JP6864589B2 - 積層シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層シート及びその製造方法に関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の部材として、不織布やパルプからなるシートを用いることが知られている。例えば、特許文献1には、スパンボンド不織布と薄葉紙とが積層されてなり、該スパンボンド不織布面側が肌に接するように配設されていることを特徴とする使い捨ておむつ等の衛生材料の表面材が記載されている。特許文献1によれば、薄葉紙を構成するパルプ繊維による吸液力によって、体液が良好に表面材を透過する。
また、特許文献2には、芯鞘構造を有しその鞘部が芯部より低融点の熱融着性樹脂の繊維を含有するスパンボンド不織布と、該不織布面に湿式抄紙によって連続または不連続に積層形成される抄紙層とからなる複合紙であって、上記不織布と抄紙層とは、上記スパンボンド不織布の鞘部の低融点熱溶融性樹脂を介して接合していることを特徴とする複合紙が記載されている。
特開平05−176954号公報 特開平05−279997号公報
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品は、一般的に***液を吸収する吸収体を具備している。吸収体は親水性繊維等の積繊体からなる吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートを有している。コアラップシートは、湿式抄紙法により得られたティッシュペーパー等の紙が広く用いられている。このようなコアラップシートは、繊維間の空隙が比較的狭いため、軟便や経血等の高粘性液体の透過性に改善の余地がある。
また、特許文献1及び2に記載のシートも、軟便や経血等の高粘性液体の透過性については不十分である。
従って、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る積層シート及びその製造方法、並びに該積層シートを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、疎水性の長繊維を含む長繊維不織布層と、該長繊維不織布層の片面又は両面に設けられた、セルロース系繊維を主体として構成されたセルロース系繊維層とを有する積層シートであって、前記長繊維不織布層は、前記セルロース系繊維層と接する面に複数の凹部と凸部とを有しており、該凹部に前記セルロース系繊維層が積層されており、前記長繊維不織布層と前記セルロース系繊維層との界面が密着した状態であり、前記積層シートとしての通気抵抗度が0.001kPa・s/m以上0.08kPa・s/m以下である、積層シートを提供するものである。
また、本発明は、疎水性の長繊維を含む長繊維不織布からなる基材シート上に、前記セルロース系繊維を含むスラリーを供給し、抄造により、前記基材シート上に前記セルロース系繊維層を形成させる抄造工程を具備し、下記式(1)により求められるネックイン率
を20%以下とする、積層シートの製造方法を提供するものである。
ネックイン率(%)=(W−W)/W×100・・・(1)
:前記基材シートの搬送方向に直交する方向における前記基材シートの長さ
:前記直交する方向における前記積層シートの長さ
また、本発明は、前記の積層シートを、吸収性コアを被覆するコアラップシートとして用いた吸収性物品を提供するものである。
本発明の積層シートは、軟便や経血等の液拡散の抑制効果に優れている。
本発明の積層シートの製造方法によれば、軟便や経血等の液拡散の抑制効果に優れた積層シートを効率良く製造することができる。
本発明の吸収性物品は、軟便や経血等の液拡散の抑制効果に優れている。
図1は、本発明の積層シートの一実施形態を示す、厚み方向に沿う断面図である。 図2(a)は、図1に示す積層シートの要部を示す拡大断面図であり、図2(b)は、本発明の構成を具備しないシートを示す拡大断面図である。 図3は、本発明に係る長繊維不織布層を模式的に示す拡大断面図である。 図4は、本発明に係る積層シートをコアラップシートに用いた吸収性物品の横断面図である。 図5は、図1に示す実施形態の積層シートの製造に好適に用いられる装置を示す模式図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の積層シート1の一実施形態の厚み方向に沿う断面図が示されている。
積層シート1は、図1に示すように、疎水性の長繊維21を含む長繊維不織布層20と、該長繊維不織布層20の片面又は両面に設けられた、セルロース系繊維26を主体として構成されたセルロース系繊維層25との積層構造を有する。
尚、図1では本発明の説明の便宜上、長繊維21とセルロース系繊維26とをそれぞれ異なる太さの線で示しているが、実際の両繊維21,26の太さとは無関係である。
長繊維不織布層20は、その構成材料として、疎水性の長繊維21を含む長繊維不織布を含んでいる。長繊維不織布としては、スパンボンド不織布や、スパンボンド層とメルトブローン層とを有する積層不織布等が挙げられる、スパンボンド層とメルトブローン層とを有する積層不織布としては、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層不織布(SMS不織布)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布(SMMS不織布)、スパンボンド−スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SSMS)不織布等が挙げられる。
長繊維不織布は、構成繊維どうしが、ヒートシール加工、超音波シール、エンボス加工等により融着した融着部を、平面視において分散した状態に有することが好ましく、散点状に有することが好ましい。
長繊維不織布層20を構成する長繊維不織布は、疎水性の長繊維の配合割合が、長繊維不織布の質量に対して、十分な疎水性を付与する観点から、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、また不織布の製造段階で必要な滑り性や親疎水性等の特性を付与するための油剤等の添加剤、強度を保持するためのバインダー等を含むことから好ましくは98%以下、より好ましくは90%以下であり、また好ましくは50%以上98%以下、より好ましくは70%以上90%以下である。
疎水性の長繊維21の構成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド等が挙げられ、これらは1種を単独又は2種以上を併用することもできる。
繊維が疎水性であるか否かは、下記方法で測定される水との接触角に基づいて判断され、該接触角が90度未満であれば親水性、90度以上の場合であれば疎水性である。下記方法で測定される水との接触角が小さいほど親水性が高く(疎水性が低く)、該接触角が大きいほど親水性が低い(疎水性が高い)。積層シート1において、長繊維21の水との接触角は90度以上である。斯かる構成により、高粘性液体が積層シート1の長繊維不織布層20に接触すると、該長繊維不織布層20の疎水性により、高粘性液体が長繊維不織布層20の表面に拡散することを抑制することができる。本発明の効果を損なわない範囲で、長繊維へ油剤等の親水化剤や撥水化剤を処理してもよい。
<接触角の測定方法>
測定対象(積層シート)から繊維を取り出し、その繊維に対する水の接触角を測定する。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角の測定には脱イオン水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を20ピコリットルに設定して、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維とのなす角を算出し、接触角とする。測定対象物から取り出した繊維は、繊維長1mmに裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。繊維1本につき異なる2箇所の接触角を測定する。N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を、当該繊維の水との接触角と定義する。測定環境は、室温22±2℃、湿度65±2%RHとする。斯かる接触角の値が小さいほど、親水性が高いことを意味する。
尚、積層シートが吸収性物品等の構成部材として用いられており、該積層シートを取り出して評価測定する場合において、その構成部材が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合には、その固定部分を、繊維の接触角に影響を与えない範囲で、コールドスプレーの冷風を吹き付ける等の方法で接着力を除去してから取り出す。この手順は、本願明細書中の全ての測定において共通である。
長繊維21の径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは5μm以上であり、また好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下であり、また好ましくは0.5μm以上50μm以下、より好ましくは5μm以上30μm以下である。
長繊維21の嵩密度は、好ましくは0.01g/cm以上、より好ましくは0.03g/cm以上であり、また好ましくは0.2g/cm以下、より好ましくは0.1g/cm以下であり、また好ましくは0.01g/cm以上0.2g/cm以下、より好ましくは0.03g/cm以上0.1g/cm以下である。
嵩密度の測定方法はレーザー式変位計を用い、直径5.6cmの金属プレートを長繊維の上に載せて50Paの加圧下で厚み(μm)を測定し、坪量(g/m)を厚み(μm)で除することで嵩密度(g/cm)を算出する。
長繊維不織布層20は、セルロース系繊維層25と接する面に、凹凸を有している。本実施形態の長繊維不織布層20の凹凸は、図2に示すように、複数の凹部23及び凸部22からなり、凹部23における長繊維21の坪量を、凸部22に比して低くすることにより凹部23及び凸部22を形成している。長繊維不織布層の凹凸は、スパンボンドやメルトブローン等の紡糸法により作製された際の坪量の違い(地合い等)により主に形成される。また、セルロース系繊維層25と接する面の平均高さと、各凹部、或いは各凸部における長繊維不織布層20の高さとの差は、長繊維不織布層の平均厚さの2倍を超えないものとする。セルロース系繊維層25と接する面の平均高さ、凹部23における長繊維不織布層20の高さ及び凸部22における長繊維不織布層20の高さについては後述する。この他に、長繊維不織布層20に凹凸を形成する方法として、熱や圧力によるエンボス加工、超音波等が挙げられる。
長繊維不織布層20の片面又は両面には、セルロース系繊維26を主体として構成されたセルロース系繊維層25が設けられている。セルロース系繊維26としては、木材パルプ、コットン等の天然セルロース繊維、レーヨンなどの再生セルロース繊維が挙げられる。
セルロース系繊維層25におけるセルロース系繊維26の含有量は、親水性を付与する観点から、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、またセルロース系繊維を結着させるバインダー成分や湿潤紙力等の薬剤を含有させる観点から好ましくは98%以下、より好ましくは92%以下であり、また好ましくは50%以上98%以下、より好ましくは70%以上92%以下である。
また、セルロース系繊維26の水との接触角は30度未満である。
長繊維不織布層20とセルロース系繊維層25とは密着した状態である。具体的には、セルロース系繊維層25は、図2に示すように、該層を構成するセルロース系繊維26が長繊維不織布層20の凹部23の内部を埋めるようにして、長繊維不織布層20と接しているため、両層20,25の界面においては、実質的に接着剤が介在せず、各層の長繊維とセルロース繊維が接触と絡み合いにより十分に密着された状態にある。一方、接着剤の塗布によって、長繊維不織布層20とセルロース系繊維層25との密着性を向上させようとすると、長繊維21とセルロース系繊維26との間に接着剤が介在することで両繊維間に距離ができると共に、通気抵抗度は高くなり、親水性は低下するため、高粘性液体の透過性が著しく悪化する。ここで十分に密着しているか否かは下記の確認試験により判断される。
<密着状態の確認試験>
まず試料シートの両層の界面において、接着剤が存在しないことを顕微鏡観察によって確認する。
試料シートを5cm四方に裁断し、2つ折りにする。10cm四方のプレート間に折り曲げたシートを挟み、錘を載せ3kPaに加圧し、10秒間静置し、折りを開く。折り方向は同じ、折り目も同じ位置になるようにこの操作を計3回繰り返す。この折り目がついた5cm四方のシートをもう一枚準備し、これらシートを液体窒素に10秒間浸漬した後、鋭利な剃刀を用いて、折り目に該折り目と直交する方向に切れ目を各シートに3カ所入れる。
次に、前記切れ目の切り込み断面をSEM或いは光学顕微鏡を用いて観察し、長繊維不織布層20とセルロース系繊維層25との間の隙間の有無、即ち密着状態を確認する。隙間がある場合、その隙間部分の厚さ方向の隙間距離を測定する。そして、全ての切り込み断面における隙間距離の平均が積層シート1の平均厚さの1/2より小さければ、本発明の両層は「密着した状態にある」とし、平均厚さの1/2より大きければ「密着した状態にない」とする。すなわち、本発明の両層が密着した状態にあれば、前記折り曲げ試験の
ような過酷試験においても密着した状態を維持することができるが、密着状態になければ前記折り曲げ試験により隙間距離が大きくなる。また、各層の繊維間距離よりもはるかに大きい積層シート1の平均厚さの1/2よりも、隙間距離の平均が大きければ、隙間ができたと容易に判定できる。例えば、各層の中で繊維同士が強く絡み合って結着する一方で、両層の間での長繊維とセルロース系繊維との接触や絡み合いが少ない場合などは、両層は密着した状態にないと言える。このような積層シートでは、局所的には隙間が多く存在し、さらには積層シートにかかる力(おむつ装着状態など)により容易に隙間を形成してしまうと考えられる。
測定対象のシートの面積が10cm四方に満たない場合は、同じ3kPaの加圧条件となるよう、上述した折り曲げを行い、切り込み断面を観察するための切り目の数も同じにして、前記密着状態の確認試験を行う。
長繊維不織布層20とセルロース系繊維層25とを隙間なく積層した積層シート1は、後述する、長繊維不織布層20を基材シートとして、セルロース系繊維26を含むスラリーを用いた湿式抄紙法によって製造することができる。
長繊維不織布層20の凹部23の内部を、セルロース系繊維26で埋める観点から、セルロース系繊維26は以下の物性であることが好ましい。
セルロース系繊維26の平均繊維長は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上5mm以下である。
セルロース系繊維26の繊維幅、即ちセルロース系繊維26の直径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下であり、また好ましくは1μm以上80μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下である。
セルロース系繊維26の繊維粗度は、好ましくは50μg/m以上、より好ましくは150μg/m以上である。繊維粗度が大きい程、セルロース系繊維層の嵩密度が低く繊維間の空隙が大きくなるため、積層シートにおいては液透過性が向上し、後述する液拡散性がより抑えられる。また、シート強度を担保する観点から500μg/m以下が好ましい。また好ましくは50μg/m以上500μg/m以下、より好ましくは150μg/m以上500μg/m以下である。
<平均繊維長、繊維幅及び繊維粗度の測定>
測定対象のシートからセルロース系繊維を識別、単離して繊維試料を1.5g以上採取する。尚、長繊維とセルロース系繊維とを識別し、単離する方法は後述する。
繊維粗度計FS−200(KAJAANI ELECTRONICS LTD.製)を用いて測定する。先ず、測定対象の繊維の真の質量を求めるために、該繊維を真空乾燥機内にて100℃で1時間乾燥させ、繊維中に存在している水分を除去する。こうして乾燥させた繊維から1gを正確に量りとる(誤差±0.1mg)。次に、量り取った繊維を、該繊維に極力損傷を与えないように注意しつつ、前記繊維粗度計に付属のミキサーで150mlの水中に完全に離解させ、これを全量が5000mlになるまで水で薄めて希釈液を得る。得られた希釈液から50mlを正確に量りとってこれを繊維粗度測定溶液とし、前記繊維粗度計の操作手順に従って目的とする平均繊維長及び繊維粗度をそれぞれ算出する。尚、平均繊維長の算出には、前記操作手順に基づき下記式(2)により計算された値を用いる。
Figure 0006864589
セルロース系繊維26の嵩密度は、セルロース系繊維層の強度を担保する観点から、好ましくは0.01g/cm以上、より好ましくは0.03g/cm以上であり、また液透過性を担保する観点から、好ましくは0.5g/cm以下、より好ましくは0.3g/cm以下であり、また好ましくは0.01g/cm以上0.5g/cm以下、より好ましくは0.03g/cm以上0.3g/cm以下である。
積層シート1としての通気抵抗度は、液透過性の観点から通気抵抗度は低ければ低いほど良いが、本発明の積層シートの構成では下限が0にはならず、0.001となる。上限としては、好ましくは0.08kPa・s/m以下であり、より好ましくは0.05kPa・s/m以下である。通気抵抗度は、繊維間の空隙の大きさを示す指標であり、通気抵抗度が小さいほど繊維間の空隙が大きく、通気抵抗度が大きいほど繊維間の空隙が小さい。ここでいう通気抵抗度は、カトーテック株式会社製の通気性試験機「KES−F8−AP1 AIR PERMEABILITY TESTER」(商品名)を用いて測定される。具体的には、通気性試験機を用いて常法に従って評価対象のシート(積層シート)における任意の12箇所の通気抵抗を測定し、その平均値を当該シートの通気抵抗度とする。
本発明の積層シート1は、前述した範囲内の通気抵抗度を有しており、また、疎水性の長繊維不織布層20と親水性のセルロース系繊維層25とを有することで、積層シート1の厚み方向に親水勾配を有している。さらに、長繊維不織布層20とセルロース系繊維層25とが隙間なく、即ち密着した状態で積層されている。斯かる構成により、積層シート1は、軟便や経血等の高粘性液体の透過性に優れており、また、該積層シート1の平面方向への該高粘性液体の拡散抑制効果(以下、液拡散の抑制効果ともいう)に優れている。具体的には、積層シート1の通気抵抗度が上記の範囲内であることにより、繊維間の空隙を適度に大きくすることができるため、高粘性液体を容易に透過させることができると共に、優れた液拡散の抑制効果が奏される。また、積層シート1の厚み方向に親水勾配を有することにより、高粘性液体が長繊維不織布層20からセルロース系繊維層25へ引きこまれる引込性に優れる。さらに、長繊維不織布層20とセルロース系繊維層25とを密着した状態で積層することによって、長繊維21からセルロース系繊維26に高粘性液体を容易に伝わらせることができるため、高粘性液体の引込性に優れる。一方、長繊維不織布層20とセルロース系繊維層25との間に隙間が存在すると〔図2(b)参照〕、高粘性液体の導通路が隙間によって途切れ、高粘性液体の引込が困難になる。
長繊維不織布とセルロース繊維の坪量を測定する方法を示す。積層シートの中のセルロース繊維を識別する方法は、SEM画像による形状観察や染色法(JIS P 8120)、セルロースを加水分解してからHPLC法等により構成糖を分析する方法等が挙げられ、公知の方法を用いることができる。また長繊維不織布は、長さ方向に途切れない連続した繊維であることから低倍率の画像により識別できる他、DSC(示差熱分析装置)により繊維を構成する樹脂の種類が特定できる。積層シートにおける長繊維不織布層とセルロース系繊維層の坪量は、粘着テープ等により層間剥離させて各層を単離できる場合、単離した各層のそれぞれの単位面積あたりの重量を測定し求める。単離できない場合は、積層シートの断面積の写真から各層20,25の平均厚さを測定し、積層シート1の平均厚
さに対する各層20,25の平均厚さの比率を積層シート全体の坪量に掛けて各層の坪量を求める。
長繊維不織布層20の坪量は、積層シート1の強度を担保するため、好ましくは5g/m以上、より好ましくは8g/m以上であり、また高粘性液等の透過性を担保するため、好ましくは15g/m以下、より好ましくは12g/m以下であり、また好ましくは5g/m以上15g/m以下、より好ましくは8g/m以上12g/m以下である。長繊維不織布層20を構成する長繊維不織布21aが、上記の範囲内の坪量を備えることが好ましい。
また、親水的にして高粘性液体の透過性をより向上させる観点から、セルロース系繊維層25の坪量は、好ましくは0.5g/m以上、より好ましくは1g/m以上であり、また繊維間の空隙を増加させ、高粘性液体の透過性を担保するため、好ましくは10g/m以下、より好ましくは6g/m以下であり、また好ましくは0.5g/m以上10g/m以下、より好ましくは1g/m以上6g/m以下である。
本実施形態の積層シート1は、図1に示すように、一部のセルロース系繊維が、長繊維不織布層20の片面から他方の面へ厚み方向に貫通している、貫通セルロース系繊維27を有している。斯かる構成により、高粘性液体の引込性をより向上させることができる。このように、積層シート1は、一部のセルロース系繊維26が長繊維不織布層20を貫通し、該長繊維不織布層20の片面側に露出していることが好ましい。片面側に露出していることは、本発明の実施例で後述する〔貫通セルロース系繊維の確認方法〕により確認される。
長繊維不織布層20における貫通セルロース系繊維27の単位面積(10cm)当たりの本数は、好ましくは3本以上300本以下、より好ましくは10本以上100本以下である。
長繊維不織布層20は、セルロース系繊維層25と接する面における凹凸を有するが、この凹凸を構成する凹部及び凸部は、例えば基材シート20aである長繊維不織布21aにエンボス加工を施すことにより形成することができる。この場合、エンボス加工によって長繊維21が高密度化した凹部23における毛管力を向上させると共に、長繊維不織布層20とセルロース系繊維層25との間に隙間が形成されることを防ぐ観点から、前記凹凸を構成する凹部23の面積率が、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは11%以上であり、また好ましくは35%以下、より好ましくは28%以下、さらに好ましくは18%以下であり、また好ましくは3%以上35%以下、より好ましくは5%以上28%以下、さらに好ましくは11%以上18%以下である。
凹部の面積率は、実物の写真を画像解析して得る。このとき、凹部に繊維の欠損部分がある場合は手動補正を行い、繊維があるものと仮定して測定する。
同様の観点から、エンボス加工によって形成された凹凸を構成する凹部23における長繊維不織布層20の厚さt2は、長繊維不織布層20の平均厚さt1に対して、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは60%以下であり、また好ましくは10%以上90%以下、より好ましくは30%以上60%以下である。長繊維不織布層20の平均厚さt1、及び凹部の厚さt2は、以下の通り定義される。長繊維不織布層20の各面21c,21dにおける平均高さ位置h1,h2間の距離(差)t1を長繊維不織布層20の平均厚さと呼ぶ(図3参照)。また、凹部23は、長繊維不織布層20の一方の面における平均高さより他方の面側に凹んだ状態の領域を指し、図3に示すように、その凹部23において最も凹んだ部分23aの高さ位置h3と、該凹部23が形成された面とは反対側の面となる前記他方の面における平均高さ(図3では面21cの平均高さh1)との距離(差)t2を凹部23における長繊
維不織布層20の厚さと呼ぶ。尚、凸部22は、長繊維不織布層20の一方の面における平均高さを越えて突出した状態の領域を指し、該凸部22の最も突出した部分22aの高さ位置h4と、該凸部22が形成された面とは反対側の面における平均高さ(図3では面21cの平均高さh1)との距離(差)t3を凸部22における長繊維不織布層20の厚さと呼ぶ。これら長繊維不織布層20の表面形状はSEM画像等の断面写真の画像解析や表面粗さ測定機等のJIS B 0601に準拠した方法にて計測される。
本発明の積層シート1は、上記のように高粘性液体の透過性に優れており、そのような特長が活かされる種々の用途に好適である。特に積層シート1は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品において、液保持性の吸収性コアを被覆するコアラップシートとして好適である。本発明の積層シート1は、特に軟便や経血等の高粘性液体に有効であり、従って、使い捨ておむつにおけるコアラップシートとして特に有用である。
積層シート1を用いた吸収性物品の一例として、吸収性コア14a及びこれを被覆するコアラップシート14bを含んで構成される吸収性物品であって、該コアラップシート14bが積層シート1であるものが挙げられる。より具体的には、積層シート1を用いた吸収性物品(おむつ100)は、その長手方向に、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部、背側に位置する背側部、及び腹側部と背側部との間に配される股下部を有している。また、おむつ100は、図4に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート12、非肌対向面を形成する液難透過性ないし撥水性の裏面シート13、及びこれら両シート12,13間に配置された液保持性の吸収体14を具備している。おむつ100は、弾性部材15aを有する立体ギャザー形成用のシート15を有しており、その弾性部材15aの収縮により、着用状態における股下部に、着用者の肌側に向かって起立する立体ギャザーが形成される。さらに、股下部の脚周りに配される部位には、レッグ部弾性部材16が伸長状態で配されており、その収縮により、着用状態における股下部に着用者の脚周りへのフィット性を向上させるレッグギャザーが形成される。
吸収体14は、図4に示すように、吸収性コア14a及びコアラップシート14b(積層シート1)を含んで構成されている。コアラップシート14bとして用いられる積層シート1は、少なくとも前記吸収性コア14aの肌対向面を被覆することが好ましい。その場合、前記表面シート12と前記吸収性コア14aとの間において、該表面シート12と積層シート1の長繊維不織布層20とが対向するように積層シート1を配置することにより、積層シート1中ではセルロース系繊維層25よりも長繊維不織布層20の方が先に便等の***物と接することになる。尚、肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収性コア)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。前記表面シート12、前記裏面シート13及び前記吸収性コア14aとしては、それぞれ、この種の吸収性物品において通常用いられているものを特に制限無く用いることができる。積層シート1を用いた吸収性物品は、展開型あるいはパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等に適用できる。
次に、本発明の積層シート1の製造方法の一実施形態について、図5を参照しながら説明する。図5には、本発明の積層シート1を好ましく製造することができる湿式抄紙機3が示されている。湿式抄紙機3は、抄紙網31、スラリー投入装置32、プレスロール34及びヤンキードライヤー35を備えている。
本実施形態の製造方法は、長繊維を主体として構成された長繊維不織布21aからなる基材シート20aに、セルロース系繊維を含むスラリーを加え、セルロース系繊維層を抄造する抄造工程を具備する。また、本実施形態の製造方法は、抄造工程において得られた成形シートの脱水を行う脱水工程と、脱水後の成形シートを乾燥させる乾燥工程と、乾燥後の成形シートを巻き取る巻き取り工程とを含む。
抄造工程について説明する。抄造工程は、図5に示すように、疎水性の長繊維21を含む長繊維不織布21aからなる基材シート20a上に、セルロース系繊維26を含むスラリー26aを供給し、湿式抄造法により、基材シート20a上にセルロース系繊維層25を形成させる工程である。具体的には、長繊維不織布ロール21bから供給された長繊維不織布21aを基材シート20aとし、抄紙網31上に該基材シート20aを載せ、この抄紙網31上の基材シート20aに、スラリー投入装置32からセルロース系繊維26を含むスラリー26aを流し込む。流し込まれたスラリー26a中の水は、基材シート20a及び抄紙網31を順次透過して該抄紙網31の下方から流れ落ち、該スラリー26a中のセルロース系繊維26は、基材シート20aの構成繊維(長繊維21)に絡まって基材シート20a中に留まり、これによって該抄紙網31上に長繊維21及びセルロース系繊維26を含有する成形シート10が形成される。この成形シート10は、抄紙網31からベルトコンベア37aに引き渡される。
セルロース系繊維を含むスラリーは、該セルロース系繊維以外の繊維成分を含有させることができ、該繊維成分として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂を単独、或いは2成分以上含んだ繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ウレタン繊維、獣毛繊維等が挙げられる。また、前記スラリーには、湿潤紙力剤、乾燥紙力剤、地合い向上剤、歩留り向上剤、凝集剤、pH調整剤、抗菌剤、消臭剤、難燃剤も含有させることができる。
本実施形態の製造方法は、抄造工程においてスラリー26aを抄紙する際、スラリー中の水をサクションボックス33によって吸引脱水している。この吸引脱水が強く吸引速度が速いほど、長繊維不織布層20の凹部23の内部を、セルロース系繊維26で容易に埋めることができる。この凹部の坪量が低い場合には、他の坪量が高い部分よりも相対的に吸引速度が増し、より多くのセルロース系繊維が凹部を埋めることになる。このように、抄造工程は、基材シート20aに加えたスラリー26a中の水分を吸引脱水する工程を含むことが好ましい。
また、吸引脱水における吸引力を高めると、スラリー26a中の一部のセルロース系繊維26を、基材シート20a(長繊維不織布21a)に貫通させることができる点で好ましい。
次に、抄造工程で得られた成形シート10の脱水を行う脱水工程を説明する。脱水工程は、成形シート10の形態を保つ(保形性)点や、機械的強度を維持する点から、含水率(重量含水率、以下同じ。)が70%以下となるまで脱水させることが好ましく、60%以下となるまで脱水させることがより好ましい。本実施形態における脱水工程は、ベルトコンベア37aによって搬送されてくる成形シート10を、1対のプレスロール34間に加圧しながら通すことによって脱水を実施している。このような脱水方法の他に、吸引によって脱水する方法、加圧空気を吹き付けて脱水する方法等が挙げられる。
次に乾燥工程について説明する。本実施形態では、ベルトコンベア37bで搬送されてくる成形シート10が、ヤンキードライヤー35の表面に接触することにより該成形シート10を乾燥させる。乾燥工程における乾燥方法は、脱水後の成形シート10の厚さ及び含水率、乾燥後の含水率等に応じて適宜選択することができる。該乾燥方法としては、例えば、加熱構造体(発熱体)との接触、加熱空気や蒸気(過熱蒸気)の吹き付け、真空乾燥、電磁波加熱、通電加熱等の乾燥方法が挙げられ、本実施形態では、脱水と乾燥とを別々に行っているが、前述の脱水方法と組み合わせて同時に乾燥を実施することもできる。このように成形シート10を乾燥させることで、積層シート1を得ることができる。
本発明の製造方法は、必要に応じて、乾燥後に得られた積層シート1をロール状に巻き取る、巻き取り工程を具備してもよい。また、積層シート1をロール状に巻き取る前に、必要に応じて、積層シート1に対して、クレープ処理、スリット加工、トリミング加工、形態を変更する等の加工を施すこともできる。また、積層シート1を、単独若しくは重ねて又は紙、布(織布又は不織布)、フィルム等の他のシートと重ねて、加圧したり、さらには加圧しエンボス加工やニードルパンチ加工を行うことにより、複数枚のシートを積層一体化させたり、凹凸状の賦型や孔あけを行うこともできる。
また、本実施形態において、長繊維不織布21a、スラリー26a及び積層シート1の搬送路は、ベルトコンベア37a,37b及び巻回ロール36から構成されている。搬送路は、主に巻回ロール、ベルトコンベア、バキュームコンベア、ローラーコンベア等を組み合わせて構成すればよく、従来シート部材の搬送に用いられている搬送手段を適宜選択して用いることができる。
積層シート1における繊維間隙の大きさが縮んで高粘性液体の透過性が低下することを防止する観点から、本発明の製造方法において下記式(1)により求められるネックイン率は、20%以下であり、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下である。ネックイン率とは、CD方向における基材シート20a(長繊維不織布21a)の長さに対する、CD方向における積層シート1の長さの割合(%)であり、下記式(1)により求められる。この長繊維不織布21aは、抄造工程に供される原料としての長繊維不織布21aである。また、CD方向とは、基材シート20aの搬送方向(MD方向)に直交する方向である。ネックイン率は、例えば、基材シート20aに掛かるテンションによって調整することができる。テンションは、ベルトコンベアを回転させる駆動ロール38や巻回ロール36等の搬送路の速度に関わる各部の速度を調整することで、低くすることができる。このテンションを低くすると、ネックイン率を低くすることができる。
ネックイン率(%)=(W−W)/W×100・・・(1)
:CD方向における基材シート20a(長繊維不織布21a)の長さ
:CD方向における積層シート1の長さ
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
上述した実施形態に関し、さらに以下の積層シート、積層シートの製造方法及び吸収性物品を開示する。
<1>
疎水性の長繊維を含む長繊維不織布層と、該長繊維不織布層の片面又は両面に設けられた、セルロース系繊維を主体として構成されたセルロース系繊維層とを有する積層シートであって、
前記長繊維不織布層は、前記セルロース系繊維層と接する面に複数の凹部と凸部とを有しており、該凹部に前記セルロース系繊維層が積層されており、
前記長繊維不織布層と前記セルロース系繊維層との界面が密着した状態であり、
前記積層シートとしての通気抵抗度が0.001kPa・s/m以上0.08kPa・s/m以下、好ましくは0.05kPa・s/m以下である、積層シート。
<2>
前記長繊維は、水との接触角が90度以上であり、前記セルロース系繊維は、水との接触角が90度未満である、前記<1>に記載の積層シート。
<3>
前記長繊維不織布層を構成する長繊維不織布は、前記長繊維の配合割合が、前記長繊維不織布の質量に対して、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、また
好ましくは98%以下、より好ましくは90%以下であり、また好ましくは50%以上98%以下、より好ましくは70%以上90%以下である、前記<1>又は<2>に記載の積層シート。
<4>
前記長繊維不織布層と前記セルロース系繊維層との界面が密着した状態とは、これら両層の界面において実質的に接着剤が介在せず、前記長繊維と前記セルロース系繊維とが、接触又は絡み合いにより十分に密着された状態にある、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の積層シート。
<5>
前記長繊維不織布層と前記セルロース系繊維層との界面が密着した状態とは、下記密着状態の確認試験により、全ての切り込み断面における隙間距離の平均が前記積層シートの平均厚さの1/2より小さい状態である、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の積層シート。
(密着状態の確認試験)
前記長繊維不織布層及び前記セルロース系繊維層を有するシートのこれら両層の界面において、接着剤が存在しないことを顕微鏡観察によって確認する。
前記シートを5cm四方に裁断し、2つ折りにする。10cm四方のプレート間に折り曲げた前記シートを挟み、錘を載せ3kPaに加圧し、10秒間静置し、折りを開く。折り方向は同じ、折り目も同じ位置になるようにこの操作を計3回繰り返す。 前記操作により折り目がついた5cm四方のシートをもう一枚準備し、これらシートを液体窒素に10秒間浸漬した後、鋭利な剃刀を用いて、折り目に該折り目と直交する方向に切れ目を前記シートにそれぞれ3カ所入れる。
次に、前記シートにおける前記切れ目の切り込み断面をSEM或いは光学顕微鏡を用いて観察し、前記長繊維不織布層と前記セルロース系繊維層との間の隙間の有無を確認する。隙間がある場合、その隙間部分の厚さ方向の隙間距離を測定し、全ての前記切り込み断面における前記隙間距離の平均を求める。前記隙間距離の平均が、前記積層シートの平均厚さの1/2より小さければ、「密着した状態にある」とし、平均厚さの1/2より大きければ「密着した状態にない」とする。
<6>
前記セルロース系繊維の一部が前記長繊維不織布層を貫通し、該長繊維不織布層の片面側に露出している貫通セルロースを有している、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の積層シート。
<7>
前記長繊維不織布層における前記貫通セルロース系繊維の単位面積(10cm)当たりの本数が、好ましくは3本以上300本以下、より好ましくは10本以上100本以下である、前記<6>に記載の積層シート。
<8>
前記セルロース系繊維の繊維粗度は、好ましくは50μg/m以上、より好ましくは150μg/m以上であり、また好ましくは500μg/m以下であり、また好ましくは50μg/m以上500μg/m以下、より好ましくは150μg/m以上500μg/m以下である、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の積層シート。
<9>
前記セルロース系繊維の平均繊維長は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上5mm以下である、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の積層シート。
<10>
前記セルロース系繊維の直径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下であり、また好まし
くは1μm以上80μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下である、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の積層シート。
<11>
前記セルロース系繊維の嵩密度は、好ましくは0.01g/cm以上、より好ましくは0.03g/cm以上であり、また好ましくは0.5g/cm以下、より好ましくは0.3g/cm以下であり、また好ましくは0.01g/cm以上0.5g/cm以下、より好ましくは0.03g/cm以上0.3g/cm以下である、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の積層シート。
<12>
前記長繊維不織布層は、前記セルロース系繊維層と接する面における平均高さと、前記凹部又は前記凸部における前記長繊維不織布層の高さとの差が、該長繊維不織布層の平均厚さの2倍を超えない、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の積層シート。
<13>
前記長繊維不織布層の前記凹部及び前記凸部は、エンボス加工により形成されている、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の積層シート。
<14>
前記凹部における前記長繊維不織布層の厚さは、前記長繊維不織布層の平均厚さに対して、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは60%以下であり、また好ましくは10%以上90%以下、より好ましくは30%以上60%以下である、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の積層シート。
<15>
前記凹部の面積率が、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは11%以上であり、また好ましくは35%以下、より好ましくは28%以下、さらに好ましくは18%以下であり、また好ましくは3%以上35%以下、より好ましくは5%以上28%以下、さらに好ましくは11%以上18%以下である、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の積層シート。
<16>
前記長繊維不織布層の坪量は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは8g/m以上であり、また好ましくは15g/m以下、より好ましくは12g/m以下であり、また好ましくは5g/m以上15g/m以下、より好ましくは8g/m以上12g/m以下である、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の積層シート。
<17>
前記セルロース系繊維層の坪量は、好ましくは0.5g/m以上、より好ましくは1g/m以上であり、また好ましくは10g/m以下、より好ましくは6g/m以下であり、また好ましくは0.5g/m以上10g/m以下、より好ましくは1g/m以上6g/m以下である、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の積層シート。
<18>
前記セルロース系繊維層における前記セルロース系繊維の含有量は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、また好ましくは98%以下、より好ましくは92%以下であり、また好ましくは50%以上98%以下、より好ましくは70%以上92%以下である、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の積層シート。
<19>
長繊維21の径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは5μm以上であり、また好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下であり、また好ましくは0.5μm以上50μm以下、より好ましくは5μm以上30μm以下である、前記<1>〜<18>の何れか1に記載の積層シート。
<20>
前記長繊維の嵩密度は、好ましくは0.01g/cm以上、より好ましくは0.03
g/cm以上であり、また好ましくは0.2g/cm以下、より好ましくは0.1g/cm以下であり、また好ましくは0.01g/cm以上0.2g/cm以下、より好ましくは0.03g/cm以上0.1g/cm以下である、前記<1>〜<19>の何れか1に記載の積層シート。
<21>
前記<1>〜<20>の何れか1に記載の積層シートの製造方法であって、
前記疎水性の長繊維を含む前記長繊維不織布からなる基材シート上に、前記セルロース系繊維を含むスラリーを供給し、抄造により、前記基材シート上に前記セルロース系繊維層を形成させる抄造工程を具備する、積層シートの製造方法。
<22>
下記式(1)により求められるネックイン率を20%以下、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下とする、前記<21>に記載の積層シートの製造方法。
ネックイン率(%)=(W−W)/W×100・・・(1)
:前記基材シートの搬送方向に直交する方向における前記基材シートの長さ
:前記直交する方向における前記積層シートの長さ
<23>
疎水性の長繊維を含む長繊維不織布からなる基材シート上に、前記セルロース系繊維を含むスラリーを供給し、抄造により、前記基材シート上に前記セルロース系繊維層を形成させる抄造工程を具備し、
下記式(1)により求められるネックイン率を20%以下、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下とする、積層シートの製造方法。
ネックイン率(%)=(W−W)/W×100・・・(1)
:前記基材シートの搬送方向に直交する方向における前記基材シートの長さ
:前記直交する方向における前記積層シートの長さ
<24>
前記長繊維不織布は凹部及び凸部を有しており、
前記凹部及び前記凸部は、該凹部における長繊維の坪量を、該凸部に比して低くすることにより形成されている、前記<21>〜<23>の何れか1に記載の積層シートの製造方法。
<25>
前記長繊維不織布の前記凹部及び前記凸部は、該長繊維不織布が作製された際の坪量の違いによって主に形成されている、前記<21>〜<24>の何れか1に記載の積層シートの製造方法。
<26>
前記長繊維不織布の前記凹部及び前記凸部は、熱や圧力によるエンボス加工又は超音波により形成されている、前記<21>〜<25>の何れか1に記載の積層シートの製造方法。
<27>
前記<1>〜<20>の何れか1に記載の積層シートを有している、吸収性物品。
<28>
前記<1>〜<20>の何れか1に記載の積層シートを、吸収性コアを被覆するコアラップシートとして用いた、吸収性物品。
<29>
前記吸収性物品は、前記吸収性コア及びこれを被覆する前記積層シートを含む吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配される表面シートとを有しており、
前記表面シートと前記吸収性コアとの間において、該表面シートと前記積層シートの前記長繊維不織布層とが対向するように、該積層シートが配されている、前記<28>に記載の吸収性物品。
<30>
前記吸収性物品が使い捨ておむつである、前記<27>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
汎用の湿式抄紙機を用いて、積層シート1を製造した。具体的には、下記表1に示すセルロース系繊維A〜Eから下記表2の通りに選択した1種類のセルロース系繊維(繊維濃度0.1%)と、湿潤紙力剤(商品名「WS−4030」、星光PMC株式会社製)0.5%(対セルロース系繊維)とを水中に均一に分散させて、スラリー(紙料)を調製した。前記セルロース系繊維は、叩解機によってフィブリル化され、フリーネスが650mlとなったものを用いた。次に、ワイヤー目開き径90μm(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に、下記表2に示す幅300mmの長繊維不織布を載せ、該長繊維不織布上に前記スラリーを散布し、紙層(繊維ウェブ)を形成した。この紙層を、サクションボックスを用いて6ml/(cm・sec)の速度で吸引脱水し、成形シート10を得た後、さらにプレスロールを用いて加圧し、脱水を行った。脱水後、成形シートをヤンキードライヤー表面に圧着させ、乾燥を実施し、幅260mmの積層シートを得た。抄紙条件は、抄紙速度10m/minとした。上記の製造方法によって得られた積層シートのネックイン率は、ロール36の巻取り速度によって調整した。
長繊維不織布として用いた表2に示すスパンボンド不織布は、ポリプロピレン樹脂からなるスパンボンド層が繊維径18μmを構成繊維とする。長繊維不織布には、セルロース系繊維層と接する面に凹凸を有するよう、該面にエンボス加工を施しており、エンボス加工による凹部の面積率は17.3%(オーバルパターン)であった。
また、表2に、長繊維不織布の坪量(g/m2)、嵩密度(g/cm3)、及び長繊維不織布層の平均厚さ(t1)に対する凹部における長繊維不織布層の厚さ(t2)の割合(t2/t1)を示す。
〔実施例2〜14〕
セルロース系繊維や長繊維不織布の構成(種類、坪量、嵩密度)を下記表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして積層シート1を製造した。
尚、実施例13及び14において長繊維不織布として用いたSMS不織布は、スパンボンド層の構成繊維が、繊維径20μmのポリプロピレン樹脂繊維であり、メルトブローン層の構成繊維が、繊維径1.8μmのポリプロピレン樹脂繊維であった。また、SMS不織布のセルロース系繊維層と接する面における、エンボス加工による凹部の面積率は20.9%(オーバルパターン)であった。また、実施例13及び14において紙層の吸引脱水は行わなかった。
〔比較例1、2、5〜9〕
セルロース系繊維や長繊維不織布の有無、又はこれらの構成(種類、坪量、嵩密度)、ネックイン率を下記表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして積層シート1を製造した。
各比較例の長繊維不織布として用いたスパンボンド不織布及びSMS不織布は、上述した実施例と同じ構成繊維のものをそれぞれ用いた。また、各比較例におけるスパンボンド不織布及びSMS不織布も、セルロース系繊維層と接する面にエンボス加工による凹凸を有しており、該スパンボンド不織布及びSMS不織布の凹部の面積率は、それぞれ17.3%及び20.9%であった。
尚、比較例6及び7では、紙層の吸引脱水は行わなかった。各比較例で用いた長繊維不
織布の坪量(g/m)、嵩密度(g/cm)、及び長繊維不織布層の平均厚さ(t1)に対する凹部における長繊維不織布層の厚さ(t2)の割合(t2/t1)を表3に示す。
〔比較例3〕
下記表1に示すセルロース系繊維Aを下記表3に示す坪量で抄紙したドライシートと、下記表3に示す長繊維不織布とを積層して、積層シートを得た。
〔比較例4〕
下記表1に示すセルロース系繊維Eを下記表3に示す坪量で抄紙したドライシートと、下記表3に示す長繊維不織布とを積層し、ジェット水流による水流交絡処理を行って、積層シートを得た。
下記表1の各セルロース系繊維の詳細は次の通りである。
・セルロース系繊維A:針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)(商品名「カリブ」、Cariboo Pulp and Paper社製)。
・セルロース系繊維B:針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)(商品名「アラウコ」、ARAUCO社製)。
・セルロース系繊維C:広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)(商品名「リアウ」、Riau Andalan社製)。
・セルロース系繊維D:マーセル化パルプ(商品名「ポロセニア」、ITT RAYONIER INC.製)。
・セルロース系繊維E:架橋パルプ(商品名「HBA」、Weyerhauser社製)。
Figure 0006864589
〔密着状態の確認試験〕
上記の各実施例及び比較例の積層シートについて、長繊維不織布層とセルロース系繊維層との間の隙間の有無を、前述した密着状態の確認試験によって確認した。そして、積層シートの平均厚みに対する隙間距離の平均の割合〔隙間距離の平均/積層シートの平均厚さ×100(%)〕として、下記表2及び表3に示した。全ての切り込み断面における隙間距離の平均が積層シートの平均厚さの1/2より小さい、即ち、上記割合が50%以下であれば、両層は「密着した状態にある」とした。
〔貫通セルロース系繊維の確認試験〕
上記の各実施例及び比較例の積層シートについて、長繊維不織布層における貫通セルロース系繊維の有無を次の方法によって確認した。積層シートの長繊維不織布層側を、顕微鏡を用いて500倍の倍率で観察し、0.1%青色染料を用いてセルロース系繊維を染色した。この青色染料は、市販の合成色素(製品名:青色1号、保土谷化学工業社製)を脱
イオン水で0.1%に希釈し、セルロース系繊維層をその0.1%染料に浸漬し、乾燥して調整した。このときセルロース繊維層が移動したり脱落しないように慎重に扱った。染色済みの積層シートから無作為に1cmの切片を10枚サンプリングした。次に、各切片の長繊維不織布層の面のSEM画像を撮影し、該SEM画像から長繊維不織布層を貫通しているセルロース系繊維の本数を求め、下記表2及び表3に示した。
〔通気抵抗度及びネックイン率の測定〕
上記の各実施例及び比較例の積層シートについて、通気抵抗度及びネックイン率を前述した方法により測定した。測定結果を表2及び表3に示す。
〔吸収体の作製〕
上記の各実施例及び比較例の積層シートを用いて、吸収体を作製した。先ず、解繊したパルプ繊維集合体(坪量250g/mのパルプシート)を、上記の各実施例及び比較例の積層シートで被覆し、これを吸収性コアとした。積層シートで被覆する際、セルロース系繊維層25がパルプ繊維集合体と対向するように、被覆した。次いで市販紙おむつのメリーズテープタイプSサイズ(花王株式会社、日本で2015年製造販売)の表面シートをコールドスプレーで各材料間を接着するホットメルトを固化させて剥がし、前記吸収性コアと重ね合わせ、スプレー糊を用いて接着させた。接着後、マングルを1往復して加圧し、吸収体を得た。
〔便拡散防止性の評価〕
上記の各実施例及び比較例の積層シートを用いて作製した吸収体について、下記方法により便拡散防止性を評価した。下記方法では、吸収体の便拡散防止性を便拡散面積によって評価しているところ、便拡散面積の値が小さいほど、吸収体が液拡散の抑制効果(便拡散防止性)に優れると判断され、高評価となる。
まず、吸収体の肌対向面側における中央部に、チューブを介して疑似軟便10gを、注入した。該擬似軟便の成分は、ベントナイト22.5%、ポイズ530(40%,花王株式社製)0.5%、エマルゲン130K0.03%水溶液(花王株式会社製)1.5%、イオン交換水75.5%であり、粘度は40mPa・s(23℃、振動式粘度計:株式会社エー・アンド・デイ製、SV−10)、表面張力55mN/mであった。擬似便を注入後30秒間静置させ、その上にろ紙と錘(3.0kPa)を載せ、2分間加圧した。そして、擬似便の拡散面積(便拡散面積)を画像処理により3回測定した。画像処理は、疑似便の拡散している状態をデジタルカメラで撮影し、同時に撮影した10cm四方のプレート(100cm)の画像を画像解析ソフト(Adobe Photoshop CS5)を使って、表面シートの上で疑似便が拡散している部分の画素数と、面積既知のプレートとの比較により拡散面積を算出した。測定された値の平均値を測定結果とし、表2及び表3に示した。
Figure 0006864589
Figure 0006864589
積層シートの通気抵抗度が所定の範囲にない比較例2、5〜9、セルロース系繊維を含まない比較例1、及びセルロース系繊維層をドライシートの形態にて長繊維不織布層に積層し両層の界面が密着状態でない比較例3、4に対し、長繊維不織布層とセルロース系繊維層との界面が密着した状態である実施例1〜14の積層シートは、通気抵抗度が所定の範囲であるため、疑似便を注入すると積層シート表面で広がらずに透過し、積層シート表
面での便拡散面積が小さかった、即ち液拡散が抑制されていた。中でも、繊維粗度が高いセルロース系繊維を用いた実施例8〜10において、その抑制の効果が顕著であった。
1 積層シート
20 長繊維不織布層
21 長繊維
25 セルロース系繊維層
26 セルロース系繊維
27 貫通セルロース系繊維
22 凸部
23 凹部
24 隙間
100 おむつ
12 表面シート
13 裏面シート
14 吸収体
14a 吸収性コア
14b コアラップシート
3 湿式抄紙機
20a 基材シート
31 抄紙網
33 サクションボックス
34 プレスロール
35 ヤンキードライヤー
36 巻回ロール
10 成形シート
37a,37b ベルトコンベア

Claims (8)

  1. 疎水性の長繊維を含む長繊維不織布層と、該長繊維不織布層の片面又は両面に設けられた、セルロース系繊維を主体として構成されたセルロース系繊維層とを有する積層シートであって、
    前記長繊維不織布層は、前記セルロース系繊維層と接する面に複数の凹部と凸部とを有しており、該凹部に前記セルロース系繊維層が積層されており、
    前記長繊維不織布層と前記セルロース系繊維層との界面が密着した状態であり、
    前記積層シートとしての通気抵抗度が0.001kPa・s/m以上0.08kPa・s/m以下である、積層シート。
  2. 前記セルロース系繊維の一部が前記長繊維不織布層を貫通し、該長繊維不織布層の片面側に露出している、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記セルロース系繊維は、繊維粗度が150μg/m以上の繊維を含む、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 前記長繊維不織布層の前記凹部及び前記凸部は、エンボス加工により形成されており、
    前記凹部における前記長繊維不織布層の厚さは、前記長繊維不織布層の平均厚さに対して90%以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の積層シート。
  5. 前記長繊維不織布層の坪量は、5〜15g/mであり、
    前記セルロース系繊維層の坪量は、0.5〜10g/mである、請求項1〜4の何れか1項に記載の積層シート。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の積層シートを、吸収性コアを被覆するコアラップシートとして用いた、吸収性物品。
  7. 疎水性の長繊維を含む長繊維不織布からなる基材シート上に、セルロース系繊維を含むスラリーを供給し、抄造により、前記基材シート上にセルロース系繊維層を形成させる抄造工程を具備し、
    下記式(1)により求められるネックイン率を20%以下とする、積層シートの製造方法。
    ネックイン率(%)=(W−W)/W×100・・・(1)
    :前記基材シートの搬送方向に直交する方向における前記基材シートの長さ
    :前記直交する方向における前記積層シートの長さ
  8. 請求項1〜5の何れか1項に記載の積層シートの製造方法であって、
    疎水性の長繊維を含む長繊維不織布からなる基材シート上に、前記セルロース系繊維を含むスラリーを供給し、抄造により、前記基材シート上に前記セルロース系繊維層を形成させる抄造工程を具備する、積層シートの製造方法。

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