JP6878186B2 - 水中航走体の制御装置及び水中航走体並びに水中航走体の制御方法 - Google Patents

水中航走体の制御装置及び水中航走体並びに水中航走体の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、水中航走体の制御装置及び水中航走体並びに水中航走体の制御方法に関するものである。
従来、水中航走体の制御では、目標値と現在の状態量との差分に対してPID制御(Proportional−Integral−Derivative Controller)を行うことで舵角指令を設定する、いわゆるフィードバック制御が主に行われている。
舵角指令を設定するためには、船体における深度、ロール角、ピッチ角、方位角等の各軸に対して制御を行っているが、特定の軸間には相互干渉が生ずる。
特に、フィードバック制御系が各制御軸上で独立に設計されている場合には、船体が揺動したとしても、各制御軸にそれぞれ対応するフィードバック制御系が、それぞれ独立して揺動を抑制しようとするため、各制御軸間に干渉力が働いて、揺動の収束にかなりの時間を要するという問題があった。
このため、水中航走体の運動の目標値を変更したときの複数の制御軸間に作用する干渉力を非干渉化するために、各舵に対する操作量の補償値をフィードフォワード制御系で算出し、各制御軸にそれぞれ対応するフィードバック制御系に補償値を与える制御方法が提案されている(特許文献1)。
特開2015−33997号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、フィードフォワード制御による補償ため、水中航走体の運動の目標値が変化した場合の各制御軸間で発生する干渉力を抑制することはできるものの、例えば波等の外乱によって船体が揺動し、状態量が変動した場合において発生した各制御軸間の干渉力については抑制されない。
このため、外乱によって船体が揺動した場合には、各制御軸間の相互干渉を効果的に抑制することができず、船体全体の揺動の収束にかなりの時間を要していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィードバック系の制御の精度を向上させ、外乱による船体の揺動を効果的に抑制することができる水中航走体の制御装置及び水中航走体並びに水中航走体の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、船体のx軸、y軸、z軸からなる3つの直線軸と、前記直線軸の各々に対する3つの回転軸とからなる6軸における制御が可能な水中航走体の制御装置であって、制御対象である少なくとも2軸に対応してそれぞれ設けられたフィードバック系の制御部と、干渉補償演算式を用いて、軸間の相互干渉を打ち消すための干渉補償舵角を演算し、前記制御部に出力するフィードバック系の非干渉制御部と、を備え、前記干渉補償演算式は、前記船体の任意の平衡点近傍における線形化状態方程式において、係数行列を前記船体の状態量及び前記船体の操作量の関数として表して、前記船体の全運転範囲において適応可能なように変化させた線形化状態方程式を、所望の運動を行うために必要な舵操作量に関するパラメータについて逆問題解析することにより導出された演算式であり、前記非干渉制御部は、前記干渉補償演算式に、時間に応じた状態量と目標値の偏差を代入することにより、前記干渉補償舵角を得る。
このような構成によれば、船体の全運転範囲において適応可能な時変線形化状態方程式を用いて導出された干渉補償演算式を用いるので、リアルタイムでその時々の平衡点における干渉補償舵角を容易に得ることができ、また、フィードバック系の制御の精度を向上させることが可能となる。そして、この干渉補償舵角を各制御軸上に独立して設計されたフィードバック制御系に反映させることで、各制御軸間の相互干渉を効果的に低減させることが可能となる。
なお、上記線形化状態方程式は、一般的に、非線形で表される状態方程式を、ある平衡点まわりにテーラー展開し、1次近似を行うことにより、得ることが可能である。
また、上記干渉補償演算式は、相互干渉を抑制する対象軸に関する要素の速度や加速度を変数として含むことを特徴としている。これは、線形化状態方程式に基づいて干渉補償演算式が作成されるからである。
また、例えば、一般的なフィードフォワード制御系と一般的なフィードバック制御系を併用した場合は、目標値が変更されたときに外乱が発生すると、目標値が変更されたことによるフィードフォワード制御系の動作と、外乱が発生したことによるフィードバック制御系の動作とが重複して、制御系が互いに悪影響を及ぼす可能性がある。しかし、本発明の第1態様に係るフィードバック系の非干渉制御部では、干渉補償演算式に、目標値に対する状態量の偏差を代入して干渉補償舵角を得る構成としたため、一般的なフィードフォワード制御系(非干渉機能を有するものに限らない)と併用した場合であっても、それぞれ相互に影響することなく、目標値の変化に対する制御はフィードフォワード制御系が行い、外乱に対する制御は非干渉制御部が行うことができる。このため、フィードフォワード制御系と非干渉制御部との切替が不要であり、それぞれの制御を同時に実行することができる。
また、フィードフォワード制御系を有していない構成であっても、本発明の第1態様に係る非干渉制御部は、干渉補償演算式に、目標値に対する状態量の偏差を代入して干渉補償舵角を得る構成としたため、目標値が変更されたとしても、目標値が変更されたことを外乱として誤検知することなく、正確に非干渉制御を行うことが可能である。
上記水中航走体の制御装置において、前記状態量には、前記船体の状態に関する測定値が用いられることとしてもよい。
このように、船体の状態に関する測定値を状態量として、干渉補償演算式より干渉補償舵角を得ることができるので、外乱等で船体が揺動しても、各制御軸間の相互干渉を効果的に低減させて、揺動を低減することがでる。
上記水中航走体の制御装置において、前記制御部には、深度制御部と、x軸に対する回転軸に対応するロール角制御部と、y軸に対する回転軸に対応するピッチ角制御部と、z軸に対する回転軸に対応する方位角制御部とが含まれ、前記干渉補償演算式には、前記状態量として、x軸方向の実速度、y軸方向の実速度、z軸方向の実速度及び実加速度、x軸に対する回転軸の実角速度及び実角加速度並びに実ロール角、y軸に対する回転軸の実角速度及び実角加速度並びに実ピッチ角、z軸に対する回転軸の実角速度及び実角加速度が含まれることとしてもよい。
このような構成によれば、深度、ロール角、ピッチ角及び方位角の間の相互干渉を低減することが可能となる。
上記水中航走体の制御装置において、前記干渉補償演算式に含まれる状態変数には、相互干渉が生ずる前記軸に関係する状態変数のみが用いられていることとしてもよい。
このように、干渉補償演算式に含まれる状態変数を制限することにより、干渉に関係のない演算を排除することができ、演算処理に係る負荷の低減及び処理速度の向上を図ることができる。
本発明の第2態様は、上述の水中航走体の制御装置を備える水中航走体である。
本発明の第3態様は、船体のx軸、y軸、z軸からなる3つの直線軸と、前記直線軸の各々に対する3つの回転軸とからなる6軸のうち、少なくとも2軸に対応してそれぞれ設けられたフィードバック制御部と、軸間の相互干渉を打ち消すための干渉補償舵角を演算するフィードバック系の非干渉制御部とを有する水中航走体の制御方法であって、前記船体の任意の平衡点近傍における線形化状態方程式において、係数行列を前記船体の状態量及び前記船体の操作量の関数として表して、前記船体の全運転範囲において適応可能なように変化させた線形化状態方程式を、所望の運動を行うために必要な舵操作量に関するパラメータについて逆問題解析することにより導出された干渉補償演算式に、時間に応じた状態量と目標値の偏差を代入することにより、前記干渉補償舵角を得る。
本発明によれば、フィードバック系の制御の精度を向上させ、外乱による船体の揺動を効果的に抑制することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る水中航走体の概略構成を示した図である。 図1に示した水中航走体を船尾から見たときの舵の配置について模式的に示した図である。 本発明の一実施形態に係る水中航走体の運動の自由度について説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る水中航走体の制御装置において、深度制御、ロール角制御、ピッチ角制御、方位角制御に関する機能ブロックについて示した図である。 本発明の一実施形態に係る水中航走体の制御装置において、非干渉制御部に関する機能ブロックについて示した図である。 本発明の一実施形態に係る水中航走体の制御装置による波外乱印加時の深度に関するシミュレーション結果を示した図である。 本発明の一実施形態に係る水中航走体の制御装置による波外乱印加時のピッチ角に関するシミュレーション結果を示した図である。 本発明の一実施形態に係る水中航走体の制御装置による波外乱印加時の方位角に関するシミュレーション結果を示した図である。
以下に、本発明の水中航走体の制御装置及び水中航走体並びに水中航走体の制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る水中航走体の概略構成を示した図、図2は図1に示した水中航走体を船尾から見たときの舵の配置について模式的に示した図、図3は水中航走体の運動の自由度について説明するための図である。
図3に示すように、水中航走体の船体1は、船尾軸線(以下「x軸」という)、左右軸線(以下「y軸」という)、上下軸線(以下「z軸」という)からなる互いに直交する3つの直線軸と、これら各直線軸に対する3つの回転軸とからなる6軸(6自由度)の制御が可能な構成とされている。
図3に示すように、本実施形態では、船体座標系における上記x軸方向、y軸方向、z軸方向の速度をそれぞれu,v,wとし、それぞれの軸周りの角速度をp,q,rと定義する。更に、絶対座標系(地球座標系)におけるx軸周りの回転角度をロール角φ、y軸周りの回転角度をピッチ角θ、z軸周りの回転角度を方位角ψと定義する。
図1、図2に示すように、船体1には、複数の舵3a〜3eが設けられている。舵3a〜3dは、主にロール角φ、ピッチ角θ、方位角ψに関する制御に用いられ、舵3eは主に深度に関する制御に用いられる。
そして、これらの舵3a〜3eが、後述する各実施形態に係る制御装置10において生成される各舵角指令に基づいて操作されることにより、6軸の状態(例えば、主に、z軸方向における位置である深度、ピッチ角、ロール角、及び方位角)をそれぞれの目標値に追従させる制御が実現される。
以下に、本発明の一実施形態に係る水中航走体の制御装置10及び水中航走体並びに水中航走体の制御方法について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る水中航走体の制御装置10は、上述した6軸に対してそれぞれ設けられた複数の制御部及びこれら軸間における干渉を抑制するための非干渉制御部16を有するが、以下の説明においては、便宜上、z軸方向の制御(深度制御)、x軸に対応する回転軸の制御(ロール角φ制御)、y軸に対応する回転軸の制御(ピッチ角θ制御)及びz軸に対応する回転軸の制御(方位角ψ制御)を一例として取り上げ、深度、ロール角、ピッチ角及び方位角の各制御軸間に生ずる干渉を低減する場合について説明する。なお、制御軸間の干渉については、相互干渉のため、制御軸のうち少なくとも2軸以上を適切に選択することができ、上記の深度、ロール角、ピッチ角及び方位角の組に限定されない。
図4は、本実施形態に係る水中航走体の制御装置(以下、単に「制御装置10」という)において、深度制御、ロール角制御、ピッチ角制御及び方位角制御に関する機能ブロックについて示した図である。
制御装置10は、深度を制御する深度制御部11と、ロール角を制御するロール角制御部12と、ピッチ角を制御するピッチ角制御部13と、方位角を制御する方位角制御部14と、フィードフォワード制御部(以下、単に「FF制御部15」という)と、非干渉制御部16とを備えている。
深度制御部11は、離散的な値である設定深度zsetから連続的な目標深度zを設定する目標値設定部11a、目標値設定部11aからの目標深度zと船体1の実深度zとの差分を算出する差分演算部11b、差分演算部11bからの差分から深度フィードバック舵角δbFBを設定するフィードバック制御部11c、及び深度フィードバック舵角δbFBを後述するFF制御部15からの補償舵角δbFF及び非干渉制御部16からの干渉補償舵角δbfbを用いて補正し、深度舵角指令δbを生成する深度舵角設定部11dを主な構成として備えている。
目標値設定部11aは、例えば、上位装置(図示略)から入力される離散的な値である設定深度zsetに対して所定の応答モデルを用いて、連続的な目標深度zを得る。応答モデルの一例としては、以下の(1)式に示すような、2次のローパスフィルタが挙げられる。
Figure 0006878186
(1)式において、ζは減衰率[−]、ωは応答周波数[rad/s]であり、以下の(2)式で表される。例えば、深度制御系においては、オーバーシュートなしとして、ζ=1と設定される。
Figure 0006878186
(2)式において、Tsは、整定時間[sec]であり、運転条件に応じて任意に設定される。
フィードバック制御部11cは、例えば、差分演算部11bからの差分に対してPID制御を行うことにより、深度フィードバック舵角δbFBを設定する。
深度舵角設定部11dは、深度フィードバック舵角δbFBとFF制御部15からの補償舵角δbFFとを加算し、干渉補償舵角δbfbを減算する加減算器として実現される。
ロール角制御部12は、離散的な値である設定ロール角φsetから連続的な目標ロール角φを設定する目標値設定部12a、目標値設定部12aからの目標ロール角φと船体1の実ロール角φとの差分を算出する差分演算部12b、差分演算部12bからの差分からロール角フィードバック舵角δrrFBを設定するフィードバック制御部12c、及びロール角フィードバック舵角δrrFBを後述するFF制御部15からの補償舵角δrrFF及び非干渉制御部16からの干渉補償舵角δrrfbを用いて補正し、ロール角舵角指令δr を生成するロール角舵角設定部12dを主な構成として備えている。
ロール角制御部12の各構成は、深度制御部11とほぼ同様であるため、詳細説明は省略する。
ピッチ角制御部13は、離散的な値である設定ピッチ角θsetから連続的な目標ピッチ角θを設定する目標値設定部13a、目標値設定部13aからの目標ピッチ角θと船体1の実ピッチ角θとの差分を算出する差分演算部13b、差分演算部13bからの差分からピッチ角フィードバック舵角δrcFBを設定するフィードバック制御部13c、及びピッチ角フィードバック舵角δrcFBを後述するFF制御部15からの補償舵角δrcFF及び非干渉制御部16からの干渉補償舵角δrcfbを用いて補正し、ピッチ角舵角指令δr を生成するピッチ角舵角設定部13dを主な構成として備えている。
ピッチ角制御部13の各構成は、深度制御部11とほぼ同様であるため、詳細説明は省略する。
方位角制御部14は、離散的な値である設定方位角ψsetから連続的な目標方位角ψを設定する目標値設定部14a、目標値設定部14aからの目標方位角ψと船体1の実方位角ψとの差分を算出する差分演算部14b、差分演算部14bからの差分から方位角フィードバック舵角δrlFBを設定するフィードバック制御部14c、及び方位角フィードバック舵角δrlFBを後述するFF制御部15からの補償舵角δrlFF及び非干渉制御部16からの干渉補償舵角δrlfbを用いて補正し、方位角舵角指令δr を生成する方位角舵角設定部14dを主な構成として備えている。
方位角制御部14の各構成は、深度制御部11とほぼ同様であるため、詳細説明は省略する。
FF制御部15は、フィードフォワード系であり、船体1の運動の目標値を変更したときの複数の制御軸間に作用する干渉力を非干渉化するために、各舵に対する操作量の補償舵角δbFF、δrrFF、δrcFF、δrlFFを算出する。例えば、目標深度z、目標ロール角φ、目標ピッチ角θ、目標方位角ψ等の目標値が入力される。FF制御部15は、船体1の運動の目標値等に基づいて、舵角を補償する制御方法であれば、各制御軸間の干渉力を非干渉化するものでなくてもよく、上記構成に限られない。
非干渉制御部16は、フィードバック系であり、線形化された船体1の状態方程式から逆問題解析によって導出された干渉補償演算式に対して、時間に応じた状態量及び目標値に対する状態量の偏差を代入することによって、深度z、ロール角φ、ピッチ角θ、方位角ψとの相互干渉を抑制するための干渉補償舵角δbfb、δrrfb、δrcfb、δrlfbを演算する。ここでは、非干渉制御部16の各構成について説明する前に、干渉補償演算式の導出過程について説明する。
一般的に、船体1の運動は非線形であるが、平衡点近傍では線形化できる。例えば、船体1の任意の平衡点近傍における線形化状態方程式は、以下の(3)式で表される。
Figure 0006878186
(3)式において、uはx軸方向の速力[m/s]、vはy軸方向の速力[m/s]、wはz軸方向の速力[m/s]、pはロール角速度 [rad/s]、qはピッチ角速度[rad/s]、rは方位角速度[rad/s]、zは深度[m]、φはロール角[rad]、θはピッチ角[rad]、ψは方位角[rad]、nは回転数[rps]、δbは舵3eの舵角、換言すると、深度に関する舵角指令[rad]、δrφ、δrθ、δrψは舵3a、舵3b、舵3c、舵3dの舵角に関連し、換言すると、ロール角φ、ピッチ角θ、方位角ψに関する舵角指令[rad]である。
続いて、任意の平衡点近傍における線形化状態方程式の係数行列A,Bを任意の平衡点の関数として表現することにより、局所的に成立していた線形化を船体1の全運転領域において連続的に成立するよう変形する。ここで、平衡点とは、船体1の現在の状態を表し、現在の状態とは、船体1の現在の深度、ロール角、ピッチ角、方位角といった船体1に設けたセンサ等により測定して取得できる情報(状態量)及び、船体1の現在の深度舵角指令δb、ロール角舵角指令δr 、ピッチ角舵角指令δr 、方位角舵角指令δr といった舵の操作に関する情報(操作量)である。
上記のような係数行列A,Bの要素は、ある任意の平衡点について、線形化したとき、平衡点における船体1の状態量と操作量の関数として表される。従って、船体1の平衡点の変化に対して、係数行列A,Bを適応させることで、局所的にのみ成立する線形化状態方程式を全運転領域で成立させることができる。
続いて、相互干渉が生ずる軸、すなわち、深度z、ロール角φ、ピッチ角θ、方位角ψに関係する状態変数を特定し、特定した状態変数からなる線形化状態方程式となるように、モデルリダクションを行い、行列サイズを低減する。このように、相互干渉が生ずる軸に特化した線形化状態方程式とすることで、相互干渉に関係のない状態変数を除くことができ、処理負担を低減することが可能となる。
(4)式に、深度z、ロール角φ、ピッチ角θ、方位角ψに関係する制御系に特化した線形化状態方程式の一例を示す。また、(5)−(33)式は、(4)式に含まれる係数行列A、Bの各要素を示したものである。(5)−(33)式に示されているように、係数行列A、Bの各要素は平衡点における船体1の状態量及び操作量の関数として数式化されている(なお、一部の要素は定数として表される)。
Figure 0006878186
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上記(5)−(33)式の各々において、係数Kは、船体固有の運動特性によって決定される定数である。係数Kの添え字は、最初の文字が運動方程式の軸を表し、2番目以降の文字が状態変数を示している。
例えば、(6)式に記載のKwvpは、船体1のz軸方向の深度速力wに関する運動方程式((34)式)における、v・p項に係る係数Kwvpであることを示している。
Figure 0006878186
同様に、例えば、(8)式に記載のKwuudbは、船体1のz軸方向の深度速力wに関する運動方程式((35)式)における、u・δb項に係る係数Kwuudbであることを示している。
Figure 0006878186
また、(5)−(33)式で表される係数行列A、Bの各要素において、dr1、dr2、dr3、dr4は、舵3a〜3dのそれぞれの舵角を表している。例えば、舵3aの舵角が変更された場合には、船体のピッチ方向に寄与する横舵成分とヨー方向に寄与する縦舵成分とロール方向に寄与するロール舵成分の3つの成分の力が船体に作用する。このため、係数行列A、Bの各要素において用いられるdr1、dr2、dr3、dr4は、ロール角舵角指令δr 、ピッチ角舵角指令δr 、方位角舵角指令δr をベクトル合成することにより算出される。
次に、モデルリダクション後の線形化状態方程式を逆問題解析し、干渉を打ち消すための舵角指令について解く。
具体的には、上記(4)式の状態方程式を、深度に関する舵角指令
δb[rad]、ロール角φに関する舵角指令 δrφ[rad]、ピッチ角θに関する舵角指令δrθ[rad]、方位角ψに関する舵角指令δrψ[rad]について解くと、以下の(36)−(39)式が得られる。なお、(36)−(39)式の導出過程において、状態変数であるz軸方向の深度速力w[m/s]、ロール角速度p[rad/s]、ピッチ角速度q[rad/s]、方位角速度r[rad/s]については、それぞれ、目標値と状態量の偏差に置換した。具体的には、深度速力wを深度速力wと目標深度速力wとの偏差である深度速力偏差eとし、ロール角速度pをロール角速度pと目標ロール角速度pとの偏差であるロール角速度偏差eとし、ピッチ角速度qをピッチ角速度qと目標ピッチ角速度qとの偏差であるピッチ角速度偏差eとし、方位角速度rを方位角速度rと目標方位角速度rとの偏差である方位角速度偏差eとしている。なお、深度加速度dw/dt、ロール角加速度dp/dt、ピッチ角加速度dq/dt、方位角加速度dr/dtについても、それぞれ、深度加速度dw/dtと目標深度加速度dw/dtとの偏差である深度加速度偏差edw、ロール角加速度dp/dtと目標ロール角加速度dp/dtとの偏差であるロール角加速度偏差edp、ピッチ角加速度dq/dtと目標ピッチ角加速度dq/dtとの偏差であるピッチ角加速度偏差edq、方位角加速度dr/dtと目標方位角加速度dr/dtとの偏差である方位角加速度偏差edrに置換した。ロール角φ、ピッチ角θについても、それぞれ、ロール角偏差eφ、ピッチ角偏差eθに置換した。
Figure 0006878186
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Figure 0006878186
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次に、本実施形態に係る非干渉制御部16の具体的な構成について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る水中航走体の制御装置10において、非干渉制御部16に関する機能ブロックについて示した図である。非干渉制御部16は、係数行列演算部31、微分部32〜39、座標変換演算部40、偏差演算部41〜48、及び非干渉補償舵角演算部50、を主な構成として備えている。
係数行列演算部31には、航行速度u、横滑り速度v、深度速力w、ロール角速度p、ピッチ角速度q、方位角速度r、深度舵角指令δb、ロール角舵角指令δr 、ピッチ角舵角指令δr 、方位角舵角指令δr が入力される。係数行列演算部31は、上記(5)−(33)式で表される係数行列A、Bの各要素の数式を保有しており、これらの数式に入力された航行速度u、横滑り速度v、深度速力w、ロール角速度p、ピッチ角速度q、方位角速度r、深度舵角指令δb、ロール角舵角指令δr 、ピッチ角舵角指令δr 、方位角舵角指令δr を代入することにより、現在の平衡点における係数行列A(n)、B(n)を算出する。そして、現在の平衡点における係数行列A(n)、B(n)を記憶し、前回の制御周期で得られた係数行列A(n−1)、B(n−1)を非干渉補償舵角演算部50へ出力する。
座標変換演算部40は、絶対座標系(地球座標系)におけるロール角φ、ピッチ角θ、微分部32より出力された深度速度dz/dt、微分部33より出力されたロール角速度dφ/dt、微分部34より出力されたピッチ角速度dθ/dt、微分部35より出力された方位角速度dψ/dtを、船体座標系における深度速力w、ロール角速度p、ピッチ角速度q、方位角速度rに座標変換する。具体的には、座標変換演算部40は、座標変換演算式((40)式)を有しており、入力されるロール角φ、ピッチ角θ、微分部32より出力されたz、微分部33より出力されたロール角速度dφ/dt、微分部34より出力されたピッチ角速度dθ/dt、微分部35より出力された方位角速度dψ/dtを座標変換演算式へ代入することにより、深度速力w、ロール角速度p、ピッチ角速度q、方位角速度rを得る。
Figure 0006878186
偏差演算部41は、座標変換演算部40から出力された深度速力wと目標深度速力wとの偏差eを算出する。他の偏差演算部42〜44についても同様に、ロール角速度pと目標ロール角速度pとの偏差e、ピッチ角速度qと目標ピッチ角速度qとの偏差e、方位角速度rと目標方位角速度rとの偏差eを算出する。
偏差演算部45は、座標変換演算部40から出力され、微分部36により微分処理された深度加速度dw/dtと目標深度加速度dw/dtとの偏差edwを算出する。他の偏差演算部46〜48についても同様に、ロール角加速度dp/dtと目標ロール角加速度dp/dtとの偏差edp、ピッチ角加速度dq/dtと目標ピッチ角加速度dq/dtとの偏差edq、方位角加速度dr/dtと目標方位角加速度dr/dtとの偏差edrを算出する。
非干渉補償舵角演算部50は、干渉補償演算式(例えば、上述した(36)−(39)式)を保有しており、これらの式に、係数行列演算部31及び偏差演算部41〜48から出力された値を代入することで、干渉補償舵角δbfb、δrrfb、δrcfb、δrlfbを得る。
次に、本実施形態に係る水中航走体の制御装置10の動作について説明する。
上位装置において設定された設定深度zset、設定ロール角φset、設定ピッチ角θset、設定方位角ψsetが入力されると、設定深度zsetは深度制御部11に、設定ロール角φsetはロール角制御部12に、設定ピッチ角θsetはピッチ角制御部13に、設定方位角ψsetは方位角制御部14に入力される。
深度制御部11において、設定深度zsetは目標値設定部11aに入力され、離散的な値から連続的な値である目標深度zに変換される。目標深度zは、差分演算部11bに出力される。差分演算部11bでは、目標深度zと船体1の実深度zとの差分が算出され、フィードバック制御部11cにて、この差分に基づく深度フィードバック舵角δbFBが設定される。
同様に、ロール角制御部12において、設定ロール角φsetは目標値設定部12aに入力され、離散的な値から連続的な値である目標ロール角φに変換される。目標ロール角φは、差分演算部12bに出力される。差分演算部12bでは、目標ロール角φと船体1の実ロール角φとの差分が算出され、フィードバック制御部12cにて、この差分に基づくロール角フィードバック舵角δrrFBが設定される。
同様に、ピッチ角制御部13において、設定ピッチ角θsetは目標値設定部13aに入力され、離散的な値から連続的な値である目標ピッチ角θに変換される。目標ピッチ角θは、差分演算部13bに出力される。差分演算部13bでは、目標ピッチ角θと船体1の実ピッチ角θとの差分が算出され、フィードバック制御部13cにて、この差分に基づくピッチ角フィードバック舵角δrcFBが設定される。
同様に、方位角制御部14において、設定方位角ψsetは目標値設定部14aに入力され、離散的な値から連続的な値である目標方位角ψに変換される。目標方位角ψは、差分演算部14bに出力される。差分演算部14bでは、目標方位角ψと船体1の実方位角ψとの差分が算出され、フィードバック制御部14cにて、この差分に基づく方位角フィードバック舵角δrlFBが設定される。
FF制御部15では、船体1の運動の目標値が入力されることによって、舵角を補償する補償舵角δbFF、δrrFF、δrcFF、δrlFFが算出される。
非干渉制御部16では、深度z、ロール角φ、ピッチ角θ、方位角ψが微分部32〜35に入力されることにより、深度速度dz/dt、ロール角速度dφ/dt、ピッチ角速度dθ/dt、方位角速度dψ/dtが出力される。出力された深度速度dz/dt、ロール角速度dφ/dt、ピッチ角速度dθ/dt、方位角速度dψ/dt並びにロール角φ、ピッチ角θは座標変換演算部40へ入力され、船体座標系における深度速力w、ロール角速度p、ピッチ角速度q、方位角速度rに座標変換される。
座標変換された深度速力w、ロール角速度p、ピッチ角速度q、方位角速度rは、偏差演算部41〜44によって、深度速力wと目標深度速力wとの深度速力偏差e、ロール角速度pと目標ロール角速度pとのロール角速度偏差e、ピッチ角速度qと目標ピッチ角速度qとのピッチ角速度偏差e、方位角速度rと目標方位角速度rとの方位角速度偏差eが算出される。
また、座標変換された深度速力w、ロール角速度p、ピッチ角速度q、方位角速度rは、それぞれ微分部36〜39を介して、偏差演算部45〜48に入力される。そして、偏差演算部45〜48によって、深度加速度dw/dtと目標深度加速度dw/dtとの偏差edw、ロール角加速度dp/dtと目標ロール角加速度dp/dtとの偏差edp、ピッチ角加速度dq/dtと目標ピッチ角加速度dq/dtとの偏差edq、方位角加速度dr/dtと目標方位角加速度dr/dtとの偏差edrが算出される。
係数行列演算部31では、上位装置から入力された航行速度u、横滑り速度v、深度速力w、ロール角速度p、ピッチ角速度q、方位角速度r、深度舵角指令δb、ロール角舵角指令δr 、ピッチ角舵角指令δr 、方位角舵角指令δr を用いて、係数行列A(n)、B(n)が算出される。そして、現在の平衡点における係数行列A(n)、B(n)を記憶し、前回の制御周期で得られた係数行列A(n−1)、B(n−1)を非干渉補償舵角演算部50へ出力する。
非干渉補償舵角演算部50には、係数行列演算部31で算出された係数行列A(n−1)、B(n−1)、偏差演算部41〜48で算出された深度速力偏差e、ロール角速度偏差e、ピッチ角速度偏差e、方位角速度偏差e、深度加速度偏差edw、ロール角加速度偏差edp、ピッチ角加速度偏差edq、方位角加速度偏差edr、航行速度u、横滑り速度v、ロール角偏差eφ、ピッチ角偏差eθが入力される。入力された各値は、非干渉補償舵角演算部50が保有している干渉補償演算式に代入され、干渉補償舵角δbfb、δrrfb、δrcfb、δrlfbが算出される。
このようにして算出された深度に関する干渉補償舵角δbfbは、深度制御部11の深度舵角設定部11dにおいて深度フィードバック舵角δbFBにネガティブフィードバックされる。具体的には、深度舵角設定部11dからの深度フィードバック舵角δbFBにFF制御部15からの補償舵角δbFFが加算され、さらに、非干渉制御部16からの干渉補償舵角δbfbが減算されることによって、深度舵角指令δbが算出される。
同様に、ロール角に関する干渉補償舵角δrrfbは、ロール角制御部12のロール角舵角設定部12dにおいて、ロール角フィードバック舵角δrrFBにネガティブフィードバックされる。具体的には、ロール角設定部からのロール角フィードバック舵角δrrFBにFF制御部15からの補償舵角δrrFFが加算され、さらに、非干渉制御部16からの干渉補償舵角δrrfbが減算されることによって、ロール角舵角指令δr が算出される。
同様に、ピッチ角に関する干渉補償舵角δrcfbは、ピッチ角制御部13のピッチ角舵角設定部13dにおいて、ピッチ角フィードバック舵角δrcFBにネガティブフィードバックされる。具体的には、ピッチ角設定部からのピッチ角フィードバック舵角δrcFBにFF制御部15からの補償舵角δrcFFが加算され、さらに、非干渉制御部16からの干渉補償舵角δrcfbが減算されることによって、ピッチ角舵角指令δr が算出される。
同様に、方位角に関する干渉補償舵角δrlfbは、方位角制御部14の方位角舵角設定部14dにおいて、方位角フィードバック舵角δrlFBにネガティブフィードバックされる。具体的には、方位角舵角設定部14dからの方位角フィードバック舵角δrlFBにFF制御部15からの補償舵角δrlFFが加算され、さらに、非干渉制御部16からの干渉補償舵角δrlfbが減算されることによって、方位角舵角指令δr が算出される。
そして、船体運動系において、深度舵角指令δb、ロール角舵角指令δr 、ピッチ角舵角指令δr 、方位角舵角指令δr 基づいて、船体1に設けられた舵3a〜3dの舵角が制御される。
図6に、本実施形態に係る水中航走体の制御装置10による波外乱印加時の深度に関するシミュレーション結果を示す。図6において、(a)は深度と時間の関係を示し、(b)は舵角と時間の関係を示している。一点鎖線が目標値を示しており、深度は目標値として一定値が設定されている。外乱が印加されると、従来制御(点線)では深度が目標値に対して大きく上下に振られてしまっているのに対し、本実施形態に係る制御では、舵角が適切に制御されることによって揺動が大きく抑制されていることがわかる。なお、従来制御とは、本実施形態に係る水中航走体の制御装置10において、非干渉制御部16を有していない場合の制御である。つまり、従来制御では、各制御軸間の干渉力を非干渉化せず、各制御軸上で独立に設計されたフィードバック制御系のみで、外乱による揺動に対して制御を行う。
図7に、本実施形態に係る水中航走体の制御装置10による波外乱印加時のピッチ角に関するシミュレーション結果を示す。図7において、(a)はピッチ角と時間の関係を示し、(b)は舵角と時間の関係を示している。一点鎖線が目標値を示しており、ピッチ角は目標値として一定値が設定されている。外乱が印加されると、従来制御(点線)ではピッチ角が目標値に対して大きく振られてしまっているのに対し、本実施形態に係る制御では、舵角が適切に制御されることによって揺動が大きく抑制されていることがわかる。
図8に、本実施形態に係る水中航走体の制御装置10による波外乱印加時の方位角に関するシミュレーション結果を示す。図8において、(a)は方位角と時間の関係を示し、(b)は舵角と時間の関係を示している。一点鎖線が目標値を示しており、方位角は目標値として一定値が設定されている。外乱が印加されると、従来制御(点線)ではピッチ角が目標値に対して大きく振られてしまっているのに対し、本実施形態に係る制御では、舵角が適切に制御されることによって揺動が抑制されていることがわかる。
シミュレーション結果により、本実施形態に係る水中航走体の制御装置10は、各制御軸上で独立に設計されたフィードバック制御系に対して、非干渉制御部16にて算出した各舵角の補償値をフィードバックさせることによって、各制御軸間で発生した干渉力を効果的に抑制し、船体全体として、外乱に対して揺動を低減することができる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る水中航走体の制御装置及び水中航走体並びに水中航走体の制御方法によれば、船体1の任意の平衡点において線形化した線形化状態方程式から、各制御軸毎に干渉量を推定し、干渉量を打ち消すための操作量を推定する。つまり、船体1の現在の状態に応じて、線形化状態方程式を逐次得ることができるため、どんな船体1の状態においても、各制御軸間の干渉量を非干渉化する操作量を推定することができる。よって、非線形な運動特性にも対応でき、各制御軸間の干渉を抑制することが可能である。
このため、波等の外乱によって船体1が揺動したとしても、各制御軸間の干渉を抑制しつつ、舵制御を行うことができ、効果的に船体1の揺動を抑制することができる。この効果により、荒天時においても安定した姿勢で船体の自動航行が実現でき、運動制御性能の向上に大きく寄与できる。
また、例えば、一般的なフィードフォワード制御系と一般的なフィードバック制御系を併用した場合は、目標値が変更されたときに外乱が発生すると、目標値が変更されたことによるフィードフォワード制御系の動作と、外乱が発生したことによるフィードバック制御系の動作とが重複して、制御系が互いに悪影響を及ぼす可能性がある。しかし、本実施形態に係るフィードバック系の非干渉制御部16では、干渉補償演算式に、目標値に対する状態量の偏差を代入して干渉補償舵角を得る構成としたため、一般的なフィードフォワード制御系(非干渉機能を有するものに限らない)と併用した場合であっても、それぞれ相互に影響することなく、目標値の変化に対する制御はフィードフォワード制御系が行い、外乱に対する制御は非干渉制御部16が行うことができる。このため、フィードフォワード制御系と非干渉制御部16との切替が不要であり、それぞれの制御を同時に実行することができる。
また、フィードフォワード制御系を有していない構成であっても、本実施形態に係る非干渉制御部16は、干渉補償演算式に、目標値に対する状態量の偏差を代入して干渉補償舵角を得る構成としたため、目標値が変更されたとしても、目標値が変更されたことを外乱として誤検知することなく、正確に非干渉制御を行うことが可能である。
1 :船体
3a〜3e :舵
10 :制御装置
11 :深度制御部
11a :目標値設定部
11b :差分演算部
11c :フィードバック制御部
11d :深度舵角設定部
12 :ロール角制御部
12a :目標値設定部
12b :差分演算部
12c :フィードバック制御部
12d :ロール角舵角設定部
13 :ピッチ角制御部
13a :目標値設定部
13b :差分演算部
13c :フィードバック制御部
13d :ピッチ角舵角設定部
14 :方位角制御部
14a :目標値設定部
14b :差分演算部
14c :フィードバック制御部
14d :方位角舵角設定部
15 :FF制御部
16 :非干渉制御部
31 :係数行列演算部
32〜39 :微分部
40 :座標変換演算部
41〜48 :偏差演算部
50 :非干渉補償舵角演算部

Claims (6)

  1. 船体のx軸、y軸、z軸からなる3つの直線軸と、前記直線軸の各々に対する3つの回転軸とからなる6軸における制御が可能な水中航走体の制御装置であって、
    制御対象である少なくとも2軸に対応してそれぞれ設けられたフィードバック系の制御部と、
    干渉補償演算式を用いて、軸間の相互干渉を打ち消すための干渉補償舵角を演算し、前記制御部に出力するフィードバック系の非干渉制御部と、
    を備え、
    前記干渉補償演算式は、前記船体の任意の平衡点近傍における線形化状態方程式において、係数行列を前記船体の状態量及び前記船体の操作量の関数として表して、前記船体の全運転範囲において適応可能なように変化させた線形化状態方程式を、所望の運動を行うために必要な舵操作量に関するパラメータについて逆問題解析することにより導出された演算式であり、
    前記非干渉制御部は、前記干渉補償演算式に、時間に応じた状態量と目標値の偏差を代入することにより、前記干渉補償舵角を得る水中航走体の制御装置。
  2. 前記状態量には、前記船体の状態に関する測定値が用いられる請求項1に記載の水中航走体の制御装置。
  3. 前記制御部には、深度制御部と、x軸に対する回転軸に対応するロール角制御部と、y軸に対する回転軸に対応するピッチ角制御部と、z軸に対する回転軸に対応する方位角制御部とが含まれ、
    前記干渉補償演算式には、前記状態量として、x軸方向の実速度、y軸方向の実速度、z軸方向の実速度及び実加速度、x軸に対する回転軸の実角速度及び実角加速度並びに実ロール角、y軸に対する回転軸の実角速度及び実角加速度並びに実ピッチ角、z軸に対する回転軸の実角速度及び実角加速度が含まれる請求項1または請求項2に記載の水中航走体の制御装置。
  4. 前記干渉補償演算式に含まれる状態変数には、相互干渉が生ずる前記軸に関係する状態変数のみが用いられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の水中航走体の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の水中航走体の制御装置を備える水中航走体。
  6. 船体のx軸、y軸、z軸からなる3つの直線軸と、前記直線軸の各々に対する3つの回転軸とからなる6軸のうち、少なくとも2軸に対応してそれぞれ設けられたフィードバック制御部と、軸間の相互干渉を打ち消すための干渉補償舵角を演算するフィードバック系の非干渉制御部とを有する水中航走体の制御方法であって、
    前記船体の任意の平衡点近傍における線形化状態方程式において、係数行列を前記船体の状態量及び前記船体の操作量の関数として表して、前記船体の全運転範囲において適応可能なように変化させた線形化状態方程式を、所望の運動を行うために必要な舵操作量に関するパラメータについて逆問題解析することにより導出された干渉補償演算式に、時間に応じた状態量と目標値の偏差を代入することにより、前記干渉補償舵角を得る水中航走体の制御方法。
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