JP6877392B2 - 粒状組成物及びその製造方法、分散剤、並びに水硬性組成物 - Google Patents
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Description
また、リグニン誘導体の固形物として使用する場合、モルタルやセメントペースト、生コン等に溶解し、所望の効果を発揮する必要がある。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔11〕を提供する。
〔1〕リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物との反応物であるリグニン誘導体を含み、下記条件(A)及び条件(B)を満たす粒状組成物。
条件(A):平均粒子径が30〜250μmの範囲にあること。
条件(B):粒度分布中、粒子径が100μm以下の蓄積面積が15.0%以上であること。
〔2〕下記条件(C)をさらに満たす上記〔1〕に記載の粒状組成物。
条件(C):タッピング見掛け比重が0.1〜0.7g/mlの範囲であること。
〔3〕前記リグニン誘導体が、アニオン性官能基を有する上記〔1〕又は〔2〕に記載の粒状組成物。
〔4〕前記リグニン誘導体が、アルキレンオキサイド平均付加モル数が25以上であるポリアルキレンオキシド鎖を有する、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の粒状組成物。
〔5〕前記リグニン誘導体において、前記リグニンスルホン酸系化合物〔L〕と前記芳香族系水溶性化合物〔M〕との反応重量比率(〔L〕/〔M〕)が1〜99/99〜1である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の粒状組成物。
〔6〕前記芳香族系水溶性化合物が、ポリアルキレンオキシド鎖を有する芳香族系水溶性化合物、カルボキシル基を有する芳香族系水溶性化合物、及びスルホ基を有する芳香族系水溶性化合物からなる群より選ばれる1以上を含む、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の粒状組成物。
〔7〕前記芳香族系水溶性化合物の反応率が、50%以上であるリグニン誘導体を含む上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の粒状組成物。
〔8〕上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の粒状組成物を含有する分散剤。
〔9〕水硬性材料、及び上記〔8〕に記載の分散剤を含有する水硬性組成物。
〔10〕セメント組成物又は石膏組成物である、上記〔9〕に記載の水硬性組成物。
〔11〕リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物との反応物であるリグニン誘導体を含む液状組成物を調製する工程と、前記液状組成物を乾燥して乾燥固形物を得る工程と、を有し、前記乾燥固形物が、下記条件(A)及び条件(B)を満たす粒状組成物である、粒状組成物の製造方法。
条件(A):平均粒子径が30〜250μmの範囲にあること。
条件(B):粒度分布中、粒子径が100μm以下の蓄積面積が15.0%以上であること。
本発明の粒状組成物は、リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物との反応物であるリグニン誘導体を含み、条件(A)及び条件(B)を満たすものであり、条件(C)をさらに満たすものであることが好ましい。
条件(A):平均粒子径が30〜250μmの範囲にあること。
条件(B):粒度分布中、粒子径が100μm以下の蓄積面積が15.0%以上であること。
条件(C):タッピング見掛け比重が0.1〜0.7g/mlの範囲であること。
条件(A)は、平均粒子径が30〜250μmの範囲にあることである。平均粒子径が30〜250μmの範囲にあるので、粉舞が少なく、また溶解性にも優れる。
なお、条件(A)で特定する平均粒子径は、粉末サンプル3gをレーザー回折式粒度分布測定装置(マスターサイザー3000(Malvern社製))により、乾式条件で測定し得られた分子量分布より、横軸を粒度(μm)、縦軸を体積(%)として表し、蓄積分布が50%となる値である。
条件(B)は、粒度分布中、粒子径が100μm以下の蓄積面積が15.0%以上であることである。粒度分布の上限としては、95.0%以下が好ましく、85.0%以下がさらに好ましい。粒度分布中、粒子径が100μm以下の蓄積面積が上記範囲であることで、水硬性組成物に添加した際に、均一に混合しやすい。
なお、条件(B)で特定する粒度分布は、各粉末サンプル3gをレーザー回折式粒度分布測定装置(マスターサイザー3000(Malvern社製))により、乾式条件で測定し得られた分子量分布より、横軸を粒度(μm)、縦軸を体積(%)とした蓄積分布である。また、蓄積面積は、該蓄積分布の粒子径が100μm以下の蓄積面積である。
条件(C)は、タッピング見掛け比重が0.1〜0.7g/mlの範囲であることである。タッピング見掛け比重が0.1〜0.7g/mlの範囲であると、粉舞を低減でき、かつ溶液への溶解性にも優れるものとし得る。
条件(C)は、次のようにして測定した値である。まず、粒状組成物を目盛り付試験管(容量20mL)に10〜15g採取する。試験管を比容積試験機(石山科学機器製作所製)にかけて落下高さ5cmで50回振動(40回転/min)し、試験管の容積を測定する。測定結果を下記式に代入することでタッピング見掛け比重を算出する。
式:タッピング見掛け比重(g/mL)=粒状組成物の質量(g)/振動後の試験管の容積(mL)
条件(A)〜(C)は、リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物との反応条件と、反応物を乾燥する条件を適宣設計することで調整し得る。より詳細には、反応開始剤の種類や量、酸触媒の種類や量、反応液の濃度、リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物の比率、芳香族系水溶性化合物の側鎖官能基の種類や量、反応温度、反応時間、乾燥条件等を適宣変更することで調整し得る。
リグニン誘導体は、リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物との反応物である。リグニン誘導体は、通常、リグニンスルホン酸系化合物由来の構成単位と芳香族系水溶性化合物由来の構成単位とを含むポリマーである。なお、リグニン誘導体は、他の芳香族系化合物〔E〕由来の構成単位を含んでもよい。
なお、リグニン誘導体中のアニオン性官能基は、NMR、IR等の機器分析により、定量・定性的に観測できる。
リグニンスルホン酸系化合物とは、リグニンのヒドロキシフェニルプロパン構造の側鎖α位の炭素が開裂してスルホ基が導入された骨格を有する化合物である。上記骨格部分の構造を式(1)に示す。
芳香族系水溶性化合物とは、芳香族骨格を少なくとも1つ有し、水溶性を示す化合物を意味する。芳香族系水溶性化合物は、亜硫酸パルプ廃液、すなわち亜硫酸パルプ廃液の主成分と反応し得る化合物が好ましく、リグニンスルホン酸系化合物に含まれる官能基(例えば、フェノール性水酸基やアルコール性水酸基、カルボキシル基、チオール基)と化学反応により結合しうる化合物が好ましい。化学反応の形式も特に限定されず、ラジカル反応、イオン結合、配位結合、縮合反応、加水分解を伴う反応、脱水を伴う反応、酸化を伴う反応、還元を伴う反応、中和を伴う反応が例示される。
ポリアルキレンオキシド鎖(基)を構成するアルキレンオキシド単位の炭素原子数は特に限定されず、通常、2〜18であり、好ましくは2〜4であり、より好ましくは2〜3である。アルキレンオキシド単位としては、例えば、エチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、ブチレンオキシド単位が挙げられる。中でも、エチレンオキシド単位又はプロピレンオキシド単位が好ましい。
アルキレンオキシド単位の平均付加モル数は、25以上が好ましく、30以上がより好ましく、35以上がさらに好ましい。これにより、分散性が良好となり得る。上限は、300以下が好ましく、200以下がより好ましく、150以下がさらに好ましい。これにより、分散保持性の低下が抑制され得る。従って、平均付加モル数は、好ましくは25〜300であり、より好ましくは30〜200であり、さらに好ましくは35〜150である。なお、上述の平均付加モル数は目安であり、上述の範囲を満たすか否かに拘らず、〔A〕は、アルキレンオキシド単位が繰り返し付加していないもの(モノアルキレンオキシド基)を有していてもよい。
〔B〕としては、例えば、少なくとも1つのカルボキシル基を有する、ナフタレン環又はベンゼン環誘導体が挙げられる。より詳細には、イソフタル酸、オキシナフトエ酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、これらの異性体が挙げられる。反応性が良好であるため、o−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸が好ましい。〔B〕は、1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
〔C〕としては、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アニリンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸が挙げられる。より詳細には、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、アニリンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、これらの異性体及び縮合物が挙げられる。縮合物としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。反応性が良好であるため、スルホ基を有するフェノール誘導体、アニリンスルホン酸が好ましく、フェノールスルホン酸、アニリンスルホン酸がより好ましい。〔C〕は、1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
〔D〕としては、〔A〕〜〔C〕以外の芳香族系水溶性化合物であればよく、例えば、フェノール、クレゾール等の(アルキル)フェノールが挙げられる。〔D〕は、1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
〔E〕としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン等の単純芳香族炭化水素化合物が挙げられる。〔E〕は、1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
リグニン誘導体の調製は、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族系水溶性化合物、必要に応じて他の芳香族系化合物を反応させる方法であればよい。例えば、リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物とを化学的に結合する方法(リグニンスルホン酸系化合物中の官能基(例えば、フェノール性水酸基やアルコール性水酸基、カルボキシル基、チオール基)と、芳香族系水溶性化合物中の官能基とを結合させる方法、或いはリグニンスルホン酸系化合物の芳香族骨格部分と芳香族系水溶性化合物や他の芳香族系化合物を反応させる方法)が挙げられる。
なお、溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用(例えば、水−アルコール混合溶剤)してもよい。
得られたリグニン誘導体は、反応終了後、必要に応じて、濃度調整を行ってもよい。
リグニン誘導体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000であり、さらに好ましくは5,000〜100,000である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算する公知の方法にて測定できる。
測定装置;東ソー製
使用カラム;Shodex Column OH−pak SB−806HQ、SB−804HQ、SB−802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー製又はGLサイエンス製)
検出器;示差屈折計(東ソー製)
本発明の粒状組成物は、本発明の効果を損なわない限り、リグニン誘導体に加えて任意成分を含んでもよい。任意成分としては、未反応のリグニンスルホン酸系化合物、未反応の芳香族系水溶性化合物等の原料成分に加え、水硬性組成物分散剤(例えば、セメント分散剤、石膏分散剤)、油田掘削用泥水分散剤、染料分散剤、キレート剤、洗浄剤、凝集剤、増粘剤、コーティング剤、塗料、接着剤、吸水性樹脂等が挙げられる。
本発明の粒状組成物の製造方法は、リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物との反応物であるリグニン誘導体を含む液状組成物を調製する工程と、液状組成物を乾燥して乾燥固形物を得る工程と、を有し、乾燥固形物が、条件(A)及び条件(B)を満たす粒状組成物である、粒状組成物の製造方法である。
条件(A):平均粒子径が30〜250μmの範囲にあること。
条件(B):粒度分布中、粒子径が100μm以下の蓄積面積が15.0%以上であること。
リグニン誘導体を含む液状組成物を調製する工程と、条件(A)及び条件(B)については上記した通りである。そこで、以下、乾燥固形物を得る方法について説明する。
本発明の分散剤は、上記の粒状組成物を含有し、種々の用途に利用できる。例えば、水硬性組成物用分散剤(例えば、セメント用分散剤、石膏用分散剤)、油田掘削用泥水分散剤、染料用分散剤、キレート剤、洗浄剤、凝集剤、増粘剤、コーティング剤、塗料、接着剤、吸水性樹脂が挙げられる。粒状組成物は、コンクリート等の施工現場等で分散剤用途等に使用し得る高性能リグニン誘導体の固形物である。そのため、施工現場で水分量の再計算を省略し得るとともに、添加の際に専用の設備を要せず、ワーカビリティの向上に資する。従って、水硬性組成物分散剤、油田掘削用泥水分散剤が好ましく、水硬性組成物自体との混合によりプレミックスコンクリートの調製が可能であるので、水硬性組成物分散剤がより好ましい。
粘土としては、例えば、モンモリロナイト、ベントナイトが挙げられる。中でも、ベントナイトが好ましい。
本発明の水硬性組成物は、水硬性材料、及び上記の分散剤を含有する。水硬性材料は、セメントや石膏等のセメント組成物と、それ以外の水硬性材料とに分類されるが、そのいずれであってもよい。なお、水を含有しない場合、プレミックスコンクリートとして利用し得る。
水硬性組成物は、さらに必要に応じて、細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)を含み得る。水硬性材料としては、例えば、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスターが挙げられる。
水硬性組成物の中では、水硬性材料としてセメントを使用するセメント組成物(本発明の分散剤、及びセメントを必須成分として含有する組成物)が最も一般的であり、好ましい実施形態の1つである。以下、水硬性組成物がセメントを含む場合(セメント分散剤)について説明する。
ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)。
微粉体(高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等);石膏;骨材(砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等)。
単位水量は、好ましくは100〜185kg/m3であり、より好ましくは120〜175kg/m3である。
使用セメント量は、好ましくは200〜800kg/m3であり、より好ましくは250〜800kg/m3である。
水/セメント比(重量比)は、好ましくは0.15〜0.7であり、より好ましくは0.25〜0.65である。
そのため、本発明の分散剤の配合量は、セメントの重量に対して、好ましくは0.01〜10.0重量%であり、より好ましくは0.02〜7.0重量%であり、さらに好ましくは0.05〜5.0重量%である。このような配合量により、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上などの各種の好ましい諸効果がもたらされる。
コンクリートとしては、例えば、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリートが挙げられる。さらに、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmのコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmのコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性が要求されるモルタル又はコンクリートも挙げられる。
水硬性材料として、石膏を使用する石膏組成物(本発明の分散剤、石膏を必須成分として含有する組成物)も一般的であり、本発明の好ましい実施形態の一つである。以下、水硬性組成物が石膏を含む場合(石膏用分散剤)について説明する。
そのため、本発明の分散剤の配合量は、石膏の重量に対して、好ましくは0.01〜5.00重量%であり、より好ましくは0.05〜3.00重量%であり、さらに好ましくは0.10〜1.00重量%である。このような配合量により、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされる。
本発明の水硬性組成物は、さらに他のセメント分散剤の有効成分や他のコンクリート用添加剤の有効成分を含んでいてもよい。また、他のセメント分散剤や他のコンクリート用添加剤と併用することも可能である。本明細書中、これらを総称して「他の添加剤」と称する。
(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル又はポリエチレン(プロピレン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、及び、(メタ)アクリル酸(塩)のそれぞれからなる構成単位を含むビニル共重合体(例えば、特開昭62−216950号公報参照);
(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、及び(メタ)アクリル酸(塩)を水溶液重合させて得られる水溶性ビニル共重合体(例えば、特開平1−226757号公報参照);
(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)又はp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)、及び(メタ)アクリル酸(塩)から得られる共重合体(例えば、特公平5−36377号公報参照);
(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステルに由来する構成単位、(メタ)アリルスルホン酸(塩)に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構成単位、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレートやポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来し分子中にアミド基を有するα,β−不飽和単量体をラジカル重合して得られる重合体ブロックを含む構成単位で構成されたグラフト共重合体(例えば、特開平5−170501号公報参照);
ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、マレイン酸系単量体、及びこれらの単量体と共重合可能な単量体を用いて得られる共重合体(例えば、特公昭58−38380号公報参照);
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及びこれらの単量体と共重合可能な単量体を用いて得られる共重合体を、アルカリ性物質で中和して得られる共重合体(例えば、特公昭59−18338号公報参照);
アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニル基を有するポリアルキレンオキシド誘導体とのエステル化反応物(例えば、特開平6−271347号公報参照);
アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にヒドロキシ基を有するポリアルキレンオキシド誘導体とのエステル化反応物(例えば、特開平6−298555号公報参照);
3−メチル−3−ブテン−1−オールなどの特定の不飽和アルコールにエチレンオキシドなどを付加したアルケニルエーテル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、及びこれらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、又はその塩などのポリカルボン酸(塩)(例えば、特開昭62−68806号公報参照)。
ポリアクリル酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩)、ポリメタクリル酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩)、ポリマレイン酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩)、アクリル酸・マレイン酸共重合物又はその塩(例えば、ナトリウム塩)等の不飽和カルボン酸重合物;
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;
酵母グルカン、キサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、例えば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;
アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物等。
単糖類(例えば、グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖)、二糖類、三糖類、オリゴ糖類(例えば、デキストリン)、多糖類(例えば、デキストラン)、これらの少なくともいずれかを含む糖組成物(例えば、糖蜜)等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;ケイフッ化マグネシウム;リン酸及びその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸及びその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;ホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体類等。
塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
燈油、流動パラフィン等の鉱油系消泡剤;動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等の油脂系消泡剤;オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等の脂肪酸系消泡剤;グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等の脂肪酸エステル系消泡剤;オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等のアルコール系消泡剤;アクリレートポリアミン等のアミド系消泡剤;リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等の金属石鹸系消泡剤;ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等のシリコーン系消泡剤等。
樹脂石鹸;飽和又は不飽和脂肪酸;ヒドロキシステアリン酸ナトリウム;ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル、及びそれらの塩;ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩;蛋白質材料;アルケニルスルホコハク酸;α−オレフィンスルホネート等。
オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の、分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール;アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール;ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン;ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール;ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン;ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシ基を置換基として有してもよい、スルホ基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;
脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
本発明の水硬性組成物は、上記の他のセメント分散剤や他のコンクリート用添加剤以外に、オキシカルボン酸系化合物を含有してもよい。これにより、高温の環境下においても、より高い分散保持性能を発揮し得る。
式:タッピング見掛け比重(g/mL)=粒状組成物の質量(g)/振動後の試験管の容積(mL)
温度計、撹拌装置、還流装置、及び滴下装置を備えたガラス反応容器に、水229g、ポリ(エチレンオキシド)モノフェニルエーテル(EO付加モル数:50)92g、サンフローRH(リグニンスルホン酸塩、日本製紙社製)60g、37%ホルムアルデヒド水溶液13g、72%硫酸水溶液55g、及び消泡剤プロナール753(東邦化学社製)0.05gを仕込み、撹拌下で反応容器を105℃に昇温した。反応は、液温が105℃、14時間で完結した。反応終了後、反応物温度を90℃に降温し、250g/L水酸化カルシウム水溶液93g及び31%水酸化ナトリウム水溶液24gを反応容器に添加して、さらに1時間撹拌した。これら混合物を濾過して中和で生じた石膏を除去することで、重量平均分子量41,300の共重合体からなるリグニン誘導体(1)を水溶液として得た。
このリグニン誘導体(1)をスプレードライヤ(商品名「TR120」、プリス社製)を用いて180℃で乾燥を行い、本発明の粒状組成物(1)を固形物として得た。得られた粒状組成物(1)の粒度分布を示すチャートを図1に示す。リグニンスルホン酸系化合物〔L〕と芳香族系水溶性化合物〔M〕との反応重量比率は〔L〕/〔M〕=39/61であり、芳香族系水溶性化合物の反応率は95%であった。
温度計、撹拌装置、還流装置、及び滴下装置を備えたガラス反応容器に、水275g、ポリ(エチレンオキシド)モノフェニルエーテル(EO付加モル数:50)69g、サンフローRH(リグニンスルホン酸塩、日本製紙社製)150g、37%ホルムアルデヒド水溶液12g、72%硫酸水溶液40g、及び消泡剤プロナール753(東邦化学社製)0.05gを仕込み、撹拌下で反応容器を105℃に昇温した。反応は、液温が105℃、10時間で完結した。反応液を冷却後に、250g/L水酸化カルシウム水溶液85gを反応容器に添加した。これら混合物を濾過して中和で生じた石膏を除去することで、重量平均分子量22,800の共重合体からなるリグニン誘導体(2)を水溶液として得た。
このリグニン誘導体(2)をスプレードライヤ(商品名「TR120」、プリス社製)を用いて180℃で乾燥を行い、本発明の粒状組成物(2)を固形物として得た。得られた粒状組成物(2)の粒度分布を示すチャートを図2に示す。リグニンスルホン酸系化合物〔L〕と芳香族系水溶性化合物〔M〕との反応重量比率は〔L〕/〔M〕=68/32であり、芳香族系水溶性化合物の反応率は89%であった。
製造例1で製造した粒状組成物(1)を用いた。
製造例2で製造した粒状組成物(2)を用いた。
従来のリグニン系分散剤(a)として、サンフローRH(変性リグニンスルホン酸系化合物、日本製紙社製)を用いた。サンフローRHの粒度分布を示すチャートを図3に示す。
実施例1〜2、比較例1、リグニン誘導体(1)の水溶液、リグニン誘導体(2)の水溶液のサンプルを、それぞれ添加したセメント組成物(モルタル)を下記手順により調製した。環境温度(20℃)において、表2(W/C=45%)のように配合した砂、セメント、及び水、並びに表3に記載の量の各サンプルを強制二軸ミキサに投入して、強制二軸ミキサによる機械練りにより90秒間練り混ぜることによりセメント組成物を得た。なお粉末品のサンプルに関しては表2記載の水をあらかじめ少量分取しておき、セメント・砂・各サンプルを混合した後(プレミックス)、水を投入した。得られたセメント組成物について、以下の手順でスランプ試験を行った。評価結果を表3に併せて記す。
C:以下の3種を等量混合
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(トクヤマ製、比重3.16)
W:水道水
S:掛川産山砂(細骨材、比重2.57)
添加量(重量%):セメント組成物100重量%に対するセメント分散剤の固形分添加量
SL:スランプ値(cm)
また、乾燥して粒状組成物とすることなく、リグニン誘導体の水溶液である液体状態で投入した場合、添加直後のスランプ値は約193cmと、水硬性材料の分散性が観測されたが、15分後のスランプ値は約102.5cmと、水硬性材料の分散性が著しく劣化していた(比較例3〜4参照)。
以上の結果から、本発明の粒状組成物は既存のリグニンスルホン酸系分散剤よりも良好な分散性を示し、加えて粉末で使用することで、初期の分散性のみでなく、経時後の分散性も向上させることができる。
Claims (10)
- リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物との反応物であり、アルキレンオキサイド平均付加モル数が35〜150であるポリアルキレンオキシド鎖を有する、リグニン誘導体を含み、
下記条件(A)及び条件(B)を満たす粒状組成物。
条件(A):平均粒子径が30〜250μmの範囲にあること。
条件(B):粒度分布中、粒子径が100μm以下の蓄積面積が15.0%以上であること。 - 下記条件(C)をさらに満たす請求項1に記載の粒状組成物。
条件(C):タッピング見掛け比重が0.1〜0.7g/mlの範囲であること。 - 前記リグニン誘導体が、アニオン性官能基を有する請求項1又は2に記載の粒状組成物。
- 前記リグニン誘導体において、前記リグニンスルホン酸系化合物〔L〕と前記芳香族系水溶性化合物〔M〕との反応重量比率(〔L〕/〔M〕)が1〜99/99〜1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒状組成物。
- 前記芳香族系水溶性化合物が、ポリアルキレンオキシド鎖を有する芳香族系水溶性化合物、カルボキシル基を有する芳香族系水溶性化合物、及びスルホ基を有する芳香族系水溶性化合物からなる群より選ばれる1以上を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒状組成物。
- 前記芳香族系水溶性化合物の、リグニンスルホン酸系化合物との反応前の量に対する反応後の量の割合である反応率が、50%以上であるリグニン誘導体を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒状組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒状組成物を含有する分散剤。
- 水硬性材料、及び請求項7に記載の分散剤を含有する水硬性組成物。
- セメント組成物又は石膏組成物である、請求項8に記載の水硬性組成物。
- リグニンスルホン酸系化合物と芳香族系水溶性化合物との反応物である、アルキレンオキサイド平均付加モル数が35〜150であるポリアルキレンオキシド鎖を有するリグニン誘導体を含む液状組成物を調製する工程と、
前記液状組成物を乾燥して乾燥固形物を得る工程と、を有し、
前記乾燥固形物が、下記条件(A)及び条件(B)を満たす粒状組成物である、粒状組成物の製造方法。
条件(A):平均粒子径が30〜250μmの範囲にあること。
条件(B):粒度分布中、粒子径が100μm以下の蓄積面積が15.0%以上であること。
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