JP6880672B2 - 偏光分離フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、コレステリック液晶層を備える偏光分離フィルムに関する。
コレステリック液晶はその螺旋構造の螺旋ピッチに由来した波長を選択的に反射するとともに、螺旋構造における旋回方向に由来した向きの円偏光も選択的に反射する性質を有する。コレステリック液晶のこのような性質を利用して、反射材(特許文献1)、投影スクリーン(特許文献2)、反射型偏光板、色補償フィルム等に偏光分離フィルムとして適用されている。
特開2016−126326号公報 特開2005−107096号公報
しかしながら、従来におけるコレステリック液晶を用いた偏光分離フィルムは、光が斜めから入射した場合や、フィルムを斜めから見た場合(正面に対して角度を有する方向から見た場合)に、正面から見た場合とは異なる色味を帯びることがあった。
そこで本発明は、上記の問題に鑑み、見る方向の違いによる色味の変化を抑制することができる偏光分離フィルムを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、ここではわかりやすさのため、図面の参照符号を括弧書きで付記した。ただし本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の1つの態様は、少なくとも一方の面に凹凸が形成されたコレステリック液晶構造を具備するコレステリック液晶層(15)を備え、拡散反射率が15%以上である、偏光分離フィルム(10)である。
本発明の他の態様は、基材(11)と、基材の面に積層された凹凸形状の層からなる、又は基材の面自体が凹凸に形成されることからなる、凹凸形成層(12)と、凹凸形成層に積層されたコレステリック液晶構造を具備するコレステリック液晶層(15)と、を備え、拡散反射率が15%以上である、偏光分離フィルム(10)である。
本発明によれば、見る角度が正面からずれても、正面から見た色に対して色変化を小さく抑えることができ、視野角を広くしても適切な色で光を提供することができる。
図1(a)は偏光分離フィルム10の斜視図、図1(b)は偏光分離フィルム10の分解斜視図である。 図2(a)は偏光分離フィルム10のコレステリック液晶層15におけるコレステリック液晶構造について説明する図、図2(b)は従来のコレステリック液晶層のコレステリック液晶構造について説明する図である。 図3(a)実施例の凹凸形成層の形態を説明する平面図、図3(b)はその正面図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。これら図面では微小な要素であってもわかりやすさのために変形や大きく誇張する等して表すことがある。また、見易さのため同じ要素が繰り返し配置されている際には符号の一部を省略することがある。
図1は1つの形態を説明する図であり、図1(a)は偏光分離フィルム10の斜視図、図1(b)は偏光分離フィルム10の分解斜視図である。図1(a)、図1(b)からわかるように、本形態の偏光分離フィルム10は、基材11、凹凸形成層12、及びコレステリック液晶層15を有して構成されている。
基材11は、その一方の面に凹凸形成層12、及び液晶層15を積層するための基材となる透明な層である。基材11をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、光学的な素子を構成する部材の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)、トリアセチルセルロール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、及びガラス等を挙げることができる。
そしてその厚さは10μm〜1000μmの範囲で構成することができる。
凹凸形成層12は、液晶層15の一方の面に凹凸を付与する層であり、複数の凸条13が間隔を有して配列されている。従って凸条13が配置された部位では凸部12aが形成され、凸条13の間は凹部12bとなり、この凸部12aと凹部12bとが繰り返されて凹凸とされている。
本形態では凸条13は、半円断面を有した柱状であり、複数の凸条13が柱状の軸線が平行となるように、基材11の一方の面に沿って並べられている。
凹凸形成層12の凸条13をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、光学素子を構成する部材の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)、トリアセチルセルロール樹脂等を挙げることができる。
ここまで説明した基材11と凹凸形成層12とは、境界なく一体であってもよいし、基材11の面に凹凸形成層12が積層され別部材が接着された形態であってもよい。
製造過程としては、押出し成形、賦型、及びフォトリソグラフィー等を挙げることができる。押出し成型で製造された場合においては、基材11、及び凹凸形成層12が一体的に形成され得る。また、賦型によって製造する場合には、基材11上に凹凸形成層12を賦型して形成することができ、この場合には基材層11と凹凸形成層12とが、同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
本例では上記したように半円断面を有する柱状の部材が配列された凹凸を例示したが、これに限らず断面が三角形、四角形などの多角形であってもよい。また、柱状である必要もなく、基材11の面に沿って点状の凹凸や半球状の凹凸が配列された形態であってもよい。
コレステリック液晶層15は、基材11の面のうち凹凸形成層12が配置された側の面に積層される層であり、コレステリック規則性を示す液晶性組成物からなる。そして液晶分子の物理的な分子配列として、液晶分子のダイレクターが層の厚さ方向に連続的に回転してなる螺旋構造を備えている。
コレステリック液層層15は、このような液晶分子の物理的な分子配列に基づいて、一方向の円偏光成分と、これと逆回りの円偏光成分とを分離する偏光分離特性を有している。すなわち、コレステリック液晶層15において、螺旋軸に沿って入射した無偏光状態の光は、2つの偏光状態の光(右円偏光及び左円偏光)に分離され、一方は透過され、残りは反射される。この現象は、円偏光二色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における螺旋巻き方向を適宜選択すると、この螺旋巻き方向と同一の旋光方向を有する円偏光成分が選択的に反射される。
さらに円偏光成分の反射に加えて、次式(1)で示した波長λの光を選択的に反射する。
λ=nave・p … (1)
ここで、pは液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチ長(液晶分子の分子螺旋の1ピッチ当たりの長さ)、naveは螺旋軸に直交する平面内での平均屈折率である。
また、このときの反射光の波長バンド幅△λは次式(2)で表される。ここで、△nは複屈折値である。
△λ=△n・p … (2)
すなわち、偏光分離フィルム10に入射する無偏光状態の光は、上記の偏光分離特性に従って、選択反射中心波長λを中心とした波長バンド幅△λの範囲(選択反射波長域)に属する一方の円偏光成分(例えば選択反射波長域内の右円偏光)が反射光として反射され、その他の光(例えば選択反射波長域内の左円偏光、選択反射波長域外の右円偏光及び左円偏光)が透過される。
そしてこのようなコレステリック液晶層15が、基材層11及び凹凸形成層12に積層されているため、コレステリック液晶層15のうち、凹凸形成層12と接する側の面には、凹凸形成層12の凹凸と反対の凹凸を有する。すなわち、コレステリック液晶層15は凹凸形成層12の凹部12bを満たすように凸部15aを具備し、凹凸形成層12の凸部12aに満たされるように凹部15bを備えている。従って、本形態では凹凸形成層12とコレステリック液晶層15とは凹凸界面を有して接しており、これによりコレステリック液晶層15がその面に凹凸を有している構造となる。
一方、コレステリック液晶層15のうち、凹凸面側とは反対側の面は本形態では平滑面とされている。ただしこれに限定されることなく、他の凹凸面が形成されていてもよい。
このようにコレステリック液晶層15に少なくとも一方の面に凹凸を形成することにより、コレステリック液層層15の液晶構造を次のように構成することが可能となる。図2(a)に模式的な図を示した。すなわち、凹凸を形成することにより、コレステリック液晶層15に含まれる液晶構造の一部について、点線で示した螺旋軸15cが、液晶層15の厚さ方向(図2(a)の紙面上下方向)に平行とならないものを含ませることができるようになる。このようなコレステリック液晶構造の螺旋軸15cの向きの不均一性により、選択的に反射される光を全体として見た場合に拡散させることが可能となる。
ちなみに、平滑な基材層11のみに積層された一般的なコレステリック液晶層115のコレステリック液晶構造は、プラーナー配向状態となっており、図2(b)に示すように、コレステリック液晶構造に含まれる各螺旋構造の点線で示した螺旋軸の方向は全て層の厚さ方向に一様に平行に延びている。このような場合、選択的に反射される光が鏡面反射となり、この選択的に反射される光の波長は正面に対して見る角度によって異なるため色味が異なって見えてしまう。
以上のような偏光分離フィルム10は、総反射(正反射+拡散反射)に対する拡散反射の割合である拡散反射率が15%以上とされている。これにより見る角度による色の変化を抑えることができる。拡散反射率が15%未満であると見る角度による色の変化が大きく、色変化の抑制の効果があるとはいえない。
一方、拡散反射率は75%以下であることが好ましい。拡散反射率がこれより高いとヘイズが高くなり、用途によっては反射色が白くなりすぎることがあるからである。
上記のような偏光分離フィルムを形成するための具体的な態様は特に限定されることはないが、例えば、より好ましくは、基材11のヘイズを88%より小さくするとともに、凹凸形成層のRaが0.10μm以上0.49μm以下、Rpが0.40μm以上2.09μm以下、及びRzが0.60μm以上3.28μm以下の少なくとも1つを満たすように構成する形態を挙げることができる。
ここで、RaはJIS B 0601(2001)で算術平均粗さ、RpはJIS B 0601(2001)で最大山高さ、RzはJIS B 0601(2001)で最大高さをそれぞれ意味する。
以上のような偏光分離フィルム10は、例えば次のように製造することができる。すなわち、基材11、及び凹凸形成層12にコレステリック規則性を示す液晶性組成物を塗布した後、配向処理及び硬化処理を行うことにより形成することができる。より詳しい例は次の通りである。
まず、基材11を準備し、該基材11の一方の面に凹凸形成層12を形成する。基材11の一方の面に凹凸形成層12を設ける方法は特に限定されることはないが、エッチング、サンドブラスト処理、賦形等を挙げることができる。また、基材11のうち凹凸形成層12が設けられる側の面、及び凹凸形成層12には、コレステリック液晶層15の密着性を高めるために易接着層などの中間層を積層してもよい。
次に、このようにして準備された基材11及び凹凸形成層12上に、コレステリック規則性を示す液晶性組成物を塗布した後、配向処理及び硬化処理を行うことにより、コレステリック液晶層15を積層させる。詳しくは次の通りである。
基材11及び凹凸形成層12上に、コレステリック規則性を示す液晶性組成物を塗布することにより、コレステリック液晶による層を形成する。このとき、液晶性組成物を塗布する方法としては、既存の任意の方法を用いることができる。具体的には、ロールコート法やグラビアコート法、バーコート法、スライドコート法、ダイコート法、スリットコート法、浸漬法などを用いることができる。また、基材11及び凹凸形成層としてプラスチックフィルムを用いる場合には、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll) システムによるフィルムコーティングなどを用いることができる。
なお、塗布される液晶性組成物としては、コレステリック規則性を示すカイラルネマチック液晶やコレステリック液晶を用いることができる。このような材料としては、コレステリック液晶構造を形成し得る液晶材料であれば特に限定されるものではないが、特に、分子の両末端に重合性の官能基があるような重合性の液晶材料が、硬化後に光学的に安定したコレステリック液晶層15を得る上で好ましい。
ここでは液晶性組成物としてコレステリック規則性を示すカイラルネマチック液晶を用いる場合を例に挙げて説明する。なお、カイラルネマチック液晶は、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料とカイラル剤とを混合したものである。ここで、カイラル剤は、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料の螺旋ピッチ長を制御し、液晶性組成物が全体としてコレステリック規則性を呈するようにするためのものである。また、このような液晶性組成物には、重合開始剤や添加剤が適宜添加される。
ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料の一例としては、例えば、下記の一般式(1) で表わされる化合物や、下記の式(2−i)〜(2−xi) で表される化合物を挙げることができる。また、これらの化合物を単独で、もしくは混合して用いることができる。
Figure 0006880672
Figure 0006880672
上記式(1)において、R及びRはそれぞれ水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR及びRはともに水素であることが好ましい。式(1)のXは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素又はメチル基であることが好ましい。また、上記式(1)において、分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である式(1)の化合物は、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、a及びbがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物は、アイソトロピック転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶相を示す温度範囲が狭く好ましくない。
なお、以上においては、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料として重合性液晶モノマーの例を挙げて説明したが、これに限らず、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子、液晶ポリマーなどを用いることも可能である。このような重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子、液晶ポリマーとしては、従来から提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
一方、カイラル剤は、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、主として分子量1500以下の化合物である。カイラル剤は主として、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料が発現する正の一軸ネマチック規則性に螺旋構造を誘起させる目的で用いられる。この目的が達成される限り、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋構造を誘起できるものであれば、カイラル剤としての低分子化合物の種類は特に限定されない。
なお、このようにして液晶に螺旋構造を誘起させるために用いられるカイラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必要である。従って、ここで用いられるカイラル剤としては、例えば1つ又は2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミンやキラルなスルフォキシドなどのようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、あるいはクムレンやビナフトールなどの軸不斉を持つ光学活性な部位を有する化合物が挙げられる。さらに具体的には、市販のカイラルネマチック液晶(例えばキラルドーパント液晶S−811(Merck社製))が挙げられる。
しかしながら、選択されたカイラル剤の性質によっては、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料が形成するネマチック規則性の破壊、配向性の低下、あるいはカイラル剤が非重合性の場合には、液晶性組成物の硬化性の低下や、硬化後のフィルムの信頼性の低下を招く虞がある。さらに、光学活性な部位を有するカイラル剤の多量な使用は、液晶性組成物のコストアップを招く。従って、短い螺旋ピッチ長のコレステリック規則性を有する液晶層を形成する場合には、液晶性組成物に含有させる光学活性な部位を有するカイラル剤としては、螺旋構造を誘起させる効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、具体的には下記の式(3)、(4)又は(5)で表されるような、分子内に軸不斉を有する低分子化合物を用いることが好ましい。
Figure 0006880672
Figure 0006880672
Figure 0006880672
上記式(3)又は式(4)において、Rは水素又はメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜式(xxiv)の任意の一つであるが、中でも、式(i)、(ii)、(iii)、(v)及び(vii)のいずれか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すc及びdは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。c又はdの値が0又は1である上記式(3)又は(4)の化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、c又はdの値が13 以上である化合物は融点(Tm)が低い。これらの化合物では、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間の相溶性が低下し、濃度によっては相分離などが起きるおそれがある。
なお、このようなカイラル剤は、特に重合性を有する必要はない。しかしながら、カイラル剤が重合性を有している場合には、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料と重合され、コレステリック規則性が安定的に固定化されるので、熱安定性などの面では好ましい。特に、分子の両末端に重合性の官能基があることが、耐熱性の良好なコレステリック液晶層15を得る上で好ましい。
なお、液晶性組成物に含有されるカイラル剤の量は、螺旋構造の誘起能力や最終的に得られるコレステリック液晶層15のコレステリック液晶構造などを考慮して最適値が決められる。
なお、液晶性組成物は基材11及び凹凸形成層12上にそのまま塗布することも可能であるが、粘性を塗布装置に合わせたり、良好な配向状態を得る目的で有機溶媒などの適当な溶媒に溶解させてインキ化したりしてもよい。
以上のように基材11及び凹凸形成層12上に液晶性組成物を塗布し、コレステリック液晶層を形成した後、コレステリック液晶層をコレステリック液晶構造が発現する所定の温度に保持し、コレステリック液晶層中の液晶分子を配向させる。
なお、本例において最終的に得られるべきコレステリック液晶層15のコレステリック液晶構造は、プラーナー配向状態ではなく、図2(a)に示すように、コレステリック液晶の螺旋軸の方向が層内でばらついた配向状態となっている。ただし、この場合でも、配向処理は必要となる。すなわち、コレステリック液晶構造の液晶分子のダイレクターを基材11上で一定方向に揃えるような配向処理は必要とされないが、コレステリック液晶構造中に複数の螺旋構造を形成させるような配向処理は必要となるからである。
ここで、積層されたコレステリック液晶層を、コレステリック液晶構造が発現する所定の温度に保持すると、コレステリック液晶層は液晶相を呈し、液晶分子自体の自己集積作用により、液晶分子のダイレクターが層の厚さ方向に連続的に回転してなる螺旋構造が形成される。そして、このような液晶相の状態で発現したコレステリック液晶構造は、後述するような手法でコレステリック液晶層を硬化させることにより、固定化することができる。
なお、このような配向処理は、塗布された液晶性組成物に溶媒が含有されている場合には、溶媒を除去するための乾燥処理とともに行われることが通常である。なお、溶媒を除去するためには、所定の乾燥温度で行われ、乾燥時間(加熱時間) はコレステリック液晶構造が発現し、実質上溶媒が除去される時間が適宜設定される。
上記のようにしてコレステリック液晶層中の液晶分子を配向させた後、コレステリック液晶層を硬化させ、液晶相の状態で発現したコレステリック液晶構造を固定化する。
ここで、硬化処理の方法としては、
(1)液晶性組成物中の溶媒を乾燥させる方法
(2)加熱により液晶性組成物中の液晶分子を重合させる方法
(3)電離放射線(電子線や紫外線を含む。)の照射により液晶性組成物中の液晶分子を重合させる方法
(4)上記(1)〜(3)の少なくとも2つを組み合わせる方法
を挙げることができる。
以上のような各工程を行うことにより、コレステリック液晶層15を有する偏光分離フィルム10を製造することができる。
ここまで説明した偏光分離フィルム10によれば、コレステリック液晶層15により、ここに具備されるコレステリック液晶構造に基づく特定の波長、及び偏光成分の光を選択的に反射し、それ以外の光を透過する。従ってこの性質を利用する各種機器への適用が可能である。用途としては例えば液晶ディスプレイ等の表示装置においては、輝度を向上させるフィルム、カラーフィルタ等が挙げられる。その他、赤外線反射フィルム等として広い分野に適用することもできる。
また、当該コレステリック液晶層15の少なくとも一方の面に凹凸が形成されていることにより、コレステリック液晶構造の螺旋軸方向が不均一となり、拡散反射する。そしてこの拡散反射は拡散反射率が15%以上とされていることにより、正面に対して見る角度を変えても色が変化することを抑えることができる。これにより、視野角を広くした際にも色の変化の不具合が生じることを防止することが可能である。
上記した偏光分離フィルム10では、基材層11及び凹凸形成層12を具備する形態を説明したが、コレステリック液晶層の少なくとも一方に凹凸が形成されていればよい。従って、コレステリック液晶層が凹凸を有するものであれば基材層11及び凹凸形成層を備えていなくても、本発明の偏光分離フィルムとすることができる。
実施例では、コレステリック液晶層に各種の凹凸を形成した複数の偏光分離フィルムを作製し、各偏光分離フィルムにつき拡散反射率及び見る角度による色の変化について確認した。
[偏光分離フィルム]
No.1として、上記説明した例に倣って、PETからなる平滑な基材の一方の面に同じくPETからなる凹凸形成層を設け、その上にコレステリック液晶を積層し、拡散反射率が16.7%の偏光分離フィルムを作製した。
No.2として、No.1の凹凸形成層の凹凸の形態を変更して拡散反射率が38.1%の偏光分離フィルムを作製した。
No.3として、PETからなる基材の一方の面自体に凹凸を形成してこれを凹凸形成層とし、ここにコレステリック液晶を積層し、拡散反射率が63.3%の偏光分離フィルムを作製した。
No.4として、No.3の凹凸形成層の形態を変更して拡散反射率が71.7%の偏光分離フィルムを作製した。
No.5として、両面とも平滑なPET基材の一方の面にコレステリック液晶を積層して拡散反射率が9.0%の偏光分離フィルムを作製した。
No.6として、両面とも平滑であるとともに、上記No.1〜No.5とは異なる種類のPET基材の一方の面にコレステリック液晶を積層して拡散反射率が13.7%の偏光分離フィルムを作製した。
No.1〜No.6の各例で用いたコレステリック液晶は、BASFジャパン株式会社製PALIOCOLORであり、いずれの場所でも層厚が0.5μm〜1.0μmの範囲となるように形成した。
また、No.1〜No.4の例の凹凸形成層の形態はいずれも図3(a)、図3(b)に示したように半球状の突起20が基材の面に沿って2次元的に縦横(マトリックス状)に行と列とで半ピッチずつずらすように互い違いに配列(千鳥配列)されたものである。そして、その粗さRaを例ごとに変更した。各例のRaは表1に結果とともに表した。なお、表1にも記載のように、No.2は少なくともNo.1よりRaは大きかった。
各偏光分離フィルムの拡散反射率(%)は、偏光分離フィルムによる総反射光に対する拡散反射光の割合を百分率で表した値で、より具合的には、
(拡散反射光/(正反射光+拡散反射光))×100%
で求められる。
拡散反射光及び正反射光は次のように得ることができる。
積分球に偏光分離フィルムを配置し、偏光分離フィルムの法線方向に対して45度となる方向から偏光分離フィルムに対して光を照射する。そしてこの照射光に対する偏光分離フィルムによる反射光のうち、正反射成分を積分球から除外してこれを測定して正反射光とする。一方、積分球内に拡散反射した他の反射光を合計して拡散反射光とする。
[評価]
以上の各偏光分離フィルムについて色変化抑制効果を評価した。具体的には次の通りである。
<色変化抑制効果>
色変化抑制の効果は次の2つの方法(A)、(B)で確認し、両方で効果見られたものを「○」、その中でも特に効果が見られたものを「◎」、いずれか一方で効果がみられたものを「△」、いずれの方法でも効果が見られなかったものを「×」とした。
方法(A):反射率測定器(日本分光株式会社、V−600)を使用して入射光角度(正面に対して5°、30°、60°)ごとの反射率を測定し、この反射率を色度に変換したあと、測定角度毎の色度座標の変化の大小で効果を確認する。
方法(B):目視による外観確認。偏光分離フィルムの正面に対して30°の角度から見て色を確認し、色変化の有無を判断。
[結果]
拡散反射率及び評価の結果(色変化抑制)を表1に示す。
Figure 0006880672
表1の結果からわかるように、拡散反射率を15%以上とすることにより、正面に対して角度を有する方向から見ても色変化が起こることを抑制することができる。また、拡散反射率を38%以上とすることにより、さらにその効果が顕著となる。
10 偏光分離フィルム
11 基材
12 凹凸形成層
13 凸条
15 コレステリック液晶層

Claims (2)

  1. 少なくとも一方の面に凹凸が形成されたコレステリック液晶構造を具備するコレステリック液晶層を備え、
    前記凹凸は、半円断面を有した柱状の凹部が間隔を有して複数配列されることにより形成された凹凸であり、
    拡散反射率が15%以上である、偏光分離フィルム。
  2. 基材と、
    前記基材の面に積層された凹凸形状の層からなる、又は前記基材の面自体が凹凸に形成されることからなる、凹凸形成層と、
    前記凹凸形成層に積層されたコレステリック液晶構造を具備するコレステリック液晶層と、を備え、
    前記凹凸形成層の前記凹凸は、半円断面を有した柱状の凸部が間隔を有して複数配列されることにより形成された凹凸であり、
    拡散反射率が15%以上である、
    偏光分離フィルム。
JP2016227566A 2016-11-24 2016-11-24 偏光分離フィルム Active JP6880672B2 (ja)

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