JP6879173B2 - 開閉装置 - Google Patents

開閉装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6879173B2
JP6879173B2 JP2017217248A JP2017217248A JP6879173B2 JP 6879173 B2 JP6879173 B2 JP 6879173B2 JP 2017217248 A JP2017217248 A JP 2017217248A JP 2017217248 A JP2017217248 A JP 2017217248A JP 6879173 B2 JP6879173 B2 JP 6879173B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
insulator
magnetic
magnetic material
switchgear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017217248A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019087513A (ja
Inventor
渡邉 真也
真也 渡邉
勝志 中田
勝志 中田
雄大 相良
雄大 相良
克輝 堀田
克輝 堀田
康平 松村
康平 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2017217248A priority Critical patent/JP6879173B2/ja
Publication of JP2019087513A publication Critical patent/JP2019087513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6879173B2 publication Critical patent/JP6879173B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arc-Extinguishing Devices That Are Switches (AREA)

Description

この発明は、電流を導通および遮断する開閉装置に関するものである。
従来の開閉装置では、電流を遮断するため一対の接点を閉状態から開状態に動作する際に、この一対の接点の間にアーク放電が発生することがある。この場合、アーク放電に永久磁石により形成される磁場を作用させて、このアーク放電をローレンツ力により延伸し消弧する(例えば、特許文献1)。
特開2015−88477
従来の開閉装置では、アーク放電を消弧する場合、アーク放電は永久磁石の配置された方向に延伸され、アーク放電の一部分は永久磁石の近傍に膠着する。この際、永久磁石がアーク放電に伴う熱により減磁してしまい、開閉装置の開閉動作の回数が制限されてしまう問題があった。
この発明に係わる開閉装置、これらの課題を解決するためになされたものであり、アーク放電に伴う熱による永久磁石の減磁を抑制し、従来に比べて開閉動作の回数を向上することができる。
この発明に係る開閉装置は、開閉自在の一対の接点を有する開閉機構と、板状の第1の磁性体とこの第1の磁性体の一方の主面の側に、表面と反対側の面を向け配置される板状の第1の絶縁体とを有し、一対の接点の開閉方向の側方に第1の絶縁体の表面を向け配置される第1の側壁と、板状の第2の磁性体とこの第2の磁性体の一方の主面の側に、表面と反対側の面を向け配置される板状の第2の絶縁体とを有し、一対の接点を挟み、第1の絶縁体の表面と第2の絶縁体の前記表面とが対向するように配置される第2の側壁とを備える。
さらに、この発明に係る開閉装置は、第1の側壁と前記第2の側壁とに沿う方向のうち、一対の接点の位置から一方の方向の側のみに配置され、第1の磁性体と第2の磁性体とを磁化し、第1の側壁と第2の側壁とに挟まれる空間に磁場を形成する磁石とを備え
磁場形成用磁石の磁力により、一対の接点の位置では、一方の方向の反対方向へ磁力線が形成され、かつ第1の絶縁体の表面では、第1の磁性体から第1の絶縁体の方向へ磁力線が形成され、かつ第2の絶縁体の表面では、第2の磁性体から第2の絶縁体の方向へ磁力線が形成される、あるいは、磁場形成用磁石の磁力により、一対の接点の位置では、一方の方向へ磁力線が形成され、かつ第1の絶縁体の表面では、第1の絶縁体から第1の磁性体の方向へ磁力線が形成され、かつ第2の絶縁体の表面では、第2の絶縁体から第2の磁性体の方向へ磁力線が形成される。

この発明によれば、永久磁石の配置位置から遠ざける方向に、アーク放電を延伸すことにより、アーク放電に伴う熱による永久磁石の減磁を抑制することが可能になり、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができる。すなわち、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1に係る開閉装置100または開閉装置101の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置100のアーク消弧部5および周辺の平面図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置100または開閉装置101のアーク消弧部5の斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置100の各部の磁力線の方向を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置100の可動接触子3と固定接触子4との閉状態の模式図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置100の可動接触子3と固定接触子4との開状態の模式図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置100のアーク放電の電流が紙面下から紙面上へ向く場合のアーク放電の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置100のアーク放電の電流が紙面上から紙面下へ向く場合のアーク放電の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置101の各部の磁力線の方向を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置101のアーク放電の電流が紙面上から紙面下へ向く場合のアーク放電の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置101のアーク放電の電流が紙面上から紙面下へ向く場合のアーク放電の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る開閉装置が備えるアーク消弧部5cの平面、磁場の方向、およびアーク放電の延伸の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る開閉装置が備えるアーク消弧部5dの平面、磁場の方向、およびアーク放電の延伸の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る開閉装置が備えるアーク消弧部5eの平面、磁場の方向、およびアーク放電の延伸の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る開閉装置が備えるアーク消弧部5fの平面、磁場の方向、およびアーク放電の延伸の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態5に係る開閉装置が備えるアーク消弧部5gの平面、磁場の方向、およびアーク放電の延伸の軌道を示す図である。 この発明の実施の形態6に係る開閉装置102の断面図である。 この発明の実施の形態6に係る開閉装置102のアーク消弧部5hおよび周辺の平面図である。 この発明の実施の形態7に係る開閉装置が備えるアーク消弧部5jの断面図である。 この発明の実施の形態7に係る開閉装置が備えるアーク消弧部5kの断面図である。
実施の形態1.
図1〜図11は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものである。
はじめに、図1〜図3を参照して、実施の形態1に係る開閉装置100の構成を説明する。図1は、開閉装置100の断面図であり、図2は、図1に記す矢印Aの方向からのアーク消弧部5および周辺の平面図である。さらに、図3は、アーク消弧部5の斜視図である。
なお、図1は、後述する別の本実施の形態1に記す開閉装置101の断面図を兼ねる。この場合、開閉装置100に内蔵されるアーク消弧部5に代わり、開閉装置101には、アーク消弧部5bが内蔵される。また、図3は、開閉装置101に内蔵するアーク消弧部5bの斜視図を兼ねる。
図1を参照して、絶縁性樹脂などで構成されるケース1には、可動接触子3、固定接触子4、アーク消弧部5、第1導電体11、第2導電体12、第1端子台13、第2端子台14、および接続導体17が内蔵される。
さらに、ケース1の上部を、絶縁性樹脂などで構成されたカバー2で覆うことで、ケース1の内部を保護する。
可動接触子3は、回転軸32を中心に回転自在に構成され、可動接触子3の一端に形成された可動接点31と、固定接触子4の表面に形成された固定接点41とで、一対の接点を構成する。
なお、ケース1の内部には、図示しない駆動機構部とリレー部とを配置する。駆動機構部は、可動接触子3を、回転軸32を中心に回転させ、可動接点31と固定接点41との間を開閉させる機構を備え、リレー部の動作による電力の供給により、後述する可動接点31と固定接点41との開動作および閉動作を実行する。
さらに、可動接触子3は、接続導体17に電気的に接続される。接続導体17は、第1導電体11に電気的に接続され、第1導電体11は、第1端子台13に電気的に接続される。すなわち、可動接触子3の可動接点31は、第1端子台13に電気的に接続される。
一方、固定接触子4は、第2導電体12に電気的に接続される。第2導電体12は、第2端子台14に電気的に接続される。すなわち、固定接触子4の固定接点41は、第2端子台14に電気的に接続される。
なお、一般的に開閉装置100は、第1端子台13および第2端子台14にそれぞれ外部の電源あるいは負荷などの機器に接続された状態で使用される。
第1端子台13には、一方の外部の機器に接続された配線の一方の端子(図示せず)が接続される。この端子は、第1端子台13の上に配置され、ネジ15を第1端子台13に締め込み固定される。
同様に、第2端子台14には、もう一方の外部の機器に接続された配線の一方の端子(図示せず)が接続される。この端子は、第2端子台14の上に配置され、ネジ16を第2端子台14に締め込み固定される。
また、固定接点41は、後述するアーク消弧部5を構成する第1側壁57と第2側壁58との間の空間Ssに配置され、後述する可動接点31と固定接点41との開閉方向は、第1側壁57と第2側壁58とに沿う方向となる。
つぎに、図2および図3を参照して、アーク消弧部5の構造を詳細に説明する。
図2は、固定接触子4、およびアーク消弧部5を示す。また、アーク消弧部5は、第1磁性体51、第2磁性体52、第1絶縁体53、第2絶縁体54、第1磁石55、第2磁石56、消弧板59、ケース551、およびケース561を含む。
図2を参照して、第1磁性体51は、鉄、コバルト、およびニッケルなどで形成された板状の磁性体である。第1磁性体51の一方の主面には、板状の耐熱性および絶縁性を有するセラミック等で形成された第1絶縁体53を配置し、第1磁性体51と第1絶縁体53とで、第1側壁57を構成する。
第1磁性体51と同様に、第2磁性体52は、鉄、コバルト、およびニッケルなどで形成された板状の磁性体である。第2磁性体52の一方の主面には、第1絶縁体53と同様に板状の耐熱性および絶縁性を有するセラミック等で形成された第2絶縁体54を配置し、第2磁性体52と第2絶縁体54とで、第2側壁58を構成する。なお、厚さtmは、第1磁性体51および第2磁性体52の板厚を示す。
後述する固定接点41と可動接点31との開閉方向は、図2の紙面の概ね上下の方向であり、第1側壁57は、第1絶縁体53の表面53fを、この開閉方向の側方に向けて配置される。
さらに、第2側壁58は、固定接点41と可動接点31とを挟み、第2絶縁体54の表面54fを向け、第1側壁57に対向するように配置される。すなわち、固定接点41は、第1側壁57と第2側壁58とに挟まれる空間Ssに配置される。なお、幅Wsは、空間Ssの幅を示す。
つぎに、第1磁石55の位置および第2磁石56の位置について説明する。
矢印で示す方向aは、第1側壁57と第2側壁58とに沿った方向の一方である。さらに、矢印で示す方向bは、方向aとは反対の方向の第1側壁57と第2側壁58とに沿った方向である。
さらに、一点鎖線Bは、固定接点41の位置を基点とし、方向aと方向bとに概ね垂直であり、開閉装置100を二分する線である。
また、矢印で示す方向cは、第1絶縁体53の表面53fに概ね垂直であり、第1磁性体51から第1絶縁体53へ向く方向を示す。また、矢印で示す方向dは、第2絶縁体54の表面54fに概ね垂直であり、第2磁性体52から第2絶縁体54へ向く方向を示す。
永久磁石で形成された第1磁石55は、一点鎖線Bより方向a側の第1磁性体51の裏面51rに配置され、第1磁性体51を磁化する。また、矢印M1は、第1磁石55の着磁方向を示し、方向cと概ね同様な方向である。なお、第1磁石55は、衝撃、水分などから保護するために、ケース551で覆われる。
同様に、永久磁石で形成された第2磁石56は、一点鎖線Bより方向a側の第2磁性体52の裏面52rに配置され、第2磁性体52を磁化する。また、矢印M2は、第2磁石56の着磁方向を示し、方向dと概ね同様な方向である。なお、第2磁性体52は、衝撃、水分などから保護するために、ケース561で覆われる。
複数の金属板で構成された消弧板59は、方向bの側の第1側壁57と第2側壁58との終端近傍に配置される。言い換えると、アーク消弧部5は、方向bの側に消弧板59を備える。後述するアーク放電が空間Ssの外側まで延伸した時に、このアーク放電を冷却し、抵抗を高めることにより、このアーク放電を消弧する。
つぎに、図4を参照して、第1磁石55と第2磁石56とにより形成される磁場について説明する。
図4は、この発明の実施の形態1に係る開閉装置100の各部の磁場の方向を示す平面図であり、図2と同様な方向からの平面図を示す。なお、図中に、固定接触子4、ケース551、ケース561、および消弧板59の記載を省略する。
また、空間Ssおよびこの近傍に記す実線の矢印は、図中の位置の磁場の方向を示す。
はじめに、第1絶縁体53の表面53fおよび表面53fの近傍における磁場の方向を説明する。
第1磁石55の近傍に点線で示す領域S571の内部の磁場の方向f72は、方向cである。さらに、領域S571から方向aの側の領域において、磁場の方向は方向cの成分に方向aの成分を重畳した方向f71である。また、領域S571から方向bの側の領域において、磁場の方向は、方向cの成分に方向bの成分を重畳した方向f73である。
さらに、一点鎖線Bより方向bの側の点線で示す領域S572の内部でも同様に、磁場の方向は、方向cの成分に方向bの成分を重畳した方向である。
言い換えると、第1絶縁体53の表面53fおよび表面53fの近傍における磁場は、位置によっては方向aまたは方向bの成分が重畳し、第1磁性体51から第1絶縁体53へ向く方向である。
さらに、第2絶縁体54の表面54fおよび表面54fの近傍における磁場の方向を説明する。
第2磁石56の近傍に点線で示す領域S581の内部の磁場の方向f82は、方向dである。さらに、領域S581から方向aの側の領域において、磁場の方向は、方向dの成分に方向aの成分を重畳した方向f81である。また、領域S581から方向bの側の磁場の方向は、方向dの成分に方向bの成分を重畳した方向f83である。さらに、一点鎖線Bより方向bの側の点線で示す領域S582の内部でも同様に、磁場の方向は、方向dの成分に方向bの成分を重畳した方向である。
言い換えると、第2絶縁体54の表面54fおよび表面54fの近傍における磁場は、位置によっては方向aまたは方向bの成分が重畳し、第2磁性体52から第2絶縁体54へ向く方向である。
さらに、固定接点41の位置およびその近傍の領域S411での磁場の方向は、方向bである。また、領域S411の方向bの側から第1側壁57(および第2側壁58)の終端近傍までの点線で示す領域Sscの内部の磁場の方向は、方向bである。
なお、領域Sscと領域S572とに挟まれた領域においては、領域Sscから領域S572へ向かうにしたがい、方向cの磁場の成分が大きくなる。
同様に、領域Sscと領域S582とに挟まれた領域においては、領域Sscから領域S582へ向かうにしたがい、方向dの磁場の成分が大きくなる。
さらに、方向bの側の空間Ssから外側の領域Sbsにおける磁場の方向は、概ね方向bを向く。また、領域Sbsの内部の方向dの側では、方向cの磁場の成分が重畳し、領域Sbsの内部の方向cの側では、方向dの磁場の成分が重畳する。
つぎに、図5および図6を参照して、実施の形態1に係る開閉装置100の動作を説明する。なお、図中には、図1に示す部位のうち可動接触子3と固定接触子4を示す。図5は、開閉装置100の模式図であり閉状態を示し、図6は、開閉装置100の模式図であり開状態を示す。
図5を参照して、開閉装置100の閉状態を説明する。
開閉装置100の閉状態は、後述する開状態から回転軸32を回転中心に可動接触子3を回動し、可動接点31と固定接点41とが接触した状態である。閉状態では、可動接点31と固定接点41とを介して、可動接触子3と固定接触子4とは電気的に接続する。なお、第1端子台13と第2端子台14との間に電圧が印加されている場合、可動接点31と固定接点41との間に電流が流れる。
さらに、図6を参照して、開閉装置100の開状態を説明する。
開閉装置100の開状態は、前述した閉状態から回転軸32を回転中心に可動接触子3を回動し、可動接点31と固定接点41とが解離した状態である。開状態では、可動接触子3と固定接触子4とは電気的に絶縁する。
しかしながら、第1端子台13と第2端子台14との間に電圧が印加され、可動接点31と固定接点41との間に電流が流れている場合、閉状態から開状態へ動作した直後では、可動接点31と固定接点41との間にアーク放電が発生することがある。
詳細は後述するが、第1磁石55と第2磁石56とにより形成される磁場により、アーク放電にローレンツ力が作用し、アーク放電は延伸され消弧する。
図中の経路D1、経路D2、および経路D3は、アーク放電が延伸する時間経過後のアーク放電の経路を示す。
はじめに、可動接点31と固定接点41との間にアーク放電は、経路D1に延伸され、時間経過を追って、経路D2、および経路D3へ延伸される。言い換えると、アーク放電は、方向bへ延伸される。なお、アーク放電が延伸され消弧すると、可動接触子3と固定接触子4とは電気的に絶縁する。
また、本実施の形態1における開閉方向とは、回転軸32を回転中心に可動接触子3が回転する際の可動接点31の軌道eの全ての接線方向を含む。
つぎに、図7および図8を参照して、可動接点31と固定接点41との間にアーク放電が発生した場合に、このアーク放電にローレンツ力が作用し、このアーク放電が消弧するメカニズムについて詳細に説明する。
図7および図8は、図4と同様に平面図を示す。図7は、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を示し、図8は、アーク放電による電流の方向が紙面上から紙面下である場合を示す。
はじめに、図7を参照して、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を説明する。
位置C11はアーク放電が発生する初期の位置を示し、概ね固定接点41の上方の位置である。軌道K1はアーク放電の延伸方向の軌道を示し、位置C12は、軌道K1の途中の位置を示す。
当初、開閉装置100は閉状態であり、可動接点31と固定接点41とを経由し、第2端子台14から第1端子台13へ向かって電流が流れているものとする。
その後、外部からの遮断指示により、開閉装置100は、閉状態から開状態に動作する。このときに、位置C11でアーク放電が発生する。なお、アーク放電による電流の方向は紙面下から紙面上になる。
前述したように領域S411の内部では、磁場の方向は方向bであるので、フレミングの左手の法則にしたがい、ローレンツ力はアーク放電に方向bとは垂直であり第2側壁58を向く方向F11へ作用する。そのため、当初アーク放電は、第2側壁58の方へ延伸する。
さらに、アーク放電が領域S411の領域外まで延伸すると磁場の方向dの成分の影響により、アーク放電は方向bへもローレンツ力が作用する。すなわち、位置C12に示すように、方向F12へローレンツ力が作用する。言い換えると、アーク放電は、第2絶縁体54に押し付けられながら、軌道K1をたどり方向bに延伸する。なお、この際、第2絶縁体54の表面54fは、熱伴うアーク放電に晒されるので、第2絶縁体54は、耐熱性および絶縁性を備える必要がある。
アーク放電の延伸の長さに応じて、アーク放電の両端間の抵抗であるアーク抵抗が増加し、アーク放電の両端間の電圧を維持できなくなり、アーク放電は消弧する。
つぎに、図8を参照して、アーク放電による電流の方向が紙面上から紙面下である場合を示す。
図7と同様に、位置C11はアーク放電が発生する初期の位置を示し、概ね固定接点41の上方の位置である。軌道K2はアーク放電の延伸方向の軌道を示し、位置C22は、軌道K2の途中の位置を示す。
当初、開閉装置100は閉状態であり、可動接点31と固定接点41とを経由し、第1端子台13から第2端子台14へ向かって電流が流れているものとする。
その後、外部からの遮断指示により、開閉装置100は、閉状態から開状態に動作する。このときに、位置C11でアーク放電が発生する。なお、アーク放電による電流の方向は紙面上から紙面下になる。
前述したように、領域S411では、磁場の方向は方向bであるので、フレミングの左手の法則にしたがい、ローレンツ力はアーク放電に方向bとは垂直あり第1側壁57を向く方向F21へ作用する。そのため、当初アーク放電は、第1側壁57の方へ延伸する。
さらに、アーク放電が領域S411の領域外まで延伸すると磁場の方向cの成分の影響により、アーク放電は方向bへもローレンツ力が作用する。すなわち、位置C22に示すように、方向F22へローレンツ力が作用する。言い換えると、アーク放電は、第1絶縁体53に押し付けられながら、軌道K2をたどり方向bに延伸する。
アーク放電の延伸の長さに応じて、アーク抵抗が増加し、アーク放電の両端間の電圧を維持できなくなり、アーク放電は消弧する。
なお、開閉装置100の場合、アーク放電が延伸する先には、消弧板59が配置される。アーク放電が消弧板59に到達する前に消弧しない時は、アーク放電は、消弧板59に衝突し、冷却され消弧する。
開閉装置100では、アーク放電は第1磁石55と第2磁石56とに、遠ざかる方向へ延伸され消弧するので、アーク放電に伴う熱により第1磁石55と第2磁石56との減磁を抑制することが可能となる。
つぎに、図1、図3、および図9〜図11を参照して、前述した開閉装置100とは別の本実施の形態1に係る開閉装置101の構成を説明する。
なお、前述したように、図1は、開閉装置100と開閉装置101との断面図を兼ねる。開閉装置101には、アーク消弧部5bが内蔵される。また、図3は、開閉装置101に内蔵するアーク消弧部5bの斜視図を兼ねる。
さらに、開閉装置101は、後述する第1磁石55rおよび第2磁石56rの着磁方向が開閉装置100の第1磁石55および第2磁石56に異なるので、形成する磁場に関しても開閉装置100と異なる。
図9は、この発明の実施の形態1に係る開閉装置101の各部の磁場の方向を示す平面図である。図中の空間Ssの中および近傍に記す実線の矢印は、図4と同様に磁場の方向を示す。図10は、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を示し、図11は、アーク放電による電流の方向が紙面上から紙面下である場合をそれぞれ示す。
なお、図中の図1〜図8と同一記号および同一符号は、開閉装置100と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
図9を参照して、開閉装置101の構成を説明する。
図中の矢印で示す方向crは、第1絶縁体53の表面53fに概ね垂直であり、第1絶縁体53から第1磁性体51へ向く方向を示す。言い換えると、方向crは、方向cと反対の方向である。また、矢印で示す方向drは、第2絶縁体54の表面54fに概ね垂直であり、第2絶縁体54から第2磁性体52へ向く方向を示す。言い換えると、方向drは、方向dと反対の方向である。
開閉装置101の第1磁石55rは、開閉装置100の第1磁石55と、取り付け位置および材質は、同一あるいは同等であるが、着磁方向が異なる。矢印M1rは、第1磁石55rの着磁方向を示し、方向crと概ね同様な方向である。
同様に、開閉装置101の第2磁石56rは、開閉装置100の第2磁石56と、取り付け位置および材質は、同一あるいは同等であるが、着磁方向が異なる。矢印M2rは、第2磁石56rの着磁方向を示し、方向drと概ね同様な方向である。
つぎに、第1絶縁体53の表面53fおよび表面53fの近傍における磁場の方向を説明する。
第1磁石55rの近傍に点線で示す領域S571の内部の磁場の方向f72rは、方向crである。さらに、領域S571から方向aの側の領域において、磁場の方向は方向crの成分に方向bの成分を重畳した方向f71である。また、領域S571から方向bの側の領域において、磁場の方向は、方向crの成分に方向aの成分を重畳した方向f73rである。
さらに、一点鎖線Bより方向bの側の点線で示す領域S572の内部でも同様に、磁場の方向は、方向crの成分に方向aの成分を重畳した方向である。
言い換えると、第1絶縁体53の表面53fおよび表面53fの近傍における磁場は、位置によっては方向aまたは方向bの成分が重畳し、第1絶縁体53から第1磁性体51へ向く方向である。
つぎに、第2絶縁体54の表面54fおよび表面54fの近傍における磁場の方向を説明する。
第2磁石56rの近傍に点線で示す領域S581の内部の磁場の方向f82rは、方向drである。さらに、領域S581から方向aの側の領域において、磁場の方向は、方向drの成分に方向bの成分を重畳した方向f81rである。また、領域S581から方向bの側の磁場の方向は、方向drの成分に方向aの成分を重畳した方向f83rである。さらに、一点鎖線Bより方向bの側の点線で示す領域S582の内部でも同様に、磁場の方向は、方向drの成分に方向aの成分を重畳した方向である。
言い換えると、第2絶縁体54rの表面54fおよび表面54fの近傍における磁場は、位置によっては方向aまたは方向bの成分が重畳し、第2絶縁体54から第2磁性体52へ向く方向である。
さらに、固定接点41の位置およびその近傍の領域S411での磁場の方向は、方向aである。なお、領域S411の方向bの側から第1側壁57(および第2側壁58)の終端近傍までの点線で示す領域Sscの磁場の方向は、方向aである。
なお、領域Sscと領域S572とに挟まれた領域においては、領域Sscから領域S572へ向かうにしたがい、方向crの磁場の成分が大きくなる。
同様に、領域Sscと領域S582とに挟まれた領域においては、領域Sscから領域S582へ向かうにしたがい、方向drの磁場の成分が大きくなる。
さらに、方向bの側の空間Ssから外側の領域Sbsにおける磁場の方向は、概ね方向aを向く。また、領域Sbsの内部の方向drの側では、方向drの磁場の成分が重畳し、領域Sbsの内部の方向crの側では、方向crの磁場の成分が重畳する。
つぎに、図10および図11を参照して、可動接点31と固定接点41との間にアーク放電が発生した場合に、このアーク放電にローレンツ力が作用し、このアーク放電が消弧するメカニズムについて詳細に説明する。
はじめに、図10を参照して、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を説明する。
当初、開閉装置101は閉状態であり、可動接点31と固定接点41とを経由し、第2端子台14から第1端子台13へ向かって電流が流れているものとする。
その後、外部からの遮断指示により、開閉装置101は、閉状態から開状態に動作する。このときに、位置C11でアーク放電が発生する。アーク放電による電流の方向は紙面下から紙面上になる。
前述したように、領域S411では、磁場の方向は方向aであるので、フレミングの左手の法則にしたがい、ローレンツ力はアーク放電に方向aとは垂直であり第1側壁57を向く方向F21rへ作用する。そのため、当初アーク放電は、第1側壁57の方へ延伸する。
さらに、アーク放電が領域S411の領域外まで延伸すると磁場の方向crの成分の影響により、アーク放電は方向bへもローレンツ力が作用する。すなわち、位置C13に示すように、方向F22rへローレンツ力が作用する。言い換えると、アーク放電は、第1絶縁体53に押し付けられながら、軌道K2rをたどり方向bに延伸する。
アーク放電の延伸の長さに応じて、アーク抵抗が増加し、アーク放電の両端間の電圧を維持できなくなり、アーク放電は消弧する。
つぎに、図11を参照して、アーク放電による電流の方向が紙面上から紙面下である場合を示す。
当初、開閉装置101は閉状態であり、可動接点31と固定接点41とを経由し、第1端子台13から第2端子台14へ向かって電流が流れているものとする。
その後、外部からの遮断指示により、開閉装置101は、閉状態から開状態に動作する。このときに、位置C11でアーク放電が発生する。アーク放電による電流の方向は紙面上から紙面下になる。
前述したように、領域S411では、磁場の方向は方向aであるので、フレミングの左手の法則にしたがい、ローレンツ力はアーク放電に方向aとは垂直であり第2側壁58を向く方向F11rへ作用する。そのため、当初アーク放電は、第2側壁58の方へ延伸する。
さらに、アーク放電が領域S411の領域外まで延伸すると磁場の方向drの成分の影響により、アーク放電は方向bへもローレンツ力が作用する。すなわち、位置C23に示すように、方向F12rへローレンツ力が作用する。言い換えると、アーク放電は、第1絶縁体53に押し付けられながら、軌道K1rをたどり方向bに延伸する。
アーク放電の延伸の長さに応じて、アーク抵抗が増加し、アーク放電の両端間の電圧を維持できなくなり、アーク放電は消弧する。
なお、開閉装置101の場合、アーク放電が延伸する先には、消弧板59が配置される。アーク放電が消弧板59に到達する前に消弧しない時は、アーク放電は、消弧板59に衝突し、分断され消弧する。
すなわち、開閉装置100と同様に、開閉装置101は、アーク放電を第1磁石55rと第2磁石56rとに、遠ざかる方向へ延伸し消弧するので、アーク放電に伴う熱により第1磁石55rと第2磁石56rとの減磁を抑制することが可能となる。
前述したように本実施の形態1によれば、アーク放電に伴う熱による第1磁石と第2磁石との減磁を抑制することが可能となる。すなわち、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができ、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、アーク放電の延伸を促進するため、誘引用磁石61を備える形態を説明する。さらに、別の本実施の形態2では、誘引棒64を備える形態を説明する。
誘引用磁石61および誘引棒64を配することにより、アーク放電の延伸を促進し急速にアーク放電を消弧することができる。
図12は、本実施の形態2の開閉装置が備えるアーク消弧部5cの平面図であり、アーク放電が発生した場合のアーク放電が延伸される方向の軌跡、および磁場の方向を記す。
なお、アーク消弧部5cを備える開閉装置は、開閉装置100とほぼ同等であり、アーク消弧部5に代わりアーク消弧部5cが配置されるものとする。
さらに、図中の図1〜図11と同一記号および同一符号は、実施の形態1と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
同様に、図中の空間Ssの中および近傍に記す実線の矢印は、磁場の方向を示す。また、図7と同様に、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を示す。
アーク消弧部5cは、第1磁性体51、第2磁性体52、第1絶縁体53、第2絶縁体54、第1磁石55、第2磁石56、ケース551、ケース561、誘引用磁石61およびケース661を含む。
はじめに、図12を参照して、アーク消弧部5cの構造を詳細に説明する。
誘引用磁石61は、方向bの側の空間Ssから外側に配置される。言い換えると、アーク消弧部5cは、方向bの側に、誘引用磁石61を備える。
また、矢印Maは、誘引用磁石61の着磁方向を示し、方向bと概ね同様な方向である。なお、誘引用磁石61は、アーク放電による熱および電流から保護するために、耐熱性および絶縁性を有するセラミック製のケース611で覆われる。
さらに、誘引用磁石61の作用について説明する。
誘引用磁石61の設置により、磁場の強度が増強する。特に空間Ssの一点鎖線Bより方向bの側の磁場の強度が増強するので、発生したアーク放電は、軌道K1を辿り急速に延伸される。すなわち、アーク放電を急速に消弧することができる。
図13は、別の本実施の形態2の開閉装置が備えるアーク消弧部5dの平面図であり、アーク放電が発生した場合のアーク放電が延伸される方向の軌跡、および磁場の方向を記す。
なお、アーク消弧部5dを備える開閉装置は、開閉装置100とほぼ同等であり、アーク消弧部5に代わりアーク消弧部5dが配置されるものとする。
さらに、図中の図1〜図11と同一記号および同一符号は、実施の形態1と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
同様に、図中の空間Ssの中および近傍に記す実線の矢印は、磁場の方向を示す。また、図7と同様に、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を示す。
アーク消弧部5dは、第1磁性体51、第2磁性体52、第1絶縁体53、第2絶縁体54、第1磁石55、第2磁石56、ケース551、ケース561、誘引棒64、およびケース641を含む。
はじめに、図13を参照して、アーク消弧部5dの構造を詳細に説明する。
誘引棒64は、誘引用磁石62の主面に、誘引用磁性体63が接続される構造を備える。さらに、誘引棒64は、アーク放電による熱および電流から保護するために、耐熱性および絶縁性を有するセラミック製のケース641で覆われる。
さらに、誘引棒64を構成する誘引用磁性体63の先端部を含む部位は、方向bの側の空間Ssの内部に、誘引用磁性体63と第1絶縁体53との間および誘引用磁性体63と第2絶縁体54との間にアーク放電が延伸される空間を設け設置され、その他の誘引棒64を構成する部位は方向bの側の空間Ssの外側に設置される。言い換えると、アーク消弧部5dは、方向bの側に、誘引棒64を備える。なお、矢印Maは、誘引用磁石61と同様に誘引用磁石62の着磁方向を示し、方向bと概ね同様な方向である。
つぎに、誘引棒64の作用について説明する。
誘引棒64の設置により、磁場の強度が増強する。特に空間Ssの一点鎖線Bより方向bの側の磁場の強度が増強するので、発生したアーク放電は、軌道K1を辿り急速に延伸される。すなわち、アーク放電を急速に消弧することができる。
前述したように本実施の形態2によれば、アーク放電を急速に消弧することができる。さらに、実施の形態1と同様に、アーク放電に伴う熱による第1磁石と第2磁石との減磁を抑制することが可能となる。すなわち、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができ、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
実施の形態3.
実施の形態1および2では、第1磁石および第2磁石の2個の永久磁石を備える形態を説明した。本実施の形態3では、第3磁石のみの1個の永久磁石を備える形態を説明する。永久磁石の数が1個であるので、本実施の形態3に示す開閉装置は、実施の形態1に示す開閉装置に比べ製造時間の短縮することができ、製造コストも低減することができる。
図14は、本実施の形態3の開閉装置が備えるアーク消弧部5eの平面図であり、アーク放電が発生した場合のアーク放電が延伸される方向の軌跡、および磁場の方向を記す。
なお、アーク消弧部5eを備える開閉装置は、開閉装置100とほぼ同等であり、アーク消弧部5に代わりアーク消弧部5eが配置されるものとする。
さらに、図中の図1〜図11と同一記号および同一符号は、実施の形態1と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
同様に、図中の空間Ssの中および近傍に記す実線の矢印は、磁場の方向を示す。また、図7と同様に、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を示す。
アーク消弧部5eは、第1磁性体51、第2磁性体52、第1絶縁体53、第2絶縁体54、第3磁石74、第3磁性体71、第3絶縁体72、およびケース741を含む。
図14を参照して、アーク消弧部5eの構造を詳細に説明する。
第3磁性体71は、第1磁性体51の方向bの側の端部および第2磁性体52の方向aの側の端部に接続される。なお、第3磁性体71は、第1磁性体51および第2磁性体52と同様に、鉄、コバルト、およびニッケルなどで形成された板状の磁性体である。
また、第3磁性体71の方向bの側の表面には、板状の耐熱性および絶縁性を有するセラミック等で形成された第3絶縁体72を配置し、第3磁性体71と第3絶縁体72とで、第3側壁73を構成する。
さらに、第3磁性体71の裏面71rに、第3磁石74を配置する。なお、第3磁石74は、衝撃、水分などから保護するために、ケース741で覆われる。また、矢印M3は、第3磁石74の着磁方向を示し、方向bと概ね同様な方向である。
つぎに、第3磁石74により形成される磁場について説明する。
第1絶縁体53の表面53fおよび表面53fの近傍の磁場の方向は、方向cの成分に方向bの成分を重畳した方向である。言い換えると、第1絶縁体53の表面53fおよび表面53fの近傍における磁場は、方向bの成分が重畳し、第1磁性体51から第1絶縁体53へ向く方向である。
さらに、第2絶縁体54の表面54fおよび表面54fの近傍の磁場の方向は、方向dの成分に方向bの成分を重畳した方向である。言い換えると、第2絶縁体54の表面54fおよび表面54fの近傍における磁場は、方向bの成分が重畳し、第2磁性体52から第2絶縁体54へ向く方向である。
また、第3絶縁体72の表面72fおよび表面72fの近傍の磁場の方向は、概ね方向bの方向である。言い換えると、第3絶縁体72の表面72fおよび表面72fの近傍における磁場は、第3磁性体71から第3絶縁体72へ向く方向である。
さらに、固定接点41の位置(図示せず)およびその近傍の領域S411での磁場の方向は、方向bである。また、領域S411の方向bの側から第1側壁57(および第2側壁58)の終端近傍までの領域Sscの磁場の方向は、方向bである。
なお、領域Sscと第1絶縁体53の表面53fとに挟まれた領域においては、領域Sscから第2絶縁体54の表面54fへ向かうにしたがい、方向cの磁場の成分が大きくなる。
同様に、領域Sscと第2絶縁体54の表面54fとに挟まれた領域においては、領域Sscから領域S582へ向かうにしたがい、方向dの磁場の成分が大きくなる。
さらに、方向bの側の空間Ssから外側の領域Sbsにおける磁場の方向は、概ね方向bを向く。また、領域Sbsの内部の方向dの側では、方向cの磁場の成分が重畳し、領域Sbsの内部の方向cの側では、方向dの磁場の成分が重畳する。
言い換えると、本実施の形態3の開閉器が備えるアーク消弧部5eの一点鎖線Bより方向bの側では、実施の形態1のアーク消弧部5と概ね同様な磁場の方向を有する。
また、実施の形態1と同様に、アーク放電が発生した場合、アーク放電は、軌道K1を辿り延伸される。すなわち、アーク放電を消弧することができる。
前述したように本実施の形態3によれば、永久磁石の数が1個であるので実施の形態1に示す開閉装置に比べ製造時間の短縮することができ、製造コストも低減することができる。
さらに、実施の形態1と同様に、アーク放電を消弧することができ、さらに、アーク放電に伴う熱による第3磁石との減磁を抑制することが可能となる。すなわち、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができ、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
実施の形態4.
実施の形態1および2では、第1磁石および第2磁石の2個の永久磁石を備える形態を説明した。また、実施の形態3では、第3磁石のみの1個の永久磁石を備える形態を説明した。本実施の形態4では、第1磁石、第2磁石、および第3磁石の3個の永久磁石を備える形態を説明する。
第1磁石、第2磁石、および第3磁石により強力な磁場を形成し、アーク放電の延伸を促進し急速にアーク放電を消弧することができる。
図15は、本実施の形態4の開閉装置が備えるアーク消弧部5fの平面図であり、アーク放電が発生した場合のアーク放電が延伸される方向の軌跡、および磁場の方向を記す。
なお、アーク消弧部5fを備える開閉装置は、開閉装置100とほぼ同等であり、アーク消弧部5に代わりアーク消弧部5fが配置されるものとする。
さらに、図中の図1〜図11、および図14と同一記号および同一符号は、実施の形態1および実施の形態3と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
同様に、図中の空間Ssの中および近傍に記す実線の矢印は、磁場の方向を示す。また、図7と同様に、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を示す。
アーク消弧部5fは、第1磁性体51、第2磁性体52、第1絶縁体53、第2絶縁体54、第1磁石55、第2磁石56、第3磁石74、第3磁性体71、第3絶縁体72、およびケース741を含む。
第1磁石55、第2磁石56、および第3磁石74により形成される磁場について説明する。
第1絶縁体53の表面53fおよび表面53fの近傍の磁場の方向は、方向cの成分に方向bの成分を重畳した方向である。言い換えると、第1絶縁体53の表面53fおよび表面53fの近傍における磁場は、方向bの成分が重畳し、第1磁性体51から第1絶縁体53へ向く方向である。
さらに、第2絶縁体54の表面54fおよび表面54fの近傍の磁場の方向は、方向dの成分に方向bの成分を重畳した方向である。言い換えると、第2絶縁体54の表面54fおよび表面54fの近傍における磁場は、方向bの成分が重畳し、第2磁性体52から第2絶縁体54へ向く方向である。
また、第3絶縁体72の表面72fおよび表面72fの近傍の磁場の方向は、概ね方向bの方向である。言い換えると、第3絶縁体72の表面72fおよび表面72fの近傍における磁場は、第3磁性体71から第3絶縁体72へ向く方向である。
さらに、固定接点41の位置(図示せず)およびその近傍の領域S411での磁場の方向は、方向bである。また、領域S411の方向bの側から第1側壁57(および第2側壁58)の終端近傍までの領域Sscの磁場の方向は、方向bである。
なお、領域Sscと第1絶縁体53の表面53fとに挟まれた領域においては、領域Sscから第1絶縁体53の表面53fへ向かうにしたがい、方向cの磁場の成分が大きくなる。
同様に、領域Sscと第2絶縁体54の表面54fとに挟まれた領域においては、領域Sscから第2絶縁体54の表面54fへ向かうにしたがい、方向dの磁場の成分が大きくなる。
さらに、方向bの側の空間Ssから外側の領域Sbsにおける磁場の方向は、概ね方向bを向く。また、領域Sbsの内部の方向dの側では、方向cの磁場の成分が重畳し、領域Sbsの内部の方向cの側では、方向dの磁場の成分が重畳する。
すなわち、本実施の形態4の開閉器が備えるアーク消弧部5fの磁場の方向は、実施の形態3と概ね同様な磁場の方向を有する。
さらに、第1磁石55、第2磁石56、および第3磁石74の3コの永久磁石を備えることにより、磁場の強度が増強する。特に空間Ssの一点鎖線Bより方向bの側の磁場の強度が増強するので、発生したアーク放電は、軌道K1を辿り急速に延伸される。すなわち、アーク放電を急速に消弧することができる。
さらに、実施の形態1と同様に、アーク放電に伴う熱による第1磁石、第2磁石、および第3磁石の減磁を抑制することが可能となる。すなわち、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができ、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
実施の形態5.
本実施の形態5では、第1磁性体51bおよび第2磁性体52bは、方向bの側で折れ曲がった部位(曲部51bc、曲部52bc)を有する構造を備える形態を説明する。
この構造により、第1磁性体51bと第1磁石55との間で形成される磁気回路の磁気抵抗を低減することができ、同様に第2磁性体52bの端部52beを第2磁石56の間で形成される磁気回路の磁気抵抗を低減することができる。それにより、アークの伸長先(方向b)においても磁性体から漏出する磁束密度を高く維持でき、アーク放電の延伸を促進し急速にアーク放電を消弧することができる。
図16は、本実施の形態5の開閉装置が備えるアーク消弧部5gの平面図であり、アーク放電が発生した場合のアーク放電が延伸される方向の軌跡、および磁場の方向を記す。
なお、アーク消弧部5gを備える開閉装置は、開閉装置100とほぼ同等であり、アーク消弧部5に代わりアーク消弧部5gが配置されるものとする。
さらに、図中の図1〜図11と同一記号および同一符号は、実施の形態1と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
同様に、図中の空間Ssの中および近傍に記す実線の矢印は、磁場の方向を示す。また、図7と同様に、アーク放電による電流の方向が紙面下から紙面上である場合を示す。
図16を参照して、アーク消弧部5gの構造を詳細に説明する。
点線で囲まれた第1磁性体51bの部位は、第1磁性体51bの曲部51bcを示す。曲部51bcの位置で第1磁性体51bは方向cの反対方向に折り曲がり、第1磁性体51bの端部51beは第1磁石55に近接する。言い換えると、端部51beは、曲部51bc位置より第1磁石55に近くなるように設定される。
同様に、点線で囲まれた第2磁性体52bの部位は、第2磁性体52bの曲部52bcを示す。曲部52bcの位置で第2磁性体52bは方向dの反対方向に折り曲がり、第2磁性体52bの端部52beは第2磁石56に近接する。言い換えると、端部52beは、曲部52bc位置より第2磁石56に近くなるように設定される。
端部51beと第1磁石55とが近接することにより、第1磁性体51bと第1磁石55との間で形成される磁気回路の磁気抵抗を低減することができる。同様に、端部52beと第2磁石56とが近接することにより、第1磁性体51bと第2磁石56との間で形成される磁気回路の磁気抵抗を低減することができる。それにより、アークの伸長先(方向b)においても磁性体から漏出する磁束密度を高く維持できる。そのため、アーク放電が発生した場合、アーク放電の延伸を促進し急速にアーク放電を消弧することができる。
さらに、空間Ssの磁束密度を高くする構成について説明する。
端部51beと第1磁石55の裏面55n(第1磁性体51bと対向する面と反対の面)との間隔を間隔Lm1とし、端部52beと第2磁石56の裏面56n(第2磁性体52bと対向する面と反対の面)との間隔を間隔Lm2とする。さらに、第1磁性体51bと第2磁性体52bとの間隔を間隔Lbとする。
間隔Lm1および間隔Lm2より、間隔Lbが長くなるように設定する。これにより、第1磁石55が形成する磁場と第2磁石56が形成する磁場との干渉を低減することができるので、空間Ssの磁束密度をより安定に形成させることができる。そのため、アーク放電が発生した場合、アーク放電の延伸を、さらに促進し急速にアーク放電を消弧することができる。
前述したように本実施の形態5によれば、アーク放電を急速に消弧することができる。さらに、実施の形態1と同様に、アーク放電に伴う熱による第1磁石と第2磁石との減磁を抑制することが可能となる。すなわち、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができ、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
実施の形態6.
実施の形態1〜5では、可動接点31と固定接点41とで一対の接点を構成し、この一対の接点で、開閉動作を実行する開閉装置について説明した。
本実施の形態6では、2つの接点を備え、これらの接点を同時に開閉動作する形態を説明する。
図17は、本実施の形態6の開閉装置102の断面図であり、図18は、図17に記す矢印A2の方向からのアーク消弧部5hおよび周辺の平面図である。
さらに、図中の図1〜図11と同一記号および同一符号は、実施の形態1と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
図17を参照して、開閉装置102の構造を説明する。
絶縁性樹脂などで構成されるケース1bおよびケース1cには、電磁駆動制御部81が内蔵される。電磁駆動制御部81は、絶縁性の材質で構成された絶縁ロッド82の一端に接続し、絶縁ロッド82を上下動する機構を備える。
さらに、絶縁ロッド82はケース1cを貫通し、絶縁ロッド82のもう一端は、可動接触子3bに接続される。
可動接触子3bは、一端に可動接点31bを、もう一端に可動接点31cをそれぞれ備える。すなわち、可動接点31bと可動接点31cとは電気的に接続される。固定接触子4bはその一端に固定接点41bを、固定接触子4cはその一端に固定接点41cをそれぞれ備える。
可動接点31bと固定接点41bとで一対の接点を構成し、同様に可動接点31cと固定接点41cとで一対の接点を構成する。すなわち、この2組の一対の接点は、絶縁ロッド82を上下動させることにより、同時に開状態から閉状態へ動作、および同時に閉状態から開状態へ動作をする機構を備える。
なお、アーク消弧部5hは、第1磁性体51、第2磁性体52、第1絶縁体53、第2絶縁体54、第1磁石55、および第2磁石56を含む。さらに、ケース1cの上部を、絶縁性樹脂などで構成されたカバー2bで覆うことで、アーク消弧部5h、固定接点41b、固定接触子4c、および絶縁ロッド82を保護する。
つぎに、図18を参照して、アーク消弧部5hおよび周辺の構造を詳細に説明する。
固定接点41bと可動接点31bとの開閉方向および固定接点41cと可動接点31cとの開閉方向は、図18の紙面の概ね上下の方向であり、第1側壁57は、第1絶縁体53の表面53fを、これらの開閉方向の側方に向けて配置される。
さらに、第2側壁58は、固定接点41bおよび可動接点31b、ならびに固定接点41cおよび可動接点31cを挟み、第2絶縁体54の表面54fを向け、第1側壁57に対向するように配置される。
つぎに、第1磁石55の位置および第2磁石56の位置について説明する。
一点鎖線B1は、固定接点41bの位置を基点とし、方向aと方向bとに概ね垂直である。同様に、一点鎖線B2は、固定接点41cの位置を基点とし、方向aと方向bとに概ね垂直である。
第1磁石55は、一点鎖線B1より方向bの側かつ一点鎖線B2より方向aの側の第1磁性体51の裏面51rに配置され、第1磁性体51を磁化する。言い換えると、第1磁石55は、一点鎖線B1と一点鎖線B2との間の第1磁性体51の裏面51rに配置される。
同様に、第2磁石56は、一点鎖線B1より方向bの側かつ一点鎖線B2より方向aの側の第2磁性体52の裏面52rに配置され、第2磁性体52を磁化する。言い換えると、第2磁石56は、一点鎖線B1と一点鎖線B2との間の第2磁性体52の裏面52rに配置される。
固定接点41cと可動接点31cとの間で発生するアーク放電、および固定接点41bと可動接点31bとの間で発生するアーク放電の消弧のメカニズムについて説明する。
はじめに、固定接点41cと可動接点31cとの間で発生するアーク放電の消弧のメカニズムについて説明する。
一点鎖線B2の周辺から方向bの空間Ssでは、実施の形態1のアーク消弧部5の一点鎖線Bの周辺から方向bの空間Ssと同様な磁場を形成する。そのため、固定接点41cと可動接点31cとの間でアーク放電が発生した場合、このアーク放電は、方向bに延伸され消弧される。
つぎに、固定接点41bと可動接点31bとの間で発生するアーク放電の消弧のメカニズムについて説明する。
一点鎖線B1周辺から方向aの空間Ssでは、実施の形態1のアーク消弧部5の一点鎖線Bの周辺から方向bの空間Ssの磁場を、一点鎖線Bを中心に線対称になる磁場を形成する。そのため、固定接点41bと可動接点31bとの間でアーク放電が発生した場合、このアーク放電は、方向aに延伸され消弧される。
開閉装置102が閉状態から開状態に動作した時の場合について説明する。
開閉装置102が閉状態であり、固定接触子4bと固定接点41cとの間に電圧が印加され、固定接触子4bから固定接点41cの方向へ電流が流れているとする。
さらに、この状態で開閉装置102が閉状態から開状態に動作し、固定接点41cと可動接点31cとの間および固定接点41bと可動接点31bとの間に、それぞれアーク放電が発生するものとする。
固定接点41cと可動接点31cとの間で発生したアーク放電は、方向bに延伸され消弧される。同様に、固定接点41bと可動接点31bとの間で発生したアーク放電は、方向aに延伸され消弧される。
すなわち、これらのアーク放電は、反対の方向に延伸されるので、交わることなく消弧される。
なお、実施の形態1と同様に、アーク放電を第1磁石55と第2磁石56とに、遠ざかる方向へ延伸し消弧するので、アーク放電に伴う熱により第1磁石55と第2磁石56との減磁を抑制することが可能となる。すなわち、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができ、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
実施の形態7.
本実施の形態7では、効率よく急速に消弧するために、消弧板59c、転流板84、およびアークランナー(83b、83c)を備える形態を説明する。さらに、別の本実施の形態7では、消弧板59cと異なる形状の消弧板59dを備える形態を説明する。
図19は、本実施の形態7の開閉装置が備えるアーク消弧部5jおよび周辺の断面図である。
さらに、図中の図1〜図11と同一記号および同一符号は、実施の形態1と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
なお、矢印で示す方向fは、方向a、方向b、方向c、および方向dに概ね垂直な方向を記し、矢印で示す方向frは、方向fと逆方向を示す。
図19を参照して、アーク消弧部5jおよびその周辺の構成を説明する。
固定接触子4dの一端に配置された固定接点41と、可動接触子3cの一端に配置された可動接点31とで、一対の接点を構成する。第2側壁58cは、矩形部58cgと、矩形部58cgに比べ方向fおよび方向frに広幅の広幅部58cwとで構成される。また、第2側壁58cと概ね同形状の第1側壁57cが、固定接点41および可動接点31を挟み、第2側壁58cに対向する位置に配される(図示せず)。
さらに、導電性部材で構成されたアークランナー83bは、アークランナー83bの平板部83bfが概ね方向fと平行かつ概ね方向bに垂直なるように配される。なお、アークランナー83bは、固定接触子4dに電気的に接続される。
同様に、導電性部材で構成されたアークランナー83cは、アークランナー83cの平板部83cfが概ね方向frと平行かつ概ね方向bに垂直なるように配される。なお、アークランナー83cは、可動接触子3cに電気的に接続される。
また、アークランナー83bとアークランナー83cと間に隙間83gを有し、隙間83gは、第1側壁57cと第2側壁58cとの間に配置される。なお、後述するように、固定接点41と可動接点31との間で発生するアーク放電は、隙間83gを通り方向bへ延伸される。
さらに、アーク放電の延伸方向(方向b)に導電性の材質で構成された転流板84が配される。また、転流板84と、アークランナー83bおよびアークランナー83cとの間に、点線で囲まれた空間Seは、後述するようにアーク放電を拡張するために設けられる空間であり、空間Seの方向f側および方向fr側に、多段に構成された消弧板59bが配される。
つぎに、アーク放電の消弧過程について説明する。
接点が閉状態から開状態に動作する時に固定接点41と可動接点31との間でアーク放電が発生する。アーク放電は、方向bへ延伸され隙間83gを通り空間Seに達する。同時に、固定接点41のアーク放電の端部はアークランナー83bに移動し、可動接点31のアーク放電の端部はアークランナー83cに移動する。
さらに、アーク放電が延伸し、方向fと方向frとの両方向へ拡張し消弧板59bに接触しながら延伸する。さらに、アーク放電が転流板84まで到達すると、転流板84とアーク放電とが短絡し、転流板84の内部の電路から生じる磁気作用によりアーク放電が急速に消弧板59bで分割および冷却され、消弧に至る。
前述したように本実施の形態7によれば、アーク放電を急速に消弧することができる。さらに、実施の形態1と同様に、アーク放電に伴う熱による第1磁石と第2磁石との減磁を抑制することが可能となる。すなわち、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができ、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
つぎに、前述した本実施の形態7とは、別の開閉装置が備えるアーク消弧部5kを説明する。
図20は、アーク消弧部5kの断面図である。なお、図中の図1〜図11、および図19と同一記号および同一符号は、実施の形態1および前述した実施の形態7と同様あるいは同等品であるので、詳細な説明は省略する。
図20を参照して、アーク消弧部5kおよび周辺を説明する。
第2側壁58dは、矩形部58dgと、方向f(および方向fr)の幅が方向bへ向かうにしたがい漸次縮小する形状の狭端形状部58dnとで構成される。また、第2側壁58dと概ね同形状の第1側壁57dが、固定接点41および可動接点31を挟み、第2側壁58cに対向する位置に配される(図示せず)。
アーク放電を消弧過程する過程については、前述したアーク消弧部5jと同様である。さらに、第1側壁57dおよび第2側壁58dが、アーク放電の延伸(方向b)へ向かうにしたがい漸次縮小する形状を備えることにより、アーク放電の延伸先においても磁束密度を高く維持することができるようになり、アーク放電を延伸する速度が高まり、速やかにアークは転流板まで移行することができる。
すなわち、アーク放電が消弧板で分割、冷却するまでの時間が短縮され、遮断の信頼性が向上する効果が得られる。
前述したように本実施の形態7によれば、アーク放電を急速に消弧することができる。さらに、実施の形態1と同様に、アーク放電に伴う熱による第1磁石と第2磁石との減磁を抑制することが可能となる。すなわち、開閉装置の開閉動作の回数を向上することができ、高い信頼性を備える開閉装置を提供することができる。
さらに、実施の形態1〜7では、第1の絶縁体および第2の絶縁体を耐熱性および絶縁性を有するセラミック等で形成されることを説明したが、第1の絶縁体および第の絶縁体は水素を含むポリマー樹脂で成形しても良い。
アーク放電が、第1の絶縁体あるいは第2の絶縁体と接触した時に、第1の絶縁体あるいは第2の絶縁体の表面の一部が気化し、熱伝導率の高い水素ガスが供給され、アーク放電の熱は、この水素ガスに拡散される。すなわち、このアーク放電が、冷却され消弧される効果を得られる。さらに、アーク消弧部の各部位および接点等の冷却が促進されるため、空間の絶縁回復が改善する効果も得られる。
なお、実施の形態2に記載のケース611およびケース641を、水素を含むポリマー樹脂で成形しても、第1の絶縁体および第の絶縁体は水素を含むポリマー樹脂する場合と同様な効果を得られる。
また、空間Ssの幅Wsを、アーク放電の延伸方向に向かって漸次拡大していくように第1側壁および第2側壁を構成しても良い。この構成によれば,第1の絶縁体あるいは第2の絶縁体から発生する水素ガスが、第1側壁および第2側壁に直交する方向に噴射されるため、アーク放電の伸長方向に水素ガスの対流が発生し、アーク放電を消弧する効果が得られる。
さらに、実施の形態1〜7では、第1磁性体および第2磁性体の厚さtmを、6ミリメートル以下とすることが望ましい。6ミリメートルよりも厚いtmの場合では、残留磁束密度が有限の磁石を用いた場合、磁性体内で形成される磁束密度が1テスラ以下まで低減し、アーク放電の発生位置付近の磁性体表面から漏出する磁束密度でアーク放電に十分なローレンツ力が作用できない場合がある。従って、上記磁性体の板厚を6ミリメートル以下に設定することで、磁性体表面から漏出する磁束密度の低下を抑制でき、遮断信頼性を高めることができる
また、第1磁性体および第2磁性体の厚さtmをアーク放電の発生位置よりこのアーク放電の延伸方向に向かって漸次縮小しても良い。この構成によれば、アーク放電の延伸先においても第1磁性体および第2磁性体の内部の磁束を集中させることができるため、第1磁性体および第2磁性体から漏出する磁束密度を高く維持でき、遮断信頼性を高めることができる。
さらに、実施の形態2〜7では、第1磁石の着磁方向を矢印M1の方向、および第2磁石の着磁方向を矢印M2の方向のみ場合のみ説明したが、第1磁石の着磁方向を矢印M1rの方向、および第2磁石の着磁方向を矢印M2rの方向として良い。
なお、この場合、実施の形態2の誘引用磁石61および誘引用磁石62の着磁方向を矢印Maの逆方向とする必要がある。
なお、実施の形態1〜7では、第1磁石、第2磁石、および第3磁石を永久磁石である場合について、本発明の効果をアーク放電に伴う熱による第1磁石、第2磁石よび第3磁石との減磁を抑制することが可能となることを説明した。第1磁石、第2磁石よび第3磁石が電磁石の場合でも、アーク放電に伴う熱による第1磁石、第2磁石よび第3磁石が電磁石の損傷を抑止することが可能である。
さらに、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせた
り、各実施の形態を適宜変更、省略することが可能である。
なお、実施の形態1〜7に記す第1磁性体は、特許請求の範囲に記す第1の磁性体の例示である。同様に、第1絶縁体は、特許請求の範囲に記す第1の絶縁体の例示であり、第1側壁は、特許請求の範囲に記す第1の側壁の例示であり、第2磁性体は、特許請求の範囲に記す第2の磁性体の例示であり、第2絶縁体は、特許請求の範囲に記す第2の絶縁体の例示であり、第2側壁は、特許請求の範囲に記す第2の側壁の例示であり、第3磁性体は、特許請求の範囲に記す第3の磁性体の例示である。
さらに、第1磁石、第2磁石、および第3磁石は、特許請求の範囲に記す磁場形成用磁石の例示である。また、第1磁石は、特許請求の範囲に記す第1の磁石の例示であり、第2磁石は、特許請求の範囲に記す第2の磁石の例示であり、第3磁石は、特許請求の範囲に記す第3の磁石の例示であり、曲部51bcは、特許請求の範囲に記す第1の曲部の例示であり、曲部52bcは、特許請求の範囲に記す第2の曲部の例示である。
また、可動接点と固定接点とは、特許請求の範囲に記す一対の接点の例示であり、可動接触子と固定接触子とは、特許請求の範囲に記す開閉機構の例示である。
3、3b、3c 可動接触子、 4、4b、4c 固定接触子、31、31b、31c 可動接点、 41、41b、41c、41d 固定接点、51、51b 第1磁性体、51bc 曲部、52、52b 第2磁性体、52bc 曲部、53 第1絶縁体、54 第2絶縁体、55、55r 第1磁石、56、56r 第2磁石、57、57b、57c、57d 第1側壁、58、58b、58c、58d 第2側壁、59、59b 消弧板、61、62 誘引用磁石、63 誘引用磁性体、64 誘引棒、71 第3磁性体、100、101、102 開閉装置。

Claims (18)

  1. 開閉自在の一対の接点を有する開閉機構と、
    板状の第1の磁性体と前記第1の磁性体の一方の主面の側に表面と反対側の面を向け配置される板状の第1の絶縁体とを有し、前記一対の接点の開閉方向の側方に、前記第1の絶縁体の前記表面を向け配置される第1の側壁と、
    板状の第2の磁性体と前記第2の磁性体の一方の主面の側に表面と反対側の面を向け配置される板状の第2の絶縁体とを有し、前記一対の接点を挟み、前記第1の絶縁体の前記表面と前記第2の絶縁体の前記表面とが対向するように配置される第2の側壁と、
    前記第1の側壁と前記第2の側壁とに沿う方向のうち、前記一対の接点の位置から一方の方向の側のみに配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とを磁化し、前記第1の側壁と前記第2の側壁とに挟まれる空間に磁場を形成する磁場形成用磁石とを備え
    前記磁場形成用磁石の磁力により、前記一対の接点の位置では、前記一方の方向の反対方向へ磁力線が形成され、かつ前記第1の絶縁体の表面では、前記第1の磁性体から前記第1の絶縁体の方向へ磁力線が形成され、かつ前記第2の絶縁体の表面では、前記第2の磁性体から前記第2の絶縁体の方向へ磁力線が形成される、あるいは、前記磁場形成用磁石の磁力により、前記一対の接点の位置では、前記一方の方向へ磁力線が形成され、かつ前記第1の絶縁体の表面では、前記第1の絶縁体から前記第1の磁性体の方向へ磁力線が形成され、かつ前記第2の絶縁体の表面では、前記第2の絶縁体から前記第2の磁性体の方向へ磁力線が形成され
    ことを特徴とする開閉装置。
  2. 前記磁場形成用磁石は、前記第1の磁性体のもう一方の主面に接続される第1の磁石と、前記第2の磁性体のもう一方の主面に接続される第2の磁石とである
    ことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
  3. 一方の主面を前記一方の方向の反対方向に向け、前記第1の磁性体の前記一方の側と前記第2の磁性体の前記一方の側とに接続される第3の磁性体と、
    前記第3の磁性体のもう一方の主面に接続される前記磁場形成用磁石である第3の磁石とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の開閉装置。
  4. 2組の前記一対の接点を有し、
    前記2組の前記一対の接点の一方と前記2組の前記一対の接点のもう一方は接続され、
    前記一方の一対の接点が開状態から閉状態へ動作する場合、前記もう一方の一対の接点は開状態から閉状態へ動作し、
    前記一方の一対の接点が閉状態から開状態へ動作する場合、前記もう一方の一対の接点は閉状態から開状態へ動作する
    請求項1または請求項2に記載の開閉装置。
  5. 前記一方の一対の接点が閉状態から開状態へ動作する場合、前記もう一方の一対の接点は前記一方の方向の反対方向に、複数の板状の消弧板を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の開閉装置。
  6. 前記一方の方向の反対方向に、誘引用磁石を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の開閉装置。
  7. 前記一方の方向の反対方向に、誘引用磁石と前記誘引用磁石の前記一方の方向の主面に棒状の磁性体とを有する誘引棒を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の開閉装置。
  8. 前記第2の磁性体は、前記一方の方向の反対方向の側に、前記第2の磁性体のもう一方の主面の側に曲がる第2の曲部を有し、前記第2の磁性体の前記第2の曲部の先の端部の位置が、前記第2の曲部の位置より、前記磁場形成用磁石に近い
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の開閉装置。
  9. 前記第1の磁性体は、前記一方の方向の反対方向の側に向かい、前記第1の磁性体の厚さが縮小し、
    前記第2の磁性体は、前記一方の方向の反対方向の側に向かい、前記第2の磁性体の厚さが縮小する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の開閉装置。
  10. 前記第1の側壁は、前記一方の方向の反対方向の側に、前記一方の方向に比べ幅が広い第1の広幅部を有し、
    前記第2の側壁は、前記一方の方向の反対方向の側に、前記一方の方向に比べ幅が広い第2の広幅部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の開閉装置。
  11. 前記第1の側壁は、前記一方の方向の反対方向の側に、前記第1の側壁の幅が縮小する形状の第1の狭幅形状部を有し、
    前記第2の側壁は、前記一方の方向の反対方向の側に、前記第2の側壁の幅が縮小する形状の第2の狭幅形状部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の開閉装置。
  12. 前記第1の側壁と前記第2の側壁との間隔が、前記一方の方向の反対方向の側に向かい、
    拡大する
    ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の開閉装置。
  13. 前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とが、鉄、コバルト、およびニッケルのいずれかで
    構成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の開閉装置。
  14. 前記第1の磁性体の厚さと前記第2の磁性体の厚さとが、6ミリメートル以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の開閉装置。
  15. 前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体とが、セラミックで構成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の開閉装置。
  16. 前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体とが、水素を含むポリマー樹脂で構成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の開閉装置。
  17. 前記磁場形成用磁石が、永久磁石で構成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の開閉装置。
  18. 前記磁場形成用磁石が、電磁石で構成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の開閉装置。
JP2017217248A 2017-11-10 2017-11-10 開閉装置 Active JP6879173B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017217248A JP6879173B2 (ja) 2017-11-10 2017-11-10 開閉装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017217248A JP6879173B2 (ja) 2017-11-10 2017-11-10 開閉装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019087513A JP2019087513A (ja) 2019-06-06
JP6879173B2 true JP6879173B2 (ja) 2021-06-02

Family

ID=66763329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017217248A Active JP6879173B2 (ja) 2017-11-10 2017-11-10 開閉装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6879173B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102556749B1 (ko) 2020-03-13 2023-07-18 엘에스일렉트릭(주) 기중 차단기

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53128776A (en) * 1977-04-15 1978-11-10 Meidensha Electric Mfg Co Ltd Dc electromagnetic contactor
JPS6477811A (en) * 1987-06-25 1989-03-23 Matsushita Electric Works Ltd Arc extinguishing device
JPS6471026A (en) * 1987-09-10 1989-03-16 Fuji Electric Co Ltd Switch
JPH01319217A (ja) * 1988-06-20 1989-12-25 Fuji Electric Co Ltd 開閉機器の消弧室
JPH0528871A (ja) * 1991-07-19 1993-02-05 Matsushita Electric Works Ltd 消弧装置
JP2002251933A (ja) * 2001-02-23 2002-09-06 Mitsubishi Electric Corp 開閉器
JP3778081B2 (ja) * 2001-12-25 2006-05-24 三菱電機株式会社 消弧装置及びそれを用いた車載用開閉器
US20040089671A1 (en) * 2002-11-07 2004-05-13 The C.W. Zumbiel Company Carton with dispenser
DE102008035974B4 (de) * 2008-07-31 2010-07-08 Ami Doduco Gmbh Löschplatte für eine Lichtbogen-Löschkammer
US8847096B2 (en) * 2012-09-05 2014-09-30 Eaton Corporation Single direct current arc chute, and bi-directional direct current electrical switching apparatus employing the same
JP5992603B2 (ja) * 2013-03-27 2016-09-14 三菱電機株式会社 開閉装置
US9343251B2 (en) * 2013-10-30 2016-05-17 Eaton Corporation Bi-directional direct current electrical switching apparatus including small permanent magnets on ferromagnetic side members and one set of arc splitter plates

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019087513A (ja) 2019-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5682450B2 (ja) 回路遮断器
KR101377342B1 (ko) 회로 차단기
JP6246448B1 (ja) 回路遮断器の接触子装置、およびこの接触子装置を用いた回路遮断器
KR101993061B1 (ko) 전자기 릴레이
US9343251B2 (en) Bi-directional direct current electrical switching apparatus including small permanent magnets on ferromagnetic side members and one set of arc splitter plates
JP2016538692A (ja) アークバッフリング装置
KR102397524B1 (ko) 전기 스위치용 접속 장치 및 전기 스위치
JP5515719B2 (ja) 回路遮断器
WO2012081108A1 (ja) 電流開閉器
JP2013242977A (ja) 開閉器
JP5178966B1 (ja) 電流開閉器
JP6879173B2 (ja) 開閉装置
JPWO2012157057A1 (ja) 開閉器
JP5890112B2 (ja) 電磁継電器
JP2015220183A (ja) 接点装置
JP6078378B2 (ja) 回路遮断器
KR20120041098A (ko) 회로 차단기
JPH11102633A (ja) 回路遮断器
JP2009238542A (ja) 接点装置
JP6198450B2 (ja) 開閉器
JP2006196368A (ja) パワーリレー
JP2012256452A (ja) 電磁継電器
JP2012089416A (ja) 回路遮断器
JP2015046273A (ja) 開閉装置
JP2015144039A (ja) 開閉装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210412

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6879173

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250