JP2013166852A - ポリカーボネートジオール - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリウレタン、熱可塑性エラストマーの原料として、また塗料や接着剤の材料として適したポリカーボネートジオールを提供する。
【解決手段】式(A):−O−R−O−(C=O)−(Rは、炭素数2〜15の二価の脂肪族または脂環式炭化水素を表す。)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、式(A)で表される繰り返し単位が、式(A)のRが炭素数4、5及び6の二価の脂肪族式で表される繰り返し単位を含み、式(A)で表される繰り返し単位の80〜100モル%であり、式(A)のRが炭素数4、5及び6の二価の脂肪族式で表されるで表されるそれぞれの繰り返し単位が、10〜80モル%であるポリカーボネートジオール。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン、熱可塑性エラストマーなどの原料として、さらには塗料や接着剤の構成材料として適したポリカーボネートジオールに関する。さらに詳しくは、本発明は、常温で液状であって取り扱いが容易であり、塗料として用いる場合や重合によりポリウレタンを製造する場合、使用する溶媒量を減らすことが可能になるとともに、強靱さと高い耐薬品性を有するポリウレタンを得ることができるポリカーボネートジオールに関する。
ポリカーボネートジオールは、例えば、ポリウレタンや熱可塑性エラストマーなどのソフトセグメントとして、耐加水分解性、耐光性、耐酸化劣化性、耐熱性などに優れた素材として知られている。しかしながら、1,6−ヘキサンジオールを主原料としたポリカーボネートジオールは、高い結晶性のため室温で固体であり、塗料として用いる場合や重合によりポリウレタンを製造する場合に多量の溶媒が必要になるなど、取り扱い性に支障をきたすという不都合があった。
このような不都合を解決するため、種々の液状ポリカーボネートジオールが開示されている。例えば、ジオール成分が1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールから成る常温で液状のポリカーボネートジオールが開示されている(特許文献1参照)。また、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを主グリコール原料に用いて得られるポリカーボネートジオールが開示されている(特許文献2参照)。これらのポリカーボネートジオールは、常温で液状ではあるものの、1,6−ヘキサンジオールを主原料としたポリカーボネートジオールと比較して、得られるポリウレタンの強度が低下するという不都合があった。
このように、これまでの技術では、結晶性が低く室温で液状であることにより取り扱い性が容易であり、さらに強靱さや耐薬品性を有するポリウレタンを得ることができるポリカーボネートジオールは存在しなかった。
特開2011−84751号公報 国際公開番号2007/108198号公報
本発明は、結晶性が低く常温で液状であるため取り扱いが容易であり、塗料として用いる場合や重合によりポリウレタンを製造する場合に、使用する溶媒量を減らすことが可能になるポリカーボネートジオールを提供することを目的とする。また、強靱さと高い耐薬品性を有するポリウレタンを得ることができるポリカーボネートジオールを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールにおいて、式(A)で表される繰り返し単位を特定の構造及び割合の繰り返し単位で形成することによって目的を達成できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の構成は以下のとおりである。
[1]下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、式(A)で表される繰り返し単位が、下記式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位を含み、式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計が、式(A)で表される繰り返し単位の80〜100モル%であり、式(B)または(C)または(D)で表されるそれぞれの繰り返し単位が、式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜80モル%であることを特徴とするポリカーボネートジオール。
Figure 2013166852

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[2]上記式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位が15〜40モル%であることを特徴とする上記[1]項に記載のポリカーボネートジオール。
[3]式(C)と(D)で表される繰り返し単位の割合がモル比で40:60〜85:15であることを特徴とする上記[2]項に記載のポリカーボネートジオール。
[4]80℃に加熱し、次いで室温まで冷却したときに液状であることを特徴とする上記[1]〜[3]項のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
本発明によるポリカーボネートは、結晶性が低く常温で液状であるため、取り扱いが容易であり、塗料として用いる場合や重合によりポリウレタンを製造する場合、使用する溶媒量を減らすことが可能となる。また、本発明によるポリカーボネートを用いることで、強靱性と高い耐薬品性とを有するポリウレタンを得ることが可能となる。これらの特性を有することから、本発明によるポリカーボネートジオールは、ポリウレタン、熱可塑性エラストマーなどの原料として、さらには塗料や接着剤の構成材料として好適に用いることができる。
なお、ここでの「液状」とは、透明容器に入れて傾けた際に、僅かであっても流動性を示し、さらに、透明容器を通して後方の景色を確認できる状態を意味する。また、ここでの「常温」は、例えば5℃〜40℃を含み、通常は10℃〜35℃を含み、より典型的には15℃〜30℃を含む温度範囲を意味する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のポリカーボネートジオールは、下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基を有し、式(A)で表される繰り返し単位が、下記式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位を含み、式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計が、式(A)で表される繰り返し単位の80〜100モル%である。式(A)で表される繰り返し単位における式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計の割合がこの範囲であれば、ポリカーボネートは常温で液状であり、強靱さと耐薬品性を有する富むポリウレタンを得ることができる。この割合は、さらに好ましくは90〜100モル%である。
なお、ポリカーボネートジオールにおいて、式(A)で表される繰り返し単位の割合は、好ましくは95モル%以上100モル%以下、より好ましくは97モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは99モル%以上100モル%以下である。
Figure 2013166852

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本発明のポリカーボネートジオールにおいて、式(B)または(C)または(D)で表されるそれぞれの繰り返し単位が、式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜80モル%である。式(B)または(C)または(D)で表されるそれぞれの繰り返し単位の割合がこの範囲であれば、ポリカーボネートの結晶性が低くなって常温で液体であり、強靱さと耐薬品性を有するポリウレタンを得ることができる。
さらに、本発明のポリカーボネートジオールにおいて、式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位が15〜40モル%であり、及び/又は、式(C)と(D)で表される繰り返し単位の割合がモル比で40:60〜85:15であることが好ましい。各繰り返し単位の割合をこれらの範囲にすることによって、ポリカーボネートの結晶性の一層の低下、並びに得られるポリウレタンの強靱さ及び耐薬品性の向上を達成することが可能となる。式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位が20〜35モル%であり、及び/又は、式(C)と(D)で表される繰り返し単位の割合がモル比で40:60〜85:15である場合、得られるポリウレタンの強靱性と耐薬品性の更なる向上が可能となる。
本発明のポリカーボネートジオールは、好ましくは、製造された状態あるいは周囲条件の雰囲気下で放置された後に、常温で液状である。また、このポリカーボネートジオールは、80℃に加熱し、次いで室温まで冷却したときに液状であることがさらに好ましい。
また、本発明のポリカーボネートジオールは、柔軟性を付与する目的で、その分子内
に下記式(E)の繰り返し単位で表される構造を含むこともできる。
Figure 2013166852
ポリカーボネートジオールの分子内に上記式(E)の繰り返し単位を導入する方法は、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンプロピレングルコール、ポリオキシエチレンテトラメチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのエーテル系ポリオールを原料ジオールに添加してもよく、重合途中でエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加させてもよい。
本発明のポリカーボネートジオールにおいて、分子中の式(E)の繰り返し単位の含有量は、本発明に影響しない範囲であれば特に限定されるものではないが、その量が増えると得られるポリウレタンの耐熱性や耐薬品性が低下することがある。そのため、ポリカーボネートジオールに式(E)で表される繰り返し単位を導入する場合には、式(A)で表されるカーボネートの繰り返し単位に対し式(E)で表される(エーテル由来の構造を有する)繰り返し単位が0.05〜5モル%であることが好ましく、0.05〜3モル%であることがさらに好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールの数平均分子量は、300〜5000であることが好ましい。ポリカーボネートジオールの数平均分子量が300以上であれば、得られるポリウレタンの低温特性が良好となる。ポリカーボネートジオールの数平均分子量が5000以下であれば、塗料の構成材料として用いる場合、塗料固形分濃度などが制限されることもなく、また得られるポリウレタンの成型加工性も低下することがないので好ましい。ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、450〜3000であることがさらに好ましい。
本発明で用いるポリカーボネートジオールの製造方法は、特に限定されない。例えば、Schnell著、ポリマー・レビューズ第9巻、p9〜20(1994年)に記載される種々の方法で製造することができる。
本発明のポリカーボネートジオールは、1,4−ブタンジオールと1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジオール原料として用いる。通常は、上記3種のジオールを混合してジオール原料とする。また、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸を含む2塩基酸混合物を水添して得られるジオール混合物を、1,4−ブタンジオールなどの各ジオールに分離することなく、原料として用いることもできる。その場合、ポリカーボネートジオールの繰り返し単位組成に合わせて、特定のジオールを追加して使用することもできる。
上記3種のジオールに加え、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどの側鎖を持たないジオール、2−メチル−1、8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1、5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールなどの側鎖を持ったジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンなどの環状ジオールから、1種類または2種類以上のジオールを原料として用いてもよい。それらのジオールの量は、特に限定されるものではないが、通常は、用いる1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの合計モル数に対し、0.1〜10モル%であることが好ましい。この割合が0.1〜10モル%であれば、強靱さや耐薬品性を有するポリウレタンが得られるので好ましい。この割合が0.1〜5モル%であれば、さらに好ましい。
さらに、本発明のポリカーボネートジオールの性能を損なわない範囲で、1分子に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを用いることもできる。この1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物をあまり多く用いると、ポリカーボネートの重合反応中に架橋してゲル化が起きてしまう。したがって、1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を用いる場合であっても、当該化合物は、用いる1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの合計モル数に対し、0.1〜5モル%にするのが好ましい。この割合は0.1〜1モル%であることが、より好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールは、原料となるカーボネートの例として、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネートなどのアルキレンカーボネートなどが挙げられる。これらの内から1種または2種以上のカーボネートを原料として用いることができる。入手のしやすさや重合反応の条件設定のしやすさの観点より、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネートを用いることが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールの製造は、触媒を添加してもよいし、添加しなくてもよい。触媒を添加する場合は、通常のエステル交換反応触媒から自由に選択することができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウムなどの金属、塩、アルコキシド、有機化合物が用いられる。特に好ましいのは、チタン、スズ、鉛の化合物である。また、触媒の使用量は、通常、得られるポリカーボネートジオール重量の0.00001〜0.1%である。
ポリカーボネートジオールの製造方法の一例として、カーボネートとしてジメチルカーボネートを用いる方法を述べる。ポリカーボネートジオールの製造は、2段階に分けて行うことができる。ジオールとジメチルカーボネートをモル比で20:1ないし1:10の割合で混和し、常圧または減圧下、100〜300℃で反応させ、生成するメタノールをジメチルカーボネートとの混合物として除去して、低分子量ポリカーボネートジオールを得ることができる。次いで、減圧下、160〜250℃で加熱して、未反応のジオールとジメチルカーボネートを除去するとともに、低分子量ポリカーボネートジオールを縮合させて、所定の分子量のポリカーボネートジオールを得ることができる。
本発明のポリカーボネートジオールは、塗料や接着剤の構成材料として、ポリウレタンや熱可塑性エラストマーの原料として、さらにはポリエステルやポリイミドの改質剤などの用途に用いることができる。特に、塗料の構成材料として用いる場合、取り扱いが容易であり、用いる溶剤量を減らすことができるとともに、強靱で耐薬品性、耐加水分解性、耐熱性などの性能のバランスが良い塗膜が得られる。また、ポリウレタンや熱可塑性エラストマーの原料として用いる場合、重合に用いる溶剤を減らすことができるとともに、強靱で耐薬品性に優れるポリウレタンや熱可塑性エラストマーを得ることができる。
塗料や熱可塑性ポリウレタンは、本発明のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートを用いて得ることができる。
使用されるポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、およびその混合物(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネート等の公知の芳香族ジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(水添XDI)等の公知の脂肪族ジイソシアネート、およびこれらのイソシアネート類のイソシアヌレート化変性品、カルボジイミド化変性品、ビウレット化変性品等が挙げられる。これらの有機ポリイソシアネートは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても構わない。またこれらの有機ポリイソシアネートは、ブロック剤でイソシアネート基をマスクして用いてもよい。
また、ポリカーボネートジオールとポリイソシアネートの反応において、所望により共重合成分として鎖伸長剤を用いることができる。鎖伸長剤としては、ポリウレタン業界における常用の鎖伸長剤、すなわち、水、低分子ポリオール、ポリアミン等が使用できる。鎖伸長剤の例として、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン等の低分子ポリオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルジアミン、ジアミノジフェニルメタン等のポリアミンが挙げられる。これらの鎖伸長剤は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても構わない。
塗料を製造する方法としては、業界で公知の製造方法が用いられる。例えば、塗料として、ポリカーボネートジオールからなる主剤と有機ポリイソシアネートからなる硬化剤を塗工直前に混合する2液型溶剤系コーティング組成物、ポリカーボネートジオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート末端基を持つウレタンプレポリマーからなる1液型溶剤系コーティング組成物、ポリカーボネートジオール、有機ポリイソシアネートおよび鎖伸長剤とを反応させて得られるポリウレタン樹脂からなる1液型溶剤系コーティング組成物、あるいは1液型水系コーティング組成物を製造することができる。
塗料には、例えば、各種用途に応じて硬化促進剤(触媒)、充填剤、分散剤、難燃剤、染料、有機または無機顔料、離型剤、流動性調整剤、可塑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、着色剤、溶剤等を添加することができる。
塗料の溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、水などを挙げることができる。塗料には、これらの溶剤のうちの1種類又は複数種を混合して使用することができる。
熱可塑性ポリウレタンを製造する方法としては、ポリウレタン業界で公知のポリウレタン化反応の技術が用いられる。例えば、本発明のポリカーボネートジオールと有機ポリイソシアネートを大気圧下に常温から200℃で反応させることにより、熱可塑性ポリウレタンを製造することができる。鎖延長剤を用いる場合は、反応の最初から加えておいてもよいし、反応の途中から加えてもよい。熱可塑性ポリウレタンの製造方法については、例えば、米国特許第5,070,173号を参照できる。
ポリウレタン化反応においては、公知の重合触媒や溶媒を用いてもよい。用いられる重合触媒は、特に限定されないが、例えばジブチルスズジラウレートが挙げられる。
熱可塑性ポリウレタンには、熱安定剤(例えば酸化防止剤)や光安定剤などの安定剤を添加することが望ましい。また、可塑剤、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤等を添加してもよい。
次に、実施例および比較例によって、本発明を説明する。
以下の実施例は、本発明を例示するために記載するものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
以下の実施例及び比較例において示す物性値は、下記の方法で測定した。
1.ポリカーボネートジオールの組成の決定
100mlのナスフラスコに、サンプルを1g測り取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃のオイルバスで1時間加熱する。室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを1〜2滴添加し、塩酸で中和する。冷蔵庫で3時間冷却し、沈殿した塩を濾過で除去した後、GC分析した。なお、GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィーGC14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内部標準として用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
ポリカーボネートジオールにおいて、式(B)と式(C)と式(D)で表される繰り返し単位合計の式(A)で表される繰り返し単位に対する割合(主成分割合と略す。)は、GC分析の結果を元に、下記式(1)で求めた。
主成分割合(モル%)={(B+C+D)/A}×100 (1)
A:全ジオールのモル数
B:1,4−ブタンジオールのモル数
C:1,5−ペンタンジオールのモル数
D:1,6−ヘキサンジオールのモル数
ポリカーボネートジオールにおいて、式(B)と(C)と(D)の繰り返し単位の合計に対する式(B)または式(C)または式(D)で表される繰り返し単位の割合は、GC分析の結果を元に、下記式(2)〜(4)で求めた。
式(B)の割合(モル%)=B/(B+C+D)×100 (2)
式(C)の割合(モル%)=C/(B+C+D)×100 (3)
式(D)の割合(モル%)=D/(B+C+D)×100 (4)
本発明において、式(C)と式(D)で表される繰り返し単位の割合(モル比)は、GC分析の結果を元に、下記式(5)で表した。
式(C):式(D)(モル比)=C:D (5)
2.ポリカーボネートジオールの分子量の決定
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、無水酢酸とピリジンを用い、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定する「中和滴定法(JIS K0070−1992)」によって水酸基価を決定し、下記式(6)を用いて計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10−3/56.1) (6)
3.ポリカーボネートジオールの粘度の決定
ポリカーボネートジオールの粘度は、コーン・プレート回転粘度計を用いる方法(JIS K1557−2007)により、測定温度70℃で測定した。なお、ここでの粘度は、以下の比較例2で得たポリカーボネートジオール(PC−17)の粘度に対する相対値として表した。
4.ポリカーボネートジオールの性状の確認
80℃に加熱したポリカーボネートジオールを透明なサンプル瓶に入れ、室温まで冷えた状態を目視で観察した。透明で、サンプル瓶を傾けた時に僅かでも流動性がある場合を液状と、不透明でありサンプル瓶を傾けても状態が変化しない場合を固体として表した。
5.ポリウレタンフィルムの機械的物性
ポリカーボネートジオールから得られたポリウレタンフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室で3日間養生したものを試験体とした。テンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用い、チェック間距離50mm、引張速度100mm/分で、100%引張応力(フィルムが50mm伸びた時の応力;単位:MPa)と、破断強度(単位:MPa)及び破断伸度(単位:%)を測定した。
6.ポリウレタンフィルムの耐油性(耐薬品性)
ポリカーボネートジオールから得られたポリウレタンフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取った試験体に、0.1gのオレイン酸を付着させ、20℃で4時間放置し、塗膜の外観を目視で評価した。外観に変化がない場合を◎、外観にほぼ変化が無い場合を○、極小さい膨れがある場合を△、明確な膨らみがある場合を×として、耐油性を評価した。
[実施例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置を備えた2Lのガラス製フラスコにジエチルカーボネートを840g(7.1mol)、1,4−ブタンジオールを240g(2.7mol)、1,5−ペンタンジオールを360g(3.5mol)、1,6−ヘキサンジオールを175g(1.5mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.5gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃から190℃へ徐々に上げながら、生成するエタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら15時間反応を行った。その後、15kPaまで減圧し、エタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら、190℃でさらに8時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−1と略す。
[実施例2]
実施例1で示す装置を用いて反応を行った。エチレンカーボネートを760g(8.6mol)、1,4−ブタンジオールを210g(2.3mol)、1,5−ペンタンジオールを550g(5.3mol)、1,6−ヘキサンジオールを115g(1.0mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.5gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃から190℃へ徐々に上げながら、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら15時間反応を行った。その後、14kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートを留去しながら、190℃でさらに8時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−2と略する。
[実施例3]
エチレンカーボネートを740g(8.4mol)、1,4−ブタンジオールを170g(1.9mol)、1,5−ペンタンジオールを390g(3.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを330g(2.8mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例2に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−3と略する。
[実施例4]
エチレンカーボネートを750g(8.5mol)、1,4−ブタンジオールを250g(2.8mol)、1,5−ペンタンジオールを370g(3.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを265g(2.3mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例2に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−4と略する。
[実施例5]
エチレンカーボネートを740g(8.4mol)、1,4−ブタンジオールを190g(2.1mol)、1,5−ペンタンジオールを430g(4.1mol)、1,6−ヘキサンジオールを260g(2.2mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例2に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−5と略する。
[実施例6]
エチレンカーボネートを750g(8.5mol)、1,4−ブタンジオールを230g(2.6mol)、1,5−ペンタンジオールを330g(3.2mol)、1,6−ヘキサンジオールを330g(2.8mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例2に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−6と略する。
[実施例7]
エチレンカーボネートを750g(8.5mol)、1,4−ブタンジオールを210g(2.3mol)、1,5−ペンタンジオールを490g(4.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを175g(1.5mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例2に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−7と略する。
[実施例8]
ジエチルカーボネートを880g(7.5mol)、1,4−ブタンジオールを285g(3.2mol)、1,5−ペンタンジオールを410g(3.9mol)、1,6−ヘキサンジオールを100g(0.9mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−8と略する。
[実施例9]
ジエチルカーボネートを830g(7.0mol)、1,4−ブタンジオールを125g(1.4mol)、1,5−ペンタンジオールを480g(4.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを180g(1.5mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−9と略する。
[実施例10]
ジエチルカーボネートを840g(7.1mol)、1,4−ブタンジオールを85g(0.9mol)、1,5−ペンタンジオールを520g(5.0mol)、1,6−ヘキサンジオールを200g(1.7mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−10と略する。
[実施例11]
ジエチルカーボネートを860g(7.3mol)、1,4−ブタンジオールを360g(4.0mol)、1,5−ペンタンジオールを320g(3.1mol)、1,6−ヘキサンジオールを90g(0.8mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−11と略する。
[実施例12]
ジエチルカーボネートを850g(7.2mol)、1,4−ブタンジオールを150g(1.7mol)、1,5−ペンタンジオールを260g(2.5mol)、1,6−ヘキサンジオールを420g(3.6mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−12と略する。
[実施例13]
ジエチルカーボネートを850g(7.2mol)、1,4−ブタンジオールを155g(1.7mol)、1,5−ペンタンジオールを180g(1.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを500g(4.2mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−13と略する。
[実施例14]
ジエチルカーボネートを860g(7.3mol)、1,4−ブタンジオールを130g(1.4mol)、1,5−ペンタンジオールを580g(5.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを95g(0.8mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−14と略する。
[実施例15]
エチレンカーボネートを760g(8.6mol)、1,4−ブタンジオールを240g(2.7mol)、1,5−ペンタンジオールを390g(3.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを260g(2.2mol)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを170g(1.4mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、実施例2に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−15と略する。
[比較例1]
実施例1で示す装置を用い、ジエチルカーボネートを800g(6.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを850g(7.2mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.5gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃から190℃へ徐々に上げながら、生成するエタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら15時間反応を行った。その後、15kPaまで減圧し、エタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら、190℃でさらに8時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−16と略す。
[比較例2]
ジエチルカーボネートを900g(7.6mol)、1,4−ブタンジオールを730g(8.1mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、比較例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−17と略する。
[比較例3]
比較例1で示す装置を用い、エチレンカーボネートを780g(8.8mol)、1,4−ブタンジオールを55g(0.6mol)、1,5−ペンタンジオールを800g(7.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを65g(0.6mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.5gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃から190℃へ徐々に上げながら、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら15時間反応を行った。その後、14kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートを留去しながら、190℃でさらに8時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−18と略する。
[比較例4]
エチレンカーボネートを750g(8.5mol)、1,4−ブタンジオールを370g(4.1mol)、1,5−ペンタンジオールを20g(0.2mol)、1,6−ヘキサンジオールを500g(4.2mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、比較例3に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−19と略する。
[比較例5]
エチレンカーボネートを700g(8.0mol)、1,4−ブタンジオールを10g(0.1mol)、1,5−ペンタンジオールを540g(5.2mol)、1,6−ヘキサンジオールを380g(3.2mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、比較例3に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−20と略する。
[比較例6]
エチレンカーボネートを760g(8.6mol)、1,4−ブタンジオールを270g(3.0mol)、1,5−ペンタンジオールを570g(5.5mol)、1,6−ヘキサンジオールを20g(0.2mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、比較例3に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−21と略する。
[比較例7]
ジエチルカーボネートを780g(6.6mol)、1,4−ブタンジオールを10g(0.1mol)、1,4−シクロヘキサンジメタノール600g(4.2mol)、1,6−ヘキサンジオールを300g(2.5mol)仕込んだ以外は、実施例1の装置を用い、比較例1に示す条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−22と略する。
Figure 2013166852
[応用例1]
攪拌装置、温度計、冷却管の付いた反応器に、実施例1で得たPC−1を200g、ヘキサメチレンジイソシアネート34g、触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、70℃で5時間反応させて末端NCOのプレポリマーを得た。溶剤としてジメチルホルムアミド600gを加えて溶解した後、鎖延長剤としてイソホロンジアミン17gを加えて35℃で1時間撹拌した。得られたポリウレタン樹脂溶液をガラス板上に流延し、室温で30分間放置して溶剤をとばした後、100℃の乾燥機に2時間入れて乾燥させた。該ポリウレタンフィルムを用いて物性の評価を行い、表2に示した。
[応用例2〜21]
ポリカーボネートジオールとして、PC−2〜21を用い、応用例1に示す条件でポリウレタンフィルムを得た。該ポリウレタンフィルムを用いて物性の評価を行い、表2に示した。なお、PC−22を用いたポリウレタン樹脂溶液は粘度が高く、均一なポリウレタンフィルムを得ることが出来なかったので、物性の評価は行わなかった。
Figure 2013166852
本発明のポリカーボネートジオールは、常温において液状で取り扱いが容易であり、塗料として用いる場合や重合によりポリウレタン樹脂を製造する場合、使用する溶媒量を減らすことが可能となる。また、上述の実施例にて実証されているとおり、本発明のポリカーボネートジオールは、ポリウレタンや熱可塑性エラストマーの原料として用いる場合、強靱さと耐薬品性に富むポリウレタンや熱可塑性エラストマーを得ることができる。従って、本発明のポリカーボネートジオールは、ポリウレタン、熱可塑性エラストマーなどの原料として、さらには塗料や接着剤の構成材料として好適に利用できる。

Claims (4)

  1. 下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、式(A)で表される繰り返し単位が、下記式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位を含み、式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計が、式(A)で表される繰り返し単位の80〜100モル%であり、式(B)または(C)または(D)で表されるそれぞれの繰り返し単位が、式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜80モル%であることを特徴とするポリカーボネートジオール。
    Figure 2013166852

    Figure 2013166852

    Figure 2013166852

    Figure 2013166852
  2. 上記式(B)と(C)と(D)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位が15〜40モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
  3. 式(C)と(D)で表される繰り返し単位の割合がモル比で40:60〜85:15であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネートジオール。
  4. 80℃に加熱し、次いで室温まで冷却したときに液状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
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