JP6872314B2 - 建具と建具の施工方法 - Google Patents
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Description
一般的に窓サッシ等の設置や交換の工事は屋外側から行うため、特に2階以上の高さの開口部に枠体等の窓サッシを設置したりリフォームで交換したりするには足場を組む必要があり、コスト高になっていた。
また、特許文献2に記載された窓サッシでは、建物の開口部に先付枠としてのセットバック下横枠を固定しておき、その上部に下枠としての障子側下横枠を嵌合させるようにしている。上枠や左右の縦枠についても同様な部材を設置していた。この種の窓サッシでも、セットバック枠体に対して障子側枠体を屋外側から設置する構造になっている。
本発明による建具によれば、建物開口部に固定した先付枠に対して屋内側から枠体ユニットを設置して固定具によって枠体ユニットを固定し、枠体ユニット内に障子を納めることで建具を建物開口部に取り付けることができる。建具の取り外しに際しては、屋内側から固定具を取り外すことで枠体ユニットを屋内側に取り外すことができる。
枠体ユニットを先付枠に固定した固定具を、屋内側から被覆部材で被覆することで屋内から目視できないように隠すことができる。
本発明による建具の施工方法によれば、建物開口部に固定した先付枠に対して屋内側から枠体ユニットを嵌合させて設置した後で固定具によって固定し、障子を納めることで建具を取り付けることができる。
なお、建具の取り外しに際しては、屋内側から固定具を取り外すことで枠体ユニットを屋内側に取り外すことができる。
図1乃至図4は本発明の第一実施形態によるドレーキップ窓1を示すものである。本実施形態によるドレーキップ窓1は内開きまたは/及び内倒し窓であり、建物の開口部2の躯体厚さの内面に設置した内付け納まり窓である。図1及び図2に示すように、ドレーキップ窓1は、建物の四角形状の開口部2に略四角形枠状の先付枠3を固定し、先付枠3内に枠体4と障子5を納めた建具である。
図1及び図3において、下先付枠7の内面7b上には略板状の下アンカー部材15が下枠11に固定されて設置されている。下アンカー部材15は屋外側と屋内側に断面略L字状の鉤部15aがそれぞれ形成され、屋内側端部15bは下先付枠7より屋内側に突出すると共に、その途中に下先付枠7の側面7dに当接する当接片15cを突出形成している。この当接片15cと下先付枠7の側面7dとを止水材を介して固定ねじ16で固定している。なお、止水材の形状は板状でもよく任意である。
しかも下先付枠7の内面7bには屋外側端部に段付き部7cが形成され、段付き部7cには屋内側横シール部材17が形成され、下枠11の後述するレッグ11aと気密・水密にシールしている。
図1において、上述した下先付枠7と下アンカー部材15及び下枠11に対して、障子5を挟んで対向する上部には、上先付枠8と上アンカー部材19及び上枠12が同様な構成で配設されている。上枠12と上アンカー部材19は、下枠11及び下アンカー部材15とほぼ対称な構成を有しているため一部を除いて説明を省略する。
図2及び図4に基づいて、左右の縦先付枠9と縦アンカー部材20と縦枠13は略対称な構成を有しているため、左側の縦先付枠9と縦アンカー部材20と縦枠13の構成について代表して説明する。縦先付枠9の縦基板9aに連結された内面9b側には略板状の縦アンカー部材20が間隔を開けて設置され、縦アンカー部材20は縦枠13に連結されている。この縦アンカー部材20の屋外側と屋内側に鉤部20aがそれぞれ形成され、屋内側端部20bは縦先付枠9より屋内側に突出すると共に、その途中に縦先付枠9の側面9dに当接する当接片20cを形成している。この当接片20cと縦先付枠9の側面9dとを固定ねじ16で固定している。
しかも縦先付枠9の内面9bに設置した屋内側縦シール部材21は、縦枠13に当接することで気密・水密にシールしている。
また、障子5を納めた枠体4において、下框23は下枠11によって支持されている。図1及び図3において、下枠11は単一のホロー部によって断面略L字状に形成されており、その上部には屋内側を向くパッキン28とガラスパネル22側を向くパッキン30とを介して下框23の下部を当接させている。また、下枠11内のホロー部内には例えば略コの字形状の鋼製の芯材が設置されている。
そして、下先付枠7の下基板7aの最も屋外側端部には水切りカバー部7eが形成され、その上部には屋外側横シール部材32が上向きに形成されている。この屋外側横シール部材32に下枠11の当接用のレッグ部11cが当接して気密・水密にシールしている。
なお、図1に示すように上框24と上枠12においても下框23と下枠11の構成と略同一の構成を有しており、略対称形状を有している。
縦枠13は単一のホロー部によって略L字状に形成されており、その右側には屋内側を向くパッキン34とガラスパネル22に向けて設けたパッキン36とを介して縦框25の側部を当接させている。縦枠13内のホロー部内には例えば略コの字形状の鋼製の芯材が設置されている。
縦枠13の最も屋外側に形成された水切りカバー部13dは先端側が階段状に屈曲して当接用のレッグ部13cと係合している。縦先付枠9の縦基板9aと内面9bの最も屋外側端部にはカバー部9eが形成され、カバー部9eの先端部には屋外側縦シール部材38が形成されている。この屋外側縦シール部材38に縦枠13の水切りカバー部13dの屈曲部が当接して気密・水密にシールしている。
また、同様に、上先付枠8の側面8dと上アンカー部材19の当接片19cを固定する固定ねじ16、左右の縦先付枠9の側面9dと縦アンカー部材20の当接片20cを固定する固定ねじ16をそれぞれ隠すように、木額縁40が上アンカー部材19の屋内側端部19b、縦アンカー部材20の屋内側端部20bと締結ねじ41によってそれぞれ固定されている。
枠体4に対して障子5は内開きまたは/及び内倒し可能であり、枠体4に対して障子5を取り外し取り付け可能である。
また、枠体ユニット45を略四角形枠状の先付枠3内に嵌合した場合には、下アンカー部材15、上アンカー部材19、縦アンカー部材20に設けた当接片15c、19c、20cが下先付枠7、上先付枠8、左右の縦先付枠9の側面7d、8d、9dに当接することで所定位置に保持できる。
また、下先付枠7及び下枠11の接合部には屋外側横シール部材32と屋内側横シール部材17がそれぞれ水密・気密に設置されていて、雨水の浸入を二段階で防止している。上先付枠8及び上枠12の接合部には屋外側横シール部材32が水密・気密に設置されている。同様に、左右の縦先付枠9と縦枠13の接合部にも屋外側縦シール部材38と屋内側縦シール部材21がそれぞれ水密・気密に設置されている。
本実施形態では、屋外側横シール部材32と屋外側縦シール部材38、屋内側横シール部材17と屋内側縦シール部材21は互いに非接触に構成されているが、接触状態に構成していてもよい。
ドレーキップ窓1の組み立て施工時には、建物の開口部2の内面に先付枠3の下先付枠7、上先付枠8、左右の縦先付枠9をそれぞれ取り付けてねじ10によって開口部2の躯体に固定する。これにより、先付枠3の下先付枠7、上先付枠8、左右の縦先付枠9の各内面は略四角形枠状の空間を形成する。なお、下先付枠7、上先付枠8、左右の縦先付枠9は屋内側から開口部2に取り付け固定することができる。
一方、下枠11、上枠12、左右の縦枠13と下アンカー部材15、上アンカー部材19、左右の縦アンカー部材20をそれぞれ取り付けた枠体ユニット45を組み立てる。
また、ドレーキップ窓1の設置後、相当期間が経過してリフォームする場合には、上述の取り付け施工作業と逆の作業工程によって枠体ユニット45を屋内側に取り外し、新たな枠体ユニット45を取り付けて固定ねじ16で固定し、木額縁40で覆い隠せばよい。
しかも、先付枠3に枠体ユニット45を取り付けて固定ねじ16によって屋内側から固定した状態で、木額縁40によって各固定ねじ16や先付枠3を被覆できるので、安全で外観の見栄えが良い。
更に、先付枠3と枠体4との接合部に、屋外側横シール部材32と屋内側横シール部材17、屋外側縦シール部材38と屋内側縦シール部材21をそれぞれ横方向と縦方向に2段階に設置したため、それぞれ水密・気密性と断熱・防露性が高い。しかも、これらの各シール部材は枠体ユニット45を取り外した状態で交換可能である。
本第二実施形態によるドレーキップ窓50は、基本構成を第一実施形態によるドレーキップ窓1と同じくしており、下アンカー部材15、上アンカー部材19、左右の縦アンカー部材20を取り付けていない点で相違する。図5において、障子5を納めた枠体4の下枠51は複数のホロー部で形成されていて、下先付枠7に載置される下面51aから下方に向けてフィン52が突出して形成されている。このフィン52は下先付枠7の屋内側の側面7dに当接した状態で固定ねじ16で締め込み固定されている。
また、下枠51の下面51aと下先付枠7との間には屋外側とその屋内側とで間隔を開けて屋外側横シール部材32と屋内側横シール部材17が設置されて気密・水密を確保している。
そして、枠体4の下枠51、上枠55、左右の縦枠58の屋外側の面には網戸61が設置されている。
本第二実施形態によるドレーキップ窓50では、第一実施形態と比較して下アンカー部材15、上アンカー部材19、左右の縦アンカー部材20を取り付けていないため、部品点数と組み立て工数をより削減できて低コストになる。
本第三実施形態によるドレーキップ窓70は、基本構成を第一実施形態によるドレーキップ窓1と同じくしており、下アンカー部材15、上アンカー部材19、左右の縦アンカー部材20を取り付けている点でも共通する。また、開口部2の各内面に凹段部2aは形成されていない。
図7において、下先付枠7と上先付枠8は開口部2の内面から一部が屋外側に突出した位置に保持され、その下基板7aと上基板8aはねじ10によって開口部2を仕切る躯体に固定されている。同様に図8において、左右の縦先付枠9も開口部2の内面から一部が屋外側に突出した位置に保持され、その縦基板9aはねじ10によって開口部2の躯体に固定されている。
各当接片15c、19c、20cの屋内側には断面略L字状の木額縁40が配設され、これらの木額縁40の支持部40aと下アンカー部材15、上アンカー部材19、左右の縦アンカー部材20の屋内側端部15b、19b、20bとが締結ねじ41で連結固定されている。
また、屋内側で固定ねじ16を隠す部材として木額縁40、53を用いたが、木額縁40,53に代えて樹脂製や金属製等の部材を用いてもよく、これらは本発明の被覆部材に含まれる。固定ねじ16は固定具に含まれる。
また、木額縁40,53は必ずしも設けなくてもよい。
また、本発明による建具としてドレーキップ窓1,50、70について説明したが、本発明はドレーキップ窓1,50,70に限定されることなく、引き違い窓やFIX窓、縦横の辷り出し窓、上げ下げ窓等、各種の窓を含む建具に採用できる。
3 先付枠
4 枠体
5 障子
7 下先付枠
7d、8d、9d 側面
8 上先付枠
9 縦先付枠
15 下アンカー部材
15c、19c、20c 当接片
16 固定ねじ
17 屋内側横シール部材
19 上アンカー部材
20 縦アンカー部材
21 屋内側縦シール部材
32 屋外側横シール部材
38 屋外側縦シール部材
40、53 木額縁
45 枠体ユニット
52、56、59 フィン
Claims (3)
- 建物開口部に固定した先付枠と、
前記先付枠に取り付けられていて屋内側から固定具で固定した枠体ユニットと、
を備え、
前記先付枠は、中空のホロー部を有しており、
前記枠体ユニットは、枠体の周縁部に略板状のアンカー部材を有し、
前記先付枠における前記建物開口部の内方を向く内面は平板状に形成され、
前記アンカー部材は、前記内面と対向配置され、
前記先付枠に対して、前記枠体ユニットを正対させた状態で屋内側から挿入配置可能に構成され、
前記先付枠の屋内側を向く側面と、該側面の屋内側に位置し前記アンカー部材の屋内側端部に連設され屋内外方向を向く板状の当接片と、が固定部材により屋内側から固定されて、前記先付枠に前記枠体ユニットが固定されていることを特徴とする建具。 - 前記固定具を屋内側から被覆する被覆部材を備えている請求項1に記載された建具。
- 建物開口部に固定される先付枠と、
前記先付枠に固定される枠体ユニットと、を備えた建具の施工方法であって、
前記先付枠は、中空のホロー部を有しており、
前記枠体ユニットは、枠体の周縁部に略板状のアンカー部材を有し、
前記先付枠における前記建物開口部の内方を向く内面は平板状に形成され、
前記アンカー部材は、前記内面と対向配置され、
前記建物開口部に前記先付枠を固定する工程と、
前記先付け枠に対して、前記枠体ユニットを正対させた状態で該枠体ユニットを屋内側から挿入する工程と、
前記先付枠の屋内側を向く側面と、該側面の屋内側に位置し前記アンカー部材の屋内側端部に連設され屋内外方向を向く板状の当接片と、を固定部材により屋内側から固定する工程と、を備えたことを特徴とする建具の施工方法。
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