことができる。
また、ポリウレタンには、目的に応じて、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤などを存在させることができる。
得られたポリウレタンは、軟質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、熱可塑性ポリウレタン、溶剤系ポリウレタン溶液、水系ポリウレタン分散体などとすることができる。また、これらを使って、人工皮革や合成皮革、断熱材、クッション材、接着剤、塗料、コーティング剤、フィルム等の成形体などに加工することができる。
[水性ポリウレタン樹脂分散体]
前記水性ポリウレタン樹脂分散体は、具体的には、例えば、本発明のポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、及び酸性基含有ポリオールを、溶媒の存在下、又は非存在下で反応させてウレタンプレポリマーとする工程、前記プレポリマー中の酸性基を中和剤により中和する工程、中和されたプレポリマーを水系媒体に分散させる工程、水系媒体に分散されたプレポリマーと鎖延長剤とを反応させる工程を順次行うことによって製造することができる。
なお、各工程では、必要に応じて触媒を使用することで、反応を促進させたり、副生成物の量を制御することができる。
本発明のポリカーボネートポリオールから誘導される水性ポリウレタン樹脂分散体は、密着性、柔軟性、触感に優れる膜を与えるため、特に人工皮革や合成皮革に適用することができる。
ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、溶媒、及び鎖延長剤は、先に記載したものを用いることができる。
(酸性基含有ポリオール)
水性ポリウレタン樹脂分散体を製造する場合には、水系媒体へ分散させるために酸性基含有ポリオールを使用することができる。そのため、前記ポリイソシアネートの使用量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、ポリオール(ポリカーボネートポリオール、後述する酸性基含有ポリオール、及び後述する低分子ポリオールなどの全てのポリオール)の合計水酸基とのモル比(イソシアネート基/水酸基(モル))により設計することができ、好ましくは当該モル比が0.8〜2.0、更に好ましくは0.9〜1.8となる量である。
前記酸性基含有ポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸などが挙げられるが、好ましくはジメチロールアルカン酸、より好ましくは2個のメチロール基を含む炭素数4〜12のアルカン酸が使用される。
なお、これらの酸性基含有ポリオールは、単独又は二種以上を混合して使用してもよく、その使用量はポリウレタン樹脂が水系媒体に分散できる量であれば特に制限されない。
(中和剤)
前記中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類、アンモニアが挙げられるが、好ましくは有機アミン類、更に好ましくは三級アミンが使用される。
なお、これらの中和剤は、単独又は二種以上を混合して使用してもよく、その使用量はポリウレタン樹脂中の酸性基を中和できる量であれば特に制限されない。
(水系媒体)
前記水系媒体としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などの水や、水と親水性有機溶媒との混合媒体などが挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類;ジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;出光興産社製「エクアミド」に代表されるβ−アルコキシプロピオンアミドなどのアミド類;2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DMAP)などの水酸基含有三級アミンが挙げられる。
前記水系媒体中の前記親水性有機溶媒の量としては、好ましくは0〜20質量%である。
(低分子ポリオール)
本発明のウレタン化反応においては、分子量を調整するために、低分子ポリオールを存在させることができる。使用できる低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
なお、これらの低分子ポリオールは、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。
本発明のポリカーボネートポリオールは、また、ポリカーボネートポリオールと4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基=0.99(モル比)となるように混合した後、固形分が約30%となるようにγ−ブチロラクトンで希釈し反応させて得られた混合物を、ガラス板上に塗布して硬化させたときのポリウレタンフィルムの破断点伸度が890%以上であり、破断点応力が50MPa以上であるポリカーボネートポリオールである。
更に、本発明のポリカーボネートポリオールは、ポリカーボネートポリオールと4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基=0.99(モル比)となるように混合した後、固形分が約30%となるようにγ−ブチロラクトンで希釈し反応させて得られた混合物を、ガラス板上に塗布して硬化させたときのポリウレタンフィルムを45℃のオレイン酸中に1週間浸漬させたときの膨潤率が15%未満であるポリカーボネートポリオールでもある。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(数平均分子量)
数平均分子量の算出は下記式に基づいて行った。
数平均分子量=(56100×2)/水酸基価
なお、ポリカーボネートポリオールの水酸基価は、JIS K 1557に準拠して、滴定で求めた。ここで、水酸基価の単位は、mgKOH/gである。
(ポリカーボネートポリオール中の繰り返し単位)
ポリカーボネートポリオール1g、エタノール30g及び水酸化カリウム4gを混合し、95〜105℃で1時間攪拌した。
攪拌終了後、塩酸で中和し、生成した塩化ナトリウムを濾過した後、濾液をエタノールで3倍に希釈し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
検出された2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、γ−ブチロラクトン、ヒドロキシブタン酸エステル、及びその他のモノマーを一点検量線法により定量し、全モノマー成分の合計量を100%として、それぞれの繰り返し単位(モル%)を算出した。
なお、その他のモノマーの定量には、標準物質として3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いた。
ガスクロマトグラフィーによる分析条件は下記の通りである。
装置;ガスクロマトグラフGC−2010(島津製作所製)
カラム;DB−WAX(米国J&W社製)、膜厚0.25μm、長さ30m
カラム温度;60℃(5分間保持)→250℃(保持)
昇温速度;10℃/分
キャリアーガス;ヘリウム
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
注入量;1μL
(実施例1;ポリカーボネートポリオールの合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、
2−メチル−1,3−プロパンジオール425.5g(4.72モル、純度99%以上)、1,4−ブタンジオール0.86g(0.0095モル、純度99%以上)、炭酸ジメチル448.8g(4.98モル、99%以上)及び水酸化リチウム0.003g(0.13ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら120〜200℃で12時間反応させた。
更に、減圧下(0.1〜6.7kPa)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む成分を留去しながら150〜170℃で8時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(1)を得た。
得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は2093、水酸基価は53.6であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(A);99.3モル%
繰り返し単位(B);0.2モル%
繰り返し単位(C);0モル%
その他の繰り返し単位;0.5モル%
(実施例2;ポリカーボネートポリオールの合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、
2−メチル−1,3−プロパンジオール425.5g(4.72モル、純度99%以上)、γ−ブチロラクトン0.41g(0.0047モル、純度99%以上)、炭酸ジメチル448.8g(4.98モル、99%以上)及び水酸化リチウム0.003g(0.13ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら120〜200℃で12時間反応させた。
更に、減圧下(0.1〜6.7kPa)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む成分を留去しながら150〜170℃で8時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(2)を得た。
得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は2109、水酸基価は53.2であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(A);99.4モル%
繰り返し単位(B);0モル%
繰り返し単位(C);0.1モル%
その他の繰り返し単位;0.5モル%
(実施例3;ポリカーボネートポリオールの合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、
2−メチル−1,3−プロパンジオール425.5g(4.72モル、純度99%以上)、1,4−ブタンジオール0.86g(0.0095モル、純度99%以上)、γ−ブチロラクトン0.41g(0.0048モル、純度99%以上)、炭酸ジメチル448.8g(4.98モル、99%以上)及び水酸化リチウム0.003g(0.13ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら120〜200℃で12時間反応させた。
更に、減圧下(0.1〜6.7kPa)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む成分を留去しながら150〜170℃で8時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(3)を得た。
得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は2097、水酸基価は63.5であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(A);99.2モル%
繰り返し単位(B);0.2モル%
繰り返し単位(C);0.1モル%
その他の繰り返し単位;0.5モル%
比較例1(ポリカーボネートポリオールの合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、
2−メチル−1,3−プロパンジオール425.5g(4.72モル、純度99%以上)、炭酸ジメチル448.8g(4.98モル、99%以上)及び水酸化リチウム0.003g(0.13ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら120〜200℃で12時間反応させた。
更に、減圧下(0.1〜6.7kPa)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む成分を留去しながら150〜170℃で8時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(4)を得た。
得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は2093、水酸基価は53.6であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(A);99.9モル%
繰り返し単位(B);0モル%
繰り返し単位(C);0モル%
その他の繰り返し単位;0.1モル%
(比較例2;ポリカーボネートポリオールの合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、
2−メチル−1,3−プロパンジオール425.5g(4.72モル、純度99%以上)、1,4−ブタンジオール5.6g(0.062モル、純度99%以上)、炭酸ジメチル448.8g(4.98モル、99%以上)及び水酸化リチウム0.003g(0.13ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら120〜200℃で12時間反応させた。
更に、減圧下(0.1〜6.7kPa)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む成分を留去しながら150〜170℃で8時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(5)を得た。
得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は2086、水酸基価は53.8であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(A);98.2モル%
繰り返し単位(B);1.3モル%
繰り返し単位(C);0モル%
その他の繰り返し単位;0.5モル%
(実施例4;ポリカーボネートポリオールの合成)
実施例3において、2−メチル−1,3−プロパンジオール使用量を変えたこと以外は、実施例3と同様に反応を行い、ポリカーボネートポリオール(6)を得た。
得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は2097、水酸基価は53.5であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(A);99.6モル%
繰り返し単位(B);0.1モル%
繰り返し単位(C);0.05モル%
その他の繰り返し単位;0.25モル%
(実施例5;ポリカーボネートポリオールの合成)
実施例3において、2−メチル−1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールの使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行い、ポリカーボネートポリオール(7)を得た。
得られたポリカーボネートポリオールの数平均分子量は2097、水酸基価は53.5であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(A);99.1モル%
繰り返し単位(B);0.1モル%
繰り返し単位(C);0モル%
その他の繰り返し単位;0.8モル%
(ポリウレタンの合成)
実施例及び比較例で合成したポリカーボネートポリオール70.6g及び4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート10.5g(イソシアネート基/水酸基=0.99(モル比)となるように調整した)を、固形分30%となるようにγ−ブチロラクトンで希釈し、ジラウリン酸ジブチルスズ0.08gを混合して、75〜85℃で10時間反応させポリウレタンのγ−ブチロラクトン溶液を得た。
得られたポリウレタンの溶液をガラス板上に塗布し、70℃で1時間、120℃で3時間乾燥させてポリウレタンフィルムを得た。
得られたポリウレタンフィルムについて、下記の評価方法により、破断点伸度、破断点応力、耐オレイン性、タック性能を測定した。
(破断点伸度、破断点応力)
厚さ約0.05mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室にて1日養生したものを評価サンプルとした。
当該サンプルを23℃、50%RHの恒温室において、テンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用いて、チャック間20mm、引張速度100mm/分で引っ張り、破断点伸度(%)及び破断点応力応力(MPa)を測定した。
(耐オレイン酸性)
厚さ約0.05mmのポリウレタンを45℃のオレイン酸中に1週間浸漬させ、そのときの膨潤率(%)を測定した。耐オレイン酸性は、膨潤率の程度により下記の基準で評価した。
◎;膨潤率が10%未満
○;膨潤率が10%以上15%未満
△;膨潤率が15%以上
(タック性能)
10cm×10cmのガラス板上に前記ポリウレタン溶液を塗布してポリウレタン膜を形成させた後、同じサイズのガラス板を重ね合わせ、その上に5kgの重りを載せて1時間放置した。
その後、両ガラス板を剥がすのに要する力をタック性能として下記の基準で評価した。
○;タックがない(力をほとんどかけることなく容易に剥離できる)
△;タックがややある(力を少しかけると剥離できる)
×;タックがある(力をかなりかけないと剥離できない)
以上の結果を表1に示した。
Figure 0006880767
以上の結果により、繰り返し単位が本発明の範囲にあるポリカーボネートポリオールは、ポリウレタンに誘導した際の破断点伸度、破断点応力、耐オレイン性、及びタック性能がいずれも良好であることが分かった。
繰り返し単位(A)を99.0〜99.8モル%、及び繰り返し単位(B)を0.5モル%以下有することによって、より高い破断点伸度(900%以上)とより高い破断点応力(55MPa以上)が発現した(実施例1,3〜4と、比較例1との対比)。更に、繰り返し単位(B)が多くなるとタック性能がやや損なわれることが分かった(比較例2)。
繰り返し単位(A)を99.0〜99.8モル%、及び繰り返し単位(C)を0.2モル%以下有することによって、高い耐オレイン酸性が発現することが分かった(実施例2〜4と、比較例1〜2との対比)。
特に、ポリカーボネートポリオールが、繰り返し単位(A)を99.0〜99.8モル%、繰り返し単位(B)を0.1〜0.5モル%及び繰り返し単位(C)を0.01〜0.2モル%有することによって、タック性能が良好で、より高い破断点伸度(900%以上)とより高い破断点応力(55MPa以上)を発現させつつ、かつ高い耐オレイン酸性を発現させることが分かった(実施例3〜4)。
このように、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来の繰り返し単位(A)、1,4−ブタンジオール由来の繰り返し単位(B)及びγ−ブチロラクトン由来の繰り返し単位(C)を特定の割合に調整することで、ポリウレタンとしたときに高性能を発現することが明らかにされた。
本発明のポリカーボネートポリオールは、ポリウレタンとしたときに破断点伸度、破断点応力が高く、さらにタック性能、耐オレイン酸性に優れている。よって本発明は、新規なポリカーボネートポリオールに関する。のポリカーボネートポリオールは、シートや皮革のコーティングに用いられる各種ポリウレタン樹脂の原料として有用な化合物である。

Claims (6)

  1. 下記式(A)下記式(B)及び下記式(C)の繰り返し単位とからなり、末端水酸基を有するポリカーボネートポリオールであって、
    ポリカーボネートポリオール中の全繰り返し単位に対して、
    下記式(A)の割合が99.0〜99.8モル%であり、
    下記式(B)の割合が0.1〜0.5モル%であり、
    下記式(C)の割合が0.01〜0.2モル%である、
    ポリカーボネートポリオール。
    Figure 0006880767
  2. ポリカーボネートポリオールと4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基=0.99(モル比)となるように混合した後、固形分が約30%となるようにγ−ブチロラクトンで希釈し反応させて得られた混合物を、ガラス板上に塗布して硬化させたときのポリウレタンフィルムの破断点伸度が890%以上であり、破断点応力が50MPa以上である、請求項に記載のポリカーボネートポリオール。
  3. ポリカーボネートポリオールと4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基=0.99(モル比)となるように混合した後、固形分が約30%となるようにγ−ブチロラクトンで希釈し反応させて得られた混合物を、ガラス板上に塗布して硬化させたときのポリウレタンフィルムを45℃のオレイン酸中に1週間浸漬させ、そのときの膨潤率が15%未満である、請求項1又は2に記載のポリカーボネートポリオール。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオールを用いて得られるポリウレタン。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオールを用いて得られる合成皮革。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオールを用いて得られる水性ポリウレタン樹脂分散体。
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