JP6875247B2 - 組成物 - Google Patents
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Description
[1]一次粒子径の変動係数が20%以下であるシリカ粒子と、多価カルボン酸及びヒドロキシカルボン酸の少なくとも1種と、非プロトン性極性溶剤を含む組成物。
[2]透過型電子顕微鏡像に基づいて測定された前記シリカ粒子の平均一次粒子径が10nm以上である[1]に記載の組成物。
[3]前記シリカ粒子の比表面積が200m2/g以下である[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]前記非プロトン性極性溶剤は、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、アミド系溶剤、ニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤、ラクトン系溶剤、及びウレア系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
本発明におけるシリカ粒子は、一次粒子径の変動係数(CV値)が20%以下である。CV値は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下である。CV値が前記範囲であることによりシリカ粒子の分散性を著しく向上させることができる。CV値の下限は特に限定されないが、例えば2%以上であり、3%以上であってもよい。
本発明において用いるカルボン酸は、多価カルボン酸及びヒドロキシカルボン酸の少なくとも1種である。これらカルボン酸によって、シリカ粒子の分散性が向上しており、分散剤として機能できると考えられる。多価カルボン酸は、一分子中にカルボキシル基を2以上有するカルボン酸であり、ヒドロキシカルボン酸は、一分子中にヒドロキシ基とカルボキシル基をそれぞれ1以上有する化合物である。多価カルボン酸及びヒドロキシカルボン酸は1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非プロトン性極性溶剤としては、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、アミド系溶剤、ニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤、ラクトン系溶剤、及びウレア系溶剤が挙げられ、これらの少なくとも1種を用いることが好ましい。
エーテル系溶剤としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。
スルホキシド系溶剤としては、ジメチルスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。
アミド系溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルピペリドン等が挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンがより好ましい。
ニトリル系溶剤としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられ、アセトニトリルがより好ましい。
カーボネート系溶剤としては、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が挙げられる。
ラクトン系溶剤としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられ、γ−ブチロラクトンがより好ましい。
ウレア系溶剤としては、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,3−ジメチルプロピレン尿素等が挙げられる。
平均一次粒子径は、任意に採取したシリカ粒子を、1視野に含まれるシリカ粒子の数が100〜300個となる測定倍率で透過型電子顕微鏡を用いて観察し、得られた5視野以上の透過型電子顕微鏡像において、電子顕微鏡画像に含まれる全粒子の一次粒子径の個数平均値として求めることができる。
一次粒子径の変動係数は、平均一次粒子径と一次粒子径の標準偏差を用い、下記式に基づいて算出することができる。
変動係数(%)=(一次粒子径の標準偏差/平均一次粒子径)×100
シリカ粒子を110℃で真空乾燥した後、マウンテック(株)製マックソーブ1210全自動ガス吸着量測定装置を用い、BET法によりシリカ粒子の比表面積を測定した。
製造例1
攪拌機、滴下装置および温度計を備えた容量20Lのガラス製反応器に、有機溶媒としてのメチルアルコール3300gと、25重量%アンモニア水(水および触媒)730gとを仕込み、攪拌しながら液温を41±0.5℃に調節した。一方、滴下装置に、ケイ素化合物としてのテトラメトキシシラン2500gを仕込んだ。430rpmで撹拌しながら、滴下装置からテトラメトキシシランを3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間攪拌することにより、テトラメトキシシランの加水分解,縮合を行い、シリカ粒子の懸濁液を得た。
得られた懸濁液を、瞬間真空蒸発装置を用いて乾燥させることにより、粉体状のシリカ粒子を取り出した。瞬間真空乾燥装置としては、クラックス・システム 8B型(ホソカワミクロン株式会社製、気流乾燥方式、間接加熱方式)を使用した。また乾燥条件として、加熱管温度175℃、減圧度200Torrを採用した。上記の瞬間真空蒸発装置は、加熱水蒸気が供給されるジャケットで覆われた内径8mm、長さ9mのステンレス鋼管と、該鋼管の一端部に懸濁液を供給する供給部と、鋼管の他端部に接続された、粉体と蒸気とを分離するバッグフィルタが設けられた減圧状態の粉体捕集室とを備えていた。そして、供給部から供給された懸濁液は、鋼管内を通過する際に加熱されて粉体と蒸気とに分離し、粉体はバッグフィルタによって捕集され、蒸気は凝縮された後、装置外に排出される構成となっていた。
有機溶媒としてのメチルアルコール量、水および触媒としてのアンモニア水の量、メチルアルコールとアンモニア水を撹拌する際の液温、ケイ素化合物としてのテトラメトキシシランの量、テトラメトキシシランの滴下時間、滴下終了後の撹拌時間をそれぞれ表1に示す通りに変更した以外は、製造例1と同様にしてシリカ粒子を製造した。
攪拌機、滴下装置および温度計を備えた容量20Lのガラス製反応器に、有機溶媒としてのメチルアルコール2040gと、25重量%アンモニア水(水および触媒)470gとを仕込み、攪拌しながら液温を20±0.5℃に調節した。一方、滴下装置に、ケイ素化合物としてのテトラメトキシシラン2600gを仕込んだ。滴下装置からテトラメトキシシランを4時間かけて滴下した。最初5分間は20rpmで撹拌し、残りの滴下時間は430rpmで撹拌した。滴下終了後、さらに1時間攪拌することにより、テトラメトキシシランの加水分解,縮合を行い、シリカ粒子の懸濁液を得た。得られた懸濁液を、製造例1と同様にして瞬間真空蒸発装置を用いて乾燥させることにより、粉体状のシリカ粒子を取り出した。
有機溶媒としてのメチルアルコール量、水および触媒としてのアンモニア水の量、メチルアルコールとアンモニア水を撹拌する際の液温、ケイ素化合物としてのテトラメトキシシランの量、テトラメトキシシランの滴下時間、滴下終了後の撹拌時間をそれぞれ表1に示す通りに変更した以外は、製造例6と同様にしてシリカ粒子を製造した。
実施例1−1
20mLスクリュー管に、前記製造例1で得られたシリカ粒子4.0g、有機溶剤としてγ−ブチロラクトン6.0g、クエン酸をシリカ粒子100部に対して0.9部(0.036g)入れて、スターラーにて回転数150rpmで5分間撹拌し、シリカ濃度40%の溶剤分散体を調製した。
クエン酸に代えて、表2に示す特定カルボン酸を用いたこと以外は実施例1−1と同様にしてシリカ濃度40%の溶剤分散体を調製した。
20mLスクリュー管に、前記製造例2で得られたシリカ粒子4.0g、有機溶剤としてN,N−ジメチルホルムアミド6.0g、表2に示す特定カルボン酸をシリカ粒子100部に対して0.9部(0.036g)入れて、スターラーにて回転数150rpmで5分間撹拌し、シリカ濃度40%の溶剤分散体を調製した。
20mLスクリュー管に、前記製造例3で得られたシリカ粒子4.0g、溶剤としてアセトニトリル6.0g(実施例3)又はN−メチルピロリドン(実施例4)クエン酸をシリカ粒子100部に対して0.9部(0.036g)入れて、スターラーにて回転数150rpmで5分間撹拌し、シリカ濃度40%の溶剤分散体を調製した。
前記製造例4で得られたシリカ粒子300.0gを40%の濃度となるように、有機溶剤としてのN,N−ジメチルアセトアミド450.0gと混合・撹拌することで予備分散してスラリーを得た。次いでこのスラリーを、粉砕混合機(スギノマシン社製「スターバースト」)を用いて粉砕混合した。上記で得られた粉砕混合後のスラリーに、混合・攪拌下で、クエン酸をシリカ粒子100部に対して0.9部(2.7g)添加し攪拌し、シリカ濃度40%の溶剤分散体を得た。
特定カルボン酸の種類と量を表2に記載の値としたこと以外は実施例5−1と同様にして、シリカ粒子濃度40%の溶剤分散体を得た。
前記製造例5で得られたシリカ粒子を用い、有機溶剤をメチルエチルケトンとしたこと以外は実施例5−1と同様にして、シリカ粒子濃度40%の溶剤分散体を得た。
前記製造例3で得られたシリカ粒子を用い、溶剤を4−メチル−2−ペンタノンとしたこと以外は実施例5−1と同様にして、シリカ粒子濃度40%の溶剤分散体を得た。
特定カルボン酸を用いなかったこと以外は実施例1−1と同様にして、シリカ濃度40%の溶剤分散体を得た。
特定カルボン酸を用いなかったこと以外は実施例5−1と同様にして、シリカ濃度40%の溶剤分散体を得た。
前記製造例6で得られたシリカ粒子(比較例3)又は前記製造例7で得られたシリカ粒子(比較例4)を用い、溶剤としてN,N−ジメチルホルムアミドを用いたこと以外は実施例1−1と同様にしてシリカ濃度40%の溶剤分散体を得た。
各溶剤に分散したシリカ粒子分散体を20mLスクリュー管に10gとり、10回上下に手撹拌し、静置後、分散体の状態を目視で確認し、気泡の形成状態に応じて以下の通り評価した。粘度の高いものほど、撹拌時に空気を巻き込んで気泡が形成し、一旦形成した気泡が消滅しにくいが、粘度の低いものほど撹拌時の気泡の形成が少ない。
○:静置後直後にほとんど気泡が見られない
△:一晩静置後にほとんど気泡が見られない
×:一晩静置後に気泡が見られる
各溶剤に分散したシリカ粒子分散体を20mLスクリュー管に10gとり、10分間スターラーで分散した後、スライドガラス(MICRO SLIDE GLASS 厚み1mm、松並硝子工業(株)製)上に、分散体1gを滴下しカバーガラス(COVER GLASS 厚み0.15mm)を被せ、顕微鏡(倍率400倍)にて凝集体の存在を目視で確認する。
○:凝集体は殆ど見られない
△:凝集体が僅かに見られる
×:凝集体が多数見られる
Claims (4)
- 一次粒子径の変動係数が20%以下であるシリカ粒子と、
多価カルボン酸及びヒドロキシカルボン酸の少なくとも1種と、
非プロトン性極性溶剤を含むことを特徴とする組成物。 - 透過型電子顕微鏡像に基づいて測定された前記シリカ粒子の平均一次粒子径が10nm以上である請求項1に記載の組成物。
- 前記シリカ粒子の比表面積が200m2/g以下である請求項1または2に記載の組成物。
- 前記非プロトン性極性溶剤は、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、アミド系溶剤、ニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤、ラクトン系溶剤、及びウレア系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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