以下、本発明の実施形態について、インスリン注射デバイスを参照しながら説明する。しかし、本発明は、そのような適用分野に限定されるものではなく、他の薬剤を放出する注射デバイスまたは他の種類の医療デバイスでも同様にうまく展開することができる。
図1は、注射デバイス1の分解図であり、注射デバイス1はたとえば、SanofiのSolostar(登録商標)というインスリン注射ペンを表すことができる。
図1の注射デバイス1は、充填済み使い捨ての注射ペンであり、ハウジング10を備え、インスリン容器14を収容しており、インスリン容器14に針15を取り付けることができる。針は、内側ニードル・キャップ16および外側ニードル・キャップ17によって保護されており、次いで内側ニードル・キャップ16および外側ニードル・キャップ17を、キャップ18によって覆うことができる。注射デバイス1から放出予定のインスリン用量は、投与量ノブ12を回すことによって選択することができ、次いで、選択された用量は、投与量窓またはディスプレイ13を介して、たとえばいわゆる国際単位(IU)の倍数で表示され、1IUは、約45.5マイクログラムの純粋な結晶インスリン(1/22mg)に生物学的に等価である。投与量窓またはディスプレイ13内に表示される選択された用量の一例は、図1に示すように、たとえば30IUとすることができる。選択された用量は、異なる方法で、たとえば電子ディスプレイによって、同様にうまく表示することもできることに留意されたい。投与量窓は、注射デバイスのうち、そこを通ってまたはその上で、選択された投与量を見ることができる区間に関することが理解されよう。
投与量ノブ12を回すことで機械的なクリック音が生じ、使用者に音響フィードバックを提供する。投与量窓またはディスプレイ13内に表示される数字は、ハウジング10内に収容されているスリーブ上に印刷され、このスリーブは、インスリン容器14内のピストンと機械的に相互作用する。針15が患者の皮膚部分に突き刺され、次いで注射ボタン11が押されたとき、ディスプレイ13内に表示されているインスリン用量が、注射デバイス1から放出される。注射ボタン11が押された後、注射デバイス1の針15が一定の時間にわたって皮膚部分内に留まったとき、用量の大部分が、患者の体内へ実際に注射されている。インスリン用量の放出もまた、機械的なクリック音を生じさせるが、これは、投与量ノブ12を使用するときに生じる音とは異なる。
注射デバイス1は、インスリン容器14が空になるまで、または注射デバイス1の有効
期日(たとえば、最初の使用から28日後)に到達するまで、複数回の注射処理に対して使用することができる。
さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、インスリン容器14および針15から空気を除去するために、たとえば2単位のインスリンを選択し、針15が上向きの状態で注射デバイス1を保持しながら注射ボタン11を押すことによって、いわゆる「プライム・ショット」を実行することが必要になることがある。
話を簡単にするために、以下、放出される用量が注射される用量に実質上対応し、したがって、たとえば次に注射予定の用量を提案するとき、この用量は、注射デバイスによって放出されなければならない用量に等しいと例示的に仮定する。それにもかかわらず、当然ながら、放出される用量と注射される用量との間の差(たとえば損失)を考慮に入れることもできる。
注射デバイス1のハウジング10は、前部区間101および後部区間102を含む。針15は、前部区間101の前端に取り付けられ、投与量ノブ12は、後部区間102の後端から延びる。前部区間101では、注射デバイスのハウジング10の後部区間102の直径がより小さい。前部区間101と後部区間102との間に、肩部103が画成される。肩部103は、ハウジング10の周りを円周方向に延びる。
キャップ18は、前部区間101の上に延びる。キャップ18は前部区間101を覆い、キャップ18の縁18aが肩部103に接して位置する。
注射デバイス1のハウジング10の前部区間101の外面上に、キャップ保持突条(cap retaining ridge)104が形成される。キャップ保持突条104は、肩部103近傍に配置されるが、肩部103から隔置される。突条104は、前部区間101の周囲を直径方向に延びる。突条104は、キャップ18を前部区間101の上で定位置に保持するように、キャップ18の内面上に形成された1つまたはそれ以上の保持要素(図示せず)の上に位置する。別法として、キャップ保持突条104は、キャップ18の内面上に形成された直径方向に延びる対応する凹部(図示せず)内に位置する。
注射デバイス1は、追加の要素をさらに備える。注射デバイス1の外面106から、リブ105が突出する。リブ105は、注射デバイス1の外面106に対して特有の位置で本体を位置決めする位置合わせ要素として作用する。リブ105は、投与量窓13と投与量ノブ12との間で注射デバイス1の外面106から直立する。投与量ノブ12は、注射デバイスのハウジング10の後部区間102上に配置される。リブ105は細長く、注射デバイス1の長手方向軸に対して平行に延びる。
注射デバイス1の外面106内に、左右の窪み107(図8参照)が形成される。2つの窪み107は、後部区間102内に形成される。各窪み107は、注射デバイスのハウジング10の後端近傍に形成される。これらの窪み107は、注射デバイス1の左側および右側で、概して直径方向に互いに反対側に形成される。これらの窪み107は、面取りされた側面を有する。
図2aは、図1の注射デバイス1に解放可能に取り付ける予定の補助デバイス2の一実施形態の概略図である。補助デバイス2は、ハウジング20を備え、図1の注射デバイス1のハウジング10を取り巻くように構成された嵌合ユニットを有し、したがって補助デバイス2は、注射デバイス1のハウジング10上に緊密に位置するが、それにもかかわらず、たとえば注射デバイス1が空になり、交換しなければならないとき、注射デバイス1から着脱可能である。図2aは、非常に概略的であり、物理的配置の詳細については、図
2bを参照しながら後述する。
補助デバイス2は、注射デバイス1から情報を集めるための光および音響センサを収容する。この情報の少なくとも一部、たとえば選択された用量(および場合により、この用量の単位)が、補助デバイス2の表示ユニット21を介して表示される。注射デバイス1の投与量窓13は、注射デバイス1に取り付けられた際に補助デバイス2によって遮られる。
補助デバイス2は、3つの使用者入力変換器をさらに備える。これらの変換器を、ボタン22として概略的に示す。これらの入力変換器22により、使用者が補助デバイス2の電源を投入/遮断し、アクションをトリガし(たとえば、別のデバイスとの接続もしくはペアリングを確立し、かつ/または補助デバイス2から別のデバイスへの情報の伝送をトリガする)、または何かを確認することが可能になる。
図2bは、嵌合ユニットおよびハウジングの配置がより詳細に示されている補助デバイス2の図を示す。図2bで、補助デバイス2は、注射デバイス1に取り付けられた状態で示されている。
補助デバイス2のハウジング20は、本体300およびカラー301を有する。本体300は細長く、本体300の上面302には表示ユニット21が配置される。カラー301は、本体300の下面303から延びる。本体300は、前端304および後端305を有する。カラー301は、前端304から延びる。カラー301は、細長い本体300の長手方向軸に対して鋭角に本体300から延びる。
カラー301を通って、開口部306が形成される。カラー301は、開口部306を通って注射デバイス1を受けるように構成される。本体300の下面303内に、チャネル307(図11参照)が形成される。チャネル307は細長く、本体300の前端304と後端305との間に延びる。
保護壁として作用する2つの翼308が、本体300の下面303から下方へ延びる。翼308は互いから隔置されており、チャネル307の両側から広がっている。したがって、翼308間に注射デバイス1を受けることができる。翼308は、本体300のうちカラー301とは反対側の端部で、本体300の後端305に配置される。
カラー301およびチャネル307は、位置合わせ配置(alignment arrangement)または位置合わせユニットの一部を形成する。位置合わせユニットは、注射デバイス1の外面106に対して特有の位置で本体を位置決めするように構成される。位置合わせユニットは、注射デバイス1上の特有の位置で補助デバイスを維持するために注射デバイス1のハウジング10を取り巻くように構成された嵌合ユニットの一部を形成する。
補助デバイス2は、本体を注射デバイス1に解放可能に取り付けるように構成された係合ユニットまたは配置をさらに備える。カラー301はまた、係合ユニットの一部を形成する。係合ユニットは、嵌合ユニットの一部を形成する。
注射デバイス1上の補助デバイス2の正確な位置合わせに寄与する特徴を、位置合わせ配置または位置合わせユニットと呼ぶことができる。注射デバイス1に対する補助デバイス2の係合に寄与する特徴を、係合ユニットまたは係合配置(engaging arrangement)と呼ぶことができる。
図3aおよび図3bは、補助デバイス(図2aおよび図2bの補助デバイスなど)を注射デバイスとともに使用するときのデバイス間の可能な機能分布を示す。
図3aの集合4で、補助デバイス41(図2aおよび図2bの補助デバイスなど)は、注射デバイス40からの情報を判定し、この情報(たとえば、注射予定の薬剤の種類および/または用量)を血糖監視システム42へ(たとえば、有線または無線の接続を介して)提供する。
血糖監視システム42(たとえば、デスクトップ・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント、携帯電話、タブレット・コンピュータ、ノートブック、ネットブック、またはウルトラブックとして実施することができる)は、患者がこれまでに受けた注射を記録する(たとえば、放出された用量と注射された用量が同じであると仮定することによって、または放出された用量に基づいて注射された用量を判定することによって、たとえば放出された用量のうち、事前に画成された割合が、患者によって完全に受けられるわけではないと仮定することによって、放出された用量に基づいて行う)。血糖監視システム42は、たとえば、この患者に対する次の注射のインスリンの種類および/または用量を提案することができる。この提案は、患者によって受けられた1つまたはそれ以上の過去の注射に関する情報、および血糖メータ43によって測定されて血糖監視システム42へ(たとえば、有線または無線の接続を介して)提供される現在の血糖レベルに関する情報に基づいて行うことができる。そこで、血糖メータ43は、患者のわずかな血液プローブを(たとえば、キャリア材料上に)受け、この血液プローブに基づいて患者の血糖レベルを判定するように構成された別個のデバイスとして実施することができる。しかし、血糖メータ43はまた、患者内へ、たとえば患者の目の中または皮膚の下に、少なくとも一時的に移植されるデバイスとすることができる。
図3bは、修正された集合4’であり、図3aの血糖メータ43は、図3aの血糖監視システム42内へ含まれており、したがって図3bの修正された血糖監視システム42’が得られる。図3aの注射デバイス40および補助デバイス41の機能性は、この修正によって影響されない。また、血糖監視システム42’として組み合わせられた血糖監視システム42および血糖メータ43の機能性は、両者が同じデバイス内に構成されていることを除いて、基本的に変化しておらず、したがってこれらのデバイス間の有線または無線の外部通信が必要ではなくなる。しかし、システム42’内では、血糖監視システム42と血糖メータ43との間の通信が行われる。
図4は、図1の注射デバイス1に取り付けられた状態の図2aの補助デバイス2の概略図を示す。
補助デバイス2のハウジング20によって、複数の構成要素が含まれる。これらの構成要素は、プロセッサ24によって制御される。プロセッサ24は、たとえば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などとすることができる。プロセッサ24は、プログラム・メモリ240内に記憶されたプログラム・コード(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)を実行し、主メモリ241を使用して、たとえば中間結果を記憶する。また、主メモリ241を使用して、実行された放出/注射に関するログブックを記憶することができる。プログラム・メモリ240は、たとえば、読取り専用メモリ(ROM)とすることができ、主メモリは、たとえば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)とすることができる。
例示的な実施形態では、プロセッサ24は第1のボタン22と相互作用し、第1のボタン22を介して、たとえば補助デバイス2の電源を投入および遮断することができる。第
2のボタン33は、通信ボタンである。第2のボタンを使用して、別のデバイスへの接続の確立をトリガし、または別のデバイスへの情報の伝送をトリガすることができる。第3のボタン34は、確認またはOKボタンである。第3のボタン34を使用して、補助デバイス2の使用者に提示された情報を承認することができる。ボタン22、33、34は、任意の適した形態の使用者入力変換器、たとえば機械的なスイッチ、容量センサ、または他の接触センサとすることができる。
プロセッサ24は、液晶ディスプレイ(LCD)としてここで実施される表示ユニット21を制御する。表示ユニット21は、たとえば注射デバイス1の現在の設定または与えられる予定の次の注射に関する情報を、補助デバイス2の使用者に表示するために使用される。表示ユニット21はまた、たとえば使用者入力を受けるように、タッチスクリーン・ディスプレイとして実施することができる。
プロセッサ24はまた、光センサ25を制御し、光センサ25は、光学式文字認識(OCR)リーダとして実施され、現在選択されている用量が表示される投与量ディスプレイ13の画像を捕捉することが可能である(注射デバイス1内に収容されたスリーブ19上に印刷される数字を用い、これらの数字は、投与量ディスプレイ13を通じて見ることができる)。OCRリーダ25は、捕捉された画像から文字(たとえば、数字)を認識し、この情報をプロセッサ24へ提供することがさらに可能である。別法として、補助デバイス2内のユニット25は、画像を捕捉し、捕捉された画像に関する情報をプロセッサ24へ提供するための単なる光センサ、たとえばカメラとすることができる。次いで、プロセッサ24は、捕捉された画像上でOCRの実行を担う。
プロセッサ24はまた、現在選択されている用量が表示される投与量ディスプレイ13を照明するように、発光ダイオード(LED)29などの光源を制御する。光源の前では、拡散板、たとえば一片のアクリル・ガラスから作られた拡散板を使用することができる。さらに、光センサは、拡大(たとえば、3:1より大きい拡大)をもたらすレンズ(たとえば、非球面レンズ)を備えることができる。
プロセッサ24は、注射デバイス1のハウジング10の光学特性、たとえば色または陰影を判定するように構成された光度計26をさらに制御する。この光学特性は、ハウジング10の特有の部分内にのみ存在することがあり、たとえば、スリーブ19または注射デバイス1内に含まれるインスリン容器の色または色コーディングであり、この色または色コーディングは、たとえば、ハウジング10内(および/またはスリーブ19内)の開口部または窓を通じて見ることができる。次いで、この色に関する情報は、プロセッサ24へ提供され、プロセッサ24は、次いで、注射デバイス1の種類または注射デバイス1内に収容されるインスリンの種類を判定することができる(たとえば、Solostar Lantusは紫色を有し、Solostar Apidraは青色を有する)。別法として、光度計26の代わりにカメラ・ユニットを使用することができ、次いで、ハウジング、スリーブ、またはインスリン容器の画像をプロセッサ24へ提供し、画像処理を用いてハウジング、スリーブ、またはインスリン容器の色を判定することができる。さらに、光度計26の読取りを改善するために、1つまたはそれ以上の光源を設けることができる。光源は、特定の波長またはスペクトルの光を提供して、光度計26による色の検出を改善することができる。光源は、たとえば投与量ディスプレイ13による望ましくない反射が回避または低減されるように配置することができる。例示的な実施形態では、光度計26の代わりに、または光度計26に加えて、カメラ・ユニットを配置して、注射デバイスおよび/または注射デバイス内に収容される薬剤に関係するコード(たとえば、バー・コードであり、たとえば、1次元または2次元のバー・コードとすることができる)を検出することができる。このコードは、いくつかの例をあげると、たとえば、ハウジング10上または注射デバイス1内に収容された薬剤容器上に位置決めすることができる。このコ
ードは、たとえば、注射デバイスおよび/もしくは薬剤の種類、ならびに/またはさらなる特性(たとえば、有効期日)を示すことができる。
プロセッサ24は、注射デバイス1によって生成される音を感知するように構成された音響センサ27をさらに制御する(かつ/または音響センサ27から信号を受ける)。そのような音は、たとえば、投与量ノブ12を回すことによって用量がダイヤル選択されたとき、および/または注射ボタン11を押すことによって用量が放出/注射されたとき、および/またはプライム・ショットが実行されたときに、発生することができる。これらのアクションは機械的に類似しているが、それにもかかわらず、異なる音が聞こえる(これはまた、これらのアクションを示す電子音の場合にも当てはめることができる)。音響センサ27および/またはプロセッサ24は、これらの異なる音を区別し、たとえば(プライム・ショットのみではなく)注射が行われたことを安全に認識できるように構成することができる。
プロセッサ24は、音響信号を生成するように構成された音響信号発生器23をさらに制御し、これらの音響信号は、たとえば、たとえば使用者へのフィードバックとして、注射デバイス1の動作状態に関係することができる。たとえば、音響信号は、注射予定の次の用量に対する合図として、またはたとえば誤使用の場合の警報信号として、音響信号発生器23によって放つことができる。音響信号発生器は、たとえば、ブザーまたは拡声器として実施することができる。また、音響信号発生器23に加えて、または音響信号発生器23の代替として、触覚信号発生器(図示せず)を使用して、たとえば振動を用いて触覚フィードバックを提供することもできる。
プロセッサ24は、別のデバイスとの間で情報を無線で伝送しかつ/または受けるように構成された無線ユニット28を制御する。そのような伝送は、たとえば、無線伝送または光伝送に基づいて行うことができる。いくつかの実施形態では、無線ユニット28は、Bluetoothトランシーバである。別法として、無線ユニット28は、たとえばケーブルまたはファイバの接続を介して、別のデバイスとの間で情報を結線で伝送しかつ/または受けるように構成された有線ユニットによって置き換えまたは補完することができる。データが伝送されるとき、伝達されるデータ(値)の単位は、明示的または暗示的に画成することができる。たとえば、インスリン用量の場合、常に国際単位(IU)を使用することができ、またはそうでない場合、使用される単位は、たとえばコード化された方式で明示的に伝達することができる。
プロセッサ24は、ペン1が存在するかどうかを検出し、すなわち補助デバイス2が注射デバイス1にカップリングされているかどうかを検出するように動作可能なペン検出スイッチ30から入力を受ける。
電池32が、電源31を用いて、プロセッサ24および他の構成要素に電力供給する。
したがって、図4の補助デバイス2は、注射デバイス1の状態および/または使用状況に関係する情報を判定することが可能である。この情報は、デバイスの使用者が使用できるようにディスプレイ21上に表示される。この情報は、補助デバイス2自体によって処理することができ、または少なくとも部分的に別のデバイス(たとえば、血糖監視システム)へ提供することができる。
図5a〜5cは、本発明による方法の実施形態の流れ図である。これらの方法は、たとえば、補助デバイス2のプロセッサ24(図2bおよび図4参照)によって実行することができるが、図2bの補助デバイス2のプロセッサによって実行することもでき、たとえば、補助デバイス2のプログラム・メモリ240内に記憶することができる。プログラム
・メモリ240は、たとえば、図6の有形の記憶媒体60の形状をとることができる。
図5aは、図3aおよび図3bに示すシナリオで実行される方法の工程を示し、注射デバイス40から補助デバイス41によって読み取られた情報が、血糖監視システム42または42’へ提供されるが、血糖監視システム42または42’から再び情報を受けることはない。
流れ図500は、たとえば、補助デバイスに電源が投入され、または他の方法で起動されたときに開始する。工程501で、たとえば、色認識に基づいて、またはすでに上述した注射デバイスもしくはその構成要素上に印刷されたコードの認識に基づいて、注射デバイスによって提供される薬剤、たとえばインスリンの種類が判定される。患者が常に同じ種類の薬剤を摂り、この単一の種類の薬剤を有する注射デバイスのみを使用する場合、薬剤の種類の検出は必要でないこともある。さらに、薬剤の種類の判定は、他の方法で確実にすることもできる(たとえば、図4に示す鍵−凹部の対によって、補助デバイスが1つの特有の注射デバイスのみとともに使用可能であり、次いでこの単一の種類の薬剤のみを提供することができる)。
工程502で、たとえば、上記の注射デバイスの投与量窓上に示される情報のOCRによって、現在選択されている用量が判定される。この情報は、次いで工程503で、注射デバイスの使用者に表示される。
工程504で、たとえば、上記の音認識によって、放出が行われたかどうかが確認される。そこで、注射デバイスによって生成されるそれぞれ異なる音に基づいて、かつ/または放出される用量に基づいて(たとえば、小さい用量、たとえば事前に画成された量より小さい単位、たとえば4もしくは3単位を、プライム・ショットに属すると見なすことができるのに対して、より大きい用量は、実際の注射に属すると見なされる)、プライム・ショットと実際の注射(生物内)とを区別することができる。
放出が行われた場合、判定されたデータ、すなわち選択された用量、および薬剤(たとえば、インスリン)の種類(該当する場合)は、主メモリ241内に記憶され、後にこのデータは、主メモリ241から別のデバイス、たとえば血糖監視システムへ伝送することができる。放出の性質、たとえば放出がプライム・ショットとして実行されたか、それとも実際の注射として実行されたかに関する区別が行われた場合、この情報もまた、主メモリ241内に記憶することができ、場合によっては後に伝送することができる。注射が実行された場合、工程505で、用量がディスプレイ21上に表示される。また、最後の注射からの時間が表示され、この時間は、注射直後には0分または1分である。最後の用量からの時間は、断続的に表示することができる。たとえば、この時間は、注射された薬剤の名称または他の識別情報、たとえばApidraまたはLantusと交互に表示することができる。
工程504で放出が実行されなかった場合、工程502および503が繰り返される。
送達された用量および時間データの表示後、流れ図500は終了する。
図5cは、光センサのみの使用に基づいて選択された用量が判定されるときに実行される例示的な方法の工程をより詳細に示す。たとえば、これらの工程は、図5aの工程502で実行することができる。
工程901で、補助デバイス2の光センサ25などの光センサによって、サブ画像が捕捉される。捕捉されるサブ画像は、たとえば、注射デバイス1の投与量窓13の少なくと
も一部の画像であり、この画像内には、現在選択されている用量が表示される(たとえば、投与量窓13を通じて見ることができる注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された数字および/またはスケールを用いて)。たとえば、捕捉されるサブ画像は、低い分解能を有することができ、かつ/またはスリーブ19のうち、投与量窓13を通じて見える部分のみを示すことができる。たとえば、捕捉されるサブ画像は、注射デバイス1のスリーブ19のうち、投与量窓13を通じて見える部分上に印刷された数字またはスケールを示す。画像を捕捉した後、この画像はたとえば、次のようにさらに処理される:
事前に捕捉された背景画像による分割;
さらなる評価のために画素の数を低減させるための画像のビニング;
照明強度の変動を低減させるための画像の正規化;
画像のシアリング(sheering);および/または
固定の閾値と比較することによる画像の2値化。
これらの工程のいくつかまたはすべては、該当する場合、たとえば十分に大きい光センサ(たとえば、十分に大きい画素を有するセンサ)が使用される場合、省略することができる。
工程902で、捕捉されたサブ画像に変化があるか否かが判定される。たとえば、現在捕捉されているサブ画像と事前に捕捉されたサブ画像とを比較して、変化がないか否かを判定することができる。そこで、事前に捕捉されたサブ画像との比較は、事前に捕捉されたサブ画像のうち、現在のサブ画像が捕捉される直前に捕捉されたサブ画像、および/または事前に捕捉されたサブ画像のうち、現在のサブ画像が捕捉される前の指定の期間(たとえば、0.1秒)内に捕捉されたサブ画像に制限することができる。この比較は、現在捕捉されているサブ画像および事前に捕捉されたサブ画像上で実行されるパターン認識などの画像分析技法に基づいて行うことができる。たとえば、投与量窓13を通じて見ることができ、現在捕捉されているサブ画像および事前に捕捉されたサブ画像内に示されているスケールおよび/または数字のパターンが変化したかどうかを分析することができる。たとえば、画像内で、特定の寸法および/またはアスペクト比を有するパターンを検索することができ、これらのパターンと、事前に保存されているパターンとを比較することができる。工程901および902は、捕捉された画像内における変化の検出に対応することができる。
工程902でサブ画像に変化があると判定された場合、工程901が繰り返される。そうでない場合、工程903で、補助デバイス2の光センサ25などの光センサによって、画像が捕捉される。捕捉される画像は、たとえば、注射デバイス1の投与量窓13の画像であり、この画像内には、現在選択されている用量が表示される(たとえば、投与量窓13を通じて見ることができる注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された数字および/またはスケールを用いて)。たとえば、捕捉される画像は、捕捉されたサブ画像の分解能より高い分解能を有することができる。捕捉される画像は、少なくとも、投与量窓13を通じて見ることができる注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された数字を示す。
工程904で、工程903で捕捉された画像上で光学式文字認識(OCR)を実行して、注射デバイス1のスリーブ19上に印刷されて投与量窓13を通じて見ることができる数字を認識する。なぜなら、これらの数字は、(現在の)選択されている用量に対応するからである。認識された数字に従って、たとえば選択された用量を表す値を、認識された数字に設定することによって、選択された用量が判定される。
工程905で、判定された選択されている用量に変化があるか否か、および場合により判定された選択されている用量がゼロに等しくないか否かが判定される。たとえば、現在判定された選択されている用量と、事前に判定された選択されている用量とを比較して、
変化があるか否かを判定することができる。そこで、事前に判定された選択されている用量との比較は、現在選択されている用量が判定される前に指定の期間(たとえば、3秒)内で判定された、事前に判定された選択されている用量(複数可)に制限することができる。判定された選択されている用量に変化がなく、場合により、判定された選択されている用量がゼロに等しくない場合、現在判定された選択されている用量は、さらなる処理のために(たとえば、プロセッサ24へ)戻される/送られる。
したがって、投与量ノブ12の最後の回転が3秒より前に行われた場合、選択されている用量が判定される。投与量ノブ12が3秒以内に回され、新しい位置が3秒を超えて変わっていない場合、この値は、判定された選択されている用量と見なされる。
図5cは、音響および光センサの使用に基づいて選択された用量が判定されるときに実行される方法の工程をより詳細に示す。たとえば、これらの工程は、図5aの工程502で実行することができる。
工程1001で、補助デバイス2の音響センサ27などの音響センサによって、音が捕捉される。
工程1002で、捕捉された音がクリック音であるか否かが判定される。捕捉される音は、たとえば、注射デバイス1の投与量ノブ12を回すことによって用量がダイヤル選択されたとき、および/または注射ボタン11を押すことによって用量が放出/注射されたとき、および/またはプライム・ショットが実行されたときに生じるクリック音とすることができる。捕捉された音がクリック音ではない場合、工程1001が繰り返される。そうでない場合、工程1003で、補助デバイス2の光センサ25などの光センサによって画像が捕捉される。工程1003は、流れ図900の工程903に対応する。
工程1004で、工程1003で捕捉された画像上でOCRが実行される。工程1004は、流れ図900の工程904に対応する。
工程1005で、判定された選択されている用量に変化があるか否か、および場合により判定された選択されている用量がゼロに等しくないか否かが判定される。工程1005は、流れ図900の工程905に対応する。
補助デバイスの消費電力に関しては、図5cに示す音響手法にはわずかな利点がある可能性がある。なぜなら、典型的には、図5bに示すように画像またはサブ画像を恒久的に捕捉することは、マイクロフォンなどの音響センサを聞くより電力を消費するからである。
図6は、本発明の態様によるコンピュータ・プログラム61をプログラム・コード62とともに備える有形の記憶媒体60(コンピュータ・プログラム製品)の概略図である。このプログラム・コードは、たとえば、補助デバイス内に収容されるプロセッサ、たとえば図2aおよび図4の補助デバイス2のプロセッサ24によって実行することができる。たとえば、記憶媒体60は、図4の補助デバイス2のプログラム・メモリ240を表すことができる。記憶媒体60は、固定のメモリ、またはたとえばメモリ・スティックまたはカードなどの着脱可能なメモリとすることができる。
最後に、図7は、本発明の一実施形態による様々なデバイス(たとえば、図3aまたは図3bに示すシナリオで図4の注射デバイス1および補助デバイス2)間の情報の流れを示す情報シーケンスチャート7である。注射デバイス70の状態および/または使用状況は、その投与量窓の外観、注射デバイス70によって生成される音、およびハウジングの
色に影響する。この情報は、補助デバイス71のセンサ710によって、それぞれOCR信号、音響センサ信号、および光度計信号に変換され、これらの信号は、次に補助デバイス71のプロセッサ711によって、それぞれダイヤル選択された用量、注射/ダイヤル選択動作、およびインスリンの種類に関する情報に変換される。次いで、この情報は、補助デバイス71によって血糖監視システム73へ提供される。この情報の一部またはすべては、ディスプレイ21を介して使用者72に表示される。
上記で詳細に説明したように、本発明の実施形態によって、標準的な注射デバイス、具体的にはインスリン・デバイスと血糖監視システムとを有用かつ生産的に接続することが可能になる。
本発明の実施形態では、血糖監視システムが無線または他の通信特性を有すると仮定して、補助デバイスを導入してこの接続を可能にする。
血糖監視システムとインスリン注射デバイスとの間の接続から得られる利益は、特に、注射デバイスの使用者による間違いの低減および取扱い工程の低減であり、血糖監視へ、具体的には注射された最後の用量および最近の血糖値に基づいて次の用量に対する案内を提供する機能性を有する血糖監視システムへ、注射されたインスリン単位を手動で移送する必要がなくなる。
上記の例示的な実施形態を参照しながら説明したように、使用者/患者が新しいインスリン・ペンを得たとき、使用者は、以下で詳細に説明するように、嵌合ユニットによって、そのペンに補助デバイスを取り付ける。補助デバイスは、注射された用量を読み出す。補助デバイスはまた、注射された用量を、インスリン滴定能力を有する血糖監視システムへ伝達することができる。複数のインスリンを摂る患者の場合、補助デバイスは、インスリンの種類に対するデバイス構造を認識し、また、この情報を血糖監視システムへ伝送することができる。
注射デバイスの外面に対して特有の位置で補助デバイスを注射デバイスに解放可能に取り付ける嵌合ユニットについて、次に詳細に説明する。
注射デバイス1上の補助デバイス2の正確な位置合わせにより、OCRリーダ25が投与量窓13と確実に正確に位置合わせされる。正確な位置合わせにより、正確な動作および確実な読取りが可能になる。使用中の補助デバイス2と注射デバイス1との間で正確に位置合わせできることを確実にすることで、OCRリーダ25に対するより簡単な設計が可能になる。なぜなら、具体的には、OCRリーダ25がデバイス1、2間の異なる位置合わせに対応できるように設計される必要がないからである。
図8を参照すると、注射デバイス1上に補助デバイス2を取り付ける前の補助デバイス2が示されている。図8では、カラー301内に形成された開口部306を通って後部区間102を受けることができるように、注射デバイス1のハウジング10の後部区間102に対して向けられた補助デバイス2が示されている。
補助デバイス2のハウジング20は、本体300およびカラー301を備える。細長い本体300は長手方向軸を有し、カラー301は本体300の前端304から下方へ広がる。
本体300の下面303内に形成されたチャネル307(図10および図11参照)は、カラー301内に形成された開口部306から延びる。したがって、開口部306の上部部分は、ハウジング20の前端と後端との間に延びる細長いチャネルの一部を形成する
。
開口部306は、前部開口部309を有する。前部開口部309は、ハウジング20の前面310内に形成される。前面310は、平面とすることができる。前部開口部309の縁部は、細長い本体300の長手方向軸に対して角度をなして延びる平面上に画成される。前部開口部309は、長円形の形状を有する。短軸または共役直径における前部開口部309の幅は、注射デバイス1の後部区間102の直径に対応し、またはそれよりわずかに大きい。長軸または横直径における前部開口部309の幅は、注射デバイス1の後部区間102の直径より大きい。開口部309を通って注射デバイス1の後部区間102を受けることができ、したがって後部区間102は開口部306を通って延びることが、理解されよう。
チャネル307を図10〜12に示す。チャネル307は、ベース312を有する。チャネル307のベース312は、横断面が弓状である。ベース312は、本体300の長手方向軸に対して平行に延びる。ベース312の形状は、注射デバイス1の後部区間102の外面に対応する。したがって、ベース312内に注射デバイスの後部区間102を受けることができ、注射デバイス1の外面は、チャネル・ベース312に接して位置する。チャネル・ベース312内に光センサ25が埋め込まれて、チャネル307内に面している。
カラー301は、上部部分314および下部部分315を画成する。上部部分314は、本体300と一体形成され、したがってチャネル307のベース312から延びる。下部部分315は上部部分314に対向しているが、上部部分314から少なくとも部分的にずれている。この実施形態では、上部部分314は、カラー301の内面の上半分によって画成され、下部部分315は、カラー301の内面の下半分によって画成される。カラー301の内面は円筒を画成し、チャネル307のベース312は、円筒形の表面から延びる。したがって、チャネル307の弓状のベースと、カラーの円筒形の内面とは、同じ長手方向軸の周囲で弓状になるように形成される。
カラー301の下部部分315上に、下部位置決め表面317が画成される。カラー301の上部部分314上に、上部位置決め表面316が画成される。上部位置決め表面と下部位置決め表面は、互いに対向している。注射デバイスが開口部を通って受けられたとき、上部位置決め表面316および下部位置決め表面317は、注射デバイス1の外面に接して位置するように構成される。開口部309の長軸に直交して延びる軸の周囲で補助デバイス2を回転させることによって、位置決め表面316、317は注射デバイス1に接触し、したがって上部位置決め表面および下部位置決め表面は、注射デバイス1の外面の方へ動かされる。カラーを通って延びる円筒形の開口部の中心軸は、注射デバイス1の長手方向軸と同軸に位置合わせされる。
この実施形態では、チャネルのベース312は、カラー301の上部部分と同一平面に延びる。したがって、補助デバイス2が開口部309の長軸に直交して延びる軸の周囲で回転させられ、その結果、上部位置決め表面および下部位置決め表面が、注射デバイス1の外面に接するように動かされたとき、チャネルのベース312もまた、注射デバイス1の外面に接して位置する。したがって、上部位置決め表面は、カラーの上部部分またはチャネル307のベース312によって形成することができることが理解されよう。別法として、下部位置決め表面は、カラーの下部部分から開口部内へ突出する1つまたはそれ以上の位置決め要素上に形成される。同様に、上部位置決め表面は、開口部または注射デバイス受取りチャネル内へ突出する1つまたはそれ以上の位置決め要素上に形成される。
チャネル307のベース312内に、リブ受取り凹部(rib receiving
recess)318(図11および図12参照)が形成される。リブ受取り凹部318は、注射デバイス1の外面106から突出するリブ105を受けるように寸法設定される。リブ受取り凹部318は、注射ペン1上に存在する位置決めリブ105の形状および寸法に密接に対応するように寸法設定される。リブ受取り凹部318は、位置決めリブ105よりわずかに大きく、したがって、凹部内に位置決めリブ105を確実に容易に位置決めすることができる。したがって、リブ105は、リブ105がリブ受取り凹部318内に受け入れられたときに注射デバイス1の外面106に対して特有の位置で本体を位置決めする位置合わせ要素として作用する。したがって、リブ受取り凹部318は、注射デバイス1上の本体300の正確な位置合わせおよび向きの調整を支援する。
リブ受取り凹部318は、補助デバイス2が注射デバイス1に収められたとき、補助デバイス2のうち、投与量ノブ(dosage knob)12に最も近い端部に形成される。
注射デバイス受取りチャネル307の下で本体300の左側および右側に、支持部材として作用する左右のアーム320が延びる。図11および図12に示すように、各アーム320の下部部分324は、補助デバイス2の本体300の下面から実質上垂直に垂れ下がる。したがって、アーム320は、注射デバイス受取りチャネル307の両側に延び、互いから隔置される。
左側のアーム320は、下部部分324の自由端部321に配置された左側の***322を有する。右側のアーム320もまた、下部部分324の自由端部321に配置された右側の***322を有する。各***322は、係合要素として作用し、注射デバイス1の後部区間102の外面内に形成された窪み107内に係合する。左側のアーム320上の***322は、左側の窪み107内に受け入れられるように構成される。右側のアーム320上の***322は、右側の窪み107内に受け入れられるように構成される。***322は、それぞれ窪み107の形状に対応するような形状である。このようにして、***322は、補助デバイス2が注射デバイス1上に正確に位置するとき、それぞれ対応する窪み107内に収まる。***322の外部寸法は、窪み107の内部寸法よりわずかに小さく、したがって***322は、確実にそれぞれの窪み内に収まる。
この実施形態では、右側の***322は、右側の窪み107の形状に密接に対応するような形状である。このようにして、補助デバイス2が注射ペン1上に正確に位置するとき、右側の***322は、右側の窪み107内にぴったりと収まる。左側の***322は、右側の***322と同様の形状であるが、それほど高くない。言い換えれば、左側の***322は右側の***322のようであるが、上部部分が欠けており、または切断されている。これが、左側の***322の端面が右側の***322より大きい面積を有する理由である。***322に対して異なる寸法を用いると、***が窪み107内の係合を見つけるのに役立つ。右側の***322は、左側の***322に対するマスタと見なすことができ、左側の***322はスレーブである。
各アーム320は、上部部分323および下部部分324を有する。各アーム320の
中間区間に角325が形成され、上部部分323は角325の一方の側から垂れ下がり、下部部分324は他方の側から垂れ下がる。***322は、下部部分324の自由端部に形成される。下部部分324は、上部部分323に対して角度をなして角325から延びる。
本体300の左側に、支持要素326が配置される。本体300の右側に、別の支持要素326が配置される。各支持要素326は、本体300内に配置され、本体300の外側シェル327から隔置されて間隙を画成する。左側のアーム320は、本体300の左側に受け入れられる。右側のアーム320は、本体300の右側に受け入れられる。アーム320は、本体300から垂れ下がる翼308の後ろに配置される。翼308は、透明の材料から形成することができる。これにより、使用者は、窪み107に対するアーム320の場所を見ることができるようになり、それによって、使用者が注射デバイス1上で補助デバイス2を正確に位置決めするのに役立つことができる。図11から分かるように、翼または保護壁308は、アームより下方方向にわずかに遠くへ延びる。左側のアーム320は、本体300の左側内に形成された間隙を通って延び、右側のアーム320は、本体300の右側の間隙を通って延びる。各アーム320の中間区間に形成された角325は、対応する支持要素326に接して位置する。角325は、下部部分324が支持要素326の下に延びるように、各アーム320を位置決めする。各アーム320の上部部分323の端部は、本体外側シェル327の内面から延びるタブ328に接して位置する。したがって、各アーム320の上部部分323は、本体300内の定位置で保持され、支持要素326とタブ328との間に延びる。
各支持要素326とタブ328との間の距離は、各アーム320の上部部分323の長さよりわずかに小さい。したがって、各アーム320の上部部分323が、対応する要素326とタブ328との間に配置されたとき、各アーム320の上部部分323は変形されて、弓状の形状を有するようになる。各アーム320は、弾性を有する。上部部分323は、本体300の外側シェルの方へ湾曲して凸状の形状になる。したがって、角325は、支持要素326に対して付勢され、上部部分323の自由端部は、タブ328に対して付勢される。自由端部と角との間の各アーム320の上部部分323は、外側シェル327の方へ動かされる。
各アーム320の下部部分324は、上部部分323から、支持要素326と外側シェル327との間に画成された間隙を通って延びる。アーム320の下部部分324は、互いの方へ拡げられて、支持要素326から延びる。各アーム320の上部部分323の弾性の影響は、各アーム320の下部部分324を特定の位置へ付勢することである。各アーム320の下部部分324が最初に位置する位置は、***322の最も内側の表面間の距離が、窪み107の底部間の距離よりわずかに小さくなるような位置である。各アーム320の付勢の影響は、互いから離れる方への***322およびアーム320の下部部分324の動きに耐えることである。
支持部材として作用するアーム320は、細長い本体300の長手方向軸に沿った方向に動かないようになっている。これにより、注射ペン1の長手方向軸に沿って補助デバイス2を動かすように作用する力の存在下でも、注射ペン1上の補助デバイスの係合後、補助デバイス2を正確な場所で維持するのを支援する。アーム320は、***を支持するため、支持部材と呼ぶことができる。
本体300の左側および右側に、左右のボタン330が取り付けられる。本体300の両側で外側シェル327を通って、開口部331が形成される。各ボタン330の後面に、作動要素332として作用する突起が形成され、対応する開口部331を通って延び、対応するアーム320の上部部分323に作用して、上部部分323に付勢力をかける。
ボタン330の1つが使用者によって内方へ押されたとき、各ボタン330の作動要素332が内方へ付勢される。作動要素332は、対応するアーム320の上部部分323の凸状の表面を押し付ける。次いで上部部分323は、作動要素332によって加えられる力を受けて変形する。支持要素326は支点として作用し、アーム320は支持要素の周囲を旋回させられる。上部部分323の遠位端は、上部部分323がタブ328に接して位置することによって、動かないようになっている。しかし、下部部分324の自由端部321は、自由に外方へ動くことができ、したがって下部部分324は、支持要素326の周囲を旋回する。
両方のボタンが押されたとき、2つのアーム320の下部部分324が、それぞれの支持要素326の周囲を回転させられる。したがって、アーム下部部分324の自由端部321は、互いから離れる方へ動かされる。各ボタンを押す力が解放されると、各アームの上部部分323に作用する付勢力も解放され、したがって各アームの下部部分は、アーム320の弾性のため、中立の位置に戻される。
図8に示すように、補助デバイス2は最初、カラー301内の開口部306に対する開口部309が注射デバイス1の後端と位置合わせされるように、注射ペン1に対して位置決めされる。本体300は、注射デバイス受取りチャネル307の長手方向軸が注射デバイス1の長手方向軸に対して傾斜するように向けられる。
次いで、カラー301は、図9に示すように、注射デバイス1の後部区間102の上に摺動させられる。短軸または共役直径における前部開口部309の幅は、注射デバイス1の後部区間102の直径に対応し、またはそれよりわずかに大きい。長軸または横直径における前部開口部309の幅は、注射デバイス1の後部区間102の直径より大きい。したがって、注射デバイス1の後部区間102は、カラー301の開口部306を通って受けられる。
注射デバイス1上に補助デバイス2を位置決めするために、補助デバイス2は、開口部309の長軸に直交して延びる軸の周囲を注射デバイス1に対して回転させられる。注射デバイス1および注射デバイス受取りチャネル307の長手方向軸は、互いの方へ回転させられる。さらに、上部位置決め表面316および下部位置決め表面317は、注射デバイス1の外面の方へ動かされる。
補助デバイス2と注射デバイス1が互いに対して回転させられると、左右のアーム320の自由端部321、具体的には***322が、注射デバイス・ハウジング10の外面に接触する。***322はここで、ハウジングを表示窓13の左側および右側に接触させる。
補助デバイス2を注射デバイス1に係合させるために、使用者はまず、図9に示すように注射デバイス1に対して補助デバイス2を配置し、次いでさらなる下向きの力を補助デバイス2にかけながら、同時に上向きの力を注射デバイス1にかける。したがって、補助デバイス2と注射デバイスは、カラー301の周囲を互いに対して回転させられる。したがって、後部区間102の外面によって、***322に付勢力が加えられる。注射デバイス1と補助デバイス2が互いに近づくと、付勢力によって、アームは互いから離れる方へ動かされる。各アーム320の下部部分324は、外方へ偏向させられ、対応する支持要素326の周囲を旋回させられる。しかし、各アームの上部部分323は、対応するタブによって、旋回しないようになっている。これにより、各アーム320の弾性のため、各アームの下部部分324によって反力が加えられ、注射デバイス1が注射デバイス受取りチャネル307内へ入ろうとするのに耐える。しかし、補助デバイス2が注射デバイス1の上へさらに回転させられると、***322は、左右の窪み107と位置合わせされ、アーム320の弾性のため、窪み107と係合する。
図10を参照すると、補助デバイス2がさらに回転させられて窪み107内に***322を係合させると、注射デバイス1の後部区間102が、注射デバイス受取りチャネル307内に受け入れられる。カラー301の下部位置決め表面317は、注射デバイス1の外面の下側に接触し、上部位置決め表面316は、注射デバイス1の外面の反対側に接触する。***322が窪み107内に係合した後、注射デバイス1に対する補助デバイス2
のさらなる動きに対して著しい抵抗が生じる。なぜなら一部には、下部位置決め表面317および上部位置決め表面316が注射デバイスの外面に当接するからである。上部位置決め表面316と下部位置決め表面317は、互いから部分的にずれており、上部位置決め表面316は、下部位置決め表面と***322との間に配置される。注射デバイス1に対する補助デバイス2の反対方向の動きは、***322が窪み107内に係合されることによって制限される。注射デバイス1はまた、チャネル307のベース312に接して位置する。
本体300は、本体300の前端でカラー301が注射デバイス1の周りを円周方向に延び、本体300の後端で***322が窪み107内に係合することによって、注射デバイス1に嵌合させられることが理解されよう。
使用者が補助デバイス2を注射ペン1上へ配置し、その場所で補助デバイス2が長手方向軸の周囲を所望の位置に対してわずかに回転させられた場合、リブ105は、本体300内のリブ受取り凹部318内に受け入れられない。この場合、チャネル307のベース312に接するリブ105が、リブ受取り凹部318内の正確な場所から隔置されることによって、補助デバイス2は、注射ペン1の上に完全に位置決めされないようになっている。さらに、***322は、注射デバイス1の後部区間102の外面に接するが、対応する窪み107内に位置しない。使用者は、***322と窪み107の嵌合からいかなる触覚フィードバックを受けないため、補助デバイス2が注射ペン1に正確に嵌合されなかったことが分かるはずである。使用者はまた、補助デバイスの後端が注射デバイス1から分離されていることに気付くはずである。補助デバイス2を注射デバイス1に対して定位置で正確に位置決めするには、使用者は、注射デバイス1の長手方向軸の周囲で補助デバイス2を注射デバイス1に対して単に回転させるだけでよい。補助デバイス2と注射デバイス1が互いに対して動くと、位置決めリブとリブ受取り凹部318は互いに位置合わせされる。この時点で、***322は、窪み107と位置合わせされ、窪み107と係合する。したがって、触覚フィードバックは、***322と窪み107の嵌合によって提供され、使用者は、補助デバイス2と注射デバイス1が互いに対して正しく位置決めされていると判定することができる。
同様に、補助デバイス2が注射デバイス1と長手方向に正確に位置合わせされなかった場合、リブ105とリブ受取り凹部318は位置合わせされず、リブは凹部内に位置しない。さらに、***322は、窪み107からずれる。注射デバイス1の長手方向軸に沿った方向の補助デバイス2と注射デバイス1の相対運動により、リブは凹部内に位置し、***は窪み107内に位置する。この時点で、補助デバイス2と注射デバイス1は、互いに完全に係合される。
***322が窪み107内に係合された後、注射デバイス1は、図11および図12に示すように、完全に注射デバイス受取りチャネル307内に位置決めされる。ここで、表示窓13の最も外側の表面は、補助デバイス2の上部部分の最も下側の表面と位置合わせされる。補助デバイス2は、補助デバイスと注射ペン1がこの相対的な位置にあるとき、注射デバイス1が注射デバイス受取りチャネル307内にぴったりと収まり、注射デバイス1のハウジング10の外面と補助デバイス2の最も下側の表面との間に複数の接触点または接触領域が生じるような形状である。***322がそれぞれ窪み107内に位置するように、補助デバイス2が注射ペン1に対して位置するとき、リブ105は、リブ受取り凹部318内に係合される。したがって、注射デバイス1に対する補助デバイス2の正確な位置合わせは、2つの方法で提供される:第1に、リブ受取り凹部318内のリブ105の位置決めによって、第2に、窪み107内の***322の位置決めによって提供される。
上記の配置により、補助デバイス2に対する注射デバイス1の動きが防止されることが理解されよう。注射デバイス1から径方向の補助デバイス2の動きは、カラー301が注射デバイス1の周りに延びることによって防止される。注射デバイス1から径方向の補助デバイス2の動きはまた、***322が窪み107内に係合することによって防止される。窪み107内の***322の係合もまた、注射デバイス1の長手方向軸に沿った注射デバイス1の長手方向軸の周囲の補助デバイス2の動きを防止する。さらに、注射デバイス1の長手方向軸に沿った注射デバイスの長手方向軸の周囲の補助デバイス2の動きは、リブ105がリブ受取り凹部318内に受け入れられることによってさらに防止される。
補助デバイス2を注射デバイス1から除去するために、使用者は、本体300の外側上に配置されたボタン330に押す力を及ぼす。押す力は、指および親指によって及ぼすことができる。使用者によって及ぼされる押す力によって、2つのボタンが押し下げられると、各ボタン330の後面上の作動要素332は、各アーム320の上部部分323の凹状の表面に逆らって作用する。したがって、各アーム320の上部部分323は、対応する作動要素332によって付勢されて変形する。
支持要素326は支点として作用し、アーム320は支持要素の周囲を旋回させられる。上部部分323の遠位端は、上部部分323がタブ328に接して位置することによって、動かないようになっている。しかし、下部部分324の自由端部321は、自由に外方へ動くことができ、したがって下部部分324は、支持要素326の周囲を旋回する。
したがって、各アーム320状の***322は、離れる方へ動かされる。これにより、***322は、窪み107から係合解除される。
***322が窪み107から動かされた後、使用者は次いで、開口部309の長軸に直交して延びる軸の周囲で注射デバイス1から離れる方へ補助デバイス2の後端を回転させることができる。***322が窪み107から自由になると、本体300の後端が注射デバイスから離れる方へ動かされるときに使用者が受ける抵抗は比較的小さくなる。リブ105とリブ受取り凹部318との間の協働は、このようにして補助デバイス2と注射ペン1を分離するのにいかなる障害ももたらさないことが理解されよう。次いで注射デバイス1は、カラー301内に形成された開口部306から摺動させることができる。
上記の実施形態では、下部位置決め表面は、カラーの内面の下部部分によって画成されるが、下部位置決め表面は、カラーの下部部分上の別の要素によって形成することもできることが理解されよう。さらに、カラー内に切れ目を形成することができる。
前述の実施形態では、上部位置決め表面は、カラーの内面の上部部分によって画成されるが、上部位置決め部分は、チャネルのベースによって画成することもできることが理解されよう。そのような配置では、カラーの内面とチャネルのベースは、互いから段状にすることができる。上部位置決め部分は、カラーの上部部分上の別の要素によって形成することができる。別法として、上部位置決め部分は、チャネルのベース上の別の要素によって形成することもできる。
支持部材として作用するアームは、細長い本体300の長手方向軸に沿った方向の動きに非常によく耐えるように構成される。したがって、細長い本体300は、補助デバイスが注射デバイス1に係合しているとき、注射デバイス1の長手方向軸に沿った方向に動かないようになっている。しかし、***が配置された支持部材は、代替の配置を有することもできる。そのような配置では、支持部材は、フラップ配置(flap arrangement)を有することができ、または三角形の構造を有することができ、1つの隅部に***が位置し、補助デバイス2の細長い本体に対する固定具が他の2つの隅部に位置する。これらの2つの他の隅部は、補助デバイス2の軸方向の長さで分離することができる。
三角形の構造は、3つの周縁を備えることができ、またはシート状とすることができる。三角形の構造は、平面とすることができ、または湾曲させることができる。
前述の実施形態では、支持部材は弾性を有したが、支持部材は剛性を有することができ、***が弾性を有することができることが理解されよう。別法として、支持部材と***の両方が弾性を有することもできる。
図13〜20を次に参照しながら、補助デバイス2の代替形態について説明する。前述の実施形態からの参照番号が保持される。これらの多くの構成要素および特徴の配置および構成は、上記と概して同じであり、したがって詳細な説明は省略する。
補助デバイス2は、本体400およびカラー401を有する。本体400は細長く、長手方向軸を有する。カラー401の上部部分408は、本体400と一体形成される。カラーの下部部分409は、カラー401の上部部分408から延びる。本体400の下面403内に、注射デバイス受取りチャネル407が形成される。チャネル407は、図16に破線で示されている。チャネル407は、本体400の長手方向軸に対して平行に延びる。チャネル407は横断面が弓状であり、注射デバイス1の後部区間102の一部を受け入れるように配置される。
カラー401は、本体400の前端404に画成された上部部分408と、下部部分409とを備え、クロージャ410の一部を形成する。上部部分408と下部部分409はともに、開口部406を形成し、開口部406を通って注射デバイス1を受けることができる。注射デバイス1が開口部406を通って受けられたとき、注射デバイス1の後部区間102は、本体400とクロージャ410との間に受けられる。クロージャ410は、ヒンジ(図示せず)によって、上部部分408、したがって本体400にヒンジ式に取り付けられる。クロージャ410は、回転軸の周囲で本体400に旋回式に取り付けられる。したがって、カラー401の下部部分409は、上部部分408に旋回式に取り付けられる。クロージャ410は、注射デバイス1の外面に対して特有の位置で補助デバイス2を固定するために、注射デバイス1が開口部406を通って受けられたとき、注射デバイス1の方へ旋回させられるように構成される。クロージャ410の回転軸は、チャネル407の長手方向軸に直交して延びる。
クロージャ410内には、閉鎖チャネル411が形成される(図18参照)。閉鎖チャネル411は、クロージャ410の回転軸に直交して延びる。閉鎖チャネル411は、横断面が弓状の形状を有し、注射デバイス1の後部区間102の一部を受け入れるように配置される。クロージャ410の上縁412は面取りされている。上縁412は、以下で明らかになるように、案内表面として作用する。
支持部材として作用する左右のアーム413が、本体400の下面403から延びる。左側のアーム413は、本体400の左側から延び、右側のアームは、本体400の右側から延びる。図18〜20に示すように、アーム413は、補助デバイス2の本体400の下面403から実質上垂直に垂れ下がる。したがって、アーム413は、注射デバイス受取りチャネル407の両側に形成され、互いから隔置される。
各アームの自由端部415に、***414が配置される。***414は、係合要素として作用し、注射デバイス1の後部区間102の外面内に形成された窪み107内に係合する。各***414は、対応する窪み107内に受け入れられるように構成される。***414は、それぞれ窪み107の形状に密接に対応するような形状である。このようにして、***414は、補助デバイス2が注射デバイス1上に正確に位置するとき、それぞれ対応する窪み107内にぴったりと収まる。***414の外部寸法は、窪み107の内部寸
法よりわずかに小さく、したがって確実に、***414は、それぞれの窪み内に収まる。各アーム413の自由端部415は、わずかに内向きの偏向を有し、したがって自由端部415は、互いの方へ広がる。
アーム413は、互いから離れる方へわずかに拡げられて、本体400から延びる。したがって、注射デバイスをその間に挿入する容易さが高められる。別法として、アーム413は、互いに対して平行に延びる。アーム413は弾性を有する。別法として、U字状のばねなどの付勢要素(図示せず)を、各アーム413にカップリングすることができる。アーム413の弾性の影響は、アームを特定の位置へ付勢することである。アーム413が最初に位置する位置は、***414の最も内側の表面間の距離が、注射デバイス1の後部区間102の直径よりわずかに大きくなるような位置である。したがって、***414は最初、位置合わせされたとき、窪み107内に付勢されていない。
クロージャ410内に形成された閉鎖チャネル411は、弓状のベース416と、ベース416から直立する2つの側面417とを有する。閉鎖チャネル411の弓状のベース416は、注射デバイス1の外面が接して位置するように注射デバイス1の後部区間102を受けるように構成される。2つの側面417は、互いに対して平行に延びるが、互いから隔置される。対向する側面417間の閉鎖チャネル411の幅は、注射デバイス1の後部区間102の直径よりわずかに大きく、したがって注射デバイス1をその間に受けることができる。***が形成された側とは反対側の各アーム413の外面間の距離は、対向する側面417間の閉鎖チャネル411の幅よりわずかに大きい。以下で明らかになるように、側面417は案内要素として作用し、アーム413を内方へ広げ、アームを係合位置で保持する。
図14に示すように、補助デバイス2は最初、カラー401の開口部406が注射デバイス1の後端と位置合わせされるように、注射ペン1に対して位置決めされる。本体400は、注射デバイス受取りチャネル407の長手方向軸が注射デバイス1の長手方向軸に対して傾斜するように向けられる。クロージャ410は最初、開位置にあり、この位置でクロージャ409は、本体400から離れる方へ回転させられる。したがって、カラーの下部部分409は、上部部分408に対して回転させられる。
次いで、カラー401は、図15に示すように、注射デバイス1の後部区間102の上に摺動させられる。したがって、注射デバイス1の後部区間102は、カラー401の開口部406を通って受けられる。補助デバイス2は、左右のアーム413の端部、具体的には***414が、注射デバイス1のハウジング10にちょうど接触し、またはそこからわずかに隔置されるように、注射デバイス1に対して位置決めされる。
注射デバイス1上に補助デバイス2を位置決めするために、補助デバイス2の本体400を注射デバイス1の方へ引き込み、したがって注射デバイス1の後部区間102が注射デバイス受取りチャネル407内に受け入れられる。注射デバイス受取りチャネル407は、注射デバイス1が注射デバイス受取りチャネル407内に容易に受け入れられ、注射デバイス受取りチャネル407に接して位置するような形状である。アーム413は配置され、注射デバイス1の両側に延びる。しかし、アーム413は最初、***414の最も内側の表面間の距離が注射デバイス1の後部区間102の直径よりわずかに大きくなるように位置決めされる。したがって、***414は、窪み107と位置合わせされたとき、最初は窪み107内へ付勢されていない。
注射デバイス1がチャネル407内に位置決めされると、注射デバイス1の後端から突出するフィン105が、チャネル407内に形成されたフィン受取り凹部(fin receiving recess)418(図18〜20参照)内に受け入れられる。使用
者は、フィン105を凹部418と位置合わせして、フィン105が凹部418内に確実に受け入れられ、注射デバイスおよび補助デバイス2が互いに対して正確な位置で確実に位置合わせされるようにする。使用者が補助デバイス2を注射デバイス1上へ配置し、その場所で補助デバイス2が長手方向軸の周囲を所望の位置に対してわずかに回転させられた場合、リブ105は、本体400内のリブ受取り凹部418内に受け入れられない。この場合、チャネル407に接するリブ105が、リブ受取り凹部418内の正確な場所から隔置されることによって、補助デバイス2は、注射ペン1上へ完全に位置決めされないようになっている。さらに、***414は、対応する窪み107と位置合わせされない。使用者は、注射デバイス1から直立する補助デバイスの後端によって、補助デバイス2が正確に位置合わせされなかったことが分かるはずである。補助デバイス2を注射デバイス1に対して定位置で正確に位置決めするには、使用者は、注射デバイス1の長手方向軸の周囲で補助デバイス2を注射デバイス1に対して単に回転させるだけでよい。補助デバイス2と注射デバイス1が互いに対して動くと、リブ105とリブ受取り凹部418は互いに位置合わせされ、リブはリブ受取り凹部418内に受け入れられる。この時点で、***414もまた、窪み107と位置合わせされ、窪み107と係合する。
同様に、補助デバイス2が注射デバイス1と長手方向に正確に位置合わせされなかった場合、リブ105とリブ受取り凹部418は位置合わせされず、リブは凹部内に位置しない。注射デバイス1の長手方向軸に沿った方向の補助デバイス2と注射デバイス1の相対運動により、リブは凹部内に位置し、***は窪み107内に位置する。
使用者が注射デバイス1上へ補助デバイス2を位置決めしたとき、具体的には位置決めチャネル418内に位置決めリブ105を嵌合させたとき、使用者は、補助デバイス2を注射デバイス1に固定することができる。これは、使用者が、クロージャ410が本体400から離れる方へ回転させられる開位置からクロージャ410を動かし、クロージャ410を本体400の方へ固定位置内に回転させることによって実現される。クロージャの上縁と本体の下縁との間に接触が生じるまで、動きは継続する。
窪み107内に***414を係合させ、したがって補助デバイス2を注射デバイス1と嵌合させるために、使用者は、クロージャ410に力をかけて、図16および図18に示す開位置から図17および図20に示す固定位置へクロージャを動かす。
クロージャ410が本体400に対して回転させられて開位置から固定位置へ動くと、閉鎖チャネル411の各側壁417の上縁412は、アーム413の自由端部415に接触する。本体400の方へクロージャ410の動きが継続すると、側壁の上縁412および側壁417自体がアーム413に作用し、アーム413の自由端部415を付勢して、注射デバイス受取りチャンバ407内に受け入れられた注射デバイス1の方へ内方に広げる。注射デバイス1が上記の正確な位置で注射デバイス受取りチャンバ407内に位置合わせされると、***414は窪み107と位置合わせされる。したがって、アームが互いの方へ内方に付勢されると、***414は、注射デバイス1の外面内に形成された窪み107内に係合する。
図20に最もよく見られるように、クロージャ410が固定位置に入り、本体400と係合されたとき、注射デバイス1は、クロージャ410内に形成された閉鎖チャネル411内に受け入れられ、アーム413によって締め付けられ、同様に本体400およびクロージャ410によって締め付けられる。注射デバイス1の外面は、閉鎖チャネル411のベース416に接して位置する。アーム413は、アーム413が閉鎖チャネル411の側壁417に接して位置することによって、外方へ動かないようになっている。また、クロージャ410によって確実に、注射デバイス1は注射デバイス受取りチャネル407内で確実に緊密に収容され、クロージャ410によって定位置で保持される。
注射ペン1の長手方向軸に沿った補助デバイス2の動きは、***414と窪み107との間の嵌合によって抑制される。さらに、注射デバイス1の長手方向軸の周囲の補助デバイス2の回転もまた、***414と窪み107との間の嵌合によって抑制される。注射デバイス1に対する補助デバイス2の動きおよび回転は、位置決めリブ105が補助デバイス2の本体400に接することによってさらに防止される。
クロージャ410がその固定位置内へ動かされた後、注射デバイス1は、完全に注射デバイス受取りチャネル407内に位置決めされる。ここで、表示窓13の最も外側の表面が、OCRと位置合わせされる。したがって、注射デバイス1に対する補助デバイス2の正確な位置合わせは、2つの方法で提供される:第1に、リブ受取り凹部418内のリブ105の位置決めによって、第2に、窪み107内の***414の位置決めによって提供される。
クロージャ410は、本体400上に形成された捕獲配置と係合するクロージャ410上に形成された掛止配置(latch arrangement)419によって、固定位置で保持される。掛止配置または捕獲配置の一方は、他方の配置の方へ付勢され、したがって、掛止具と捕獲具が重複するとき、掛止具は捕獲具に係合して、クロージャ410を固定位置で保持する。捕獲および/または掛止配置は弾性を有し、したがって、クロージャ410に力をかけてクロージャ410を本体400から引き離したとき、2つの配置間の係合に打ち勝ち、次いでクロージャ410は本体400に対して自由に回転することができる。この実施形態では、捕獲配置(図示せず)は、本体400から広がる支持部材として作用する2つのアームによって形成される。この配置では、捕獲具は、各アーム413の外面によって形成されるが、捕獲具は、各アーム413内に形成された開口部もしくは凹部とすることができ、または別個のものとしてアームから隔置することができる。掛止配置419は、閉鎖チャネル411の側壁417上に形成された突起である。クロージャ410が固定位置内へ案内され、アーム413が閉鎖チャネル411内に受け入れられ、閉鎖チャネル411の側壁417に接して位置するとき、アーム413は、弾性のため、側壁417の方へ付勢される。したがって、側壁上の突起は、各アーム413の外面に接して位置し、その外面に押し付けられる。別法として、これらの突起は、各アーム内に形成された開口部または凹部と位置合わせされ、アームは外方へ付勢され、突起は開口部または凹部内に係合される。次いで、アームがクロージャ410上に突起を係合させることによって、クロージャ410は本体400に対して固定位置で維持される。
クロージャ410に力がかけられてクロージャ410が本体400から引き離されると、開口部または凹部内に係合された突起間の係合に打ち勝ち、次いでクロージャ410は、本体400に対して自由に回転することができる。クロージャ410を固定位置で保持する保持ユニットは、クロージャ410の片側のみに形成することができる。
クロージャ410が本体400から引き離されると、アーム413は、各アーム413の自由端部415が閉鎖チャネル411から引き離されるまで、閉鎖チャネル411の側壁417に沿って摺動する。各アームは、アームが弾性を有するため、最初の位置まで外方へ広げられる。したがって、各アーム413は、注射デバイス1から離れる方へ動く。アーム413が互いから離れる方へ動いたとき、***414は、注射デバイス1内の窪み107から係合解除される。
***414が窪み107から付勢された後、使用者は次いで、カラー401内に形成された開口部406から注射デバイス1を摺動させて、補助デバイス2を注射デバイス1から分離することができる。
前述の実施形態で、リブ105およびリブ受取り凹部は、注射デバイス1上の補助デバイス2の向きの調整および位置合わせを支援するが、代替の配置では、リブ105およびリブ受取り凹部318は省略されており、補助デバイス2と注射デバイス1との間の正確な位置合わせは、***および窪み107の嵌合によって提供されることが理解されよう。
補助デバイス2と注射デバイス1との間の正確な相対的な位置を確実にする他の代替の配置は、当業者には想到されるものであり、すべてのそのような代替形態は、特許請求の範囲の言語によって明示的に除外しない限り、本発明の範囲内である。
本発明の実施形態を使用するとき、使用者は特に、以下の利点を有する:
使用者は、最も好都合な使い捨てのインスリン注射器を使用することができる。
補助デバイスは、取付け可能かつ取外し可能(再利用可能)である。
位置合わせユニットにより、光センサが投与量ディスプレイと確実に位置合わせされる。したがって、使用者は、補助デバイスの向きを手動で調整する必要はない。
係合ユニットにより、補助デバイスは、注射デバイス1に確実に固定して取り付けられる。したがって、補助デバイスが注射デバイスから不注意で取り外されることはない。
解放配置(release arrangement)により、係合ユニットを注射デバイスから容易に係合解除することが可能になる。これにより、使用者の必要以上の労力を必要とすることなく、補助デバイスを注射デバイスから引き離すことが可能になる。さらに、注射デバイスへの補助デバイスの係合および係合解除中、補助デバイスおよび注射デバイスの損傷が防止される。
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位に
おけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよ
び機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(CH)と可変領域(VH)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4
は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。