JP6872982B2 - エネルギー需給計画装置 - Google Patents
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Description
タンクの燃料の受入中でも払出が可能な基地においては、燃料の受入・払出は、払出先に紐付くタンクで一斉に行われるため、タンク内の燃料の熱量や、残量は各タンクで均一となる。
一方、タンクの燃料の受入中に払出が行えない基地においては、受入中のタンクは、払出対象タンクにできない等の制約があるため、同じ払出先であっても、タンク内の燃料の熱量および残量は、タンク毎に異なる性質をもつ。
燃料受入の際には、タンク内の燃料の熱量に応じて、受入対象タンクを選択し、払出の際には、熱量の異なる燃料を混合させ、さらにはLPG(Liquefied Petroleum Gas)を添加することで、発電所が運転可能な燃料を、発電所に払出するといった形式をとる。但し、払出先は発電所に限定しない。
燃料需給計画策定の際は、LNG基地毎に異なる運用制約を考慮する必要があるが、従来の技術では、タンクの燃料受入中に払出可能な基地の運用制約のみの考慮に留まっており、様々なLNG基地の実運用に沿った計画策定ができないという問題があった。
エネルギー需給計画装置は、電力取引/燃料取引/蒸気供給を考慮した上で収益最大となるように電力需給計画/燃料需給計画/蒸気需給計画を策定する。ここでは、とくに燃料需給計画について説明する。
図1において、エネルギー需給計画装置1は、LNG基地(燃料基地)のタンクへの燃料受入およびタンクからの燃料払出を計画するもので、次のように構成されている。
タンクグルーピング手段2は、LNG基地のタンクを、各タンクが受入タンクグループおよび払出タンクグループにそれぞれ属するように分ける。燃料受入タイミング決定手段3は、受入タンクグループへの燃料受入の開始および終了のタイミングを決定する。
燃料払出計画手段4は、払出タンクグループの各タンクの燃料の払出割合を予め定義した混合比テーブルを有し、燃料の受入と払出を同時に行えないLNG基地の場合に、この混合比テーブルにしたがって、払出タンクグループの各タンクからの燃料払出を計画する。
図2において、エネルギー需給計画装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13を有している。
CPU11は、ROM12に格納されたプログラムを用いて、演算時の一時記憶にRAM13を使用して、タンクグルーピング手段2、燃料受入タイミング決定手段3および燃料払出計画手段4の処理を実行する。
図4において、LNG基地に属する各タンク201〜207を、燃料の受入対象タンクを管理する受入タンクグループ208〜210、および払出したLNGの熱量を管理する払出タンクグループ211、212により分類する。
LNG基地では、燃料受入の際、受け入れる燃料の熱量に応じて、受入対象タンクを選択し、燃料払出の際には、発電所が運転可能な燃料の熱量に基づいて、払出対象タンクの選択およびそれぞれの払出率を決定する。
払出タンクグループ211、212は、払出先毎にタンクがグルーピングされたもので、エネルギー需給計画装置内において、払出熱量の決定に利用される。
なお、燃料の受入中に払出可能なLNG基地では、燃料の受入・払出は、払出先に紐付くタンクで一斉に行われるため、受入タンクグループと払出タンクグループは等しくなる。
図5(a)は、受入タンクグループについての図、図5(b)は、払出タンクグループについての図である。
図5において、受入タンクグループ/払出タンクグループをそれぞれ一つの大きなタンクであると想定している。一つの大きなタンクであると想定した受入タンクグループへの燃料受入の場合の受入タイミング開始量301と、受入タイミング終了量303を示している。運用上限304は、受入タンクグループ内の各タンクに設けられている。
予備力下限値302は、一つの大きなタンクであると想定した払出タンクグループからの払出の場合の燃料の熱量の下限値である。運用下限305は、払出タンクグループ内のタンク毎に設けられている。
図8(a)は、一つの払出タンクグループが、燃料の熱量の異なる3つのタンクによって構成される場合の図で、タンクが3基、発電所受入最低熱量が52000[MJ/t]の場合で、タンクの燃料の熱量に応じ、高、中、低の3つのパターンに分類している。
図8(b)は、混合比テーブルを示す図で、払出先の発電所が運転可能な最低熱量を超える比率の各パターンを定義している。
図3を用いて、エネルギー需給計画装置の燃料需給計画の策定方法について説明する。
ステップS101で、電力の需要を満足するような燃料供給計画を策定し、ステップS102において、それに対応する燃料消費計画を策定する。
この策定した燃料消費計画を満足するよう、配船計画を決定するステップは、それ以降となる。
ステップS103は、配船計画の開始から終了までの各時間断面において実行され、このステップS103の実行結果に応じて、1隻以上のLNG船(燃料運搬手段)の配船を計画し、ステップS104が実行される。
ステップS104は、桟橋に入船するLNG船(燃料運搬手段)に対応したもので、LNG船ごとに実行される。つまり、ステップS104は、入船するLNG船の数だけ繰り返し実行される(ループ(2))。
ステップS103は、受入タンクグループの受入開始タイミングを決定するフローである。このフローの詳細については後述する。
このステップS103により、燃料受入開始が決定された受入タンクグループに対するLNG船の配船計画を行なう。
そして、LNG船ごとにステップS104が実行される。
ステップS104は、受入対象となる受入タンクグループを決定するフローである。このフローの詳細については後述する。
なお、ステップS102からステップS104の処理が、燃料の需要と供給の関係を表す燃料需給計画を策定するフロー(図3の点線で囲む部分)に相当する。
LNG基地のタンクは実運用上、タンクの燃料在庫がある程度低下した段階で、燃料の受入を行なう。この際、タンクの燃料受入は、任意の熱量の燃料が少なくなったときや、任意の払出先に払出できる燃料が少なくなったときなどに実施する。
図5において、タンクの燃料受入は、受入タンクグループ/払出タンクグループをそれぞれ一つの大きなタンクであると想定し、受入タンクグループに紐付く受入タイミング開始量301または払出タンクグループに紐付く予備力下限値302を下回る前に開始する。
この際、1回の入船で受入タイミング終了量303を超過しない場合は、再度、入船を計画するものとする。
払出停止タイミングは、払出タンクグループ内のタンク毎に設けられた運用下限305を下回った時に、該当タンクの払出を停止するものとする。
これは、図3におけるステップS103において、実施されるものである。
図6のステップS401で、前回の入船時期からどれほど時間が経過したかを判断し、受入可能と判断された場合のみ、ステップS402に移行する。
ステップS402では、1回の入船で受入タイミング終了量303を超過しなかった場合、受入タイミング開始量301および予備力下限値302に関わらず、再度入船を行なう。
ステップS403では、払出タンクグループの合計残量が予備力下限値302を下回った時、ステップS404では、受入タンクグループの合計残量が、受入タイミング開始量301を下回った時にそれぞれ燃料の受入を行なう。
このフローチャートは、図3におけるステップS104において実施されるものである。
図7のステップS501で、LNG基地内のタンクが燃料受入中に払出を行なうことができるか否かを判断する。可能である場合は、LNG船の燃料の熱量に対応する受入タンクグループが受入を行なうものとし、そうでない場合は、タンク毎に燃料の熱量および残量が異なるため、ステップS502に移行する。
燃料の受入対象となるグループが複数存在する場合は、ステップS503により、グループ単位での残量を比較して、残量が最小のグループが受入を行なう。
ステップS503において、残量が同程度の受入タンクグループが複数存在して、受入タンクグループが選定できない場合、グループ毎の優先順位に基づき、燃料の受入を行なうグループを決定する。
LNG基地では、燃料の払出先の発電所が運転可能な燃料の最低熱量を超えるよう、タンクのLNGポンプ運転台数を考慮することで、払出する燃料の熱量を制御する。
実施の形態1では、LNGポンプの運転台数比率を混合比という比率で模擬する。一つの払出タンクグループが、燃料の熱量の異なる3つのタンクによって構成される図8(a)のような例を考えた場合、払出先の発電所が運転可能な燃料の最低熱量を超える比率のパターンを、図8(b)に示す混合比テーブルで定義する。
燃料の受入中に払出を行なうことができない場合については、図8(b)に示すような混合比テーブルに沿って、異なる熱量の燃料を各タンクから払出し、混合することにより、払出先に対し燃料の払出を行なう。この際、タンクの燃料受入中は払出が行えないため、必要に応じ混合比を一時的に変更することで対処する。
また、LNG基地内のタンクグルーピングにより、燃料の熱量に応じた受入対象タンクおよび受入開始タイミング決定、払出先の発電所が運転可能な燃料の熱量に基づいた払出対象タンクおよびそれぞれの払出率決定について、模擬することができる。
また、受入対象タンク決定の際には、受入中の払出が可能であるか否かといったLNG基地毎に異なる運用制約についても考慮できるフローとすることで、エネルギー需給計画装置は、様々なLNG基地の実運用に沿った計画策定が可能となる。
図9は、この発明の実施の形態2によるエネルギー需給計画装置の構成を示すブロック図である。
図9において、符号1〜4は図1におけるものと同一のものである。図9では、エネルギー需給計画装置1に、燃料受入計画手段5を設けている。燃料受入計画手段5は、LNG船の燃料の熱量が、LNG基地の受入タンクグループの熱量と異なる場合に、後述する受入条件にしたがって、LNG船から受入タンクグループへの燃料受入を計画する。
図10において、配船熱量と、受入タンクグループ内の燃料の熱量とが異なる場合について、燃料の受入条件を設定している。受入タンクグループの熱量(高、中、低)と配船熱量(高、中、低)のそれぞれの組み合わせについて、受入方法を定義している。
実施の形態2は、LNG船入船時の受入タンクグループの決定の際、配船の燃料の熱量が、どの受入タンクグループとも不一致となるとき、図10に示す受入条件で受入を行なう。
配船熱量が高いときは、受入タンクグループ内の燃料の熱量が同じく高いか、もしくは中程度の場合に受入を行なう。配船熱量が低いときは、受入タンクグループ内の燃料の熱量が中程度もしくは低い場合に受入を行なう。配船熱量が中程度のときは、受入タンクグループ内の全熱量のレベルで受入できるものとした。
ただし、配船熱量の高い燃料を、中程度の燃料の受入タンクグループで受入する等、熱量の異なるタンクで受入を行なう場合には、受入タンクグループ内で残量が最小のタンクから受入を行なう。
図11は、この発明の実施の形態3によるエネルギー需給計画装置の構成を示すブロック図である。
図11において、符号1〜5は図9におけるものと同一のものである。図11では、エネルギー需給計画装置1に燃料受入タンク変更手段6(燃料受入タンク調整手段)を設けている。燃料受入タンク変更手段6は、燃料の受入と払出を同時に行えないLNG基地について、そのLNG基地がLPG添加による燃料調整が可能であるか否かに応じて、そのLNG基地からの燃料受入のタンクを変更する。
実施の形態3は、燃料の受払が同時に行えないLNG基地の中でも、各タンクから払出され、気化したNG(Natural Gas)にLPGを添加することで、熱量調整を行なうことができるか否かによって、図7の方法で決定された受入対象タンクを変更するようにした。
燃料の受払が同時に行えないLNG基地において、燃料の払出を行なう際、燃料の熱量の最も高いタンクが燃料受入中である場合には、払出先の発電所が運転可能な燃料の熱量を払出できない可能性があり、LPGの添加ができるか否かが受入対象タンク選択に影響を与える。
LPGの添加ができないLNG基地では、払出先が運転可能な燃料の熱量を維持するため、熱量の最も高いタンクを払出用として確保するようなタンク運用を行なう必要がある。
LPGの添加ができない場合、ステップS802により、燃料の受入対象となっている受入タンクグループの燃料の熱量が、LNG基地内で最も高いか否かを判断し、高い場合は、ステップS803に移行、そうでないなら、タンク間の混合比調整により、払出先が運転可能な熱量を払出できるものとし、受入対象タンクは変更しない。
他に存在する場合、燃料の受入対象の受入タンクグループの熱量が最も高い場合であっても、同熱量の他のタンクによる払出ができるため、ステップS802と同様の理由により、受入対象タンクは変更しない。
払出タンクグループまで等しいものが存在する場合、該当タンクを比較し、残量が最多のタンクを除いたタンクで燃料の受入を行なう。
払出タンクグループまで等しいものが存在しない場合については、燃料の払出用として熱量の最も高いタンクを確保することはできないものとし、受入対象タンクの変更はしない。
3 燃料受入タイミング決定手段、4 燃料払出計画手段、5 燃料受入計画手段、
6 燃料受入タンク変更手段、11 CPU、12 ROM、13 RAM、
201〜207 タンク、208〜210 受入タンクグループ、
211〜212 払出タンクグループ、301 受入タイミング開始量、
302 予備力下限値、303 受入タイミング終了量、304 運用上限、
305 運用下限
Claims (6)
- 燃料基地のタンクへの燃料受入およびタンクからの燃料払出を計画するエネルギー需給計画装置であって、
燃料基地のタンクについて、一括して燃料受入を行なうための受入タンクグループと、タンクからの燃料の混合によって燃料払出に適するように、払出先ごとに複数の上記受入タンクグループからタンクが選択された払出タンクグループとにグルーピングするタンクグルーピング手段、
燃料運搬手段から上記受入タンクグループへの燃料受入の開始および終了のタイミングを決める燃料受入タイミング決定手段、
および上記払出タンクグループの各タンクの燃料の混合比を予め定義した混合比テーブルを有し、この混合比テーブルにしたがって、上記払出タンクグループの各タンクからの燃料払出を計画する燃料払出計画手段を備えたことを特徴とするエネルギー需給計画装置。 - 燃料基地のタンクへの燃料受入およびタンクからの燃料払出を計画するエネルギー需給計画装置であって、
燃料基地のタンクについて、一括して燃料受入を行なうための受入タンクグループと、各タンクからの燃料の混合によって燃料払出に適する払出タンクグループとにグルーピングするタンクグルーピング手段、
燃料運搬手段から上記受入タンクグループへの燃料受入の開始および終了のタイミングを決める燃料受入タイミング決定手段、
上記払出タンクグループの各タンクの燃料の混合比を予め定義した混合比テーブルを有し、この混合比テーブルにしたがって、上記払出タンクグループの各タンクからの燃料払出を計画する燃料払出計画手段、
燃料の受入と払出を同時に行えない燃料基地については、当該燃料基地がLPG添加による燃料調整が可能であるか否かに応じて、燃料受入を行なう上記受入タンクグループの受入対象タンクを調整する燃料受入タンク調整手段を備えたことを特徴とするエネルギー需給計画装置。 - 燃料の受入と払出を同時に行えない燃料基地については、当該燃料基地がLPG添加による燃料調整が可能であるか否かに応じて、燃料受入を行なう上記受入タンクグループの受入対象タンクを調整する燃料受入タンク調整手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー需給計画装置。
- 上記燃料受入タイミング決定手段は、上記受入タンクグループまたは上記払出タンクグループの燃料の残量に基づいて、上記燃料受入の開始および終了のタイミングを決めることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエネルギー需給計画装置。
- 上記タンクグルーピング手段は、上記タンクを当該タンク内の燃料の熱量によって上記受入タンクグループに分けることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエネルギー需給計画装置。
- 上記燃料運搬手段の燃料の熱量が、燃料基地の受入タンクグループの燃料の熱量と異なる場合に、別途設けた受入条件にしたがって、上記燃料運搬手段から上記受入タンクグループへの燃料受入を計画する燃料受入計画手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のエネルギー需給計画装置。
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