JP6872726B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、二次電池に関する。
リチウムイオンが正負極間を移動することにより充放電を行う非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるため、携帯電話、ノートパソコン、スマートフォン等の移動情報端末の駆動電源として、或いは、電動工具、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)等の動力用電源として、広く使用されており、さらなる用途拡大が見込まれている。
特許文献1には、アルミニウムを主成分とする正極集電体とリチウム遷移金属酸化物を含む正極合材層との間に、厚みが1μm〜5μmであり、リチウム遷移金属酸化物よりも酸化力が低い無機化合物、及び導電材を含む保護層を備える非水電解質二次電池用正極が開示されている。特許文献1によれば、従来、電池の内部短絡が発生した場合、また電池が高温に曝された場合等において、正極活物質とアルミニウム集電体との酸化還元反応により大きな発熱が生じるおそれがあるところ、上記保護層を備える非水電解質二次電池用正極により、かかる酸化還元反応による発熱を抑制できる旨記載されている。
特開2016−127000号公報
内部短絡発生により引き起こされる電池の発熱を抑制し、かつサイクル寿命も向上させた二次電池が求められている。
本開示の一態様である二次電池は、正極と、負極と、電解質とを備え、正極は、アルミニウムを含む正極集電体と、リチウム遷移金属酸化物で構成される正極活物質を含む正極合材層と、正極集電体及び正極合材層の間に設けた中間層とを備え、中間層は、無機化合物粒子、導電材及び結着材を含み、かつ、前記中間層の空隙率が30%以上69%以下であり、前記無機化合物粒子はその断面形状が外形線を同心の二円により間隔が最小となるように挟んだときの前記二円の外接円の半径bに対する前記二円の内接円の半径aの比a/bで表される前記無機化合物粒子の真円度の平均値が、5%以上75%以下である。
本開示の一態様である二次電池によれば、内部短絡発生により引き起こされる電池の発熱を抑制し、かつサイクル寿命も向上させた二次電池を提供することができる。
実施形態の一例である二次電池の概観を示す斜視図である。 実施形態の一例である二次電池における正極が備える中間層の模式断面図である。 無機化合物粒子の断面形状の一例を示す模式図である。 実施例1について、中間層を構成する無機化合物粒子のSEM画像を示す図である。 剥離強度の測定装置を示す概略図である。
本開示の一態様である二次電池(以下、単に「電池」ともいう)は、正極と、負極と、電解質とを備え、正極は、アルミニウムを含む正極集電体と、リチウム遷移金属酸化物で構成される正極活物質を含む正極合材層と、正極集電体及び正極合材層の間に設けた中間層とを備え、中間層は、無機化合物粒子、導電材及び結着材を含み、かつ、中間層の空隙率が30%以上69%以下であり、無機化合物粒子は、その断面形状の外形線を同心の二円により間隔が最小となるように挟んだときの前記二円の外接円の半径bに対する前記二円の内接円の半径aの比a/bで表される前記無機化合物粒子の真円度の平均値が、5%以上75%以下である。
本発明者らは、上記中間層を正極集電体及び正極合材層の間に設けることにより、正極集電体と正極合材層との内部短絡による温度上昇を更に抑制し、かつサイクル寿命を向上させることができることを見出した。より詳しくは、真円度の低い無機化合物粒子を用いた中間層とすることで、無機化合物粒子同士の接触点が多くなって結着力が向上する。これにより、充放電サイクル中において正極合材層が剥がれ難くなり、サイクル寿命が向上するとともに、内部短絡時に中間層が剥がれ難くなることで短絡現象が抑制され、ジュール発熱量を低減させることができる。また、電解液が中間層における空隙に適量保持されることにより、正極合材層内の電解質の保持量低下を防止して、サイクル寿命を改善するとともに、内部短絡時には、中間層に保持される電解質が気化、吸熱することで、内部短絡によるジュール発熱を抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、実施形態の説明で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率等は、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
[二次電池]
図1を用いて、二次電池10の構成を説明する。図1は、実施形態の一例である二次電池10の断面図である。二次電池10は、正極30と、負極40と、電解質とを備える。正極30と負極40との間には、セパレータ50を設けることが好適である。二次電池10は、例えば正極30及び負極40がセパレータ50を介して巻回されてなる巻回型の電極体12と、電解質とが電池ケースに収容された構造を有する。電極体12及び電解質を収容する電池ケースとしては、円筒形、角形、コイン形、ボタン形等の金属製ケース、樹脂シートをラミネートして形成された樹脂製ケース(ラミネート型電池)などが例示できる。また、巻回型の電極体12の代わりに、正極及び負極がセパレータを介して交互に積層されてなる積層型の電極体など、他の形態の電極体が適用されてもよい。図1に示す例では、有底円筒形状のケース本体15と封口体16とにより電池ケースが構成されている。
二次電池10は、電極体12の上下にそれぞれ配置された絶縁板17,18を備える。図1に示す例では、正極30に取り付けられた正極リード19が絶縁板17の貫通孔を通って封口体16側に延び、負極40に取り付けられた負極リード20が絶縁板18の外側を通ってケース本体15の底部側に延びている。例えば、正極リード19は封口体16の底板であるフィルタ22の下面に溶接等で接続され、フィルタ22と電気的に接続された封口体16の天板であるキャップ26が正極端子となる。負極リード20はケース本体15の底部内面に溶接等で接続され、ケース本体15が負極端子となる。本実施形態では、封口体16に電流遮断機構(CID)及びガス排出機構(安全弁)が設けられている。なお、ケース本体15の底部にも、ガス排出弁(図示せず)を設けることが好適である。
ケース本体15は、例えば有底円筒形状の金属製容器である。ケース本体15と封口体16との間にはガスケット27が設けられ、電池ケース内部の密閉性が確保される。ケース本体15は、例えば側面部を外側からプレスして形成された、封口体16を支持する張り出し部21を有することが好適である。張り出し部21は、ケース本体15の周方向に沿って環状に形成されることが好ましく、その上面で封口体16を支持する。
封口体16は、フィルタ開口部22aが形成されたフィルタ22と、フィルタ22上に配置された弁体とを有する。弁体は、フィルタ22のフィルタ開口部22aを塞いでおり、内部短絡等による発熱で電池の内圧が上昇した場合に破断する。本実施形態では、弁体として下弁体23及び上弁体25が設けられており、下弁体23と上弁体25の間に配置される絶縁部材24、及びキャップ開口部26aを有するキャップ26がさらに設けられている。封口体16を構成する各部材は、例えば円板形状又はリング形状を有し、絶縁部材24を除く各部材は互いに電気的に接続されている。具体的には、フィルタ22と下弁体23が各々の周縁部で互いに接合され、上弁体25とキャップ26も各々の周縁部で互いに接合されている。下弁体23と上弁体25は、各々の中央部で互いに接続され、各周縁部の間には絶縁部材24が介在している。なお、内部短絡等による発熱で内圧が上昇すると、例えば下弁体23が薄肉部で破断し、これにより上弁体25がキャップ26側に膨れて下弁体23から離れることにより両者の電気的接続が遮断される。
[正極]
正極30は、正極集電体31と、正極合材層32と、正極集電体31及び正極合材層32の間に設けた中間層33と、を備える。
正極集電体31は、アルミニウムを含み、例えばアルミニウム単体又はアルミニウム合金からなる金属の箔で構成される。正極集電体31におけるアルミニウムの含有量は、正極集電体31の総量に対して50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。正極集電体31の厚みは、特に制限されないが、例えば10μm以上100μm以下程度である。
正極合材層32は、リチウム遷移金属酸化物で構成される正極活物質を含む。リチウム遷移金属酸化物としては、リチウム(Li)、並びに、コバルト(Co)、マンガン(Mn)及びニッケル(Ni)等の遷移金属元素を含有するリチウム遷移金属酸化物が例示できる。リチウム遷移金属酸化物は、Co、Mn及びNi以外の他の添加元素を含んでいてもよく、例えば、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)及びケイ素(Si)等が挙げられる。
リチウム遷移金属酸化物の具体例としては、例えばLiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−y、LiCo1−y、LiNi1−y、LiMn、LiMn2−y、LiMPO、LiMPOF(各化学式において、Mは、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb及びBのうち少なくとも1種であり、0<x≦1.2、0<y≦0.9、2.0≦z≦2.3である)が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
正極合材層32は、さらに導電材及び結着材を含むことが好適である。正極合材層32に含まれる導電材は、正極合材層32の電気伝導性を高めるために用いられる。導電材の例としては、カーボンブラック(CB)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
正極合材層32に含まれる結着材は、正極活物質及び導電材間の良好な接触状態を維持し、且つ正極集電体31表面に対する正極活物質等の結着性を高めるために用いられる。結着材の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂と、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩(CMC−Na、CMC−K、CMC−NH等、また部分中和型の塩であってもよい)、ポリエチレンオキシド(PEO)等が併用されてもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
正極30は、正極集電体31と正極合材層32との間に設けた中間層33を備える。図2に、正極30が備える中間層33の一例を示す。中間層33は、無機化合物粒子34(以下、単に「無機粒子34」ともいう)、導電材35及び結着材36を含む。中間層33は、無機粒子34を含み、正極集電体31と正極合材層32との間に設けられることで、正極集電体31と正極合材層32とを隔離し、正極集電体31に含まれるアルミニウムと正極合材層32に正極活物質として含まれるリチウム遷移金属酸化物との酸化還元反応を抑制する役割を果たす。
実施形態の一例に係る電池10において、中間層33は、30%以上69%以下の空隙率を有する。中間層33は、好ましくは50%以上65%以下の空隙率を有する。空隙率が上記範囲にある中間層33を設けた正極30を備える電池10では、斯かる中間層33の空隙が電解質によって満たされ、中間層33が電解質をより多く保持することになる。すると、電池10において内部短絡等が発生し、正極集電体31ジュール発熱が生じたとしても、中間層33が保持する電解質が気化し、吸熱することで、当該短絡によるジュール発熱を抑えることができる。これにより、電池10の発熱に伴う電池温度の上昇を抑えることができると考えられる。また、中間層33中に電解質を保持させることで、正極合材層32内の電解質の保持量が低下した場合に中間層33から補充されるため、電池10の保液性を高め、電池10のサイクル寿命を延ばすことができる。
中間層33における空隙率の測定方法としては、例えば下記の方法が挙げられる。
(1)電池10を解体して電極体12を取り出し、さらに正極30、負極40及びセパレータ50に分離する。
(2)(1)で得られた正極30を、クロスセクションポリッシャー(CP)法にて断面加工し、研磨面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する。
(3)(2)で得られたSEM画像について画像処理を行い、中間層33の厚さを測定する。
(4)(1)で得られた正極30について所定の範囲を切り出し、正極集電体31、中間層33及び正極合材層32を備える試料を得る。
(5)切削工具等を用いて、(4)で得られた試料から正極合材層32を削り取った後、中間層33を削り取る。
(6)(5)で得られた、無機粒子34、導電材35及び結着材36等の中間層33の構成成分について、ICP発光分光分析装置(例えば株式会社島津製作所製「ICPE−9800」)、エネルギー分散型X線分析(EDX)(例えば株式会社島津製作所製「EDX−7000」)等の公知の分析装置を用いて定性及び定量を行う。
(7)定性された各成分の公知の真密度より、試料において中間層33の構成成分が占める体積を算出する。
(8)算出された中間層33の構成成分の体積と、試料の面積及び(3)で求めた中間層33の厚さとの積に基づいて、中間層33の空隙率(%)を算出する。
中間層33の空隙率を測定する他の方法としては、例えば、上記(2)で得られたSEM画像中の所定の範囲を観察し、無機粒子34、導電材35及び結着材36等の中間層33を構成する粒子の粒界を決定して、粒子の表面に沿った外形線を描き、当該所定範囲の面積と外形線に囲まれた部分の総面積とに基づいて、中間層33の空隙率を算出してもよい。
中間層33の空隙率を調整する方法としては、例えば、後述する凹凸形状を有する無機粒子34を中間層33に用いる方法、正極集電体31の表面に中間層33を形成する際、無機粒子34、導電材35及び結着材36とともに電解質に可溶な物質を混合させる方法、並びに、中間層33に用いる結着材36の種類及び含有量等によって調整する方法等が挙げられる。
中間層33に含まれる無機粒子34は、無機化合物で構成される粒子である。無機粒子34を構成する無機化合物は、特に制限されないが、酸化還元反応を抑制する観点から、正極合材層32に含まれるリチウム遷移金属酸化物よりも酸化力が低いことが好ましい。そのような無機化合物としては、例えば、酸化マンガン、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機酸化物が挙げられ、高熱伝導率に優れるため、酸化アルミニウム(Al)が好ましい。無機粒子34は、例えば、中心粒径(光散乱法により測定される体積平均粒径)が1μm以下であり、0.2μm以上0.9μm以下であることが好ましい。
図3は、無機粒子34の断面形状の一例を示す模式図である。無機粒子34は、無機粒子34の断面形状の外形線を、同心の二円(内接円P及び外接円Q)により、間隔が最小となるように挟んだときの、外接円Qの半径bに対する内接円Pの半径aの比a/bを無機粒子34の真円度とした場合、当該真円度の平均値が5%以上75%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以上50%以下であり、更に好ましくは5%以上30%以下であり、特に好ましくは5%以上20%以下である。無機粒子34の真円度を上記の範囲とすることで、無機粒子34同士の接触点を多くし、結着力を強くすることで、正極合材層32を中間層33が形成された正極集電体31から剥離する剥離強度を向上させる。これにより、充放電サイクル中において正極合材層32が剥がれ難くなることでサイクル寿命が向上し、さらに、内部短絡時の中間層33が剥がれ難くなることで、正極活物質と正極集電体31に含まれるアルミニウムの酸化還元反応の進行を抑制できるためである。
無機粒子34の真円度を測定する方法の具体例としては、例えば下記の方法が挙げられる。
(1)上記の中間層33の空隙率の測定方法における(1)、(4)及び(5)と同様にして、中間層33に含まれる無機粒子34を取り出す。
(2)取り出した無機粒子34を樹脂中に埋め込み、CP法にて無機粒子34を断面加工し、研磨面をSEMで観察する。
(3)(2)で得られたSEM画像から、ランダムに100個の無機粒子34を選択する。
(4)選択した100個の無機粒子34について、無機粒子34の表面に沿った外形線を描く。
(5)各無機粒子34について、互いに同心であり、且つ、二つの円の半径の差が最小になるような、外形線に内接する内接円P、及び、外形線に外接する外接円Qを求め、二つの円の半径の差aと外接円Qの半径bとの比a/bを算出し、当該無機粒子34の真円度とする。
(6)100個の無機粒子34について算出した真円度から、平均値を求める。
正極合材層32の剥離強度の測定方法について説明する。図5は剥離強度を測定する装置である。図5に示す装置は、被試験体132を載せる基台131、被試験体132を固定するための両面テープ等の接着部材133、被試験体132の一端を固定させ引き上げ台138に接続されたチャック134、基台131が水平に容易にスライドできるようにベアリング部位135、基台131がスライド時に均一に力が作用するようにばね136、ばね136が接続された固定部137、ワイヤ139と滑車140を経て基台131と接続されている引き上げ台138、引き上げ台138とつかみ冶具142を接続するためのワイヤ141、つかみ冶具142に接続され引き上げ台138の荷重を検知するためのロードセル143、さらにロードセル143を支持する支持部144、支持部144を上下に移動させる駆動部146、駆動部146につかみ冶具142の移動量を検知するリニアセンサ147、駆動部146とリニアセンサ147を内蔵する支柱145、基台131を支持する支持台148で構成され、支持台148と支柱145はベース150に固定されている。
剥離強度の測定は以下のように行われる。すなわち、被試験体132を一定の大きさに切断し、接着部材133で基台131に固定し、その一端をチャック134で固定する。駆動部146をスタートさせてつかみ冶具142を一定スピードで引き上げることで、引き上げ台138が牽引され、それに伴ってチャック134が被試験体132を引き上げることで剥離され、その際の応力をロードセル143で測定することで剥離試験を行うものである。
この引き上げ時にワイヤ139が基台131を牽引することから、被試験体132は常に直角の角度で剥離される。測定後に被試験体132を取り外した本測定試験装置のみで、引き上げ試験を行うことにより、基台131のみがスライドする時の力の成分を測定できる。剥離試験の結果から、この基台131のスライド時における力の成分を差し引くことにより、正確に被試験体132の層間の剥離強度を測定することが可能になる。
中間層33に含まれる無機粒子34の含有量は、中間層33の総量に対して70質量%以上99.8質量%以下が好ましく、90質量%以上99質量%以下がより好ましい。無機粒子34の含有量が当該範囲内であれば、酸化還元反応の抑制効果が向上し、異常発生時の発熱量を低減し易くなる。
中間層33に含まれる導電材35は、正極30の良好な集電性を確保するために用いられる。導電材35としては、例えば正極合材層32において用いられる導電材35と同種のものでよく、その具体例として、カーボンブラック(CB)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中間層33に含まれる導電材35の含有量は、中間層33の総量に対して0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。また、集電性確保の観点から、中間層33における導電材35の含有量は、正極合材層32における導電材の含有量よりも高いことが好ましい。特に、中間層33の空隙率が正極合材層32の空隙率よりも高い正極30においては、中間層33の総量に対する導電材35の含有量が1質量%以上7質量%以下であるか、あるいは、中間層33における総量に対する導電材35の含有量が、正極合材層32における総量に対する導電材の含有量に対して1.1倍以上7.8倍以下であることが、好ましい。
中間層33に含まれる結着材36は、無機粒子34と導電材35を結着して中間層33の機械的強度を確保すると共に、中間層33と正極集電体31との結着性を高めるために用いられる。中間層33に含まれる結着材36としては、例えば正極合材層32において用いられる結着材と同種のものでよく、その具体例として、PTFE、PVdF等のフッ素系樹脂、PAN、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。結着材36の含有量は、中間層33の総量に対して0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
中間層33の厚みは、例えば1μm以上7μm以下であり、1μm以上5μm以下が好ましい。中間層33が薄すぎると異常発生時の酸化還元反応を抑制する効果が不足することがあり、中間層33が厚すぎると正極30のエネルギー密度が低下するためである。
中間層33は、例えば正極集電体31の表面に、無機粒子34、導電材35、及び結着材36を含む中間層スラリーを塗布し、塗布層を乾燥させることにより形成できる。正極合材層32を正極集電体31の両面に設ける場合は、中間層33も正極集電体31の両面に設けられる。
上述の通り、中間層33の空隙率を調整する目的で、中間層スラリーに電解質に可溶な物質を混合してもよい。当該可溶物質を含む中間層スラリーを塗布し、塗布層を乾燥して中間層33を形成することにより、電池10の作製時において、中間層33の空隙を満たした電解質中に当該可溶物質が溶出する。これにより、中間層33において電解質によって充填可能な空隙を増やすことができる。中間層スラリーに混合できる電解質に可溶な物質としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)等の非水溶媒、及び、LiPF等の電解質塩が挙げられる。
本実施形態に係る正極30は、例えば、正極活物質、導電材及び結着材、並びに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の分散媒を混合してなる正極合材スラリーを、上記の中間層33が形成された正極集電体31に塗布し、塗布層を乾燥させた後、圧延ロール等の圧延手段を用いて圧延して正極合材層32を形成する方法により、製造すればよい。正極集電体31の表面に正極合材スラリーを塗布する方法は、特に制限されず、グラビアコーター、スリットコーター、ダイコーター等の周知の塗布装置を使用して行えばよい。
正極30において、中間層33の空隙率が、正極合材層32の空隙率よりも高いことが好ましく、正極合材層32の空隙率よりも4%以上15%以下高いことがより好ましい。これにより、従来よりも電解液を保持できるためである。中間層33と正極合材層32との密着性の観点から、正極合材層の活物質密度は3.0g/cm以上であることが好ましい。また、中間層33と正極合材層32との密着性の観点から、正極合材層厚みは150μm以上240μm以下であることが望ましい。正極合材層32の空隙率の測定は、例えば上記の中間層33の空隙率の測定方法に準じて行えばよい。また、正極合材層32の空隙率を調整する方法としては、例えば、正極合材層32を形成する際、正極活物質、導電材及び結着材の各含有量や結着材の種類、更には圧延時の圧力等によって調整することができる。
[負極]
負極40は、例えば金属箔等からなる負極集電体と、当該集電体の表面に形成された負極合材層とで構成される。負極集電体には、銅等の負極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合材層は、負極活物質の他に、結着材を含むことが好適である。負極40は、例えば負極集電体上に負極活物質、結着材等を含む負極合材スラリーを塗布し、塗布層を乾燥させた後、圧延して負極合材層を集電体の両面に形成することにより作製できる。
負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出できるものであれば特に限定されず、例えば天然黒鉛、人造黒鉛等の炭素材料、ケイ素(Si)、錫(Sn)等のリチウムと合金化する金属、又はSi、Sn等の金属元素を含む合金、複合酸化物等を用いることができる。負極活物質は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
負極合材層に含まれる結着材としては、正極30の場合と同様にフッ素系樹脂、PAN、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。水系溶媒を用いて負極合材スラリーを調製する場合は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、CMC又はその塩、ポリアクリル酸(PAA)又はその塩(PAA−Na、PAA−K等、また部分中和型の塩であってもよい)、ポリビニルアルコール(PVA)等を用いることが好ましい。
[セパレータ]
セパレータ50には、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータ50の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、セルロース等が好適である。セパレータ50は、セルロース繊維層及びオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維層を有する積層体であってもよい。また、ポリエチレン層及びポリプロピレン層を含む多層セパレータであってもよく、セパレータ50の表面にアラミド系樹脂等が塗布されたものを用いてもよい。
セパレータ50と正極30及び負極40の少なくとも一方との界面には、無機物のフィラーを含むフィラー層が形成されていてもよい。無機物のフィラーとしては、例えばチタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)の少なくとも1種を含有する酸化物、リン酸化合物等が挙げられる。フィラー層は、例えば当該フィラーを含有するスラリーを正極30、負極40、又はセパレータ50の表面に塗布して形成することができる。
[電解質]
電解質は、溶媒と、溶媒に溶解した電解質塩とを含む。電解質としては、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質も使用できるが、中間層33の空隙への充填容易性や、異常発生時の温度上昇抑制の観点から、電解質は、非水電解質(非水電解液)などの液体電解質であることが好ましい。溶媒としては、例えばエステル類、エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等の非水溶媒を用いることができる。非水溶媒は、これら溶媒の水素の少なくとも一部をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有していてもよい。
上記エステル類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等の鎖状カルボン酸エステル等が挙げられる。
上記エーテル類の例としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル等の鎖状エーテル類等が挙げられる。
上記ハロゲン置換体としては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等のフッ素化環状炭酸エステル、フッ素化鎖状炭酸エステル、フルオロプロピオン酸メチル(FMP)等のフッ素化鎖状カルボン酸エステル等を用いることが好ましい。
電解質塩は、リチウム塩であることが好ましい。リチウム塩の例としては、LiBF、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiSCN、LiCFSO、LiCFCO、Li(P(C)F)、LiPF6−x(C2n+1(1<x<6,nは1又は2)、LiB10Cl10、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、Li、Li(B(C)F)等のホウ酸塩類、LiN(SOCF、LiN(C2l+1SO)(C2m+1SO){l,mは1以上の整数}等のイミド塩類等が挙げられる。リチウム塩は、これらを1種単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。これらのうち、イオン伝導性、電気化学的安定性等の観点から、LiPFを用いることが好ましい。リチウム塩の濃度は、溶媒1L当たり0.8〜1.8molとすることが好ましい。
以下、実施例により本開示をさらに詳説するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[正極の作製]
酸化アルミニウム(Al)からなる無機粒子34を93.5重量部と、アセチレンブラック(AB)を5重量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を1.5重量部とを混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量加えて中間層スラリーを調製した。次に、当該中間層スラリーを厚み15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体31の両面に塗布し、乾燥させることにより、厚みが2.1μmの中間層33を形成した。図4に、実施例1で使用した無機粒子34のSEM写真を示す。
正極活物質としてLiNi0.82Co0.15Al0.03で表されるリチウム遷移金属酸化物を97重量部と、アセチレンブラック(AB)を2重量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を1重量部とを混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量加えて、正極合材スラリーを調製した。次に、当該正極合材スラリーを中間層33が形成された正極集電体31の両面に塗布し、乾燥させた。これを所定の電極サイズに切り取り、ローラーを用いて圧延し、正極集電体31の両面に中間層33及び正極合材層32が順に形成された正極30を作製した。作製された正極30につき、CP法による断面加工で得られたSEM画像に基づく画像処理と、中間層33を構成する無機粒子34、導電材35及び結着材36の真密度に基づいて算出した結果、中間層33の空隙率は36%であった。また、同様に測定、算出された正極合材層32の空隙率は52%であった。
[負極の作製]
黒鉛粉末を98.7重量部と、カルボキシメチルセルロース(CMC)を0.7重量部と、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)を0.6重量部とを混合し、さらに水を適量加えて、負極合材スラリーを調製した。次に、当該負極合材スラリーを銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥させた。これを所定の電極サイズに切り取り、ローラーを用いて圧延し、負極集電体の両面に負極合材層が形成された負極40を作製した。
[非水電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)と、メチルエチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)を、3:3:4の体積比で混合した。当該混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度となるように溶解させて非水電解液を作製した。
[電池の作製]
作製した正極30及び負極40を、セパレータ50を介して渦巻き状に巻回することにより巻回型の電極体を作製した。セパレータ50にはポリエチレン製の微多孔膜の片面にポリアミドとアルミナのフィラーを分散させた耐熱層を形成したものを用いた。当該電極体を、外径18mm、高さ65mmの有底円筒形状のケース本体15に収容し、非水電解液を注入した後、ガスケット及び封口体によりケース本体15の開口部を封口して、定格容量が3100mAhである18650型の円筒形の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は10%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは2.1μmであり、中間層33の空隙率は36%であった。
<実施例3>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は50%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは3.0μmであり、中間層33の空隙率は55%であった。
<実施例4>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は30%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは3.0μmであり、中間層33の空隙率は55%であった。
<実施例5>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は10%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは3.0μmであり、中間層33の空隙率は55%であった。
<実施例6>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は30%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは3.5μmであり、中間層33の空隙率は61%であった。
<実施例7>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は10%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは3.5μmであり、中間層33の空隙率は61%であった。
<実施例8>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は30%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは4.3μmであり、中間層33の空隙率は69%であった。
<実施例9>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は10%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは4.3μmであり、中間層33の空隙率は69%であった。
<実施例10>
正極30の作製工程において、使用した無機粒子34と中間層33の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池10を作製した。正極30につき、使用した無機粒子34の平均真円度は70%であり、中心粒径は0.6μmであった。また、中間層33の厚みは3.0μmであり、中間層33の空隙率は55%であった。
<比較例1>
中間層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
[釘刺し試験]
上記各電池10について、下記の手順で釘刺し試験を行った。
(1)25℃の環境下で、600mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電を行い、その後定電圧で電流値が90mAになるまで充電を引き続き行った。
(2)25℃の環境下で、(1)で充電した電池10の側面中央部に2.7mmφの太さの丸釘の先端を接触させ、1mm/秒の速度で電池10における電極体12の積層方向に丸釘を突き刺し、内部短絡による電池電圧降下を検出した直後、丸釘の突き刺しを停止した。
(3)丸釘によって電池が短絡を開始して1分後の電池表面温度を測定した。
[正極合材層の剥離強度の測定試験]
各非水電解質二次電池に用いた正極における正極合材層の剥離強度を、以下のようにして測定した。すなわち、正極を縦15mm、横120mmの大きさに切断し、図5で示すような装置を用いて、基台に80mmを接着固定して、剥離試験を行った。その後、正極を設置せずに、引き上げ試験を行い、基台131のみがスライドする時の力の成分を測定し、剥離試験の結果から、この基台131のスライド時における力の成分を差し引き、単位長さ(m)当りに換算した。各非水電解質二次電池の正極に対しそれぞれ5個の剥離強度を測定した。
[サイクル寿命の測定試験]
各非水電解質二次電池につき、25℃の温度条件下において、電流値1500mAで4.2V、150mAになるまでの定電流−定電圧充電し、10分間の休止期間、電流値3100mAで2.5Vになるまでの定電流放電、及び、10分間の休止期間からなる充放電サイクルを繰り返した。初期放電容量に対する放電容量の割合を容量維持率とし、容量維持率70%に到達した時点でのサイクル数を計測した。
表1に、各実施例及び比較例1の非水電解質二次電池について行った、釘刺し試験、正極合材層の剥離強度の測定試験、及び、サイクル寿命の測定試験の結果を示す。
Figure 0006872726
表1に示す結果から分かるように、真円度が5%以上75%以下である無機粒子34、導電材35及び結着材36を含み、かつ、空隙率が30%以上69%以下である中間層33を正極集電体31と正極合材層32との間に設けた各実施例の電池10によれば、釘刺し試験における発熱が大幅に抑制され、また、サイクル寿命に改善が見られた。この結果は、上記中間層33を正極集電体31と正極合材層32との間に設けたことにより、中間層33及び正極合材層32が正極集電体31から剥離し難くなったためであり、また、上記中間層33における空隙に非水電解液が適量保持されるようになったためと考えられる。充放電サイクル中及び内部短絡時に中間層33及び正極合材層32が剥がれ難くなったことで、正極集電体31に含まれるアルミニウムと正極合材層32に含まれる正極活物質との酸化還元反応が抑制され、ジュール発熱量が低減したものと考えられる。さらに非水電解液が中間層33に適量保持されることにより、正極合材層内の非水電解液の保持量低下を防止して、サイクル寿命を改善し、また、内部短絡時のジュール発熱を非水電解液が吸熱して、内部短絡時の温度上昇を抑制したと考えられる。
表1に示す結果によると、中間層の空隙率が50%以上65%以下の範囲に含まれる実施例3から7の非水電解質二次電池は、他の実施例のうち同じ真円度を有する無機粒子を用いた非水電解質二次電池と比較して、サイクル特性について一層の改善が見られた。また、表1に示す結果によると、実施例において空隙率が同じ非水電解質二次電池同士を比較すると、真円度が小さいほどサイクル特性および剥離特性が改善した。
10 二次電池(電池)
12 電極体
15 ケース本体
16 封口体
17 絶縁板
18 絶縁板
19 正極リード
20 負極リード
21 張り出し部
22 フィルタ
22a フィルタ開口部
23 下弁体
24 絶縁部材
25 上弁体
26 キャップ
26a キャップ開口部
27 ガスケット
30 正極
31 正極集電体
32 正極合材層
33 中間層
34 無機化合物粒子(無機粒子)
35 導電材
36 結着材
40 負極
50 セパレータ
131 基台
132 被試験体
133 接着部材
134 チャック
135 ベアリング部位
136 ばね
137 固定部
138 引き上げ台
139 ワイヤ
140 滑車
141 ワイヤ
142 つかみ冶具
143 ロードセル
144 支持部
145 支柱
146 駆動部
147 リニアセンサ
148 支持台
150 ベース

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、電解質とを備え、
    前記正極は、アルミニウムを含む正極集電体と、リチウム遷移金属酸化物で構成される正極活物質を含む正極合材層と、前記正極集電体及び前記正極合材層の間に設けた中間層とを備え、
    前記中間層は、無機化合物粒子、導電材及び結着材を含み、かつ、前記中間層の空隙率が30%以上69%以下であり、
    前記無機化合物粒子は、その断面形状の外形線を同心の二円により間隔が最小となるように挟んだときの前記二円の外接円の半径bに対する前記二円の内接円の半径aの比a/bで表される前記無機化合物粒子の真円度の平均値が、5%以上75%以下である、
    二次電池。
  2. 前記正極合材層の活物質密度が3.0g/cm以上である、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記正極合材層の厚みが150μm以上240μm以下である、請求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 前記中間層の空隙率が前記正極合材層の空隙率よりも高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池。
  5. 前記中間層の空隙率が前記正極合材層の空隙率よりも4%以上15%以下高い、請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記中間層の総量に対する前記中間層に含まれる前記導電材の含有量が1質量%以上7質量%以下である、請求項4又は5に記載の二次電池。
  7. 前記中間層の総量に対する前記中間層に含まれる前記導電材の含有量が、前記正極合材層の総量に対する前記正極合材層に含まれる導電材の含有量に対して1.1倍以上7.8倍以下である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の二次電池。
  8. 前記無機化合物粒子の中心粒径が1μm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次電池。
  9. 前記無機化合物が酸化アルミニウムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の二次電池。
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