JP6871526B2 - 親水性含フッ素高分岐ポリマー及びそれを含む重合性組成物 - Google Patents
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Description
こうした表面性能の課題解決として、接触角の測定により従来評価されている水滴を弾く性質“撥水性”のみならず、水滴が付着しても濡れ広がる性質“親水性”が注目されている。
このように、これまでの親水性表面は親水性や耐久性の点で満足できるものではなく、優れた親水性及び十分な硬度を付与できるコーティング組成物が望まれていた。
第2観点として、前記重合性化合物が、分子内に、エーテル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の脂肪族炭化水素基、及び1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーFをさらに含む、第1観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第3観点として、前記ラジカル重合性二重結合が、それぞれ独立してビニル基又は(メタ)アクリロイル基である、第1観点又は第2観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第4観点として、前記モノマーBが、ジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物である、第3観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第5観点として、前記モノマーBがリン酸構造を有する化合物である、第1観点乃至第4観点のうち何れか一項に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第6観点として、前記モノマーBが、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)=ヒドロゲン=ホスフェート、又は1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2−イル=ジヒドロゲン=ホスフェートである、第5観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第7観点として、前記モノマーAが、ジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物である、第3観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第8観点として、前記モノマーAが式[1]で表される化合物である、第7観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第9観点として、前記L1がエチレン基である、第8観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第10観点として、前記aが1乃至10の整数である、第8観点又は第9観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第11観点として、前記モノマーAと前記モノマーBの合計モル数に対して50〜1,200モル%量の前記モノマーCを用いて得られる、第1観点乃至第10観点のうち何れか一項に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第12観点として、前記モノマーCが、式[2]乃至式[4]で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、第3観点乃至第11観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第13観点として、前記モノマーAと前記モノマーBの合計モル数に対して50〜300モル%量の前記モノマーDを用いて得られる、第1観点乃至第12観点のうち何れか一項に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第14観点として、前記モノマーDが式[5]で表される化合物である、第3観点乃至第13観点に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第15観点として、前記重合開始剤Eがアゾ系重合開始剤である、第1観点乃至第14観点のうち何れか一項に記載の親水性高分岐ポリマーに関する。
第16観点として、(a)活性エネルギー線重合性多官能モノマー100質量部、(b)第1観点乃至第15観点のうち何れか一項に記載の親水性高分岐ポリマー0.001〜20質量部、及び(c)活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤1〜20質量部を含む重合性組成物に関する。
第17観点として、前記(a)多官能モノマーが多官能(メタ)アクリレート化合物である、第16観点に記載の重合性組成物に関する。
第18観点として、前記(c)重合開始剤がアルキルフェノン化合物である、第16観点又は第17観点に記載の重合性組成物に関する。
第19観点として、第16観点乃至第18観点のうち何れか一項に記載の重合性組成物より得られる硬化膜に関する。
第20観点として、フィルム基材の少なくとも一方の面にハードコート層を備えるハードコートフィルムであって、該ハードコート層が、第16観点乃至第18観点のうち何れか一項に記載の重合性組成物の紫外線硬化膜である、ハードコートフィルムに関する。
第21観点として、前記ハードコート層が1〜30μmの膜厚を有する、第20観点に記載のハードコートフィルムに関する。
第22観点として、フィルム基材の少なくとも一方の面にハードコート層を備えるハードコートフィルムの製造方法であって、第16観点乃至第18観点のうち何れか一項に記載の重合性組成物をフィルム基材上に塗布し塗膜を形成する工程、塗膜に紫外線を照射し硬化する工程、を含む、ハードコートフィルムの製造方法に関する。
そして本発明の親水性高分岐ポリマーを含有する樹脂組成物は、親水性に優れる硬化膜(ハードコート)を形成することができる。
本発明は、分子内にアミノ基(−NH2など)、アミド構造(−C(=O)−NH−など)、アンモニウム基(−N(CH3)3 +など)及びリン酸構造(−O−P(=O)(OH)−O−など)からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性部位とフルオロアルキル基とを有する親水性高分岐ポリマーを対象とするものである。
詳細には、本発明は、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーA、分子内に前記少なくとも1種の親水性部位及び2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーB及び分子内に前記少なくとも1種の親水性部位及び1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーCからなる群より少なくとも2種選ばれるか、又は前記モノマーBからなる親水性モノマーと、分子内に前記フルオロアルキル基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーD、そして所望により分子内に、エーテル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の脂肪族炭化水素基、及び1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーFとを含む重合性化合物を、該モノマーA及び該モノマーBの合計モル数に対して5〜200mol%量の重合開始剤Eの存在下で重合させることにより得られる親水性高分岐ポリマーに関するものである。
また、前記親水性高分岐ポリマーは、本発明の効果を損わない限り、前記モノマーA、前記モノマーB、前記モノマーC、前記モノマーD、及び前記モノマーFに属さないその他のモノマーを、必要に応じて共重合させてもよい。
なお、前記親水性高分岐ポリマーは、いわゆる開始剤断片組込み(IFIRP)型高分岐ポリマーであり、その末端に重合に使用した重合開始剤Eの断片を有している。
本発明において、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAは、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基の何れか一方又は双方を有する化合物であることが好ましく、特にジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。なお、本発明では(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート化合物とメタクリレート化合物の両方をいう。例えば(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸をいう。
また式[1]中のaは1乃至10の整数であることが好ましい。
(A1)ビニル系炭化水素類:
(A1−1)脂肪族ビニル系炭化水素類;イソプレン、ブタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン等
(A1−2)脂環式ビニル系炭化水素類;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ノルボルナジエン等
(A1−3)芳香族ビニル系炭化水素類;ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジビニルフルオレン、ジビニルカルバゾール、ジビニルピリジン等
(A2)ビニルエステル、アリルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル及びビニルケトン:
(A2−1)ビニルエステル;アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、イタコン酸ジビニル、ビニル(メタ)アクリレート等
(A2−2)アリルエステル;マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート等
(A2−3)ビニルエーテル;ジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等
(A2−4)アリルエーテル;ジアリルエーテル、ジアリルオキシエタン、トリアリルオキシエタン、テトラアリルオキシエタン、テトラアリルオキシプロパン、テトラアリルオキシブタン、テトラメタリルオキシエタン等
(A2−5)ビニルケトン;ジビニルケトン、ジアリルケトン等
(A3)(メタ)アクリル酸エステル:
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン=トリ(メタ)アクリレート、グリセリン=1,3−ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパン、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルコキシチタントリ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、ビス[2−(メタ)アクリロイルチオエチル]スルフィド、芳香族ウレタンジ(メタ)アクリレート、イソホロンウレタンジ(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタンジ(メタ)アクリレート等
(A4)ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系化合物:
ポリエチレングリコール(分子量:200,300,400,600,1000など)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量:400,500,700など)ジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(分子量:650など)ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコール(分子量:700など)ジ(メタ)アクリレート等
(A5)含窒素ビニル系化合物:
ジアリルアミン、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルシアヌレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスマレイミド等
(A6)含ケイ素ビニル系化合物:
ジメチルジビニルシラン、ジビニル(メチル)(フェニル)シラン、ジフェニルジビニルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザン、ジエトキジビニルシラン等
(A7)含フッ素ビニル系化合物:
1,4−ジビニルパーフルオロブタン、1,4−ジビニルオクタフルオロブタン、1,6−ジビニルパーフルオロヘキサン、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、1,8−ジビニルパーフルオロオクタン、1,8−ジビニルヘキサデカフルオロオクタン等。
本発明において、分子内に前記少なくとも1種の親水性部位及び2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBは、前記親水性部位の少なくとも1種と、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基の何れか一方又は双方を有する化合物であることが好ましく、特に前記親水性部位の少なくとも1種を有するジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
本発明において、前記少なくとも1種の親水性部位及び1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーCは、好ましくは前記親水性部位の少なくとも1種と、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基の何れか一方とを有する化合物であることが好ましく、特に下記式[2]乃至式[4]で表される化合物群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
これらの中でも、表面改質効果の観点から、L2、L3、L5、L6はエチレン基であることが好ましい。
これらの中でも、表面改質効果の観点から、L4はメチレン基であることが好ましい。
本発明において、分子内にフルオロアルキル基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーDは、好ましくは分子内にフルオロアルキル基と、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物であることが好ましく、特に下記式[5]で表される化合物が好ましい。
中でも、前記モノマーDは下記式[6]で表される化合物であることが好ましい。
これらの中でも、親水性及び表面改質効果の観点から2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレートが最も好ましい。
上記重合開始剤Eとしては、好ましくはアゾ系重合開始剤が用いられる。アゾ系重合開始剤としては、例えば以下の(1)乃至(5)に示す化合物を挙げることができる。
(1)アゾニトリル化合物:
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等;
(2)アゾアミド化合物:
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等;
(3)環状アゾアミジン化合物:
2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジスルフェートジヒドレート、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド等;
(4)アゾアミジン化合物:
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラヒドレート等;
(5)その他:
2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(2−(パーフルオロメチル)エチル)4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、ビス(2−(パーフルオロブチル)エチル)4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、ビス(2−(パーフルオロヘキシル)エチル)4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)等。
本発明において、前記モノマーA乃至モノマーDに加えて、エーテル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の脂肪族炭化水素基、及び1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーFをさらに含んでいてもよい。該モノマーFを加えることにより、後述する硬化膜(ハードコート層)の形成時において、表面均一性を損なう微小粒状物の生成を抑制し、硬化膜の表面均一性をより向上させることができる。
上記モノマーFとしては、好ましくはエーテル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の脂肪族炭化水素基と、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基の何れか一方とを有する化合物であることが好ましい。
具体的には、以下に示す直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基(ミリスチル基)、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(パルミチル基)、ヘプタデシル基(マルガリル基)、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、イコシル基等並びにこれらの少なくとも一部がエーテル結合によって中断されている基が挙げられる。
本発明において、前記モノマーA、モノマーB、モノマーC、モノマーD及びモノマーFに属さないその他のモノマーを共重合してもよく、その場合、その他のモノマーとしては分子内に1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーであれば特に制限はないが、ビニル化合物又は(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
本発明において、その他モノマーの使用量は、前記モノマーA及びモノマーBの合計モル数に対して5〜300モル%の量で使用することが好ましい。
本発明の親水性高分岐ポリマーは、前述のモノマーA乃至モノマーCのうち少なくとも2種選ばれるか又はモノマーBからなる親水性モノマーと、モノマーDと、所望によりモノマーFとを含む重合性化合物を、該モノマーA及びモノマーBの合計モル数に対して所定量の重合開始剤Eの存在下で重合させることにより得られる。該重合方法としては公知の方法、例えば溶液重合、分散重合、沈殿重合、及び塊状重合等が挙げられ、中でも溶液重合又は沈殿重合が好ましい。特に分子量制御の点から、有機溶媒中での溶液重合によって反応を実施することが好ましい。
重合反応は常圧、加圧密閉下、又は減圧下で行われ、装置及び操作の簡便さから常圧下で行うのが好ましい。また、N2等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
重合温度は、反応混合物の沸点以下であれば任意であるが、重合効率と分子量調節の点から、好ましくは50〜200℃であり、さらに好ましくは80〜150℃であり、80〜130℃がより好ましい。
反応時間は、反応温度や、モノマーA、モノマーB、モノマーC、モノマーD、重合開始剤E並びに所望によりモノマーFの種類及び割合、重合溶媒種等によって変動するものであるため一概には規定できないが、好ましくは30〜720分、より好ましくは40〜540分である。
重合反応の終了後、得られた親水性高分岐ポリマーを任意の方法で回収し、必要に応じて洗浄等の後処理を行う。反応溶液から高分子を回収する方法としては、再沈殿等の方法が挙げられる。
本発明は、前記親水性高分岐ポリマーを含む重合性組成物、詳細には、(a)活性エネルギー線重合性多官能モノマー100質量部、(b)前記親水性高分岐ポリマー0.001〜20質量部、及び(c)活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤1〜20質量部を含有する重合性組成物も対象とする。
上記(a)活性エネルギー線重合性多官能モノマー(以下、単に(a)多官能モノマーとも称する)としては、後述する成分(c)重合開始剤の作用によって重合する重合性の部位を、分子内に2個以上有する化合物であれば特に制限はなく、例えばウレタンアクリル系、エポキシアクリル系、各種(メタ)アクリレート系等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含有する多官能モノマー等が挙げられる。
好ましくは、(a)多官能モノマーは、多官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる群から選ばれるモノマーであることが望ましい。
これら化合物は一種を単独で用いてもよいし、必要に応じて二種以上を混合して用いてもよい。
これらの例示の中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を3個以上含有する化合物が好ましく、さらにペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を4個以上含有する化合物がより好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロメタンジイソシアネート或いはこれらジイソシアネート化合物のうち芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物(例えば水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネートなどのような2価あるいは3価のジイソシアネート化合物あるいはポリイソシアネート化合物や、これらを多量化させて得られる多量化ポリイソシアネート化合物等のイソシアネート基含有化合物が挙げられる。
また活性水素を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらのラクトン付加物(例えば、(株)ダイセル製のプラクセル(登録商標)FAシリーズ、同FMシリーズ等)も使用することができる。また、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル・サイテック(株)製「DPHA」等)も使用可能である。
本発明の重合性組成物において、成分(b)として親水性高分岐ポリマーを用いる。当該重合性組成物において、前記親水性高分岐ポリマーは、親水性を付与する表面改質剤としての役割を備える。
成分(b)の親水性高分岐ポリマーは、前記成分(a)活性エネルギー線重合性多官能モノマー100質量部に対し、0.001〜20質量部の量にて、好ましくは0.01〜10質量部の量にて使用することが好ましい。
上記(c)活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤(以下、単に(c)重合開始剤とも称する)は、例えば紫外線(光)等の活性エネルギー線照射時に活性ラジカルを生成する化合物(光ラジカル重合開始剤)であれば特に限定されることなく使用できる。
このような光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、アルキルフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、アジド系化合物、ジアゾ系化合物、o−キノンジアジド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾフェノン類、ビスクマリン、ビスイミダゾール化合物、有機過酸化物、チタノセン化合物、チオール化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、トリクロロメチルトリアジン化合物、あるいはヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物などのオニウム塩化合物等が用いられる。
これら重合開始剤は単独で用いてもよいし、必要に応じて二種以上を混合して用いてもよい。
本発明の重合性組成物は、基材上にコーティングして光重合(硬化)させることにより、硬化膜や積層体などの成形品を成すことができる。こうして得られる硬化膜もまた本発明の対象である。
前記基材としては、例えば、プラスチック材料[ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合物(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合物(AS)樹脂、ノルボルネン系樹脂等]、金属、木材、紙、ガラス、二酸化ケイ素、スレート等を挙げることができ、中でも好ましくはプラスチック材料である。これら基材の形状は板状、フィルム状又は3次元成形体でもよい。
これらの塗布方法の中でも短時間で塗布できることから揮発性の高い溶液であっても利用でき、また、容易に均一な塗布を行うことができるという利点より、スピンコート法を用いることが望ましい。また、簡単に塗布することができ、かつ、大面積に塗装ムラがなく平滑な塗膜を形成することができるという利点より、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法を用いることが望ましい。
また上記(a)乃至(c)成分並びにその他成分を溶媒に溶解又は分散させる濃度は任意であるが、前記(a)乃至(c)成分及びその他成分(固形分)と溶媒の総質量(合計質量)に対して、固形分濃度が0.5〜80質量%であり、好ましくは1〜70質量%であり、より好ましくは1〜60質量%とすることが好ましい。
こうして得られたワニスは、事前に孔径が0.2μm程度のフィルタなどを用いて濾過した後、コーティングに供してもよい。
その後、必要に応じてポストベーク、具体的にはホットプレート、オーブンなどを用いて加熱してもよい。
なお、コーティングにより形成された膜の厚さは、乾燥、硬化後において、通常0.01〜50μm、好ましくは0.05〜50μmである。
また本発明は、上記重合性組成物、好ましくはワニスの形態の上記重合性組成物を、フィルム基材上に塗布し塗膜を形成する工程、塗膜に紫外線を照射し硬化する工程により形成されている、フィルム基材の少なくとも一方の面にハードコート層を備えるハードコートフィルムも対象とする。
ここで使用する基材や塗膜方法、紫外線等のエネルギー線照射については、前述の<硬化膜>における基材、コーティング方法、活性エネルギー線照射の通りである。
本発明のハードコートフィルムにおいては、前記ハードコート層の膜厚は1〜30μmであることが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
装置:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)OHpak SB−803HQ、OHpak SB−804HQ
カラム温度:40℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(リン酸29.6mM及びリチウムブロミド29.6mM添加)
検出器:RI
(2)バーコート塗布
装置:(株)エスエムテー製 PM−9050MC
バー:オーエスジーシステムプロダクツ(株)製 A−Bar OSP−22、最大膜厚22μm(ワイヤーバー#9相当)
塗布速度:6.7m/分
(3)オーブン
装置:アドバンテック東洋(株)製 無塵乾燥器 DRC433FA
(4)UV照射装置
装置:アイグラフィックス(株)製 H02−L41
(5)接触角測定
装置:協和界面科学(株)製 DropMaster DM−501
測定温度:20℃
(6)HAZE
装置:日本電色工業(株)製 ヘーズメーター NDH5000
9DMA:ノナエチレングリコールジメタクリレート[日油(株)製 ブレンマー(登録商標)PDE−400]
DMA:エチレングリコールジメタクリレート[新中村化学工業(株)製 1G]
HDN:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート[新中村化学工業(株)製 HD−N]
PDMA:ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)=ヒドロゲン=ホスフェート[共栄社化学(株)製 ライトエステルP−2M]
ACA:N−(2−アクリロイルオキシエチル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム=クロリド[大阪有機化学工業(株)製 DMAMC]
BTM:N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N,N−ジメチルグリシン[大阪有機化学工業(株)製 GLBT]
HAA:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド[KJケミカルズ(株)製 HEAA(登録商標)]
PMA:2−メタクリロイルオキシエチル=ジヒドロゲン=ホスフェート[共栄社化学(株)製 ライトエステルP−1M]
C1FA:2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製 ビスコート3F]
C1FM:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート[共栄社化学(株)製 ライトエステルM−3F]
AMBN:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)[和光純薬工業(株)製 V−59]
BA:ブチルアクリレート[東京化成工業(株)製]
LA:ラウリルアクリレート[日油(株)製 ブレンマー(登録商標)LA]
UV7600:6官能ウレタンアクリレート[日本合成化学工業(株)製 紫光(登録商標)UV−7600B]
I184:1−ヒドロキシシクロヘキシル=フェニル=ケトン[BASFジャパン(株)製 IRGACURE(登録商標)184]
MIBK:メチルイソブチルケトン
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
100mL反応フラスコに、PGME13g(モノマーBの使用量に対して4質量部)を仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み、内液が還流するまで(およそ120℃)加熱した。
別の50mL反応フラスコに、モノマーBとしてPDMA3.2g(10mmol)、モノマーDとしてC1FM1.7g(10mmol、モノマーBに対して1モル当量)、重合開始剤EとしてAMBN1.0g(5mmol、モノマーBに対して0.5モル当量)、及びPGME13g(モノマーBの使用量に対して4質量部)を仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み窒素置換を行い、氷浴にて0℃まで冷却した。
前述の100mL反応フラスコ中の還流してあるPGME中に、PDMA、C1FM、AMBNが仕込まれた前述の50mLの反応フラスコから、滴下ポンプを用いて、内容物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。
この反応混合物を室温(およそ25℃)に冷却し、目的とする高分岐ポリマー(HBP1)を、ポリマー濃度18質量%のPGME溶液として31.5g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは4,900、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は5.9であった。
表1の記載に従って実施例1と同様に各高分岐ポリマーを製造した。なお、モノマーA、モノマーC及びモノマーFは、モノマーB、モノマーD及び開始剤Eと一緒に混合し仕込んだ。
また表1中、モノマーC、モノマーD、モノマーF及び重合開始剤Eにおける[モル当量]とは、それぞれモノマーA及びモノマーBの合計モル数に対するモル当量を示し、PGMEにおける[質量部]とは、モノマーA及びモノマーBの合計1質量部に対する質量部を示す。なお、PGMEにおける、X+Y(例えば10+10)との記載は、予め還流させるPGME量としてX質量部、各モノマー等と混合するPGME量としてY質量部、をそれぞれ使用することを意味する。
得られた高分岐ポリマーPGME溶液のポリマー濃度、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mw及び分散度:Mw/Mnを表1に併せて示す。
表1の記載に従って実施例1と同様に高分岐ポリマーを製造した。得られた高分岐ポリマーPGME溶液のポリマー濃度、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mw及び分散度:Mw/Mnを表1に併せて示す。
以下の各成分を混合し、不揮発分濃度40質量%の硬化性組成物を調製した。
(1)多官能モノマー:UV7600 100質量部
(2)表面改質剤:表2に記載の表面改質剤 表2に記載の量(高分岐ポリマーとして)
(3)重合開始剤:I184 6質量部
(4)溶媒:MIBK 表2に記載の量
この硬化性組成物を、A4サイズのPETフィルム[東洋紡(株)製 コスモシャイン(商標登録)A4100、厚み125μm]上(易接着処理面側)に、バーコート塗布し塗膜を得た。この塗膜を100℃のオーブンで3分間乾燥させ溶媒を除去した。得られた膜を、空気雰囲気下、露光量300mJ/cm2のUV光を照射し露光することで、厚さおよそ5〜6μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを作製した。
[表面均一性評価基準]
A:表面全体に亘って微小粒状物が観察されず平滑
B:表面の一部分に微小粒状物が観察される
C:微小粒状物が散見される
また、モノマーFを加えることにより、得られるハードコート層の表面均一性をより向上できるという結果を得た。
一方、フルオロアルキル基を含まない親水性の高分岐ポリマー(HPB8)を用いたハードコート層(比較例2)では、前記実施例と比べて水の接触角が極めて大きい結果となり、該高分岐ポリマーではハードコート層表面に親水性を殆ど付与できないとする結果となった。
Claims (14)
- (a)多官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる群から選ばれる多官能モノマー100質量部、
(b)親水性高分岐ポリマー0.001〜20質量部、及び
(c)活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤1〜20質量部
を含む重合性組成物であり、
前記親水性高分岐ポリマーは、分子内にアミノ基、アミド構造、アンモニウム基及びリン酸構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性部位とフルオロアルキル基とを有する親水性高分岐ポリマーであり、
前記親水性高分岐ポリマーは、
下記式[1]で表される化合物であるモノマーA、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)=ヒドロゲン=ホスフェート、又は1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2−イル=ジヒドロゲン=ホスフェートであるモノマーB及び下記式[2]乃至式[4]で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物であるモノマーCからなる群より少なくとも2種選ばれるか、又は前記モノマーBからなる親水性モノマーと、
下記式[6]で表される化合物であるモノマーDとを少なくとも含む重合性化合物と、
該モノマーA及び該モノマーBの合計モル数に対して5〜200mol%量の重合開始剤Eとの重合物である親水性高分岐ポリマーであり、
該モノマーBが該モノマーAと併用される場合、該モノマーB100質量部に対して該モノマーAが50〜300質量部の割合であり、
該モノマーCの使用量は、該モノマーA及び該モノマーBの合計モル数に対して、50〜1,200モル%であり、
該モノマーDの使用量は、該モノマーA及び該モノマーBの合計モル数に対して、50〜300モル%であり、そして
該親水性高分岐ポリマーは、末端に該重合性開始剤Eの断片を有する親水性高分岐ポリマーであり、かつ
該親水性高分岐ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で測
定される重量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000である、
重合性組成物。
- 前記重合性化合物が、分子内に、エーテル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の脂肪族炭化水素基、及び1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーFをさらに含む、請求項1に記載の重合性組成物。
- 前記ラジカル重合性二重結合が、それぞれ独立してビニル基又は(メタ)アクリロイル基である、請求項2に記載の重合性組成物。
- 前記L1がエチレン基である、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の重合性組成物。
- 前記aが1乃至10の整数である、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の重合性組成物。
- 前記モノマーAと前記モノマーBの合計モル数に対して100〜1,000モル%量の前記モノマーCを用いて得られる、請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の重合性組成物。
- 前記モノマーAと前記モノマーBの合計モル数に対して50〜150モル%量の前記モノマーDを用いて得られる、請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の重合性組成物。
- 前記重合開始剤Eがアゾ系重合開始剤である、請求項1乃至請求項7のうち何れか一項に記載の重合性組成物。
- 前記(a)多官能モノマーが多官能(メタ)アクリレート化合物である、請求項1乃至請求項8のうち何れか一項に記載の重合性組成物。
- 前記(c)重合開始剤がアルキルフェノン化合物である、請求項1乃至請求項9のうち何れか一項に記載の重合性組成物。
- 請求項1乃至請求項10のうち何れか一項に記載の重合性組成物より得られる硬化膜。
- フィルム基材の少なくとも一方の面にハードコート層を備えるハードコートフィルムであって、該ハードコート層が、請求項1乃至請求項10のうち何れか一項に記載の重合性組成物の紫外線硬化膜である、ハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層が1〜30μmの膜厚を有する、請求項12に記載のハードコートフィルム。
- フィルム基材の少なくとも一方の面にハードコート層を備えるハードコートフィルムの製造方法であって、請求項1乃至請求項10のうち何れか一項に記載の重合性組成物をフィルム基材上に塗布し塗膜を形成する工程、塗膜に紫外線を照射し硬化する工程、を含む、ハードコートフィルムの製造方法。
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